JP6310493B2 - ティシュペーパーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ティシュペーパーの製造方法に関する。特に、薬液が付与されたティシュペーパーの製造方法に関する。
洟をかむ際や肌の清拭などに用いられるドライタイプのティシュペーパーは良く知られる。このようなドライタイプのティシュペーパーの中には、保湿ティシュー、ローションティシューと言われるグリセリン等のポリオールを主成分とする薬液が付与されたティシュペーパーがある。
保湿ティシューは、ポリオールの吸湿作用によって紙中の水分率が高められており、薬液が付与されていない汎用タイプのティシュペーパーと比較すると柔らかさやしっとり感に優れる。
従来、この保湿ティシューは、ティシュペーパー原紙に対して、吸湿作用のあるポリオール及び水を主成分とし、流動パラフィン等の油分が数パーセント程度の少量配合されたローション薬液とも称される水系薬液をフレキソ方式やロール転写によって塗布することで製造されている。
この水系薬液は、パルプ繊維とのなじみがよく、ティシュペーパー原紙に塗布した後、紙中に浸透し、ティシュペーパーの紙中全体がポリオールによる吸湿効果を有するようになるとともに、薬液中に含まれる流動パラフィンが繊維に付着することで、繊維表面に滑り性を与える。
他方で、このような保湿ティシューにおいては、さらなる柔らかさや滑らかさの向上が求められているが、従来製造方法において、薬液の付与量を増加させたり、単に薬液中の油性成分の含有量を増加させると、ティシュペーパーがべとつくなど、使用感が悪化したものとなってしまう。
特開2012−170657号公報 特開2011−206529号公報 特開2011−206075号公報 特開2008−245780号公報
そこで、本発明の主たる課題は、しっとり感、柔らかさや滑らかさがより高まる薬液が付与されたティシュペーパーの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、従来の製造方法では、水系薬液が原紙に浸透するがゆえにティシュペーパーの表面において作用するポリオールが少なくなり、水系薬液の効果が十分に発現されていないと考えた。そして、上記の課題を解決した本発明の完成に至った。その発明は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
帯状に連続する坪量10〜25g/m2のティシュペーパー原紙を二枚積層してなる積層ティシュペーパー原紙の少なくとも一方の面に、ポリオールを70質量%以上含む水系薬液の原紙中への浸透が遅くなる、ミネラルオイル、コラーゲン、流動パラフィン及び脂肪酸アミド誘導体の群から選択される物質のエマルジョン又はこれらを混合したものである油系薬液を、グラビア方式によって片面あたり0.20〜0.75g/m2 塗布する一次薬液付与工程を行った後、
一次薬液付与工程で前記油系薬液が付与された積層ティシュペーパー原紙に対して、その油系薬液が付与された面から、ティシュペーパーに吸湿作用を付与して水分率を高める前記水系薬液をスプレー塗布によって両面合計で2.0〜5.0g/m2 塗布して前記油系薬液が付与された面を通してティシュペーパー原紙中に紙面全体に浸透させる二次薬液付与工程を行う
ことを特徴とするティシュペーパーの製造方法。
本発明は、ティシュペーパーに吸湿作用を付与して水分率を高める水系薬液を付与する前に、少量の油系薬液をティシュペーパー原紙に付与する。
油系薬液は水系薬液のようにティシュペーパー原紙に対する浸透性が良好ではないため、付与面であるティシュペーパー原紙の表面に留まる。また、油系薬液は油性成分の滑り性によって主に滑らかさを向上させるため、この油系薬液が面に付与されたティシュペーパーは、滑らかさを感じやすいものとなる。また、油系薬液はベタツキ感を感じやすいが、油系薬液の付与後にその付与面から水系薬液を付与するとベタツキ感が低下する。
さらに、水系薬液を付与するに先立って油系薬液を少量付与することでティシュペーパーの水分率がより高まり、しっとり感と柔らかさが非常に感じやすくなる。
