本発明の実施の形態に係る無線通信装置を、コードレス電話機を例に、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るコードレス電話機を示すブロック図であり、図1(A)は親機(第1の通信端末)における送信機能を示すブロック図、図1(B)は子機(第2の通信端末)における受信機能を示すブロック図である。なお、図1においては、便宜上、親機は送信機能、子機は受信機能のみを図示しているが、親機と子機はいずれも両方の機能を備えている。
コードレス電話機は、図1に示す親機10と、1台または複数台の子機20を備えている。コードレス電話機は、親機10と子機20との間で無線チャネル上にディジタルリンクを設定し、音声信号を適応型差分パルスコード変調方式で圧縮し、音声パケットに載せ、TDMA(Time Division Multiple Access)/TDD(Time Division Duplex)方式で通信する無線通信装置である。コーデックはITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization sector)勧告のG.722を採用している。
親機10は、音声入力部11と、PCM変換部12と、ADPCM符号化部13と、送信変換テーブル14と、送信変換テーブル切替部15と、送信パケット生成部16と、無線送信回路17とを備えている。
音声入力部11は、電話回線網またはIPネットワークからの信号から音声信号を入力する。また、音声入力部11は、例えば親機10にハンドセットが設けられていればハンドセットに内蔵されたマイクである。
PCM変換部12は、この音声信号を所定時間ごとにサンプリングして、所定のビット数の整数値に量子化するものである。
ADPCM符号化部13は、G.722広帯域ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)によるディジタル音声データ(以下、単に音声データと称する。)を生成する。ADPCM符号化部13では、まず直交ミラーフィルタによって、入力データを高域信号と低域信号に分離し、これら高域信号と低域信号のそれぞれについてADPCM符号化を行う。
図2は、ADPCM符号化部13の低域ADPCM符号器を説明するための図である。図2において低域ADPCM符号器は、60レベル適応量子化器13aと、ビットマスク部13bと、15レベル適応逆量子化器13cと、適応予測器13dとを備えている。ビットマスク部13bは、適応量子化器13aにより生成された6ビットの低域ADPCM符号のうちコアビットとして設定されているビットを取り出す。ここでは上位4ビットがコアビットとして設定され、フィードバックループへ入力される。
15レベル適応逆量子化器13cは、コアビット(4ビット)のデータを基に量子化された差分信号を計算し出力する。15レベル適応逆量子化器13cより出力された差分信号は適応予測器13dと加算器13fに送られる。加算器13fは本符号器内で生成された予測信号と差分信号とを足し合わせて再生信号を生成する。適応予測器13dは15レベル適応逆量子化器13cからの差分信号と加算器13fからの再生信号に基づいて予測信号を生成する。
PCM変換部12からの入力信号は加算器13eに送られ、加算器13eはPCM変換部12からの入力信号と適応予測器13dからの予測信号の差分を計算する。加算器13eにより得られた差分信号は60レベル適応量子化器13aへ送られ、60レベル適応量子化器13aにより6ビットの低域ADPCM符号を生成する。
一方の高域ADPCM符号器は、入力高域信号をG.722規格の通りに2ビットの高域ADPCM符号化を行う。ビットマスク部が無く、全てのビットを適応逆量子化器に入力する構成であり、この部分以外は低域ADPCM符号器と同様で良いので、図面を用いての詳細な説明は省略する。
ADPCM符号化部13では、こうして生成された6ビットの低域ADPCM符号と2ビットの高域ADPCM符号を図1に示すように多重化器によって多重化し、8ビットの広帯域ADPCM符号を生成する。
本実施の形態では、低域信号のデータレートが48kbpsであるADPCMデータを、親機10のADPCM符号化部13により生成する。このADPCMデータは、低域音声データを6ビットそして、また最上位ビットを正負の符号ビットとする。従って、6ビットの低域ADPCMデータは、図3に示すように、000000〜111111となる。ADPCMのデータは直前に数値化したデータとの差分を示すものであるため、000000が正の最小値であり、111111が負の最小値である。また、011111が正の最大値であり、100000が負の最大値である。
本実施の形態では、G.722規格に従い、6ビットの低域ADPCM符号のうち4ビットをコアビットとして設定し、残りの2ビットはエンハンスメントビットとして設定される。すなわちADPCM符号化部13において上位4ビットをコアビットとしADPCMデータを生成し、受信側の復号化部でも上位4ビットをコアビットとして復号処理する。このように符号器と復号器でコアビットの数を揃えておけば、適応予測器13dにより生成される予測信号は符号器側・復号器側で同じ値となるので、エンハンスメントビットをデータ通信用等の別の用途として使用しても音声品質の大きな劣化は避けることができる。
