JP6075867B2 - 衛生薄葉紙の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
本発明は、保湿成分を含む薬液とマイクロカプセルとを原紙に保持するローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法及び製造装置に関するものである。
ローションタイプの衛生薄葉紙は、単位面積当りの重量の少ない薄い原紙にローション液を保持させたものであって、ローションティッシュやローショントイレットとして一般に知られている。ローションタイプの衛生薄葉紙は非湿潤状態であり、湿潤状態のウェットティッシュ等とは区別され、一般的な非保湿系のティシュペーパーやトイレットペーパーと同様に取り扱われて使用されるものである。
このローションタイプの衛生薄葉紙には、使用時にアロマテラピー効果等の付加作用を衛生薄葉紙に発現させるために、更にマイクロカプセルを原紙に保持するものがある。このマイクロカプセルは、香料等からなる芯材が高分子等からなる壁材によって覆われて粒状になったものである。従来、このようなローション液とマイクロカプセルとを原紙に保持するローションタイプの衛生薄葉紙は、特許文献1に記載されているように、マイクロカプセルが分散されたローション液を原紙に塗工することで製造されていた。
ローション液及びマイクロカプセルを保持する原紙は、ローション液の塗工工程や後段の製造工程において、ローラ装置その他製造装置の接触によって圧力及び摩擦を受ける。従来の製造方法においては、この加圧や摩擦によって、原紙や薬液の表面近傍にあるマイクロカプセルの壁材が破壊され、内部から芯材が漏出することがあった。このような芯材の漏出は、芯材の揮発等に起因する衛生薄葉紙への付加作用の減少若しくは消失、又は、製造装置への芯材の付着等による製造効率の低下の要因となるために好ましくない。特に、香料のマイクロカプセルを使用した場合、マイクロカプセルの芯材として油溶性成分が適用されることが多く、製造効率が悪くなっていた。すなわち、マイクロカプセルの芯材の漏出によって、原紙等に接触するローラ装置や薬液タンクその他製造装置に芯材が付着する。製造装置に付着した芯材は、洗浄除去することが困難であって、かつ、そのまま放置すると同製造装置を用いて他の製品を製造する際に、他の製品に付着することで、他の製品の品質を低下させるおそれがある。
本発明は、これらに鑑みてなされたものであり、衛生薄葉紙の製造中に原紙に保持されたマイクロカプセルの破壊を抑制又は防止することで、マイクロカプセルにより与えられる衛生薄葉紙への付加作用を維持し、かつ、その製造効率を高くすることができる衛生薄葉紙の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法は、原紙にマイクロカプセルを定着させるマイクロカプセル塗工工程と、上記マイクロカプセルが定着された上記原紙に、保湿成分を含む薬液を塗工する薬液塗工工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の一の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法は、上記衛生薄葉紙の製造方法であって、上記マイクロカプセル塗工工程は、マイクロカプセルスラリーを塗工することで、上記原紙にマイクロカプセルを定着するものであって、上記薬液は、上記マイクロカプセルスラリーよりも、上記マイクロカプセルの含有率が少ないことを特徴とする。また、本発明の一の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法は、上記衛生薄葉紙の製造方法であって、上記薬液は、上記マイクロカプセルスラリーを含まない、又は、上記マイクロカプセルスラリーを含むものであって、上記薬液への、上記マイクロカプセルスラリーの配合率は、0重量%以上であって1.1重量%未満であることを特徴とする。さらにまた、本発明の一の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法は、上記衛生薄葉紙の製造方法であって、更に、上記薬液塗工工程の後に、上記マイクロカプセルと上記薬液とを保持する原紙に外力を加える外力印加工程を備え、上記薬液塗工工程は、上記マイクロカプセル塗工工程よりも後であって、上記外力印加工程よりも前に行われることを特徴とする。
本発明の一の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法は、上記衛生薄葉紙の製造方法であって、上記マイクロカプセルの塗工は、上記マイクロカプセルを含む上記マイクロカプセルスラリーをスプレー塗工することにより行ってもよい。
本発明の一の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法は、上記衛生薄葉紙の製造方法であって、上記マイクロカプセル塗工工程は、上記マイクロカプセルと溶媒とを含む上記マイクロカプセルスラリーを塗工することにより行われ、上記薬液の粘度は、上記溶媒の粘度よりも大きいことを特徴とする。
本発明の一の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法は、上記衛生薄葉紙の製造方法であって、上記マイクロカプセル塗工工程における上記マイクロカプセルの壁材は、ウレタン樹脂を主成分としており、上記マイクロカプセル塗工工程は、上記マイクロカプセルスラリーを塗工することにより行われ、上記マイクロカプセル塗工工程における上記マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量に対する、上記薬液塗工工程における上記保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量(%)の比率であって、(上記保湿成分を含む薬液塗工工程における上記保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量(%)/上記マイクロカプセル塗工工程における上記マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量(%))で示される比率が、13[%/%]以上であって、1600[%/%]以下であることを特徴とする。
本発明の一の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法は、上記衛生薄葉紙の製造方法であって、上記マイクロカプセル塗工工程における上記マイクロカプセルの壁材は、ウレタン樹脂を主成分としており、上記マイクロカプセル塗工工程における上記マイクロカプセルの平均粒径に対する、上記薬液塗工工程における上記保湿成分を含む薬液の塗工量(%)の比率であって、(上記保湿成分を含む薬液塗工工程における上記薬液の塗工量(%)/上記マイクロカプセル塗工工程における上記マイクロカプセルの平均粒径(μm))で示される比率が、0.5[%/μm]以上であって、10.0[%/μm]以下であることを特徴とする。
本発明の一の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙の製造装置は、衛生薄葉紙の製造装置であって、原紙にマイクロカプセルを定着させるマイクロカプセル塗工部と、上記マイクロカプセルが定着された上記原紙に、上記保湿成分を含む薬液を塗工する薬液塗工部と、を備えることを特徴とする。
本発明の衛生薄葉紙の製造方法及び製造装置によれば、衛生薄葉紙の製造中に原紙に保持されたマイクロカプセルの破壊を抑制又は防止できるために、マイクロカプセルにより与えられる衛生薄葉紙への付加作用を維持し、かつ、その製造効率を高くすることができる。
(ローションタイプの衛生薄葉紙)
本発明の各実施形態において、ローションタイプの衛生薄葉紙とは、非湿潤状態となるように原紙に薬液を保持させたものである。従って、ローションタイプの衛生薄葉紙は、湿潤状態のウェットティッシュとは区別され、一般的な非保湿系のティシュペーパーやトイレットペーパーと同様に取り扱われるものである。
