JP6069176B2 - 光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置 - Google Patents

光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置に関する。特に、耐久性が高く、光学異方性層の液晶化合物の配向状態が良好で、かつ、液晶表示装置に組み込んだ時のムラの発生しにくい光学補償フィルムに関する。
従来より、光学補償フィルムを製造する方法として、液晶化合物を有機溶剤に溶解させた溶液を作製し、それを塗布、乾燥、硬化することで連続的に製造する方法が用いられている。これらの光学補償フィルムは、液晶の均一な配向性が求められており、配向膜を塗布した支持体上に液晶化合物を塗布し、その後高温で乾燥した後、光や熱により重合、硬化させることで均一な性能を発揮させている。
なかでも、紫外線照射などによる光硬化膜は、光学補償フィルムの生産性の観点で効率の良い手段であり、かつ、光学補償フィルムの耐久性を向上させる手段としても知られている。例えば、特許文献1には、光学異方性層の紫外線照射の際に、加熱(100℃以上)を行い、光硬化する方法が開示されている(特許文献1等)。
また、特許文献2には、支持体上に、配向膜と、液晶性化合物を含む光学異方性層とが少なくともこの順に積層され、光重合開始剤が前記配向膜に含まれ、前記光重合開始剤の最大吸収波長が、前記液晶性化合物の最大吸収波長より少なくとも20nm長いことを特徴とする光学補償フィルムが開示されている。
特開2007−101658号公報 特開2009−098664号公報
ここで、光学補償フィルムの耐久性を向上させるためには、配向膜および光学異方性層を硬化するための紫外線照射時の温度を上げることが考えられる。一方、近年、薄膜化の要求が高くなり、支持体を薄くすることが検討されている。ここで、光学補償フィルムの支持体の厚みを薄くすると、支持体が紫外線照射時の熱に耐えられず変形し、光学補償フィルムにシワが発生することが分かった。このようなシワは、フィルムの表面状態を悪化させ、光学異方性層の液晶化合物の配向が乱れ、液晶表示装置の表示品位を損なうことが分かった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、耐久性が高く、光学異方性層の液晶化合物の配向状態が良好で、かつ、液晶表示装置に組み込んだ時のムラの発生しにくい光学補償フィルムを提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本願発明者が鋭意検討を行った結果、紫外線照射時のフィルム表面の温度を80℃以下とし、紫外線照射の際のフィルム表面の温度とその1秒前のフィルム表面の温度の差を5℃以下とすることにより、シワの発生を抑制することができることを見出した。しかしながら、このような光学補償フィルムは偏光板に組み込んだ時にクラックが発生し、耐久性が劣ることが分かった。この点について、本願出願人は紫外線照射時の温度を低くすることによって、配向膜が十分に硬化されていないことが原因であると考えた。そして、配向膜を従来通り、または、それ以上に硬い膜とすることによって、かかる問題を解決し、本発明を完成させるに至った。
具体的には、以下の手段<1>により、好ましくは、<2>〜<11>により、上記課題は解決された。
<1>厚みが45μm以下の支持体上に、配向膜と、重合性液晶化合物を含む光学異方性層とが少なくともこの順で積層された光学補償フィルムの製造方法であって、
配向膜上に、重合性液晶化合物を含む光学異方性層組成物を層状に適用した後、紫外線を照射する工程を有し、
前記紫外線照射工程では、フィルムの表面の温度を制御しながら加熱する工程を1工程以上有し、
前記紫外線を照射する工程中のフィルムの表面の最高温度が80℃以下であり、
前記紫外線を照射する1工程中のフィルムの表面の最高温度と前記最高温度に達する1秒前のフィルムの表面の温度の温度差が5℃以下であり、
前記光学異方性層が、下記一般式(I)で表される化合物を含む、光学補償フィルムの製造方法。
Figure 0006069176
(一般式(I)中、R1およびR2は、それぞれ、水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。R1およびR2は互いに連結して環を形成してもよい。R3は、脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。)
<2>さらに、前記配向膜が、重合性基を含む高分子化合物および光重合開始剤を含む配向膜組成物を用いて形成したものである<1>に記載の光学補償フィルムの製造方法。
<3>厚みが45μm以下の支持体上に、配向膜と、重合性液晶化合物を含む光学異方性層とが少なくともこの順で積層された光学補償フィルムの製造方法であって、
配向膜上に、重合性液晶化合物を含む光学異方性層組成物を層状に適用した後、紫外線を照射する工程を有し、
前記紫外線照射工程では、フィルムの表面の温度を制御しながら加熱する工程を1工程以上有し、
前記紫外線を照射する工程中のフィルムの表面の最高温度が80℃以下であり、
前記紫外線を照射する1工程中のフィルムの表面の最高温度と前記最高温度に達する1秒前のフィルムの表面の温度の温度差が5℃以下であり、
前記配向膜が、重合性基を含む高分子化合物および光重合開始剤を含む配向膜組成物を用いて形成したものである光学補償フィルムの製造方法。
<4>前記光重合開始剤が、重合性基を含む高分子化合物に対し5〜40質量%含む、<2>または<3>に記載の光学補償フィルムの製造方法。
<5>前記フィルムの表面の最高温度が50℃以下である<1>〜<4>のいずれかに記載の光学補償フィルムの製造方法。
<6>前記紫外線照射工程において、フィルムの表面を制御しながら加熱する工程を連続して2工程以上行うことを特徴とする、<1>〜<5>のいずれかに記載の光学補償フィルムの製造方法。
<7>前記重合性液晶化合物がディスコティック液晶化合物である、<1>〜<6>のいずれかに記載の光学補償フィルムの製造方法。
<8>前記支持体の厚みが30μm以下である、<1>〜<7>のいずれかに記載の光学補償フィルムの製造方法。
<9><1>〜<8>のいずれかに記載の製造方法によって得られた光学補償フィルム。
<10><9>記載の光学補償フィルムを含む、偏光板。
<11><9>に記載の光学補償フィルム、または、<10>に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
耐久性が高く、光学異方性層の液晶化合物の配向状態が良好で、かつ、液晶表示装置に組み込んだ時のムラの発生しにくい光学補償フィルムを提供可能になった。
本発明における光学補償フィルムを製造する工程中で、フィルムの表面の温度を制御しながら紫外線を照射して硬化膜を形成する工程を示す概略図である。 ヒートローラ22と搬送されるフィルム21の温度関係の一例を示した概念図である。 本発明における光学補償フィルムの製造方法の全工程の一例を示す概略図である。 本発明における製造装置に使用することができるワイヤーバー塗布装置の平面図の一例を示す。 本発明における製造装置に使用することができるワイヤーバー塗布装置の断面図の一例を示す。 本発明における製造装置に使用することができる光学異方性層を乾燥する装置の一例を示す。 本発明における製造装置に使用することができる紫外線照射装置の一例を示す。 本発明における製造装置に使用することができる紫外線照射装置の別の例を示す。 本発明における製造装置に使用することができる紫外線照射装置のさらに別の例を示す。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
また、本明細書中、「MD」は、セルロースエステルフィルムの送り出し方向、および「TD」はそれに直交する方向を意味し、長尺状のセルロースエステルフィルムでは、「MD」は長手方向と一致し、「TD」は幅方向と一致する。「MD」および「TD」が特定困難な場合もあるが、その場合は矩形状のフィルムの長辺・短辺の一方をMDおよび他方をTDとして任意に決定し、引張り弾性率を算出するものとする。
また、本明細書において、光学補償フィルムおよび光学異方性層等の各部材の光学特性を示す数値、数値範囲、および定性的な表現(例えば、「同等」、「等しい」等の表現)については、液晶表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値、数値範囲および性質を示していると解釈されるものとする。
本発明の光学補償フィルムの製造方法は、厚みが45μm以下の支持体上に、配向膜と、重合性液晶化合物を含む光学異方性層とが少なくともこの順で積層された光学補償フィルムの製造方法であって、配向膜上に、重合性液晶化合物を含む光学異方性層組成物を層状に適用した後、紫外線を照射する工程を有し、前記紫外線照射工程では、フィルムの表面の温度を制御しながら加熱する工程を1工程以上有し、前記紫外線を照射する工程中のフィルムの表面の最高温度が80℃以下であり、前記紫外線を照射する1工程中のフィルムの表面の最高温度と該最高温度に達する1秒前のフィルムの表面の温度の温度差が5℃以下であり、さらに、下記(1)および/または(2)を満たすことを特徴とする。
(1)前記配向膜が、重合性基を含む高分子化合物および光重合開始剤を含む配向膜組成物を用いて形成したものである;
(2)前記光学異方性層が、下記一般式(I)で表される化合物を含む。
Figure 0006069176
(一般式(I)中、R1およびR2は、それぞれ、水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。R1およびR2は互いに連結して環を形成してもよい。R3は、脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。)
以下、添付図面に従って、本発明の光学補償フィルムの製造方法の好ましい実施の形態について、まず本発明の特徴である光学異方性層固定工程を中心に説明する。
図1は、光学補償フィルムを製造する工程中で、配向膜組成物上に、重合性液晶化合物を含む光学異方性層組成物を層状に適用した後、フィルムの表面の温度を制御しながら紫外線を照射して硬化膜を形成する工程を示している。
本実施形態では、支持体の上に配向膜と光学異方性層組成物が層状に形成されたフィルム21が、3つの加熱ロール22で連続的に加熱されながら紫外線が照射されている。すなわち、フィルムの表面の温度を制御しながら加熱する工程の一態様としては、加熱ロールで加熱する工程が挙げられる。しかしながら、本発明の趣旨を逸脱しない限り、他の方法によって加熱されてもよい。
また、本実施形態では、加熱する工程(加熱ロール)は3工程(3つ)であるが、1工程または2工程でもよく、4工程以上でもよい。好ましくは、2〜5工程である。また、加熱工程を2工程以上有する場合は、該加熱工程が連続的に行われていることが好ましい。連続的にとは、加熱工程と加熱工程の間に、他の工程が入らないことをいう。連続的な工程の一態様としては、図1に示すように、加熱ロール22と加熱ロール22がガイドローラ23を介して続いている態様をいう。
本発明では、さらに、紫外線を照射する工程中のフィルムの表面の最高温度が80℃以下である。このような温度とすることにより、薄い支持体を用いた場合でも、フィルムにシワ故障が生じにくくなる。フィルムの膜面の最高温度は、加熱ロールを用いて加熱する場合、加熱ロールの温度と同じであるとみなすことができる。
本発明におけるフィルム表面の温度は、例えば、放射膜面温度計(アメテック(株)製)等を設置して測定できる。また、フィルムは、加熱ロール側に光学異方性層が形成されていることが好ましい。
紫外線を照射する工程中のフィルムの表面の最高温度は、80℃以下であるが、30〜80℃がより好ましい。また、加熱工程を2工程以上有する場合、最初の加熱工程によってフィルムの表面の最高温度は60℃以下に制御されることが好ましく、50℃以下にすることがさらに好ましい。さらに、最初の加熱工程と最後の加熱工程の間は、直前の加熱工程の加熱温度以上、かつ、直後の加熱工程の加熱温度以下であることが好ましい。
本発明では、紫外線を照射する1工程中のフィルムの表面の最高温度と該最高温度に達する1秒前のフィルムの表面の温度の温度差が5℃以下であることを特徴とする。図2は、加熱ロール22と搬送されるフィルム21の温度関係の一例を示した概念図である。本発明における加熱工程を加熱ロールで行う場合、加熱ロール22とフィルム21が接する点のフィルムの表面の温度T2と、その1秒前のフィルムの表面の温度をT2の温度差(T1−T2)が5℃以下である。このような構成とすることにより、加熱ロール接触前後の温度差による熱膨張による加熱ロール上でのシワ発生をより効果的に抑制できる。加熱工程が2工程以上の場合、いずれか1工程以上の温度差(T1−T2)が5℃以下であればよいが、全ての加熱工程の温度差(T1−T2)が5℃以下であることが好ましい。温度差(T1−T2)は、4℃以下が好ましく、3℃以下がより好ましく、2℃以下がさらに好ましく、実質的に0℃であることが特に好ましい。実質的に0℃とは上述したフィルム表面の温度の測定方法で測定した場合において、有意な差が見出せないことをいう。
フィルム表面の温度差(T1−T2)を5℃以下にする方法としては、加熱ロール間に複数の加熱ロールを設置し徐々に温度を上昇させる方法や、温風を吹付けてフィルム表面温度を調整する方法等を用いることができる
本発明では、このように加熱温度を低くしても、配向膜を従来通り、または、それ以上に硬くしているため、耐久性が高く、光学異方性層の液晶化合物の配向状態が良好で、かつ、液晶表示装置に組み込んだ時のムラの発生しにくい光学補償フィルムを提供できる。従来より低い加熱温度で、配向膜を硬くするための手段については、後述する。
さらに詳細に、本発明の光学補償フィルムの製造方法について説明する。
図3に光学補償フィルムを製造するための製造装置の概略図を示す。フィルムの長尺ロール(フィルムロール)5aから送出機1aにより送り出された支持体4aは、駆動ローラにより搬送され、表面除塵機2により除塵された後、塗布機3により配向膜用組成物(塗布液)が塗布され、乾燥ゾーン5で乾燥され、配向膜がフィルム表面上に形成される。図3では、搬送するフィルムの下側に配向膜が形成されている。
配向膜が形成された支持体4bは、ラビングローラ8、スプリングでローラステージに固定されたガイドローラ6およびラビングローラに備え付けられた除塵機7からなるラビング装置により、ラビング処理が施され、形成された配向膜の表面は、ラビング装置に隣接して設けられた表面除塵機9により除塵される。ラビング装置は、上記以外の公知の装置を使用しても良い。ラビング処理が施された支持体4cは、駆動ローラにより搬送され、配向膜上に、重合性液晶化合物を含む光学異方性層組成物液が塗布機10等により、層状に適用(塗布)される。図3では、搬送するフィルムの下側に光学異方性層が形成されている。次いで、乾燥ゾーン11において、加熱し光学異方性層塗布液中の溶媒を乾燥させ(光学異方性層乾燥工程)、紫外線照射装置12を通過させる(紫外線照射工程)。ここで紫外線照射装置12内は、複数の紫外線ランプを有し、上述の1工程または2工程以上の加熱工程(例えば、加熱ロール)が設けられている。
配向膜および光学異方性層が硬化した支持体は、検査装置13により支持体表面の光学特性が測定され、異状がないかどうか検査が行なわれる。次いで、光学異方性層表面に保護フィルム14がラミネート機15によりラミネートされ、巻き取り機16に巻き取られる。
また、配向膜組成物を塗布後、乾燥し、配向膜を形成した支持体4bを巻き取り、この巻き取りフィルムを用いて、光学補償フィルムを作製して巻き取るまでの工程を連続的に、一貫生産で行うこともできる。この場合、配向膜が形成された支持体4bは、フィルムロールから送出機により送り出され、ラビング工程以下の工程が図3と同様の装置により行われる。