図1において、ADPCM符号化部13で生成された広帯域ADPCM符号は送信変換テーブル14へ送られ、送信変換テーブル14はADPCM符号化部13より出力された4ビットの音声データを子機20へ送信する4ビットの送信データへ変換して出力する。
図4は、送信変換テーブル14を説明するための図である。ここで送信変換テーブル14について、図4に基づいて詳細に説明する。送信変換テーブル14は、テーブルT1,T2から構成される。受信が良好の場合にはテーブルT1が用いられ、入力された音声データをそのまま同じ値で出力する。受信側の受信エラー情報が所定のレベルに達するとテーブルT1が用いられる。テーブルT2は、高域ADPCM2ビットと、低域ADPCM6ビットのうち上位4ビットは入力されたままの値となり、下位2ビットがそれぞれ高域ADPCM2ビットと、低域ADPCMの上位4ビットに対する偶数パリティビットとなるように構成されている。
つまりテーブルT2の下位2ビットすなわちb6(次最下位ビット)とb7(最下位ビット)に関しては、高域ADPCM2ビットの中の“1”の数に応じて、該2ビット中の“1”の数が偶数になるように「次最下位ビット」を反転させ、また低域ADPCMの上位4ビット中の“1”の数に応じて、該4ビット中の“1”の数が偶数になるように「最下位ビット」を反転させることによりパリティ信号の作用を持たせている。このテーブルT2で変換することにより、送信される音声データ列の1サンプル値当たりの8ビット、例えば図3に示すb0,b1,…,b7の8ビットのうち下位2ビットb6、b7がパリティ信号となる。
図1において、送信変換テーブル切替部15は、送信変換テーブル14の2つのテーブル(テーブルT1,T2)を子機20からの受信エラー情報に基づいて切り替える。図5は送信変換テーブル切替部15を説明するための図であり、送信変換テーブル切替部15の機能について図5に基づいて説明する。
送信変換テーブル切替部15は、ADPCM符号化部13と送信パケット生成部16の間で、それぞれに接続する為の切替スイッチ15a,15bにより、受信エラー情報に基づいてテーブルT1またはテーブルT2の何れかを適用するように切替える。良好な通信環境が維持されて送信変換が必要で無い場合、切替スイッチ15a,15bをテーブルT1側に倒す。通信環境が悪化して送信変換が必要になると、切替スイッチ15a,15bをテーブルT2側に倒し、送信データの下位の2ビットがパリティ信号になるように変換する。
図1において、送信パケット生成部16は、送信変換テーブル14からの音声データを10msec分蓄積して音声パケットを生成する。この音声パケットについて図5に基づいて説明する。図6は、本実施の形態の音声パケットのフォーマット及び音声データを格納するフィールドの構成を示す図である。
図6に示す音声パケットは、同期用のデータ(同期語)が格納されるシンクフィールド領域(16ビット)と、制御信号用データが格納されるAフィールド(48ビット)と、Aフィールドに対するCRC(Cyclic Redundancy Check)が格納されるAフィールドCRC(16ビット)と、音声データが格納されるBフィールド(640ビット)と、Bフィールドに対するCRCが格納されるBフィールドCRC(4ビット)とで構成されている。
本実施の形態では、このBフィールドに格納される広帯域ADPCMの音声データは、1サンプル値当たりの8ビットが割り当てられ、そのうちの下位2ビット(b6,b7)がパリティ信号のために割り当てられる。また上位の2ビット(b0,b1)は高域ADPCM符号のために割り当てられ、次の4ビット(b2,…,b5)が低域ADPCM符号のコアビット4ビットのために割り当てられる。
また本実施の形態は、テーブルT2による変換が行われる場合には、送信側は低域ADPCMデータとして1サンプル当たり4ビットのADPCMデータ(コアビット)とパリティビットとなる最下位の1ビットから成る5ビットのデータを送信する。また送信側は高域ADPCMデータとして1サンプル当たり、2ビットのADPCMデータとパリティビットとなる次最下位の1ビットから成る3ビットのデータを送信する。このように送信側は、1サンプル当たりのビット数(8ビット)を変えず、低域信号用と高域信号用の両方のパリティビットを送信する。
なお、BフィールドにおけるCRCは、320ビットのBフィールド全部を対象とせず、所定のビット位置のデータのみ部分的に対象とする。すなわち16ビットずつ10箇所に分散した音声データを対象とし、ビット番号で表すと、b48〜b63,b112〜b127,b176〜b191,…,b559〜b575,b623〜b639、の合計160ビットのみである。
図1において、無線送信回路17は、送信パケット生成部16からの音声パケットを変調して、無線信号としてアンテナ17aから送信する送信回路部として機能する。
