JP6073332B2 - キャリブレーション装置及びキャリブレーション方法 - Google Patents
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Description
特許文献1の授業支援システムの発明においては、まず、ドットパターン及び問題が印刷された用紙が生徒に配布される。そして、生徒は電子ペンを使用して解答欄に記入する。電子ペンは、生徒が記入した筆記情報を授業サーバに送信する。教師は、授業サーバの画面上で、どの生徒がどのような答案を記入しているかを知ることができる。
そこで、本発明は、プリンタに対する用紙セットが正確に行われない場合であっても、筆記情報の位置又は向きを修正し、画面上の表示を正しく行うことを目的とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
図1(a)は、ドットパターンを説明する図である。用紙3には、複数のドット202が印刷されている。ドット202は、用紙3上の想定格子201のそれぞれの交点から若干の距離を隔てた点に配置されるマークである。想定格子201の間隔は肉眼では判別できない程度に短い。よって、肉眼によっては、個々のドット202を判別することはできない。このようにして用紙一面に全体的に配置されたドット202の集合は「ドットパターン」と呼ばれる。
・ペン先付近におけるドットパターン(通常は、36個のドット202)及び筆跡を読み取る。筆跡とは、例えば図1(a)の文字「あ」の任意の点である。わかり易さのために、「あ」は、想定格子201の間隔に比して実際より小さく記載されている。
・読み取った筆跡を画素値に変換する。
・読み取ったドットパターンを座標値に変換する。
・画素値及び座標値を、現在時刻及びペンIDに関連付けて筆記情報とする。ペンIDとは、電子ペン2を一意に特定する識別子である。
・筆記情報を、例えば無線技術を使用して、他の機器に送信する。
符号205が示す情報は、画素値である。例えば、色彩を無視して濃淡のみを表現する場合、画素値は、0〜255のうちの何れかの整数値である。
符号206が示す情報は、ペンIDである。
符号207が示す情報は、電子ペン2が筆跡及びドットパターンを読み取った現在時刻である。
図2及び図3は、本実施形態によって修正すべき、位置ずれ又は向きの誤りを説明する図である。生徒は、いま、用紙3(図2(a))の「答1」の欄に、電子ペン2を使用して「∠ABC」と記入したところである。教師は、画面上で、生徒が用紙に何を記入したかを視認している(図2(b))。画面上の「答1」の欄の右側に、「∠ABC」211が表示されている。この場合、「∠ABC」211は、当該欄に記入されるべき解答であるので、特に課題は発生しない。
図4は、キャリブレーション装置1の構成等を説明する図である。キャリブレーション装置1は、ネットワーク4を介して、筆記情報通信装置5及び参照用端末装置6に接続されている。1又は複数の電子ペン2は、無線通信技術を使用して、筆記情報を筆記情報通信装置5に送信する。なお、キャリブレーション装置1及び筆記情報通信装置5は、ネットワーク4を介すことなく直接接続されていてもよい。
主記憶装置14における、ワークシートファイル作成部21、ドットパターン画像ファイル生成部22、ワークシート画像合成部23、ドットパターン付ワークシート印刷部24、ドットパターン印刷部25、ワークシート画像重畳印刷部26、キャリブレーションマーカ画像ファイル生成部27、ワークシートファイル画像合成部28、マーカ座標入力部29、座標変換係数算出部30、筆記情報入力部31、筆記方向推定部32、筆記情報回転部33及び同時一覧部34は、プログラムである。以降、「○○部は」と主体を記した場合は、中央制御装置11が、補助記憶装置15から各プログラムを読み出し、主記憶装置14にロードしたうえで、各プログラムの機能(詳細後記)を実現するものとする。補助記憶装置15は、教材データベース41、筆記情報データベース42及びクラス情報データベース43を記憶する。
一方、図5(b)においては、通常の用紙にドットパターンを印刷する工程と、ドットパターン印刷済用紙に、ワークシート電子ファイル(問題等)を印刷する工程が分離している。
