JP4944275B2 - 回折光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、回折格子を含む撮像用光学系によりもたらされるフラウンホーファー回折像を低減する撮像用光学系の構成に関する。
従来、表面が回折輪帯状である回折格子レンズが、像面湾曲や色収差(波長による結像点のずれ)等のレンズ収差補正に優れていることは広く知られている。これは、回折格子が逆分散性および異常分散性という特異な性質をもち、大きな色収差補正能力を備えているためである。回折格子を撮像用光学系に用いた場合、非球面レンズのみの撮像用光学系に比べ、同一性能でレンズ枚数を削減することができる。したがって、製造コストを低減させることができるとともに、光学長を短くすることができ、撮像用光学系を組み込んだ撮像装置などの低背化を実現できるという利点がある。また、その断面がブレーズ状又はブレーズに内接する細かい階段状の回折格子であれば、単一波長の光に対する特定次数の回折効率を、ほぼ100%にすることができる。
理論上、波長に対して、1次回折光の回折効率(以下、「1次回折光率」という。)が100%となる回折格子深さ(ブレーズ厚さ)は、下記(数1)で与えられる。但し、λは波長、dは回折格子深さ、n(λ)は回折格子レンズを構成する材料の屈折率であり、かつ波長の関数である。
Figure 0004944275
(数1)に従って、波長λの変化とともに回折効率が100%となるdの値も変化する。すなわち、dの値が固定されれば、(数1)を満たす波長λ以外の波長では回折効率が100%とならない。回折レンズを一般的な撮像用途に用いる場合には、広い波長帯域(例えば、波長400nm〜700nm程度の可視光域等)の光を回折する必要がある。そのため、図18に示すように、レンズ基体11に回折格子12が設けられた回折レンズに、光線を入射させた場合、撮像面31上において、1次回折光201以外に不要な次数の回折光202(以下、「不要次数回折光」ともいう。)が発生し、フレアやゴーストとなって画像を劣化させたり、MTF(Modulation Transfer Function:変調伝達関数)特性を低下させたりする。
図19に示すように、回折格子12が形成された面上に、レンズ基体11を構成する材料とは異なる屈折率及び屈折率分散(refractive index dispersion)を有する光学材料を、保護膜211として塗布または接合することにより、不要次数回折光202の発生を抑制できる。特許文献1には、回折格子が形成された基体を構成する材料の屈折率と、回折格子を覆うように形成された保護膜211の屈折率とを特定の条件に設定することにより、回折効率の波長依存性を低減する例が開示されている。これにより、図18に示すような不要な次数の回折光202に伴うフレアをなくすことが可能となる。
また、別の方法として、特許文献2には、図18の一般的な回折格子レンズを用いたカメラでの撮影において、不要次数回折光202の2次元点像分布から最小二乗法によるフィッティングで不要次数回折光202の絶対量を求め除去する方法が開示されている。特許文献3には、1コマ目の撮影で飽和している画素が存在する場合、その画素が飽和しないように2コマ目の撮影を行い、そのときの露光時間の調整値から不要次数回折光202の絶対量を求めて不要次数回折光202を除去する方法が開示されている。
特開平09―127321号公報 特開2005―167485号公報 特開2000―333076号公報
回折格子が設けられた面上の回折輪帯ピッチを小さくしていくと、図18に示す不要次数回折光202とは異なる縞状のフレア光が発生することを本願発明者は見出した。図20にそのフレア光の概略を示す。メインの1次回折光のうち一部は縞状フレア光221となり、本来の集光位置近傍に縞状に現れる。縞状フレア光221は、図18に示すような不要次数回折光202を発生させる入射光よりもさらに多量の光が撮像用光学系に入射したときにより顕著に現れる。縞状フレア光221は、画像上で、不要次数回折光202よりも大きく広がって画質を劣化させる。特に、夜間などの真っ暗な背景にライトなどの明るい被写体を写し出す場合などコントラスト比が大きい過激な環境下では、縞状フレア光221は特に目立ち問題となる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、回折格子を用いた撮像用光学系において、縞状フレア光の発生を低減できる撮像用光学系を提供することにある。