このように親機10では、ADPCMの音声データの一部をパリティビットに変換する送信変換テーブル14と、変換された音声データを含めた音声パケットを生成する送信パケット生成部16と、無線信号として子機20へ送信する無線送信回路17とでデータ送信手段が構成されている。
次に、子機20について図1(B)に基づいて説明する。子機20は、無線受信回路21とアンテナ21aを備えている。この無線受信回路21によって受信された信号は、受信データ処理部30によって処理され、高域ADPCMデータと低域ADPCMデータとして出力される。受信データ処理部30は、受信パケット処理部22と、受信変換テーブル23と、受信エラー処理部24と、受信変換テーブル切替部25を備えている。また子機20は、ADPCM復号化部26と、PCM変換部27と、音声出力部28と、受信電界強度処理部29とを備えている。
無線受信回路21は、親機10からの無線信号をアンテナ21aにより受信し復調して音声パケットとして受信パケット処理部22へ出力する受信回路部として機能する。また、無線受信回路21は、受信音声パケットの受信電界強度(RSSI:Received
Signal Strength Indicator)を測定して受信電界強度処理部29へ出力する。
受信パケット処理部22は、所定の同期語が得られなかった場合の同期エラーや、AフィールドまたはBフィールドに対するCRCエラー、音声データのパリティエラーを検出して受信エラー処理部24へ通知したり、音声データを取り出して受信変換テーブル23へ出力したりする。
受信変換テーブル23は、親機10から受信した4ビットの音声データを変換して出力する。ここで受信変換テーブル23について、図7及び図8に基づいて詳細に説明する。
図7は受信変換テーブル23の低域信号に関するテーブル、図8は高域信号に関するテーブルを説明するための図である。図7及び図8に示すように、受信変換テーブル23は低域信号・高域信号それぞれに、テーブルR1〜R4から構成される。何れにおいても、テーブルR1は入力された音声データをそのまま同じ値で出力するように構成されている。
図7及び図8において、テーブルR2は、高域ADPCM2ビット、低域ADPCM6ビットをパリティチェックした結果、パリティエラーが発生している場合、ミュートデータに置き換えるように構成されている。送信側(親機10側)では、偶数パリティの規則に従って、高域ADPCM2ビットと、「次最下位ビットP1」の全3ビット中の「1」の数により、高域パリティエラーの発生を識別する。すなわち“1”の数が奇数である「001」や「010」、「111」などがパリティエラーである。同様に、低域ADPCM上位4ビットと、「最下位ビットP2」の全5ビット中の「1」の数により、低域パリティエラーの発生を識別する。
受信変換テーブル23のテーブルR2による変換は、パリティエラーが発生していなければそのままの音声データを出力し、パリティエラーが発生(対象ビット中の「1」の数が奇数)していれば音声データをミュートデータに変換する。本実施の形態では、高域信号ミュートデータとしては「11」を、低域信号ミュートデータとしては「111111」又は「000000」とする。これらに限らず、他のミュートデータを使用しても良い。このようにパリティエラーの発生により、受信変換テーブル23が、エラーが発生した音声データに対してミュートデータに変換することで再生音声に対する影響を抑えることができる。
テーブルR3は、高域データについてはテーブルR2と同様にパリティエラー発生のデータをミュートデータに変換する。低域データではそれに加えて、パリティエラーが発生していないデータについては、上位4ビットに「1」を加算することで音声を減衰させる音声データに置き換えるように構成されている。例えば「1001」「1010」「1100」の場合に「1」を加算してそれぞれ「1010」「1011」「1101」と変換する。
テーブルR4は、パリティエラーの発生に無関係に、全てをミュートデータ、すなわち高域データを「11」、低域データを「111111」又は「000000」に置き換えるように構成されている。
図1(B)において、受信エラー処理部24は、受信パケット処理部22により検出された同期エラー、Aフィールドエラー、Bフィールドエラーなどの受信エラーが発生したときにカウントアップし、受信エラーが発生していなければカウントダウンするカウンタ(詳細は後述する)を有するエラー判定手段である。このカウンタの値は受信変換テーブル切替部25へ送られ、カウンタの値に応じて受信変換テーブル23が切り替えられる。
受信変換テーブル切替部25は、受信変換テーブル23の4つのテーブル(テーブルR1〜R4)を子機20からの受信エラー処理部24の指示、または受信電界強度処理部29からの受信電界強度信号に基づいて切り替えることで、受信変換テーブル23と共にデータ変換手段(受信側処理部)として機能するものである。ここで受信変換テーブル切替部25について、図9に基づいて説明する。図9は、受信変換テーブル切替部25を説明するための図である。
