JP6072438B2 - 歯磨組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、歯磨組成物に関する。
従来より、口腔内組成物において、配合成分の分散性を高めたり、使用感や洗浄効果の向上を図ったりする上で、発泡剤として種々の界面活性剤が用いられている。例えば、特許文献1には、アルキル硫酸塩、ピロリン酸塩等の水溶性ポリリン酸塩を1重量%以上、及びオルトリン酸塩を含有する口腔用組成物が開示されており、かかる組成物は、ステイン、プラーク、煙草のヤニ等の歯面の汚れに対する化学的清掃効果を高めることができるものである。また、特許文献2には、優れた歯牙の汚れ除去効果を発揮させるべく、アニオン界面活性剤と水溶性ピロリン酸塩0.3〜1.5質量%、及び特定のヒドロキシプロピルセルロースを配合した歯磨組成物が開示されている。
一方、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤は優れた発泡性と洗浄性を有するため、歯磨組成物に汎用されてはいるものの、タンパク質変性作用を有することも知られている。例えば、特許文献3では、かかるタンパク質変性作用により口腔粘膜への刺激や荒れが生じやすく使用感が不足する点に着目し、無水ケイ酸、ベタイン型両性界面活性剤、特定の香料と、ノニオン界面活性剤とを含有することによって、起泡性と使用感を両立し得る歯磨組成物が開示されている。
他方、皮膚や粘膜への刺激が少ない界面活性剤としては、アシルアミノ酸塩が知られているものの、かかる界面活性剤は苦味をもたらす可能性がある。例えば、特許文献4には、アシルアミノ酸塩を0.5質量%以下の少量とすることで良好な味を保持しつつ、アシルアミノ酸塩の量を減じることによって低下する発泡性を補強すべく、さらにグルコース脂肪酸エステルを併用した口腔用組成物が開示されている。
特開平9−12438号公報 特開2007−161657号公報 特開2011−105647号公報 特開平3−200714号公報
歯磨組成物の洗浄効果を高めるには、ステイン、プラーク、煙草のヤニを含む、歯面に付着した種々の汚れを効果的に除去することが望ましい。かかる歯面に付着した種々の汚れは、歯面上に形成されたタンパク質汚れの上に、さらに細菌の共凝集や他の無機汚れの層が形成されてなるため、歯面とステインやプラーク等の汚れとの間に介在するタンパク質汚れを有効に除去すれば、これらステインやプラーク等の汚れを根こそぎ除去して洗浄効果を高めることができる。そして、歯磨組成物としては、このような高い洗浄性を発揮するだけでなく、良好な味をもたらすことも望まれている。
しかしながら、上記特許文献のように、アニオン界面活性剤を配合すれば発泡性を高めることはできるものの、かかるアニオン界面活性剤が有するタンパク質変性作用によって、タンパク質汚れが落ちにくくなる傾向にあることが本発明者らによって判明した。また、ピロリン酸塩等によってタンパク質汚れの除去効果の向上を図るにしても、その配合量が増すにつれ、塩味が増すだけでなく、歯の表面がきしみ、なめらかな感触が得られないため、配合量に比例して清掃実効感が向上するものでもなく、また、タンパク質汚れの除去性能が配合量に比例して増強するものではないことも判明した。
さらに、N−アシルアミノ酸又はその塩を少量で含有させて苦味の改善を図る場合には、ポリリン酸又はその塩やアルキル硫酸塩を用いて発泡性や洗浄性能を補強する必要があるものの、これら3成分を併存させると、1成分のみでは感じられない強い苦味とえぐ味が混在するような味となり、不快な味が増強されてしまうことも判明した。このように、これら3成分を併用するにあたり、味の改善を図りながら洗浄性能を高めるには、さらなる検討が必要である。
したがって、本発明の課題は、歯磨組成物としての発泡性能を確保する上でアニオン界面活性剤を用いつつ、N−アシルアミノ酸又はその塩、並びにポリリン酸又はその塩を併用しても、タンパク質汚れを効果的に除去し得る優れた洗浄性と、苦味や渋味、えぐ味等が解消された良好な味の実現とを両立することができる歯磨組成物を提供することにある。
そこで本発明者らは、種々検討したところ、N−アシルアミノ酸又はその塩、アルキル硫酸塩、及びポリリン酸又はその塩を各々特定の量で含有することにより、苦味や塩味等の不快な味の発現を抑制して良好な味を呈し、タンパク質汚れを有効に除去し得る優れた洗浄効果を有する歯磨組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)N−アシルアミノ酸又はその塩 0.005質量%以上0.3質量%以下、
(B)アルキル硫酸塩 0.5質量%以上2質量%以下 及び
(C)ポリリン酸又はその塩 0.005質量%以上0.4質量%以下
を含有する歯磨組成物を提供するものである。
本発明の歯磨組成物は、歯面のタンパク質汚れの除去効果を良好に発揮しつつ、歯面へのタンパク質汚れの付着抑制効果をも発揮し、優れた洗浄性能を有することができるとともに、歯面が汚れのない滑らかな状態であるときに触感できる、きしみ感がなく、引っかかり感のない歯面のつるつる感を実感し得る清掃実効感を高めることができる。また、N−アシルアミノ酸又はその塩、ポリリン酸又はその塩、及びアルキル硫酸塩の併用により生じる苦味、えぐ味と塩味の不快な味を抑制して、良好な味と清掃実効感をもたらすことが可能である。ここで、きしみ感がない、引っかかり感のない歯面のつるつるした感触とは、歯面を舌でふれたときに、摩擦を殆ど感じずに舌をすべらせることができる歯の表面がなめらかな感触をいう。