本発明の各実施形態において、ローションタイプの衛生薄葉紙とは、非湿潤状態となるように原紙に薬液を保持させたものである。従って、ローションタイプの衛生薄葉紙は、湿潤状態のウェットティッシュとは区別され、一般的な非保湿系のティシュペーパーやトイレットペーパーと同様に取り扱われるものである。
(第1の実施形態)
図1から図3を用いて、第1の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙の製造装置及びそれを用いた製造方法を説明する。本実施形態及び図1から図3において、同一の構成には同一の符号を用いて説明する。
図1から図3を用いて、第1の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙の製造装置及びそれを用いた製造方法を説明する。本実施形態及び図1から図3において、同一の構成には同一の符号を用いて説明する。
図1から図3に示すように、本実施形態のローションタイプの衛生薄葉紙の製造装置は、原紙10の送給方向に沿って、原紙送給部1と、マイクロカプセル塗工部3と、薬液塗工部5と、外力印加部7と、を順に有する。
薬液塗工部5は、原紙10の送給方向に沿って、マイクロカプセル塗工部3と外力印加部7との間に位置する。外力印加部7は、少なくとも原紙10の送給方向に沿ってマイクロカプセル塗工部3に最も近い外力印加部である。マイクロカプセル塗工部3の射出孔301と薬液塗工部5の射出孔501とは、原紙10の搬送面を基準として、同じ側に設けられている。すなわち、マイクロカプセル塗工部3の射出孔301と薬液塗工部5の射出孔501とが送給される原紙10の表面12に対向するように、マイクロカプセル塗工部3と薬液塗工部5とが配置される。
マイクロカプセル塗工部3と薬液塗工部5とは、原紙10の送給方向に隣り合って配置されていてもよい。また、原紙10の送給方向に沿って、マイクロカプセル塗工部3と薬液塗工部5との間には別の装置が配置されていてもよい。薬液塗工部5と外力印加部7とは、原紙10の送給方向に隣り合って配置されていてもよい。また、薬液塗工部5と外力印加部7との間には別の装置が配置されていてもよい。マイクロカプセル塗工部3、薬液塗工部5、及び、マイクロカプセル塗工部3と薬液塗工部5の間に別の装置がある場合、別の装置は、少なくともマイクロカプセルaを保持する原紙10に圧力及び摩擦を加えない装置であることが好ましく、製造装置が接触しない装置であることが更に好ましい。
原紙送給部1は、マイクロカプセル塗工部3に向かって原紙10を送給する装置である。原紙送給部1には、ロール原反RAを回転可能に保持して原紙10を繰り出すローラ部1A、平面状に連続して送給される原紙10の送給方向を転換するローラ装置や搬送ローダ、その他原紙10を送給可能な装置を含む。
原紙10は、衛生薄葉紙、すなわち、単位面積当りの重量の少ない薄い紙、具体的には、1プライの坪量が10〜40g/m2、好ましくは、10〜30g/m2、より好ましくは10〜20g/m2のものである。例えば、衛生薄葉紙として、ティシュペーパー用紙、トイレットペーパー用紙及び紙タオル用紙が例示される。原紙10は、1プライ、2プライ(2枚重ねで一組となったもの)、またはそれ以上の複数プライであってもよい。原紙10の形状は、特に限定されず、長尺状でロール状に巻き取られたものであっても、正方形等の矩形形状で平面状に設けられたものであってもよい。原紙10の原料は、特に限定されず、ティシュペーパー用、トイレットペーパー用、紙タオル用等の用途に応じて、一般的に使用されているものであればどのようなものであってもよく、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、古紙パルプ、合成パルプ等の原料パルプ又はそれらの組合せが例示される。
マイクロカプセル塗工部3は、原紙10にマイクロカプセルaを塗工する装置である。マイクロカプセル塗工部3には、スプレー塗工装置、グラビアロールを用いたロール転写装置、又は、スロットダイを用いたスロット塗工装置等を用いることができる。好ましくは、マイクロカプセル塗工部3は、スプレー塗工装置であり、マイクロカプセルaを含有するマイクロカプセルスラリーbの貯留部と、マイクロカプセルスラリーbを射出する射出孔301が設けられたノズル300と、を有する。射出孔301は、原紙10の送給方向に対して垂直又は斜めにマイクロカプセルスラリーbを射出するように設けられる。
マイクロカプセルaは、高分子材料等からなる壁材によって芯材が覆われた粒状体である。マイクロカプセルaの壁材の材料には、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ゼラチン、寒天、天然ゲル化剤、グリセリン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース又はそれらの組合せが例示される。マイクロカプセルaの壁材の材料には、ウレタン樹脂が好ましく用いられる。ウレタン樹脂は、保湿成分を含む薬液中においてもマイクロカプセルの安定性を高くすることができ、原紙10の繊維間空隙に入り込みやすい粒径にマイクロカプセルを形成しやすいためである。マイクロカプセルaの芯材としては、香料、消臭剤、清涼剤、抗ウイルス剤、皮膚軟化剤、ローション剤又はそれらの組合せが例示される。マイクロカプセルaの芯材は、水溶性材料でも油溶性材料でもよい。芯材に使用される香料には、ユーカリプトール、メントン、リモネン、プレゴン又はそれらの組合せが例示される。芯材に使用される消臭剤には、フィットンチッドといわれる木材抽出物、カミツレ等の植物の植物抽出物又はそれらの組合せが例示される。芯材に使用される清涼剤としては、ソルビトール、アルチトール、キシリトール、エリストール、ラクチトール及びパラチニット又はそれらの組合せを例示することができる。芯材に使用される抗ウイルス剤としては、天然の抗ウイルス剤であるモノテルペン炭化水素類並びにモノテルペンアルコール類や非天然の抗ウイルス剤であるフェノール類及びフェノールエーテル類又はそれらの組合せが例示される。芯材に使用される皮膚軟化剤としては、柔軟剤、ビタミン、グリシン、アミノ酸、植物抽出エキス又はそれらの組合せが例示される。
マイクロカプセルaの平均粒径は、3μm以上であって30μm以下であることが好ましい。更に、マイクロカプセルaの平均粒径は、マイクロカプセルaの破壊を更に抑制できるように、マイクロカプセルaが原紙10を構成する繊維間空隙内に少なくとも一部が入り込みやすい5μm以上であって20μm以下であることが好ましい。マイクロカプセルの粒径は、FE−SEM(日本電子社製JSM−6700F電界放出型走査電子顕微鏡)を用いて測定することができる。
マイクロカプセルaの壁材の膜厚は、0.1μm以上であって2.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上であって1.0μm以下あることが更に好ましい。壁材の膜厚が0.1μm以下であるときはマイクロカプセルaの塗工時にマイクロカプセルaの壁材が破壊される可能性が高く、2.0μm以上であるときはマイクロカプセルaの壁材が衛生薄葉紙の使用時に破壊されにくい。このために、マイクロカプセルaの壁材の膜厚が、0.1μm以上であって2.0μm以下である場合に、マイクロカプセルaによる衛生薄葉紙への付加効果を高く維持することができる。
マイクロカプセルスラリーbは、マイクロカプセルaと溶媒とを含むものであり、具体的には、水などの溶媒中にマイクロカプセルaが分散された懸濁液である。マイクロカプセルスラリーbの組成は、マイクロカプセルaの種類によって異なるが、例えば、香料14%、ポリウレタン樹脂5%、水77%、その他4%である。
