JP6192325B2 - 撮像光学系及びそれを有する撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は撮像光学系及びそれを有する撮像装置に関し、例えばビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、TVカメラ、監視用カメラそして銀塩フィルムを用いたフィルム用カメラ等に好適なものである。
一般に、撮像装置に用いられる撮像光学系では、レンズ全長(第1レンズ面から像面までの距離)を短縮し、光学系全体の小型化を図る程、軸上色収差及び倍率色収差が増加する。望遠型の撮像光学系では、焦点距離が長くなる程、色収差が増加する。色収差を低減する方法として、光学材料に異常部分分散材料を用いる方法や回折光学素子を用いる方法が知られている。これらの方法を用いれば、撮像光学系で発生する色収差を補正することができる。しかしながら、レンズ全長を短縮する程、色収差以外の諸収差、特に球面収差やコマ収差等が増加してくる。
特許文献1の撮像光学系では、正の屈折力の第1レンズ群、フォーカス時に移動する第2レンズ群、開口絞りを含む第3レンズ群より構成されている。そして、正の屈折力の第1の回折面と負の屈折力の第2の回折面を有するとともに、非球面形状のレンズ面を1以上設けている。特許文献2の撮像光学系では、特許文献1と同様のレンズ構成において、第1レンズ群内に周辺で負の屈折力が強くなる非球面形状のレンズと、いずれかのレンズ群内に正の屈折力の回折面を設けている。
特開2009−271354号公報 特開2010−145797号公報
回折光学素子を撮影光学系に用いると、高い色収差補正効果によって、高い光学性能を得ることができる。しかしながら、回折光学素子を用いるとき、撮像光学系中の適切なる位置で適切なる屈折力で配置することが重要になってくる。例えば、回折光学素子の屈折力を強め過ぎると、回折格子の格子ピッチが細かくなり過ぎ、設計回折次数以外の回折光によるフレアが増大してくる。
一方、非球面レンズを用いるときは、非球面レンズの非球面の光線有効径位置における非球面と近軸球面の光軸方向の差分量(非球面量)を適切に設定することが重要になってくる。このときの差分量が大きいと、非球面加工量が増加し、成形品若しくは型に残る研削痕により光学性能への影響が増大してくる。研削痕とは、成形の対象となる硝子や型を、バイトを用いて回転させながら削って加工する過程において、バイトの刃先の削り角度と回転速度の関係から生じる削りムラのことである。
また研削痕の光学性能への影響とは、例えば被対象物である光源をピントが少し外れた状態で撮影した際、前記光源がボケた状態で撮影されるが、そのボケ像の内部に前記非球面の研削痕起因のムラが発生する現象等が挙げられる。
本発明は、回折光学素子と非球面レンズを適切に用いることにより、全系の小型化を図りつつ、色収差を含む諸収差の補正が容易で高い光学性能が容易に得られる撮像光学系を提供することを目的とする。
本発明の撮像光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、無限遠物体から至近距離物体へのフォーカシングに際して光軸上を像側に移動する負の屈折力の第2レンズ群、開口絞り、第3レンズ群、より構成される撮像光学系であって、
前記第1レンズ群は、回折面及び屈折部分を含む回折光学素子と、該回折光学素子よりも物体側に配置される非球面形状のレンズ面を含む非球面レンズと、を有し、
前記レンズ面と光軸との交点を原点とし、前記レンズ面の有効半径をhamax、前記レンズ面のhamaxにおける位置から、原点を含み光軸に垂直な第1平面までの距離をxb、前記レンズ面のhamax/2における位置から前記第1平面までの距離をxa、前記レンズ面のhamax/2における位置と原点とを通過する仮想球面の半径をR、前記仮想球面のhamaxにおける位置から前記第1平面までの距離をxb’、とするとき、
R=(4×xa+hamax )/(8×xa)
xb’=R−√(R−hamax )(前記レンズ面が物体側に凸形状の場合)
xb’=R+√(R−hamax )(前記レンズ面が物体側に凹形状の場合)
なる式を満足し、
前記回折光学素子の全体の焦点距離をfgdoe、前記屈折部分の焦点距離をfg、前記回折面の焦点距離をfdoe、無限遠物体にフォーカスしているときの全系の焦点距離をf、レンズ全長をL、とし、
ΔdbA=xb−xb’
ΔdbD=(fgdoe−fg)−fdoe
とするとき、
1.00×10−6<|ΔdbA/ΔdbD|<4.30×10−6
5.0<|(fdoe/f)×(L/f)|<20.0
なる条件式を満足することを特徴としている。
この他、本発明の撮像光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、無限遠物体から至近距離物体へのフォーカシングに際して光軸上を像側に移動する負の屈折力の第2レンズ群、開口絞り、第3レンズ群、より構成される撮像光学系であって、
前記第1レンズ群は、回折面及び屈折部分を含む回折光学素子と、非球面形状のレンズ面を含む非球面レンズと、を有し、
前記レンズ面と光軸との交点を原点とし、前記レンズ面の有効半径をh amax 、前記レンズ面のh amax における位置から、原点を含み光軸に垂直な第1平面までの距離をxb、前記レンズ面のh amax /2における位置から前記第1平面までの距離をxa、前記レンズ面のh amax /2における位置と原点とを通過する仮想球面の半径をR、前記仮想球面のh amax における位置から前記第1平面までの距離をxb’、とするとき、
R=(4×xa +h amax )/(8×xa)
xb’=R−√(R −h amax )(前記レンズ面が物体側に凸形状の場合)
xb’=R+√(R −h amax )(前記レンズ面が物体側に凹形状の場合)
なる式を満足し、
前記回折光学素子の全体の焦点距離をfgdoe、前記屈折部分の焦点距離をfg、前記回折面の焦点距離をfdoe、無限遠物体にフォーカスしているときの全系の焦点距離をf、レンズ全長をL、とし、
ΔdbA=xb−xb’
ΔdbD=(fgdoe−fg)−fdoe
とするとき、
1.00×10 −6 <|ΔdbA/ΔdbD|<4.30×10 −6
5.0<|(fdoe/f)×(L/f)|<20.0
なる条件式を満足し、
前記第1レンズ群の物体側から数えて2番目のレンズは正レンズであり、該正レンズの材料のアッベ数をνd anm 、前記正レンズの物体側のレンズ面に入射する軸上近軸光線の光軸からの高さをh anm 、前記正レンズの物体側のレンズ面に入射する瞳近軸光線の光軸からの高さをhb anm 、前記正レンズの焦点距離をf anm 、とするとき、
70<νd anm <100
0.70<|h anm /hb anm |<0.90
0.10<f anm /f<0.50
なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明によれば、回折光学素子と非球面レンズを適切に用いることにより、全系の小型化を図りつつ、色収差を含む諸収差の補正が容易で高い光学性能が容易に得られる撮像光学系が得られる。
本発明の実施例1の撮像光学系のレンズ断面図 本発明の実施例1の撮像光学系における無限遠物体のときの収差図 本発明の実施例2の撮像光学系のレンズ断面図 本発明の実施例2の撮像光学系における無限遠物体のときの収差図 回折光学素子を用いた撮像光学系の光学作用を説明する為の近軸配置の概略図 回折光学素子を用いた撮像光学系において、回折光学素子の回折面の配置箇所を説明する為の近軸配置の概略図 本発明の条件式(1)を説明する為の非球面を設けたレンズ面の簡略図 (A),(B),(C) 本発明に係る回折光学素子の説明図 (A),(B),(C) 本発明に係る回折光学素子の回折効率の波長依存特性を説明するグラフ 本発明の撮像装置の要部概略図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明の撮像光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、無限遠物体から至近距離物体へのフォーカシングに際して光軸上像側に移動する負の屈折力の第2レンズ群、開口絞り、第3レンズ群より構成される。第1レンズ群は、回折面及び屈折部分を含む回折光学素子と非球面形状のレンズ面を含む非球面レンズと、を有している。
図1,図2は本発明の撮像光学系の実施例1のレンズ断面図と収差図である。図3、図4は本発明の撮像光学系の実施例2のレンズ断面図と収差図である。レンズ断面図においてL1は正の屈折力の正の屈折力の第1レンズ群、L2は無限遠物体から至近距離物体へのフォーカスに伴い、光軸上像側に移動する負の屈折力の第2レンズ群である。Sは開口絞りである。L3は負の屈折力の第3レンズ群である。第1レンズ群L1は回折光学素子Ldoeと非球面レンズLasphを有している。
