JP6071262B2 - 回折光学素子、光学系および光学機器 - Google Patents

回折光学素子、光学系および光学機器 Download PDF

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Description

本発明は、回折光学素子に関し、特に複数の回折格子を積層して構成された回折光学素子に関する。
レンズを含む光学系における色収差を減じる方法として、レンズの表面や光学系の一部に回折光学素子を設ける方法が知られている。このような回折光学素子を用いる方法は、光学系中の屈折面と回折面とで、ある基準波長の光線に対する偏向方向が逆になるという物理現象を利用したものである。また、回折光学素子は、その周期的構造の周期を適宜変化させることで非球面レンズのような光学作用を持つことができるので、色収差以外の諸収差の低減にも有効である。
一般に、回折光学素子は、光入射方向に対して斜めに面する格子面と互いに隣り合う格子面間をつなぐ格子側面(格子壁面)とにより形成されるブレーズ構造を有する。このようなブレーズ構造の回折光学素子は、特定の1つの次数(以下、「特定次数」または「使用回折次数」という)と特定の波長に対して、高い回折効率で光を回折することができる。一方、特定次数の回折効率を可視波長帯域の全域で十分高くするための回折光学素子の構成が特許文献1に開示されている。特許文献1にて開示された回折光学素子は、低屈折率高分散材料と高屈折率低分散材料を用いて形成された2つの回折格子を密着させることで構成され、各回折格子の格子高さが適切に設定されている。以下、このような回折光学素子を「密着2層DOE」という。密着2層DOEは、特定次数の回折光に対して、広い波長帯域で高い回折効率を持つ。なお、ここにいう回折効率は、全透過光の光量に対する各次数の回折光の光量の割合である。
また、特許文献2にて開示されているように、可視波長域全域で99%以上の高い回折効率を得るためには、部分分散比θgFが、通常の材料より小さな値を有する、つまりはリニア異常分散性を有する材料を用いることが知られている。
特開平9−127321号公報 特開2008−241734号公報
しかしながら、従来の回折光学素子では、格子側面の回折に対する影響を含めた回折効率を考慮していないため、使用回折次数の回折光における回折効率の波長特性が長波長側の方が低くなってしまうという問題があった。これは、光学系に回折光学素子を使用した場合に、赤波長帯域の回折効率よりも青波長帯域の回折効率が高くなり、不要光において赤が目立つことになる。さらに、使用回折次数の回折光のカラーバランスをとるために、反射防止膜や画像処理等を用いて赤波長帯域の強度を上げると、不要光としての赤がさらに強調されてしまう。
本発明は、回折格子の格子側面の影響を含めた回折効率の波長特性を均一に近付けることができるようにした回折光学素子およびこれを用いた光学系、光学機器を提供する。
本発明の一側面としての回折光学素子は、互いに異なる材料から成る第1の回折格子と第2の回折格子とが格子面を互いに密着させて積層された回折光学素子である。使用波長帯域における波長をλ、第1および第2の回折格子の材料の波長λに対する屈折率をそれぞれn1およびn2、第1および第2の回折格子の格子高さをd、使用回折次数をm、とするとき、第1および第2の回折格子の材料はそれぞれ、使用波長帯域のうち2/3以上の範囲において、以下に示すΔΦ(λ)が短波長側ほど大きくなる材料であることを特徴とする。
なお、上記回折光学素子と、絞りと、有する光学系および該光学系と、該光学系により形成された被写体像を光電変換する撮像素子と、備える光学機器も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、積層される第1および第2の回折格子の材料を特定することにより、各回折格子の格子側面の影響を含めた回折光学素子の回折効率の波長特性を均一に近付けることができる。そして、これを光学系や光学機器に用いることで、色収差が良好に低減される等、高い光学性能を有する光学系や光学機器を実現することができる。