歯垢量の測定箇所を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の歯磨組成物は、N−アシルアミノ酸又はその塩(A)を0.005質量%以上0.3質量%以下含有する。かかる成分(A)を特定の量で含有することにより、後述する特定の量のポリリン酸又はその塩(C)との併用によって、効果的にタンパク質汚れを除去しながらその付着をも有効に抑制し、優れた洗浄性能を発揮することができる。また、成分(A)特有の苦味の発現を抑制することもできるので、優れた洗浄性能と良好な味の実現とを両立させることが可能である。N−アシルアミノ酸のアシル基は、タンパク質汚れを有効に除去して優れた洗浄性能を発揮する観点、及び良好な清掃実効感をもたらす観点から、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する脂肪酸又はそれらの混合脂肪酸を由来としたものであって、直鎖脂肪酸又は直鎖脂肪酸の混合脂肪酸を由来としたものが好ましく、炭素数6〜22のアシル基であるのが好ましく、炭素数10〜20のアシル基であるのがより好ましく、炭素数10〜18のアシル基であるのがさらに好ましい。かかるアシル基としては、泡立ち、扱いやすさの点から、例えば、カプリロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ココイル基から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ラウロイル基、ミリストイル基、ココイル基から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ラウロイル基、ミリストイル基から選ばれる1種以上がさらに好ましい。
N−アシルアミノ酸のアミノ酸部分としては、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、スレオニン、メチルアラニン、サルコシン、リジン、アルギニンから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。N−アシルアミノ酸のアミノ酸部分は、成分(C)との併用によりタンパク質汚れの除去効果と汚れ付着防止効果を向上する観点から、酸性アミノ酸であるのが好ましく、グルタミン酸、アスパラギン酸から選ばれる酸性アミノ酸がより好ましく、グルタミン酸がさらに好ましい。また、これらのアミノ酸部分はD体、L体或いはD体とL体の混合物のいずれであってもよく、L体であるのが好ましい。
N−アシルアミノ酸又はその塩(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、タンパク質汚れの除去効果と汚れ付着防止効果を向上する観点から、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、N−ココイルグルタミン酸、N−ラウロイルアスパラギン酸、又はこれらの塩が好ましく、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、N−ココイルグルタミン酸、又はこれらの塩がより好ましく、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、又はこれらの塩がさらに好ましい。
N−アシルアミノ酸塩の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム、亜鉛等の他の無機塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩;アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。なかでも、N−アシルアミノ酸塩の塩としては、香味や入手容易性の点から、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
N−アシルアミノ酸又はその塩(A)の含有量は、後述する成分(B)を併用しつつ、成分(C)のピロリン酸又はその塩と相まってタンパク質の汚れ除去効果と付着防止効果、及び良好な味の実現とを両立させる観点から、本発明の歯磨組成物中に、0.005質量%以上であって、好ましくは0.007質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上である。N−アシルアミノ酸又はその塩(A)の含有量は、後述する成分(C)との併用による清掃実効感をもたらしつつ、成分(B)及び成分(C)との併用においても良好な味を実現する観点から、本発明の歯磨組成物中に、0.3質量%以下であって、好ましくは0.2質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下である。また、N−アシルアミノ酸又はその塩(A)の含有量は、本発明の歯磨組成物中に、0.005〜0.3質量%であって、好ましくは0.007〜0.2質量%であり、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。