図6は、各プログラムの機能と情報の流れを説明し、位置ずれに対する対策の概略を示す図である。ドットパターン画像ファイル生成部22は、ドットマーカ付ドットパターン電子ファイルを生成する。「ドットマーカ」とは、ドットパターンの四隅の位置を示す、「+」等の目印である(詳細後記)。ドットマーカの座標値は、当然のことながら、ドットパターンの座標系の座標値である。この座標系及び座標値を「ドットパターン座標系」及び「ドットパターン座標値」という。ドットパターン印刷部25は、ドットマーカ付ドットパターン電子ファイルを受け取り、それを紙面に印刷する。印刷された成果物が、「ドットパターン印刷済用紙」である。ドットパターン印刷済用紙には、ドットパターンとともに、ドットマーカが印刷されている。
図7は、各プログラムの機能と情報の流れを説明し、向きの誤りに対する対策の概略を示す図である。ワークシートファイル作成部21、ドットパターン画像ファイル生成部22、ドットパターン印刷部25及びワークシート画像重畳印刷部26については、図5(b)と同様である。筆記情報入力部31は、電子ペン2から、筆記情報を受け取る。筆記方向推定部32は、筆記情報に基づいて、筆記情報回転角度を推定する。筆記情報回転角度とは、筆記情報が画面上で正立する正しい角度(0度)を基準にして、用紙が時計回りに何度回転してセットされていたかを示す。
図8は、教材データベース41の一例を示す図である。教材データベース41は、ガイド41aと教材情報41bを有する。ガイド41aにおいては、教材ID欄101に記憶された教材IDに関連付けて、学年欄102には学年が、科目欄103には科目が、単元欄104には単元が、教材情報へのポインタ欄105には教材情報へのポインタが記憶されている。
教材ID欄101の教材IDは、学年、科目及び単元の組合せを一意に特定する識別子である。当該組合せと、生徒に配布される「教材」としての「ドットパターン付ワークシート」とは1対1に対応しているので、教材IDは、「ドットパターン付ワークシート」を一意に特定することになる。
学年欄102の学年は、電子ペン2を使用して授業が行われるクラスの学年である。
科目欄103の科目は、電子ペン2を使用して行われる授業の科目名である。
単元欄104の単元は、科目をさらに細分したものであり、授業のテーマである。
教材情報へのポインタ欄105の教材情報へのポインタは、複数存在する教材情報41bのうち、当該「ドットパターン付ワークシート」に係る教材情報の所在を示す情報である。
ガイド41aのレコードは、「学年、科目及び単元の組合せ」の数だけ存在する。
ページ番号欄111のページ番号は、教材の各ページのページ番号である。
教師/生徒フラグ欄112の教師/生徒フラグは、そのページに対して電子ペン2を使用して文字等を記入し得る者を示す記号である。「T」は教師が記入し得ることを示し、「S」は生徒が記入し得ることを示す。なお、両者が記入し得る場合は、そのページについてのレコードが2つ作成される。
なお、異なるドットパターン同士が、重複しない座標値を有する技術も存在する。例えば、あるドットパタンーンの左上の最小の値が(0,0)であり、右下の最大の値が(50,70)である場合、別のドットパタンーンの左上の最小の値が(50,0)であり、右下の最大の値が(100,70)であるような場合である。しかしながら、本実施形態では、単純化のために、いずれのドットパターンも、同じ座標値、すなわち、この例で言うと(0,0)〜(50,70)を有するものとする。
ワークシート電子ファイル名欄114のワークシート電子ファイル名は、ワークシート電子ファイルのページごとの名称である。ページ番号とワークシート電子ファイル名は、1対1に対応している。ワークシート電子ファイル115自身もまた、教材データベース41に記憶されているものとする。
教材情報41bは、教材IDの数だけ存在する。
筆記情報データベース42には、筆記情報(図1(b))が記憶されている。
図9は、クラス情報データベース43の一例を示す図である。クラス情報データベース43は、ガイド43aとクラス情報43bを有する。
ガイド43aにおいては、クラスID欄121に記憶されたクラスIDに関連付けて、学年欄122には学年が、クラス名欄123にはクラス名が、担任教諭名欄124には担任教諭名が、クラス情報へのポインタ欄125にはクラス情報へのポインタが記憶されている。
クラスID欄121のクラスIDは、クラスを一意に特定する識別子である。
学年欄122の学年は、図8の学年と同じである。
クラス名欄123のクラス名は、学年に属するクラスの名称である。
