JP6069063B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されるブレーキ制御装置に関する。
従来、運転者のブレーキ操作によりマスタシリンダから流れ出たブレーキ液が流れ込むことでペダルストロークを創生するストロークシミュレータと、ストロークシミュレータ内へのブレーキ液の流れ込みを阻止するためのストロークシミュレータ弁とを備えたブレーキ制御装置が知られている(例えば特許文献1)。
特開2006−240366号
従来のブレーキ制御装置では、ストロークシミュレータ弁の故障を検知するために、運転者のブレーキ操作により発生するマスタシリンダ圧を用いている。よって、ストロークシミュレータ弁の故障を検知可能な場面が運転者のブレーキ操作時に限定されるという問題があった。本発明の目的とするところは、ストロークシミュレータ弁の故障を検知可能な場面を拡大できるブレーキ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のブレーキ制御装置は、好ましくは、ストロークシミュレータの背圧油路上であって、かつ、マスタシリンダとは別の液圧源により発生させたホイルシリンダ液圧を減圧するための減圧油路上に、ストロークシミュレータ弁を設け、ストロークシミュレータ弁の開閉指令に対するホイルシリンダ液圧の状態に基づき、ストロークシミュレータ弁の故障を検知する。
よって、運転者のブレーキ操作により発生するマスタシリンダ圧を用いずにストロークシミュレータ弁の故障を検知可能であるため、当該故障を検知可能な場面を拡大することができる。
実施例1のブレーキ制御装置の概略構成図である。 実施例1の故障検知制御の流れを示すフローチャートである。 実施例1の故障検知制御時の各アクチュエータの作動状態を示す(狭義のホイルシリンダ液圧の加圧時)。 実施例1の故障検知制御時の各アクチュエータの作動状態を示す(広義のホイルシリンダ液圧の加圧時)。 実施例1の故障検知制御時の各アクチュエータの作動状態を示す(広義のホイルシリンダ液圧の減圧時)。 実施例1の故障検知制御時のタイムチャートである(SSV27の正常時)。 実施例1の故障検知制御時のタイムチャートである(SSV27の開故障時)。 実施例1の故障検知制御時のタイムチャートである(SSV27の閉故障時)。
以下、本発明のブレーキ制御装置を実現する形態を、実施例を用いて説明する。
[実施例1]
[構成]
まず、構成を説明する。図1は、実施例1のブレーキ制御装置(以下、装置1という。)の概略構成を液圧ユニット6のブレーキ液圧回路と共に示す図である。装置1は、車輪を駆動する原動機として、エンジンのほか電動モータ(ジェネレータ)を備えたハイブリッド車や、電動モータ(ジェネレータ)のみを備えた電気自動車等の、電動車両のブレーキシステムに適用される液圧式ブレーキ装置である。装置1は、車両の各車輪FL〜RRに設けられたブレーキ作動ユニットに作動流体としてのブレーキ液を供給してブレーキ液圧(ホイルシリンダ液圧)を発生させることで、各車輪FL〜RRに液圧制動力を付与する。装置1は2系統(プライマリP系統及びセカンダリS系統)のブレーキ配管を有しており、所謂X配管形式を採用している。なお、前後配管等、他の配管形式を採用してもよい。以下、P系統に対応して設けられた部材とS系統に対応する部材とを区別する場合は、それぞれの符号の末尾に添字P,Sを付す。
装置1は、運転者(ドライバ)のブレーキ操作の入力を受けるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル2と、ブレーキ液を貯留するブレーキ液源であり大気圧に解放される低圧部であるリザーバタンク(以下、リザーバという)4と、プッシュロッド3を介してブレーキペダル2に接続されると共にリザーバ4からブレーキ液を補給され、運転者によるブレーキペダル2の操作(ブレーキ操作)により作動してブレーキ液圧(マスタシリンダ圧)を発生するマスタシリンダ5と、リザーバ4又はマスタシリンダ5からブレーキ液を供給され、運転者によるブレーキ操作とは独立にブレーキ液圧を発生可能な液圧ユニット(制動制御ユニット)6と、液圧ユニット6の作動を制御する電子制御ユニット(以下、ECUという)100とを備えている。ブレーキペダル2には、ブレーキ操作量としてのペダルストロークを検出するペダルストロークセンサ90が設けられている。