上記支持体4aを送り出しする際、および、配向膜を有する支持体4bを送り出しする際に使用される送出機としては、一般にプラスチックフィルムの送り出しに使用されているものを使用することができる。具体的には、特開平9−73081号公報に記載されている送出機を用いることができる。
また、支持体上に配向膜組成物を適用(塗布)する工程、層状の配向膜組成物を乾燥する工程、配向膜が形成された支持体にラビング処理を行う工程、配向膜表面を除塵する工程についても、特開平9−73081号公報に記載された方法、装置により行うことができる。
配向膜上に液晶化合物を含む光学異方性層塗布液を塗布する光学異方性層組成物の塗布工程について、図4および図5を参照しながら詳しく説明する。なお、ワイヤーバー塗布装置の例で説明するが、この塗布装置に限定されず、各種の塗布装置を使用することが可能である。図4はワイヤーバー塗布装置の平面図、図5はワイヤーバー塗布装置の断面図である。ワイヤーバー61は、両端でベアリング63により支持され、またそのベアリングの間にある部分は、バックアップ62で支持されている。バーの端部はカップリング64でモータ65に連結されている。光学異方性層組成物は、供給口69Aから送られ、一次側液溜り66、更に連結管76を経て二次側液溜り67に充填される。一次側液溜り66と二次側液溜り67の液面は、液面規制板72により規制され、オーバーフローした液は、オーバーフロー液溜り68を介して排出液口69Bから排出される。排出された塗布液は、粘度調整室75で、塗布液を加える、必要により溶剤を加えることにより適当な粘度に調整され、ポンプ77で送液されながら、フィルタ73でろ過され後再び供給口69Aに送られる。フィルタ73の前で密度計が配置されており、この情報を基に粘度調整が行なわれるようにされている。塗布は、搬送される配向膜を有するフィルム74aの配向膜面に、ワイヤーバー61を接触あるいは塗布液を介して接触することにより行なわれる。ワイヤーバー61は、一般に直径5〜20mmのロッドに直径20〜150μmのワイヤを密に巻付けたもので、これをフィルム74aの搬送方向と同方向に、且つ搬送速度とほぼ同速度で回転させ、一次側液溜り66から引き揚げられた塗布液をフィルム74aに接触させることにより塗布が行なわれる。
光学異方性層を乾燥して光学異方性層中の溶媒を蒸発させる光学異方性層乾燥工程を、図6を参照しながら詳しく説明する。なお、乾燥装置は図6に記載の乾燥装置に限定されず、各種の乾燥装置を使用することが可能である。塗布手段81で塗布された光学異方性層を有する支持体84が、整流板82に沿って乾燥ゾーン86に搬送され、更に加熱ゾーン89に搬送される。塗布直後からの数秒ないし数分は、光学異方性層中の溶媒含有量の減少が時間に比例する恒率乾燥期間(化学工学辞典、707〜712頁、丸善株式会社発行、昭和55年10月25日)であり、この期間に、不均一に風が当たったり、不均一に加熱された場合、光学異方性層の膜厚が不均一となり、最終的に得られる光学異方性層の配向にムラが生ずるとの問題がある。このため、塗布直後から加熱ゾーン89に入るまでは、光学異方性層にできるだけ風を当てることは好ましくなく、整流板を過ぎた後の乾燥ゾーン86の金網85aから塗布室給気口83aからの風(ほぼフィルムの搬送速度と同じ風力、風向の風)が導入される。塗布室給気口83aからの風は、塗布室排気口83bから排気されると共に、金網85aから多孔板88および金網85bを介して排気孔87から排気される。また、整流板とフィルムの間隙は1〜50mmが一般的である。整流板の長さは、1〜10mが好ましい。乾燥ゾーン86の温度は、室温〜50℃が好ましい。乾燥ゾーン86に導入される風は、0.01〜0.6m/秒が一般的である。乾燥ゾーン86にて低温で乾燥を行った後、加熱ゾーン89にて乾燥温度を上昇させ、乾燥を行う。加熱乾燥を塗布面側から行うと、光学異方性層の表面がまず乾燥するため、表面の液晶分子が配向膜からの配向規制を受けることなく配列し、層全体として液晶分子の配向ムラが起こる。このため、加熱ゾーン89では、支持体の両側に設けられた熱風吹き出し口89aから熱風が吹き出し、支持体の両側に熱風が当たるようにされていてもよいし、塗布面若しくは裏面の片側から風を吹いてもよい。加熱温度は光学異方性層の温度が120℃以上140℃以下とすることが好ましい。
上記のようにして得られた配向膜と光学異方性層を有する支持体は、硬化手段である紫外線照射装置12に搬送され、配向膜および光学異方性層に紫外線が照射される。紫外線照射装置12内は、例えば図7に示すように、紫外線ランプ102、個別に温度調節可能な加熱ロール104、106から形成される。
紫外線照射装置12内に搬送された支持体は、加熱ロール104に巻かれて固定された状態で、ロール上に設けられた紫外線ランプ102を通過する。
次に、支持体は、加熱ロール106に巻かれて固定された状態で、ロール上に設けられた紫外線ランプ102を通過する。この際、加熱ロール104、106の加熱温度が高すぎると紫外線ランプによる紫外線照射時に支持体にシワが発生してしまう。また、加熱ロール104、106とロール前後のフィルム膜面温度の温度差が大きすぎると加熱ロール上でシワが発生してしまう。
支持体上に発生するシワを抑制するためには、加熱ロールの最大温度(図2のT1)は、80℃以下に設定している。加熱ロール前後のフィルム膜面温度の温度差(図2のT2)は、最大温度差で5℃以下である。
図9は、紫外線照射装置の別の実施形態を示す。図9に示す紫外線照射装置120は、乾燥ゾーン11および各ゾーン122a、122bが仕切り板により分かれて構成されている点が図8の紫外線照射装置100と異なっている。また、また、加熱ゾーン122b内では紫外線ランプを有さない加熱ロール106を搬送させることで、紫外線ランプを有する加熱ロール116に搬送する前のフィルム膜面温度を調整することができる。
このようにして形成された光学補償フィルムは、検査装置13により光学特性が測定され、異常がないかどうか検査が行われる。次いで、光学異方性層表面に保護フィルム14がラミネート機15によりラミネートされ、巻き取り装置に巻き取られる。
上述のとおり、本発明では従来よりも低い温度で、配向膜を従来通り、または、それ以上に硬化させている。以下に、その好ましい態様について述べる。
<第1の実施形態>
第1の実施形態は、配向膜を重合性基を含む高分子化合物および光重合開始剤を含む配向膜組成物を用いて形成することが挙げられる。この場合の重合開始剤の配合量としては、重合性基を含む高分子化合物に対し5〜40質量%含むことが好ましく、8〜20質量%含むことがより好ましい。このような構成とすることにより、配向膜の硬化を促進し、加熱温度を低くしても、硬い硬化膜を形成できる。
<<重合性基を有する高分子化合物>>
本発明で用いる配向膜組成物に含まれる重合性基を有する高分子化合物としては、ラジカル重合性基を有する高分子化合物が例示される。該ラジカル重合性基の例としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アリル基、ビニルベンジル基、ビニルエーテル基、ビニルアルキルシリル基、ビニルケトン基、及びイソペニル基等が挙げられる。これらの中でもアクリロイル基、及びメタクリロイル基が好ましい。
また、上記高分子化合物は、それ自体架橋可能なポリマー又は架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができ、これらの組み合わせを複数使用することもできる。ポリマーの例として、例えば特開平8−338913号公報の段落番号0022記載の化合物が挙げられる。
該高分子化合物の例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール、及び変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカーボネート等のポリマー、及びシランカップリング剤等の化合物が挙げられる。
上記高分子化合物の中でも、水溶性高分子化合物のポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、及び後述する変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーが好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコール、及び変性ポリビニルアルコールがより好ましく、ポリビルアルコールが更に好ましく、変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。
重合性基を有する高分子化合物の具体例としては、特開平9−152509号公報の段落番号[0071]〜[0095]に記載のもの等が挙げられる。
重合性基を有する高分子化合物の配合量は、通常、配向膜組成物の固形分の80質量%以上である。
<<光重合開始剤>>
第1の実施形態で用いる配向膜組成物に用いられる光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤を用いることができる。例えば、光の作用によりラジカルを発生させる光重合開始剤の例としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等が好ましい。これらの詳細は、例えば、特開2012−067272号公報の段落番号0223に記載の各化合物を採用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
第1の実施形態における配向膜組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の添加剤を含んでいても良い。具体的には、溶剤、増感剤、架橋剤、可塑剤等が例示される。
その他、本発明における配向膜の形成方法・材料・ラビング方法等については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、特開2008−250314号公報の段落0080〜0102記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明における配向膜の厚さは、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜1μmがより好ましい。
第1の実施形態の配向膜を形成した場合の光学異方性層は、重合性液晶化合物を含む光学異方性層組成物を用いて形成することができる。光学異方性層組成物は上記配向膜の表面に適応(通常は塗布)され、該重合性液晶化合物は、上記配向膜のラビング方向に従って配向し、固定される。
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物でもディスコティック液晶化合物でもよいが、ディスコティック液晶化合物が好ましい。重合性基を有する液晶化合物の例としては、特開2012−150428号公報の段落番号0048〜0113の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、光学異方性層組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の添加剤を含んでいても良い。具体的には、配向制御剤、重合開始剤、増感剤等が例示される。
光学異方性層の詳細は、特開2008−250314号公報の段落番号0103〜0205の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。さらに、後述する第二の実施形態の光学異方性層も好ましく採用することができる。
光学異方性層組成物の固形分のうち、主成分は重合性液晶化合物であり、通常、重合性液晶化合物が80質量%以上を占める。
本実施形態における光学異方性層の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、光学異方性層組成物にボロン酸を配合する方法である。ボロン酸は、配向膜の中に拡散し、配向膜の硬化を助ける。
<<ボロン酸化合物>>
本発明に用いられるボロン酸化合物として好ましくは、下記一般式(I)で表され、以下一般式(I)で表される化合物に付いて詳細に説明する。
Figure 0006069176
一般式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の、脂肪族炭化水素基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20(置換基の炭素数を含まない。)の置換もしくは無置換の直鎖若しくは分岐のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基等)、炭素数3〜20(置換基の炭素数を含まない。)の置換もしくは無置換の環状アルキル基(例えば、シクロヘキシル基等)、炭素数2〜20(置換基の炭素数を含まない。)のアルケニル基(例えば、ビニル基等)が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜20(置換基の炭素数を含まない。)の置換若しくは無置換のフェニル基(例えば、フェニル基、トリル基など)、炭素数10〜20(置換基の炭素数を含まない。)の置換若しくは無置換のナフチル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては例えば、少なくとも一つのヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等)を含む、置換若しくは無置換の5員もしくは6員環の基であり、例えば、ピリジル基、イミダゾリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基等が挙げられる。
1及びR2は互いに連結して環を形成しても良く、例えば、R1及びR2のイソプロピル基が連結して、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン環を形成しても良い。
一般式(I)中、R1及びR2として好ましくは、水素原子、炭素数1〜3(置換基の炭素数を含まない。)の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R1及びR2が連結して環を形成した場合であり、最も好ましくは、水素原子である。
一般式(I)中、R3は、置換若しくは無置換の、脂肪族炭化水素基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜30(置換基の炭素数を含まない。)の置換若しくは無置換の直鎖若しくは分岐のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、n−プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−メチルヘキシル基等)、炭素数3〜20(置換基の炭素数を含まない。)の置換若しくは無置換の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−ノルボルニル基等)、炭素数2〜20(置換基の炭素数を含まない。)のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基等)が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜50(置換基の炭素数を含まない。)の置換若しくは無置換のフェニル基(例えば、フェニル基、トリル基、スチリル基、4−ベンゾイルオキシフェニル基、4−フェノキシカルボニルフェニル基、4−ビフェニル基、4−(4−オクチルオキシベンゾイルオキシ)フェノキシカルボニルフェニル基等)、炭素数10〜50(置換基の炭素数を含まない。)の置換若しくは無置換のナフチル基等(例えば、無置換ナフチル基等)が挙げられる。