この理由は定かではないものの、水系薬液を付与するに先立って油系薬液を少量付与しておくとティシュペーパー原紙に対する水系薬液の浸透がやや遅くなる現象が確認されることから、これが影響していると考えられる。水系薬液のティシュペーパー原紙への浸透が遅くなるとともに、水系薬液中の有効成分のティシュペーパー原紙の表面に存在する油性薬液とのなじみやすさ等により、ティシュペーパー原紙の表面近傍に水系薬液の有効成分が多く存在するようになる有効成分の配向性が生じることが考えられている。また、油系成分がティシュペーパーの表面に存在することになるため、水系薬液の吸湿効果によって紙中に取り込まれた水分が蒸散しがたくなっていることも考えられる。
さらに、水系薬液に先だって油系薬液を少量積層ティシュペーパー原紙に付与しておくことにより、水系薬液を付与する際におけるティシュペーパーの強度低下が生じがたく生産性も向上する。
このように本発明によれば、しっとり感、柔らかさや滑らかさがより高まり、生産性にも優れる薬液が付与されたティシュペーパーの製造方法が提供される。
本発明の実施形態のティシュペーパーの製造方法を説明するための図である。 本発明の実施形態に従って薬液が付与されたティシュペーパー原紙の表面の状態を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳説する。
本発明に係るティシュペーパーの製造方法は、ティシュペーパー原紙を二枚積層した積層ティシュペーパー原紙の両面に油系薬液を付与する一次薬液付与工程と、この一次薬液付与工程で油系薬液が塗布された積層ティシュペーパー原紙に対して水系薬液を付与する二次薬液付与工程とを有する。
ここで本発明に係る薬液が付与されたティシュペーパーは、薬液が含浸された湿潤状態にあるウェットティシューではなく、洟をかむ際や肌の清拭などに用いられるドライタイプのティシュペーパーである。このドライタイプのティシュペーパーは、複数枚を折り畳み積層してなる束を紙製の収納箱などに収納したティシュペーパー製品として需用者等に供される。そして、ティシュペーパー製品は、一般的には、抄紙原料からティシュペーパー原紙を抄紙する抄紙工程、ティシュペーパーを複数プライのものとするために抄紙工程で抄紙したティシュペーパー原紙を積層して積層ティシュペーパー原紙とする積層工程、積層工程で形成した積層ティシュペーパー原紙を折り畳み積層して束を形成する折り畳み工程、折り畳み工程で形成した複数のティシュペーパーからなる束を収納箱等に収納する包装工程を経て製造されている。
したがって、本発明に係るティシュペーパーの製造方法における、一次薬液付与工程及び二次薬液付与工程は、上記積層工程においてティシュペーパー原紙を積層した後、折り畳み工程で積層ティシュペーパー原紙を折り畳み束とするまでの間において行えばよい。
以下、特に好適な実施形態として、積層工程を行う積層設備X1において一次薬液付与工程と二次薬液付与工程を行う例を説明する。但し、本発明はこの実施形態に限定されない。
図1に本実施形態に係る積層設備X1を示す。本実施形態では、この積層設備X1にその前段の抄紙工程で製造されたジャンボロールとも言われる一次原反ロールJR,JRを2つセットする。一次原反ロールJR,JRは、抄紙機にて抄紙した帯状で一枚もののクレープ紙であるティシュペーパー原紙S11,S12を巻き取ったものである。
本発明ではティシュペーパー原紙の坪量は10〜25g/m2である。好適には11〜20g/m2、より好適には12〜17g/m2である。なお、ここでの坪量は、JIS P 8124(1998)の測定方法によるものである。坪量が10〜25g/m2の範囲であると2プライのティシュペーパーとした際に、ティシュペーパーたりうる柔らかさと強度を確保でき、そのうえで特に一次薬液付与工程及び二次薬液付与工程の各薬液付与工程における本発明の薬液の付与量において、本発明の効果を奏するものとなる。ティシュペーパー原紙の坪量を10〜25g/m2とするのは抄紙工程における既知の抄紙技術によればよい。なお、ティシュペーパー原紙は、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)とLBKP(広葉樹クラフトパルプ)とを配合したものを原料パルプとするものが望ましい。その場合の配合割合(JIS P 8120)は、NBKP:LBKPが30:70〜60:40であるのがよい。