マスタシリンダ5は、所謂タンデム型であり、運転者のブレーキ操作に応じて軸方向に移動するマスタシリンダピストンとして、プッシュロッド3に接続されるプライマリピストン54Pと、フリーピストン型のセカンダリピストン54Sとを備えている。ピストン54P,54Sは、有底筒状のシリンダ50の内周面に沿って軸方向移動可能に設置されている。両ピストン54P,54Sの間の第1液室51P、及びピストン54Sとシリンダ50の軸方向端部との間の第2液室51Sには、戻しばねとしてのコイルスプリング56P,56Sがそれぞれ設置されている。第1,第2液室51P,51Sは、運転者によるブレーキペダル2の踏込み操作によってピストン54がストロークすると容積が縮小し、液圧(マスタシリンダ圧)を発生する。これにより、第1,第2液室51P,51Sから吐出ポートを介してホイルシリンダ8に向けてブレーキ液が供給される。なお、第1,第2液室51P,51Sには略同じ液圧が発生する。シリンダ50における第1液室51Pの開口部(吐出ポート)は、ブレーキ配管10Pを介して液圧ユニット6におけるP系統の油路(第1油路11P)の開口部に接続している。シリンダ50における第2液室51Sの開口部(吐出ポート)は、ブレーキ配管10Sを介して液圧ユニット6におけるS系統の油路(第1油路11S)の開口部に接続している。ブレーキ配管10P,10Sは、それぞれ第1油路11P,11Sの一部を構成する。マスタシリンダ5は、第1油路11を介してホイルシリンダ8と接続し、ホイルシリンダ液圧を増圧可能な第1の液圧源であり、第1液室51Pに発生したマスタシリンダ圧により第1油路11Pを介してホイルシリンダ8を加圧可能であると共に、第2液室51Sにより発生したマスタシリンダ圧により第1油路11Sを介してホイルシリンダ8を加圧可能である。
液圧ユニット6は、ホイルシリンダ8とマスタシリンダ5との間に設けられており、各ホイルシリンダ8に対し制御液圧を個別に供給可能である。液圧ユニット6は、制御液圧を発生するための液圧機器(アクチュエータ)として、ポンプ7及び複数の制御弁(電磁弁21等)を有している。ポンプ7は、モータMにより回転駆動されてリザーバ4内のブレーキ液を吸入し、これをホイルシリンダ8に向けて吐出する。ポンプ7として、例えばギヤポンプ、具体的には外接歯車式ポンプを採用することができる。ポンプ7は両系統で共通に用いられ、モータMにより駆動される。モータMとして、例えばブラシ付きモータを用いることができる。電磁弁21等は、制御信号に応じて開閉動作してブレーキ液の流れを制御する。液圧ユニット6は、マスタシリンダ5とホイルシリンダ8との連通を遮断した状態で、ポンプ7が発生する液圧によりホイルシリンダ8を増圧可能に設けられていると共に、運転者のブレーキ操作に応じてマスタシリンダ5から流れ出たブレーキ液が流入することでペダルストロークを創生するストロークシミュレータ9を備えている。また、液圧ユニット6は、ポンプ7の吐出側の液圧やマスタシリンダ圧等を検出する液圧センサ91〜93を備えている。
以下、液圧ユニット6の液圧回路を図1に基づき説明する。各車輪FL〜RRに対応する部材には、その符号の末尾にそれぞれ添字a〜dを付して適宜区別する。第1油路11は、マスタシリンダ5(の第1,第2液室51P,51S)とホイルシリンダ8とを接続する。第1油路11には、常開の(非通電状態で開弁する)遮断弁21が設けられている。第1油路11における遮断弁21よりもホイルシリンダ8側には、各車輪FL〜RRに対応して(油路11a〜11dに)常開の増圧弁(以下、IN弁)22が設けられている。また、各IN弁22をバイパスして第1油路11と並列にバイパス油路が設けられており、ホイルシリンダ8側からマスタシリンダ5側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁が上記バイパス油路に設けられている。吸入油路12は、リザーバ4とポンプ7の吸入側とを接続する。リザーバ4は、ブレーキ配管10Rを介して液圧ユニット6における吸入油路12の開口部に接続している。ブレーキ配管10Rは、吸入油路12の一部を構成する。液圧ユニット6のハウジング内には、配管10Rが液圧ユニット6の吸入油路12に接続される部位の近傍(液圧ユニット6の鉛直方向上側)に、液溜まり12aが設けられている。吸入油路12から配管10Rの部分でブレーキ液が漏れ出る態様の失陥時にも、液溜まり12aをブレーキ液の(ポンプ7への)供給源や(ホイルシリンダ8からの)排出先等として機能させることで、倍力制御等(ホイルシリンダ液圧の増減圧制御)を継続可能としている。
吐出油路13は、第1油路11における遮断弁21とIN弁22との間とポンプ7の吐出側とを接続する。吐出油路13P,13Sは、P系統の第1油路11PとS系統の第1油路11Sとを接続する連通路を構成している。ポンプ7は、上記連通路(吐出油路13P,13S)及び第1油路11P,11Sを介してホイルシリンダ8a〜8dと接続しており、上記連通路にブレーキ液を吐出することでホイルシリンダ液圧を増圧可能な第2の液圧源である。吐出油路13には、ポンプ7の吐出側から第1油路11側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁(ポンプ7の吐出弁)26が設けられている。チェック弁26の下流側とP系統の第1油路11Pとを接続する吐出油路13Pには、常閉の(非通電状態で閉弁する)連通弁23Pが設けられている。チェック弁26の下流側とS系統の第1油路11Sとを接続する吐出油路13Sには、常閉の連通弁23Sが設けられている。常閉の連通弁23を設けたことで、電源失陥時にも両系統のブレーキ液圧系を独立とし、各系統で独立に踏力によるホイルシリンダ増圧を可能としている。