開口絞りSは、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間に配置されている。Oは光軸、IPは像面であり、撮像素子の撮像面に相当する。Gは水晶ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等のガラスブロックを表している。回折光学素子Ldoeは負レンズG4と正レンズG5を接合した接合レンズよりなり、接合レンズの接合面が回折光学面(回折面)(回折光学部)DOEとなっている。物体側から数えて2番目のレンズG2は正レンズLanmである。asphは非球面レンズLasphの非球面である。
第3レンズ群L3は光軸に対して垂直方向の成分を持つ方向に移動して結像位置を光軸に対して垂直方向に移動するレンズユニット(防振レンズ群)LISを有する。図2,図4は実施例1,2の物体距離無限遠における収差図である。図2,図4の球面収差において、実線のdはd線、二点鎖線のgはg線である。非点収差においては、実線のΔSはd線のサジタル光線、点線のΔMはd線のメリディオナル光線を表している。更に倍率色収差においては、二点鎖線のgはg線を表している。
各実施例においてhamaxを非球面形状のレンズ面の有効半径とする。xbを非球面形状のレンズ面が光軸と交点を原点とし、非球面形状のレンズ面の有効半径hamaxにおける位置から、原点を含み光軸に垂直な平面(第1平面)までの距離とする。xaを非球面形状のレンズ面の有効半径hamaxの半分(hamax/2)における位置から原点を通り光軸に対し垂直な平面(第1平面)までの距離とする。Rを原点と非球面形状のレンズ面の有効半径hamaxの半分(hamax/2)における位置を通過する仮想球面の半径とする。そして半径RがR=(4*xa2+ hamax 2)/(8*xa)を満足する。
xb’を仮想球面上で有効半径hamaxにおける位置から原点を通り、光軸に対し垂直な平面(第1平面)までの距離とする。非球面形状のレンズ面が物体側に凸形状の場合はxb’=R-√(R2-hamax 2)((凹形状の場合はxb’=R+√(R2-hamax 2)となる))を満足する。fgdoeを回折面を含んだ回折光学素子の全体の焦点距離、fgを回折光学素子から回折面を除いた屈折部分のみでの焦点距離とする。fdoeを回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける焦点距離、fを無限遠物体にフォーカスしているときの全系の焦点距離、Lをレンズ全長とする。
非球面レンズの非球面形状のレンズ面の有効半径における光軸方向の非球面量ΔdbA、回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける非球面成分量を表す焦点距離ΔdbDを次の如く定義する。
ΔdbA=xb-xb’
ΔdbD=(fgdoe-fg)-fdoe
このとき、
1.00×10-6 <|ΔdbA/ΔdbD |<4.30×10-6 ---------(1)
5.0<|(fdoe/f)×(L/f)|<20.0 ---------(2)
なる条件式を満足する。
次に本発明の撮像光学系の特徴について説明する。本発明の撮像光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群L1、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際し、光軸上を像面側に移動する第2レンズ群L2、第3レンズ群L3で構成される。
本発明の撮像光学系は望遠タイプである。撮像光学系において、軸上近軸光線と瞳近軸光線の通過する光軸上の位置が比較的高い第1レンズ群L1内に、回折光学素子Ldoe及び非球面レンズLasphを設けている。ここで、軸上近軸光線は、光学系全系の焦点距離を1に正規化し、光学系に光軸と平行に、光軸からの高さを1として入射させた近軸光線のことである。
一方、瞳近軸光線は、光学系全系の焦点距離を1に正規化し、光軸に対して-45°で入射する光線の内、光学系の入射瞳と光軸との交点を通過する近軸光線のことである。光学系への入射角度は、光軸から時計回りを正、反時計回りを負とする。回折光学素子Ldoeと非球面レンズLasphを第1レンズ群L1内に設けることで、色収差と高次の色の球面収差と単色の球面収差をバランス良く補正している。
次にその光学作用について説明する。まず回折光学素子Ldoeについては、本発明の撮像光学系において、レンズ全長(第1レンズ面から像面までの距離)の短縮に伴う軸上色収差及び倍率色収差の補正の役割を担っている。それについて、軸上色収差係数及び倍率色収差係数を用いて説明する。
図5は回折光学素子を用いた光学系の光学作用を説明する為の近軸配置の概略図である。図5にて、DOEは回折光学素子を構成する回折光学部(回折面)、Mは複数の通常レンズ(屈折率N1、N2、N3…)で構成された屈折光学系部、Qは軸上近軸光線、Rは瞳近軸光線である。hは軸上近軸光線Qが各光学部を通過する際の光軸からの高さ、hbは瞳近軸光線Rが各光学部を通過する際の光軸からの高さを各々表している。また、Oは光軸、IPは撮像面を表し、構成を簡単にするため、構成するレンズは全て薄肉単レンズとして扱う。
図5の光学系全系での軸上色収差係数L(λ)及び倍率色収差係数T(λ)は、下記の式(a1),(a2)のように表される。
ここで、hdoeは回折光学部を構成する薄肉単レンズに入射する軸上近軸光線の光軸から高さ、hbdoeは回折光学部を構成する薄肉単レンズに入射する瞳近軸光線の光軸からの高さ、φdoeは回折光学部を構成する薄肉単レンズの屈折力である。またhMiは屈折光学部内の各薄肉単レンズに入射する軸上近軸光線の光軸からの高さ、hbMiは屈折光学部内の各薄肉単レンズに入射する瞳近軸光線の光軸からの高さ、φMiは屈折光学部を構成する薄肉単レンズの屈折力である。そして、λは任意の波長、λ0は設計波長である。
上記(a1),(a2)式にて、右辺の第1項は回折光学部DOEの色収差係数を、右辺の第2項は屈折光学部Mの各色収差係数を表している。通常の光学系は、回折光学素子がない状態で各色収差を補正しなければならないので、上記(a1)及び(a2)式にて右辺の第1項がない状態で、第2項が0になるように(0に近づけるように)設計されている。
そこから、光学系を小型化する為各レンズの屈折力φMiを強めていくと、(a1)、(a2)式の第2項は0でなくなってくる。その後、屈折光学系の各構成レンズの硝材を適切に選択して、回折光学素子の特性である波長に対する結像位置の直線性をキャンセルできるような屈折光学系の構成にしなければならない。つまり、(a1)、(a2)式の波長に対する1階微分の値dL(λ)/dλ、dT(λ)/dλにおいて、屈折光学部Mの項が波長特性を持たなくすることであり、下記の(b1)、(b2)式のようにする。
このことは、更に(a1)、(a2)式の波長λに対する2階微分の値d2L(λ)/dλ2、d2T(λ)/dλ2が0になることを意味している。
上記(c1),(c2)式が0に近づき、1階微分の値dL(λ)/dλ、dT(λ)/dλの屈折光学部Mの項が波長特性を持たない定数となれば良い。そうすることで、回折光学部DOEの項で、屈折光学部Mの項を打ち消すように高さhdoe、屈折力φdoe(光学系に挿入する位置と屈折力)を最適に与えて、dL(λ)/dλ、dT(λ)/dλを0にすることが可能となる。
軸上色収差及び倍率色収差の各色収差については、前記理論を用いて補正することが可能である。回折光学素子は色収差の補正とは別に、回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける設計次数以外の不要な回折次数光が像面に到達することに起因するフレアを考慮しなければならない。具体的には、太陽光等の高輝度光源光が直接回折光学素子Ldoeの回折面DOEに当たることによって発生するフレアについてであり、その対策として回折面DOEの配置箇所を考慮する必要がある。
回折光学素子Ldoeの回折面DOEの配置箇所について、図6を用いて説明する。ここで、図6は物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、第3レンズ群から成る望遠光学系の光学作用を説明するための近軸配置の概略図である。構成を簡単にするため、構成するレンズは全て薄肉単レンズとして扱い、図6中のG1が第1レンズ群を表す薄肉単レンズ、G2が第2レンズ群を表す薄肉単レンズ、G3が第3レンズ群を表す薄肉単レンズである。
他の符号については、Pが瞳近軸光線Rと光軸Oとの交点(開口絞りの位置で、以下開口絞りともいう。)である以外は基本的に図5と同じである。ここで、回折光学素子Ldoeの回折面DOEの配置箇所として、開口絞り(P)よりも像面側に配置すると、前述した設計次数とは異なる高次の回折次数が像面上で集光しやすくフレアが増加する。このため、開口絞り(P)よりも物体側におくことを前提とする。