本発明の実施例1である回折光学素子を含むレンズ素子の正面図および側面断面図。 上記回折光学素子の構造を示す模式図。 本発明の数値例1である回折光学素子の回折効率を示すグラフ。 本発明の数値例2である回折光学素子の回折効率を示すグラフ。 本発明の数値例3である回折光学素子の回折効率を示すグラフ。 本発明の数値例4である回折光学素子の回折効率を示すグラフ。 本発明の実施例2である撮影光学系の構成を示す断面図。 本発明に対する比較例1である回折光学素子の回折効率を示すグラフ。 本発明に対する比較例2である回折光学素子の回折効率を示すグラフ。 本発明に対する比較例3である回折光学素子の回折効率を示すグラフ。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である回折光学素子を含むレンズ素子を示している。20,30は基板レンズであり、これら基板レンズ20,30の間に回折光学素子10が配置されている。具体的には、基板レンズ20,30のそれぞれの内側の面に回折光学素子10が形成されている。回折光学素子10が形成された各基板レンズの面は曲面である。ただし、回折光学素子10の両側の基板を平板としてもよい。
回折光学素子10は、図2に示すように、それぞれ光軸Oを中心とする同心円形状の複数の格子が形成された第1の回折格子1と第2の回折格子2とが、光軸Oが延びる方向(以下、光軸方向という)に積層されて構成されており、レンズ作用を有する。図2は、図1に示した回折光学素子10のA−A′線での断面を、格子の形状を分かり易くするためにデフォルメして示した図である。複数の格子が形成された方向(図1の正面図でいう半径方向)を、以下の説明では格子配列方向ともいう。
図2に示すように、回折光学素子10は、第1の回折格子1と第2の回折格子2とが互いに密着するように積層されて構成されることで1つの回折光学素子(DOE)として機能する密着2層DOEである。第1および第2の回折格子1,2は、各格子が格子面Aと格子側面(格子壁面ともいう)Bとにより形成されたブレーズ構造を有する。格子面Aは、光軸方向または光入射方向に対して斜めに面する斜面であり、格子側面Bは互いに隣り合う格子面A間をつなぐように(光軸方向または光入射方向に延びるように)形成された面である。
また、第1および第2の回折格子1,2の格子ピッチは、光軸Oが通る中心から周辺に向かって徐々に変化(減少または増加)しており、これにより上述したレンズ作用としての収斂作用または発散作用を得ている。また、ブレーズ構造にすることで、回折光学素子10に入射した光は、使用回折次数(図2では、+1次)の回折光となって特定の方向に集中して回折する。使用回折次数とは、使用される回折光の回折次数であり、設計次数とも称される。
本実施例における回折光学素子10に入射する光の波長領域である使用波長領域は、可視波長領域(例えば、400〜700nm)である。このため、可視波長帯域の全域で使用回折次数の回折光の回折効率が高くなるように第1および第2の回折格子1,2を構成する材料と形状(特に格子高さ)を選択する。具体的には、第1および第2の回折格子1,2を通過する光の最大光路長差(すなわち、格子の山と谷における光学光路長差の最大値)が、使用波長帯域内で、その光の波長の整数倍となるように、各回折格子の材料と形状を定める。なお、ここにいう「整数倍」には、完全な整数倍だけでなく、光学的に整数倍とみなせる程度に完全な整数倍からずれている場合も含み、「整数倍またはその近傍」と同義である。
上記のように回折格子の材料と格子高さを適切に設定することによって、使用波長帯域の全域で高い回折効率が得られる。なお、図2に示すように、格子高さdは、格子配列方向に直交する法線方向における格子の先端(頂点)と溝の底点との間の高さである。
まず、従来のスカラー回折理論を用いた回折効率について説明する。複数の回折格子を積層した回折光学素子において、波長λを有するある回折次数において回折効率が最大となる条件は、以下の通りである。その条件は、格子の山と谷における光学光路長差(例えば、格子の山の頂点と谷の底点のそれぞれを通過する光線の光路長の差)を全回折格子にわたって加え合わせたものが波長の整数倍になることである。したがって、波長λの光が回折格子のベース面(格子配列方向に延びる面であり、図2中に点線で示す)に対して垂直に入射するときの回折次数mにおける回折効率が最大となる条件は以下の式(1)により表される。