第1減圧油路14は、吐出油路13Pにおけるチェック弁26と連通弁23Pとの間と吸入油路12とを接続する。第1減圧油路14には、第1減圧弁としての常閉の調圧弁24が設けられている。第2減圧油路15は、第1油路11におけるIN弁22よりもホイルシリンダ8側と液溜まり12aとを接続する。第2減圧油路15には、第2減圧弁としての常閉の減圧弁(以下、OUT弁)25が設けられている。OUT弁25に対してホイルシリンダ8側を上流とすると、各ホイルシリンダ8に接続された第2減圧油路15はOUT弁25の下流側で合流して1つの油路となり、液溜まり12aに接続している。
ストロークシミュレータ9は、室R内を2室(主室R1と副室R2)に分離して室R内を軸方向に移動可能に設けられたピストン9aと、副室R2内に押し縮められた状態で設置され、ピストン9aを主室R1の側(主室R1の容積を縮小し、副室R2の容積を拡大する方向)に常時付勢する弾性部材であるスプリング9bとを有している。第1シミュレータ油路16は、第1油路11Pにおけるマスタシリンダ3と遮断弁21Pとの間から分岐してストロークシミュレータ9の主室R1に接続する分岐油路である。第2シミュレータ油路17は、ストロークシミュレータ9の副室(背圧室)R2と第2減圧油路15(リザーバ4)とを接続する背圧油路である。第2減圧油路15における第2シミュレータ油路17の接続部位と液溜まり12aとの間には、常閉のシミュレータ遮断弁(ストロークシミュレータカット弁)としてのストロークシミュレータ弁(以下、SSV)27が設けられている。第2減圧油路15における第2シミュレータ油路17の接続部と液溜まり12aとの間は、第2シミュレータ油路17の一部を構成しており、SSV27は第2シミュレータ油路17の上記一部に設けられている。SSV27は、上記一部、すなわち第2シミュレータ油路17における第2減圧油路15の接続部と液溜まり12a(リザーバ4)との間に、OUT弁25と直列に設けられている。第2シミュレータ油路17の上記一部と並列に、SSV27をバイパスするバイパス油路170が設けられている。液溜まり12a側から第2シミュレータ油路17(ストロークシミュレータ9)側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁28がバイパス油路170に設けられている。チェック弁28は、SSV27に設けられ、SSV27が閉じたときに液溜まり12aから第2シミュレータ油路17(ストロークシミュレータ9)への方向の流れのみを許容する一方向弁である。
遮断弁21、IN弁22、調圧弁24、及び各系統のOUT弁25のうち少なくとも1つ(本実施例では後輪RL,RRのOUT弁25c,25d)は、ソレノイドに供給される電流に応じて弁の開度が調整される比例制御弁である。他の弁、すなわち連通弁23、残りのOUT弁25(前輪FL,FRのOUT弁25a,25b)、及びSSV27は、弁の開閉が二値的に切り替え制御されるオン・オフ弁である。尚、上記他の弁に比例制御弁を用いることも可能である。P系統の第1油路11Pにおける遮断弁21とマスタシリンダ3との間には、この箇所の液圧(ストロークシミュレータ9内の液圧ないしマスタシリンダ圧)を検出する液圧センサ91が設けられている。第1油路11における遮断弁21とIN弁22との間には、この箇所の液圧(ホイルシリンダ液圧)を検出する液圧センサ92が設けられている。吐出油路13Pにおけるポンプ7の吐出側(チェック弁26)と連通弁23Pとの間には、この箇所の液圧(ポンプ吐出圧)を検出する液圧センサ93が設けられている。
ECU100は、ペダルストロークセンサ90及び液圧センサ91〜93から送られる検出値、及び車両から送られる走行状態に関する情報が入力され、内蔵されるプログラムに基づき、液圧ユニット6の各アクチュエータを制御する。具体的には、油路の連通状態を切り替える電磁弁21等の開閉動作や、ポンプ7を駆動するモータMの回転数(すなわちポンプ7の吐出量)を制御する。これによりホイルシリンダ8の液圧を制御することで、ブレーキ操作力を低減するための倍力制御や、制動による車輪のスリップを抑制するためのアンチロックブレーキ制御(ABS)や、車両の運動制御(横滑り防止等の車両挙動安定化制御。VDC)のためのブレーキ制御や、先行車追従制御等の自動ブレーキ制御や、ジェネレータ等を用いた回生ブレーキと協調して目標減速度(目標制動力)を達成するようにホイルシリンダ液圧を制御する回生協調ブレーキ制御等を実現する。倍力制御では、運転者のブレーキ操作時に、液圧ユニット6を駆動して(ポンプ7の吐出圧を用いて)マスタシリンダ圧よりも高いホイルシリンダ液圧を創生することで、運転者のブレーキ操作力では不足する液圧制動力を発生する。これにより、ブレーキ操作を補助する倍力機能を発揮する。すなわち、エンジン負圧ブースタを備えない代わりに液圧ユニット6(ポンプ7)を作動させることで、ブレーキ操作力を補助可能に設けられている。回生協調ブレーキ制御では、例えば運転者の要求する制動力を発生させるために回生制動力では足りない分の液圧制動力を発生する。