開口絞り(P)よりも物体側で、回折面DOEを配置する箇所を設定するのに、回折面DOEを通過する軸上近軸光線Qの高さhdoeと瞳近軸光線Rの高さhbdoeの比率から、Area1からArea3に分けて考えてみる。
この時、
Area1は0.50 < |hdoe/hbdoe| < 0.85、
Area2は0.85 < |hdoe/hbdoe| < 1.30、
Area3は1.30 < |hdoe/hbdoe| < 2.00
を満足する範囲とする。
各Areaに配置した時の回折面をGdoe1、Gdoe2、Gdoe3として、各回折面を通過する際の軸上近軸光線の光軸からの高さをhdoe1、hdoe2、hdoe3とする。また各回折面を通過する際の瞳近軸光線の光軸からの高さをhbdoe1、hbdoe2、hbdoe3とする。
上記(a1),(a2)式より、各色収差係数を0にする為には、高さhdoeがなるべく高い位置(Area1)にある程、より効果的に屈折光学部Mの各色収差係数を打ち消すことができることが分かる。また高さhdoeがなるべく高い位置(Area1)にあれば、色収差補正に必要とする回折面DOEの屈折力が小さくて済み、逆に高さhdoeが低い位置(Area3)にある程、回折面DOEの屈折力がより必要となる。
高さhdoeが低い位置(Area3)でも、色収差は可能であるが、回折面DOEの屈折力が大きくなり過ぎると、撮影画角内で設計次数近傍の低次回折次数によるフレアが増加することが懸念される。
同じ図6中にて、今度は撮影画角外にある高輝度光源Aが、Gdoe1、Gdoe2、Gdoe3で表される位置にある回折面DOEの光軸と交わる点に入射する光線の光軸に対する角度θ1、θ2、θ3を考える。この角度θ1から角度θ3の値は、前提としている光学系の焦点距離とレンズ全長(第1レンズ面から像面までの長さ)によって異なるが、本発明で想定している撮像光学系では、θ1=約20〜70度、θ2=約10〜20度、θ3=約5〜10度程度となる。
この時、我々が現在行っている実機を通しての検討から、θ≦20度(θ2、θ3)であれば、撮影画角外にある高輝度光源が原因となるフレアを許容できることが分かってきている。これらの見解から、回折光学素子Ldoeの回折面DOEを設ける箇所は、θ2=約10〜20度となるArea2(0.85 < |hdoe/hbdoe| < 1.30)の位置に設けることが好ましい。この関係を規定したのが、後述する条件式(4)である。
以上より、回折光学素子を有する光学系、特に望遠光学系における色収差の補正方法とフレア低減の観点からの回折光学素子Ldoeの回折面DOEの配置箇所について説明した。
次に、回折光学素子が前述してきた内容を満足した上で、光学系を構成する第1レンズ群内に少なくとも1つの非球面を有する非球面レンズを設けるのが良い。これによれば、光学系のレンズ全長の短縮に伴う色収差以外の諸収差、特に球面収差やコマ収差の補正に有効である。またその際、非球面レンズの非球面量及び回折面DOEにおける屈折力を強め過ぎず効率良く用いることが、光学性能への弊害(例えば、ボケ像内部に発生するムラや回折面に起因するフレア)の低減と収差補正を良好に行うのに重要である。
まず非球面は、非球面を設けた非球面レンズを通過する光線の入射角度分布具合に依存し、通過する光線の入射角度分布の幅ができるだけ少ない箇所に設けることが好ましい。そうすることで、非球面レンズを通過する光線を所望の方向に制御し易くなる。
本発明が対象とする望遠型の撮像光学系では、第1レンズ群内のより物体側のレンズ面がそれに当たり、その付近に非球面を設けることが、球面収差やコマ収差といった単色系の基本収差の補正上好ましい。その際、回折光学素子Ldoeの回折面DOEより物体側に非球面を設けた方が、諸収差の補正と回折面DOEに起因したフレアの低減のため好ましい。また回折面のより開口絞り側への配置化(インナー配置化)となり、好ましい。
また、光学系の第1レンズ群内に設けた非球面は、第1レンズ群を構成する正レンズ及び負レンズのいずれのレンズ面でも良い。いずれのレンズ面に設けても、レンズ面の周辺部に向かうにつれ、負の屈折力がきつくなるような非球面形状としている。これは、レンズ全長を短縮化する為に、第1レンズ群内の各レンズの、特に周辺部付近において正の屈折力を強め過ぎたことで、高次の球面収差がアンダー側に発生してしまう。それを、非球面を用い周辺部付近に負の屈折力を与えることで、高次の球面収差をオーバー側に発生させ、全体としてキャンセルさせることで、高次の球面収差を良好に補正している。
しかし、前述の通り、非球面の加工量が増すと、成形品若しくは型に研削痕が残る頻度が高くなり、光学性能への影響(ボケ像内部に発生するムラ等)が懸念される。その影響を低減するには、非球面の加工量を低減するのが効果的であるが、所望の光学性能を維持するには単純に非球面量を低減することは困難である。そこで、所望の光学性能は維持しつつ、非球面レンズの非球面量を低減するには、非球面レンズの配置箇所を考慮することと収差補正に必要となる非球面量を回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける非球面成分に分担させることである。
具体的には、本発明が対象とする撮像光学系では、前者の非球面レンズの配置箇所に関しては、前述の通り収差補正に効果がある第1レンズ群のより物体側に配置することが望ましい。そうすることで、少ない非球面量でより大きな非球面効果を出すことが可能になる。
一方、後者の回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける非球面成分に、収差補正上必要となる非球面量を分担させることについては、次の通りである。回折光学素子Ldoeの回折面DOEの位相形状を表す後述の式(A)において、右辺の位相係数C1は条件式(1)の箇所で定義があるfdoe=-2*C1*(λ/λ0)を満足する係数であり、光学系の色収差を補正するための屈折力に関する係数である。
ここで、fdoeは回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける焦点距離であり、焦点距離の逆数でその屈折力を、λは任意の波長を、λ0は設計波長を各々表している。また後述の式(A)の右辺の残りの位相係数(C2、C3、…)は、条件式(1)の箇所で定義があるΔdbD=(fgdoe-fg) - fdoeに関係しており、回折面における非球面効果に関する係数である。
ここで、ΔdbD は回折面における非球面効果に関連する屈折力を表し、fgdoeは回折面を含んだ回折光学素子全体の焦点距離を、fgは前記回折光学素子から回折面を除いた接合レンズのみでの焦点距離を各々表している。
回折面における非球面成分に収差補正上必要となる非球面量を分担させるには、ΔdbDで表される屈折力をより強めることである。更に、非球面レンズと回折面の配置箇所を、同一のレンズ群内で比較的近づけて設けることが、両者の非球面量及び屈折力を強め過ぎず収差補正が容易となるので、好ましい。
以上より、レンズ全長を短縮化した望遠型の撮像光学系において、非球面レンズの非球面量と回折面における屈折力をバランス良く効率的に用いることが、諸収差の補正と各光学素子による光学性能への弊害を低減できる理由である。
上記内容を踏まえて、以下に各条件式について説明する。条件式(1),(2)は、回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける屈折力と非球面レンズの非球面量の関係を規定している。非球面レンズLasphの非球面形状を有するレンズ面の有効径位置における光軸方向の非球面量ΔdbA及び回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける非球面成分量を表す焦点距離ΔdbDが、条件式(1)を満足している。
ここで、hamaxは非球面形状を有するレンズ面における光線が通過する有効半径である。非球面形状を有するレンズ面が光軸と交わる点を原点とする。このときxbは、有効半径hamaxにおける非球面形状のレンズ面の位置から原点を通り、光軸に対して垂直な平面までの距離とする。xaは有効半径hamaxと光軸との中間位置(hamax/2)における非球面形状のレンズ面の位置から原点を通り、光軸に対して垂直な平面までの距離とする。
Rは原点と中間位置(hamax/2)における非球面形状上の点を通過する仮想球面の半径であり、R=(4*xa2+ hamax 2)/(8*xa)を満足する値とする。xb’は有効半径hamaxでの仮想球面上の点から、原点を通り光軸に対して垂直な平面までの距離であり、非球面形状を有するレンズ面が物体側に凸形状の場合はxb’=R-√(R2-hamax 2)を満足する値とする。但し、凹形状の場合はxb’=R+√(R2-hamax 2)とする。ここで、各変数の関係を明確にする為、図7を用いて説明する。