薬液塗工部5は、原紙10に薬液eを塗工する装置である。薬液塗工部5には、ノズルを用いたスプレー塗工装置、グラビアロールを用いたロール転写装置、又は、スロットダイを用いたスロット塗工装置などを用いることができる。少なくとも、薬液eは、マイクロカプセルaを含有しないか、又は、マイクロカプセルスラリーbよりもマイクロカプセルaの含有率が少ないことが好ましい。マイクロカプセルaの含有率とは、マイクロカプセルスラリーb又は薬液eの総重量に対するマイクロカプセルaの総重量の比率である。薬液eへのマイクロカプセルスラリーbの配合率は、0重量%以上であって1.1重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、より好ましくは0重量%であることが好ましい。マイクロカプセルスラリーbの配合率が0重量%以上とは、薬液eはマイクロカプセルスラリーbを含まないものであってもよいことを示す。薬液塗工部5は、スプレー塗工装置であって、薬液eの貯留部と、射出孔501が設けられたノズル500と、を有することが好ましい。射出孔501は、原紙10の送給方向に対して垂直又は斜めに薬液eを射出するように設けられる。好ましくは、薬液eは保湿成分を含む薬液であり、一般にローション液と呼ばれているものである。保湿成分は、原紙の保湿性を高めて、原紙から肌に与えられる刺激を緩和することを目的とするもので、ポリシロキサン、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール及びポリエチレングリコール等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール及びトレハロース等の糖類、グルコール系薬液及びその誘導体、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール、流動パラフィン等から選択される1つ、又は、これらの複数の組合せが例示される。また、保湿成分を含む薬液は、更に添加剤を含んでもよい。添加剤には、グリシン、アスパラギン酸、アルギニン、アラニン、シスチン、システイン等のアミノ酸、アロエエキス、甘茶エキス、アシタバエキス、カリンエキス等の植物抽出エキス、オリーブ油、ホホバ油、ローズヒップ油、アーモンド油、ユーカリ油、アボガド油等の植物油、ビタミン、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、加水分解シルク、キトサン及び尿素又はそれらの組合せが例示される。
また、薬液eの粘度は、マイクロカプセルスラリーbの溶媒の粘度よりも大きいほうが好ましい。さらにまた、マイクロカプセルスラリーbの粘度は、マイクロカプセルスラリーbの溶媒の粘度よりも大きいほうが好ましい。例えば、マクロカプセルスラリーbの溶媒は水であり、かつ、薬液eは保湿成分を含む薬液であるローション液である。東機産業社製粘度計を用いて23℃で測定した、この水のB型粘度は20mPa・s以下であり、マイクロカプセルスラリーbのB型粘度は30mPa・s以下であり、このローション液のB型粘度は40〜200mPa・sである。このようなマイクロカプセルスラリーb及び薬液eの塗工によって、既に原紙10に塗工されたマイクロカプセルaが薬液eによって十分に覆われ、かつ、マイクロカプセルaは原紙10の繊維間空隙に配置されやすくなる。このため、外力印加部7等の製造装置からのマイクロカプセルaへの加圧及び摩擦を薬液e及び原紙10が緩和し、マイクロカプセルaをより効果的に保護できるからである。
マイクロカプセル塗工部3及び薬液塗工部5の少なくとも一方にスプレー塗工装置を用いた場合、これらの装置は原紙10に非接触であるから、マイクロカプセルaに印加される圧力や摩擦が低減される。このため、マイクロカプセルaの破壊をより効果的に抑制又は防止することができる。
外力印加部7は、マイクロカプセルa及び薬液eを保持する原紙10に少なくとも一部が接触する装置であって、マイクロカプセルa及び薬液eを保持する原紙10の少なくとも一部に圧力や摩擦等の外力を加える装置である。外力印加部7には、マイクロカプセル塗工部3及び薬液塗工部5は含まない。外力印加部7には、図1の原紙10を搬送する等のためのローラ部7A、図2の原紙10内に薬液を均一に拡散・浸透させるためのプレス部7B、及び/又は、図3の原紙10を挟んでプライ化するプライ化接合部7Cを含む。この外力は、積極的に加えるものであっても、消極必然的に加えられるものであってもよい。外力印加部7として、図1には、原紙10を巻き取るローラ部7Aを用いたものを示し、図2には、薬液eを原紙10内に均一に拡散・浸透させるために原紙10を押圧するプレス部7Bを用いたものを示し、図3には、原紙10と原紙20とをプライ化するプライ化接合部7Cを用いたものを示したが、これらに限定されるものではない。原紙送給部1及び外力印加部7が共にローラ部1A,7Aである場合、原紙送給部1のローラ部1A及び外力印加部7のローラ部7Aとは、原紙10を原紙送給部1から外力印加部7に向かって繰り出すように回転駆動される。
次に、図1から図3を用いて、本実施形態の衛生薄葉紙の製造装置を用いてマイクロカプセルaと薬液eを塗工する衛生薄葉紙の製造方法を説明する。
原紙10は、原紙送給部1から外力印加部7に送給されるまでの間に、表面12にマイクロカプセルaが塗工され、マイクロカプセルaが塗工された表面12に薬液eが塗工される。すなわち、原紙10は、マイクロカプセルaが塗工された後、マイクロカプセルaが塗工された領域に薬液eが塗工され、外力が印加される外力印加工程に至る。なお、上述のとおり、薬液eへのマイクロカプセルスラリーbの配合率は、0重量%以上であって1.1重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、より好ましくは0重量%であることが好ましい。マイクロカプセルスラリーbの配合率が0重量%以上とは、薬液eはマイクロカプセルスラリーbを含まないものであってもよいことを示す。つまり、少なくとも、薬液eは、マイクロカプセルa等のマイクロカプセルを含有しないか、又は、マイクロカプセルスラリーbよりもマイクロカプセルaの含有率が少ないことが好ましい。また、薬液eは、マイクロカプセルスラリーbの溶媒よりも粘度が高く、マイクロカプセルスラリーbよりも粘度が高いことが好ましい。
外力印加工程は、マイクロカプセルa及び薬液eを保持する原紙10に外力印加部7の少なくとも一部が接触することによって、マイクロカプセルa及び薬液eを保持する原紙10の少なくとも一部に圧力や摩擦等の外力が加わるものである。外力印加工程は、図1に示すように、原紙10をローラ部7Aで巻き取る工程であってもよいし、図2に示すように、薬液eを原紙10内に均一に拡散・浸透させるためにプレス部7Bで原紙10を押圧する工程でもよいし、図3に示すように、原紙10と原紙20とをプライ化するために押圧する工程でもあってもよい。原紙10への薬液eの塗工は、少なくとも原紙10へのマイクロカプセルaの塗工後であって、マイクロカプセルaの塗工後の最初の外力印加工程までに行われることが好ましい。
まず、図1を用いて、原紙10にマイクロカプセルaと薬液eを塗工して、ロール形態の衛生薄葉紙を製造する製造方法を説明する。
原紙送給部1にはローラ部1Aを用い、外力印加部7にはローラ部7Aを用いる。原紙10の送給は、原紙10を巻いたロール原反RAをローラ部1Aに設置し、原紙10の端部をローラ部7Aに取り付け、ローラ部1Aとローラ部7Aとを回転させることで行う。原紙10には、1プライ又は複数プライの原紙を用いることができる。
まず、原紙10は、原紙送給部1からマイクロカプセル塗工部3に向かって送給される。マイクロカプセル塗工部3は、原紙送給部1から送給された原紙10の表面12に向かって、マイクロカプセルaをスプレー塗工する。スプレー塗工は、マイクロカプセル塗工部3の貯留部のマイクロカプセルスラリーbを、ノズル300の射出孔301から放射状に射出することで行う。
更に、このマイクロカプセルaが塗工された原紙10は、マイクロカプセル塗工部3から薬液塗工部5に向かって送給される。薬液塗工部5は、原紙10の表面12であって、マイクロカプセルaが塗工された領域に、保湿成分を含む薬液eをスプレー塗工する。薬液eは、表面12だけでなく、裏面14も含む両面にスプレー塗工されてもよい。スプレー塗工は、薬液塗工部5の貯留部の薬液eを、ノズル500の射出孔501から放射状に射出することで行われる。