受信変換テーブル切替部25は切替スイッチ25a,25bにより、受信変換テーブル23の中の使用するテーブル(R1〜R4)を切り替える。例えば変換処理をしない場合は受信パケット処理部22及びADPCM復号化部26をテーブルR1へ切り替え、パリティ処理をする場合は受信パケット処理部22及びADPCM復号化部26をテーブルR2へ切り替える。またパリティ処理+減衰処理をする場合は受信パケット処理部22及びADPCM復号化部26をテーブルR3へ切り替える。
図1(B)に示すADPCM復号化部26は、まず受信変換テーブル23からの8ビットの入力データを分離器によって高域信号と低域信号に分離し、それぞれでADPCM復号を行う。つまり、下位2ビットのパリティビットや、ミュートデータなどを含むばあいであっても8ビット全部を音声データとして復号化する。ここでADPCM復号化部26について、図10に基づいて説明する。
図10は、ADPCM復号化部26の低域ADPCM復号器を説明するための図である。図10において低域ADPCM復号器について説明する。低域ADPCM復号器は、フィードバック適応逆量子化器26aとフィードフォワード適応逆量子化器26bとビットマスク部26cと適応予測器26dとを備えている。ADPCM符号入力からビットマスク部26cによりコアビットが取り出され、取り出されたコアビットのみがフィードバック適応逆量子化器26aに入力される。このフィードバック適応逆量子化器26aでは量子化された差分信号を計算し出力する。出力された量子化差分信号は、予測信号とともに加算器26eで加算され、適応予測器26dに入力され、予測信号を生成する。
フィードフォワード適応量子化器26bではADPCMすべてのビットを用いて量子化された差分信号を計算し出力する。低域音声データが48kbpsの場合は6ビットのADPCM符号入力となる。コアビットのみから計算された予測信号と6ビットすべてから計算された量子化差分信号を加算器26fにより加算することにより低域再生信号を出力する。
一方、ADPCM復号化部26の高域ADPCM復号器は、公知のG722規格に沿って処理をすれば良い。ビットマスク部は必要無く、全てのビットを適応逆量子化器に入力する。ビットマスク部が無い点以外は低域ADPCM復号器と同様であり、詳細な説明は必要無い。
ADPCM復号化部26はこうして復号された低域信号と高域信号を、受信直交ミラーフィルタによって合成し、広帯域音声信号を生成する。このように1サンプル当たりのビット数(8ビット)を変えずにパリティビットを送信しても、受信側では、低域ADPCMデータについてはコアビット4ビットを変換せずにそのまま予測信号の生成に使われ、高域ADPCMデータは2ビットのままで処理されるので、音声品質の劣化は少なく、ある程度音声品質を維持したまま通話が行える。
図1(B)において、PCM変換部27は、再生信号からアナログの音声信号を生成する。音声出力部28は、例えば音声信号を再生するスピーカである。
受信電界強度処理部29は、無線受信回路21により測定された受信電界強度の変化を判定して、その判定結果を受信変換テーブル切替部25へ出力する受信電界強度レベル判定手段として機能する。この判定は、親機10と子機20との距離が離れた場合などにより受信電界強度が低下して、閾値A(第1の閾値)を下回ったときに通信環境が不良であると判断される。また、親機10と子機20とが接近して通信環境が良好となることで受信電界強度が上昇して、閾値B(第2の閾値)を上回ったときに通信環境が良好であると判断する。但し、判定では、閾値Aより閾値Bを高い値に設定している。
受信電界強度処理部29が通信環境に関する情報を受信変換テーブル切替部25へ出力することで、受信変換テーブル切替部25は、通信環境が良好であればパリティチェックを行わないテーブルR1を選択する。また、通信環境が不良であればパリティチェックを行ない(送信側:テーブルT2)、受信側では音声処理する他のテーブル(テーブルR2〜R4)のいずれかを選択する。受信電界強度処理部29は、受信電界強度の変化を判定した判定結果情報を親機10へ制御パケットを使って伝え、親機10と変換テーブルの同期をとる。
閾値Aより閾値Bを高い値とすることで、通信環境が悪化してパリティチェックを行わないテーブルR1から、パリティチェックを行なって音声処理するテーブルR2〜R4へ切り替わり、その後通信環境と良好となっても、悪化したときに受信変換テーブル23が切り替わったと同じ電界強度では切り替わらない。通信環境が十分なレベルまで良好になってからパリティチェックを止めるので、受信変換テーブル23と送信変換テーブル14とが頻繁に切り替わることを防止することができる。
以上のように構成された本発明の実施の形態に係るコードレス電話機の通信方法について図面に基づいて説明する。まず、親機10と子機20との通信に際して、通信環境が良好で、受信エラーが発生しない場合を説明する。なお、送信変換テーブル14は図4に示されるテーブルT1が選択され、受信変換テーブル23は図7及び図8に示されるテーブルR1が選択されているものとする。
音声入力部11からの音声信号がPCM変換部12により量子化される。そして、ADPCM符号化部13によりADPCMで1符号が8ビットの音声データに圧縮する。