式(1)において、λは使用波長帯域に含まれるいずれかの波長であり、niは積層された複数の回折格子のうちi番目の回折格子を形成する材料の波長λでの屈折率である。diはi番目の回折格子の格子高さであり、mは回折次数である。
diの符号は、図2中のように0次回折光から下向きに回折する光線を正の回折次数の光線とするとき、図2中の下から上に向かって回折格子の格子高さが増加する場合は負とし、下から上に向かって回折格子の格子高さが減少する場合は正とする。
複数の回折格子を積層した回折光学素子の波長λおよび回折次数mでの回折効率η(λ)は、以下の式(2)により表される。
ここで、mを使用回折次数として、ΔΦ(λ)を以下の式(3)のように定義する。
この式(3)で定義されるΔΦ(λ)が0となる場合に、式(2)で示した回折効率η(λ)が100%となる。
また、図1および図2に示した本実施例の回折光学素子10のような密着2層DOEは、2つの回折格子を積層し、さらに該2つの回折格子の格子面を互いに密着させた構成を有する。この構成では、波長λの光が回折格子のベース面に対して垂直に入射するときの回折次数mにおける回折効率が最大となる条件は以下の式(4)により表される。
式(4)において、n1は第1の回折格子1を形成する材料の波長λに対する屈折率であり、n2は第2の回折格子2を形成する材料の波長λに対する屈折率である。dは第1および第2の回折格子1,2の格子高さである。
本実施例の回折光学素子(密着2層DOE)10の波長λおよび回折次数mでの回折効率η(λ)は以下の式(5)により表される。
本実施例では、回折光学素子10において広い波長帯域で高い回折効率を得るために、第1の回折格子1に低屈折率で高分散の材料を用い、第2の回折格子2に高屈折率で低分散の材料を用いる。また、可視波長帯域の全域で99%以上の回折効率を得るためには、低屈折率高分散材料に部分分散比θgFが通常の材料より小さいリニア分散特性を有する材料を用いることが知られている。このリニア分散特性を得るために、ベース樹脂材料にITO微粒子を分散させて混合する方法も知られている。
また、ΔΦ(λ)を以下の式(6)のように定義する。
この式(6)で定義されるΔΦが0となる場合に、式(5)で表される回折効率ηが100%となる。
先に説明した特許文献1,2にて開示されている回折光学素子では、いずれもスカラー回折理論を用いて回折効率を計算し、設計評価を行っている。スカラー回折理論は、回折格子の格子ピッチが入射光の波長と比べて十分に大きい場合に高い精度で計算できることは知られている。しかし、このスカラー回折理論は、回折格子の格子面(斜面)による回折現象に関してのみ記述したものであり、格子側面の影響については考慮されていない。つまり、特許文献1,2にて開示されている回折効率には、格子側面の影響は考慮されていない。実際の回折光学素子には、当然に格子面だけでなく格子側面も存在する以上、格子側面の影響も考慮されるべきである。
次に、本実施例の特徴である厳密電磁場計算を用いた回折効率について説明する。この厳密電磁場計算を用いることで、格子面だけでなく格子側面も考慮した回折効率を計算することができる。厳密電磁場計算は、Maxwell方程式を数値的に解くことにより、任意形状の構造物に対する透過回折光および反射回折光の各回折次数での回折効率を厳密に計算することができる。従来、厳密電磁場計算は、スカラー理論の精度が低下する、格子ピッチが入射光の波長に比べて小さい場合に用いられることが多い。しかし、格子ピッチが入射光の波長に比べて十分に大きい場合においても、厳密電磁場計算を用いて厳密な回折効率を求めることが可能である。
ここでは、厳密電磁場計算のうち厳密結合波解析(RCWA:Rigorous Coupled Wave Analysis)を用いて、以下の数値例1〜4に示す回折光学素子の回折効率を評価した。
従来のスカラー回折理論では式(3)(および式(6))で定義されるΔΦ(λ)が0となるように第1および第2の回折格子の材料を組み合わせる。