この後、マイクロカプセルa及び薬液eを保持する原紙10は、薬液塗工部5から外力印加部7に向かって送給される。外力印加部7は、ローラ部7Aであり、マイクロカプセルa及び薬液eを保持する原紙10の巻き取り時に、原紙10に圧力又は摩擦を加える。原紙10は、トイレットペーパーロールやティシュペーパー等の原反ロールとなるロールRBとして、ローラ部7Aで巻き取られる。この後、公知の加工方法で、ロールRBから1プライ又は複数プライのロール形態又はボックス形態等の衛生薄葉紙が製造される。
次に、図2を用いて、原紙10を折り畳み加工する際に本実施形態の衛生薄葉紙の製造装置を用いてマイクロカプセルaと薬液eを塗工して、折り畳んで積層された形態の衛生薄葉紙を製造する製造方法を説明する。
まず、原紙10は、1プライあるいは複数プライの原紙10が巻かれたロール原反RAを原紙送給部1であるローラ部1Aに設置して、ローラ部1Aを回転することで、マイクロカプセル塗工部3に向かって送給される。
次に、原紙送給部1から送給された原紙10は、原紙10の少なくとも表面12側から、マイクロカプセルaを塗工される。マイクロカプセルaは、マイクロカプセル塗工部3の射出孔301に対向する表面12に向かって、貯留部のマイクロカプセルスラリーbをノズル300から放射状に射出することで、原紙10にスプレー塗工される。
更に、このマイクロカプセルaを保持する原紙10は、マイクロカプセル塗工部3から薬液塗工部5に向かって送給される。薬液塗工部5は、原紙10の表面12であって、マイクロカプセルaが塗工された領域に、薬液eをスプレー塗工する。薬液eは、上述のとおり、薬液eへのマイクロカプセルスラリーbの配合率が、0重量%以上であって1.1重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、より好ましくは0重量%であるものが好ましい。また、薬液eは、マイクロカプセルスラリーbの溶媒よりも粘度が高く、マイクロカプセルスラリーbよりも粘度が高いことが好ましい。スプレー塗工は、薬液塗工部5の貯留部の薬液eを、ノズル500の射出孔501から原紙10に対して放射状に射出することで行われる。
マイクロカプセルa及び薬液eを保持する原紙10は、薬液塗工部5から外力印加部7であるプレス部7Bに向かって更に送給され、マイクロカプセルa及び薬液eを保持する原紙10はプレス部7Bによって押圧される。プレス部7Bは、原紙10を押圧することによって、薬液eを原紙10内部に均一に拡散及び/又は浸透させる。
この後、原紙10は、切断部8によって切断された後に、マイクロカプセルc及び保湿成分を含む薬液fを保持する原紙20と共に、折り畳み加工部9によって折り畳まれて積み重ねられ、箱やビニール袋等の包装材で包装処理される。なお、マイクロカプセルcは、マイクロカプセル塗工部4によってマイクロカプセルスラリーdをスプレー塗工等することで原紙20に塗工され、薬液fは、マイクロカプセルcが塗工された後に薬液塗工部6によって原紙20に塗工されたものである。薬液fは、マイクロカプセルスラリーdの配合率が0重量%以上であって1.1重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、より好ましくは0重量%であることが好ましい。これにより、折り畳んで積層された形態の衛生薄葉紙が製造される。
次に、図3を用いて、原紙10を原紙30とプライ化する際に本実施形態の衛生薄葉紙の製造装置を用いてマイクロカプセルaと保湿成分を含む薬液eを塗工して、ロール形態の衛生薄葉紙を製造する製造方法を説明する。
図3には、原紙10の原紙送給部1にローラ部1Aを用い、原紙30の原紙送給部2にローラ部2Aを用い、外力印加部7にプライ化接合部7Cを用いたものを図示している。原紙10,30の送給は、ローラ部1Aに原紙10を巻いたロール原反RAを設置し、ローラ部2Aに原紙30を巻いたロール原反RCを設置し、原紙10及び原紙30の端部をローラ部5Aに取り付け、ローラ部1Aとローラ部2Aとローラ部5Aとを回転させることで行う。
まず、1プライあるいは複数プライの原紙10が、原紙送給部1からマイクロカプセル塗工部3に向かって送給される。マイクロカプセル塗工部3は、マイクロカプセルaを原紙10にスプレー塗工する。このスプレー塗工は、貯留部のマイクロカプセルaと溶媒を含むマイクロカプセルスラリーbを、原紙送給部1から送給された原紙10の表面12に向かって、ノズル300の射出孔301から放射状に射出することで行う。この際、原紙10の表面12とマイクロカプセル塗工部3の射出孔301とは対向して配置されている。
更に、マイクロカプセルaが塗工された表面12を有する原紙10は、マイクロカプセル塗工部3から薬液塗工部5に向かって送給される。薬液塗工部5は、マイクロカプセルaを保持する原紙10に、マイクロカプセルスラリーbの配合率が、0重量%以上であって1.1重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、より好ましくは0重量%である薬液eをスプレー塗工する。このスプレー塗工は、薬液塗工部5の射出孔501に対向して位置する原紙10の表面12であって、マイクロカプセルaが塗工された領域に向かって、薬液塗工部5の貯留部の薬液eを、ノズル500の射出孔501から放射状に射出することで行われる。
一方、原紙30は、原紙送給部2からマイクロカプセル塗工部4と薬液塗工部6とを通ってプライ化接合部7Cである外力印加部7に送給される。原紙30は、この送給過程において、マイクロカプセル塗工部4によって、マイクロカプセルcを含むマイクロカプセルスラリーdが塗工された後に、薬液塗工部6によって、保湿成分を含む薬液fが塗工される。薬液fは、マイクロカプセルスラリーdの配合率が0重量%以上であって1.1重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、より好ましくは0重量%であることが好ましい。
この後、マイクロカプセルa及び薬液eを保持する原紙10と、マイクロカプセルcと薬液fとを保持する原紙30とは、薬液塗工部5,6からプライ化接合部7Cに向かって送給される。プライ化接合部7Cは、原紙10及び原紙30を重ね合わせて押圧することで、原紙10と原紙30とをプライ化する。プライ化接合部7Cは、マイクロカプセルa及び薬液eを保持する原紙10及びマイクロカプセルc及び薬液fを保持する原紙30に圧力や摩擦等の外力を加える。プライ化された原紙10及び原紙30は、ローラ部5Aで巻き取られて、トイレットペーパーロールやティシュペーパー等の原反ロールである複数プライのロールRDになる。この後、公知の加工方法で、ロールRDからロール形態又はボックス形態等の衛生薄葉紙が製造される。
本実施形態は、原紙10にマイクロカプセルaを塗工した後に、マイクロカプセルa等のマイクロカプセルを含有しない、又は、含有率が少ない薬液eを塗工するため、マイクロカプセルaが薬液eに覆われやすく、後段の外力印加部7等の製造装置からマイクロカプセルaに与えられる加圧や摩擦等を薬液eが緩和するので、マイクロカプセルaが破壊されるのを防止又は抑制することができる。
本実施形態において、原紙10にマイクロカプセルaを塗工するマイクロカプセルの塗工工程と、マイクロカプセルaを保持する原紙10に薬液eを塗工する薬液塗工工程と、は連続的に行われても良いし、その間に更に別の工程を含んでも良い。マイクロカプセルaを保持する原紙10に薬液eを塗工する薬液塗工工程とマイクロカプセルaと薬液eとを保持する原紙10への外力を印加する外力印加工程とは、連続的に行われても良いし、その間に更に別の工程を含んでも良い。マイクロカプセル塗工工程と薬液塗工工程までの間及び/又は薬液塗工工程と外力印加工程までの間の別の工程は、少なくともマイクロカプセルaを保持する原紙10に圧力及び摩擦を加えない工程であることが好ましく、製造装置が原紙10に接触しない工程であることが更に好ましい。