ヘテロ環基としては例えば、少なくとも一つのヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等)を含む、置換もしくは無置換の5員もしくは6員環の基であり、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、インドール、カルバゾール、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、チアナフテン、ジベンゾチオフェン、インダゾールベンズイミダゾール、アントラニル、ベンズイソオキサゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、プリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、キノリン、アクリジン、イソキノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキザリン、ナフチリジン、フェナントロリン、プテリジン、モルホリン、ピペリジン等の基が挙げられる。
更に、これらの脂肪族炭化水素基、アリール基、およびヘテロ環基含まれる炭化水素基は任意の置換基によって1個以上置換されていてもよい。置換基としては水素を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N'−アルキルウレイド基、N',N'−ジアルキルウレイド基、N'−アリールウレイド基、N',N'−ジアリールウレイド基、N'−アルキル−N'−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N'−アルキル−N−アルキルウレイド基、N'−アルキル−N−アリールウレイド基、N',N'−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N',N'−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N'−アリール−N−アルキルウレイド基、N'−アリール−N−アリールウレイド基、N',N'−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N',N'−ジアリール−N−アリールウレイド基、N'−アルキル−N'−アリール−N−アルキルウレイド基、N'−アルキル−N'−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(aryl))及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(aryl))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(−Si(Oalkyl)3)、アリーロキシシリル基(−Si(Oaryl)3)、ヒドロキシシリル基(−Si(OH)3)及びその共役塩基基、ホスホノ基(−PO32)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基、ホスホノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。また、これらの置換基は、可能であるならば置換基同士、または置換している炭化水素基と結合して環を形成してもよい。
一般式(I)中のR3として好ましくは、炭素数6〜40(置換基の炭素数を含まない。)の置換若しくは無置換アリール基であり、より好ましくは、少なくとも一つ以上のアリール基若しくはヘテロ環基を含む置換基を有するフェニル基であり、更に好ましくは、2〜4個のフェニル基を含む置換基が4位に置換したフェニル基である。
また、一般式(I)で表されるボロン酸化合物が、架橋性基で置換されていると、支持体と光学異方性層との密着性が改善されるので好ましい。R3中に架橋性基が含まれるのが好ましい。架橋性基は一般的には重合性基であり、例えば、ビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、スチリル基、ビニルケトン基、ブタジエン基、ビニルエーテル基、オキシラニル基、アジリジニル基、オキセタン基等の重合性基が挙げられ、好ましくはビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、スチリル基、オキシラニル基もしくはオキセタン基であり、最も好ましくはビニル基、アクリレート基、アクリルアミド基、スチリル基である。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006069176
Figure 0006069176
Figure 0006069176
また、一般式(I)におけるR2の末端もボロン酸基B−(OR)2となる構成をとってもよい。
ボロン酸化合物は、一般に市販のボロン酸化合物をそのまま用いたり、置換基を有するボロン酸化合物を原料として、エステル化、アミド化、アルキル化など一般的な合成反応を施す事によって容易に合成する事が出来る。また、市販のボロン酸化合物を用いない場合には、例えば、ハロゲン化物(例えばアリールブロマイド等)からn−ブチルリチウムとトリアルコキシボラン(例えばトリメトキシボラン等)によって合成したり、金属マグネシウムを用いたWittig反応を施す事で合成することができる。
一般式(I)で表される化合物は、光学異方性層の重合性液晶化合物に対し、0.01〜5質量%の範囲で配合されることが好ましく、0.05〜1質量%の範囲で配合されることがより好ましい。
また、本発明では光学異方性層に対してボロン酸化合物を添加しているが、配向膜塗布組成物中に溶解できれば、配向膜塗布組成物中に添加してもよい。配向膜塗布組成物中に添加する際は、重合性基を含む高分子化合物に対し、0.01〜5質量%の範囲で配合されることが好ましく、0.0 5〜1質量%の範囲で配合されることがより好ましい。
第2の実施形態では、光学異方性層は、一般式(I)で表される化合物および重合性液晶化合物を含む光学異方性層組成物を配向膜表面に適用(通常は塗布)して形成することができる。
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物でもディスコティック液晶化合物でもよいが、ディスコティック液晶化合物が好ましい。重合性基を有する液晶化合物の例としては、特開2012−150428号公報の段落番号0048〜0113の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、光学異方性層組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の添加剤を含んでいても良い。具体的には、配向制御剤(特に、フッ素系ポリマー)、重合開始剤、増感剤等が例示される。光学異方性層の詳細は、特開2008−250314号公報の段落番号0103〜0205の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
光学異方性層組成物の固形分のうち、主成分は重合性液晶化合物であり、通常、重合性液晶化合物が80質量%以上を占める。
本実施形態における光学異方性層の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
第2の実施形態における配向膜は公知の配向膜を採用することができる。好ましくは、重合性基を含む高分子化合物および光重合開始剤を含む配向膜組成物を用いて形成することが挙げられる。重合開始剤の配合量としては、重合性基を含む高分子化合物に対し0.05〜30質量%、さらには、0.05〜5質量%とすることができる。また、第一の実施形態で用いた配向膜のように、重合性基を含む高分子化合物に対し5〜40質量%含む態様とすることも好ましい。
重合性基を有する高分子化合物の詳細は、第一の実施形態と同じであり、好ましい範囲も同じである。光重合開始剤についても、配合量を除けば、第一の実施形態と同じであり、好ましい範囲も同じである。その他の配向膜の詳細も、第一の実施形態と同じである。
他の配向膜を硬化させる手段としては、重合性基を有した他官能モノマーを添加する方法、酸素の弊害を抑制するため窒素雰囲気化で紫外線照射する等の公知の手段を組み合わせてもよい。
<支持体>
本発明における光学補償フィルムは、支持体(通常、透明支持体)を有する。本発明で用いる支持体は、厚さが45μm以下であれば特に定めるものではなく、公知の支持体を用いることができる。ここでの厚さは、平均厚さをいう。支持体の厚さは、30μm以下であることがより好ましい。支持体の厚さの下限値は特に定めるものではないが、例えば、10μm以上、さらには、20μm以上とすることができる。
本発明で用いる支持体(好ましくは、セルロースエステルフィルム)は、支持体の縦方向および横方向引張り弾性率(ロールトゥロールで製造する場合は、支持体の搬送方向(MD)および搬送方向と直交する方向(TD)の双方の引張弾性率)が、それぞれ、4.0GPa以上であることが好ましく、4.5GPa以上であることがより好ましい。本発明者らが鋭意検討した結果、支持体の引張り弾性率が小さいと、後工程でのハンドリング性が悪化し、シワ等の故障が発生しやすい傾向にあることがわかった。また、光学異方性層の硬度に影響を与え、引張り弾性率が小さいと硬度が顕著に低くなることがわかった。本発明では、縦方向および横方向の平均値が高い引張り弾性率を有する支持体(好ましくは、セルロースエステルフィルム)を支持体に用いることで、薄い支持体でもシワなどの面状故障を生じることなく搬送でき、光学異方性層の積層を行うことができる。さらに、支持体上への光学異方性層の積層の際に支持体の膜厚を中央部に対して厚くすることで、光学異方性層の均一性、傷等の面状故障を抑制することが出来る。
支持体の縦方向および横方向の引張り弾性率の上限は特に定めるものではないが、例えば、それぞれ、6.0GPa以下、さらには、5.0GPa以下とすることができる。
引張り弾性率を上記値とするための方法として、例えば、セルロースエステルフィルムの製造において、流延時および流延によって形成された膜を搬送する際に、MDに負荷をかけることで、および/または延伸処理を施すことによって、上記範囲に調整することができる。延伸処理は、MDおよびTDのいずれか一方向に行ってもよいし、双方の方向に2軸延伸してもよい。2軸延伸が好ましい。延伸は1段で実施しても、多段で実施してもよい。また、引張り弾性率は、使用するセルロースエステルの種類やアシル置換度を調整したり、添加剤、例えば後述する糖エステルの種類を選択することで、またはその割合を調整したりすることで、上記範囲に調整することができる。
なお、支持体(好ましくは、セルロースエステルフィルム)の引張り弾性率は、東洋ボールドウィン(株)製万能引っ張り試験機"STM T50BP"を用い、23℃、相対湿度60%雰囲気中、引張り速度10%/分で0.5%伸びにおける応力を測定し、求めることができる。
本発明における膜厚分布は支持体(フィルム)幅方向の最大膜厚と最小膜厚の差であり、膜厚差が2μm以上ある態様とすることもできる。一方で膜厚差が大きいと支持体(フィルム)物性の均一性が悪化し、さらにロール保管時に膜厚の大きなところに応力が集中する場合があり、故障が生じやすくなる場合がある。従って、膜厚差を設ける場合、2〜5μmの範囲とすることが例示される。さらに、光学異方性層は幅方向中央部に積層されるため、膜厚最大部の幅方向位置としてはフィルム幅方向の中心部から600mm以上外側にあることが好ましい。
本発明における支持体は、支持体の両表面における動摩擦係数が0.3〜3.5であることが好ましい。
前記動摩擦係数が0.3以上であれば支持体フィルムの搬送時のキシミを改善でき、ハンドリング適性を改善することができる。また、前記動摩擦係数が3.5以下であれば支持体フィルム搬送時の滑り性を改善でき、ハンドリング適性を改善することができる。
前記動摩擦係数は、0.3〜3.0以下であることが好ましく、0.3〜2.0であることがより好ましい。特に動摩擦係数が3.0以下であると、顕著にハンドリング適性が改善されるため好ましい。
本明細書中、動摩擦係数は、フィルム試料100mm×200mmおよび75mm×100mmの試料を23℃、相対湿度65%、2時間調湿し、テンシロン引張試験機(RTA−100、オリエンテック(株)製)にて大きいフィルムを台の上に固定し、200gの重りを付けた小さいフィルムを載せた。重りを水平方向に引張り、動いている時の力Fを測定し、下記式より動摩擦係数μkを算出した。
F=μk×W(W:重りの重さ(Kgf))
支持体は、Re(λ)は0〜10nmが好ましく、0〜8nmがより好ましく、3〜5nmがさらに好ましい。Rth(λ)は、0〜100nmが好ましく、10〜60nmがより好ましく、20〜45nmがさらに好ましい。波長は、可視光域(λ=550nm)での値である。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、および厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH、またはWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。測定されるフィルムが、1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。なお、この測定方法は、後述する光学異方性層中のディスコティック液晶分子の配向膜側の平均チルト角、その反対側の平均チルト角の測定においても一部利用される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、またはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、またはWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、および入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、および式(III)よりRthを算出することもできる。
式(A):
Figure 0006069176
なお、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。また、式(A)におけるnxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは、面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nxおよびnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚を表す。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d・・・・・・・・式(III)
測定されるフィルムが、1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により、Rth(λ)は算出される。Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、またはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−50°から+50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。また、上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本発明に使用可能な支持体を形成する材料としては、光学性能透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるポリマーが好ましく、例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は前記ポリマーを混合したポリマーも例としてあげられる。また本発明における高分子フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、前記支持体を形成する材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることが出来る。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等があげられる。