ECU100は、遮断弁21を閉弁方向に制御し、マスタシリンダ5とホイルシリンダ8との連通を遮断することで、液圧ユニット6の状態を、ポンプ7によるホイルシリンダ液圧の創生が容易な状態とし、倍力制御や回生協調ブレーキ制御等を実現する。この状態で、ポンプ7を含み、リザーバ4とホイルシリンダ8を接続するブレーキ系統(吸入油路12、吐出油路13等)は、運転者のブレーキ操作(マスタシリンダ圧)とは独立にポンプ7を用いて発生させた液圧によりホイルシリンダ液圧を創生する系統を構成し、所謂ブレーキバイワイヤシステムを形成する。例えば、倍力制御では、ポンプ7を駆動し、SSV27を開弁方向に制御し、遮断弁21を閉弁方向に制御し、IN弁22を開弁方向に制御し、連通弁23を開弁方向に制御し、調圧弁24を開弁方向に制御し、OUT弁25を閉弁方向に制御する。液圧センサ92,93の検出値に基づき調圧弁24の開弁状態(弁開度)を制御することで、ホイルシリンダ液圧が目標液圧となるように制御する。この倍力制御中、液圧センサ91の検出値はマスタシリンダ圧と略同視できるため、液圧センサ91はマスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサとして機能する。本実施例では、基本的に、ポンプ7ではなく調圧弁24を制御することによりホイルシリンダ液圧を制御する。調圧弁24を比例制御弁としているため、細かい制御が可能となり、ホイルシリンダ液圧の滑らかな制御が実現可能となっている。なお、これに限らず例えばポンプ7の回転数(吐出量)を制御することとしてもよい。調圧弁24の代わりに(又は調圧弁24と共に)OUT弁25を制御することによりホイルシリンダ液圧を制御することとしてもよい。また、ホイルシリンダ液圧の減圧時や保持時にはポンプ7を停止することとしてもよい。
SSV27が開弁することで、第2シミュレータ油路17及び第2減圧油路15(OUT弁25の下流側)がSSV27を介して低圧側、すなわち液溜まり12a及び吸入油路12(リザーバ4)と連通する。これにより、ストロークシミュレータ9の副室R2から第2シミュレータ油路17を介して上記低圧側へブレーキ液が流出することが許容される。ストロークシミュレータ9の副室R2の容積変化(ピストン9aのストローク)が可能となるため、運転者のブレーキペダル2の踏込み操作によりマスタシリンダ5(第1液室51P)から流れ出たブレーキ液がストロークシミュレータ9(主室R1)内に流入可能となる。また、運転者のペダル踏み戻し操作によりストロークシミュレータ9(主室R1)からマスタシリンダ5(第1液室51P)へブレーキ液が戻される。具体的には、遮断弁21Pが閉弁してマスタシリンダ5とホイルシリンダ8との連通が遮断され、かつSSV27が開弁してストロークシミュレータ9の副室R2と液溜まり12a(吸入油路12)とが連通した状態で、運転者がブレーキ操作を行った(ブレーキペダル2を踏込み又は踏み戻した)場合、主室R1におけるピストン9aの受圧面に所定以上の油圧(マスタシリンダ圧)が作用すると、ピストン9aがスプリング9bを押し縮めつつ副室R2の側に軸方向に移動し、主室R1の容積が拡大する。これにより、マスタシリンダ5(第1液室51P)から第1油路11Pへ流れ出たブレーキ液が第1シミュレータ油路16を介して主室R1内部に流入すると共に、副室R2から第2シミュレータ油路17を介して吸入油路12へブレーキ液が排出される。主室R1内の圧力が所定未満に減少すると、スプリング9bの付勢力(弾性力)によりピストン9aが初期位置に復帰する。これにより、主室R1の容積が縮小し、主室R1から第1シミュレータ油路16へ流れ出たブレーキ液が第1油路11Pを介してマスタシリンダ5(第1液室51P)に流入すると共に、容積が拡大する副室R2へ第2シミュレータ油路17を介して吸入油路12からブレーキ液が供給される。このようにストロークシミュレータ9は、運転者のペダル操作から独立してホイルシリンダ液圧を制御する場合でも、マスタシリンダ5からのブレーキ液を吸排することで、ペダルストロークを創生し、ホイルシリンダ8の液剛性を模擬してペダル踏込み感を再現する。SSV27は、システム正常時に、開弁することにより、ストロークシミュレータ9の作動を可能とすることで、ペダルフィールを生成する。
一方、ECU100は、例えばシステム失陥時、SSV27を閉弁方向に制御し、遮断弁21を開弁方向に制御し、マスタシリンダ5とホイルシリンダ8とを連通させることで、液圧ユニット6の状態を、マスタシリンダ圧によりホイルシリンダ液圧を創生可能な状態として、踏力ブレーキ(非倍力制御)を実現する。この状態で、マスタシリンダ5の第1,第2液室51P,51Sとホイルシリンダ8とを接続するブレーキ系統(第1油路11)は、ペダル踏力を用いて発生させたマスタシリンダ圧によりホイルシリンダ液圧を創生する系統を構成する。具体的には、連通弁23を開弁方向に制御すると共に、他のアクチュエータ(ポンプ7及び他の電磁弁)を非作動(非通電状態)とする。これにより、マスタシリンダ5からブレーキ液が第1油路11P,11Sを介してホイルシリンダ8a〜8dに供給される。