図7は非球面形状を設けたレンズ面を模式的に表した簡略図である。図7において、左右が光軸方向、上下がレンズ面の半径方向を表し、非球面形状(図中実線)が光軸及び半径方向の軸が交わった原点Oを通過している。図7より、光学系の非球面形状を有するレンズ面における光線が通過する有効半径をhamaxとする。このとき有効半径hamaxにおける非球面形状上の光軸方向の座標がxbであり、有効半径hamaxの半径方向の中間位置hamax/2における非球面形状上の光軸方向の座標がxaである。
原点Oと位置(xa、hamax/2)を通過する半径Rの仮想球面が点線で示されており、有効半径hamaxの位置における前記仮想球面形状上の光軸方向の座標がxb’である。尚、図7は物体側(図中左側)に凸形状を有した非球面形状を示しているが、凹形状になっていても良い。更に、fgdoeは回折面を含んだ回折光学素子Ldoe全体の焦点距離、fgは回折光学素子から回折面DOEを除いた接合レンズのみでの焦点距離、fdoeは回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける焦点距離とする。このとき前述の条件式(1)を満足している。
条件式(1)は、本発明の撮像光学系の第1レンズ群L1内に設けた回折光学素子Ldoeの非球面成分量を表す焦点距離と非球面レンズの非球面量の関係を規定する。ここで、非球面量ΔdbAは有効半径hamaxにおける値としているのは、非球面量は半径方向に中心部から周辺部に向けて連続変化しており、且つ、周辺部で負の屈折力を強めている(非球面量が大きくなる)からである。
従って、非球面量は、有効半径hamaxにおける値をみれば良いということになる。条件式(1)より、非球面形状を設けたレンズ面の有効径位置における光軸方向の非球面量ΔdbAは、回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける非球面成分量を表す焦点距離ΔdbDに比べ少ないことを表している。このことは、非球面加工量の低減を意味しており、それに伴い成形品若しくは型に残る研削痕の量も低減でき、光学性能への影響(ボケ像ムラ等)を緩和している。
また非球面レンズLasphの非球面量ΔdbAが低減できる理由は、レンズ全長の短縮化に伴い増加する球面収差をはじめとした諸収差を補正するのに必要となる非球面量を、回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける非球面成分に分担させているからである。条件式(1)において、上限値を超えると、非球面レンズLasphの非球面量ΔdbAが大きくなり過ぎ、それに伴い非球面加工量が増加し、ボケ像やムラ等の光学性能への影響が増す方向にあるので、好ましくない。
一方、下限値を超えると、非球面レンズLasphの非球面量ΔdbAが小さくなり過ぎ、レンズ全長の短縮化に伴い増加する球面収差をはじめとした諸収差を良好に補正するのが困難になる。条件式(1)は、更に好ましくは以下の範囲内であるのが良い。これによれば非球面レンズLasphの非球面量ΔdbA及び回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける焦点距離fdoeの関係と諸収差補正のバランスの観点から、好ましい。
1.50×10-6 < | ΔdbA / ΔdbD | < 4.00×10-6 ------------(1-a)
更に好ましくは、条件式(1a)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
2.00×10-6 < | ΔdbA / ΔdbD | < 3.80×10-6 ------------(1-b)
条件式(1)を満足した上で、条件式(2)を満足すると、非球面レンズLasphの非球面量の低減と回折光学素子Ldoeの回折面DOEに起因するフレア低減に好ましい。
条件式(2)は、撮像光学系のテレ比(=レンズ全長/光学系全系の焦点距離)に対する回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける焦点距離の関係を規定する。この条件式(2)は、撮像光学系のテレ比に対し、回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける屈折力(=1/焦点距離)を弱くして、回折面に起因するフレアを低減するためのものである。条件式(2)において、上限値を超えて、回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける屈折力が弱くなり過ぎると、軸上色収差及び倍率色収差の補正が困難になる。
一方、下限値を超えて、回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける屈折力が強くなり過ぎると、回折格子の格子ピッチが細かくなり、設計次数以外の回折光によるフレアが多く発生するので、好ましくない。
条件式(2)は更に好ましくは、以下の範囲内であるのが良い。これによれば、回折光学素子Ldoeの回折面DOEに起因するフレアを低減するのに好ましい。
8.0<|(fdoe/f)×(L/f)|<18.0 --------------(2-a)
更に、好ましくは条件式(2a)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
10.0<|(fdoe/f)×(L/f)|<17.0 --------------(2-a)
以上のように各実施例では回折光学素子と非球面レンズを用い、回折面における屈折力と非球面レンズの非球面量等を適切に設定し、これにより高い光学性能を有する撮像光学系を得ている。また各実施例において好ましくは次の条件式のうち1以上を満足するのが良い。第1レンズ群L1内の非球面形状のレンズ面は、回折光学素子Ldoeの回折面よりも物体側に配置するのが良い。
ここで、hasphを非球面形状のレンズ面に入射する軸上近軸光線の光軸からの高さ、hbasphを非球面形状のレンズ面に入射する瞳近軸光線の光軸からの高さとする。またhdoeを回折光学素子Ldoeの回折面DOEに入射する軸上近軸光線の光軸からの高さ、hbdoeを回折面DOEに入射する瞳近軸光線の光軸からの高さとする。またLadを非球面形状のレンズ面と回折光学素子Ldoeの回折面DOEとの光軸上の距離とする。このとき、
0.70<|hasph/hbasph|<1.00 --------------(3)
0.85<|hdoe/hbdoe|<1.30 --------------(4)
0.01<|Lad/f|<0.30 --------------(5)
なる条件式を満足するのが良い。
第1レンズ群L1内に設けられた非球面形状のレンズ面の非球面形状は、半径方向において中心部から周辺部に向けて連続変化しており、且つ、レンズ面の周辺部は、中心部よりも強い負の屈折力を有する。第1レンズ群L1内の非球面形状を有するレンズ面と回折光学素子Ldoeの回折面DOEは、条件式(3)乃至条件式(5)を満足すると、各光学素子の光学性能への弊害の低減と諸収差の低減を図るのが可能になる。条件式(3)は、非球面形状を有するレンズ面の第1レンズ群L1内での配置箇所を規定する。一方、条件式(4)は、回折光学素子Ldoeの回折面DOEの同じく第1レンズ群L1内での配置箇所を規定する。
条件式(5)は、非球面形状を有するレンズ面と回折光学素子Ldoeの回折面DOEの配置箇所の関係を規定する。尚、条件式(3)乃至条件式(5)を満足し、且つ、非球面形状を有するレンズ面が回折光学素子Ldoeの回折面DOEよりも物体側に配置するのが良い。これによれば、非球面レンズLasphの非球面量の低減と回折光学素子Ldoeの回折面DOEに起因するフレアの低減に好ましい。
条件式(3)において、上限値を超えて、非球面の配置箇所が開口絞りSよりの配置になると、球面収差等の諸収差を所望の性能にすることが困難になる。下限値を超えると、非球面がより物体側に配置されることになり、レンズ全長が長くなると共に、鏡筒を含めた重量が重くなるので、好ましくない。
条件式(4)において、上限値を超えて、回折光学素子Ldoeの回折面DOEが開口絞りSよりの配置になると、軸上色収差及び倍率色収差を補正する為に、回折面DOEにおける屈折力を強めなければならない。そうすると、撮影画角内で設計次数近傍の低次回折次数光によるフレアが増加する。
一方、下限値を超えて、回折面DOEの配置箇所が物体側に寄り過ぎてしまうと、撮影画角外にある高輝度光源が直接、回折面DOEに当たり易くなってしまう。それに伴い高次回折光のフレアの発生が増加するので、好ましくない。
条件式(5)において、上限値を超えると、非球面と回折光学素子の回折面との距離が離れ過ぎてしまい、諸収差を補正するのに必要となる非球面レンズの非球面量を、回折面における非球面成分に分担させることが困難になるので、好ましくない。