担当教諭名欄124の担当教諭名は、クラスの担任教諭の氏名である。
クラス情報へのポインタ欄125のクラス情報へのポインタは、複数存在するクラス情報43bのうち、当該クラスに係るクラス情報の所在を示す情報である。
ガイド43aのレコードは、クラスIDの数だけ存在する。
出席番号欄131の出席番号は、教師がクラスにおいて出欠確認のために生徒を点呼する順番であり、多くの場合は、生徒氏名を五十音順にならべた番号である。
ペンID欄132のペンIDは、電子ペン2を一意に特定する識別子である。
生徒名欄133の生徒名は、生徒の氏名である。
クラス情報43bは、クラスIDの数だけ存在する。
図10のクラス情報データベース43は、ガイド43c、ペン情報43d及び生徒情報43eを有する。図9のガイド43aと比較すると、図10のガイド43cは、クラス情報へのポインタ欄125の代わりに、ペン情報へのポインタ欄145及び生徒情報へのポインタ欄146を有している。
ペン情報へのポインタ欄144に記憶されているペン情報へのポインタは、ペン情報43dの所在を示す情報である。
生徒情報へのポインタ欄146に記憶されている生徒情報へのポインタは、複数存在する生徒情報43eのうち、当該クラスに係る生徒情報の所在を示す情報である。
その他の構成は、図9と同じであるので、各欄141〜144の詳しい説明は省略する。
生徒情報43eは、クラス情報43b(図9)からペンID欄132を削除した構成である。よって、各欄171、172の詳しい説明は省略する。ただし、ペン情報43dは、クラスIDの数だけ存在する。
図15及び図16は、位置整合処理手順のフローチャートである。位置整合処理手順は、図6に対応する。位置整合処理手順の開始の時点において、クラス情報データペース43(図9、図10)は既に完成しているものとする。
第2に、ワークシートファイル作成部21は、新たなレコードのワークシート電子ファイル名欄114に、ステップS301において受け付けたワークシート電子ファイル名を記憶する。
第4に、ワークシートファイル作成部21は、新たなレコードのドットパターンID欄113に、ドットパターンIDを記憶する。ワークシートファイル作成部21は、ページ番号ごとに、未使用のドットパターンに係るドットパターンIDを記憶するものとする。
第6に、ワークシートファイル作成部21は、ユーザが、入力装置12を介して、学年、科目及び単元を入力するのを受け付ける。
第7に、ワークシートファイル作成部21は、新たなレコードの学年欄102、科目欄103及び単元欄104に、受け付けた学年、科目及び単元をそれぞれ記憶する。さらに、教材IDを採番して、教材ID欄101に記憶する。
第8に、ワークシートファイル作成部21は、新たなレコードの教材情報へのポインタ欄105に、教材情報へのポインタを記憶する。
ステップS304において、ワークシートファイル画像合成部28は、キャリブレーションマーカ付ワークシート電子ファイルを作成する。具体的には、ワークシートファイル画像合成部28は、ステップS301において作成されたワークシート電子ファイル、及び、ステップS303において生成されたキャリブレーションマーカ画像ファイルを合成して、キャリブレーションマーカ付ワークシート電子ファイルを作成する。
第3に、ワークシート画像重畳印刷部26は、取得したドットパターンIDを有する、生徒の数に等しいドットパターン印刷済用紙に対して、取得したワークシート電子ファイル名のワークシート電子ファイルを印刷する。
ステップS310において、マーカ座標入力部29は、タップ位置を画面に表示する。具体的には、マーカ座標入力部29は、受信したドットパターン座標値を出力装置13の画面に表示する。このとき、マーカ座標入力部29は、タップされた位置を「◎」等の目立つ記号でドットパターン付ワークシートの枠内に表示する。
ステップS312において、マーカ座標入力部29は、確認されたか否かを判断する。具体的には、マーカ座標入力部29は、前記の例では、ユーザが「F1」キーを押下したと判断した場合(ステップS312“YES”)は、ステップS313に進み、ユーザが「F2」キーを押下したと判断した場合(ステップS312“NO”)は、ステップS308に戻る。
・1回目に取得したドットパターン座標値と、2回目に取得したドットパターン座標値とを通る直線の方程式を算出する。
・3回目に取得したドットパターン座標値が、当該方程式を満たすか否かを判断する。