これに対して、本実施例(各数値例)では、式(3)(および式(6))で定義されるΔΦ(λ)が、使用波長帯域のうち2/3以上の範囲において短波長側ほど大きくなる第1および第2の回折格子の材料の組み合わせを用いる。これにより、格子側面の影響を含めた使用回折次数での回折効率の波長特性を均一に近付けることができる。言い換えれば、使用波長帯域の2/3以上の範囲でこの条件を満足しないと、回折効率の波長特性が均一にならない。
また、回折光学素子は、以下の式(7)で表される関係を満足することが好ましい。
式(7)において、λν1およびλν2はともに可視波長帯域の波長(nm)である。また、λ550は波長550nmであり、E−nは×10−nである。
さらに、回折光学素子は、以下の式(8)で表される関係を満足することが好ましい。
ただし、λνは可視波長帯域の波長(nm)であり、λ550は波長550nmである。また、E−nは×10−nである。
これらの式(7),(8)の値が下限値を下回るとスカラー回折理論に近づき、上限値を上回ると逆に悪化してしまう。このように、式(7),(8)の関係を満足しないと、格子側面の影響を含めた使用回折次数での回折効率の波長特性が均一にならないため、好ましくない。
また、使用回折次数が+1次または−1次であることが好ましい。それら以外の回折次数を使用回折次数とすると、格子高さが高くなって、回折光学素子に対して斜めに光が入射する際の回折効率が低下するおそれがある。
さらに、各回折格子の格子ピッチは、80μm以上であることが好ましい。格子ピッチが80μmより小さくなると、格子側面の回折現象に対する影響が大きくなるために、使用回折次数の回折効率が低下するおそれがある。
[数値例1]
数値例1では、第1の回折格子1の材料として、アクリル系紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた紫外線硬化樹脂を用いた。また、第2の回折格子2の材料として、アクリル系紫外線硬化樹脂にZrO微粒子を混合させた紫外線硬化樹脂を用いた。さらに、各材料の屈折率を調整して、表1に示すΔΦ(λ)が得られるようにした。ΔΦ(λ)は、使用波長帯域の全域(2/3以上の範囲)において短波長側ほど大きくなっている。なお、本数値例における格子高さdは11.00μm、使用回折次数は+1次、入射光のベース面に対する入射角度は0deg(垂直入射)、格子ピッチは100μmである。
本数値例において、RCWAを用いて回折効率を評価した結果を図3に示す。図3(a)は、使用回折次数+1次での回折効率の波長特性である。図3(a)から、可視波長帯域である400〜700nmにおいて格子側面の影響を考慮した回折効率がほぼ均一になっていることが分かる。また、後に示す比較例1に比べて、波長特性が向上していることも分かる。
図3(b)は、波長400nm、550nmおよび700nmにおける高回折次数での回折効率のうち低い部分を拡大して示している。図3(b)から、−60次〜−40次付近の不要回折光の回折次数(以下、不要回折次数という)での回折効率のピークは、短波長側である波長400nmと比較して長波長側である波長700nmの方が高い。これは、入射光が回折光学素子(ベース面)に対して垂直入射する場合でも格子側面にて発生する回折現象であり、回折効率のピークは波長とほぼ同じ割合になっている。比較的低回折次数(およそ−10次〜0次)では、波長700nmと比較して400nmの方が回折効率のピークが高くなっている。これら高回折次数と低回折次数の不要回折光をバランスさせることによって、使用回折次数の回折効率の波長特性がほぼ均一になっている。
短波長側の低回折次数の不要回折光については、比較的目立たないため、存在していてもあまり問題はない。また、最近の光学機器のデジタル化や、撮影画像を大型プリントする際に要求される高画質化に伴う撮影光学系のレンズ枚数の増加によって、短波長側の吸収が大きくなる傾向にあるため、短波長側の低回折次数の不要回折光は、より問題とならない傾向にある。
本数値例の材料は、ベース樹脂材料と微粒子とを混合した材料であるが、屈折率を調整するために、さらに異なる樹脂や微粒子を混合させてもよい。また、回折格子を紫外線で硬化させる際のプロセスを変化させることで、各回折格子の材料の屈折率を調整してもよい。