この8ビットの音声データは、送信変換テーブル14のテーブルT1に入力される。するとテーブルT1からは入力と同じ値の音声データが送信データとして出力される。送信変換テーブル14から出力された音声データは、送信パケット生成部16により音声パケットに内包され、無線送信回路17によりアンテナ17aを介して子機20へ無線信号として送信される。
子機20では、アンテナ21aを介して親機10からの無線信号を無線受信回路21が受信する。無線受信回路21が受信した無線信号は、復調され、音声パケットとして受信パケット処理部22へ出力される。
受信パケット処理部22は、音声パケットの受信エラーの有無をチェックし、音声パケットに内包された8ビットの音声データを取り出し受信変換テーブル23へ出力する。
受信変換テーブル23のテーブルR1へ入力されると、テーブルT1からは入力と同じ値の8ビットの音声データが出力される。受信変換テーブル23から出力された音声データは、ADPCM復号化部26へ入力されて伸張され、PCM変換部27により音声信号となり、音声出力部28により再生される。
この場合、送信側である親機10から子機20へ、4ビットのADPCMの音声データ全部を加工せずにそのまま使用して音声を送信するので、高い品質の音声を送信することができる。
次に、子機20が受信エラーを検出した場合を説明する。
子機20の受信パケット処理部22が同期エラーまたはCRCエラーなどの受信エラーを検出すると、図示しない送信機能を使って親機10へ受信エラーが発生した旨の受信エラー情報を送信する。親機10は受信エラー情報が通知されたことで通信環境が悪化したことを認識することができる。そこで、送信変換テーブル切替部15は、ADPCM符号化部13と送信パケット生成部16の間で適用する送信変換テーブル14の接続を、テーブルT1からテーブルT2へ切り替える。そうすることで、8ビットの音声データのうち下位2ビットがパリティビットとして変換される(図3参照)。パリティビットの生成に送信変換テーブル14を使用した方が、パリティビットを演算により算出するより簡単に変換することができる。
子機20では、親機10への受信エラー情報の通知と同期して、受信変換テーブル切替部25が、受信変換テーブル23をテーブルR1からテーブルR2へ切り替えるよう指示する。すなわち、図7に示すように低域信号に関する受信変換テーブルとしてテーブルR2に切替え、図8に示すように高域信号に関する受信変換テーブルとしてもテーブルR2に切替える。テーブルR2による変換は前述の通り、パリティエラーが発生していなければそのままの音声データを出力し、パリティエラーが発生していれば、音声データをミュートデータに変換する。
次に、従来の音声パケットと本実施の形態の音声パケットとの音声に対する影響について、図11から図12に基づいて説明する。図11は、従来の音声パケットでの音声処理を説明するための図、図12は、本実施の形態の音声パケットでの音声処理を説明するための図である。
図11に示す従来の音声パケットでは、Bフィールドに対して、10箇所に分散した16ビットの音声データを対象にBフィールドのCRCが付加されているため、CRCの対象となっていない音声データが存在し、すべての音声データに対する受信エラーを検出できない場合がある。従って、BフィールドのCRCエラーだけでなく、同期用データのエラー、制御信号用データに付加されたCRCのエラー(AフィールドのCRCエラー)が検出された場合にも、BフィールドのCRC対象となっていない音声データにもエラーが発生している確率が高いと想定し、1フレーム全体に対してミュート等の音声処理を行うしかなかった。図11に示すように、1フレーム分には約10msecの音声データが含まれているので、1フレーム分の音声データを処理するとなると、音声に与える影響が大きい。
本実施の形態の音声パケットでは、8ビットの音声データ毎にパリティビットを付加するので、8ビット毎にエラー検出をすることができる。従って、図12に示すように、パリティエラーが発生した音声データのみをミュートデータとすることで、1フレーム分全部の音声処理を行う必要がない。従来の音声パケットの1フレームのBフィールドに対して、10箇所程度に分散した16ビットの音声データを対象にCRCが付加するだけの方式では、CRCエラーが検出されると1フレーム全体に対してミュート等の音声処理を行う必要があったが、本実施の形態の音声パケットでは細かい単位でエラーを検出し、音声データの置き換えることが出来るので、影響範囲は置き換えられた音声データのみであるため、音質に与える影響が小さい。
受信変換テーブル23から出力された音声データは、ADPCM復号化部26へ入力されて伸張され、PCM変換部27により音声信号となり、音声出力部28により再生される。再生される音声は、データレートを維持したままで、下位2ビットをパリティビットとして使用しているので、8ビット全部を音声データとして使用しているときより、多少劣化するものの、通信環境の悪化に伴う同期語のエラーやCRCエラーで1フレーム分の音声データを処理する場合よりも、高音質を確保することができる。