一方、下限値を超えて、非球面形状を設けたレンズ面と回折光学素子Ldoeの回折面DOEとの距離が近づき過ぎると、高次の球面収差が増大するので好ましくない。条件式(3)乃至条件式(5)は更に好ましくは、下記の範囲内にあることが好ましい。
0.72 < | hasph / hbasph | < 0.90 --------------(3-a)
0.88 < | hdoe / hbdoe | < 1.10 --------------(4-a)
0.02 < | Lad / f | < 0.25 --------------(5-a)
更に好ましくは、条件式(3a)乃至条件式(5)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
0.74 < | hasph / hbasph | < 0.88 --------------(3-a)
0.90 < | hdoe / hbdoe | < 1.00 --------------(4-a)
0.03 < | Lad / f | < 0.22 --------------(5-a)
また各実施例において更に好ましくは次の条件式のうち1以上を満足するのが良い。
第1レンズ群L1の物体側から数えて2番目のレンズG2は正レンズLanmであり、νdanmを正レンズLanmの材料のアッベ数とする。hanmを軸上近軸光線が正レンズLanmの物体側のレンズ面を通過する際の光軸からの高さとする。hbanmを、瞳近軸光線が正レンズLanmの物体側のレンズ面を通過する際の光軸からの高さとする。fanmを正レンズLanmの焦点距離とする。このとき、
70<νdanm<100 --------------(6)
0.70<|hanm/hbanm|<0.90 --------------(7)
0.10<fanm/f<0.50 --------------(8)
なる条件式を満足するのが良い。
条件式(6)乃至条件式(8)は撮像光学系の小型化かつ高性能化を図るためのものである。条件式(6)は、第1レンズ群L1の物体側から数えたレンズのうち、2番目の正レンズLanmに用いられる材料のアッベ数の範囲を規定する。条件式(7)は、第1レンズ群L1の物体側から数えたレンズのうち2番目の正レンズLanmの配置箇所を規定する。条件式(8)は、正レンズLanmの屈折力の範囲を規定する。
条件式(6)の上限値を超えて、材料が低分散な特性になり過ぎると、第1レンズ群L1中の負レンズに用いる一般的な高分散材料とのバランスから、回折光学素子Ldoeによって発生する色収差の波長依存特性を補正することが困難になる。一方、下限値を超えて、材料が高分散な特性になり過ぎると、第1レンズ群L1中の負レンズに用いる一般的な高分散材料とのバランスから、その特性を補正させるための回折面の屈折力を強めなくてならなくなる。そうすると、フレアが多く発生してくるので好ましくない。
条件式(7)の上限値を超えて、正レンズLanmの配置箇所が開口絞りS側に近づきすぎると、色収差を補正するための所望の効果を得るのが困難になる。一方、下限値を超えて、正レンズLanmの配置箇所が物体側に近づきすぎると、色収差の補正は容易になるが、レンズ有効径が大きくなり、全系が大型化するので好ましくない。
条件式(8)の上限値を超えて、正レンズLanmの屈折力が弱くなり過ぎると、色収差を補正するための配置箇所をより物体側に近づけなくてはならなくなる。その結果、レンズ径が大きくなり、全系が大型化してくるので好ましくない。一方、下限値を超えて、正レンズLanmの屈折力が強くなり過ぎると、他の光学要素による色収差の補正とのバランスから、色収差が補正過剰となるので、好ましくない。条件式(6)乃至条件式(8)は更に好ましくは、下記の範囲内にあることである。
75 < νdanm < 97 ------------------(6-a)
0.75 < | hanm/ hbanm | < 0.87 ------------------(7-a)
0.20 < fanm / f < 0.40 ------------------(8-a)
次に、各実施例について説明する。
実施例1の撮像光学系は、望遠レンズ(焦点距離392.19mm、Fno4.12)であり、図1は物体距離無限遠におけるレンズ断面図である。図1において、L1は正の屈折力の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群、L3は負の屈折力の第3レンズ群である。
Ldoeは回折光学素子である。回折光学素子Ldoeは物体側から数えて4番目のレンズG4と5番目のレンズG5を接合し、その接合面に回折面DOEを設けた接合レンズよりなっている。Lanmは正レンズである。正レンズLanmは第1レンズ群L1の物体側から数えて2番目のレンズG2よりなり、異常部分分散特性を有した材料よりなっている。
Lasphは非球面レンズである。非球面レンズLasphは物体側から数えて3番目のレンズG3よりなっている。レンズG3の像側が非球面asphである。非球面asphは回折面DOEよりも物体側に設けられている。また無限遠物点から至近距離物点へのフォーカシングは、接合レンズLfoよりなる第2レンズ群L2を像面側へ移動させることで行っている。第3レンズ群L3は光軸Oに対して垂直方向の成分を持つ方向に移動させることにより、結像位置を光軸に対し垂直方向に移動させ、手ぶれ等による画像のぶれを補正するレンズユニットLISを有している。
実施例1では物体側から像側へ順に、第1レンズ群L1は正レンズ、正レンズ、非球面形状のレンズ面を有する負レンズ、負レンズと正レンズを接合し、接合面に回折光学部を形成した接合レンズよりなっている。第2レンズ群L2は正レンズと負レンズを接合した接合レンズより構成されている。実施例1の撮像光学系は、上述してきた各条件式を満足しており、回折光学素子Ldoeの回折面DOEにおける屈折力と非球面レンズLasphの非球面量を適切に設定している。これにより、全系が小型・軽量で且つ諸収差も補正された撮像光学系を実現している。
本発明の実施例2の撮像光学系は、実施例1と略同じ望遠レンズ(焦点距離392.19,Fno4.12)であり、図3は物体距離無限遠におけるレンズ断面図である。図3中の各符号は図1に示したのと同じである。実施例1と異なるのは非球面asphを設けたレンズ面が最も物体側の光学面であることである。
実施例2では物体側から像側へ順に、第1レンズ群L1は非球面形状のレンズ面を有する正レンズ,正レンズ,負レンズ,負レンズと正レンズを接合し、接合面に回折光学部を形成した接合レンズよりなっている。実施例2において第2レンズ群L2の構成は実施例1と同じである。実施例2の撮像光学系も、実施例1と同様、上述してきた各条件式を満足している。そして回折面DOEにおける屈折力と非球面レンズLasphの非球面量を適切に設定している。これにより、全系が小型・軽量で且つ諸収差も補正された撮像光学系を実現している。
回折光学素子は、光学面の上に設けられるのであるが、その光学面の曲率半径は球面若しくは平面あるいは非球面でも良い。また各実施例では、回折光学素子が接合レンズの接合面に設けられているが、これに限定されるものではない。
各実施例における回折光学素子の製法としては、バイナリオプティクス形状をフォトレジストにより直接レンズ表面に成形する方法が適用できる。この他に、この方法によって作成した型を用いるレプリカ成形やモールド成形を行う方法が適用できる。また、鋸状形状のキノフォームにすれば、回折効率が上がり、理想値に近い回折効率が期待できる。
次に本発明の撮像光学系で用いる回折光学素子の構成について説明する。回折光学素子の構成としては、図8(A)に示すような空気層を挟んだ2積層構成のものや、同じく図8(B)に示すような空気層を挟んだ3積層構成のもの、図8(C)に示すような同一の格子厚で2つの層が密着した密着2層構成のもの等が適用可能である。
図8(A)では、基材4上に紫外線硬化樹脂からなる第1の回折格子6を形成して、第1の回折格子部2を構成している。そしてもう1つの基材5上に第1の回折格子6と異なる紫外線硬化樹脂からなる第2の回折格子7を形成して、第2の回折光学部3を構成している。そして第1の回折光学部2と第2の回折光学部3を間隔Dの空気層8を介して近接配置した構成になっている。これら2つの回折格子6、7を合わせて、1つの回折光学素子1としての働きをなしている。
この時、第1の回折格子6の格子厚はd1、第2の回折格子6の格子厚はd2である。格子の向きは、第1の回折格子6は上から下に向かうに連れ格子厚が単調減少するが、一方第2の回折格子7は上から下に向かうに連れ格子厚が単調増加する方向である。また、図8(A)に示したように入射光を左側から入れると、右斜め下方向に進むのが1次光であり、直進するのが0次光である。
図9(A)に、図8(A)に示す2積層構成の回折光学素子における設計次数である1次回折光及び設計次数±1次である0次回折光、2次回折光の回折効率の波長依存特性を