本発明の歯磨組成物は、アルキル硫酸塩(B)を0.5質量%以上2質量%以下含有する。かかる成分(B)を特定の量で含有することにより、良好な発泡性を保持しながら、特定の量の成分(A)や成分(C)との併用により、タンパク質変性作用の発現を有効に抑制してタンパク質汚れの除去効果を十分に発揮させ、優れた洗浄性能をもたらすことができる。かかるアルキル硫酸塩としては、オクチル硫酸ナトリウム、カプリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、パルミチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、優れた洗浄性能と発泡性の観点から、ラウリル硫酸ナトリウムがより好ましい。
アルキル硫酸塩(B)の含有量は、歯磨組成物の口腔内での泡立ち、タンパク質汚れの洗浄性能の観点から、本発明の歯磨組成物中に0.5質量%以上であって、好ましくは0.8質量%以上であり、より好ましくは1.0質量%以上である。そして、アルキル硫酸塩(B)の含有量は、歯磨組成物の口腔内での泡立ち、タンパク質汚れの洗浄性能、及び良好な味を兼ね備える観点から、本発明の歯磨組成物中に2質量%以下であって、好ましくは 1.7質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下である。また、アルキル硫酸塩(B)の含有量は、本発明の歯磨組成物中に0.5〜2質量%であって、好ましくは0.8〜1.7質量%であり、より好ましくは1.0〜1.5質量%である。
本発明の歯磨組成物は、ポリリン酸又はその塩(C)を0.005質量%以上0.4質量%以下含有する。かかる成分(C)を特定の量で含有することにより、上記成分(B)によるタンパク質変性作用を有効に抑制しつつ、上記成分(A)と相まって、優れたタンパク質汚れの除去効果を発揮しつつ、タンパク質汚れの付着抑制効果をも付与することができ、洗浄性能を十分に高めることができる。また、塩味等が増強するのを有効に抑制して、良好な味を確保することができるとともに、歯磨組成物を使用した後に歯面がつるつるとなめらかな感触となることを実感でき、清掃実効感を高めることができる。ポリリン酸としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、メタリン酸が挙げられ、ポリリン酸塩の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。これらポリリン酸又はその塩(B)を1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、タンパク質汚れの除去効果と付着抑制効果とを兼ね備える観点から、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムが好ましく、ピロリン酸ナトリウムがより好ましい。
ポリリン酸又はその塩(C)の含有量は、上記成分(A)とともにタンパク質汚れの除去効果や付着抑制効果を十分に高めて洗浄性能を向上させる観点から、本発明の歯磨組成物中に、0.005質量%以上であって、好ましくは0.007質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上である。ポリリン酸又はその塩(C)の含有量は、上記成分(A)とともにタンパク質汚れの除去効果や付着抑制効果を十分に高めて洗浄性能を向上させ、清掃実効感を確保し良好な味を実現する観点から、本発明の歯磨組成物中に、0.4質量%以下であって、好ましくは0.15質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下である。また、ポリリン酸又はその塩(C)の含有量は、本発明の歯磨組成物中に、0.005〜0.4質量%であって、好ましくは0.007〜0.15質量%であり、より好ましくは0.01〜0.15質量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.1質量%である。
上記N−アシルアミノ酸又はその塩(A)とポリリン酸又はその塩(C)との質量比((C)/(A))は、良好な発泡性を保持しながらタンパク質変性作用を有効に抑制して、優れたタンパク質汚れの除去効果や付着抑制効果を保持する観点、及び良好な味を実現する観点から、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.1以上であり、好ましくは40以下であり、より好ましくは15以下であり、さらに好ましくは12以下である。また、質量比((C)/(A))は、好ましくは0.05〜40であり、より好ましくは0.1〜15であり、さらに好ましくは0.1〜12である。
上記N−アシルアミノ酸又はその塩(A)の含有量とポリリン酸又はその塩(C)の含有量との合計は、タンパク質汚れの除去効果と付着抑制効果とを相乗的に高めつつ、良好な清掃実効感をもたらす観点から、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上である。そして、成分(A)と成分(C)の含有量の合計は、歯へのタンパク質汚れの除去効果と付着抑制効果を高める観点、及び清掃実効感を向上し、味を良好にする観点から、好ましくは0.6質量%以下であり、より好ましくは0.45質量%以下であり、さらに好ましくは0.3質量%以下である。