本発明の撮像用光学系は、第1面及び第2面を有し、前記第1面及び前記第2面の一方にのみ回折格子が設けられたレンズを含む撮像用光学系であって、前記レンズに入射する最大画角の光線が形成する前記回折格子が設けられた面での有効エリアの直径をDと、前記撮像用光学系の最大画角のF値をFnoと、前記レンズのd線でのアッベ数をνdと、軸上光束のF値をFとおいたとき、前記有効エリアの平均回折輪帯ピッチΛが下記式を満たす。
Figure 0004944275
ある実施形態において、前記平均回折輪帯ピッチΛが下記式を満たす。
Figure 0004944275
ある実施形態において、前記回折格子の回折次数が2次以上である。
ある実施形態において、前記回折格子が設けられた面上に形成された光学調整層をさらに備え、前記光学調整層は下記式を満たす。
Figure 0004944275
(ただし、dは回折格子深さ、mは回折次数、λは波長、n1は前記レンズの屈折率、n2は前記光学調整層の屈折率である。)
ある実施形態において、前記回折格子は、前記レンズにおいて前記回折格子が設けられた面における全画角の光線が通る領域のうちの一部分に設けられ、前記一部分以外には前記回折格子が設けられていない。
ある実施形態において、前記回折格子は、前記レンズにおいて前記回折格子が設けられた面における前記全画角の光線が通る領域のうちの前記レンズの光軸を中心とする所定の半径位置よりも光軸に近い側の領域に設けられ、前記全画角の光線が通る領域のうちの所定の半径位置よりも前記光軸から遠い側の領域には設けられていない。
本発明によれば、強い光源を撮影する場合にも、縞状フレア光が少ない画像を得ることができる。また、軸上色収差量を目立たない範囲に抑えることができる。
本発明による撮像用光学系の実施形態を示す断面図および平面図である。 光軸方向から見た回折格子の輪帯を示す図である。 回折輪帯21を通過した光線束が集光される撮像素子31上に縞状フレアが発生する様子を表す図である。 評価エリアの射出瞳径(直径)41や射出瞳から結像位置までの距離42を表す図である。 (a)は、光学調整層を有さない撮像用光学系において、1次回折光または2次回折光を利用した場合の回折効率を示すグラフであり、(b)は、光学調整層を付加した場合の回折効率を示すグラフである。 (a)は、d線でのレンズ基体を構成する材料の屈折率を1.585、アッベ数を27.9、d線での光学調整層屈折率を1.623、アッベ数を40、m=1(1次回折光利用)、係数を0.9、1.1としたときの回折効率の波長依存性を示すグラフであり、(b)は、図6(a)と同材料で、係数を0.8、1.2としたときの回折効率の波長依存性を示すグラフである。 (a)は、図6(a)と同材料で、m=2としたときの回折効率の波長依存性を示すグラフであり、(b)は、図7(a)と同材料で、係数を0.8、1.2としたときの回折効率の波長依存性のグラフである。 有効径の一部のみに回折格子を付加したレンズの表面の断面形状を示す図である。 (a)、(b)および(c)、(d)は、本発明による撮像用光学系の他の形態を示す断面図および平面図である。 本発明による撮像用光学系のさらに他の形態を示す断面図である。 実施例の撮像用光学系を示す断面図である。 (a)は、実施例の撮像用光学系に最大画角方向から波長550nmの平面波を入射させたときの焦点面上における2次元像を示し、(b)は、比較例の撮像用光学系に最大画角方向から波長550nmの平面波を入射させたときの焦点面上における2次元像を示す。 回折輪帯ピッチΛと、縞状フレアの発生量との関係を示すグラフである。 実施例の撮像用光学系において、回折格子の位相多項式を変更して回折輪帯ピッチを変化させたときの色収差量を表すグラフである。 レンズ111の焦点深度113および許容錯乱円112を示す図である。 2次回折光を用いる場合の回折格子レンズを示す断面図である。 条件式Λ/(D×Fno)の値と、縞状フレア部の1画素あたりの強度との関係を示すグラフである。 従来の回折格子レンズにおいて、不要回折光が発生する様子を表す図である。 従来の保護膜を付加した回折格子レンズを示す断面図である。 縞状フレアが発生する様子を表す図である。
以下、図1を参照しながら本発明による撮像用光学系の実施形態を説明する。本実施形態の撮像用光学系はレンズ10を備える。レンズ10は、第1面11aおよび第2面11bを有するレンズ基体11および第2面11bに設けられた回折格子12を含む。回折格子12は輪帯形状を有し、第2面11bにおいて、光軸13を中心とした同心円状に複数配置されている。
図1に示す撮像用光学系は、1つのレンズ10を備えているが、撮像用光学系は、複数のレンズを備えていてもよい。また、レンズ10において、レンズ11の第1面11a、第2面11bの形状は球面であっても非球面であってもよい。撮像用光学系が複数のレンズを有する場合、回折格子12が形成されているレンズ10は複数のレンズのうちのどのレンズでもよく、レンズ10が複数含まれていてもよい。また、回折格子12が設けられた第2面11bは、被写体側に配置されてもよいし、撮像側に配置されてもよい。
