JP6073896B2 - 小孔の可視化を伴う血管の輪郭描画 - Google Patents

小孔の可視化を伴う血管の輪郭描画 Download PDF

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Description

本発明は、管状構造の撮影された2D画像を処理するための装置、管状構造の撮影された2D画像を処理するための方法、管状構造の撮影された2D画像を処理するための医療用X線撮像システム、コンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体に関する。
介入CアームX線撮像装置は時おり、AAA(腹部大動脈瘤)又はTAA(胸部大動脈瘤)のような血管内修復処置を支援するために使用される。
介入CアームX線撮像装置は、外科医がステント又はエンドグラフト等の医療用装置を血管構造の中に導入する間に血管構造の連続するDSA(デジタルサブトラクション血管造影)投影画像を作り出すために使用される。画像は、介入の間スクリーンに表示され得る。介入は、手動のマーカーツールを用いて又は電子的な手段によって血管構造の強調表示された又はマークを付けられた輪郭を表示することで支援される。
管内での医療用装置の精密な位置決めが目的である。
DSAの実行から得られる画像はときどき、管の小孔に対する導入された医療用装置の位置について外科医に良い考えを与えることができない。これは、現在のDSA画像のみに基づいて管内の医療用装置を位置決めすることが時々挑戦的になり得るため、その後さらなるDSAの実行を得ることを必要とし得る。
非特許文献1は、網膜の血管造影図を処理するコンピュータにより実施される方法を開示する。画像は、血管を抽出し、血管分岐の位置、すなわち、第2の血管が第1の血管から分岐する場所、並びに血管の重なりを決定するために自動的に分割される。
McInerney他 "Deformable organisms for automatic medical image analysis", Medical image analysis, vol.6, no. 3, 1 September 2002 (2002-09-01), pages 251−266
したがって、投影画像の即時のセットで小孔の位置に関するより多くの情報を医師に提供する必要がある。
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、さらなる実施形態は従属請求項に組み込まれる。
本発明の以下に記載される態様は、管状構造の撮影された2D(2次元)投影画像を処理するためのコンピュータを使った方法、管状構造の撮影された2D投影画像を処理するための医療用X線撮像システム、コンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体に、等しく当てはまることが留意されるべきである。
本発明の1つの態様によれば、管状構造の撮影された2D投影画像を処理するための装置が提供される。
管状構造は、第1の管と第2の管を有する。第2の管は、第1の管から第1の管の側壁の開口で分岐する。
画像は、造影剤搬送流体が管状構造内にあった間に撮影された。
装置は:
− 入力ユニット;
− 処理ユニット;
− 出力ユニット;
を有する。
入力ユニットは、初期投影画像を選択するように構成される。
処理ユニットは、初期投影画像の分割に基づいて、側壁開口の投影画像における位置の推定を確立するように構成される。
出力ユニットは、推定された側壁開口位置に対してマーカーを表示するように構成され、したがって、側壁開口の初期投影画像における位置の視覚表現を提供する。
管状構造は、動脈が大動脈から小孔又は大動脈の側壁の開口で分岐する大動脈−動脈分岐等、人間又は動物の血管構造の一部であり得る。しかし、大動脈−動脈分岐の小孔は単なる例示であり、本発明はまた、血管構造又は確かに任意の管状構造の他の部分に実施され得る。
本発明による装置は、既に撮影された投影画像からの情報抽出を最大化する。そうでなければ画像中の小孔位置を確立することが必要となる繰り返されるDSAの実行が、未然に防がれることができ、したがって患者に対するX線被ばく量及び造影剤の投与を減少させる。投影角度を小孔位置に直交して精密に位置決めすることはもはや必要ないが、推定された小孔位置は、以下に記載されるように投影角度を再調整するために使用され得る。
したがって、本発明の1つの実施形態によれば、処理ユニットは:
− 初期投影画像の重なり領域を分割するように構成される分割器;及び
− 重なり領域の内部又は境界での強度の低下を検出するように、したがって、第1の管の側壁の開口の位置の推定として低下が生じる位置を確立するように構成される、強度検出器;
を有する。
初期投影画像の重なり領域は一般的に、画像の取得のために使用される投影軸が大動脈/動脈分岐によって定められる平面に直交しない場合に、存在する。血管構造において、大動脈及び動脈は、この非直交軸に沿って見るとき、透視図で重なるので、重なり領域は、投影画像の大動脈及び動脈のそれぞれの投影(「フットプリント」)によって形成される。