また、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂も好ましい。
また、前記支持体を形成する材料としては、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロースエステルフィルムを好ましく用いることが出来る。
<セルロースエステル>
本発明における光学補償フィルムに用いる支持体は、セルロースエステルフィルムが好ましい。セルロースエステルフィルムは、セルロースアシレートを主成分として含有するのが好ましい。本発明で用いるセルロースアシレートは、特に制限はない。その中でも、アセチル置換度が2.70〜2.95のセルロースアシレートを用いることが好ましい。アセチル置換度が2.7以上であると、後述する条件を満たす糖エステル(例えば、特定の置換度のスクロースベンゾエートなど)との相溶性が良好であり、フィルムが白化しにくいため好ましい。さらに、透明性に加えて、透湿度や含水率が良好となるため好ましい。また、偏光板耐久性やフィルム自体の湿熱耐久性も良好となるため好ましい。一方、置換度が2.95以下であることが光学性能の観点で好ましい。
前記セルロースアシレートのアセチル置換度は、2.75〜2.90であることがさらに好ましく、2.82〜2.87であることが特に好ましい。
なお、総アシル置換度の好ましい範囲も、前記アセチル置換度の好ましい範囲と同様である。
なお、アシル基の置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法に準じて測定することができる。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。
セルロースの水酸基に置換する炭素原子数2〜22のアシル基のうち、炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく特に限定されず、単一でも2種類以上の混合物でもよい。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、へプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることが出来る。これらの中でも、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブタノイルがより好ましい。
本発明に使用されるセルロースアシレートは、置換基がアセチル基であるものが好ましい。
また、混合脂肪酸セルロースアシレートを用いてもよく、該混合脂肪酸セルロースアシレートとしては、具体的には、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートが挙げられる。
セルロースアシレートの合成方法の基本的な原理は、右田他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)に記載されている。代表的な合成方法は、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相酢化法である。
前記セルロースアシレートを得るには、具体的には、綿花リンタや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却したカルボン酸化混液に投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。上記カルボン酸化混液は、一般に溶媒としての酢酸、エステル化剤としての無水カルボン酸および触媒としての硫酸を含む。無水カルボン酸は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが普通である。エステル化反応終了後に、系内に残存している過剰の無水カルボン酸の加水分解およびエステル化触媒の一部の中和のために、中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)の水溶液を添加する。次に、得られた完全セルロースアシレートを少量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下で、50〜90℃に保つことによりケン化熟成し、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和することなく水または希硫酸中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または希硫酸を投入)してセルロースアシレートを分離し、洗浄および安定化処理を行う等して、前記の特定のセルロースアシレートを得ることができる。
前記セルロースアシレートの分子量は数平均分子量(Mn)で40001〜200010のものが好ましく、100010〜200010のものが更に好ましい。本発明で用いられるセルロースアシレートはMw/Mn比が4.0以下であることが好ましく、更に好ましくは1.4〜2.3である。
本発明において、セルロースアシレート等の平均分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、国際公開WO2008−126535号パンフレットに記載の方法により、その比を計算することができる。
前記セルロースエステルフィルムは、主成分であるセルロースアシレートとともに、少なくとも1種の可塑剤、微粒子、紫外線吸収剤、レターデーション上昇剤等を含有していてもよい。
<<可塑剤>>
本発明に用いられる可塑剤としては、セルロースエステルの可塑剤として知られる多くの化合物も有用に使用することができる。可塑剤としては、リン酸エステルもしくはカルボン酸エステル、糖エステル、重縮合エステル糖が例示され、リン酸エステルもしくはカルボン酸エステル、または、糖エステルが好ましい。または、バルビツール酸誘導体も好ましい。
可塑剤の配合量は、セルロースエステルに対し、2〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
<<<リン酸エステルまたはカルボン酸エステル>>>
可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ビフェニルジフェニルホスフェート(BDP)、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
可塑剤は、一般的に、フィルムの弾性率を低下させるものであるので、用いる可塑剤の種類および添加量の調整は重要である。上記リン酸エステルまたはカルボン酸エステルに代わり、糖エステルおよび重縮合オリゴマー系可塑剤を低添加量で添加すると、引張り弾性率の上昇に寄与するので好ましい。中でも、芳香族基を有する糖エステルおよび重縮合オリゴマー系可塑剤が好ましく、糖エステルがより好ましい。例えば、糖エステルを含むセルロースエステルフィルムを、延伸処理(好ましくは二軸延伸処理)することにより、MDおよびTDの引張り弾性率を上昇させることができる。
<<<糖エステル>>>
本発明に使用可能な糖エステルは、単糖類のエステルであっても多糖類のエステルであってもよい。単糖類または2〜4多糖類のエステルであるのが好ましく、単糖類または2もしくは3多糖類のエステルであるのがより好ましく、2糖類のエステルであることが特に好ましい。糖類(単糖および多糖のいずれも含む意味)には、一分子中に複数のOH基が存在するが、その全てがエステル基で置換されている必要はない。特に芳香環を含む基を有するエステル基で置換された糖エステルは、未置換のOH基が残存しているほうが、セルロースアシレートとの相溶性や弾性率の上昇効果の観点で好ましい。
前記糖エステルとしては、複数の化合物の混合物を用いることも好ましい。前記糖エステルとしては、置換基の種類が同一であり、かつ、エステル置換度が異なる複数の糖エステル化合物の混合物がより好ましい。前記エステル置換度が異なる複数の糖エステル化合物の平均エステル置換度は特に制限はなく、無置換体が含まれていてもよい。
なお、置換基の種類が同一であり、かつ、エステル置換度が異なる糖エステル化合物の混合物における「平均エステル置換率」は、下記式
平均エステル置換率=100%×(混合物中の各糖エステルの含有率)×(混合物中の各糖エステル一分子中のエステル化されたOHの数)/(無置換糖の一分子中のOHの総数)
によって算出でき、上記式中の「混合物中の各糖エステルの含有率」は、HPLC測定し、ピーク面積の比率から算出することができる。
なお、本明細書では、単糖類および多糖類には、これらの糖類から誘導される、グルコン酸のような糖残基を構造として含む糖誘導体も含まれ、これらのエステル体を用いてもよい。グルコン酸のようなカルボキシル基を有する糖誘導体のエステル体では、母核となる糖類の一分子中のOH基のみならず、COOH基もエステル置換可能であるので、当該糖誘導体のエステル体の平均エステル置換率については、COOH基に対するエステル置換も前記平均エステル置換率の算出時には勘案するものとする。
前記糖エステル中には、糖エステルを構成する単糖または多糖由来の構造(以下、糖残基とも言う)が含まれる。前記糖残基の単糖当たりの構造を、糖エステルの構造単位と言う。前記糖エステルの構造単位は、ピラノース構造単位またはフラノース構造単位を含むことが好ましく、全ての糖残基がピラノース構造単位またはフラノース構造単位であることがより好ましい。また、前記糖エステルが多糖から構成される場合は、ピラノース構造単位またはフラノース構造単位をともに含むことが好ましい。
前記糖エステルの糖残基は、5単糖由来であっても6単糖由来であってもよい。
本発明では、前記糖エステルはヒドロキシル基の少なくとも1つがエステル化されたピラノース構造単位またはフラノース構造単位を1〜3個含む糖エステルであることがより好ましく、ヒドロキシル基の少なくとも1つがエステル化されたピラノース構造単位またはフラノース構造単位を2個含む糖エステルであることがより好ましい。
前記単糖または2〜4多糖類の例としては、特開2012−233191号公報の段落番号0105に記載の糖類が例示され、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
好ましくは、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、トレハロース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、スクラロース、キシリトール、ソルビトールであり、さらに好ましくは、アラビノース、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、スクロースであり、特に好ましくは、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、スクロース、キシリトール、ソルビトールである。
前記糖エステルのエステル基−OC(=O)Rについては特に制限はない。Rは、脂肪族基であってもよく、また芳香族基であってもよい。脂肪族基は、置換基を有していてもよい。また芳香族基はヘテロ環系であっても炭化水素系であってもよい。さらに、一分子中に互いに異なる2以上のエステル置換基を有していてもよい。さらに、互いに異なるエステル置換基を有する2種以上の糖エステルを使用してもよい。
前記糖エステルのエステル基−OC(=O)Rを構成しているアシル基−C(=O)Rの好ましい例には、炭素原子数1〜22、より好ましくは炭素原子数2〜12、特に好ましくは炭素原子数2〜8の脂肪族または芳香族アシル基が含まれ、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基、トルイル基、フタリル基が含まれる。中でも、少なくともベンゾイル基を有する糖エステルを少なくとも1種用いるのが好ましい。
また、本発明に使用可能な糖エステルは、エステル基とともに、OH基のHが、アシル基−C(=O)R以外の置換基で置換された置換基を有していてもよい。当該置換基を−OXとして表すと、Xの例には、アルキル基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、2−シアノエチル基、ベンジル基など)、アリール基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは6〜18、特に好ましくは6〜12のアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基)、アミド基(好ましくは炭素数1〜22、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアミド、例えばホルムアミド基、アセトアミド基など)、イミド基(好ましくは炭素数4〜22、より好ましくは炭素数4〜12、特に好ましくは炭素数4〜8のアミド基、例えば、スクシイミド基、フタルイミド基など)が含まれる。
本発明に使用する糖エステルは、置換基としてエステル基−OC(=O)Rのみを有し、一部に置換されていないOH基が残存している糖エステルが好ましい。
本発明に用いられる前記糖エステルの好ましい例には、下記一般式(1)で表される構造を有する糖エステルが好ましい。
一般式(1) (OH)p−G−(L1−R11q(O−R12r
一般式(1)中、Gは糖残基を表し、L1は−O−、−CO−、−NR13−のいずれか
一つを表し、R11は水素原子または一価の置換基を表し、R12はエステル結合で結合した一価の置換基を表す。p、qおよびrはそれぞれ0以上の整数を表し、p+q+rは前記Gが環状アセタール構造の無置換の糖類であると仮定した場合のヒドロキシル基の数と等しい。
前記Gの好ましい範囲は、前記糖残基の好ましい範囲と同様である。
前記L1は、−O−または−CO−であることが好ましく、−O−であることがより好ましい。前記L1が−O−である場合は、エーテル結合またはエステル結合由来の連結基であることが特に好ましく、エステル結合由来の連結基であることがより特に好ましい。
また、前記L1が複数ある場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
11およびR12の少なくとも一方は芳香環を有することが好ましい。
特に、前記L1が−O−である場合(すなわち前記糖エステル中のヒドロキシル基にR11、R12が置換している場合)、前記R11、R12およびR13は置換または無置換のアシル基、置換または無置換のアリール基、あるいは、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアミノ基の中から選択されることが好ましく、置換または無置換のアシル基、置換または無置換のアルキル基、あるいは置換または無置換のアリール基であることがより好ましく、無置換のアシル基、置換または無置換のアルキル基、あるいは、無置換のアリール基であることが特に好ましい。
また、前記R11、R12およびR13がそれぞれ複数ある場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記pは0以上の整数を表し、好ましい範囲は後述する単糖ユニット当たりのヒドロキシル基の数の好ましい範囲と同様である。
前記rは前記Gに含まれるピラノース構造単位またはフラノース構造単位の数よりも大きい数を表すことが好ましい。
前記qは0であることが好ましい。
また、p+q+rは前記Gが環状アセタール構造の無置換の糖類であると仮定した場合のヒドロキシル基の数と等しいため、前記p、qおよびrの上限値は前記Gの構造に応じて一意に決定される。
前記糖エステルの入手方法としては、市販品として(株)東京化成製、アルドリッチ製等から商業的に入手可能であり、もしくは市販の炭水化物に対して既知のエステル誘導体化法(例えば、特開平8−245678号公報に記載の方法)を行うことにより合成可能である。