示す。素子構成としては、第1の回折格子6の材料は(nd1,νd1)=(1.636,22.8)で格子厚d1=7.88μmである。第2の回折格子7の材料は(nd2,νd2)=(1.524,51.6)で格子厚d2=10.71μmで、空気間隔D1=1.5μmとしている。
また図8(A)より格子ピッチP=200μmである。前記図9(A)からわかるように、設計次数光(1次光)の回折効率は使用波長全域で約90%以上の高い回折効率で、不要回折次数光(0、2次光)の回折効率も使用波長全域で約5%以下と抑制されている。
図8(B)では、基材4上に紫外線硬化樹脂からなる第1の回折格子6を形成し、もう1つの基材5上に第1の回折格子6と同じ紫外線硬化樹脂からなる第2の回折格子7を形成し、第2の回折格子7を異なる紫外線硬化樹脂9で埋めた構成になっている。そして第1の回折格子6と第2の回折格子7を、間隔Dの空気層8を介して近接配置させている。これら2つの回折格子6、7を合わせて、1つの回折光学素子としての働きをなしている。
この時、第1の回折格子6の格子厚はd1、第2の回折格子7の格子厚はd2である。格子の向きは、前記第1の回折格子6及び第2の回折格子7とも上から下に向かうに連れ格子厚が単調増加する方向である。また、図8(B)に示したように入射光を左側から入れると、右斜め下方向に進むのが1次光であり、直進するのが0次光である。
図9(B)に、図8(B)に示す3積層構成の回折光学素子1における設計次数である1次回折光及び設計次数±1次である0次回折光、2次回折光の回折効率の波長依存特性を示す。素子構成としては、第1の回折格子6の材料は(nd1,νd1)=(1.636,22.8)で格子厚d1=2.83μmである。第2の回折格子7の材料は(nd2-1,νd2-1)=(1.524,51.6)と(nd2-2,νd2-2)=(1.636,22.8)で格子厚d2=7.88μmで、空気間隔D=1.5μmとしている。
また図8(B)より格子ピッチP=200μmである。図9(B)からわかるように、図9(A)と同様に設計次数光(1次光)の回折効率は使用波長全域で約90%以上の高い回折効率で、不要回折次数光(0、2次光)の回折効率も使用波長全域で約5%以下と抑制されている。
図8(C)では、基材4上に紫外線硬化樹脂からなる第1の回折格子6を形成し、もう1つの基材5上に第1の回折格子6と異なる紫外線硬化樹脂からなる第2の回折格子7を形成し、それらを同じ格子厚d1で密着させた構成になっている。これら2つの回折格子6、7を合わせて、1つの回折光学素子1としての働きをなしている。
格子の向きは、第1の回折格子6は上から下に向かうに連れ格子厚が単調増加するが、一方、第2の回折格子7は上から下に向かうに連れ格子厚が単調減少する方向である。また、図8(C)に示したように入射光を左側から入れると、右斜め下方向に進むのが1次光であり、直進するのが0次光である。
図9(C)に、図8(C)に示す密着2層構成の回折光学素子1における設計次数である1次回折光及び設計次数±1次である0次回折光、2次回折光の回折効率の波長依存特性を示す。素子構成としては、第1の回折格子6の材料は(nd1,νd1)=(1.567,46.6)で、第2の回折格子7の材料は(nd2,νd2)=(1.504,16.3)で同一の格子厚d=9.29μmとしている。また図8(C)中の格子ピッチP=200μmである。
図9(C)からわかるように、図9(A),図9(B)より設計次数光(1次光)の回折効率は使用波長全域で約99.5%以上のかなり高い回折効率で、不要回折次数光(0、2次光)の回折効率も使用波長全域で約0.05%以下とかなり抑制されている。前述のように、各実施例に用いる回折光学素子について説明したが、回折効率等の基本性能が前述の回折光学素子と同等以上であれば、これに限定されるものではない。
次に本発明の撮像光学系を撮像装置(カメラシステム)に適用した実施例を図10を用いて説明する。図10は一眼レフカメラの要部概略図である。
図10において、20は実施例1、2のいずれか1つの撮像光学系11を有する撮像レンズである。撮像光学系11は保持部材である鏡筒12に保持されている。30はカメラ本体である。カメラ本体は撮像レンズ20からの光束を上方に反射するクイックリターンミラー13、撮像レンズ20の像形成位置に配置された焦点板14、焦点板14に形成された逆像を正立像に変換するペンタダハプリズム15を有している。更に、その正立像を観察するための接眼レンズ16等によって構成されている。
17は感光面であり、像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)(撮像部)や銀塩フィルムが配置される。撮影時にはクイックリターンミラー13が光路から退避して、感光面17上に撮影レンズ20によって像が形成される。このように実施例1、2の撮像光学系を写真用カメラや、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、軽量で高い光学性能を有する撮像装置を実現している。
尚、本実施例ではクイックリターンミラーのないミラーレスのカメラにも同様に適用することができる。
以下に本発明の実施例1、2に対応する数値実施例1、2を示す。各数値実施例において、iは物体側からの面の順序を示し、riは物体側より第i番目の面の曲率半径、diは物体側より第i番目と第i+1番目の間隔、ndiとνdiは第i番目の光学部材の屈折率とアッベ数である。又、各面の有効径も示す。
焦点距離、Fナンバー、半画角(度)、像高、レンズ全長を示す。またバックフォーカス(BF)は最終面(ガラスブロックの面)から像面までの距離である。各数値実施例において最も像側の2つの面はフィルター等のガラスブロックである。間隔d9,d12の可変とは、フォーカスに際して変化する意味である。数値は無限遠物体にフォーカスしているときを示している。更に、非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、kを円錐定数、B、C、D、E…を各次数の非球面係数とした時、次式(B)によって表される。
また各実施例の回折光学面の位相関数ψは、回折光の回折次数をm、設計波長をλ0、光軸に対して垂直方向の高さをh、位相係数をCi(i=1,2,3…)としたとき、次式によって表される。
ψ(h, m)=(2π/mλ0)×(C1・h2+C2・h4+C3・h6+…)
また各実施例における各条件式を表1に示す。
[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 101.267 17.97 1.48749 70.2 95.20
2 -1421.586 22.11 93.39
3 86.833 14.57 1.49700 81.5 76.00
4 -293.957 0.20 73.61
5 -271.960 3.90 1.77250 49.6 73.59
6* 192.089 14.97 68.73
7 91.543 2.85 1.78590 44.2 58.60
8(回折) 43.425 12.04 1.48749 70.2 54.03
9 321.773 (可変) 52.38
10 289.030 3.07 1.80809 22.8 35.18
11 -202.911 1.80 1.83400 37.2 34.44
12 65.357 (可変) 32.61
13(絞り) ∞ 11.29 26.38
14 76.835 1.30 1.84666 23.9 25.59
15 25.815 5.39 1.67300 38.1 25.28
16 -280.474 0.50 25.31
17 61.261 3.83 1.84666 23.9 25.30
18 -110.422 1.30 1.77250 49.6 24.99
19 30.826 3.63 24.13
20 -76.495 1.30 1.88300 40.8 24.19
21 83.961 1.15 25.23
22 ∞ 0.00 25.12
23 54.285 8.79 1.61340 44.3 26.48
24 -19.696 1.80 1.59282 68.6 27.00
25 156.426 1.28 29.13
26 -4817.483 1.80 1.80809 22.8 29.46
27 50.905 5.15 1.65412 39.7 30.75
28 -127.436 0.15 31.48
29 70.581 3.55 1.74077 27.8 33.04
30 646.175 2.38 33.17
31 ∞ 2.00 1.51633 64.1 33.52
32 ∞ 63.27 33.73
像面 ∞
非球面データ
第6面
K = 1.38187e+000 B = 1.48156e-008 C = -6.46138e-012 D = 1.87902e-015
E = -1.34902e-018