・満たさない場合は、ステップS310に進む。満たす場合は、「もう一度タップしてください」というメッセージを表示した上で、ステップS308に戻る。
ユーザが四隅のキャリブレーションマーカを意識的にタップしている限りは、これらの処理は不要である。しかしながら、例えばユーザの手が震えて、短期間のうちにタップを2度繰り返しているような場合には、これらの処理は有効である。
第2に、マーカ座標入力部29は、4つのキャリブレーションマーカのコンテンツ座標値のうちから、左上のキャリブレーションマーカ→右上のキャリブレーションマーカ→左下のキャリブレーションマーカの順に、コンテンツ座標値を取得する。いま、取得された座標値は、[X1,Y1]、[X2,Y2]及び[X3,Y3]であるとする。
その後、位置整合処理手順を終了する。
前記においては、キャリブレーション装置1が、1ページ分の筆記情報を出力装置13の画面に表示する例を説明してきた。しかしながら、ユーザ(教師)は、複数のページ分の筆記情報を同時に一覧して視認したい場合もある。さらに、生徒数が多く、教師がそれぞれの生徒の筆記情報を同時に一覧して画面上で視認したい場合もある。
(2)同時一覧部34は、選択されたレコードのワークシート電子ファイル115を取得する。
(3)同時一覧部34は、選択されたレコードのドットパターンIDを取得する。
(4)同時一覧部34は、取得したワークシート電子ファイルに対して、対応するドットパターンIDのドットパターンを印刷することによって、ドットパターン付ワークシートを2枚印刷する。それぞれのドットパターン付ワークシートには、四隅にキャリブレーションマーカ(図では「○」)が印刷されている。
(7)同時一覧部34は、2ページ目のワークシート電子ファイルのすべて文字、図形等のx座標値に対して、(6)において取得した差分を加算する。
(8)同時一覧部34は、右上のドットマーカのx座標値から左上のドットマーカのx座標値を減算した差分を取得する。
(9)同時一覧部34は、電子ペン2が紙面(2ページ)242から取得したすべての筆跡情報のx座標値に対して、(8)において取得した差分を加算する。
(11)同時一覧部34は、1ページ目及び2ページ目のドットパターン座標値をすべて1ページ目のドットパターン座標値と看做して、1ページ目及び2ページ目の筆記情報を、出力装置13の画面に表示する。
以上の処理が行われると、出力装置13の画面は、図17の画面243のようになる。すなわち、1ページ目の右上と2ページ目の左上が重なり、1ページ目の右下と2ページ目の左下が重なり、2つのページが並んで表示される。なお、図17において、「3ページ」以降がある場合も存在する。しかしながら、その説明は前記と同様であるので省略する。
(13)同時一覧部34は、ユーザが、紙面(1ページ)241のキャリブレーションマーカ及び紙面(2ページ)244のキャリブレーションマーカを所定の順番で電子ペン2を使用してタップするのを受け付ける。所定の順番とは、例えば、1ページ目について、左上→右上→左下→右下、続いて、2ページ目について、(縦位置を基準として)左下→左上→右下→右上、である。図19においては、この順番が、「○」の中に記されている。
(15)同時一覧部34は、2ページ目のワークシート電子ファイルのすべて文字、図形等の座標値を、原点を中心に時計回りに90度回転した座標値に変換する。
(16)同時一覧部34は、2ページ目のワークシート電子ファイルのすべて文字、図形等のx座標値に対して、(14)において取得した差分1を加算する。さらに、y座標値に対して、(14)において取得した(差分2−差分1)/2を加算する。
(18)同時一覧部34は、電子ペン2が紙面(2ページ)244から取得したすべての筆記情報の座標値を、原点を中心に時計回りに90度回転した座標値に変換する。
(19)同時一覧部34は、電子ペン2が紙面(2ページ)244から取得したすべての筆記情報のx座標値に対して、(17)において取得した差分3を加算する。さらに、y座標値に対して、(17)において取得した(差分4−差分3)/2の値を加算する。
(20)同時一覧部34は、前記の(10)〜(11)の処理を行う。
(22)同時一覧部34は、クラス情報43b(又はペン情報43d)を参照し、筆記情報のペンIDに対応する出席番号を取得する。
(23)同時一覧部34は、電子ペン2からの筆記情報と出席番号とを関連付ける。例えば、出席番号nに対して筆記情報nを関連付ける(n=1,2,・・・,6)。