前記糖エステルは、数平均分子量が、好ましくは200〜3500、より好ましくは200〜3000、特に好ましくは250〜2000の範囲が好適である。
以下に、本発明で好ましく用いることができる前記糖エステルの具体例を挙げるが、本発明は以下の態様に限定されるものではない。
以下の構造式中、Rはそれぞれ任意の置換基を表し、複数のRは同一であっても、異なっていてもよい。ClogP値とは、1−オクタノールと水への分配係数Pの常用対数logPを計算によって求めた値である。ClogP値の計算には、Daylight Chemical Information Systems社のシステム:PCModelsに組み込まれたCLOGPプログラムを用いた。
Figure 0006069176
Figure 0006069176
Figure 0006069176
Figure 0006069176
Figure 0006069176
Figure 0006069176
前記糖エステルは、主成分であるセルロースアシレートに対し2質量%以上25質量%未満含有することが、好ましく、5〜20質量%含有することがより好ましく、5〜15質量%含有することが特に好ましい。
本発明では、置換基が同一であり、かつ、エステル置換度が異なる糖エステル化合物を複数含み、前記エステル置換度が異なる複数の糖エステル化合物の平均エステル置換度が62%〜94%であることが好ましい。前記置換基が同一であり、かつ、エステル置換度が異なる糖エステル化合物としては、芳香環を含む基を有するエステル基で置換された糖エステルを用いるのが好ましく、ベンゾイル基を有するエステル基で置換された糖エステルを用いるのがより好ましく、平均エステル置換率が62%〜94%の該糖エステルを用いるのが特に好ましい。
なお、前記糖エステル化合物が2糖類である場合、エステル化された置換基の数の平均値は5〜7.5個であることが好ましく、エステル化された置換基が6〜8個の高置換体の含有率が80%以下であり、エステル化された置換基が3〜4個の置換体の含有率が5〜30%であることがより好ましいこととなる。
また、他の好ましい態様は、芳香環を含む基(好ましくはベンゾイル基、以下同じ)を有するエステル基で置換された糖エステルと、脂肪族アシル基(アセチル基、ブチリル基、またはプロピオニル基等)を有するエステル基で置換された糖エステルとの混合物を用いるのが好ましい。脂肪族アシル基で置換された糖エステルの例としては、特開2012−233191号公報の段落番号0109〜0111に記載の糖類が例示され、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。このときの芳香環を含む基を有するエステル基で置換された糖エステルの平均エステル置換率が62%〜94%であることが好ましい。また、脂肪族アシル基を有するエステル基で置換された糖エステルは、エステル置換度が単一の糖エステルであっても、同一の脂肪族アシル基であってエステル置換度が異なる糖エステル化合物を複数含む混合物であってもよい。芳香環を含む基を有するエステル基で置換された糖エステルと、脂肪族アシル基を有するエステル基で置換された糖エステルとの混合比は、1:0〜1:3であることが好ましく、1:0〜1:1であることがより好ましい。
<<<重縮合エステル>>>
本発明に係る重縮合エステルは、少なくとも一種の芳香環を有するジカルボン酸(芳香族ジカルボン酸とも呼ぶ)と少なくとも一種の脂肪族ジカルボン酸との混合物、例えば、炭素数の平均が5.5以上10.0以下のジカルボン酸と、少なくとも一種の平均炭素数が2.5以上7.0以下の脂肪族ジオールとから得られる。
重縮合エステルの詳細は、特開2012−233191号公報の段落番号0039〜0054号公報、特開2010−242050号公報、特開2006−64803号公報の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<<<バルビツール酸誘導体>>>
本発明のセルロースアシレートフィルムは、下記一般式(I)で表される化合物を含有していてもよい。
Figure 0006069176
一般式(I)中、R1、R3およびR5は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基または炭素数6〜20の芳香族基を表す。ただし、R1、R3およびR5の中に、合計3個以上の環構造を有する。
上記R1、R3およびR5として採用しうる上記炭素数1〜20のアルキル基は、その炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましく、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。
上記R1、R3およびR5として採用しうる上記炭素数3〜20のシクロアルキル基は、その炭素数が3〜10であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。当該シクロアルキル基の具体例として、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基が挙げられ、シクロヘキシル基が特に好ましい。
上記R1、R3およびR5として採用しうる上記炭素数2〜20のアルケニル基は、その炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。
上記R1、R3およびR5として採用しうる上記6〜20の芳香族基は、芳香族炭化水素基であっても芳香族複素環基であってもよいが、芳香族炭化水素基であることが好ましい。当該芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
1、R3およびR5は置換基を有してもよいが、当該置換基としては、特に制限はなく、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数0〜20のヘテロ環基で、環構成ヘテロ原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子が好ましく、5または6員環でベンゼン環やヘテロ環で縮環していてもよく、該環が飽和環、不飽和環、芳香環であってもよく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アシル基(アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロ環カルボニル基を含み、炭素数は20以下が好ましく、例えば、アセチル、ピバロイル、アクリロイル、メタクロロイル、ベンゾイル、ニコチノイル等)、アリーロイルアルキル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20で、例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、アミノ基(アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは炭素数0〜20で、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ、1−ピロリジニル、ピペリジノ、モルホニル等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数0〜20で、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20で、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、アセチルアミノ、アクリロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニコチンアミド等)、シアノ基、水酸基、メルカプト基またはハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
1、R3およびR5が有しうる上記置換基は、さらに上記置換基を有していてもよい。
ここで、R1、R3およびR5の各基が有してもよい上記の置換基のうち、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基が好ましい。
一般式(I)で表される化合物のうち、好ましい化合物を列挙すると以下の通りである。
・R1、R3およびR5のいずれか1つがアラルキル基である化合物
なお、アラルキル基はアルキル基にアリール基が置換した化合物であり、アラルキル基のなかでも、アルキル基に1個または2個のアリール基が置換したもの(2個のアリール基が置換した場合、同一炭素原子に置換していることが好ましい。)が好ましい。さらに、アルキル基にアリール基とアシル基(好ましくはアリーロイル基)が置換したものも好ましい。
・R1、R3およびR5のいずれか1つが、シクロアルキル基を含む基で、好ましくは、シクロアルキル基を含む基がシクロアルキル基である化合物
上記「R1、R3およびR5の中に、合計3個以上の環構造を有する」における環構造には、R1、R3またはR5の基本骨格そのものが環構造をとる場合の他、R1、R3またはR5が有する置換基が環構造を有する形態も含まれる。
上記環構造としては、環状飽和炭化水素構造又は芳香環構造(芳香族炭化水素構造又は芳香族複素環構造)が好ましい。また、縮環構造であってもよい。
上記環構造が環状飽和炭化水素構造である場合、当該環状飽和炭化水素構造は炭素数3〜20シクロアルキル基として存在することが好ましい。より具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基またはシクロへキシル基として存在することがより好ましく、シクロへキシル基として存在することが特に好ましい。
また、上記環構造が芳香環構造である場合、芳香族炭化水素構造であることが好ましい。当該芳香族炭化水素構造は、炭素数6〜20のアリール基として存在することが好ましい。より具体的には、フェニル基、ナフチル基として存在することがより好ましく、フェニル基として存在することが特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、製膜時の溶解安定性の観点から、R1、R3およびR5が、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、または炭素数6〜20のアリール基であることがより好ましい。また、R1、R3およびR5が、それぞれ1個以上の環構造を有することがより好ましく、それぞれ環構造を1個有するのがさらに好ましい。
より好ましくは、上記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(I−a)で表される。
Figure 0006069176
一般式(I−a)中、L1、L3およびL5は単結合または炭素数1以上の2価の連結基を表す。上記L1、L3およびL5は単結合または炭素数1〜6のアルキレン基であることがより好ましく、単結合、メチレン基またはエチレン基であることがさらに好ましく、単結合またはメチレン基であることが特に好ましい。溶解安定性を考慮すると、L1、L3およびL5のうちの少なくとも一つは炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましい。前記2価の連結基は置換基を有していてもよく、当該置換基は、前述のR1、R3およびR5が有しうる置換基と同義である。
一般式(I−a)中、Ar1、Ar3およびAr5は炭素数6〜20のアリール基を表し、好ましくはフェニル基、ナフチル基であり、フェニル基がさらに好ましい。Ar1、Ar3およびAr5は置換基を有してもよく、当該置換基は、前述のR1、R3およびR5が有しうる置換基と同義である。Ar1、Ar3およびAr5は置換基を有さないか、または置換基を有する場合には、当該置換基は環構造を有さないことが好ましい。
一般式(I)および一般式(I−a)で表される化合物の分子量は250〜1200であることが好ましく、300〜800であることがより好ましく、350〜600であることが特に好ましい。
分子量が小さすぎると、フィルムからの揮散が問題となることがあり、大きすぎると、ヘイズが高くなることがある。
以下に、一般式(I)および一般式(I−a)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記例示化合物中、Meはメチル基を表す。
Figure 0006069176
Figure 0006069176
Figure 0006069176
Figure 0006069176
Figure 0006069176
上記一般式(I)で表される化合物は、尿素誘導体とマロン酸誘導体とを縮合させるバルビツール酸の合成法を用いて合成できることが知られている。N上に置換基を2つ有するバルビツール酸は、N,N’二置換型尿素とマロン酸クロリドを加熱するか、マロン酸と無水酢酸などの活性化剤とを組合わせて加熱することにより得られ、例えば、Journal of the American Chemical Society、第61巻、1015頁(1939年)、Journal of Medicinal Chemistry、第54巻、2409頁(2011年)、Tetrahedron Letters、第40巻、8029頁(1999年)、WO2007/150011号広報などに記載の方法を好ましく用いることができる。
また、縮合に用いるマロン酸は、無置換のものでも置換基を有するものでもよく、R5に相当する置換基を有するマロン酸を用いれば、バルビツール酸を構築することにより本発明の一般式(I)で表される化合物を合成することができる。また、無置換のマロン酸と尿素誘導体を縮合させると5位が無置換のバルビツール酸が得られるので、これを修飾することにより本発明の一般式(I)で表される化合物を合成してもよい。
なお、本発明に用いる一般式(I)で表される化合物の合成法は上記に限定されるものではない。
一般式(I)で表される化合物のセルロースアシレートフィルム中の含有量は特に限定されないが、セルロースアシレート100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.2〜15質量部であることがより好ましく、0.3〜10質量部であることが特に好ましい。
添加量が少なすぎると、透湿度を効果的に下げられなくなることがあり、多すぎると、ヘイズが高くなることがある。
<<微粒子>>
本発明で用いるセルロールエステルフィルムには、微粒子(マット剤と称されることもある)を含んでいても良い。微粒子としては、有機微粒子、無機微粒子のいずれも好ましく、無機微粒子が好ましい。微粒子の詳細は、特開2012−226276号公報の段落番号0119の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明における微粒子の配合量は、配合する場合、セルロースエステルに対し0.05〜1質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。
<<紫外線吸収剤>>
本発明で用いるセルロースエステルフィルムには、紫外線吸収剤(UV吸収剤)を配合してもよい。本発明で用いられるUV吸収剤については特に制限はない。従来セルロースエステルに使用されているUV吸収剤はいずれも用いることができる。前記紫外線吸収剤としては、特開2006−184874号公報に記載の化合物を挙げることができる。高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることが出来、特に特開平6−148430号公報に記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
例としてUV−1〜3を挙げるが、添加する紫外線吸収剤はこれらに限定されない。
Figure 0006069176