ただし、レンズ10において、レンズ基体11の第1面11aおよび第2面11bのどちらか一方のみに回折格子12が設けられていることが好ましい。回折格子12が第1面11aおよび第2面11bの両面に設けられている場合、各面において不要次数回折光が発生するため、レンズ10全体での回折効率が低下しやすい。レンズ基体11の片面にのみ回折格子12を設けることにより、所望の次数の回折光の光量損失を最小限にし、かつ、不要次数回折光によるフレア光を抑制することができる。
回折格子12の輪帯形状は、必ず光軸13を中心とした同心円状に配置されている必要はない。ただし、撮像用途の光学系において、収差特性を良好にするためには、回折格子12の輪帯形状が光軸13に対し回転対称であることが望ましい。
回折格子12において、光軸13から遠ざかるにつれて回折輪帯ピッチを小さくすることにより、斜入射光による収差も良好に補正できる。しかしその一方、回折輪帯ピッチが小さくなると、図20に示す縞状フレア光221の発生量が大きくなる。特に、回折輪帯ピッチが一番小さくなる最大画角においては、この縞状フレア光221が特に顕著に発生する。なお、最大画角は、レンズに入射することができる光の最大の角度のことをいい、絞りやレンズの縁によって規定される。本実施形態の撮像用光学系は、たとえば、このような絞り43等を備えている。より厳密には、最大画角は、撮像面において最大像高を形成する光線束の画角のことを指す。矩形形状の撮像素子を用いる場合、撮像素子の有効エリアの対角端に集光する光線束が最大画角の光線束である。また、有効エリアをフルに使わない撮影方法、例えば、円形像として出力する魚眼レンズでは、撮像円形の最大位置(=有効最大像円径)に集光する光線束が最大画角の光線束である。
最大画角の斜入射光14が撮像用光学系に入射すると回折格子12面上に有効エリア15を形成する。有効エリア15のレンズ径方向の直径をD、有効エリア15内の平均回折輪帯ピッチ16をΛとおく。平均回折輪帯ピッチ16とは有効エリア15内に含まれる全回折輪帯のピッチ幅の平均値である。図2に示すように、有効エリア15内の1つの回折輪帯21に着目すると、この部分を通る光線束は回折段差で遮光された非常に狭い隙間を通過することになる。なぜなら、隣り合った回折輪帯間で、段差部を境に光の波面が分断されるため、非常に狭いスリットを通過した際と同じ効果をもつためである。回折段差部近傍では波面の回り込みが見られる。図3は回折輪帯21を通過した光線束が撮像素子31上に集光する様子を示している。
一般に、非常に狭いスリットを通過した光は、無限遠の観測点において回折縞を形成する。これをフラウンホーファー回折という。この回折現象は正の焦点距離を有するレンズ系を含むことで有限距離(焦点面)でも発生する。回折輪帯が有効エリア15内に複数存在する回折格子レンズでは、それぞれの回折輪帯21がフラウンホーファー回折による回折縞を形成する。本願発明者は、図2に示す形状の回折輪帯21は、スリット効果により、図3に示すような(蝶が羽を広げたような形の)ちょうちょ型の縞状フレアを発生させることを確認した。
フラウンホーファー回折の回折縞発生量(積算光量)は、光線束が通過する開口面積に対する総遮光エッジ長の割合が大きいほど多くなる。また、結像位置が遠ざかるほど多くなる。したがって、図4に示すように、有効エリア15内の輪帯本数をN、射出瞳径(直径)41をL、射出瞳から結像位置までの距離42をfとおくと、
Figure 0004944275
となる。ここで、輪帯本数Nは、有効エリア15の直径Dと有効エリア15内の平均回折輪帯ピッチΛにより、
Figure 0004944275
と表される。また、最大画角におけるF値をFnoとおくと、
Figure 0004944275
であるから、(数3)、(数4)を(数2)に代入することで、
Figure 0004944275
が得られる。ここで、Cは比例定数である。(数5)は、回折縞積算光量が平均回折輪帯ピッチΛと反比例することを示している。この式から、平均回折輪帯ピッチΛを大きくするほど、回折縞積算光量を低減できることがわかる。
しかし、輪帯ピッチΛが大きくなりすぎると回折パワーを緩めすぎることになり色収差の補正が不十分となる。このため、回折格子による色収差の補正が十分に機能し、かつ、回折縞積算光量が少ない良好な撮像用光学系を構成するために、回折格子の平均輪帯ピッチΛを、下記(数6)を満足するように設定する。この理由は後述する。
Figure 0004944275
ここで、νdは、回折格子が付加されたレンズ基体を構成する材料のd線でのアッベ数、Fは軸上光束のF値である。