本発明の歯磨組成物は、成分(A)特有の苦味や成分(C)特有の塩味のほか、成分(A)〜(C)が併存することにより生じる強い苦味とえぐ味をさらに改善する観点から、スクラロース(D)を含有するのが好ましい。かかる成分(D)の含有量は、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上であり、さらに好ましくは0.008質量%以上である。スクラロース(D)の含有量は、歯磨組成物の清涼感の低下を防止する点から、本発明の歯磨組成物中に、0.1質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以下であり、さらに好ましくは0.02質量%以下である。なお、スクラロースは、別名4,1',6'−トリクロロガラクトスクロースともいわれ、ショ糖の水酸基のうち3つを選択的に塩素原子に置換した構造であり、三栄原エフ・エフ・アイ株式会社等から販売されているスクラロースを入手することができる。
上記N−アシルアミノ酸又はその塩(A)及びポリリン酸又はその塩(C)とスクラロース(D)との質量比((A)+(C))/(D)は、優れた洗浄性能と良好な味の実現との両立をより確保する観点から、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは1以上であり、さらに好ましくは1.5以上である。質量比((A)+(C))/(D)は、清掃実効感と良好な味の実現との両立をより確保する観点から、好ましくは30以下であり、より好ましくは25以下であり、さらに好ましくは12以下である。また、質量比((A)+(C))/(D)は、好ましくは0.5〜30であり、より好ましくは1〜25であり、さらに好ましくは1.5〜12である。
本発明の歯磨組成物は、さらに良好な味を確保する観点から、グリセリン(E)を含有するのが好ましい。かかる成分(E)の含有量は、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下である。
本発明の歯磨組成物は、さらに成分(A)特有の苦味や、成分(A)、(B)、及び成分(C)の併用によるえぐ味と苦味をさらに改善する観点から、20℃において水溶液100gに対して5〜40g溶解する糖アルコール(F)を含有するのが好ましい。なお、前記水溶液は、水に糖アルコールが溶解した水溶液を意味する。かかる糖アルコール(F)としては、エリスリトール、マンニトール、α―D―グルコピラノシル―1,6―ソルビトール、α―D―グルコピラノシル―1,6―マンニトール、α―D―グルコピラノシル―1,6―ソルビトール、α―D―グルコピラノシル―1,6―マンニトールの混合物である還元パラチノースから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、適度な溶解性と味の観点から、エリスリトール、還元パラチノースがより好ましく、良好な清涼感の観点からエリスリトールがさらに好ましい。成分(F)の含有量は、口腔内で溶解し、良好な清涼感をもたらし、良好な味を持続する観点から、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは55質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以下である。
本発明の口腔用組成物は、味と使用感の観点から、さらに成分(F)以外の、20℃において水溶液100gに対して40gよりも多く溶解する他の糖アルコールを含有することが好ましい。他の糖アルコールとしては、ソルビトール、キシリトールから選ばれるものが好ましく、湿潤剤としても機能するソルビトールが好ましい。成分(D)以外の糖アルコールの含有量は、使用感の点から、本発明の歯磨組成物中に、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、30質量%以下であることが好ましい。
本発明の歯磨組成物は、成分(D)と相まってさらに味の改善を図る観点から、香料組成物を含有するのが好ましい。かかる香料組成物としては、ピネン、ミルセン、リモネン、ターピネン、サイメン等のセスキテルペン系炭化水素;シトラール、シトロネラール、ペリラアルデヒド等のセスキテルペン系アルデヒド;オレンジ、レモン、ライムオイル等の柑橘系オイル;アネトール等のフェニルエーテル;チモール、オイゲノール等の芳香族アルコール;ベルガモット等の天然精油を含む香料組成物が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、良好な甘味をもたらして苦味の発現を緩和する観点から、アネトール、チモール、オイゲノールから選ばれる香料を含む香料組成物が好ましく、少なくともアネトールを含有する香料組成物がより好ましい。アネトールは、香料組成物中に0.3質量%以上、20質量%以下含有することが好ましい。
香料組成物の含有量は、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは0.1〜2質量%であり、より好ましくは0.5〜1.5質量%である。