本実施形態に係る積層設備X1では、セットされた二つの一次原反ロールJR、JRから繰り出した帯状に連続する各ティシュペーパー原紙S11,S12が、プライ手段51においてその連続方向に沿って積層されて積層ティシュペーパー原紙S2とされる。ティシュペーパー原紙S11、S12の積層は、ティシュペーパー原紙の表面が積層時に両外面となるようにするのが望ましい。なお、ティシュペーパー原紙S11、S12の表面とは、抄紙工程における乾燥時にヤンキードライヤーの艶出し面に接している面である。反対の裏面と比較して毛羽立ちが少なく滑らかで肌触りが良いため、この表面が、積層ティシュペーパー原紙S2の両外面となるよう構成することが好ましい。
本実施形態に係る積層設備X1では、特徴的にプライ手段51の後段に積層ティシュペーパー原紙S2に対して油系薬液を付与する一次薬液付与工程における一次薬液付与手段53と、水系薬液を付与する二次薬液付与工程における二次薬液付与手段40がこの順に設けられており、積層ティシュペーパー原紙S2が搬送される過程で一次薬液付与工程と二次薬液付与工程が順に行われるようになっている。
一次薬液付与工程で付与する油系薬液は、植物油、ミネラルオイル、コラーゲン、流動パラフィン及び脂肪酸アミド誘導体等の油性成分を有効成分とするものであり、特に界面活性剤等の乳化剤によりエマルジョン化したものである。但し、油性成分のなかでもポリシロキサン、変性シリコーンなどのシリコーン類は望ましくない。シリコーン類は、塗布した際に、ティシュペーパーに作用して、「きしみ」を発生させるため、本発明ではティシュペーパーの有する柔らかさを損なうおそれがある。乳化剤は限定されるものではなく公知のなかから選択すればよいが、ティシュペーパーが肌に触れる衛生用途に用いられることを考慮して選択する。油系薬液として好適なものは、上記ミネラルオイル、コラーゲン、流動パラフィン及び脂肪酸アミド誘導体の群から選択される物質のエマルジョン又はこれらのエマルジョンを混合したものである。これらは滑らかさ及び柔らかさの向上効果に優れるとともに塗布もしやすい。エマルジョン中におけるミネラルオイル等の油性成分の割合は5質量%〜50質量%である。油性成分の割合が5質量%未満の場合には本発明での十分な効果が発現しない。その一方で、油性成分の割合が50質量%を超える場合には、ティシュペーパー表面に油系薬液特有のベタツキ感が高まり使用感が悪化する。
本発明では上記の坪量10〜25g/m2のティシュペーパー原紙を積層した積層ティシュペーパー原紙S2に対して、油系薬液を片面あたり0.20〜0.75g/m2付与する。より、好適な付与量は0.20〜0.50g/m2であり、より好適な付与量は0.20〜0.45g/m2である。油系薬液は、積層ティシュペーパー原紙の片面のみに付与してもよいが、両面に付与するのが望ましい。なお、両面に付与する場合には、積層ティシュペーパー原紙に対する油系薬液の合計付与量は0.40〜1.0g/m2になる。
図示の形態では、積層設備X1中に二機のグラビア印刷機53A,53Bを設けて積層ティシュペーパー原紙S2の一方面と他方面とのそれぞれに油系薬液を塗布するようにしている。油系薬液の付与はティシュペーパー原紙の表面全体にムラ無く塗布できることから上記のグラビア印刷機のようなグラビア方式による塗布が好適である。グラビア方式は特に油系物質の塗布に適するためである。フレキソ方式でも塗布は可能であるが、フレキソ印刷の場合は塗布量の調整、ムラの発生の点でグラビア方式に劣る。
本発明における油系薬液の付与量は、ティシュペーパー原紙に対して付与する薬液量としては少ない。特に油系薬液のみをこの付与量でティシュペーパー原紙に対して付与してもベタツキ感は生ずるものの、ティシュペーパーの滑らかさまでは十分には向上しない。本発明に係る油系薬液の付与は、水系薬液による柔らかさ及び滑らかさをより顕著に感じられるように作用するプレ付与ともいうべきものである。油系薬液の片面に対する付与量が0.20g/m2未満の場合には、上記のティシュペーパー原紙の坪量及び本発明の水系薬液の付与との関係で十分な効果が発現しない。その一方で、片面に対して0.75g/m2を超えて付与すると油系薬液特有のベタツキ感が高まり使用感が悪化する。特に、水系薬液が油系薬液に対して利点として有するベタツキ感の少なさがなくなる。また、二次薬液付与工程において水系薬液を付与した際に、水系薬液のティシュペーパー原紙への浸透が過度に遅くなり紙面に水系薬液が溜まり生産性を低下させるおそれも高まる。