さらに効果的な条件として、下記(数7)を満足することがより望ましい。この理由は後述する。
Figure 0004944275
画角0°で撮像用光学系に入射した光線束は、回折格子が設けられた面において光軸に対し回転対称な有効エリアを形成する。このとき、有効エリアは、回折格子部の回折輪帯ピッチが比較的大きな中心部が占める割合が大きくなる。したがって、平均回折輪帯ピッチが広くなり、縞状フレアの発生量は比較的少なくなる。一方、入射画角が大きくなると、回折格子の平均回折輪帯ピッチΛは小さくなり縞状フレア光221の発生量が多くなる。見かけ上のピッチ幅も回折格子が設けられた面への入射角が大きくなるにつれて小さくなる。したがって、本発明の撮像用光学系は、縞状フレア光221の発生量が多くなりがちな、半画角15°以上の撮像用光学系に用いると特に効果的である。
回折格子の輪帯数は、色収差補正量と関係している。輪帯数をある適切な範囲に設定することで撮像用光学系により発生する色収差量を適正に保つことができる。単色用途や色収差補正が重視されない撮像用光学系であれば(数6)、(数7)を満たすように撮像用光学系を構成すれば問題ない。しかし、色収差補正を最適値に保ったまま、かつ、縞状フレア光221の発生量を低減するには、2次以上の回折次数を用いた回折格子を構成することが好ましい。2次の回折次数を利用するには、回折格子深さを1次のときの2倍、3次の回折次数を利用するには、回折格子深さを1次のときの3倍にすればよい。このとき、回折輪帯ピッチも1次利用時のときのそれぞれ2倍、3倍にする必要があり、回折輪帯ピッチを1次回折光利用時に対し広げることができる。これにより、色収差補正量を1次回折光利用時と同じ状態のまま、(数6)や(数7)を満たすことができ、縞状フレアを低減することができる。
本実施形態の撮像光学系は、広い波長帯域において不要次数回折光202も低減するために、レンズ10の回折格子12を覆う光学調整層をさらに備えていてもよい。
図5(a)は、光学調整層を有さない本実施形態の撮像用光学系において、1次回折光または2次回折光を利用した場合の回折効率を示すグラフである。1次回折光を利用した場合、波長400nm(青色)や700nm(赤色)において回折効率が低下している。2次回折光を利用した場合には、回折効率の低下はさらに大きく、50%を下回っていることが確認できる。一方、図5(b)は光学調整層を備えた本実施形態の撮像用光学系の回折効率を示すグラフである。1次回折光、2次回折光のいずれを用いた場合でも回折効率を高く維持できている。これらの結果から、1次回折光、2次回折光のいずれを用いた場合でも、光学調整層を設けることによって不要回折光202(図18に示す)を低減できることがわかる。特に、2次回折光を利用する場合には、光学調整層を有する撮像用光学系と有さない撮像用光学系とにおける回折効率の違いが大きい。縞状フレア光221(図3に示す)を低減するためには2次以上の回折光を利用することが有効である。この場合、回折格子の表面に光学調整層を設けることにより、不要回折光202を特に効果的に低減できる。なお、光学調整層の構成としては、図19に示す従来の保護膜と同様の膜を形成すればよい。光学調整層としては、樹脂、ガラスや樹脂と無機粒子とのコンポジット材料等の材質を用いればよい。
光学調整層を設ける場合、回折格子深さの最適な値は、下記(数8)によって表される。
Figure 0004944275
ただし、dは回折格子深さ、mは回折次数、λは波長、n1(λ)は回折格子が形成されたレンズ基体を構成する材料の波長λにおける屈折率、n2(λ)は光学調整層の波長λにおける屈折率である。
上記(数8)を満たす場合には、光路差が波長の整数倍になるため、高い回折効率が得られる。次に、光路差が波長の整数倍からずれた場合の回折効率について説明する。光路差の波長の整数倍からのずれは、(数8)の右辺に係数をかけることによって表すことができる。例えば、(数8)の右辺に係数0.9を乗じた場合、光路差は、波長の整数倍の90%の値になる。
図6(a)は、d線でのレンズ基体を構成する材料の屈折率を1.585、アッベ数を27.9、d線での光学調整層屈折率を1.623、アッベ数を40、m=1(1次回折光利用)、係数を0.9、1、1.1としたときの回折効率の波長依存性を示すグラフである。図6(b)は、図6(a)と同材料で、係数を0.8、1、1.2としたときの回折効率の波長依存性を示すグラフである。図6(a)、(b)共に、波長400nm(青色)や700nm(赤色)近辺で回折効率の低下がみられる。波長400nm近辺において、図6(a)の係数1.1のグラフの回折効率は90%程度であるのに対して、図6(b)の係数1.2のグラフの回折効率は75%まで低下している。波長700nm近辺において、図6(a)の係数0.9のグラフの回折効率は85%程度であるのに対して、図6(b)の係数0.8のグラフの回折効率は70%近くまで低下している。