第8面(回折面)
C1 = -5.59649e-005 C2 = -1.39074e-008 C3 = 8.27359e-012 C4 = -2.27361e-014
C5 = 1.55673e-017

各種データ

焦点距離 392.19
Fナンバー 4.12
半画角(度) 3.16
像高 21.64
レンズ全長 262.18
BF 63.27

d 9 26.13
d12 22.72

入射瞳位置 519.88
射出瞳位置 -73.10
前側主点位置-456.73
後側主点位置-352.93

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 151.03 88.61 -3.87 -69.64
2 10 -100.02 4.87 3.44 0.74
3 13 -557.05 80.59 -26.25 -100.65

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 194.67
2 3 136.61
3 5 -145.20
4 7 -107.93
5 8 101.54
6 10 147.94
7 11 -59.09
8 14 -46.46
9 15 35.38
10 17 47.02
11 18 -31.07
12 20 -45.16
13 23 24.68
14 24 -29.40
15 26 -62.32
16 27 56.25
17 29 106.68
18 31 0.00
[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 94.907 17.00 1.48749 70.2 95.20
2 -2762.889 21.51 93.79
3 95.584 14.93 1.49700 81.5 76.59
4 -187.814 0.13 74.44
5 -181.884 3.90 1.77250 49.6 74.43
6 294.362 15.37 69.77
7 77.931 2.85 1.78590 44.2 57.32
8(回折) 39.096 10.62 1.48749 70.2 52.21
9 116.147 (可変) 50.48
10 188.678 2.87 1.80809 22.8 35.18
11 -596.641 1.80 1.83400 37.2 34.44
12 65.402 (可変) 32.78
13(絞り) ∞ 10.55 26.47
14 59.928 1.30 1.84666 23.9 25.68
15 24.737 5.21 1.67300 38.1 25.22
16 1725.376 0.50 25.17
17 57.688 3.79 1.84666 23.9 25.30
18 -133.427 1.30 1.81600 46.6 24.95
19 29.867 3.81 24.07
20 -68.339 1.30 1.81600 46.6 24.14
21 100.805 1.36 25.30
22 ∞ 0.00 25.27
23 53.488 9.28 1.61340 44.3 26.72
24 -21.712 1.80 1.59282 68.6 27.46
25 93.003 1.38 29.47
26 320.402 1.80 1.80809 22.8 29.82
27 46.456 4.87 1.65412 39.7 31.04
28 -312.497 0.15 31.76
29 65.840 4.45 1.63980 34.5 33.39
30 -283.057 2.38 33.64
31 ∞ 2.00 1.51633 64.1 34.06
32 ∞ 34.25
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = -1.05229e-002 B = -7.55660e-009 C = 5.97002e-013 D = 9.89658e-017
E = 1.12786e-019