本発明の歯磨組成物における水の含有量は、上記成分を溶解・分散させながら口腔内で有効に拡散させ、タンパク質汚れの除去効果及び付着抑制効果を有効に発揮させる観点から、本発明の歯磨組成物100質量%中に、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは12質量%以上であり、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下である。なお、かかる水分量は、配合した水分量及び配合した成分中の水分量から計算によって算出することもできるが、例えばカールフィッシャー水分計で測定することができる。カールフィッシャー水分計としては、例えば、微量水分測定装置(平沼産業(株))を用いることができる。この装置では、歯磨組成物を5gとり、無水メタノール25gに懸濁させ、この懸濁液0.02gを分取して水分量を測定することができる。
本発明の歯磨組成物は、さらに粘結剤を含有することが好ましい。粘結剤としては、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体等からなる群より選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、エーテル化度が0.7〜2.0のカルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガムが好ましい。粘結剤の含有量は、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは0.3質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下である。また、本発明の歯磨組成物は、粘結剤とともに、増粘性シリカ(JIS K5101−13−2に準ずる方法により測定される吸油量が、200〜400mL/100g)を1質量%以上12質量%以下含有することが好ましい。
本発明の歯磨組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲でさらに研磨剤を含有することができる。研磨剤としては、例えばリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ピロリン酸カルシウム、研磨性シリカ(JIS K5101−13−2に準ずる方法により測定される吸油量が、50〜150mL/100g)等が挙げられる。研磨剤は、RDA値(Radioactive Dentine Abrasion values、ISO11609研磨性の試験方法 付随書Aにより測定される値)が20〜250のものが一般に用いられる。本発明の口腔用組成物は、高いタンパク質汚れの除去効果と付着抑制効果に加え、優れた清掃実効感をもたらすことから、研磨剤の含有量を低減しても優れた効果を発揮することができる。かかる含有量は、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは1質量%以上であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。
本発明の歯磨組成物は、さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で、フッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム等のフッ素イオン供給化合物、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物のほか、乳酸アルミニウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、アルギニン-炭酸カルシウム等の象牙質知覚過敏用成分;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリセリン、ソルビトール以外の湿潤剤;スクラロース以外の甘味剤;pH調整剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;植物抽出物;その他有効成分等を含有することができる。
本発明の歯磨組成物は、口腔内に適用し、歯ブラシを用いて歯をブラッシングして用いる。本発明の歯磨組成物は、練歯磨組成物、ゲル状歯磨組成物、液状歯磨組成物として製造することが可能であり、練歯磨組成物とすることが好ましい。
上述した実施態様に関し、本発明はさらに以下の歯磨組成物を開示する。
[1]次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)N−アシルアミノ酸又はその塩 0.005質量%以上0.3質量%以下、
(B)アルキル硫酸塩 0.5質量%以上2質量%以下 及び
(C)ポリリン酸又はその塩 0.005質量%以上0.4質量%以下
を含有する歯磨組成物。
[2]さらに(D)スクラロースを0.001質量%以上0.1質量%以下含有し、好ましくは0.005質量%以上含有し、さらに好ましくは0.008質量%以上含有し、好ましくは0.03質量%以下含有し、さらに好ましくは0.02質量%以下含有する上記[1]記載の歯磨組成物。