本数値例の式(7),(8)の値は、表7に示す。
[数値例2]
数値例2では、数値例1と同様に、第1の回折格子1の材料として、アクリル系紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた紫外線硬化樹脂を用いた。また、第2の回折格子2の材料として、アクリル系紫外線硬化樹脂にZrO微粒子を混合させた紫外線硬化樹脂を用いた。ただし、これらの材料は、数値例1の材料とは異なる材料である。さらに、各材料の屈折率を調整して、表2に示すΔΦ(λ)が得られるようにした。ΔΦ(λ)は、使用波長帯域の全域(2/3以上の範囲)において短波長側ほど大きくなっている。なお、本数値例における格子高さdは11.00μm、使用回折次数は+1次、入射光のベース面に対する入射角度は0deg(垂直入射)、格子ピッチは100μmである。
本数値例において、RCWAを用いて回折効率を評価した結果を図4に示す。図4(a)は、使用回折次数+1次での回折効率の波長特性である。図4(a)から、可視波長帯域である400〜700nmにおいて格子側面の影響を考慮した回折効率がほぼ均一になっていることが分かる。また、後に示す比較例1に比べて、波長特性が向上していることも分かる。
図4(b)は、波長400nm、550nmおよび700nmにおける高回折次数での回折効率のうち低い部分を拡大して示している。数値例1と同様に、高回折次数と低回折次数の不要回折光をバランスさせることによって、使用回折次数の回折効率の波長特性がほぼ均一になっている。
本数値例の式(7),(8)の値は、表7に示す。
[比較例1]
実施例1(数値例1,2)の特徴をより明確にするために、比較例1を示す。本比較例はスカラー回折理論を用いた設計例である。本比較例でも、第1の回折格子の材料として、アクリル系紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた紫外線硬化樹脂を用いた。また、第2の回折格子の材料として、アクリル系紫外線硬化樹脂にZrO微粒子を混合させた紫外線硬化樹脂を用いた。さらに、各材料の屈折率を調整して、表3に示すΔΦ(λ)が得られるようにした。なお、本比較例における格子高さdは11.00μm、使用回折次数は+1次、入射光のベース面に対する入射角度は0deg(垂直入射)、格子ピッチは100μmである。
表3から分かるように、ΔΦ(λ)は、使用波長帯域の全域において0であり、式(3)(および式(6))のスカラー回折理論では回折効率が100%となる。
一方、本比較例において、RCWAを用いて回折効率を評価した結果を図8に示す。図8(a)は、使用回折次数である+1次での回折効率の波長特性である。図8(a)から、可視波長帯域である400〜700nmに対して、格子側面の影響を考慮した回折効率は、長波長側の方が短波長側よりも低く、波長特性は好ましくないことが分かる。
図8(b)は、波長400nm、550nmおよび700nmにおける高回折次数での回折効率のうち低い部分を拡大して示している。図8(b)から、不要回折次数での回折効率のピークは、数値例1,2と同様に、波長400nmに比べて波長700nmの方が高い。これは、数値例1でも説明したように、入射光が回折光学素子(ベース面)に対して垂直入射する場合でも格子側面にて発生する回折現象であり、回折効率のピークは波長とほぼ同じ割合になっている。また、低回折次数でも、波長400nmと比較して700nmの方が回折効率のピークが高くなっている。このため、使用回折次数での回折効率は、短波長側よりも長波長側の方が低くなっている。
このように、回折格子の格子側面の影響を考慮していない従来のスカラー回折理論に基づいて設計された回折光学素子では、格子側面を考慮すると、良好な特性が得られない。
[数値例3]