紫外線吸収剤は、配合する場合、セルロースエステルに対し、1〜3質量%の割合で配合されることが好ましい。また、本発明では、紫外線吸収剤の配合量がセルロースエステルに対し、実質的にゼロ(例えば、0.0001質量%以下)とすることもできる。このような態様とすることにより、光学異方性層形成時の紫外線照射時の発熱が小さくシワが発生しづらいという効果が発揮される。
<<レターデーション上昇剤>>
本発明で用いるセルロースエステルフィルムは、主成分セルロースアシレートとともに、少なくとも1種のレターデーション上昇剤を含有することが好ましい。すなわち、本発明ではレターデーション上昇剤を用いても用いなくてもよいが、レターデーション値を発現するため、レターデーション上昇剤を用いてもよい。本発明において用いることができるレターデーション上昇剤としては、棒状またはディスコティック化合物、正の複屈折性化合物からなるものを挙げることができる。前記棒状またはディスコティック化合物としては、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物をレターデーション上昇剤として好ましく用いることができる。前記棒状化合物からなるレターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアシレートを含むポリマー成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがさらに好ましい。前記ディスコティックのレターデーション上昇剤は、前記セルロースアシレート樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部の範囲で使用することがより好ましい。
前記ディスコティック化合物はRthレターデーション発現性において前記棒状化合物よりも優れているため、特に大きなRthレターデーションを必要とする場合には好ましく使用される。2種類以上のレターデーション上昇剤を併用してもよい。
前記レターデーション上昇剤は、250〜320nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
<光学異方性層>
本発明で用いるフィルムに適用される光学異方性層について説明する。
<<ディスコティック化合物>>
前記ディスコティック化合物について説明する。ディスコティック化合物としては少なくとも二つの芳香族環を有する化合物を用いることができる。
本明細書において、「芳香族環」は、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。本発明に用いることができる前記ディスコティック化合物としては、例えば、特開2008−181105号公報の段落番号0038〜0046に記載される化合物が例示され、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<<棒状化合物>>
本発明では前述のディスコティック化合物の他に直線的な分子構造を有する棒状化合物も好ましく用いることができる。本発明に用いることができる前記棒状化合物としては、例えば、特開2007−268898号公報の段落番号0053〜0095に記載される化合物が例示され、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
セルロースアシレートフィルムの製造方法については、特開2012−215812号公報の段落番号0056〜0083の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<偏光板>
本発明の製造方法によって得られた光学補償フィルムは、偏光板の保護フィルムを兼ねた位相差フィルムとして用いることができる。本発明における偏光板の一態様は、偏光膜の一方の表面に本発明における光学補償フィルムが積層され、他方の表面に保護フィルムが積層された偏光板である。本態様では、本発明における光学補償フィルムの支持体の裏面(配向膜及び光学異方性層が形成されていない側の面)が、偏光膜の一方の表面に貼合されているのが好ましい。他方の表面に貼合される保護フィルムについては特に制限はなく、上記支持体として利用可能なポリマーフィルムの例から選択するのが好ましい。保護フィルムの好ましい一例は、トリアセチルセルロースフィルム等のセルロースアシレートフィルムである。
−(メタ)アクリル系重合体を主成分とする偏光板保護フィルムの製造方法−
以下、(メタ)アクリル系重合体を主成分とする熱可塑性樹脂を製膜する製造方法について詳しく説明する。
(メタ)アクリル系重合体を主成分として用いて偏光板保護フィルムを製膜するには、例えば、オムニミキサーなど、従来公知の混合機でフィルム原料をプレブレンドした後、得られた混合物を押出混練する。この場合、押出混練に用いる混合機は、特に限定されるものではなく、例えば、単軸押出機、二軸押出機などの押出機や加圧ニーダーなど、従来公知の混合機を用いることができる。
フィルム成形の方法としては、例えば、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法など、従来公知のフィルム成形法が挙げられる。これらのフィルム成形法のうち、溶融押出法が特に好適である。
溶融押出法としては、例えば、Tダイ法、インフレーション法などが挙げられ、その際の成形温度は、フィルム原料のガラス転移温度に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、好ましくは150℃〜350℃、より好ましくは200℃〜300℃である。
Tダイ法でフィルム成形する場合は、公知の単軸押出機や二軸押出機の先端部にTダイを取り付け、フィルム状に押出されたフィルムを巻き取って、ロール状のフィルムを得ることができる。この際、巻き取りロールの温度を適宜調整して、押出方向に延伸を加えることで、1軸延伸することも可能である。また、押出方向と垂直な方向にフィルムを延伸することにより、同時2軸延伸、逐次2軸延伸などを行うこともできる。
(メタ)アクリル系重合体を主成分とする偏光板保護フィルムは、未延伸フィルムまたは延伸フィルムのいずれでもよい。延伸フィルムである場合は、1軸延伸フィルムまたは2軸延伸フィルムのいずれでもよい。2軸延伸フィルムである場合は、同時2軸延伸フィルムまたは逐次2軸延伸フィルムのいずれでもよい。2軸延伸した場合は、機械的強度が向上し、フィルム性能が向上する。(メタ)アクリル系重合体が、前記の主鎖に環状構造を有する(メタ)アクリル系重合体である場合は、その他の熱可塑性樹脂を混合することにより、延伸しても位相差の増大を抑制することができ、光学的等方性を保持したフィルムを得ることができる。(メタ)アクリル系重合体の具体例としては、例えば、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂などが例示される。ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2009−098605号公報に記載のラクトン環樹脂フィルムを参酌できる。
(メタ)アクリル系重合体を主成分として得られる偏光板保護フィルムは、その厚さが好ましくは5μm〜80μm、より好ましくは10μm〜40μmである。厚さが5μm未満であると、フィルムの強度が低下するだけでなく、他の部品に貼着して耐久性試験を行うと捲縮が大きくなることがある。逆に、厚さが80μmを超えると、フィルムの透明性が低下するだけでなく、透湿性が小さくなり、他の部品に貼着する際に水系接着剤を使用した場合、その溶剤である水の乾燥速度が遅くなることがある。
本発明では透湿性を小さくするために、低湿度層を設けても良い。低湿度層については、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフィルムが例示される。
環状ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフィルム−
本発明では、低湿度層として、環状ポリオレフィン系樹脂を用いることができる。ここで、環状ポリオレフィン系樹脂とは、環状オレフィン構造を有する重合体樹脂を表す。
本発明に好ましく用いられる環状ポリオレフィン系樹脂を以下に列挙する。
本発明に好ましい環状オレフィン構造を有する重合体としては、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を少なくとも1種以上含む付加(共)重合体である環状ポリオレフィン系樹脂及び必要に応じ、一般式(I)で表される繰り返し単位の少なくとも1種以上を更に含んでなる付加(共)重合体である環状ポリオレフィン系樹脂である。また、一般式(III)で表される環状繰り返し単位を少なくとも1種含む開環(共)重合体も好適に使用することができる。
Figure 0006069176
Figure 0006069176
Figure 0006069176
式(I)〜(III)中、mは0〜4の整数を表す。R1〜R6は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基、X1〜X3、Y1〜Y3は水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CH2nCOOR11、−(CH2nOCOR12、−(CH2nNCO、−(CH2nNO2、−(CH2nCN、−(CH2nCONR1314、−(CH2nNR1314、−(CH2nOZ、−(CH2nW、又はX1とY1あるいはX2とY2あるいはX3とY3から構成された(−CO)2O、(−CO)2NR15を示す。なお、R11,R12,R13,R14,R15は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、Zは炭化水素基又はハロゲンで置換された炭化水素基、WはSiR16 p3-p(R16は炭素数1〜10の炭化水素基、Dはハロゲン原子、−OCOR16又は−OR16、pは0〜3の整数を示す)、nは0〜10の整数を示す。
また、ノルボルネン系重合体水素化物も好ましく用いることができ、特開平1−240517号、特開平7−196736号、特開昭60−26024号、特開昭62−19801号、特開2003−1159767号あるいは特開2004−309979号等に開示されているように、多環状不飽和化合物を付加重合あるいはメタセシス開環重合したのち水素添加することにより作られる。本発明に用いるノルボルネン系重合体において、R5〜R6は水素原子又は−CH3が好ましく、X3、及びY3は水素原子、Cl、−COOCH3が好ましく、その他の基は適宜選択される。このノルボルネン系樹脂は、JSR(株)からアートン(Arton)GあるいはアートンFという商品名で発売されており、また日本ゼオン(株)からゼオノア(Zeonor)ZF14、ZF16、ゼオネックス(Zeonex)250あるいはゼオネックス280という商品名で市販されており、これらを使用することができる。
さらに、ノルボルネン系付加(共)重合体も好ましく用いることができ、特開平10−7732号、特表2002−504184号、米国公開特許2004229157A1号あるいはWO2004/070463A1号等に開示されている。ノルボルネン系多環状不飽和化合物同士を付加重合する事によって得られる。また、必要に応じ、ノルボルネン系多環状不飽和化合物と、エチレン、プロピレン、ブテン;ブタジエン、イソプレンのような共役ジエン;エチリデンノルボルネンのような非共役ジエン;アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニルなどの線状ジエン化合物とを付加重合することもできる。このノルボルネン系付加(共)重合体は、三井化学(株)よりアペルの商品名で発売されており、ガラス転移温度(Tg)の異なる例えばAPL8008T(Tg70℃)、APL6013T(Tg125℃)あるいはAPL6015T(Tg145℃)などのグレードがある。ポリプラスチック(株)よりTOPAS8007、同6013、同6015などのペレットが発売されている。更に、Ferrania社よりAppear3000が発売されている。
本発明においては、環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは110℃〜200℃、より好ましくは115℃〜190℃、さらに好ましくは120℃〜180℃である。
また、環状ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは50,000〜500,000の範囲である。
環状オレフィン系樹脂を主成分とするフィルムの製造方法−
環状オレフィン系樹脂を主成分とするフィルムについては、(メタ)アクリル系重合体を主成分とする偏光板保護フィルムの製造方法と同様の製造方法で製造することができ、例えば、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法など、従来公知のフィルム成形法が挙げられ、そのうち、溶融押出法が特に好適である。
溶融押出法としては、例えば、Tダイ法、インフレーション法などが挙げられ、その際の成形温度は、フィルム原料のガラス転移温度に応じて適宜調節すればよい。
Tダイ法でフィルム成形する場合は、公知の単軸押出機や二軸押出機の先端部にTダイを取り付け、フィルム状に押出されたフィルムを巻き取って、ロール状のフィルムを得ることができる。この際、巻き取りロールの温度を適宜調整して、押出方向に延伸を加えることで、1軸延伸することも可能である。また、押出方向と垂直な方向にフィルムを延伸することにより、同時2軸延伸、逐次2軸延伸などを行うこともできる。
(延伸前後の厚み)
基材層(延伸前)の厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。基材層の厚さは、5〜150μmの場合に特に好適である。一方、延伸積層体における基材層(延伸後の基材層)の厚さは、強度や取扱性等の作業性の点より、1〜400μm程度であり、1〜200μmであるのが好ましく、5〜100μmであるのがより好ましい。延伸積層体における基材層の厚さは、基材層(延伸前)の厚さと延伸倍率により決定される。なお、一般に透湿度は、厚みの逆数に比例するため、延伸積層体の基材層の透湿度の制御は、前記透湿度の範囲になるように延伸前の基材層の厚さと延伸倍率を制御することにより決定することができる。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜があり、本発明にはいずれを使用してもよい。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
長尺状の偏光膜と、長尺状の本発明における光学補償フィルムとを、連続的に貼合して、偏光板を作製することができる。光学補償フィルムの製造において、支持体の長手方向に沿ってラビング処理をすることが製造適性の観点では好ましいことは上記した通りである。本発明における光学補償フィルムでは、光学異方性層の遅相軸はラビング方向に直交する方向にあり、即ち、長手方向に対して直交した方向にある。よって、長尺状の偏光膜と貼り合せる際に、長手方向を一致させて本発明における光学補償フィルムを積層することで、光学異方性層の遅相軸と、偏光膜の吸収軸とが直交した偏光板を、容易に連続的に作製することができる。
<液晶表示装置>
本発明は、本発明における偏光板を有する液晶表示装置にも関する。本発明における光学補償フィルムは、TN型液晶表示装置の光学補償に適している。従って、本発明における液晶表示装置の好ましい態様は、TN型液晶表示装置である。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置とについては、従来からよく知られている。液晶セルのΔn・dは300〜500nm程度である。本発明における偏光板は、本発明における光学補償フィルムを、液晶セル側にして配置されるのが好ましい。光学補償に利用される光学異方性層中にマクロな乱れがあると、それは例えば、液晶表示装置の正面コントラストの低下の一因となる。本発明における光学補償フィルムが有する光学異方性層は、ディスコティック液晶分子の逆ハイブリッド配向を固定した層であるので、正ハイブリッドを固定した層と比較して、マクロな配向乱れが非常に小さい。よって、本発明によれば、液晶表示装置の正面コントラストを低下させることなく、本発明における光学補償フィルムにより十分な光学補償を達成することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。レターデーションの測定波長は、特に断りがない限り550nmである。