装置は、小孔の画像中の位置を推定に到達するために重なり領域のフットプリントにおける手がかりを付けるように構成される。小孔の境界は、ピクセルグレイ値強さにおける低下が生じる所に発見される。強さの低下は、血管構造の重なりが透視図において見られるとき造影剤の見かけ上の蓄積があるために生じ、したがって重なり領域は一般的に外側よりその境界内で暗い。
本発明の1つの実施形態によれば、投影画像は、流体が小孔を通って流れている間に次々に取られた連続した投影画像の1つである。分割器は、連続画像からの画像の選択のそれぞれで第1及び第2の領域を確立するように構成される。選択は、連続するものの中の全ての画像又はCPU時間を節約するためにより少ないもののいずれかを意味する。第1の領域のそれぞれは、投影軸に沿った投影図における第1の管を示し、第2の領域のそれぞれは、投影軸に沿った投影図における第2の管を示す。装置はさらに、選択された投影画像を横切る、第1の領域に示された流体流に対する第1の流れ方向及び第2の領域に示された流体流に対する第2の流れ方向を識別するように構成される流れ要素識別器を有する。処理ユニットは、第1及び第2の流量方向を使用することによって、重なり領域の内側又は重なり領域において、交差ポイントを確立するように構成される。このように確立された交差ポイントはさらに、第1の管の側壁開口の位置の推定である。本発明の1つの実施形態によれば、処理ユニットは、初期投影画像から得られる推定及び投影画像の連続から得られるさらなる推定を平均することによって平均推定を確立するように構成される。
情報抽出の理由はさらに、以前の静止又は「静止画像」画像解析を動画像解析と組み合わせることによって、小孔の位置を推定する際さらに高い精度を得るためである。
本出願を通して、用語「平均」は、セットの極値の間にある値を生成するための入力されたスカラ値のセットから得られる数学的操作のように広義に理解されるべきである。このような数学的操作の例は:相加平均、幾何平均、重み付き平均、ロバスト統計、中央値、順序統計、補間値、及び同様の量である。
本発明の1つの実施形態によれば、出力ユニットはさらに、識別された側壁開口位置のマーカーを管状構造のマスタ画像の上に重ねるように構成される。
本発明の1つの実施形態によれば、マスタ画像は、血管構造の蛍光透視画像であり、大動脈及び動脈並びに/又は重なり領域がそれぞれ輪郭を描かれるように示される。
血管樹に関する小孔位置をスクリーンに視覚的に表すことは、外科医又は医師が血管構造を通過させるとともに患者の大動脈にステント又はエンドグラフトを置く助けとなる。したがって、動脈の1つを塞ぐリスクは減少する。
本発明の1つの態様によれば、推定された小孔位置は、投影画像が取得される際X線装置で使用される投影軸を再調整するための手がかりとして使用され得る。さらなるパラメータと組み合わされる小孔位置推定は、追跡調査画像を取る際、重なり領域を減らすために使用され得る。さらなるパラメータは、大動脈において分岐する動脈が、X線を放射するX線イメージャのX線源に対して前方であるか後方であるかを示し得る。
本発明の例示的な実施形態が次に以下の図面を参照して記載される。
投影画像を取得するための医療用X線撮像システムを概略的に示す。 その投影画像が撮影される血管構造の一部を概略的に示す。 図2に示される血管構造の投影画像を示す。 2D投影画像を処理するための装置を示す。 図4の装置によって生成された概観画像を示す。 2D投影画像を処理する方法のためのフローチャートを示す。
図1を参照すると、CアームX線撮像装置100が示される。
C形状アームは、その端部の一方にX線源130及び他方にX線源130から放射されたX線を検出するように構成された検出器120が取り付けられている。Cアームは、X線源130及び検出器120を持つCアームの回転を可能にするようにベアリング150に軸支されるシャフトを有する。テーブル140が、Cアームが回転する間にX線源130及び検出器120によって描かれる円の中心に配置される。テーブル140上には、関心対象115がX線撮影のために置かれる。X線イメージャの動作を制御するためのコントローラ170が、X線源130、検出器120及びデータベース160と通信して示される。
Cアームが撮影されることになる対象115の周りを回転するとき、X線源130は対象115に衝突するX線を放射する。X線は、線源130から対象115を通過し検出器120の上に進む。検出器120に衝突する各X線は、コントローラ170によってピクセル画像情報に変換される信号を生成する。X線は、対象115を通過するとき減衰する。減衰の度合いは、そのピクセルと関連付けられるグレイ値に符号化される。
Cアームが対象115の周りを回転するとき、幾つかの異なる投影角度での又は異なる角度における異なる投影軸に沿った複数の画像が取得される。加えて、各投影軸pに対して、幾つかのフレームが異なる収集時間で取得される。
介入X線システム100、場合によってはCアームCTスキャナと称される、によって生成される出力は、異なる連続の投影画像の収集であり、各連続画像は、異なる収集時間での特定の投影軸pにおいて取得された投影画像を示す。