本実施形態において、マイクロカプセルaの塗工及び薬液eの塗工の少なくとも一方は、上述のように、ノズルを用いて原紙10にスプレー塗工してもよいし、グラビアロールを用いて原紙10にロール転写してもよいし、スロットダイを用いて原紙10にスロット塗工してもよい。しかし、好ましくは、マイクロカプセルaの塗工及び薬液eの塗工の少なくとも一方は、スプレー塗工により行われる。スプレー塗工を用いると、マイクロカプセル塗工部3及び薬液塗工部5の少なくとも一方が、原紙10に非接触となるから、マイクロカプセルaに装置による圧力や摩擦等の外力が加わらないためである。
本実施形態において、原紙送給部1及びそれによる送給方法は、本発明の実施形態に特に限定されず、原紙10が巻かれたロール原反RAを有するローラ部Aを回転することで原紙10が送給される方法の他、平面状に連続する原紙10に接触するローラ部や搬送ローダを駆動することで原紙10の送給方向を維持または転換して送給する方法であってもよい。
本実施形態において、原紙20,30は、マイクロカプセルc及び薬液fを塗工した保湿状態の原紙とする場合を説明したが、マイクロカプセルc及び薬液fを塗工しない非保湿状態の原紙としてもよい。また、本実施形態において、原紙20,30は、1プライ及び複数プライのいずれでもよい。さらにまた、本発明の実施形態において、マイクロカプセルaとマイクロカプセルcとは、異なるものでも、同じものであってもよいし、マイクロカプセルスラリーbとマイクロカプセルスラリーdとも、異なるものでも、同じものであってもよい。さらにまた、本発明の実施形態において、薬液eと薬液fとは、異なるものでも、同じものであってもよい。
また、本実施形態において、マイクロカプセルa,c、マイクロカプセルスラリーb,d、薬液e,fは表面12だけに塗工される場合を示したが、原紙10の表面12だけでなく、原紙10の裏面14を含む両面に塗工されてもよい。この場合、マイクロカプセル塗工部3が、原紙10の表面12側の射出孔301だけでなく、原紙10の裏面14側の射出孔を含んでもよいし、裏面14側に別のマイクロカプセル塗工部を配してもよい。また、薬液塗工部5は原紙10の表面12側の射出孔501だけでなく、原紙10の裏面14側にも射出孔を含んでもよいし、裏面14側に別の薬液塗工部を配してもよい。
(第2の実施形態)
図4を用いて、第2の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙製造装置及びそれを用いた製造方法を説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係るローションタイプの製造装置の要部の概略図である。なお、第2の実施形態及び図4において、第1の実施形態及び図1乃至図3と同一の構成には同一の符号を用いて説明し、同一の構成には第1の実施形態における説明がそのまま適用される。
図4を用いて、第2の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙製造装置及びそれを用いた製造方法を説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係るローションタイプの製造装置の要部の概略図である。なお、第2の実施形態及び図4において、第1の実施形態及び図1乃至図3と同一の構成には同一の符号を用いて説明し、同一の構成には第1の実施形態における説明がそのまま適用される。
第2の実施形態の衛生薄葉紙の製造装置は、原紙10の送給方向に、原紙送給部1と、マイクロカプセル塗工部3と、吸引部4と、薬液塗工部5と、外力印加部7と、を順に有する。すなわち、第2の実施形態の衛生薄葉紙の製造装置は、図4に示すとおり、第1の実施形態の衛生薄葉紙の製造装置と比較して、原紙10の送給方向において、マイクロカプセル塗工部3と薬液塗工部5との間に吸引部4を含む構成においてのみ異なり、その他の構成は共通である。また、第2の実施形態の衛生薄葉紙の製造方法は、第1の実施形態の衛生薄葉紙の製造方法と比較して、マイクロカプセル塗工工程と薬液塗工工程との間にマイクロカプセルaを保持する原紙10を吸引する吸引工程を含む構成においてのみ異なり、その他の構成は共通である。
吸引部4は、原紙10を吸引する吸引孔401を有する。吸引部4は、マイクロカプセル塗工部3によって原紙10に塗工されたマイクロカプセルaを表面12側から原紙10内に引き込むように、原紙10の裏面14側から原紙10を吸引する。すなわち、吸引部4の吸引孔401は、原紙10の搬送面を基準として、マイクロカプセル塗工部3の射出孔301及び薬液塗工部5の射出孔501が設けられた側と反対側に設けられている。
マイクロカプセル塗工部3と吸引部4とは、原紙10の送給方向に隣り合って配置されていてもよいし、原紙10の送給方向に沿って、マイクロカプセル塗工部3と吸引部4との間に別の装置が配置されていてもよい。また、吸引部4と薬液塗工部5とは、原紙10の送給方向に隣り合って配置されていてもよいし、原紙10の送給方向に沿って、吸引部4と薬液塗工部5との間の少なくとも一方に別の装置が配置されていてもよい。吸引部4、マイクロカプセル塗工部3と吸引部4との間の別の装置、及び、吸引部4と薬液塗工部5との間の別の装置は、マイクロカプセルa及び薬液eの少なくとも一方を保持する原紙10に圧力及び摩擦を加えない装置であることが好ましく、製造装置が原紙10に接触しない装置であることが更に好ましい。
次に、図4を用いて、第2の実施形態の衛生薄葉紙の製造装置を用いた製造方法を説明する。第2の実施形態の衛生薄葉紙の製造方法は、第1の実施形態の各製造方法において、原紙10へのマイクロカプセルaの塗工工程と薬液eの塗工工程との間に、さらに、原紙10を原紙10の裏面14から吸引する吸引工程を含むものである。すなわち、第2の実施形態の衛生薄葉紙の製造方法は、原紙10の表面12にマイクロカプセルaの塗工するマイクロカプセル塗工工程と、マイクロカプセルaが塗工された原紙10を裏面14からの吸引する吸引工程と、原紙10の表面12であってマイクロカプセルaが塗工された領域に薬液eを塗工する薬液塗工工程と、を順に行うものである。吸引工程は、マイクロカプセルaが塗工された表面12に対向する裏面14において、原紙10を吸引する。これにより、マイクロカプセルaは、原紙10の繊維間空隙内により引き込まれるため、原紙10の繊維によってマイクロカプセルaが保護されるから、マイクロカプセルaの破壊を更に低減することができる。
本実施形態において、マイクロカプセル塗工工程と吸引工程と、及び、吸引工程と薬液塗工工程と、の少なくともいずれか一方は、前述のとおり連続的に行われても良いし、その間に更に別の工程を含んでも良い。このマイクロカプセル塗工工程と吸引工程との間の別の工程、及び、吸引工程と薬液塗工工程との間の別の工程は、マイクロカプセルa及び薬液eを保持する原紙10に圧力及び摩擦を加えない工程であることが好ましく、製造装置が原紙10に接触しない工程であることが更に好ましい。
(第3の実施形態)
図5を用いて、第3の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙製造装置及びそれを用いた製造方法を説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係るローションタイプの製造装置の概略図である。なお、第3の実施形態及び図5において、第1の実施形態、第2の実施形態及び図1乃至図4と同一の構成には同一の符号を用いて説明し、同一の構成には第1の実施形態及び第2の実施形態における説明がそのまま適用される。
図5を用いて、第3の実施形態に係るローションタイプの衛生薄葉紙製造装置及びそれを用いた製造方法を説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係るローションタイプの製造装置の概略図である。なお、第3の実施形態及び図5において、第1の実施形態、第2の実施形態及び図1乃至図4と同一の構成には同一の符号を用いて説明し、同一の構成には第1の実施形態及び第2の実施形態における説明がそのまま適用される。