(24)同時一覧部34は、筆記情報n(n=1,2,3)に含まれるすべてのx座標に対して、(h1+h2)×(n−1)を加算する。h1は、右上のドットマーカのx座標値から左上のドットマーカのx座標値を減算した値(紙面の横幅)である。h2は、用紙間の横の隙間の長さを示す任意の正数である。
(25)同時一覧部34は、筆記情報n(n=4,5,6)に含まれるすべてのx座標に対して、(h1+h2)×(n−4)を加算する。
(26)同時一覧部34は、筆記情報n(n=4,5,6)に含まれるすべてのy座標に対して、(v1+v2)を加算する。v1は、左下のドットマーカのy座標値から左上のドットマーカのy座標値を減算した値(紙面の高さ)である。v2は、用紙間の縦の隙間の長さを示す任意の正数である。
(28)同時一覧部34は、m(m=1,2,3)番目のワークシート電子ファイルの文字、図形等のx座標値に対して、(h1+h2)×(m−1)を加算する。
(29)同時一覧部34は、m(m=4,5,6)番目のワークシート電子ファイルの文字、図形等のx座標値に対して、(h1+h2)×(m−4)を加算する。
(30)同時一覧部34は、m(m=4,5,6)番目のワークシート電子ファイルの文字、図形等のy座標値に対して、(v1+v2)を加算する。
(31)同時一覧部34は、すべての筆記情報及びすべてのワークシート電子ファイルを、出力装置13の画面に表示する。
以上の処理が行われると、出力装置13の画面は、図20の画面246のようになる。
(34)同時一覧部34は、クラス情報43b(又はペン情報43d)を参照し、筆記情報に含まれるペンIDに対応する出席番号を取得する。
(35)同時一覧部34は、ある電子ペン2からの筆記情報と、その電子ペン2の出席番号とを関連付ける。例えば、出席番号nに対して筆記情報nを関連付ける(n=1,2,・・・,6)。
(37)同時一覧部34は、筆記情報n(n=1,2,3)に含まれるすべてのy座標にから、60を減算する。この「60」は、左上のy座標値である。
(38)同時一覧部34は、筆記情報n(n=4,5,6)に含まれるすべてのx座標に対して、(70+h2)×(n−4)を加算する。
(39)同時一覧部34は、筆記情報n(n=4,5,6)に含まれるすべてのy座標にから、「60」を減算し、その結果に対して(50+v2)を加算する。この「50」は、左下のy座標値「110」から左上のy座標値「60」を減算した値(選択された範囲の高さ)である。
(40)同時一覧部34は、すべての筆記情報を、出力装置13の画面に表示する。
以上の処理が行われると、出力装置13の画面は、図20の画面247のようになる。
図23は、長方形の用紙における向き修正を説明する図である。なお、本実施形態において、用紙が「長方形」であるという場合、「正方形」以外の「長方形」を意味している。長方形のドットパターン印刷済用紙が、プリンタに正しくセットされれば、日本語の筆記情報は、符号R01又はR03のように画面に表示される。アラビア語のように、右から左に筆記される言語は、符号R05のように画面に表示される。しかしながら、ドットパターン印刷済用紙が天地逆にセットされると、符号R01のように表示されるべき筆記情報は符号R02のように表示される。同様に、符号R03のように表示されるべき筆記情報は符号R04のように表示され、符号R05のように表示されるべき筆記情報は符号R06のように表示される。なお、「→」は、ユーザ(生徒)が筆記して行く順序である。筆記情報は現在時刻を有する(図1(b))ので、キャリブレーション装置1は、その順序を識別することができる。
図25(d)及び図25(e)は、最初の2文字(符号265〜268)の拡大図である。いま、隣接する2つの統合外接矩形の中心点(対角線の交点)の座標値同士を比較することを考える。ある統合外接矩形の中心点のx座標値が、直前の統合外接矩形の中心点のx座標値に比して、どれだけ増加(右が正の方向)したかを示すのが「Δx」である。同様に、ある統合外接矩形の中心点のy座標値が、直前の統合外接矩形の中心点のy座標値に比して、どれだけ増加(下が正の方向)したかを示すのが「Δy」である。左から右への横書き(図25(d))の場合、一般に、ΔxはΔyよりも大きい。一方、上から下への縦書き(図25(e))の場合、一般に、ΔyはΔxよりも大きい。