本実施形態に係る積層設備X1では、一次薬液付与工程における一次薬液付与手段53において油系薬液が塗布された積層ティシュペーパー原紙S2は、後段の二次薬液付与工程における二次薬液付与手段40に導かれて水系薬液が付与される。このとき図2に示すように、積層ティシュペーパー原紙S2の表層に存在する油系薬液10によって水系薬液20のティシュペーパー原紙中への浸透が遅くなる。この水系薬液は、ローション薬液とも言われ、吸湿性を有するポリオールを主成分とする。水系薬液の好適な成分は、ポリオール70〜90質量%、水5〜15質量%、機能性薬品0.01〜10質量%を含むものである。ポリオールは、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロースが例示できる。特に好ましいポリオールは、グリセリンである。機能性薬品は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性イオン界面活性剤等の柔軟剤、グルコマンナン等のポリオールの吸湿性を補助する親水性高分子、流動パラフィン等の滑らかさを高める油性成分、乳化剤、防腐剤、消泡剤等で-ある。上記のとおり本発明の水系薬液中には油性成分が含まれていてもよい。水系薬液中の油性成分は、前段で付与する油系薬液の有効成分と同じである必要はない。
本発明では上記の坪量10〜25g/m2のティシュペーパー原紙を積層した積層ティシュペーパー原紙S2であって油系薬液が片面あたり0.20〜0.75g/m2付与された積層ティシュペーパー原紙に対して、さらに水系薬液を両面合計で2.0〜5.0g/m2付与する。ここで、本発明では水系薬液は積層ティシュペーパー原紙の油系薬液が付与された面から付与する。したがって、積層ティシュペーパー原紙の一方面のみに油系薬液を付与した場合には、その付与した面からのみ水系薬液を付与する。積層ティシュペーパー原紙S2の両面に油系薬液を付与した場合には、両面又は片面から水系薬液を付与することができる。そして水系薬液を一方面からのみ付与する場合であっても、両面から付与する場合であっても、水系薬液の付与量は両面合計で2.0〜5.0g/m2とする。2.0g/m2未満であると吸湿効果が十分に発揮されず、しっとり感と柔らかさが十分に発現しない。また、5.0g/m2を超えて付与するとベタツキ感が感じられるようになる。また、本発明では水系薬液を付与する積層ティシュペーパー原紙には予め油系薬液が付与されており、水系薬液の浸透が遅くなっているため、5.0g/m2超えて塗布すると表面に水系薬液が留まる時間が過度に長くなり積層ティシュペーパーの搬送性などの操業性を悪化させるおそれも高まる。
積層ティシュペーパー原紙S2への水系薬液の付与は、フレキソ印刷、ロール転写、スプレー塗布により行うことができるが、特にスプレー塗布によって付与するのが望ましい。本発明では水系薬液を付与する積層ティシュペーパー原紙S2に予め油系薬液が付与されているため、ティシュペーパー原紙表面が水系薬液となじみがたくなっている。フレキソ印刷、ロール転写といった刷版を紙面に接触させて薬液の転写を行う付与方式の場合、付与時に塗布ムラが生じるおそれがある。スプレー塗布は、非接触に紙面全体に薬液を散布するためこのような塗布ムラが生じがたい。スプレー塗布を行うスプレー塗布装置としては、一流体式又は二流体式のノズル噴霧方式の装置、ローターダンプニング噴霧方式の装置が挙げられる。図示の実施形態では、二機のスプレー塗布装置40A,40Bを設置して、積層ティシュペーパー原紙S2の両面から水系薬液を噴霧により付与するようにしている。
ここで本発明における水系薬液の付与は、図示の形態のように両面から付与するのが望ましいが、上述のように積層ティシュペーパー原紙S2の両面から行わなくてもよい。また、両面から行う場合であっても各面等量で付与しなくてもよい。水系薬液は付与後にティシュペーパー原紙に浸透するため、いずれかの面からのみ付与しても製品となるまでにはティシュペーパー原紙全体に水系薬液が行き渡るようになる。但し、上記のとおり本発明では前段の油系薬液の付与により水系薬液の浸透が遅くなるため一方面に多くの水系薬液を付与すると紙面に薬液が溜まるおそれがある。このため油系薬液を両面から付与し、水系薬液も両面から付与するのが望ましく、また両面ほぼ等量とするのが望ましい。