出力される2D投影画像110a−cは、DICOM等適切なデジタルフォーマットでデータベース160に格納される。それぞれの画像110a−dは、それぞれがピクセル画像要素の配列によって定められるので、2次元である、各ピクセルは、グレイスケール値に符号化される。グレイ値は、配列を定める座標x,yによって呼び出される又はアドレス指定されることができる。各画像110a−dには、そのDICOMヘッダにおいて、画像110a、b、c又はdが取得されたときの投影角度αを符号化する。各画像110a−dは、マッピング(対応付け)(x、y)−>gを定め、画像110a−dにおける位置x、yでの各ピクセル要素は、それに割り当てあられるグレイスケール値gを有する。グレイ値勾配が、各ピクセル位置x、yに対して定められることができる。勾配は、マッピング(x、y)−>gに対して取られるとともに、画像に渡るグレイ値の最大の変化率の方向に沿った画像の平面を指すベクトルである。データベース160は、必ずしも物理的なディスク上の一連のファイルを指す必要はない。それは、画像110a−dがユニット170によって又は他のインターフェース接続しているユニットによって処理され得るように、画像110a−dが直接格納されるメモリシステムを指すこともできる。
図2を参照すると、関心対象115は、人間の血管構造の一部である。図示された管状構造は、そこから分岐する動脈210を有する人間の大動脈205の概略図である。大動脈205及び動脈210は分岐点を定める。動脈210は、大動脈205の側壁において大動脈205と接続する。接続の領域において、「小孔」212又は側壁開口が、大動脈の血液から動脈への又は大動脈から動脈への流体の通過を可能にするように形成される。造影剤の存在は、図2に、大動脈205及び動脈210の内部のハッチングによって示される。大動脈205及び動脈210の長手方向は平面230を定める。投影画像110aが、平面230に直交する投影軸pにおいて取得され、投影画像110bが平面230と非直交の投影軸qにおいて取得された。
ここで図3を参照すると、非直交投影画像110bのより詳細な平面図が、投影画像110bの端部を示すフレーミング長方形とともに示される。概して管形状のために及び画像110bは患者の長手方向軸を横切って接近して取得されるので、大動脈205の投影は、画像110bにおいて概して長方形の部分として示される。長方形の投影は以下では大動脈フットプリント305と称される。同様に、動脈210の投影は、長方形の部分310として示されるとともに以下では動脈フットプリント310と称される。投影軸qに沿った投影図を見るとき、動脈210及び大動脈205が重なることが、図2、3から見ることができる。透視図の重なりは、図3に示されるように重なり領域320をもたらす。重なり部分320は、大動脈フットプリント305に及び、小孔321の領域を示す大体半円形の口部分で終わる。
投影画像110bの重なり領域320は、画像110bの収集時間において、大動脈205にある造影剤及び動脈210にある造影剤の両方を通過するX線から生じる。図3の重なり領域320は、したがって、大動脈フットプリント305又は動脈フットプリント310又は画像背景のいずれか1つより暗い。
透視図に起因するこの見かけ上の造影剤蓄積は、図3に重なり領域320の交差したハッチングによって示される。
図4を参照すると、小孔321の位置を推定するように構成される装置が示され、推定は投影画像110bの画像情報に基づいて行われる。
装置は、処理ユニット420を有し、この処理ユニット420は、動作中の際、データベースインターフェース手段415を介してデータベース160と通信する。処理ユニット420は、分割器430及びスクリーン405を制御する。スクリーン405上の出力は、出力ユニット410によって制御される。分割器430は、強度検出器440及び流れ要素解析機450と通信する。
概して、図4の装置は、血管構造の投影画像110bにおいて小孔321の位置の推定を出力する。推定された小孔位置データは、外科医がCアーム支援介入を計画するのを助ける。
起動と同時に、処理ユニットは、データベースインターフェース手段415を介して、投影画像110a−cが保持されるデータベース160と接続する。投影画像110bのコピーが次に、1又は複数の画像セグメントに投影画像110bを分割するために分割器430に転送される。このように分割された投影画像110bは次に、強度検出器440に渡される。分割された投影画像110bを処理することに基づいて、強度検出器440は、小孔位置の推定を出力する。分割された画像110bを強度検出器440に転送する前、その後又はその間のいずれかで、分割された画像110bのその又はもう一つのコピーが流れ要素解析器450に転送される。流れ要素解析器450は、小孔位置のさらなる推定を出力するために同様に分割された投影画像110bを処理する。