[3]成分(A)と成分(C)の質量比((C)/(A))が、0.05以上40以下であり、好ましくは0.1以上であり、好ましくは15以下であり、より好ましくは12以下である上記[1]又は[2]記載の歯磨組成物。
[4]成分(A)及び成分(C)と成分(D)の質量比((A)+(C))/(D)が、0.5以上30以下であって、好ましくは1以上であり、より好ましくは1.5以上であり、好ましくは25以下であり、より好ましくは12以下である上記[1]〜[3]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[5]さらに(E)グリセリンを1質量%以上10質量%以下含有する上記[1]〜[4]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[6]さらに(F)20℃において水溶液100gにおいて5〜40g溶解する糖アルコールを含有する上記[1]〜[5]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[7]成分(F)の含有量が、20質量%以上であって、好ましくは25質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、60質量%以下であって、好ましくは55質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である上記[1]〜[6]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[8]成分(A)の含有量が、0.007質量%以上であって、好ましくは0.01質量%以上であり、0.2質量%以下であって、好ましくは0.1質量%以下である上記[1]〜[7]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[9]成分(A)は、炭素数6〜22のアシル基を有し、好ましくは炭素数10〜20のアシル基を有し、より好ましくは炭素数12〜18のアシル基を有する上記[1]〜[8]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[10]成分(A)は、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、N−ココイルグルタミン酸、N−ラウロイルアスパラギン酸、又はこれらの塩から選ばれる1種又は2種であり、好ましくは、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である上記[1]〜[9]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[11]成分(B)の含有量が、0.8質量%以上であって、好ましくは1.0質量%以上であり、1.7質量%以下であって、好ましくは1.5質量%以下である上記[1]〜[10]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[12]成分(B)は、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、パルミチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム及びカプリル硫酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである上記[1]〜[11]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[13]成分(C)の含有量は、0.007質量%以上であって、好ましくは0.01質量%以上であり、0.15質量%以下であって、より好ましくは0.1質量%以下である上記[1]〜[12]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[14]成分(C)は、ピロリン酸又はそのアルカリ金属塩であって、より好ましくはピロリン酸ナトリウムである上記[1]〜[13]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[15]水を10質量%以上含有し、好ましくは12質量%以上含有し、60質量%以下含有し、好ましくは50質量%以下含有し、より好ましくは40質量%以下含有する上記[1]〜[14]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[16]さらに少なくともアネトールを含む香料組成物を、0.1〜2質量%含有し、より好ましくは0.5〜1.5質量%含有する上記[1]〜[15]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[17]さらに粘結剤を0.3質量%以上含有し、好ましくは0.4質量%以上含有し、2質量%以下含有し、好ましくは1.5質量%以下含有する上記[1]〜[16]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[18]成分(A)と成分(C)の合計の含有量が、0.01質量%以上であって、好ましくは0.02質量%以上であり、0.6質量%以下であって、好ましくは0.45質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以下である上記[1]〜[17]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[19]さらに研磨剤を1質量%以上20質量%以下含有し、より好ましくは1質量%以上10質量%以下含有する上記[1]〜[18]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[20]練歯磨組成物である上記[1]〜[19]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[21]口腔内に適用し、歯ブラシでブラッシングするために用いる上記[1]〜[20]のいずれか1記載の歯磨組成物の使用。