図26は、長方形の用紙についての、向き修正処理手順のフローチャートである。当該処理手順を開始する前提として、電子ペン2が、ある1つのドットパターン付ワークシートから筆記情報を読み取り、その筆記情報が、筆記情報データベース42に記憶されているものとする。
ステップS342において、筆記方向推定部32は、外接矩形を生成する。具体的には、筆記方向推定部32は、抽出したすべての連結成分について、公知の方法によって、外接矩形を生成する。
第2に、筆記方向推定部32は、それぞれのグループに属するすべての外接矩形(文字に相当する)について、公知の方法によって、統合外接矩形を生成する。
ステップS345において、筆記方向推定部32は、変数「AvrX」及び「AvrY」を設定し、それぞれに「0」を代入する。
ステップS346において、筆記方向推定部32は、変数「i」を設定し、「i」に2を代入する。
ステップS348において、筆記方向推定部32は、Δyを算出する。具体的には、筆記方向推定部32は、i番目の統合外接矩形の中心点のy座標値、及び、(i−1)番目の統合外接矩形の中心点のy座標値を取得し、前者から後者を控除した値をΔyとする。
式「AvrX=(AvrX×(i−2)+Δx)/(i−1)」、及び、
式「AvrY=(AvrY×(i−2)+Δy)/(i−1)」を使用して、AvrX及びAvrYを算出する。
AvrXは、最初の統合外接矩形から処理対象となっている統合外接矩形までにおいて算出された、1又は複数のΔxの平均値である。AvrYは、最初の統合外接矩形から処理対象となっている統合外接矩形までにおいて算出された、1又は複数のΔyの平均値である。
ちなみに、|Δy|>Th1が成り立つ場合、統合外接矩形は、改行されている。
ちなみに、i<Nが成り立つ場合、最後の統合外接矩形まで処理が終了していない。
ステップS354において、筆記方向推定部32は、Δy>0であるか否かを判断する。具体的には、筆記方向推定部32は、Δy>0が成り立つ場合(ステップS354“YES”)、ステップS360に進み、それ以外の場合(ステップS354“NO”)、ステップS359に進む。因みに、Δy>0が成り立つ場合、統合外接矩形は、上から下に改行されている。図23における符号R01及びR05の例が、“YES”のパスを経由することになる。同様に、Δy>0が成り立たない場合、統合外接矩形は、下から上に改行されている。図23における符号R02及びR06の例が、“NO”のパスを経由することになる。
ちなみに、|Δx|>Th2が成り立つ場合、統合外接矩形は、改行されている。なお、上下の「列」を改める場合も「改行」という。
ちなみに、i<Nが成り立つ場合、最後の統合外接矩形まで処理が終了していない。
ステップS358において、筆記方向推定部32は、Δx>0であるか否かを判断する。具体的には、筆記方向推定部32は、Δx>0が成り立つ場合(ステップS358“YES”)、ステップS359に進み、それ以外の場合(ステップS358“NO”)、ステップS360に進む。因みに、Δx>0が成り立つ場合、統合外接矩形は、左から右に改行されている。図23における符号R04の例が、“YES”のパスを経由することになる。同様に、Δx>0が成り立たない場合、統合外接矩形は、右から左に改行されている。図23における符号R03の例が、“NO”のパスを経由することになる。
ステップS360において、筆記方向推定部32は、筆記情報回転角度を0度と決定する。
ステップS361において、筆記情報回転部33は、筆記情報の座標値を修正する。具体的には、筆記情報回転部33は、決定された筆記情報回転角度を打ち消すように、筆記情報の座標値を変換する。例えば、筆記情報回転角度が180度と決定されている場合、筆記情報の座標値を、用紙の中心(対角線の交点)を中心にして、反時計回りに180回転させた座標値に変換する。筆記情報回転角度が0度と決定されている場合、何も行わない。
その後、向き修正処理手順を終了する。
第2に、筆記方向推定部32は、ユーザがキーボードの「Y」キーを押下するのを受け付けた場合(ステップS354e“YES”)、ステップS360に進む。それ以外の場合(ステップS354e“NO”)、ステップS359cに進む。因みに、図24における符号Q01の例が、“YES”のパスを経由することになる。図24における符号Q08の例が、“NO”のパスを経由することになる。