本実施形態の積層設備X1では、一次薬液付与工程及び二次薬液付与工程を経て、上記付与量で油系薬液及び水系薬液がこの順で付与された積層ティシュペーパー原紙は、後段の折り畳み工程を行う設備に供するために、コンタクトエンボス加工手段54、スリット加工手段55などを適宜に経て巻き取り手段56によって巻き取されてロールRとされる。この折り畳み工程を行う折り畳み設備に供するロールは二次原反ロールRとも言われる。なお、スリット加工を行う場合のスリット間隔は、後段の折り畳み設備の方式によって適宜に定めればよい。また、コンタクトエンボス加工を行うか否かも、後段の折り畳み工程を行う折り畳み設備の方式により選択すればよい。
そして本実施形態において一次薬液付与工程及び二次薬液付与工程を経て、油系薬液及び水系薬液をこの順に上記の付与量で付与された積層ティシュペーパー原紙を巻き取り手段56により巻き取ったロールRは、マルチスタンド式インターフォルダ、ロータリー式インターフォルダ、ポケット折り加工機といった、公知の折り畳み設備に供され折り畳み積層して個々のティシュペーパーとされるとともに個々のティシュペーパーが折り畳まれ積層された束とされる。その束は、公知の方法により折り畳み工程の次段の包装工程にて収納箱などに収納してティシュペーパー製品とされる。
以上の実施形態では積層設備X1内において、一次薬液付与工程と二次薬液付与工程を行う形態を説明したが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、一次薬液付与工程を積層設備内において行った後、二次薬液付与工程を折り畳み設備内で行うようにしてもよい。一次薬液付与工程と二次薬液付与工程とをともに折り畳み設備内でおこなってもよい。また、積層設備で一次薬液付与工程のみを行って油系薬液のみが付与された積層ティシュペーパー原紙を巻き取ったロールを形成した後に、このロールを折り畳み設備に供する前に印刷設備やスプレー塗布設備といった別途の水系薬液を付与する設備に供して水系薬液を付与した後に再度巻き取ってロールにし、そのロールを折り畳み設備に供するようにしてもよい。本発明は、積層されたティシュペーパー原紙に対して油系薬液及び水系薬液をこの順で、本発明で規定する付与量で付与すればよく、その付与する位置は必ずしも限定されるものではない。
本発明に係る実施例1〜3と比較例1〜3とを作成した。実施例1〜3及び比較例1〜3に用いたティシュペーパー原紙は、坪量14.0g/m2であり、同一のものとした。
実施例1は、このティシュペーパー原紙を二枚積層して積層ティシュペーパー原紙としたものを1組とした。1組の大きさは、縦(MD方向)206mm×横(CD方向)223mmとした。その後に、その両面に油系薬液を0.4g/m2付与し、その後に水系薬液を2.4g/m2付与した。油系薬液は、流動パラフィンをO/W型エマルジョン化したものを用いた。油系薬液の粘度は40℃で80mPa・sである。水系薬液は、グリセリン85質量%、水を15質量%含むものを用いた。水系薬液の粘度は40℃で110mPa・sである。
実施例2は、実施例1と同一の積層ティシュペーパー原紙1組に対して、その両面に油系薬液を0.6g/m2付与し、その後に水系薬液を3.2g/m2付与した。実施例3は、実施例1と同一の積層ティシュペーパー原紙1組に対して、その両面に油系薬液を0.7g/m2付与し、その後に水系薬液を4.8g/m2付与した。
比較例1は、油系薬液を付与することなく、水系薬液のみを付与した。用いた水系薬液の組成は実施例1と同じであり、付与量も有効成分量を実施例1と等量付与した。
なお、油系薬液及び水系薬液の各々の粘度の測定は、B型粘度計を用いて、回転数60rpmで測定したものである。
比較例2は水系薬液を付与することなく、油系薬液のみを付与した。用いた油系薬液の組成は実施例1と同じであり、付与量も有効成分量を実施例1と等量付与した。
比較例3は先に水系薬液を付与し、その後に油系薬液を付与した。用いた水系・油系薬液の組成は実施例1と同じであり、付与量も有効成分量を実施例1と等量付与した。