[22]歯磨剤の製造のための、上記[1]〜[21]のいずれか1記載の歯磨組成物の使用。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[試験例1:タンパク質汚れの除去試験]
ヒドロキシアパタイト(HAp)粉(HAP-200 太平化学産業(株))50mgを精製水5mlと混合した懸濁液を製造した。次に、懸濁液にアルブミン(ウシ血清由来 和光純薬(株)pH5.2)15mgを加えて振動させながら90分間おいた。なお、振動は、振盪機(CUTE MIXER CM―1000(EYERA東京理化器械(株)))を用いて行った。
その後、HApを懸濁液ごと遠心分離機(3000rmp、5分)にかけて上澄み液を吸引除去し、洗浄(精製水5mLを加えて再度遠心分離した後に上澄み液を吸引除去する)を2回繰り返した。洗浄後のHApと精製水5mLを混合し、懸濁液を製造し、懸濁液から75mLずつ取り出し、再度遠心分離機にかけた後に上澄み液を吸引除去して各試験液用のHApを準備した。これらの洗浄後のHApに、表1に示す参考例1〜3の各試験液1mLを加え、2分間攪拌した。次いで、遠心分離機にかけた後に上澄み液を誘引除去し、前述と同様にして精製水300mLによる洗浄を2回行った。洗浄後のHApに1N塩酸 100μL、リン酸バッファー(0.1mol、pH8.4)1mLを加えて攪拌した溶液から、400μLを取り出し、蛍光色素溶液(フルオレスカミン 0.3mg/mL アセトン溶液)150μLを加えて混合した。この蛍光色素溶液を混合した溶液から、さらに200μLを取り出して暗所に30分間静置した。なお、静置を含み、試験は全て室温(20℃)で行った。
次に、HApに残存するタンパク質の量(タンパク質残存量)を、蛍光を測定することにより求めた。蛍光の測定には、マイクロプレート蛍光光度計 Gemini EM(モレキュラーデバイス(株))を用い、励起光波長360nmにて蛍光波長480nmの測定を行った。各濃度のアルブミンのリン酸バッファー液(リン酸バッファー0.1mol、pH8.4)の蛍光の測定結果を元に検量線を作製し、蛍光の測定結果からタンパク質残存量へ換算した。
上述の試験において、試験液を精製水とした以外は、同様にしてタンパク質残存量を求め、この値を100として、各試験液について求めたタンパク質残存量から、タンパク質除去率(%)を算出した。結果を表1に示す。
[試験例2:タンパク質汚れの付着抑制試験]
ヒドロキシアパタイト(HAp)粉(HAP-200 太平化学産業(株))50mgを精製水5mlと混合した懸濁液を製造した。次に、このHAp懸濁液を75μLずつ取り出し、遠心分離機(3000rmp、5分)にかけた後に上澄み液を吸引除去して各試験液用のHApを準備した。これらの洗浄後のHApに表1の試験液1mLを加え、2分間攪拌した後、前述と同様に精製水300mLによる洗浄を2回行った。次にアルブミン水溶液(ウシ血清由来 和光純薬(株)pH5.2、3mg/mL)75μLを加え、前述と同様にして振動させながら90分間おいた。次に、遠心分離機(3000rmp、5分)にかけた後に上澄み液を吸引除去し、前述と同様にして精製水300μL洗浄を2回行った。洗浄後のHApに1N塩酸 100μL、リン酸バッファー(0.1mol pH8.4)1mLを加えて攪拌した溶液から、400μLを取り出し、蛍光色素溶液(フルオレスカミン 0.3mg/mL アセトン溶液)150μLを加えて混合した。この蛍光色素溶液を混合した溶液から、200μLを取り出して暗所に30分間静置した。静置後、HApに付着したタンパク質の量(タンパク質付着量)を、前述と同様の蛍光測定により求めた。
上述のタンパク質汚れの付着抑制効果の評価試験において、試験液を精製水とした以外は、同様にしてタンパク質付着量を求め、この値を100として、各試験液について求めたタンパク質残存量からタンパク質汚れ付着抑制率(%)を算出した。結果を表1に示す。
表1の結果より、成分(A)を0.005質量%以上0.3質量%以下、成分(B)を0.5質量%以上2質量%以下、及び成分(C)を0.005質量%以上0.4質量%以下含有する参考例1は、参考例2、3に比べ、優れたタンパク質汚れの除去効果を有することがわかる。さらに参考例1は、タンパク質汚れの付着抑制効果を有することが認められた。このように、成分(A)を0.005質量%以上0.3質量%以下、成分(B)を0.5質量%以上2質量%以下、及び成分(C)を0.005質量%以上0.4質量%以下含有する参考例1は、タンパク質汚れを十分に除去した後に、タンパク質汚れの付着抑制効果をも良好に発揮するものと考えられる。