流れ要素解析器450は、投影画像110bが属する連続画像に渡る時間的解析を実行する。流れ要素解析器450の時間的解析と対照的に、強度検出器440は、画像110bを「空間的に」「静止画像」として処理する。時間的な連続推定及び静止画像推定の両方が、次に、2つの推定が、小孔位置の平均最終推定を生成するために平均される処理ユニット420に転送される。出力ユニット410は次に、その後投影画像110bに重ねられるとともにスクリーン405(図5参照)状に一緒に表示される小孔位置のためのグラフィカルマーカーを生成するために、推定された小孔位置を使用する。
装置の構成要素は、図4に広げられて示される。しかし、これは説明の明快さのためである。装置構成要素の処理ユニット420、分割器430、強度検出器440及び流れ要素解析器は、実際には、局所的に分散され得るとともに適切な通信ネットワークで接続され得る。しかし、他の実施形態では、構成要素420、430及び440は、処理ユニット420のソフトウェアルーチンとして実行している。構成要素はまた、専用のFPGA又はハードウェアスタンドアローンのチップとして構成され得る。構成要素は、Matlab(登録商標)又はSimulink(登録商標)等適切な科学技術計算プラットフォームでプログラムされ、次にライブラリで維持されるとともに処理ユニット420によってコールされるときリンクされるC++又はCルーチンに変換され得る。
図4の装置の動作が次により詳細に説明される。
分割器ユニット430は、画像110b内の今まで構造化されていないピクセル情報を分割し、ピクセル領域を定める。領域は次に、それ自体で対象として扱われることができる。画像110bの各ピクセルはその結果、対象の内側又は外側にあると言われることができる。その中に画像110bが分割される各対象は、同様に分割と称される。
分割器430は、投影画像110bのコピーを読み込む。投影画像110bの選択は、画像が取得されたとき十分な造影剤が存在したことを選択された画像が示すことを確実にするために、コントラスト解析によって先行されることができる。好ましくは、投影画像110bはまた、重なり領域320を完全に隠すであろう飽和効果を避けるように選択される。
勾配ベースのエッジ検出技術を使うことによって、画像110bのピクセルグレイ値が、最下の等高線に対する最も可能性の高い最上部として大動脈フットプリント305の境界304及び305を確立するためにスキャンされる。例示的な勾配の読取り値は図3にgとして示される。分割器430は、その中に画像フレーム(ポートレート/ランドスケープ)と撮影された血管構造の基本的な長手方向の向きとの間の関係が符号化されている画像110bのヘッダ内のDICOM情報を使用する。他の実施形態では、分割器は、最も可能性の高い左から右への又は右から左への等高線のために解析する。
分割器は次に、動脈フットプリント310を分割する。大動脈フットプリント305の右の境界306から、ピクセルパスは、勾配及び/又は中心性値に基づいて追跡される。パスは、設定可能なパス長に対して画像110bの右側端部に向かって、追跡される。パスに渡るグレイ値コントラストが、動脈フットプリント310の境界309及び311を確立するために勾配値を使用して測定される。
プロセスは、大動脈フットプリント305から分岐する他の動脈に繰り返されることができるが、単純な例示のために、手順は、図示された1つの動脈310フットプリントに関して説明される。追跡されたパスの中から、画像背景と比べて比較的暗いグレイ値を隣接するパスの間で区切られる領域に有する隣接パスが、確立される。動脈フットプリント310内部のピクセルは、大動脈205内の造影剤のためにより暗くなることが予想される。間の比較的暗いグレイ値領域を持つ隣接するパスは、その結果、フットプリント305の境界309及び311を表すように解釈され、境界パス309、311の間の領域は、動脈フットプリント310の分割として登録される。大動脈境界パスを追跡するための上述の手順は、大動脈フットプリント305の左の境界304に分岐する動脈フットプリントに関しても同様であり得る。そこでは、パスは、反対方向に、左の大動脈フットプリント境界304から画像110bの左端に追跡される。
動脈フットプリント310をそのパスのピクセル記述とともにマーク付けするポイントのピクセル座標記述は、次に強度検出器440に転送される。分割器430は、重なり領域320を分割するために強度検出器440と協働する。境界309、311パス又は動脈プットプリント305の中心パスを使用して、強度検出器440は、大動脈フットプリント305に向かう動脈フットプリント中心パスに沿ってグレイ値を登録する。グレイ値の上昇として大動脈フットプリント305を入力すると、投影画像110bの透視図に起因する見かけ上の造影剤の蓄積のために暗さが検出される。