第8面(回折面)
C1 = -6.13697e-005 C2 = -8.78881e-009 C3 = -1.00912e-011
C4 = 2.05921e-015
C5 = 9.82979e-020

各種データ

焦点距離 392.19
Fナンバー 4.12
半画角(度) 3.16
像高 21.64
レンズ全長 261.26
BF 63.27

d 9 27.06
d12 22.72

入射瞳位置 521.30
射出瞳位置 -74.49
前側主点位置-438.60
後側主点位置-352.93

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 164.78 86.32 -22.30 -77.32
2 10 -119.44 4.67 3.92 1.31
3 13 -577.30 81.23 -31.35 -107.65

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 188.59
2 3 129.72
3 5 -145.01
4 7 -103.16
5 8 115.66
6 10 177.68
7 11 -70.59
8 14 -50.61
9 15 37.25
10 17 48.01
11 18 -29.80
12 20 -49.74
13 23 26.42
14 24 -29.52
15 26 -67.44
16 27 62.16
17 29 83.91
18 31 0.00
L1:第1レンズ群 L2:第2レンズ群 L3:第3レンズ群
Ldoe:回折光学素子 Lanm:異常部分分散硝材を用いた物体側から2番目の正レンズ
Lfo:フォーカスレンズ群 LIS:防振レンズ群 asph:非球面 S:開口絞り

Claims (10)

  1. 物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、無限遠物体から至近距離物体へのフォーカシングに際して光軸上を像側に移動する負の屈折力の第2レンズ群、開口絞り、第3レンズ群、より構成される撮像光学系であって、
    前記第1レンズ群は、回折面及び屈折部分を含む回折光学素子と、該回折光学素子よりも物体側に配置される非球面形状のレンズ面を含む非球面レンズと、を有し、
    前記レンズ面と光軸との交点を原点とし、前記レンズ面の有効半径をhamax、前記レンズ面のhamaxにおける位置から、原点を含み光軸に垂直な第1平面までの距離をxb、前記レンズ面のhamax/2における位置から前記第1平面までの距離をxa、前記レンズ面のhamax/2における位置と原点とを通過する仮想球面の半径をR、前記仮想球面のhamaxにおける位置から前記第1平面までの距離をxb’、とするとき、
    R=(4×xa+hamax )/(8×xa)
    xb’=R−√(R−hamax )(前記レンズ面が物体側に凸形状の場合)
    xb’=R+√(R−hamax )(前記レンズ面が物体側に凹形状の場合)
    なる式を満足し、
    前記回折光学素子の全体の焦点距離をfgdoe、前記屈折部分の焦点距離をfg、前記回折面の焦点距離をfdoe、無限遠物体にフォーカスしているときの全系の焦点距離をf、レンズ全長をL、とし、
    ΔdbA=xb−xb’
    ΔdbD=(fgdoe−fg)−fdoe
    とするとき、
    1.00×10−6<|ΔdbA/ΔdbD|<4.30×10−6
    5.0<|(fdoe/f)×(L/f)|<20.0
    なる条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
  2. 記レンズ面に入射する軸上近軸光線の光軸からの高さをhasph、前記レンズ面に入射する瞳近軸光線の光軸からの高さをhbasph、前記回折面に入射する軸上近軸光線の光軸からの高さをhdoe、前記回折面に入射する瞳近軸光線の光軸からの高さをhbdoe、前記レンズ面と前記回折面との光軸上での距離をLad、とするとき、
    0.70<|hasph/hbasph|<1.00
    0.85<|hdoe/hbdoe|<1.30
    0.01<|Lad/f|<0.30
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系。
  3. 前記レンズ面の非球面形状は、半径方向において中心部から周辺部に向けて連続変化しており、前記レンズ面の周辺部は、中心部よりも強い負の屈折力を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像光学系。
  4. 前記第1レンズ群の物体側から数えて2番目のレンズは正レンズであり、該正レンズの材料のアッベ数をνdanm、前記正レンズの物体側のレンズ面に入射する軸上近軸光線の光軸からの高さをhanm、前記正レンズの物体側のレンズ面に入射する瞳近軸光線の光軸からの高さをhbanm、前記正レンズの焦点距離をfanm、とするとき、
    70<νdanm<100
    0.70<|hanm/hbanm|<0.90
    0.10<fanm/f<0.50
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  5. 前記第1レンズ群は、物体側から像側へ順に、正レンズ、正レンズ、非球面形状のレンズ面を有する負レンズ、負レンズと正レンズとが回折面を介して接合された接合レンズ、より構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  6. 前記第1レンズ群は、物体側から像側へ順に、非球面形状のレンズ面を有する正レンズ、正レンズ、負レンズ、負レンズと正レンズとが回折面を介して接合された接合レンズ、より構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  7. 前記第2レンズ群は、正レンズと負レンズとが接合された接合レンズより構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  8. 前記第3レンズ群は、光軸に対して垂直方向の成分を持つ方向に移動して結像位置を光軸に対して垂直方向に移動させるレンズユニットを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  9. 物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、無限遠物体から至近距離物体へのフォーカシングに際して光軸上を像側に移動する負の屈折力の第2レンズ群、開口絞り、第3レンズ群、より構成される撮像光学系であって、
    前記第1レンズ群は、回折面及び屈折部分を含む回折光学素子と、非球面形状のレンズ面を含む非球面レンズと、を有し、
    前記レンズ面と光軸との交点を原点とし、前記レンズ面の有効半径をh amax 、前記レンズ面のh amax における位置から、原点を含み光軸に垂直な第1平面までの距離をxb、前記レンズ面のh amax /2における位置から前記第1平面までの距離をxa、前記レンズ面のh amax /2における位置と原点とを通過する仮想球面の半径をR、前記仮想球面のh amax における位置から前記第1平面までの距離をxb’、とするとき、
    R=(4×xa +h amax )/(8×xa)
    xb’=R−√(R −h amax )(前記レンズ面が物体側に凸形状の場合)
    xb’=R+√(R −h amax )(前記レンズ面が物体側に凹形状の場合)
    なる式を満足し、
    前記回折光学素子の全体の焦点距離をfgdoe、前記屈折部分の焦点距離をfg、前記回折面の焦点距離をfdoe、無限遠物体にフォーカスしているときの全系の焦点距離をf、レンズ全長をL、とし、
    ΔdbA=xb−xb’
    ΔdbD=(fgdoe−fg)−fdoe
    とするとき、
    1.00×10 −6 <|ΔdbA/ΔdbD|<4.30×10 −6
    5.0<|(fdoe/f)×(L/f)|<20.0
    なる条件式を満足し、
    前記第1レンズ群の物体側から数えて2番目のレンズは正レンズであり、該正レンズの材料のアッベ数をνd anm 、前記正レンズの物体側のレンズ面に入射する軸上近軸光線の光軸からの高さをh anm 、前記正レンズの物体側のレンズ面に入射する瞳近軸光線の光軸からの高さをhb anm 、前記正レンズの焦点距離をf anm 、とするとき、
    70<νd anm <100
    0.70<|h anm /hb anm |<0.90
    0.10<f anm /f<0.50
    なる条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
  10. 請求項1乃至9に記載のいずれか1項の撮像光学系と、該撮像光学系によって形成された像を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
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