(実施例1)
(光学補償フィルムの作製)
<セルロースアセテート溶液の調製>
下記表に示す組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
Figure 0006069176
レターデーション上昇剤
Figure 0006069176
<セルロースアセテートフィルムの作製>
得られた内層用ドープおよび外層用ドープを、三層共流延ダイを用いて、0℃に冷却したドラム上に流延した。
残留溶剤量が70質量%のフィルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して搬送方向のドロー比を110%として搬送しながら80℃で乾燥させ、残留溶剤量が10%となったところで、110℃で乾燥させた。
その後、140℃の温度で30分乾燥し、残留溶剤が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(外層:3μm、内層:34μm、外層:3μm)を作製した。作製したセルロースアセテートフィルムについて、光学特性を測定した。得られたセルロースアセテートの厚さは40μmであった。Reは5nmで、Rthは40nmであった。また、引っ張り弾性率は、4.0GPaであった。
このようにして作製され支持体を、2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。この支持体の表面エネルギーを接触角法により求めたところ、63mN/mであった。
<<配向膜の作製>>
この支持体上(アルカリ処理面)に、下記の組成の配向膜組成物を#16のワイヤーバーコータで28mL/m2塗布した。
その後、60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
[配向膜組成物]
・下記一般式(VI)に示す変性ポリビニルアルコール 10質量部
・水 371質量部
・メタノール 119質量部
・グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
・クエン酸エステル(三協化学(株)製 AS3) 0.175質量部
・光重合開始剤(Irgacure2959、BASF製) 2.0質量部
Figure 0006069176
次いで、支持体の遅相軸(波長632.8nmで測定)と平行な方向に配向膜にラビング処理を行なった。
<光学異方性層の形成>
(光学異方性層組成物)
下記の各成分を、107質量部のメチルエチルケトンに溶解して光学異方性層組成物を調製した。
下記のディスコティック液晶化合物(1) 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製 2.25質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.02質量部
セルロースアセテートブチレート
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー1 0.11質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー2 0.04質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、BASF製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
ディスコティック液晶化合物(1)
Figure 0006069176
フルオロ脂肪族基含有ポリマー1
Figure 0006069176
フルオロ脂肪族基含有ポリマー2(a/b=90/10wt%)
Figure 0006069176
室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、130℃の乾燥ゾ−ンで層状の光学異方性層組成物の膜面風速が、2.5m/secとなるように、約90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。
次に、連続紫外線(UV)照射工程を、フィルムの表面温度が80℃の状態で搬送し、80℃に加熱された3本のヒートロール上で、それぞれ紫外線照射装置により照度800mWの紫外線を照射した。具体的には、図1に示すように、下側が光学異方性層側、上側が支持体となるようにロール状のフィルム1をセットし、矢印の方向に搬送させた。
この時、連続UV照射工程における最大温度が80℃、各ヒートロールに接した時のフィルムの膜面温度T1とヒートロールT2に到達する1秒前のフィルム膜面温度の温度差の最大値を2℃とした。
その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の形態にした。このようにして、ロール状光学補償フィルムを作製した。
<偏光板の作製>
[偏光子の作製]
平均重合度4,000、鹸化度99.8mol%のポリビニルアルコール(PVA)を水に溶解し、4.0%の水溶液を得た。この溶液をテーパーのついたダイを用いてバンド流延して乾燥し、延伸前の幅が110mmで厚みは左端が120μm、右端が135μmになるように製膜した。
このフィルムをバンドから剥ぎ取り、ドライ状態で45度方向に斜め延伸してそのままヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム50g/Lの水溶液中に30℃で1分間浸漬し、次いでホウ酸100g/L、ヨウ化カリウム60g/Lの水溶液中に70℃で5分間浸漬し、更に水洗槽にて20℃で10秒間水洗した後、80℃で5分間乾燥してヨウ素系偏光子を得た。得られた偏光子は、幅660mm、厚みは左右とも20μmであった。
[光学補償フィルムの貼り付け]
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、光学補償フィルムを支持体面で偏光子の一方の面に貼り付けた。
また、厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム(TDP40:富士フイルム(株)製)に鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の他方の面に貼り付けた。
なお、偏光子の長手方向と、支持体の長手方向、更には、市販のトリアセチルセルロースフィルムの長手方向とが全て平行になるように配置した。このようにして、偏光板を作製した。
また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償フィルムのムラを観察したところ、正面および法線から60°傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(光学補償フィルム、偏光板、および液晶表示装置の評価)
<配向性の評価>
前記光学異方性層における液晶化合物の配向性について、目視観察および消光度計(SMD2、大塚電子(株)製)にて測定し、下記評価基準に基づいて評価した。結果を下記表の「配向性」の欄に示す。
評価基準
A:シュリレーンが全く発生せず、均一に配向している。
B:僅かに極微小なシュリレーンが発生しているが、製品としては問題にならない。
C:シュリレーンが発生しているが、製品としては問題にならない。
D:シュリレーンが発生して、製品として使用不可能。
<耐久性クラックの評価>
実施例1で作製した偏光板を、それぞれガラスに貼り付けたものを試料とし、温度60℃、相対湿度90%の条件下でそれぞれ24時間放置した後、室温に戻した時に生じるひび割れの状態を、目視および実体顕微鏡(SMZ1500、(株)ニコン製)で観察し、下記評価基準に基づいて評価した。結果を下記表の「耐久性」の欄に示す。
評価基準
A:亀裂は目視では観察できず、製品としては問題にならない。
B:亀裂が発生してはいるが、製品として問題にならない。
C:目視でも観察できる亀裂が発生して、製品として使用不可能。
<液晶表示装置の評価>
パネルでのムラ評価
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(AL2216W、日本エイサー(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記の作製した偏光板を、光学補償フィルムが液晶セル側となるように、即ち、光学異方性層を最も液晶セル側にして、粘着剤を介して、観察者側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。このとき、観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とを直交にして配置した。
液晶表示装置を全面中間調に調整し、下記評価基準に基づいて評価した。結果を下記表の「面状」の欄に示す。
評価基準
A:まったくムラが見えず、製品として問題にならない
B:うっすら見えるが、製品としては問題にならない。
C:ムラがはっきり見え、製品として使用不可能
(実施例2)
実施例1で用いた支持体を、以下の方法で作製したセルロースアセテートフィルムに変え、他は同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
(セルロースエステル溶液Aの調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースエステル溶液を調製した。アセチル置換度はASTM D−817−91に準じて測定した。粘度平均重合度は宇田らの極限粘度法{宇田和夫、斉藤秀夫、「繊維学会誌」、第18巻第1号、105〜120頁(1962年)}により測定した。
セルロースエステル溶液の組成
Figure 0006069176
上記表中、糖エステル1は以下の構造の化合物または混合物である。なお、スクロースベンゾエートである糖エステル1の平均エステル置換度の測定法は、以下の方法で測定した。
以下のHPLC条件下での測定により保持時間が31.5min付近にあるピークを8置換体、27〜29min付近にあるピーク群を7置換体、22〜25min付近にあるピーク群を6置換体、15〜20min付近にあるピーク群を5置換体、8.5〜13min付近にあるピーク群を4置換体、3〜6min付近にあるピーク群を3置換体としてそれぞれの面積比を合計した値に対する平均置換度を算出した。
《HPLC測定条件》
カラム:TSK−gel ODS−100Z(東ソー)、4.6*150mm、ロット番号(P0014)
溶離液A:H2O=100、 溶離液B:AR=100。
A,BともにAcOH、NEt3各0.1%入り流量:1ml/min、カラム温度:40℃、波長:254nm、感度:AUX2、注入量:10μl、リンス液:THF/ H2O=9/1(vol比)サンプル濃度:5mg/10ml(テトラヒドロフラン:THF)
また全ての実施例で使用したスクロースベンゾエートは、全て反応溶媒であるトルエンの減圧乾燥(10mmHg以下)を行い100ppm未満であるものを使用した。
Figure 0006069176
Figure 0006069176
(微粒子分散液Bの調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、微粒子分散液1−Bを調製した。
Figure 0006069176
(紫外線吸収剤溶液C−1の調製)
下記の組成物を別のミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液C−1を調製した。
Figure 0006069176
Figure 0006069176
(紫外線吸収剤溶液C−2の調製)
下記の組成物を別のミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液C−2を調製した。
Figure 0006069176
(セルロースエステルフィルムの作製)
紫外線吸収剤(UV−1)および紫外線吸収剤(UV−2)の添加量がそれぞれ、1質量%となるように紫外線吸収剤溶液C−1、あるいは、C−2を加え、加熱しながら充分に攪拌して各成分を溶解し、ドープを調製した。得られたドープを30℃に加温し、流延ダイを通して直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に流延した。支持体の表面温度は−5℃に設定し、塗布幅は1470mmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースエステルフィルムをドラムから剥ぎ取った後、両端をピンテンターでクリップした。剥ぎ取り直後のセルロースエステルウェブの残留溶媒量は70質量%およびセルロースエステルウェブの膜面温度は5℃であった。
ピンテンターで保持されたセルロースエステルウェブは、乾燥ゾーンに搬送した。初めの乾燥では45℃の乾燥風を送風した。次に、110℃で5分、さらに140℃で10分乾燥した。
出来上がったセルロースエステルフィルムの膜厚は40μmであった。さらに、幅方向の膜厚分布は2μmであった。また、引っ張り弾性率は、4.8GPaであった。Reは4nm、Rthは40nmであった。
(実施例3)
実施例1において、配向膜組成物に含まれる光重合開始剤(Irgacure2959 BASF社製)の量を変性ポリビニルアルコールに対して0.25質量部にし、光学異方性層組成物に下記化合物を0.2質量部添加したこと以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
ボロン酸化合物
Figure 0006069176
(実施例4)
実施例3において、配向膜組成物に光重合開始剤(Irgacure2959 チバガイギー社製)を添加しないこと以外は同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
(実施例5)
実施例1において、ヒートロールの数を1本にしたこと以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
(実施例6)
連続UV照射工程の最高温度差(T2−T1)を4℃にした以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
(実施例7)
連続UV照射工程の最高温度(T2)を50℃にした以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
(実施例8)
支持体厚みを20μmにした以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
(実施例9)
支持体厚みを20μmにし、連続UV照射工程の最高温度(T2)を50℃にした以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
(実施例10)
実施例1において、配向膜組成物に含まれる光重合開始剤(Irgacure2959 チバガイギー社製)の量を0.25質量部にし、光学異方性層組成物に下記化合物を変性ポリビニルアルコールに対して0.2質量部添加したこと以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
ボロン酸化合物
Figure 0006069176
(実施例11)
実施例1において、配向膜組成物に含まれる光重合開始剤(Irgacure2959 BASF社製)を添加せず、代わりに光重合開始剤(イルガキュアー907、BASF製)を変性ポリビニルアルコールに対して0.5重量部添加したこと以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
(実施例12)