まず、図5(a)に示すように、原紙10が原紙送給部1から原紙巻取部11である外力印加部7に送給されるまでの間に、原紙10の表面12にマイクロカプセル塗工部3によってマイクロカプセルaが塗工される。上述のとおり、好ましくは、マイクロカプセルaを含むマイクロカプセルスラリーbをスプレー塗工する。原紙10にマイクロカプセルaが塗工された後、外力印加部7であるロール部7Aで巻き取られて、ロールRFとなる。次に、図5(b)に示すように、ロールRFは、原紙送給部13に取り付けられる。原紙10は、ローラ部13Aである原紙給送部13からローラ部15Aである原紙巻取部15に向かって送給される。原紙給送部13から原紙巻取部15に給送されるまでの間に、原紙10のマイクロカプセルaが塗工された表面12に薬液塗工部5によって保湿成分を含む薬液eが塗工される。すなわち、原紙10は、マイクロカプセルaが塗工された後、外力が印加される外力印加工程を経て、マイクロカプセルaが塗工された領域に保湿成分を含む薬液eが塗工される。
すなわち、本実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態と比較して、外力印加工程前にマイクロカプセルaの塗工を行い、外力印加工程後に薬液eの塗工を行う点のみが異なる。この外力印加部7による外力印加工程は、マイクロカプセルaが破壊されないように圧力及び摩擦を制御して行われる工程であることが好ましい。なお、本実施形態において、外力印加部7としてはローラ部7Aを用いて説明したが、これに限定されず、プレス部やプライ化接合部であってもよい。
(実施例1)
マイクロカプセルaとして、芯材に香料を有し、壁材はウレタン樹脂を主成分とし、平均粒径が10μmであるマイクロカプセルを使用した。「ウレタン樹脂を主成分とする」とは、重量%比でウレタン樹脂を壁材の総量の50%以上含むものを意味する。マイクロカプセルスラリーbとして、このマイクロカプセルを含有するマイクロカプセルスラリーを使用した。保湿成分を含む薬液eとして、ローション液を使用した。
マイクロカプセルaとして、芯材に香料を有し、壁材はウレタン樹脂を主成分とし、平均粒径が10μmであるマイクロカプセルを使用した。「ウレタン樹脂を主成分とする」とは、重量%比でウレタン樹脂を壁材の総量の50%以上含むものを意味する。マイクロカプセルスラリーbとして、このマイクロカプセルを含有するマイクロカプセルスラリーを使用した。保湿成分を含む薬液eとして、ローション液を使用した。
マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の原紙への塗工量は、0.02%とした。また、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量は12%とした。このとき、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量/マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量は600%/%であった。また、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量/マイクロカプセルの粒径は、1.2%/μmであった。
なお、「マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量(%)」とは、原紙の重量に対するマイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量(重量)の比率を意味する。具体的に説明すると、マイクロカプセルスラリーの水分を含む塗工量(%)が0.1%、マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の濃度が23%の場合、原紙1.0g当たりのマイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量(重量)は0.00023gとなり、マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量(%)は0.023%となる。また、「保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量(%)」とは、原紙の重量に対する薬液の水分以外の塗工量(重量)の比率を意味する。具体的に説明すると、保湿成分を含む薬液の水分を含む塗工量(%)が15%、薬液の水分以外の成分の濃度が80%の場合、原紙1.0g当たりの薬液の水分以外の成分の塗工量(重量)は0.12gとなり、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量(%)は12%となる。薬液の濃度は、70%から95%にすることが好ましく、75%から90%にすることがより好ましい。薬液塗工量およびマイクロカプセルスラリー塗工量は、薬液やマイクロカプセルスラリーの成分の濃度を適宜調整して、目標とする塗工量に合わせることができるものである。
スプレー塗工部によってこのマイクロカプセルスラリーを原紙にスプレー塗工するマイクロカプセル塗工工程を行った後、保湿成分を含む薬液を塗工する薬液塗工工程を行うことでローションタイプの衛生薄葉紙を得た。
表1に示すとおり、実施例1において得られた衛生薄葉紙の官能試験判定は、香りが○(より好ましい)、柔らかさ・しっとり感・破れにくさの総合が△(好ましい)、洗浄のしやすさが◎(最も好ましい)であった。
表1に示すとおり、実施例1において得られた衛生薄葉紙の官能試験判定は、香りが○(より好ましい)、柔らかさ・しっとり感・破れにくさの総合が△(好ましい)、洗浄のしやすさが◎(最も好ましい)であった。
(実施例2〜12)
実施例2〜12は、実施例1と同様に、スプレー塗工部によってこのマイクロカプセルスラリーを原紙にスプレー塗工するマイクロカプセル塗工工程を行った後、保湿成分を含む薬液を塗工する薬液塗工工程を行う例を示す。ただし、表1に示すとおり、実施例2〜12は、実施例1と異なり、マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の原紙への塗工量を0.02〜0.8%の範囲、及び、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量を12〜30%の範囲で変化させたものである。
実施例2〜12は、実施例1と同様に、スプレー塗工部によってこのマイクロカプセルスラリーを原紙にスプレー塗工するマイクロカプセル塗工工程を行った後、保湿成分を含む薬液を塗工する薬液塗工工程を行う例を示す。ただし、表1に示すとおり、実施例2〜12は、実施例1と異なり、マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の原紙への塗工量を0.02〜0.8%の範囲、及び、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量を12〜30%の範囲で変化させたものである。
表1に示すとおり、実施例2〜12において得られた衛生薄葉紙の官能試験判定(香り、柔らかさ・しっとり感・破れにくさの総合)及び洗浄のしやすさは、全て△(好ましい)〜◎(最も好ましい)であった。
(実施例13)
実施例13は、マイクロカプセルスラリーをロール塗工した以外は、実施例6と同様に行ったものである。表1に示すとおり、実施例13において得られた衛生薄葉紙の官能試験判定(香り)は実施例6より劣ったが、○(より好ましい)であった。
実施例13は、マイクロカプセルスラリーをロール塗工した以外は、実施例6と同様に行ったものである。表1に示すとおり、実施例13において得られた衛生薄葉紙の官能試験判定(香り)は実施例6より劣ったが、○(より好ましい)であった。
(実施例14〜15)
実施例14〜15は、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを0.19〜1.0%配合し、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量が30%、マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の原紙への塗工量が0.8%となるように、薬液とマイクロカプセルスラリーの塗工量を調整した以外は、実施例12と同様に行ったものである。なお、マイクロカプセルは、マイクロカプセル塗工工程および薬液塗工工程の両方で塗工していることとなる。