SSV27は、閉弁することにより、第2シミュレータ油路17及び第2減圧油路15が低圧側、すなわち液溜まり12a及び吸入油路12(リザーバ4)と連通することを制限する。このとき、ストロークシミュレータ9の副室R2から第2シミュレータ油路17へのブレーキ液の流出が抑制され、ストロークシミュレータ9の作動(ピストン9aの副室R2側へのストローク)が停止する。これにより、運転者のブレーキペダル2の踏込み操作によりマスタシリンダ5(第1液室51P)から流れ出たブレーキ液がストロークシミュレータ9(主室R1)内に流入することが阻止され、マスタシリンダ圧が殆どそのままホイルシリンダ8側へ送られる。よって、ホイルシリンダ液圧が効率よく発生して、制動力を確保することができる。言い換えると、システム失陥時等に踏力ブレーキへ移行する際、SSV27が閉弁することで、マスタシリンダ5から流出するブレーキ液が第1油路11の途中で余計に吸収されることを抑制できるため、マスタシリンダ圧を効率よくホイルシリンダ液圧の発生に用いることができる。
なお、OUT弁25が開故障した場合であっても、システム失陥時には、SSV27が閉弁することにより、第2減圧油路15(OUT弁25の下流側)が上記低圧側と連通することが制限される。よって、システム失陥時に踏力ブレーキへ移行した際、マスタシリンダ5から第1油路11を介してホイルシリンダ8へ供給されたブレーキ液が、開故障したOUT弁25を介して第2減圧油路15から流出してしまう事態を回避することができる。このように、SSV27は、OUT弁25が開故障した場合であってシステム失陥が発生したとき、ホイルシリンダ液圧の低下を抑制する保障機能も有している。
チェック弁28は、(システム失陥等により)SSV27が閉弁したときに、ストロークシミュレータ9が作動しており主室R1内にブレーキ液が貯留した状態であっても、液溜まり12a(リザーバ4)から第2シミュレータ油路17(ストロークシミュレータ9の副室R2)へ向かうブレーキ液の流れを許容する。これにより、主室R1の容積が減少(副室R2の容積が増大)する方向へのピストン9aのストロークを可能とする。よって、上記状態からブレーキペダル2が踏み戻されたときにストロークシミュレータ9(主室R1)からマスタシリンダ5(第1液室51P)へブレーキ液が戻ることが可能となっている。これにより、マスタシリンダ圧をより効率よくホイルシリンダ液圧の発生に用いることができる。
ECU100は、SSV27の故障を検知する故障検知部101を有している。すなわち、SSV27が閉弁状態で固着する閉故障が発生すると、ストロークシミュレータ9の作動が阻害される等により、液圧ユニット6を用いた円滑な制御が妨げられる。また、SSV27が開弁状態で固着する開故障が発生すると、システム失陥時等に踏力ブレーキへ移行しようとしても、ストロークシミュレータ9の作動が停止されずに、マスタシリンダ5から流れ出たブレーキ液がストロークシミュレータ9内に流入してしまう。よって、必要な制動力発生に必要なペダルストロークが延びてしまったり、十分なホイルシリンダ液圧を発生できなかったりするおそれがある。よって、故障検知部101は、SSV27の故障を予め検知しておき、上記故障(特に開故障)を検知した場合には運転者にワーニングを出す。
故障検知部101は、昇圧制御部102と、減圧制御部103と、ホイルシリンダ液圧検出部104とを備えている。昇圧制御部102は、SSV27を閉弁方向に駆動し、ポンプ7を駆動し、OUT弁25を開弁方向に駆動して、SSV27に作用する(広義の)ホイルシリンダ液圧を、ポンプ7を用いて昇圧する。ここで、OUT弁25を閉弁した状態でポンプ7を用いてホイルシリンダ8内に発生させた液圧を狭義のホイルシリンダ液圧という。ホイルシリンダ8内に狭義のホイルシリンダ液圧が発生した状態で、OUT弁25を開弁したとき、(OUT弁25よりも下流側を含む)第2減圧油路15においてホイルシリンダ8とSSV27との間で発生する液圧を広義のホイルシリンダ液圧という。減圧制御部103は、SSV27を開弁方向に駆動して、昇圧制御部102により昇圧された広義のホイルシリンダ液圧を減圧する。ホイルシリンダ液圧検出部104は、液圧センサ92,93の検出値に基づき狭義及び広義のホイルシリンダ液圧を検出する。故障検知部101は、昇圧制御部102及び減圧制御部103によるSSV27の開閉指令に対し、ホイルシリンダ液圧検出部104により検出された広義の(ポンプ7により昇圧されSSV27に作用する)ホイルシリンダ液圧の状態に基づき、SSV27の故障を検知する。