図7(a)は、図6(a)と同材料で、m=2(2次回折光利用)としたときの回折効率の波長依存性を示すグラフである。図7(b)は、図7(a)と同材料で、係数を0.8、1.2としたときの回折効率の波長依存性のグラフである。図7(a)、(b)共に、波長400nm(青色)や700nm(赤色)近辺で回折効率の低下がみられる。波長400nm近辺において、図7(a)の係数1.1のグラフの回折効率は60%程度であるのに対して、図7(b)の係数1.2のグラフの回折効率は30%まで低下している。波長700nm近辺において、図7(a)の係数0.9のグラフの回折効率は50%程度であるのに対して、図7(b)の係数0.8のグラフの回折効率は20%近くまで低下している。図6(a)、(b)、図7(a)、(b)に示す結果から、1次回折光、2次回折光のいずれを用いる場合にも、係数を0.9以上1.1以下にすることによって、回折効率の低下量を半減(50%)以下にすることができ、不要次数回折光202を低減できることがわかる。
以上の結果から、光学調整層は、下記式を満たすように形成することが好ましい。
Figure 0004944275
ただし、dは回折格子深さ、mは回折次数、λは波長、n1は回折格子が形成されたレンズ基体を構成する材料の屈折率、n2は光学調整層の屈折率である。使用波長全域において、(数9)を満たすことがよい。
回折格子深さを(数9)の下限値、上限値内に抑えることで回折効率の波長依存性を低減することができ、使用波長全域において不要次数回折光202も低減することができる。
なお、有効エリア15の直径や最大画角のFnoの値は、非球面係数やレンズ面間隔などのレンズ設計データがわかっていれば、レンズ設計ソフトによる光線追跡で求めることができる。このとき最大画角のFnoは、像面での最大画角の上限光線と下限光線の光線方向余弦の差の逆数から求めることもできる。例えば、y方向に最大画角をとったとき、像面上での上限光線の方向余弦を(Lu、Mu、Nu)、下限光線の方向余弦を(Ld、Md、Nd)とおくと、
Figure 0004944275
となる。
また、レンズ設計データがわからないときは、被検対象の撮像用光学系に、最大画角からコリメートされた平行光を入射(無限遠被写体と等価)させ、対物レンズを用いて回折格子が設けられた面にピントを合わせて観察するとよい。回折格子が設けられた面上に、有効エリア15の範囲が入射光により照らし出され詳細に測定できる。Fnoは、対物レンズのピントを被検撮像用光学系の焦点近傍に合わせ、そこから被検撮像用光学系の光軸方向に対物レンズピントを移動することによって測定すればよい。被検撮像用光学系によって集光されたスポット光の集光・広がりの変化を確認することができるためこれを追跡することで測定が可能となる。
また、平均回折輪帯ピッチΛを低減する別の方法として、全画角の光線が通る領域(レンズの有効径内の領域)の一部の範囲にのみ回折格子を形成するという方法がある。例えば、図8に示すように、第2面11bにおいて、回折格子12を全画角の光線が通る領域17のうち光軸13を中心とする所定の半径位置r0よりも光軸13に近い側の領域(中央部)のみに設け、所定の半径位置r0よりも光軸から遠い側の領域(周辺部)には設けずに、非球面形状部12aにすればよい。非球面形状部12aは、回折格子12を付加する前のベースの非球面形状を延長した形状にすればよい。このとき、非球面形状部12aを通過する光線は0次光となる。また、非球面形状として、本来のベースの形状を必ずしも用いる必要はなく、その撮像用光学系に適した形状を用いればよい。この構成により、輪帯ピッチが小さくなりがちな周辺部の回折格子を無くすことができるため、縞状フレア光の発生しやすい領域を効果的に低減することができ、良好な特性の撮像用光学系を得ることができる。
本実施形態によると、条件式Λ/(D×Fno)の値を0.008以上にすることにより、縞状フレア部の発生を抑制することができる。一方、条件式Λ/(D×Fno)の値を0.00031・νd・F以下にすることにより、軸上色収差量を目立たない範囲に抑えることができる。
上記実施形態では、撮像用光学系は、回折格子が設けられたレンズを1つ備えていた。しかし、回折格子が設けられたレンズを2つ以上備えていてもよい。図9(a)は、本発明による撮像用光学系の他の形態を示す模式的断面図であり、図9(b)はその平面図である。撮像用光学系55は、回折格子が設けられた2つのレンズ備える。一方のレンズは、基体21と基体21の2つの面のうちの一面に設けられた回折格子12とを備える。他方のレンズは、基体22と基体22の2つの面のうちの一面に設けられた回折格子12’とを備える。2つのレンズレンズは所定の間隙23を隔てて保持されている。2つのレンズはそれぞれ(数6)の関係を満たしており、好ましくは(数7)の関係を満たしている。回折格子12及び回折格子12は、利用する回折次数の符号が互いに異なっている(正および負)が、位相差関数は同じである。