[実施例1〜9、比較例1〜4]
表2に示す処方の歯磨組成物を調製し、下記方法にしたがって、使用後の歯面の感触、及び味の評価を行った。なお、実施例と比較例で用いた香料には、香料100質量%中にアネトールが5質量%含有されており、リモネン及びピネンの合計の含有量は10質量%であった。
結果を表2に示す。
《使用後の歯面の感触》
得られた歯磨組成物1gを歯ブラシにとって2分間歯をブラッシングした後、口腔内を水で数回すすぎ、その後の歯面を舌で触ったときの感触を下記基準にしたがって評価した。評価は専門パネラー2名で行い、協議による評価結果を表2に示す。
AA:歯面がなめらかな感触であり、清掃実効感が高い。
A :歯面がややきしむが、清掃実効感はある。
B :歯面がなめらかでなく、清掃実効感に乏しい。
C :歯面がギシギシする(歯面に摩擦を強く感じる)
《味》
得られた歯磨組成物1gを歯ブラシにとって2分間歯をブラッシングした後、口腔内を水で数回すすいだ。ブラッシング中の味及び水で数回すすいだ後味を下記基準にしたがって評価した。評価は専門パネラー2名で行い、協議の結果を表2に示す。
AA:苦味、えぐ味、及び塩味は感じられない
A :極めて僅かに苦味、えぐ味、または塩味を感じる
B :僅かに苦味、えぐ味、または塩味を感じる
C :苦味、塩味、またはえぐ味を感じる
CC:極めて強い苦味またはえぐ味を感じる
表2に示すように、本発明の歯磨組成物は、使用後の歯面がなめらかで清掃実効感がありながら、成分(A)、(B)、(C)の併用による苦味、えぐ味又は塩味といった異味が抑制され、優れた使用感と清掃実効感が得られるものであった。一方、成分(A)、成分(B)を多く含む比較例1、2は、使用後の歯面に摩擦を感じ、なめらかでないために清掃実効感に欠けるだけでなく、苦味、えぐ味又は塩味を感じられた。また、成分(A)、又は成分(B)を含まない比較例3、4は、本発明の実施例に比べて使用後の清掃実効感が不十分であった。
[実施例10、比較例5〜6]
表3に示す処方の歯磨組成物を調製し、下記方法にしたがって、3名のパネラーについて汚れ付着の抑制率の評価を行った。評価結果を表3に示す。
《人でのタンパク質汚れ付着抑制率の評価》
1)予め歯科衛生士により、プラークがゼロになるまで歯をブラッシングした。
2)表3の歯磨組成物1gを歯ブラシにとって、歯科衛生士が2分間歯をブラッシングした。
3)その後、歯磨き、ブラッシング、洗口液による洗浄を行なうことなく、24時間、通常の生活を送った。
4)24時間後に、歯に付着した歯垢量を測定した。歯垢量の測定部位は1名につき上下左右4本ずつの16歯であって(1番、4番、6番、7番の歯)、測定箇所は図3に示すように歯間に位置する4箇所(測定箇所:X)と、平滑面に位置する6箇所(測定箇所:Y)の合計10箇所とした。歯垢量は、各測定箇所について図3に示すように歯に歯垢が付着している領域の歯肉からの高さによって定量した。各歯磨組成物の歯垢量は3名のパネラーの合計量とした。
5)なお、プラークがゼロになるまでの歯のブラッシングを行うのみで歯磨組成物によるブラッシングを行っていない場合の歯垢量を100として、各歯磨組成物について求めた歯垢量との差を減少分(タンパク質汚れ付着抑制量)とし、タンパク質汚れ付着抑制率(%)を算出した。
表3の結果より、N−アシルアミノ酸又はその塩、アルキル硫酸塩、及びポリリン酸又はその塩を各々特定の量で含有する本発明の歯磨組成物は、ヒトの口腔内に適用した場合においても、良好な歯垢形成抑制効果が認められた。以上のように、本発明の歯磨組成物は、タンパク質汚れの除去効果と付着抑制効果とを相乗的に高めながら、良好な清掃実効感をもたらすとともに、良好な香味を保持し、歯垢形成抑制にも大いに寄与できることがわかる。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)N−アシル酸性アミノ酸又はその塩 0.005質量%以上0.3質量%以下、
    (B)アルキル硫酸塩 0.5質量%以上2質量%以下 及び
    (C)ポリリン酸又はその塩 0.005質量%以上0.15質量%以下
    を含有し、かつ
    成分(A)と成分(C)の質量比((C)/(A))が、0.05以上15以下である歯磨組成物。
  2. 成分(A)がN−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の歯磨組成物。
  3. さらに(D)スクラロースを0.001質量%以上0.1質量%以下含有する請求項1又は2に記載の歯磨組成物。
  4. 成分(A)及び成分(C)と成分(D)の質量比((A)+(C))/(D)が、1以上30以下である請求項3に記載の歯磨組成物。
  5. さらに(E)グリセリンを1質量%以上10質量%以下含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の歯磨組成物。
  6. さらに(F)20℃において水溶液100gに対して5〜40g溶解する糖アルコールを含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の歯磨組成物。
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