次に、受信エラー処理部24による送信及び受信変換テーブルの切り替え方法について、図13から図17に基づいて説明する。図13は、受信エラー処理部24に設けられたカウンタを示す図であり、(A)はフレームエラーカウンタを示す図、(B)は音声データエラーカウンタを示す図である。図14は、受信変換テーブル切替処理を説明するためのフローチャートである。図15は、図14から引き続いて行われる受信変換テーブル切替処理を説明するためのフローチャートである。図16は、受信電界強度により判定される受信変換テーブル切替処理を説明するための図である。図17は、フレームエラーカウンタによる判定される受信変換テーブル切替処理を説明するための図である。
図13に示すように、受信エラー処理部24には、受信パケット処理部22からのエラー通知の内容に応じて計数するカウンタを2つ有している。このカウンタは、図13(A)に示すように、同期語エラー、AフィールドCRCエラー、またはBフィールドのCRCエラーによりカウントアップされ、エラーなしでカウントダウンされるフレームエラーカウンタC1と、図13(B)に示すように8ビットの音声データがパリティエラーであったときにカウントアップされ、エラーなしでカウントダウンされる音声データエラーカウンタC2とからなる。なお、本実施の形態では、カウントアップは+1、カウントダウンは−1としているが、アップとダウンとで重み付けを変えるために異なる値としてもよい。この値はコードレス電話機が設置される通信環境に応じて適宜決定することが可能である。
図14に示すように、受信エラー処理部24は、受信パケット処理部22から同期語エラー、AフィールドCRCエラーまたはBフィールドのCRCエラーなどのフレーム系のエラーが発生しているか否かを判定する(S100)。発生していればフレームエラーカウンタC1をインクリメント(+1)する(S110)。発生していなければフレームエラーカウンタC1をディクリメント(−1)する(S120)。
次に現在使用している受信変換テーブル23が、テーブルR1か否かを判定する(S125)。受信変換テーブル23がテーブルR1である場合には、フレームエラーカウンタ値が閾値Cより大きいか否かを判定する(S130)。フレームエラーカウンタ値が閾値Cより大きければテーブルR1フラグを無効とする(S135)。
つまり、図17に示すように、妨害電波等によりエラーが増えたため、テーブルR1フラグを無効にして、受信変換テーブル23を、パリティチェックを行わないテーブルR1からパリティチェックを行うまたは音声処理するテーブルR2〜R4へ切り替える。そうすることで、通信環境の悪化に伴って発生する音声データのエラーを精度よく検出することができる。S130にて、フレームエラーカウンタ値が閾値Cを下回っていれば、受信変換テーブル23は現状どおりテーブルR1を使用するため、テーブルR1フラグは有効のままとする。
また、図14に示すS125にて、現在使用している受信変換テーブル23が、テーブルR1でないと判定された場合、フレームエラーカウンタ値が閾値Dを下回っているか否かを判定する(S140)。下回っていればテーブルR1フラグを有効とする(S150)。
つまり、図17に示すように、妨害電波が無くなったためエラーが無くなった場合に、テーブルR1フラグを有効にして、受信変換テーブル23を、パリティチェックを行うまたは音声処理するテーブルR2〜R4からパリティチェックを行わないテーブルR1へ切り替える。そうすることで、通信環境が良好となったことで、より品質のよい音声データで会話することができる。S140にて、フレームエラーカウンタ値が閾値Dを下回っていなければ、受信変換テーブル23は現状通りテーブルR2〜R4を使用するため、テーブルR1フラグは無効のままとする。
次に、受信電界強度処理部29は、現在使用している受信変換テーブル23が、テーブルR1か否かを判定する(S160)。受信変換テーブル23がテーブルR1である場合には、受信電界強度処理部29は、無線受信回路21により測定された受信電界強度が閾値Aを下回っているか否かを判定する(S170)。受信電界強度が閾値Aを下回っていればテーブルR1フラグを無効とする(S180)。
つまり、図16に示すように、親機10と子機20との間の距離が離れるなどして受信電界強度が閾値Aより下回ったため、テーブルR1フラグを無効にして、受信変換テーブル23を、パリティチェックを行わないテーブルR1からパリティチェックを行うまたは音声処理するテーブルR2〜R4へ切り替える。そうすることで、通信環境の悪化に伴って発生する音声データのエラーを精度よく検出することができる。S170にて、受信電界強度が閾値Aを下回っていなければ、受信変換テーブル23は現状通りテーブルR1を使用するため、テーブルR1フラグは有効のままとする。
また、図14に示すS160にて、現在使用している受信変換テーブル23が、テーブルR1でないと判定された場合、受信電界強度処理部29は、受信電界強度が閾値Bを上回っているか否かを判定する(S190)。受信電界強度が閾値Bを上回っていればテーブルR1フラグを有効とする(S200)。