図9(c)は、本発明による撮像用光学系のさらに他の形態を示す模式的断面図であり、図9(d)はその平面図である。光学素子55’は、2つのレンズと光学調整層24と備える。一方のレンズは、基体21Aと基体21Aの2つの面のうちの一面に設けられた回折格子12とを備える。他方のレンズは、基体21Bと基体21Bの2つの面のうちの一面に設けられた回折格子12とを備える。光学調整層24は、基体21Aの回折格子12を覆っている。2つのレンズは、基体21Bの表面に設けられた回折格子12と光学調整層24との間に間隙23が形成されるように保持されている。2つのレンズの回折格子12は同じ形状を有している。2つのレンズはそれぞれ(数6)の関係を満たしており、好ましくは(数7)の関係を満たしている。
レンズが積層された撮像用光学系55および55’においても、上述したように各レンズが(数6)の関係を満たしているため、縞状フレア光の発生を抑制し、かつ、良好な色収差特性を実現することができる。また、撮像用光学系55および55’では、回折格子が設けられた一対のレンズが近接して配置されており、2つの回折格子の形状は同一または対応している。このため、2つの回折格子は実質的に1つの回折格子として機能し、回折効率の大きな低下を招くことなく、上述した効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、撮像用光学系において、回折格子は撮像素子側に設けられていた。しかし、回折格子は被写体側に設けられていてもよい。図10は、本発明による撮像用光学系のさらに他の形態を示す模式的断面図である。
図10に示す撮像用光学系は、レンズ10’を含む。レンズ10’は、第1面11a’および第2面11b’を有するレンズ基体11’と第1面11a’に設けられた回折格子12とを含む。また、第1面11a’は、凹型の非球面形状を有し、第2面11b’は凸状の非球面形状を有している。レンズ10’は(数6)の関係を満たしており、好ましくは(数7)の関係を満たしている。
図10に示す撮像用光学系において、被写体からの光線は、絞り43を介して、回折格子が設けられた第1面11a’からレンズ10’に入射し、第2面11b’において回折する。回折した光は、第2面11b’から出射し、例えば、図示しない、撮像素子によって検出される。図10に示す撮像用光学系も、レンズが(数6)の関係を満たしているため、縞状フレア光の発生を抑制し、かつ、良好な色収差特性を実現することができる。
以下の(実施例)では、(数6)および(数7)の上限値および下限値を定める手順について説明する。
図11は、実施例の撮像用光学系を示す断面図である。実施例の撮像用光学系は、2枚組みレンズの第1レンズ1および第2レンズ2を有する。第2レンズ2の第2面側には、回折格子12が形成されている。第2レンズ2のレンズ基体11の材料は、ポリカーボネートを主成分とする樹脂からなり、d線の屈折率は1.585、d線のアッベ数は28である。レンズ基体11を構成する材料としてポリカーボネートを用いたが、所定の屈折率を有するものであれば、他の材料を用いてもよい。例えば、レンズ基体11を構成する材料として、ポリエチレン、ポリスチレン等を用いてもよい。
以下の(表1)に、実施例の撮像用光学系の数値データを示す。なお、以下のデータにおいて、ωは最大画角(半画角)、Fnoは最大画角におけるF値、Dは最大画角の光線が形成する回折格子が設けられた面での有効エリア直径、Λは最大画角の光線が形成する回折格子が設けられた面での有効エリア内の平均回折輪帯ピッチである。
Figure 0004944275
図12(a)は、実施例の撮像用光学系に最大画角方向から波長550nmの平面波を入射させたときの焦点面上における2次元像を示す。図12(b)は、比較例の撮像用光学系に最大画角方向から波長550nmの平面波を入射させたときの焦点面上における2次元像を示す。比較例としては、最大画角の平均回折輪帯ピッチが実施例の値の1/2倍の18μmである回折格子レンズを用いた。図12(a)では、縞状フレア光が中心部に集約され、周辺部のフレア光量が低減できている。一方、比較例では、回折輪帯ピッチが狭いため、縞状フレア光の広がりが大きく、光量も多い。この結果から、実施例では、(数6)、(数7)を満たすようにΛを構成することで、縞状フレア光が中心部に集約し周辺部のフレア光量が低減できていることがわかる。