数値例3では、数値例1,2と同様に、第1の回折格子1の材料として、アクリル系紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた紫外線硬化樹脂を用いた。また、第2の回折格子2の材料として、アクリル系紫外線硬化樹脂にZrO微粒子を混合させた紫外線硬化樹脂を用いた。ただし、これらの材料は、数値例1,2とは異なる材料である。さらに、各材料の屈折率を調整して、表4に示すΔΦ(λ)が得られるようにした。ΔΦ(λ)は、使用波長帯域の全域(2/3以上の範囲)において短波長側ほど大きくなっている。なお、本数値例における格子高さdは11.00μm、使用回折次数は+1次、入射光のベース面に対する入射角度は0deg(垂直入射)、格子ピッチは、数値例1,2とは異なり、200μmである。
本数値例において、RCWAを用いて回折効率を評価した結果を図5に示す。図5(a)は、使用回折次数+1次での回折効率の波長特性である。図4(a)から、可視波長帯域である400〜700nmにおいて格子側面の影響を考慮した回折効率がほぼ均一になっていることが分かる。また、後に示す比較例2に比べて、波長特性が向上していることも分かる。
図5(b)は、波長400nm、550nmおよび700nmにおける高回折次数での回折効率のうち低い部分を拡大して示している。図5(b)から、−120次〜−80次付近の不要回折次数での回折効率のピークは、波長400nmに比べて波長700nmの方が高い。本数値例よりも格子ピッチが小さい数値例1,2および比較例1と比較すると、回折効率のピークが低くなっている。これは、本数値例での格子ピッチが大きいことによって、回折格子全体に対する格子側面の回折現象に与える影響が小さくなっているためである。一方、比較的低回折次数(およそ−20次〜0次)での回折効率は、波長700nmに比べて波長400nmの方が高くなっている。このように、格子ピッチが異なっても、高回折次数と低回折次数の不要回折光をバランスさせることによって、使用回折次数の回折効率の波長特性がほぼ均一になっている。
本数値例の式(7),(8)の値は、表7に示す。
[比較例2]
実施例1(数値例3)の特徴をより明確にするために、比較例2を示す。本比較例はスカラー回折理論を用いた設計例であり、格子ピッチが数値例3と同じである。また、本比較例での回折格子の材料の屈折率は、スカラー回折理論は式(5)から分かるように格子ピッチに依存しないため、比較例1(表3)と同じである。なお、格子高さdは11.00μm、使用回折次数は+1次、入射光のベース面に対する入射角度は0deg(垂直入射)、入射角度は0deg、格子ピッチは100μmである。
本比較例において、RCWAを用いて回折効率を評価した結果を図9に示す。図9(a)は、使用回折次数である+1次での回折効率の波長特性である。図9(a)から、可視波長帯域である400〜700nmに対して、格子側面の影響を考慮した回折効率は、長波長側の方が短波長側よりも低く、波長特性は好ましくないことが分かる。
図9(b)は、波長400nm、550nmおよび700nmにおける高回折次数での回折効率のうち低い部分を拡大して示している。図9(b)から、不要回折次数での回折効率のピークは、波長400nmに比べて波長700nmの方が高い。また、格子ピッチが小さい比較例1と比較すると、回折効率のピークが低くなっている。これは、数値例3でも説明したように、格子ピッチが大きいことによって、回折格子全体に対する格子側面の回折現象に与える影響が小さくなっているためである。
本比較例は、比較例1に対して格子ピッチが異なるが、比較例1と同様に、使用回折次数での回折効率が、短波長側よりも長波長側の方が低くなっている。このように、格子ピッチが異なっても、回折格子の格子側面の影響を考慮していない従来のスカラー回折理論に基づいて設計された回折光学素子では、格子側面を考慮すると、良好な特性が得られない。
[数値例4]
数値例4では、数値例1〜3と同様に、第1の回折格子1の材料として、チオアクリル系紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた紫外線硬化樹脂を用いた。一方、第2の回折格子2の材料として、低融点ガラスを用いた。さらに、各材料の屈折率を調整して、表5に示すΔΦ(λ)が得られるようにした。ΔΦ(λ)は、使用波長帯域の全域(2/3以上の範囲)において短波長側ほど大きくなっている。なお、本数値例における格子高さdは、数値例1〜3とは異なり、5.00μmである。使用回折次数は+1次、入射光のベース面に対する入射角度は0deg(垂直入射)、格子ピッチは100μmである。