つまり、図16に示すように、親機10と子機20との間の距離が接近するなどして受信電界強度が閾値Bを上回ったため、テーブルR1フラグを有効にして、受信変換テーブル23を、パリティチェックを行うまたは音声処理するテーブルR2〜R4からパリティチェックを行わないテーブルR1へ切り替える。そうすることで、通信環境が良好となったことで、より品質のよい音声データで会話することができる。S190にて、受信電界強度が閾値Bを上回っていなければ、受信変換テーブル23は現状通りテーブルR2〜R4を使用するため、テーブルR1フラグは無効のままとする。
図15に示すように、次に、受信エラー処理部24は、音声データのパリティエラーである音声データエラーが発生している否かを判定する(S210)。発生していれば音声データエラーカウンタC2をインクリメント(+1)する(S220)。発生していなければディクリメント(−1)する(S230)。
受信エラー処理部24は、テーブルR1フラグが有効であるか否かを判定する(S240)。テーブルR1フラグが有効であれば、フレームエラーレートが低く、良好な通信環境なので音声データエラーカウンタC2のカウント値とは無関係に親機10側ではテーブルT1とし、子機20側ではテーブルR1とするためS300へ移行する。
次に、受信エラー処理部24は、音声データエラーカウンタC2がレベルBの範囲内か否かを判定する(S250)。このレベルBは、フレーム系のエラーレートが高くなってきたが、音声データエラーレートはまだ低いと判断できる範囲である。従って、音声データのパリティチェックを行うために受信変換テーブル23はテーブルR2を選択するテーブルR2フラグを有効とする(S260)。そしてS300へ移行する。
音声データエラーカウンタC2がレベルBの範囲内でない場合、次にレベルCの範囲内か否かを判定する(S270)。このレベルCは、音声データエラーレートが徐々に高くなってきたと判断できる範囲である。従って、音声データのパリティエラーが発生した場合に音声データをミュートデータに置き換えるだけでなく、パリティエラーが発生していない場合でも、高域音声をミュート、低域音声を減衰させる音声データに置き換えるテーブルR3を選択するテーブルR3フラグを有効とする(R280)。そしてS300へ移行する。
音声データエラーカウンタC2がレベルCの範囲内でない場合ではレベルDであるので、テーブルR4フラグを有効とする。このレベルDは通信環境が最悪である。従って、受信変換テーブル23は、全ての音声データをミュートデータに置き換えるテーブルR4が選択される(S290)。
S300では、フラグに応じた受信変換テーブル23の切り替えを行う。例えば、テーブルR1フラグが有効であれば、受信エラー処理部24は受信変換テーブル切替部25へ受信変換テーブル23をテーブルR1とするように指示する。また、受信エラー処理部24は親機10へ送信変換テーブル14をテーブルT1とするように制御パケットを送信する。
また、テーブルR2フラグからテーブルR4フラグのいずれかが有効であれば、受信エラー処理部24は受信変換テーブル切替部25へ受信変換テーブル23をテーブルR2〜R4のいずれかのテーブルとするように指示する。また、親機10へエラー情報を通知して、送信変換テーブル14についてテーブルT2とするように指示する。
このように受信エラー処理部24が、音声データのパリティエラーに、同期語エラー、AフィールドCRCエラーまたはBフィールドのCRCエラーなどのフレーム系エラーを加味してエラーレートの増減を決定しているので、より精度よくエラーの発生に対応することができる。
また、受信エラー処理部24が、音声データのパリティビットの値によりエラーが発生したと判定された場合に音声データエラーカウンタC2をカウントアップし、エラーが発生しない場合は音声データエラーカウンタC2をカウントダウンし、この音声データエラーカウンタC2によりエラーレートを増減することで、悪化したり良好となったりする通信環境に対応することができる。
また、受信変換テーブル23のテーブルR2ではパリティエラーが発生した音声データをミュートデータに変換しているが、音声データによってはクリックノイズが発生するおそれがある。そこで受信変換テーブル23をテーブルR3とすることで、同一フレーム内のエラーが発生していない音声データについては音声が減衰するように変換することにより、クリックノイズの影響を抑えることができる。
また、更に通信環境が悪化した場合に、同一フレーム内の全ての音声データをミュートデータに変換する受信変換テーブル23をテーブルR4とすることで、よりクリックノイズをより効果的に抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は実施の形態に限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、高域信号用のパリティエラーによって高域信号のミュートを、また低域信号用のパリティエラーに従って低域信号のミュートを行ったが、これらのどちらか一方のパリティエラーに従って、高域信号・低域信号両方のミュートを行ってもよい。
図18は受信変換テーブル23を設定するための受信データ処理の例をまとめた図であり、以下、図18に沿って説明する。