連続UV照射工程の3本のヒートローラの温度をそれぞれ、60℃、70℃、80℃にした以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
(実施例13)
支持体厚みを20μmにし、連続UV照射工程の最高温度(T2)を50℃にした以外は実施例10と同様に行って、光学補償フィルムを作製した。次に、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、光学補償フィルムを支持体面で偏光子の一方の面に貼り付けた。
また、厚み20μmの支持体に鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の他方の面に貼り付けた。
なお、偏光子の長手方向と、支持体の長手方向、更には、市販のトリアセチルセルロースフィルムの長手方向とが全て平行になるように配置した。このようにして、偏光板を作製した。
また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償フィルムのムラを観察したところ、正面および法線から60°傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。さらに、前記偏光板を用いて液晶表示装置を作製し評価した。
(実施例14)
実施例13において、以下に作製した偏光板を用いる以外は同様に作製した。具体的には、後述する積層体のポリビニルアルコール側に実施例13で作製した光学補償フィルムを貼り合せて偏光板を作製し、液晶表示装置を作製し、評価した。
(親水性高分子を含有する水溶液の調製)
(株)クラレ製のポリビニルアルコールフィルム(平均重合度2400、ケン化度99モル%、商品名:VF‐PS2400)を、1辺が5mm以下の小片に裁断し、95℃の熱水中に溶解して、濃度10重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。
(積層体の作製:親水性高分子層の形成)
基材層として、厚み80μmのアクリル系樹脂フィルム(ラクトン化ポリメチルメタクリレートフィルム、Re=2nm、Rth=0nm)を用いた。アクリル系樹脂フィルムは、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂(共重合モノマーの重量比:メタクリル酸メチル/2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル=8/2;ラクトン環化率約100%)90重量部とアクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂(トーヨーAS AS20、東洋スチレン(株)製)10重量部の混合物((株)日本触媒製)を溶融押出成膜した後、縦2.0倍に延伸することにより得た。
<プライマリ層付きフィルムの作製>
上記アクリル系樹脂フィルムの片面に、低透湿層形成用組成物B−1(A−DCP(100%):トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート[新中村化学工業(株)製])を使用し、特開2006−122889号公報の実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥させた。その後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量60mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させた。低透湿層の膜厚は12μmになるよう塗布量を調整した。
(コロナ放電処理)
上記で得られたアクリル系樹脂フィルムの片側に、コロナ放電処理(コロナ放電電子照射量:77W/m2/min)を施した。
(偏光子保護フィルムの作製)
ポリエステルウレタン(第一工業製薬製、商品名:スーパーフレックス210、固形分:33%)16.8g、架橋剤(オキサゾリン含有ポリマー、日本触媒製、商品名:エポクロスWS−700、固形分:25%)4.2g、1重量%のアンモニア水2.0g、コロイダルシリカ(扶桑化学工業製、クォートロンPL−3、固形分:20重量%)0.42gおよび純水76.6gを混合し、易接着剤組成物を得た。
得られた易接着剤組成物を、コロナ放電処理を施した(メタ)アクリル系樹脂フィルムのコロナ放電処理面に、乾燥後の厚みが350nmとなるように、バーコーター(#6)で塗布した。その後、(メタ)アクリル系樹脂フィルムを熱風乾燥機(140℃)に投入し、易接着剤組成物を約5分乾燥させて、易接着層(0.5μm)を形成した。
上記アクリル系樹脂フィルムの上記低透湿層形成用組成物B−1を塗布した面に、上記ポリビニルアルコール水溶液を塗工した後、120℃で10分間乾燥させて、親水性高分子層として、厚み7μmのポリビニルアルコール塗膜を形成した積層体を得た。
上記積層体を、143℃の加熱下で、テンター装置を用いて、自由端一軸延伸により、幅方向に、延伸倍率5倍まで延伸して延伸積層体とした。このとき、チャック間距離は100mm、延伸速度は2mm/secとした。この延伸処理後において、ポリビニルアルコール塗膜の厚みは5μm、低透湿層の膜厚は5μm、基材層の厚みは40μmであった。
次いで、前記延伸積層体を、張力を保持した状態で、30℃のヨウ素溶液(重量比:ヨウ素/ヨウ化カリウム/水=1/10/100)に60秒間浸漬した。その後、60℃で4分間乾燥を行い、偏光板を得た。得られた偏光板(延伸積層体)におけるポリビニルアルコール塗膜の厚みは5μm、低透湿層の膜厚は5μm、基材層の厚みは40μmであった。
(実施例15)
実施例10で用いた支持体を、以下の方法で作製したセルロースアセテートフィルムに変え、他は同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
バルビツール酸セルロースアシレートフィルムの製膜
(セルロースアシレートの調製)
アセチル置換度2.87のセルロースアシレートを調製した。これは、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
(表層用ドープの調製)
・セルロースアシレート溶液の調製
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
第一工業化学社製モノペット(登録商標)SB(可塑剤)
9.0質量部
イーストマン・ケミカル社製SAIB−100(可塑剤) 3.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 353.9質量部
メタノール(第2溶媒) 89.6質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 4.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、第一工業化学社製モノペット(登録商標)SBはショ糖の安息酸エステルであり、イーストマン・ケミカル社製SAIB−100はショ糖の酢酸およびイソ酪酸エステルである。
・マット剤溶液の調製
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 69.3質量部
メタノール(第2溶媒) 17.5質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.9質量部
前記セルロースアシレート溶液 0.9質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・紫外線吸収剤溶液の調製
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
紫外線吸収剤溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記紫外線吸収剤(UV−1) 20.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 61.0質量部
メタノール(第2溶媒) 15.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.8質量部
前記セルロースアシレート溶液 12.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 0006069176
上記マット剤溶液の1.3質量部と、紫外線吸収剤溶液の3.4質量部をそれぞれ濾過後にインラインミキサーを用いて混合し、さらにセルロースアシレート溶液を95.3質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合し、表層用溶液を調製した。
(基層用ドープの調製)
・セルロースアシレート溶液の調製
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、基層用ドープを調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
第一工業化学社製モノペット(登録商標)SB(可塑剤)
9.0質量部
イーストマン・ケミカル社製SAIB−100(可塑剤) 3.0質量部
例示化合物(A−2) 4.0質量部
前記紫外線吸収剤(UV−1) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 297.7質量部
メタノール(第2溶媒) 75.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 3.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(流延)
ドラム流延装置を用い、上記のように調製した基層用ドープと、その両側に表層用ドープとを3層同時にステンレス製の流延支持体(支持体温度−9℃)に流延口から均一に流延した。各層のドープ中の残留溶媒量が略70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、残留溶媒量が3〜5質量%の状態で、横方向に1.28倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、セルロースアシレートフィルム102を得た。得られたセルロースアシレートフィルム102の厚みは40μm、幅は1480mmであった。
(実施例16)
実施例1において、下記に示す光学異方性層塗布液組成にしたこと以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(光学異方性層塗布液組成)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
メチルエチルケトン 198.15質量部
上記のディスコティック液晶性化合物(1) 91.00質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 5.20質量部
下記の空気界面配向制御剤(1) 0.45質量部
下記の空気界面配向制御剤(3) 0.07質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3.00質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1.00質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
空気界面配向制御剤(1)
Figure 0006069176
空気界面配向制御剤(3)
Figure 0006069176
(比較例1)
連続UV照射工程における最高温度(T2)を100℃にした以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
(比較例2)
連続UV照射工程における最高温度差(T2−T1)を10℃にした以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
(比較例3)
連続UV照射工程における最高温度差(T2−T1)を15℃にした以外は実施例1と同様に行って、光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置を作製し評価した。
Figure 0006069176
21…フィルム、22…ヒートローラ、23…ガイドローラ、1a…送出機、2…表面除塵機、3…塗布機、4a…透明支持体、4b…配向膜が形成された透明支持体、4c…ラビング処理が施された透明支持体、5a…フィルムロール、5…乾燥ゾーン、6…ガイドローラ、7…除塵機、8…ラビングローラ、9…表面除塵機、10…塗布機、11…乾燥ゾーン、12、100、101…紫外線照射装置、13…検査装置、14…保護フィルム、15…ラミネート機、16…巻き取り機、61…ワイヤーバーコータ、62…バックアップ、63…ベアリング、64…カップリング、65…モータ、66…一次側液溜り、67…二次側液溜り、68…オーバーフロー液溜り、69A…供給口、69B…排出液口、72…液面規制板、73…フィルタ、75…粘度調整室、76…連結管、77…ポンプ、78…密度計、81…ワイヤーバー塗布機、82…整流板、83a…塗布室給気口、83b…塗布室排気口、84…液晶層を有する透明支持体、85a、85b…金網、86…乾燥ゾーン、88…多孔板、89…加熱ゾーン、102…紫外線ランプ、104…冷却ロール、106…加熱ロール、108…冷却風吹き出し口、110…熱風吹き出し口、112a、112b

Claims (7)

  1. 厚みが45μm以下の支持体上に、配向膜と、重合性液晶化合物を含む光学異方性層とが少なくともこの順で積層された光学補償フィルムの製造方法であって、
    配向膜上に、重合性液晶化合物を含む光学異方性層組成物を層状に適用した後、紫外線を照射する工程を有し、
    前記紫外線照射工程では、フィルムの表面の温度を制御しながら加熱する工程を1工程以上有し、
    前記紫外線を照射する工程中のフィルムの表面の最高温度が80℃以下であり、
    前記紫外線を照射する1工程中のフィルムの表面の最高温度と前記最高温度に達する1秒前のフィルムの表面の温度の温度差が5℃以下であり、
    前記光学異方性層が、下記一般式(I)で表される化合物を含む、光学補償フィルムの製造方法。
    Figure 0006069176
    (一般式(I)中、R1およびR2は、それぞれ、水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。R1およびR2は互いに連結して環を形成してもよい。R3は、脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。)
  2. さらに、前記配向膜が、重合性基を含む高分子化合物および光重合開始剤を含む配向膜組成物を用いて形成したものである請求項1に記載の光学補償フィルムの製造方法。
  3. 前記光重合開始剤が、重合性基を含む高分子化合物に対し5〜40質量%含む、請求項2に記載の光学補償フィルムの製造方法。
  4. 前記フィルムの表面の最高温度が50℃以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法。
  5. 前記紫外線照射工程において、フィルムの表面の温度を制御しながら加熱する工程を連続して2工程以上行うことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法。
  6. 前記重合性液晶化合物がディスコティック液晶化合物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法。
  7. 前記支持体の厚みが30μm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学補償フィルムの製造方法。
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