実施例14〜15は、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを0.19〜1.0%配合し、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量が30%、マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の原紙への塗工量が0.8%となるように、薬液とマイクロカプセルスラリーの塗工量を調整した以外は、実施例12と同様に行ったものである。なお、マイクロカプセルは、マイクロカプセル塗工工程および薬液塗工工程の両方で塗工していることとなる。
表1に示すとおり、実施例14〜15において得られた衛生薄葉紙は、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを配合したため、洗浄のしやすさが実施例12より劣ったが、△(好ましい)〜○(より好ましい)であった。
(比較例1)
比較例1は、マイクロカプセル塗工工程を行わず、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを1.7%配合して塗工量を調整した以外は、実施例6と同様に行った。
比較例1は、マイクロカプセル塗工工程を行わず、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを1.7%配合して塗工量を調整した以外は、実施例6と同様に行った。
表1に示すとおり、比較例1において得られた衛生薄葉紙は、官能試験判定(香り)は○であったが、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを1.7%配合したことで洗浄のしやすさが×(不適)となった。
(比較例2)
比較例2は、マイクロカプセル化されていない液体香料を使用した以外は、実施例6と同様に行った。表1に示すとおり、比較例2において得られた衛生薄葉紙は、液体香料を使用したことで、香料が気化して香りが薄くなり、官能試験判定(香り)が×(不適)となった。
比較例2は、マイクロカプセル化されていない液体香料を使用した以外は、実施例6と同様に行った。表1に示すとおり、比較例2において得られた衛生薄葉紙は、液体香料を使用したことで、香料が気化して香りが薄くなり、官能試験判定(香り)が×(不適)となった。
(比較例3)
比較例3は、マイクロカプセル塗工工程を行わず、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを0.21%配合して原紙にロール塗工し、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量を35%とした以外は、比較例1と同様に行った。
比較例3は、マイクロカプセル塗工工程を行わず、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを0.21%配合して原紙にロール塗工し、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量を35%とした以外は、比較例1と同様に行った。
表1に示すとおり、比較例3において得られた衛生薄葉紙は、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量が35%と多くなったことで、官能試験判定(柔らかさ、しっとり感、破れにくさの総合)が×(不適)であった。また、官能試験判定(香り)も×(不適)であった。
(比較例4)
比較例4は、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを30%配合し、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量が8%、マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の原紙への塗工量が1.0%となるようにした以外は、比較例1と同様に行った。
表1に示すとおり、比較例4において得られた衛生薄葉紙は、官能試験判定も洗浄のしやすさも×(不適)となった。
比較例4は、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを30%配合し、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量が8%、マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の原紙への塗工量が1.0%となるようにした以外は、比較例1と同様に行った。
表1に示すとおり、比較例4において得られた衛生薄葉紙は、官能試験判定も洗浄のしやすさも×(不適)となった。
(実施例16〜18)
実施例16〜18は、マイクロカプセルの粒径を3〜30μmとした以外は、実施例6と同様に行った。表2に示すとおり、実施例16〜18において得られた衛生薄葉紙は、粒径の違いにより、官能試験判定(香り)が○(より好ましい)〜◎(最も好ましい)と若干評価が変わった。
実施例16〜18は、マイクロカプセルの粒径を3〜30μmとした以外は、実施例6と同様に行った。表2に示すとおり、実施例16〜18において得られた衛生薄葉紙は、粒径の違いにより、官能試験判定(香り)が○(より好ましい)〜◎(最も好ましい)と若干評価が変わった。
(比較例5〜6)
比較例5〜6は、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを0.13〜0.17%配合し、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量を22〜30%、マイクロカプセルの粒径を2〜50μmとした以外は、比較例3と同様に行った。表2に示すとおり、比較例5〜6において得られた衛生薄葉紙は、いずれも官能試験判定(香り)が×(不適)であった。
比較例5〜6は、保湿成分を含む薬液にマイクロカプセルスラリーを0.13〜0.17%配合し、保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の原紙への塗工量を22〜30%、マイクロカプセルの粒径を2〜50μmとした以外は、比較例3と同様に行った。表2に示すとおり、比較例5〜6において得られた衛生薄葉紙は、いずれも官能試験判定(香り)が×(不適)であった。
次に、表1および表2において、保湿成分を含む薬剤の原紙への塗工量[%]とマイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の原紙への塗工量[%]との関係及び官能試験判定を比較した。官能試験判定で結果が良好であったものは、マイクロカプセルの壁材にウレタン樹脂を主成分とするものを用いた場合であって、「保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量/マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量[%/%]」で表わされるマイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量に対する保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量の値が、好ましくは13[%/%]以上であって1600[%/%]以下であり、より好ましくは13[%/%]以上であって1000[%/%]以下であり、最も好ましくは13[%/%]以上であって500[%/%]以下であるものであった。
このマイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量に対する保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量の値が13[%/%]より小さいと、芯材の香料によって生ずる香りが強すぎて不快感を与え、かつ、衛生薄葉紙の肌触りが悪いものであった。また、このマイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量に対する保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量の値が1600[%/%]より大きいと、芯材の香料による香りが弱過ぎたり、衛生薄葉紙が湿潤しすぎて不快感を得た。
さらにまた、表1および表2において、保湿成分を含む薬剤の原紙への塗工量[%]とマイクロカプセルの直径[μm]との関係及び官能試験判定とを比較した。官能試験判定で結果が良好であったものは、マイクロカプセルの壁材にウレタン樹脂を主成分とするものを用いた場合であって、「保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量/マイクロカプセルの平均粒径[%/μm]」で表わされるマイクロカプセルの平均粒径に対する保湿成分を含む薬液の塗工量の値が、好ましくは0.5[%/μm]以上であって10.0[%/μm]以下であり、より好ましくは1.0[%/μm]以上であって5.0[%/μm]以下であるものであった。すなわち、このマイクロカプセルの平均粒径に対する保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量の値が0.5[%/μm]以上であって10.0[%/μm]以下であると、保湿成分を含む薬液でマイクロカプセルを確実に覆うことができるため、外力印加部その他製造装置による加圧、摩擦等によるマイクロカプセルの破壊をより効果的に抑制又は防止することができた。
本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲内で、構成の追加、変更及び削除を含むものである。
1,2 原紙送給部
3,4 マイクロカプセル塗工部
5,6 薬液塗工部
7 外力印加部
7A ローラ部
7B プレス部
7C プライ化接合部
8 切断部
9 折り畳み加工部
10,20,30 原紙
11 原紙巻取部
12 原紙の表面
13 原紙給送部
14 原紙の裏面
15 原紙巻取部
300 ノズル
301 射出孔
500 ノズル
501 射出孔
RA,RB,RC,RD,RE,RF,RG ロール
a,c マイクロカプセル
b,d マイクロカプセルスラリー
e,f 薬液
3,4 マイクロカプセル塗工部
5,6 薬液塗工部
7 外力印加部
7A ローラ部
7B プレス部
7C プライ化接合部
8 切断部
9 折り畳み加工部
10,20,30 原紙
11 原紙巻取部
12 原紙の表面
13 原紙給送部
14 原紙の裏面
15 原紙巻取部
300 ノズル
301 射出孔
500 ノズル
501 射出孔
RA,RB,RC,RD,RE,RF,RG ロール
a,c マイクロカプセル
b,d マイクロカプセルスラリー
e,f 薬液
Claims (9)
- 原紙にマイクロカプセルを定着させるマイクロカプセル塗工工程と、
前記マイクロカプセルが定着された前記原紙に、保湿成分を含む薬液を塗工する薬液塗工工程と、を備えることを特徴とするローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法。 - 請求項1記載のローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法であって、
前記マイクロカプセル塗工工程は、マイクロカプセルスラリーを塗工することで、前記原紙に前記マイクロカプセルを定着するものであって、
前記薬液は、前記マイクロカプセルスラリーよりも、前記マイクロカプセルの含有率が少ないことを特徴とするローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法。 - 請求項1又は2記載のローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法であって、
前記薬液は、前記マイクロカプセルスラリーを含まない、又は、前記マイクロカプセルスラリーを含むものであって、
前記薬液への、前記マイクロカプセルスラリーの配合率は、0重量%以上であって1.1重量%未満であることを特徴とするローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載のローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法であって、
更に、前記薬液塗工工程の後に、前記マイクロカプセルと前記薬液とを保持する前記原紙に外力を加える外力印加工程を備え、
前記薬液塗工工程は、前記マイクロカプセル塗工工程よりも後であって、前記外力印加工程よりも前に行われることを特徴とするローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載のローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法であって、
前記マイクロカプセル塗工工程は、前記マイクロカプセルを含む前記マイクロカプセルスラリーをスプレー塗工することにより行うことを特徴とするローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載のローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法であって、
前記マイクロカプセル塗工工程は、前記マイクロカプセルと溶媒とを含む前記マイクロカプセルスラリーを塗工することにより行われ、
前記薬液の粘度は、前記溶媒の粘度よりも大きいことを特徴とするローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載のローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法であって、
前記マイクロカプセル塗工工程における前記マイクロカプセルの壁材は、ウレタン樹脂を主成分としており、
前記マイクロカプセル塗工工程は、前記マイクロカプセルスラリーを塗工することにより行われ、
前記マイクロカプセル塗工工程における前記マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量(%)に対する、前記薬液塗工工程における前記保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量(%)の比率であって、(前記薬液塗工工程における前記薬液の水分以外の成分の塗工量(%)/前記マイクロカプセル塗工工程における前記マイクロカプセルスラリーの水分以外の成分の塗工量(%))で示される比率が、13[%/%]以上であって、1600[%/%]以下であることを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載のローションタイプの衛生薄葉紙の製造方法であって、
前記マイクロカプセル塗工工程における前記マイクロカプセルの壁材は、ウレタン樹脂を主成分としており、
前記マイクロカプセル塗工工程における前記マイクロカプセルの平均粒径に対する、前記薬液塗工工程における前記保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量(%)の比率であって、(前記薬液塗工工程における前記保湿成分を含む薬液の水分以外の成分の塗工量(%)/前記マイクロカプセル塗工工程における前記マイクロカプセルの平均粒径(μm))で示される比率が、0.5[%/μm]以上であって、10.0[%/μm]以下であることを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。 - 原紙にマイクロカプセルを定着させるマイクロカプセル塗工部と、
前記マイクロカプセルが定着された前記原紙に、保湿成分を含む薬液を塗工する薬液塗工部と、を備えることを特徴とするローションタイプの衛生薄葉紙の製造装置。
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