図2は、故障検知部101により実行される故障検知制御の流れを示すフローチャートである。この制御フローは、例えば電源投入時に車載の各電子機器を作動させてこれらが正常であるか否かを判定するイニシャルチェック(セルフチェック)の際に実行される。イニシャルチェックは例えばイグニッションスイッチがオン状態とされたときや、リモコンドアロックの解除時等に行うことができる。
ステップS1では、故障検知部101が、SSV27の故障を検知するための準備処理として、遮断弁21を閉弁方向に制御してマスタシリンダ5とホイルシリンダ8との連通を遮断すると共に、連通弁23を開弁方向に制御する。具体的には、遮断弁21に対し閉弁方向の駆動指令を出力し、連通弁23に対し開弁方向の駆動指令を出力し、調圧弁24に対し閉弁方向の駆動指令を出力し、IN弁22に対し開弁方向の駆動指令を出力し、OUT弁25に対し閉弁方向の駆動指令を出力し、SSV27に対し閉弁方向の駆動指令を出力し、モータMに対しオフ指令を出力する(ポンプ7を駆動しない)。その後、ステップS2へ進む。
ステップS2では、昇圧制御部102が、狭義のホイルシリンダ液圧を昇圧する。具体的には、ステップS1の状態からモータMに対しオン指令を出力する(ポンプ7を駆動する)と共に、調圧弁24に対し駆動指令を出力してその開弁状態を制御することで、狭義のホイルシリンダ液圧を調圧する。その後、ステップS3へ進む。
ステップS3では、昇圧制御部102が、ホイルシリンダ液圧検出部104により検出された狭義のホイルシリンダ液圧が、所定値に略等しくなったか否かを判断する。狭義のホイルシリンダ液圧が所定値に略等しければステップS4へ進み、略等しくなければステップS2へ戻る。この所定値は、(当該所定値の狭義のホイルシリンダ液圧により生成される)広義のホイルシリンダ液圧が低下したか否かを見ることでSSV27の故障状態を十分に検出可能な値に設定することが好ましい。
ステップS4では、昇圧制御部102が、広義のホイルシリンダ液圧を昇圧する準備として、モータMに対しオフ指令を出力し(ポンプ7を停止し)、調圧弁24に対し閉弁方向の駆動指令を出力する(非作動とする)。その後、ステップS5へ進む。
ステップS5では、昇圧制御部102が、広義のホイルシリンダ液圧を昇圧する。具体的には、ステップS4の状態からOUT弁25に対し開弁方向の駆動指令を出力する。このとき、昇圧制御部102はSSV27に対し閉弁方向の駆動指令を出力している(ステップS1参照)。その後、ステップS6へ進む。
ステップS6では、故障検知部101が、広義のホイルシリンダ液圧が(SSV27が閉弁した状態で上記所定値の狭義のホイルシリンダ液圧により生成されるべき広義のホイルシリンダ液圧よりも有意に)低下した状態であるか否かを判断する。例えば、所定時間経過後に広義のホイルシリンダ液圧が第2の所定値以下となっているか否かを判断する。広義のホイルシリンダ液圧が低下していればステップS7へ進み、低下していなければステップS8へ進む。
ステップS7では、故障検知部101が、SSV27が開弁したままとなる開故障が発生していると判断する。その後、ステップS12へ進む。
ステップS8では、減圧制御部103が、広義のホイルシリンダ液圧を減圧する。具体的には、ステップS4の状態からSSV27に対し開弁方向の駆動指令を出力する。その後、ステップS9へ進む。
ステップS9では、故障検知部101が、広義のホイルシリンダ液圧が(SSV27が指令通りに開弁した状態で低下する通りに)低下した状態であるか否かを判断する。例えば、所定時間経過後に広義のホイルシリンダ液圧が第3の所定値以下となっているか否かを判断する。広義のホイルシリンダ液圧が低下していればステップS10へ進み、低下していなければステップS11へ進む。
ステップS10では、故障検知部101が、SSV27が正常であると判断する。その後、ステップS12へ進む。
ステップS11では、故障検知部101が、SSV27が閉弁したままとなる閉故障が発生していると判断する。その後、ステップS12へ進む。
ステップS12では、故障検知部101が、SSV27の故障検知制御を終了するための処理として、液圧ユニット6の各アクチュエータを初期状態(非作動)とする。具体的には、遮断弁21に対し開弁方向の駆動指令を出力し、連通弁23に対し閉弁方向の駆動指令を出力し、IN弁22に対し開弁方向の駆動指令を出力し、OUT弁25に対し閉弁方向の駆動指令を出力し、SSV27に対し閉弁方向の駆動指令を出力する。その後、本制御フローを終了する。
[作用]
次に、作用を説明する。図3〜図5は、図1と同様の図を用いて、SSV27の故障検知制御を行う際(例としてSSV27が正常であった場合)の液圧ユニット6の各アクチュエータの作動状態を例示したものであり、ブレーキ液の流れの概略を矢印で示す。図6〜図8は、SSV27の故障検知制御を行う際の、ホイルシリンダ液圧及び各アクチュエータの作動指令の時間変化を示すタイムチャートである。図6はSSV27の正常時、図7はSSV27の開故障時、図8はSSV27の閉故障時のタイムチャートをそれぞれ示す。