本数値例において、RCWAを用いて回折効率を評価した結果を図6に示す。図6(a)は、使用回折次数+1次での回折効率の波長特性である。図6(a)から、可視波長帯域である400〜700nmにおいて格子側面の影響を考慮した回折効率がほぼ均一になっていることが分かる。また、後に示す比較例3に比べて、波長特性が向上していることも分かる。
図6(b)は、波長400nm、550nmおよび700nmにおける高回折次数での回折効率のうち低い部分を拡大して示している。図6(b)から、−90次〜−70次付近の不要回折次数での回折効率のピークは、波長400nmに比べて波長700nmの方が高く、格子高さが異なっても波長とほぼ同じ割合になっている。
本数値例よりも格子高さが高い数値例1,2および比較例1と比較すると、回折効率のピークが低くなっている。これは、本数値例の格子高さが低いことによって、格子側面での回折現象が小さくなっているためである。比較的低回折次数(およそ−10次〜0次)での回折効率が、波長700nmと比較して波長400nmの方が高くなっている。このように、格子高さが異なっても、高回折次数と低回折次数の不要回折光をバランスさせることによって、使用回折次数の回折効率の波長特性がほぼ均一になっている。
[比較例3]
実施例1(数値例4)の特徴をより明確にするために、比較例3を示す。本比較例はスカラー回折理論を用いた設計例であり、格子高さが数値例4と同じである。数値例4と同様に、第1の回折格子の材料としてチオアクリル系紫外線硬化樹脂にITO微粒子を混合させた紫外線硬化樹脂を用い、第2の回折格子の材料として低融点ガラスを用いた。
さらに、各材料の屈折率を調整して、表6に示すΔΦ(λ)が得られるようにした。なお、本比較例における格子高さdは5.00μm、使用回折次数は+1次、入射光のベース面に対する入射角度は0deg(垂直入射)、格子ピッチは100μmである。
表6から分かるように、ΔΦ(λ)は、使用波長帯域の全域において0であり、式(3)(および式(6))のスカラー回折理論では回折効率が100%となる。
本比較例において、RCWAを用いて回折効率を評価した結果を図10に示す。図10(a)は、使用回折次数である+1次での回折効率の波長特性である。図8(a)から、可視波長帯域である400〜700nmに対して、格子側面の影響を考慮した回折効率は、長波長側の方が短波長側よりも低く、波長特性は好ましくないことが分かる。
図10(b)は、波長400nm、550nmおよび700nmにおける高回折次数での回折効率のうち低い部分を拡大して示している。図10(b)から、不要回折次数での回折効率のピークは、波長400nmに比べて波長700nmの方が高い。これは、格子高さが異なっても、比較例1と同様に、入射光が回折光学素子(ベース面)に対して垂直入射する場合でも格子側面にて発生する回折現象であり、回折効率のピークは波長とほぼ同じ割合になっている。低回折次数でも、波長400nmと比較して700nmの方が回折効率のピークが高くなっている。このため、使用回折次数での回折効率は、長波長側の方が低くなっている。
このように、格子高さが異なっても、回折格子の格子側面の影響を考慮していない従来のスカラー回折理論に基づいて設計された回折光学素子では、格子側面を考慮すると、良好な特性が得られない。
以上説明した数値例1〜4におけるΔΦ(λ)の値と、式(7),(8)の値を、表7にまとめて示す。なお、式(7),(8)におけるλν1は400nmであり、λν2は700nmである。

表7から、数値例1〜4はいずれも、式(7),(8)で示す関係を満足していることが分かる。また、比較例1〜3は、ΔΦ(λ)が0であるため、式(7),(8)で示す関係を満足しないことは明らかである。このため、式(7),(8)の関係を満足することによって、格子側面の影響を含めた使用回折次数での回折効率の波長特性が均一である回折光学素子を得ることができる。
図7には、本発明の実施例2である撮影光学系の構成を示している。この撮影光学系は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や交換レンズに用いられる。