図13は、回折輪帯ピッチΛと、縞状フレアの発生量との関係を示すグラフである。図13の横軸は、条件式Λ/(D×Fno)の値を示す。縦軸の「縞状フレア部積算光量/総光量」とは、焦点面上の2次元像全積算光量に対する、フレア部の積算光量の比である。フレア部とは、2次元像エリアを3×3分割した場合の、中央部を囲む周辺8エリアのことを指す。図13より、平均回折輪帯ピッチを広げるほど、縞状フレア部積算光量/総光量が少なくなり、縞状フレアを低減できることがわかる。
回折輪帯ピッチΛは、回折格子のパワー(回折により集光させる強さ)を微調整することで、変化させることができる。具体的には、撮像用光学系の全パワーに対する回折パワーの比を小さくすることによって、回折輪帯ピッチΛを広げることが可能となる。回折輪帯ピッチΛは、広げるほど縞状フレアの発生量を低減することができる。しかし、回折輪帯ピッチΛを広げすぎると、回折パワーを緩めすぎることになり色収差の補正が不十分となるため、回折輪帯ピッチΛには上限値が存在する。この上限値によって、条件式Λ/(D×Fno)の上限値が定まる。以下、条件式Λ/(D×Fno)の上限値について説明する。
図14は、実施例の撮像用光学系において、回折格子の位相多項式を変更して回折輪帯ピッチを変化させたときの色収差量の変化を表すグラフである。横軸は条件式Λ/(D×Fno)の値、縦軸は軸上色収差量を示す。軸上色収差量は、R波長(640nm)、B波長(440nm)の光線を撮像用光学系に入射したときの、それぞれの光軸方向の集光位置の差である。
軸上色収差が目立たない範囲は、次の方法によって算出することができる。軸上光束のF値は、F=f0/φの関係を有する。ここで、f0は焦点距離、φは軸上画角の入射瞳直径である。図15に示すレンズの焦点深度113をx、許容錯乱円112をδとすると、三角形の相似の関係から、φ/2:f0=δ/2:x/2と表すことができる。この式からf0またはφの値を求め、F=f0/φに代入する。この式を解くと、焦点深度113は、2F×δと表すことができる。一般的な撮像用カメラのδは10μm、軸上光束のF値は2.8であるため、焦点深度113は、56μmとなる。焦点深度113がこの範囲内にあれば、軸上色収差は目立たないため、図14のグラフΛ/(D×Fno)において軸上色収差が56μmのときの横軸の値、0.024を条件式Λ/(D×Fno)の上限値とするのがよい。さらに、軸上色収差を20%程度向上させた46μmのときの横軸の値、0.016を条件式Λ/(D×Fno)の上限値とするのが望ましい。
次に、上限値を一般化することを考える。軸上光束のF値が大きくなると焦点深度は大きくなるため、条件式Λ/(D×Fno)の上限値を大きくすることができる。また、レンズ基体を構成する材料のアッベ数が小さいほど屈折率の波長分散が大きくなるため、撮像用光学系の全パワーに対する回折のパワーの比を大きくする必要がある。撮像用光学系の全パワーに対する回折パワーの比を大きくすれば、回折輪帯ピッチΛが小さくなる。すなわち、アッベ数が小さくなるほど平均回折輪帯ピッチが狭くなる。その結果、条件式Λ/(D×Fno)の上限値が小さくなる。光学設計による回折パワー比の違いは、せいぜい±5%の違いであるため無視する。スケールによる違いも、それにともない許容錯乱円も変化するため考える必要はない。
以上より、条件式Λ/(D×Fno)の上限値は、
Figure 0004944275
で表すことができる。νdはレンズ基体を構成する材料のd線でのアッベ数、kは定数である。実施例の結果を踏まえて、条件式Λ/(D×Fno)の上限値として0.024を、レンズ基体を構成する材料のd線アッベ数として27.9を、軸上光束のF値として2.8を(数11)に代入すると、条件式Λ/(D×Fno)のkの値は0.00031となる。さらに、条件式Λ/(D×Fno)の上限値として0.016を(数11)に代入すると、kの値は0.00021となる。この条件、つまり、Λ/(D×Fno)の上限値は、上述の前提に基づくものであるため、2つの面のうちの1つの面にのみ回折格子が設けられたレンズを含む撮像用光学系において、軸上色収差を抑制できる条件を示している。
なお、表1に示す撮像用光学系は、軸上色収差量が最適値になるように設計されておらず、軸上色収差量が焦点深度内に収まるように、やや補正不足に設計されている。具体的には、軸上色収差量が最適値になる最大画角の平均回折輪帯ピッチΛは18μmであるが、実際には、実施例の撮像用光学系の平均回折輪帯ピッチΛは、18μmの2倍の36μmに設計されている。