まず、各例のベタツキ感に関して評価したところ、油系薬液のみを付与した比較例2では、油系薬液の付与量が少量ではあるものの、油系薬液特有のベタツキ感が発生し、水系薬液のみの比較例1に比して使用感が悪化することが確認できた。
また、比較例3では、水系薬液を付与したものの比較例2と同様に、油系薬液特有のベタツキ感が発生し、使用感が悪化することが確認できた。
実施例1〜3及び比較例1では、油系薬液特有のベタツキ感はなかった。これらの実施例1〜3及び比較例については、さらにティシュペーパー中に含まれる水分率を測定し、官能評価を行った。実施例及び比較例1は、各々3枚ずつ作成し、各々の試料について8箇所で水分率を測定した。
水分率の測定方法は、JIS P 8127の測定方法によるものである。各例の試料3組につき8箇所測定した結果の平均値は下記のとおりとなった。なお、比較例2、3は油系薬液を最後に付与したことで、ティシュペーパー表面に油系薬液が局在するがために、表面のベタつき感が高まり、水分率を測定できなかった。
実施例1: 11.40%
実施例2: 11.93%
実施例3: 12.21%
比較例1: 9.95%
比較してみると本発明に係る実施例は、比較例1よりも1.45%以上水分率が高い。ここで、油系薬液は、吸湿作用はほとんどなく紙中に取り込む水分を増加せるものではない。そして、本試験の結果では、グリセリンの吸湿効果によって紙中の水分率を高める水系薬液の組成及び付与量が同一であるにもかかわらず、比較例に比して実施例の水分率が高い結果となった。すなわち、水系薬液を付与する前に少量の油系薬液を付与しておくことで、ティシュペーパー中の水分率を高めることができる。水分率の向上はしっとり感、柔らかさをより高める。そのうえで油系薬液の存在によるベタツキ感はほとんどなく、表面の滑らかさは向上していた。
次にこれらの実施例および比較例について評価点1〜7(最も良い評価を7ポイントとする)の7段階評価で、N=10名に対する官能評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006310493
実施例1では比較例1を基準4.0ポイントとした際の滑らかさが5.4ポイント、柔らかさが5.0ポイント、しっとり感が4.7ポイント、実施例2では滑らかさが5.8ポイント、柔らかさが5.3ポイント、しっとり感が5.1ポイント、実施例3では滑らかさが6.3ポイント、柔らかさが5.6ポイント、しっとり感が5.5ポイントであり、比較例1と比較して、実施例1〜3では官能評価値がいずれも向上している。
一方の、比較例2、比較例3では、ティシュペーパー表面に油系薬液特有のベタツキ感が発生し、使用感が悪化することが確認できた。
以上のとおり本発明によれば、薬液付与のティシュペーパーにおけるしっとり感、柔らかさ、滑らかさがより高められる。
X1…積層設備、53…一次薬液付与手段、53A,53B…グラビア印刷機、40…二次薬液付与手段、40A,40B…スプレー塗布装置、JR…一次原反ロール(ジャンボロール)、R…ロール(二次原反ロール)、51…プライ手段、54…コンタクトエンボス加工手段、55…スリット加工手段、56…巻き取り手段、S11,S12…ティシュペーパー原紙、S2…積層ティシュペーパー原紙、10…油系薬液、20…水系薬液。

Claims (1)

  1. 帯状に連続する坪量10〜25g/m2のティシュペーパー原紙を二枚積層してなる積層ティシュペーパー原紙の少なくとも一方の面に、ポリオールを70質量%以上含む水系薬液の原紙中への浸透が遅くなる、ミネラルオイル、コラーゲン、流動パラフィン及び脂肪酸アミド誘導体の群から選択される物質のエマルジョン又はこれらを混合したものである油系薬液を、グラビア方式によって片面あたり0.20〜0.75g/m2 塗布する一次薬液付与工程を行った後、
    一次薬液付与工程で前記油系薬液が付与された積層ティシュペーパー原紙に対して、その油系薬液が付与された面から、ティシュペーパーに吸湿作用を付与して水分率を高める前記水系薬液をスプレー塗布によって両面合計で2.0〜5.0g/m2 塗布して前記油系薬液が付与された面を通してティシュペーパー原紙中に紙面全体に浸透させる二次薬液付与工程を行う
    ことを特徴とするティシュペーパーの製造方法。
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