いったん大動脈フットプリント305内へ入ると、強度検出器440は、強度検出器440がグレイ値強度における急激な低下を検出するまで、大動脈フットプリント中心線の方向に沿って進行する。低下が生じるピクセル位置は、登録されるとともに小孔212の投影の境界321と対応する。重なり領域320の分割がここでモデルベースのアプローチを使用することで完了されることができる。動脈フットプリント305の幅は、図3Aに示されるように重なり領域320の幅と想定される。長方形部分が次に、小孔の境界のポイントを追跡するとき使用される動脈フットプリント中心パスの周りに合わせられることができる。小孔フットプリントに対するモデルとして円を使用することで、この円は、登録された小孔境界ポイントが円の外周にあるように、長方形部分の内部に合わせられることができる。合わせられた円の中心は次に、小孔321の位置の推定として出力される。手順は、中心線だけでなく、動脈フットプリント310の両方の境界311,309にも繰り返されることができ、それに応じて円を合わせることができる。小孔及び動脈に対する円及び長方形以外の異なる投影モデルもまた使用され得る。例えば、楕円が円の代わりに使用され得るとともに、曲線のバンドが動脈フットプリント305の長方形部分の代わりに使用され得る。
1つの実施形態によれば、検出器440による静止画像解析が複数のサンプル画像のそれぞれに対して実行される。
小孔位置321の静止画像推定又は複数の静止画像推定が次に処理ユニット420に戻される。
複数の静止画像推定が受信されるとき、平均が、静止画像解析小孔位置の平均推定を得るために作られる。
流れ要素解析器450は、それらが撮像装置100によって取得された順序で、投影画像110bを含む、連続投影画像を読み込む。造影剤を運ぶ血液は血管構造を移動しているので、連続の中の画像が取得されているとき、流れは、血管構造を通る血流の速度ベクトル場を記載する流脈線又は流跡線等の流体力学のテクニックを使用することによって確立されることができる。例えば、連続する画像の中の粒子の位置が登録されることができるとともに、流跡線に対する速度ベクトルタンジェントが流れ方向の指標として決定されることができる。流れベクトルは、フットプリント310内部及び大動脈フットプリント305内部の両方に対して確立される。ベクトルに沿う線は交差するようにされ、交差ポイントの位置は、流れ要素解析器450によって解析される。交差ポイントが重なり領域320で生じる場合、交差ポイントは、小孔位置321のさらなる推定として処理ユニット420に出力される。流れベースの小孔位置推定はまた、動脈フットプリント310及び大動脈フットプリント305の異なる流ベクトルのペアに対して同じ方法で得られる異なる交差ポイントを見ることによって、平均され得る。
1つの実施形態によれば、流れ要素解析器450は、各連続画像個々に対して独立した流要素ベースの小孔位置推定を生成する。このように得られた連続する小孔位置推定は次に、平均するために処理ユニットに渡される。この実施形態によれば、各画像は小孔における流れの明確な図を提供するという点で、流れ動態の時間的な面のみが利用される。画像の幾つかに示されるようなより好ましくない造影剤パターンは、推定プロセスをよりロバストにするためにそのようにして平均されることができる。
処理ユニットは次に、分割器430及び流れ要素解析器450から受信されるとき、小孔の位置を平均する。
処理ユニットは次に、平均された位置データを出力ユニット415に渡す。グラフィカルユーザインターフェースコントローラ等の出力ユニットは次に、推定された小孔位置を用いてグラフィカルマーカーを生成する。小孔の輪郭を描く色を付けられた円の形態のマーカーが次に、スクリーン405の投影画像110b又は蛍光透視画像に重ねられる。
図5は、小孔位置マーカー510が重ねられたこのような概観画像のスクリーンショット405を示す。画像520は、画像110a−cから得られた流れ画像又は代表的なDSA画像であり得る。1つの実施形態によれば、重なり領域515の輪郭を描く任意のオーバーレイマーカー515もある。追加的に又は代替的に、マーカー505は血管構造の境界の輪郭を描く。表示された血管樹画像は、大動脈内でのグラフと又はステントの位置決めを制御するために外科医によって使用されることができる。例えば、マーカー505、510、515は、脈管内装置の位置決め及び配送の間に使用される蛍光透視画像に重ねられ得る。動脈205の閉塞は、小孔位置が小孔マーカー510によってマークされるので、大動脈205にステントを位置決めするとき回避されることができる。
図6は、2D投影画像を処理する方法のフローチャートを示す。
ステップS605において、投影画像が受信される。
ステップS610において、投影画像の側壁開口の位置の推定が、処理投影画像の分割に基づいて確立される。
ステップS620において、マーカーが推定された側壁開口位置を使用してスクリーンへの表示のために生成される。マーカーは、投影画像に重ねられるとき、初期投影画像の側壁開口の位置の視覚的な表示を提供する。
1つの実施形態によれば、小孔の位置を確立するステップは、初期投影画像の重なり領域を分割するステップを含む。初期画像の重なり領域は、大動脈及び動脈が投影画像を取得するために使用される投影軸に沿って見るとき重なっているため、形成される。小孔位置を確立するステップはさらに、重なり領域の内側又は境界における強度の低下を検出するステップを有し、したがって、低下が生じる位置を小孔の位置の推定として確立する。