第2に、筆記方向推定部32は、ユーザがキーボードの「Y」キーを押下するのを受けて受けた場合(ステップS354f“YES”)、ステップS359に進む。それ以外の場合(ステップS354f“NO”)、ステップS359bに進む。因みに、図24における符号Q03の例が、“YES”のパスを経由することになる。図24における符号Q06の例が、“NO”のパスを経由することになる。
第2に、筆記方向推定部32は、ユーザがキーボードの「Y」キーを押下するのを受けて受けた場合(ステップS358e“YES”)、ステップS359cに進む。それ以外の場合(ステップS358e“NO”)、ステップS359に進む。図24における符号Q04の例が、“YES”のパスを経由することになる。図24における符号Q07の例が、“NO”のパスを経由することになる。
第2に、筆記方向推定部32は、ユーザがキーボードの「Y」キーを押下するのを受けて受けた場合(ステップS358f“YES”)、ステップS359bに進む。それ以外の場合(ステップS358f“NO”)、ステップS360に進む。図24における符号Q02の例が、“YES”のパスを経由することになる。図24における符号Q05の例が、“NO”のパスを経由することになる。
ステップS359cにおいて、筆記方向推定部32は、筆記情報回転角度を270度と決定する。
本実施形態のキャリブレーション装置1は、電子ペン2を介して取得した筆記情報及びコンテンツ由来データの表示画面における位置ずれを簡単に修正することができる。
キャリブレーション装置1は、ドットパターン座標値をコンテンツ座標値に変換する変換行列を定義し変換係数を算出するので、計算速度が向上し、かつ、変換係数を再利用することが容易になる。
変換係数を算出する過程で、ユーザ(教師)が電子ペンを使用して有意な3つのドットパターン座標値を取得できない場合は、エラーメッセージが表示されるので、キャリブレーション装置1は、確実に有意な3つのドットパターン座標値を取得できる。
キャリブレーション装置1は、ドットパターン印刷済用紙をプリンタにセットする方向が正しくなかった場合であっても、画面上に筆記情報を正立させることができる。
キャリブレーション装置1は、ユーザ(教師)が複数の生徒が電子ペン2を使用して記入した筆記情報を一覧し、きめ細かな指導を行うことを可能にする。
2 電子ペン
3 用紙
4 ネットワーク
5 筆記情報通信装置
6 参照用端末装置
11 中央制御装置(制御部)
12 入力装置
13 出力装置
14 主記憶装置(記憶部)
15 補助記憶装置(記憶部)
16 通信装置
21 ワークシートファイル作成部
22 ドットパターン画像ファイル生成部
23 ワークシート画像合成部
24 ドットパターン付ワークシート印刷部
25 ドットパターン印刷部
26 ワークシート画像重畳印刷部
27 キャリブレーションマーカ画像ファイル生成部
28 ワークシートファイル画像合成部
29 マーカ座標入力部
30 座標変換係数算出部
31 筆記情報入力部
32 筆記方法推定部
33 筆記情報回転部
34 同時一覧部
41 教材データベース
42 筆記情報データベース
43 クラス情報データベース
Claims (8)
- ドットパターン及びコンテンツがそれぞれ異なる座標系で印刷されているとともに両座標系を対応付けるキャリブレーションマーカが3箇所以上印刷されている用紙から、前記キャリブレーションマーカのうちの3つの前記ドットパターンの座標系における座標値を、電子ペンを介して受け付け、
前記電子ペンを介して受け付けた3つのキャリブレーションマーカの前記ドットパターンの座標系における座標値に対応する、3つのキャリブレーションマーカの前記コンテンツの座標系における座標値を前記コンテンツの電子ファイルから取得し、
前記電子ペンを介して受け付けた3つのキャリブレーションマーカの前記ドットパターンの座標系における座標値と、前記電子ファイルから取得した3つのキャリブレ−ションマーカの前記コンテンツの座標系における座標値との対応する位置同士の既知の組合せに基づき、前記ドットパターンの座標系における座標値を、前記コンテンツの座標系における座標値に変換する変換係数を生成し、
前記用紙に記入されていく筆記情報の上下左右の方向に基づいて、前記用紙が所定の位置を基準にして何度回転してプリンタに対してセットされて印刷されていたかを示す筆記情報回転角度を推定し、