101は撮影光学系(撮影レンズ)であり、その内部には、絞り40と、実施例1にて説明した回折光学素子10とを含む。回折光学素子10は、撮影光学系101のうち最も物体側のレンズユニットを構成するレンズ(基板レンズ)20,30の貼り合せ面に設けられている。
102は撮像装置(光学機器)であり、41はCCDセンサ等により構成される撮像素子である。撮影光学系101は、撮像素子41の撮像面に被写体像を形成する。回折光学素子10は、撮影光学系101の色収差を補正する役割を有する。撮像素子41は、被写体像を光電変換して撮像信号を出力する。撮像装置102内の画像処理回路103は、撮像信号に対して各種処理を行って、画像を生成し、不図示のモニタでの表示のために出力したり、不図示の記憶媒体に記憶させたりする。
実施例1の回折光学素子10は、波長特性が良好であり、かつ高い回折効率を与えることができるので、フレアが少ない高性能な撮影光学系を実現できる。
なお、撮影光学系に回折光学素子10を用いる場合の該回折光学素子10の配置位置は、図7に示す位置に限られず、また撮影光学系内に複数の回折光学素子を設けてもよい。さらに、本実施例では、回折光学素子を含む光学系として撮影光学系を例に説明したが、イメージスキャナや複写機の読み取り光学系等、広波長域で使用される各種光学機器の光学系として用いることができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
波長特性が良好であり、かつ高い回折効率を与える回折光学素子を提供でき、これにより、高性能な光学系や光学機器を提供できる。
10 回折光学素子
1 第1の回折格子
2 第2の回折格子

Claims (9)

  1. 互いに異なる材料から成る第1の回折格子と第2の回折格子とが格子面を互いに密着させて積層された回折光学素子であって、
    使用波長帯域における波長をλ、前記第1および第2の回折格子の材料の前記波長λに対する屈折率をそれぞれn1およびn2、前記第1および第2の回折格子の格子高さをd、使用回折次数をm、とするとき、
    前記第1および第2の回折格子の材料はそれぞれ、前記使用波長帯域のうち2/3以上の範囲において、以下に示すΔΦ(λ)が短波長側ほど大きくなる材料であることを特徴とする回折光学素子。
  2. 前記第1および第2の回折格子の材料はそれぞれ、前記使用波長帯域の全域において、ΔΦ(λ)が短波長側ほど大きくなる材料であることを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 前記使用波長帯域が、可視波長帯域であることを特徴とする請求項1または2に記載の回折光学素子。
  4. 以下の2つの関係をともに満足することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の回折光学素子。

    ただし、λν1およびλν2はともに可視波長帯域の波長(nm)であり、λ550は波長550nmであり、E−nは×10−nである。
  5. 以下の関係を満足することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の回折光学素子。

    ただし、λνは可視波長帯域の波長(nm)であり、λ550は波長550nmであり、E−nは×10−nである。
  6. 前記回折光学素子の使用回折次数が、+1次または−1次であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の回折光学素子。
  7. 前記回折光学素子の格子ピッチが、80μm以上であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の回折光学素子。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の回折光学素子と、絞りと、を有することを特徴とする光学系。
  9. 請求項に記載の光学系と、該光学系により形成された被写体像を光電変換する撮像素子と、を備えることを特徴とする光学機器。
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