まず、SSV27が正常であった場合の動作を説明する。図6で、時刻t10以前、故障検知制御は行われていない。各アクチュエータは図1に示す非作動状態(初期状態)であり、狭義及び広義のホイルシリンダ液圧は発生していない。時刻t10で、故障検知制御の開始条件が成立し、制御を開始する。まず、ポンプ7を用いて狭義のホイルシリンダ液圧を増圧する。言い換えると、ホイルシリンダ8内にブレーキ液を貯める。時刻t10から時刻t11まで、図2のステップS1→S2→S3と進む流れとなり、OUT弁25及びSSV27に対し閉弁方向の駆動指令を出力したまま、遮断弁21に対し閉弁方向の駆動指令を出力し、連通弁23に対し開弁方向の駆動指令を出力し、モータMに対しオン指令を出力し(ポンプ7を駆動し)、調圧弁24の開度を制御する。これにより、狭義のホイルシリンダ液圧が所定値となるように調圧する。図3に示すように、ポンプ7は吸入油路12を介してリザーバ4からブレーキ液を吸入すると共に、吐出油路13にブレーキ液を吐出して、各輪のホイルシリンダ8へ供給する。吐出油路13に吐出されたブレーキ液の一部は第1減圧油路14を介して吸入油路12へ戻される。これにより、ホイルシリンダ8へのブレーキ液の供給量が調整される。
時刻t11で、ホイルシリンダ液圧が略所定値に達する。よって、OUT弁25を開き、広義のホイルシリンダ液圧を加圧する。言い換えると、上記調圧した狭義のホイルシリンダ液圧をSSV27に加える。時刻t11から時刻t12まで、図2のステップS4→S5→S6と進む流れとなり、モータMに対しオフ指令を出力し(ポンプ7を停止し)、調圧弁24に対し閉弁方向の駆動指令を出力する(非作動とする)。また、SSV27に対し閉弁方向の駆動指令を出力しつつ、OUT弁25に対し開弁方向の駆動指令を出力する。図4に示すように、SSV27が正常である場合、SSV27は指令通りに閉弁しているため、各輪のホイルシリンダ8からOUT弁25を介して第2減圧油路15へ流れ出ようとしたブレーキ液は、各ホイルシリンダ8とSSV27とチェック弁28とストロークシミュレータ27の副室R2と遮断弁21と調圧弁24との間で閉回路をなす油路内に閉じ込められる。これにより、ホイルシリンダ8とSSV27との間における第2減圧油路15内の液圧、すなわち広義のホイルシリンダ液圧が昇圧され、SSV27に加えられる。このホイルシリンダ液圧は、液圧センサ92Pにより検出されるP系統の液圧、液圧センサ92Sにより検出されるS系統の液圧、及び液圧センサ93により検出されるポンプ7の吐出側の液圧と略等しい。
時刻t12で、時刻t11から所定時間経っても広義のホイルシリンダ液圧が低下しない(保持される)ため、SSV27が開故障していないと判断される。よって、SSV27を開き、広義のホイルシリンダ液圧を減圧する。時刻t12から時刻t14まで、図2のステップS8→S9と進む流れとなり、SSV27に対し開弁方向の駆動指令を出力する。図5に示すように、SSV27が正常である場合、SSV27は指令通りに開弁するため、ホイルシリンダ8とSSV27との間における第2減圧油路15内のブレーキ液は、SSV27を介して吸入油路12側へ流出し、リザーバ4へ戻される。これにより、広義のホイルシリンダ液圧が低下する。時刻t12から所定時間経って広義のホイルシリンダ液圧が低下していることを確認すると、図2のステップS9→S10と進む流れとなり、SSV27が閉故障もしていない正常状態であると判断される。
時刻t13で、狭義及び広義のホイルシリンダ液圧がゼロまで低下する。
時刻t14で、図2のステップS12が実行され、遮断弁21に対し開弁方向の駆動指令を出力し、連通弁23に対し閉弁方向の駆動指令を出力し、OUT弁25に対し閉弁方向の駆動指令を出力し、SSV27に対し閉弁方向の駆動指令を出力する。時刻t14以後、液圧ユニット6の各アクチュエータは初期状態(非作動)となる。
次に、SSV27の開故障が発生していた場合の動作を説明する。図7で、時刻t21までは、図6の時刻t11までと同様である。
時刻t21で、ホイルシリンダ液圧が略所定値に達する。時刻t21から時刻t23まで、図2のステップS4→S5→S6と進む流れとなり、モータMに対しオフ指令を出力し(ポンプ7を停止し)、調圧弁24に対し閉弁方向の駆動指令を出力する(非作動とする)。また、SSV27に対し閉弁方向の駆動指令を出力しつつ、OUT弁25に対し開弁方向の駆動指令を出力する。SSV27が開故障している場合、SSV27は指令通りに閉弁せず開弁しているため、各輪のホイルシリンダ8からOUT弁25を介して第2減圧油路15へ流れ出たブレーキ液は、図5と同様に、SSV27を介して吸入油路12側へ流出し、リザーバ4へ戻される。これにより、広義のホイルシリンダ液圧が保持されずに低下する。時刻t21から所定時間経って広義のホイルシリンダ液圧が低下していることを確認すると、図2のステップS6→S7と進む流れとなり、SSV27が開故障していると判断される。すなわち、SSV27に閉弁指令を出した状態で広義のホイルシリンダ液圧(≒P系統圧=S系統圧=ポンプ吐出側液圧)の低下を検出した場合、SSV27が開故障していると判断できる。