前記生成した変換係数に基づき、前記用紙から前記電子ペンが読み取った筆記情報に含まれる前記ドットパターンの座標系における座標値を、前記推定した筆記情報回転角度を打ち消すような前記コンテンツの座標系における座標値に変換し、
前記コンテンツ及び前記座標値が変換された筆記情報を、前記コンテンツの座標系を使用して画面表示する制御部を備えること、
を特徴とするキャリブレーション装置。 - 前記制御部は、
複数の前記変換係数を成分として有し、前記ドットパターンの座標系における座標値を、前記コンテンツの座標系における座標値に変換するする変換行列に対して、前記電子ペンを介して受け付けた3つのキャリブレーションマーカの前記ドットパターンの座標系における座標値及び前記電子ファイルから取得した3つのキャリブレ−ションマーカの前記コンテンツの座標系における座標値の対応する位置同士の既知の組合せを代入することによって方程式を作成し、
前記方程式を解くことによって、前記変換係数を算出すること、
を特徴とする請求項1に記載のキャリブレーション装置。 - 前記制御部は、
前記電子ペンを介して受け付けた3つのキャリブレーションマーカの前記ドットパターンの座標系における座標値が同一直線上に存在する場合は、エラーメッセージを出力すること、
を特徴とする請求項2に記載のキャリブレーション装置。 - 前記制御部は、
前記用紙の部分の指定を受け付け、
前記受け付けた部分に記入された、前記電子ペンごとの前記筆記情報を、並べて出力装置に画面表示すること、
を特徴とする請求項3に記載のキャリブレーション装置。 - キャリブレーション装置の制御部は、
ドットパターン及びコンテンツがそれぞれ異なる座標系で印刷されているとともに両座標系を対応付けるキャリブレーションマーカが3箇所以上印刷されている用紙から、前記キャリブレーションマーカのうちの3つの前記ドットパターンの座標系における座標値を、電子ペンを介して受け付け
前記電子ペンを介して受け付けた3つのキャリブレーションマーカの前記ドットパターンの座標系における座標値に対応する、3つのキャリブレーションマーカの前記コンテンツの座標系における座標値を前記コンテンツの電子ファイルから取得し、
前記電子ペンを介して受け付けた3つのキャリブレーションマーカの前記ドットパターンの座標系における座標値と、前記電子ファイルから取得した3つのキャリブレ−ションマーカの前記コンテンツの座標系における座標値との対応する位置同士の既知の組合せに基づき、前記ドットパターンの座標系における座標値を、前記コンテンツの座標系における座標値に変換する変換係数を生成し、
前記用紙に記入されていく筆記情報の上下左右の方向に基づいて、前記用紙が所定の位置を基準にして何度回転してプリンタに対してセットされて印刷されていたかを示す筆記情報回転角度を推定し、
前記生成した変換係数に基づき、前記用紙から前記電子ペンが読み取った筆記情報に含まれる前記ドットパターンの座標系における座標値を、前記推定した筆記情報回転角度を打ち消すような前記コンテンツの座標系における座標値に変換し、
前記コンテンツ及び前記座標値が変換された筆記情報を、前記コンテンツの座標系を使用して画面表示すること、
を特徴とする、前記キャリブレーション装置のキャリブレーション方法。 - 前記制御部は、
複数の前記変換係数を成分として有し、前記ドットパターンの座標系における座標値を、前記コンテンツの座標系における座標値に変換するする変換行列に対して、前記電子ペンを介して受け付けた3つのキャリブレーションマーカの前記ドットパターンの座標系における座標値及び前記電子ファイルから取得した3つのキャリブレ−ションマーカの前記コンテンツの座標系における座標値の対応する位置同士の既知の組合せを代入することによって方程式を作成し、
前記方程式を解くことによって、前記変換係数を算出すること、
を特徴とする請求項5に記載のキャリブレーション方法。 - 前記制御部は、
前記電子ペンを介して受け付けた3つのキャリブレーションマーカの前記ドットパターンの座標系における座標値が同一直線上に存在する場合は、エラーメッセージを出力すること、
を特徴とする請求項6に記載のキャリブレーション方法。 - 前記制御部は、
前記用紙の部分の指定を受け付け、
前記受け付けた部分に記入された、前記電子ペンごとの前記筆記情報を、並べて出力装置に画面表示すること、
を特徴とする請求項7に記載のキャリブレーション方法。
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