また、回折輪帯ピッチΛを広げる別の方法としては、1次回折光ではなく、2次や3次といった高次の回折光を利用する方法がある。高次の回折光を用いるには、回折格子の位相多項式を1次回折光での設計のまま、段差形状に置き換えるときに、回折輪帯ピッチおよび回折格子深さを1次回折光利用時の整数倍すればよい。例えば、2次回折光を利用する場合には、図16に示すように、回折輪帯ピッチおよび回折格子深さは1次回折光利用時の2倍になる。図16において、1次回折光を利用した場合の回折格子の形状を破線で、2次回折光を利用した場合の回折格子の形状を実線で示す。これにより、軸上色収差量を最適な値に維持したまま回折輪帯ピッチを広げることができる。しかし、この方法においては、高次の回折光を利用するほど、回折格子のブレーズ厚さ分だけ設計値との光路長ずれが生じ、球面収差が発生してしまう。したがって、高次の回折光を利用する場合は、厚みの影響が比較的小さい4次程度までに抑えるのが望ましい。4次回折光を利用する場合、最大画角の平均回折輪帯ピッチは72μm(18μm×4)となり、条件式Λ/(D×Fno)の上限値は上記と同じく0.024となる。
次に、条件式Λ/(D×Fno)の下限値について説明する。中心部(2次元像エリアを3×3分割した場合の中心エリア)に位置する1画素あたりの輝度の平均値を255(256階調の画像の最大値)として規格化したとき、1画素あたりの縞状フレアの強度を2以下にすることが望ましい。通常のカメラ撮影においては、画素の輝度が飽和しないように撮影が行われ、一般的なノイズレベルは2以下となる。このとき、縞状フレアの強度が2以下(SN比=縞状フレア強度/ノイズ:SN比1以下)であれば、縞状フレアをノイズに埋もれさせることが可能なためである。
図17は、条件式Λ/(D×Fno)の値と、縞状フレア部の1画素あたりの強度との関係を示すグラフである。図17における横軸は条件式Λ/(D×Fno)の値、縦軸は縞状フレア部の1画素あたりの強度を示す。図17に示すように、縞状フレアの強度を2以下(SN比1以下)にするためには、Λ/(D×Fno)の下限値を0.008とするのがよい。さらに、SN比を0.9以下にするために、Λ/(D×Fno)の下限値を0.01とすることがさらに望ましい。
本発明の撮像用光学系は、高品質なカメラの撮像用光学系として特に有用である。
1 第1レンズ
2 第2レンズ
11 レンズ基体
12 回折格子
12a 非球面形状部
13 光軸
14 斜入射光
15 有効エリア
16 平均回折輪帯ピッチ
21 回折輪帯
31 撮像素子
41 射出瞳径(直径)
42 射出瞳から結像位置までの距離
43 絞り
111 レンズ
112 許容錯乱円
113 焦点深度
201 1次回折光
202 不要次数回折光
211 保護膜
212 回折格子レンズ
221 縞状フレア光

Claims (6)

  1. 第1面及び第2面を有し、前記第1面及び前記第2面の一方にのみ回折格子が設けられたレンズを含み、光軸方向に配列された複数枚のレンズを備えた撮像用光学系であって、
    前記レンズに入射する最大画角の光線が形成する前記回折格子が設けられた面での有効エリアの直径をDと、
    前記撮像用光学系の最大画角のF値をFnoと、
    前記レンズのd線でのアッベ数をνdと、
    軸上光束のF値をFとおいたとき、
    前記有効エリアの平均回折輪帯ピッチΛが下記式を満たす、撮像用光学系。
    Figure 0004944275
  2. 前記平均回折輪帯ピッチΛが下記式を満たす、請求項1に記載の撮像用光学系。
    Figure 0004944275
  3. 前記回折格子の回折次数が2次以上である、請求項2に記載の撮像用光学系。
  4. 前記回折格子が設けられた面上に形成された光学調整層をさらに備え、
    前記光学調整層は下記式を満たす、請求項3に記載の撮像用光学系。
    Figure 0004944275
    (ただし、dは回折格子深さ、mは回折次数、λは波長、n1(λ)は前記レンズの波長λにおける屈折率、n2(λ)は前記光学調整層の波長λにおける屈折率である。)
  5. 前記回折格子は、前記レンズにおいて前記回折格子が設けられた面における全画角の光線が通る領域のうちの一部分に設けられ、前記一部分以外には前記回折格子が設けられていない、請求項4に記載の撮像用光学系。
  6. 前記回折格子は、前記レンズにおいて前記回折格子が設けられた面における前記全画角の光線が通る領域のうちの前記レンズの光軸を中心とする所定の半径位置よりも光軸に近い側の領域に設けられ、前記全画角の光線が通る領域のうちの所定の半径位置よりも前記光軸から遠い側の領域には設けられていない、請求項5に記載の撮像用光学系。
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