本発明のさらなる実施形態によれば、小孔の位置を確立するステップはさらに、投影画像の連続から画像の選択のそれぞれにおける第1及び第2の領域を確立するステップを有する。第1の領域のそれぞれは、投影軸に沿った投影図の大動脈を示し、第2の領域のそれぞれは、投影軸に沿った投影図の動脈を示す。
小孔の位置を確立するステップはさらに、選択された投影画像にわたって第1の画像領域に示される流体の第1の流れ方向を識別するステップ及び第2の画像領域に示される流体の流れの第2の流れ方向を識別するステップを有する。小孔の位置を確立するステップはさらに、重なりの内側又は境界に、第1及び第2の流れ方向を用いることによって交差ポイントを確立するステップを有する。このように確立された交差ポイントは次に、小孔位置のさらなる推定として出力される。
本発明のさらなる実施形態によれば、小孔位置推定は平均化される。
本発明のさらなる実施形態によれば、推定された位置のためのマーカーは、管状構造のマスタ画像へのオーバーレイのために生成される。
本発明の1つの実施形態によれば、第1及び第2の管の血管構造のマスタ画像蛍光透視画像が輪郭を描かれて示され、管状構造は人間又は動物の血管構造のいずれかである。
本発明のさらなる実施形態によれば、推定された小孔の位置は、その後に取得される画像において重なり領域が減少される又はキャンセルさえされるように、X線スキャナ100の投影角度を調整するために使用される。このために、X線イメージャ100を操作する放射線科医によって提供されるさらなるデータが、推定された小孔の位置と組み合わせられる。重なり領域によって同様に示される短縮効果を最小化するために、更なるデータは、小孔が投影方向に対して前であるか後ろであるかどうかの手がかりを含み得る。加えて、新しい投影角度を決定するために、小孔の場所における動脈断面の形状のモデルが使用され得る。形状モデルは次に、観察されたフットプリント305に合わせられる。例えば、円形断面が想定され、次に投影の動脈フットプリント305に合わせられてもよい。動脈フットプリント305の形状モデリングは、3Dの形状モデル化された断面の表面への2D小孔位置の逆投影を可能にする。投影方向に対する小孔位置の前/後ろのあいまいさを解決するのに適した追加的なデータは、その結果、明確に3D位置を小孔に割り当てることを可能にする。小孔の3D位置は、後続の画像における重なり領域が最小化されることができるように、X線システム100に対する調整された投影角度又は軸を決定することを可能にする。
本発明のさらなる実施形態によれば、出力された小孔位置は、撮像処理がまだ進行中である間に取得され得る。イメージャ100は、装置400に送られるとともに推定された小孔の位置を出力するために即座に処理される画像100a−cを出力する。出力された小孔位置は次に、X線イメージャ100で使われる現在の投影角度を調整するために、X線画像コントローラ170にフィードバックされる。
本発明の他の例示的な実施形態では、適切なシステム上で、前述の実施形態の1つによる方法の方法ステップを実行するように適合されることを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
コンピュータプログラム要素は従って、コンピュータユニットに記憶されてもよく、また本発明の実施形態の一部であってよい。このコンピューティングユニットは、上記の方法のステップを実行する又は同ステップの実行を引き起こすように適合され得る。さらに、それは、上述の装置の構成要素を作動させるよう適合され得る。コンピューティングユニットは、自動的に動作するよう及び/又はユーザの命令を実行するよう適合され得る。コンピュータプログラムは、データプロセッサのワーキングメモリにロードされ得る。データプロセッサはしたがって、本発明の方法を実行するよう備えられ得る。
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラム及び、更新により既存のプログラムを本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムの両方を包含する。
これより先、コンピュータプログラム要素は、上述の方法の例示的な実施形態の手順を満足する全ての必要なステップを提供することができる。
本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体が与えられ、コンピュータ可読媒体は、前節に記載されたコンピュータプログラム要素が格納されている。
コンピュータプログラムは、光記憶媒体又は他のハードウェアとともに又はその一部として供給される固体媒体等の適切な媒体において記憶及び/又は配布され得るが、例えばインターネット又は他の有線若しくは無線の電気通信システムを介して等、他の形態で配布されてもよい。