図18(A)の例では、受信エラー処理部24における音声データエラーカウンタC2が「小」すなわち閾値1未満の「レベルB」であれば、高域音声については高域信号用パリティビットP1が「NG」であれば「消音」の処理をし、低域音声については低域信号用パリティビットP2が「NG」であれば「消音」の処理をする。
また図18(A)の例では、音声データエラーカウンタC2が「レベルC」すなわち閾値1以上且つ閾値2未満の場合は、高域音声については高域信号用パリティビットP1が「NG」であれば「消音」の処理をする。また「レベルC」の場合の低域音声については、低域信号用と高域信号用のパリティビットが正常「OK」であっても「減衰」、高域信号用パリティビットP1が「NG」であれば「減衰」、低域信号用パリティビットP2が「NG」であれば「消音」の処理をする。
また図18(A)の例では、音声データエラーカウンタC2が閾値2以上すなわち「レベルD」まで悪化した場合は、低域信号用と高域信号用のパリティビットが「OK」「NG」に関わらす高域信号・低域信号を共に「消音」にする。
なお図18の以上の例では、特許請求の範囲の記載における第1の信号処理は、高域信号用パリティビットP1が「NG」若しくは低域信号用パリティビットP2が「NG」である場合の高域音声についての処理に相当する。また第2の信号処理は、高域信号用パリティビットP1が「NG」若しくは低域信号用パリティビットP2が「NG」である場合の低域音声についての処理に相当する。
また図18(B)の例では、受信エラー処理部24は、音声データエラーカウンタC2が「小」すなわち閾値1未満の「レベルB」であれば、高域音声については高域信号用パリティビットP1が「NG」、または低域信号用パリティビットP2が「NG」であれば「消音」の処理をする。また「レベルB」であれば、低域音声についても高域信号用パリティビットP1が「NG」、または低域信号用パリティビットP2が「NG」であれば「消音」の処理をする。
また図18(B)の例では、音声データエラーカウンタC2が「レベルC」すなわち閾値1以上且つ閾値2未満の場合は、高域音声については高域信号用パリティビットP1が「NG」、または低域信号用パリティビットP2が「NG」であれば「消音」の処理をする。また「レベルC」の場合は、低域音声については、低域信号用と高域信号用のパリティビットが共に正常「OK」であっても「減衰」の処理をする。また「レベルC」の場合の低域音声については、高域信号用パリティビットP1が「NG」であれば「消音」、また低域信号用パリティビットP2が「NG」であれば「消音」の処理をする。
また図18(B)の例では、音声データエラーカウンタC2が閾値2以上すなわち「レベルD」まで悪化した場合は、低域信号用と高域信号用のパリティビットが「OK」「NG」に関わらす高域信号・低域信号を共に「消音」の処理をする。
なお、特許請求の範囲の記載における第3〜第5の信号処理は、図18の例では以下の処理に相当する。第3の信号処理は、高域信号用パリティビットP1が「NG」である場合の高域音声についての処理に相当する。また第5の信号処理は、低域信号用パリティビットP2が「NG」である場合の高域音声についての処理に相当する。また第4の信号処理は、高域信号用パリティビットP1が「NG」である場合の低域音声についての処理に相当する。また第6の信号処理は、低域信号用パリティビットP2が「NG」である場合の低域音声についての処理に相当する。
なお、本実施の形態では、音声データの下位ビットをエラー検知ビットとしてパリティビットを採用しているが、他のエラー検出方法により最下位ビットを生成するようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では、高域信号用パリティビットP1、低域信号用パリティビットP2の計2ビットの誤り検出符号を生成し、それを音声データの下位2ビットに割り当てたが、他の実施の形態として高域信号・低域信号をあわせた全体のデータのパリティ1ビットのみを割り当て、そのパリティエラーに従って高域信号・低域信号両方のミュートを行ってもよい。すなわち、高域ADPCMデータと低域ADPCMデータを一連にしたデータの“1”の数に応じてビットを反転させるパリティビット(第3のパリティビット:P3)を生成し、低域ADPCMデータの最下位ビットをこの第3のパリティビットP3に置き換えても良い。
図19の例では、パリティビットP3のみを使って処理を行う。すなわち、音声データエラーカウンタC2が「小」すなわち閾値1未満の「レベルB」であれば、高域音声についてはパリティビットP3が「NG」であれば「消音」の処理をし、低域音声についてもパリティビットP3が「NG」であれば「消音」の処理をする。
またこの例では、音声データエラーカウンタC2が「レベルC」すなわち閾値1以上且つ閾値2未満の場合は、高域音声についてはパリティビットP3が「NG」であれば「消音」の処理をする。また「レベルC」の場合の低域音声については、パリティビットP3が正常「OK」であっても「NG」であっても「減衰」の処理をする。
またこの例では、音声データエラーカウンタC2が閾値2以上すなわち「レベルD」まで悪化した場合は、パリティビットP3が「OK」「NG」に関わらす高域信号・低域信号を共に「消音」にする。