しかし、コンピュータプログラムはまた、ワールドワイドウェブのようなネットワーク上で提供されてもよく、このようなネットワークからデータプロセッサのワーキングメモリにダウンロードされ得る。本発明の更なる例示的な実施形態によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロードのために利用可能とする媒体が提供され、このコンピュータプログラム要素は、本発明の上術の実施形態の1つによる方法を実行するよう構成される。
本発明の実施形態は、異なる主題を参照して記載される点が留意されなければならない。特に、幾つかの実施形態は、方法タイプの請求項を参照して記載され、一方、他の実施形態は、装置タイプの請求項を参照して記載される。しかし、当業者は上述及び下記の記載から、通知されない限り、あるタイプの手段に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、別の主題に関連する特徴の間の任意の組み合わせも本願に開示されていると見なされると推測するであろう。しかし、全ての特徴は、組み合わされることができ、それらの特徴の単純な足し合わせを超える相乗効果を提供する。
本発明は、図面及び上述の説明で詳細に説明されたが、このような図面及び説明は、説明的及び例示的であって限定的ではない。本発明は開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態の他の変形は、図面、詳細な説明、及び従属請求項の検討から、請求項に記載された発明を実施する際に当業者に理解されるとともに実施されることができる。
特許請求の範囲において、語“有する”又は“含む”は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞“1つの”は、複数個を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に挙げられている幾つかの項目の機能を満たし得る。特定の手段が相互に異なる請求項において挙げられているという単なる事実は、それらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいずれの参照符号も範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (13)

  1. 第1の管及び第2の管を有する管状構造の撮影された2D投影画像を処理するためのCアームX線撮像装置であって、前記第2の管は、前記第1の管から前記第1の管の側壁開口で分岐し、前記画像は、造影剤搬送流体が前記管状構造内に存在している間に撮影され、前記撮像装置は:
    − 入力ユニット;
    − 処理ユニット;及び
    − 出力ユニット;を有し、
    前記入力ユニットは、投影軸に沿って撮影される初期投影画像を選択するように構成され、前記第1及び前記第2の管は、前記投影軸に沿って見るとき、前記初期投影画像に重なり領域を形成するように重なり、
    前記処理ユニットは、前記初期投影画像の前記重なり領域を分割するように構成される分割器を有し、前記処理ユニットは、前記初期投影画像の前記分割に基づいて、前記側壁開口の前記初期投影画像における位置の推定を確立するように構成され、
    前記出力ユニットは、前記推定された側壁開口位置に対してマーカーを表示するように構成され、したがって、前記側壁開口の前記初期投影画像における前記位置の視覚表現を提供し、
    前記処理ユニットはさらに:
    前記重なり領域の内部又は前記重なり領域の境界において強度の低下を検出するように構成される、したがって、前記低下が生じる位置を前記第1の管の前記側壁開口の位置の前記推定として確立する、強度検出器、を有する、
    装置。
  2. 前記初期投影画像は、前記流体が前記第1の管の前記側壁開口を通って流れている間に次々に撮影される連続の投影画像の1つであり、
    前記分割器は、前記画像の連続から画像の選択のそれぞれにおいて第1及び第2の領域を確立するように構成され、
    前記第1の領域のそれぞれは、前記投影軸に沿った投影図における前記第1の管を示すとともに、前記第2の領域のそれぞれは、前記投影軸に沿った投影図における前記第2の管を示し、
    前記装置はさらに:
    前記選択された投影画像に渡って、前記第1の領域に示される前記流体の流れに関する第1の流れ方向及び前記第2の領域に示される前記流体の流れに関する第2の流れ方向を識別するように構成される、流れ要素識別器;をさらに有し、
    前記処理ユニットは、前記重なり領域の内側又は前記重なり領域の境界において、前記第1及び前記第2の流れ方向を用いることによって、交差ポイントを確立するように構成され、このように確立された前記交差ポイントは、前記第1の管の側壁開口の前記位置のさらなる推定である、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記処理ユニットは、前記初期投影画像から得られた前記推定及び前記初期投影画像の連続から得られた前記さらなる推定を平均することによって、平均推定を確立するように構成される、
    請求項2に記載の装置。
  4. 前記出力ユニットはさらに、前記推定された側壁開口位置の前記マーカーを前記管状構造のマスタ画像に重ねるように構成される、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記マスタ画像は血管構造の蛍光透視画像であり、前記第1及び前記第2の管並びに/又は前記重なり領域はそれぞれ、輪郭を描かれて示され、前記管状構造は、人間又は動物の血管の一部である、
    請求項4に記載の装置。
  6. CアームX線撮像装置を用いて第1の管及び第2の管を有する管状構造の撮影された2D投影画像を処理するコンピュータに支援される方法であって、前記第2の管は、前記第1の管から前記第1の管の側壁開口で分岐し、前記画像は、造影剤搬送流体が前記管状構造内に存在している間に撮影され、前記方法は:
    − 投影軸に沿って撮影される初期投影画像を選択するステップであって、前記第1及び前記第2の管は、前記投影軸に沿って見るとき、前記初期投影画像に重なり領域を形成するように重なる、ステップ;
    − 前記初期投影画像の前記重なり領域を分割する分割ステップ;
    − 前記初期投影画像の前記分割に基づいて、前記側壁開口の前記初期投影画像における位置の推定を確立するステップ;
    − 前記重なり領域の内部又は前記重なり領域の境界において強度の低下を検出するステップであって、それによって、前記低下が生じる位置を前記第1の管の側壁開口位置の前記推定として確立する、ステップ;及び
    定された前記側壁開口位置に対してマーカーのスクリーン上での表示のために生成するステップであって、それによって、前記側壁開口の前記初期投影画像における前記位置の視覚表現を提供する、ステップ;を有する、
    方法。
  7. 前記初期投影画像は、前記流体が前記第1の管の前記側壁開口を通って流れている間に次々に撮影される連続の投影画像の1つであり、前記方法はさらに:
    − 前記画像の連続から画像の選択のそれぞれにおいて第1及び第2の領域を確立するステップであって、前記第1の領域のそれぞれは、前記投影軸に沿った投影図における前記第1の管を示すとともに、前記第2の領域のそれぞれは、前記投影軸に沿った投影図における前記第2の管を示す、ステップ;
    − 前記選択された投影画像に渡って、前記第1の領域に示される前記流体の流れに関する第1の流れ方向及び前記第2の領域に示される前記流体の流れに関する第2の流れ方向を識別するステップ;及び
    − 前記重なり領域の内側又は前記重なり領域の境界において、前記第1及び前記第2の流れ方向を用いることによって、交差ポイントを確立するステップであって、このように確立された前記交差ポイントは、前記第1の管の前記側壁開口位置のさらなる推定である、ステップ;を有する、
    請求項6に記載の方法。
  8. 前記方法はさらに:
    − 前記側壁開口位置に関する平均推定を得るために、前記初期投影画像からの前記推定及び前記初期投影画像の連続からの前記さらなる推定を平均するステップ、を有する、
    請求項7に記載の方法。
  9. 前記方法はさらに:
    スクリーンへの表示のために、前記推定された側壁開口位置又は前記平均された側壁開口位置の前記マーカーを前記管状構造のマスタ画像に重ねるステップ、を有する、
    請求項8に記載の方法。
  10. 前記側壁開口の前記推定された位置に基づいて、撮像機器の投影角度を調整するステップであって、それによって、前記撮像機器が前記管状構造のさらなる投影画像を取得するために使用されるとき、前記取得されるさらなる投影画像が、前記初期投影画像の重なり領域に比べて減少した重なり領域を有することをもたらす、ステップ、を有する、
    請求項6乃至8のいずれか1項に記載の方法。
  11. 第1の管及び第2の管を有する管状構造の撮影された2D投影画像を処理するための医療用X線撮像システムであって、前記第2の管は、前記第1の管から前記第1の管の側壁の開口で分岐し、前記画像は、造影剤搬送流体が前記管状構造内に存在している間に撮影され、前記システムは:
    − 前記2D投影画像を保持するデータベース;
    − 前記データベースの前記2D投影画像にアクセスするためのデータベースインターフェース手段をさらに有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置;及び
    推定された前記側壁開口位置の前記マーカーを表示するためのスクリーン;を有する、
    システム。
  12. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置を制御するためのコンピュータプログラムであって、処理ユニットによって実行されるとき、請求項6乃至10のいずれか1項に記載の方法を実行するように適合される、
    コンピュータプログラム。
  13. 請求項12に記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ可読媒体。
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