時刻t22で、狭義及び広義のホイルシリンダ液圧がゼロまで低下する。
時刻t23で、時刻t14と同様、図2のステップS12が実行され、時刻t23以後、液圧ユニット6の各アクチュエータは初期状態(非作動)となる。
次に、SSV27の閉故障が発生していた場合の動作を説明する。図8で、時刻t32までは、SSV27は指令通りに閉弁しているため、図6の時刻t12までと同様である。
時刻t32で、時刻t31から所定時間経っても広義のホイルシリンダ液圧が低下しないため、SSV27が開故障していないと判断される。時刻t32から時刻t33まで、図2のステップS8→S9と進む流れとなり、SSV27に対し開弁方向の駆動指令を出力する。SSV27が閉故障している場合、SSV27は指令通りに開弁せず閉弁状態を保つため、ホイルシリンダ8とSSV27との間における第2減圧油路15内のブレーキ液は、SSV27を介して吸入油路12側へ流出せず、リザーバ4へ戻らない。よって、広義のホイルシリンダ液圧が保持され低下しない。時刻t32から所定時間経って広義のホイルシリンダ液圧が低下していないことを確認すると、図2のステップS9→S11と進む流れとなり、SSV27が閉故障していると判断される。すなわち、SSV27に開弁指令を出した状態で広義のホイルシリンダ液圧(≒P系統圧=S系統圧=ポンプ吐出側液圧)の保持を検出した場合、SSV27が閉故障していると判断できる。
時刻t33で、時刻t14と同様、図2のステップS12が実行され、時刻t33以後、液圧ユニット6の各アクチュエータは初期状態(非作動)となる。遮断弁21が開弁してホイルシリンダ8とマスタシリンダ5が連通するため、ホイルシリンダ8内のブレーキ液は第1油路11を介してマスタシリンダ5側(リザーバ4)に戻される。よって、時刻t33以後、ホイルシリンダ液圧は低下し、時刻t34でゼロとなる。
従来のブレーキ制御装置では、ストロークシミュレータ弁の故障を検知するために、運転者のブレーキ操作により発生するマスタシリンダ圧を用いている。よって、ストロークシミュレータ弁の故障を検知可能な場面が運転者のブレーキ操作時に限定されてしまう。例えば、マニュアルトランスミッションを搭載した車両で、運転者がブレーキペダルではなくクラッチペダルを踏んでイグニッションスイッチをオン状態とするような場合には、マスタシリンダ圧を用いてストロークシミュレータ弁の故障検知を行うことが不可能である。よって、ストロークシミュレータ弁の故障を検知する場面が限られてしまう。
これに対し、本実施例の装置1は、ストロークシミュレータ9の背圧油路(第2シミュレータ油路17)上であって、かつ、マスタシリンダ5とは別の液圧源(ポンプ7)により発生させたホイルシリンダ液圧を減圧するための第2減圧油路15上にSSV27を設け、SSV27の開閉指令に対するホイルシリンダ液圧の状態に基づきSSV27の故障を検知するようにした。よって、マスタシリンダ5とは別の液圧源(ポンプ7)により発生させた(広義の)ホイルシリンダ液圧を、SSV27の故障検知に用いることができる。例えばイニシャルチェック時に、ポンプ7を用いて一旦ホイルシリンダ8に圧を加える。OUT弁25を開き、そのときにSSV27を閉じる指令を出す。(広義の)ホイルシリンダ液圧が下がらなければ開故障がないと判断できる。また、SSV27を開く指令を出す。(広義の)ホイルシリンダ液圧が下がれば閉故障がないと判断できる。したがって、運転者のブレーキ操作により発生するマスタシリンダ圧を用いずにSSV27の故障を検知可能であるため、当該故障を検知可能な場面を拡大することができる。例えば、マニュアルトランスミッション車で運転者がクラッチペダルを踏んでイグニッションスイッチをオン状態としたような場合にも、SSV27の故障を検知可能である。なお、本実施例では、OUT弁25を閉弁して狭義のホイルシリンダ液圧を昇圧した(図3参照)後に、OUT弁25を開弁して広義のホイルシリンダ液圧を昇圧する(図4参照)こととしたが、OUT弁25を最初から開弁して広義のホイルシリンダ液圧を昇圧することとしてもよい。この場合、広義のホイルシリンダ液圧を十分に昇圧できない等によりSSV27の開故障を検知可能である。また、故障検知制御の際、広義のホイルシリンダ液圧を昇圧するために、全ホイルシリンダ8の液圧(狭義のホイルシリンダ液圧)を用いず、一部のホイルシリンダ8の液圧を用いることとしてもよい。
[効果]
以下、本実施例の効果を列挙する。
(1)ブレーキ制御装置1は、運転者のブレーキ操作によりマスタシリンダ5から流れ出たブレーキ液が第1油路11P及び第1シミュレータ油路16を介して二室に分離した室R内の一方側の室(主室R1)に流れ込むことで室R内を軸方向に移動するピストン9aを備え、ペダルストロークを創生するストロークシミュレータ9と、分離した室R内の他方側の室(副室R2)とリザーバ4とを接続する第2シミュレータ油路17(背圧油路)と、ホイルシリンダ8に接続する吐出油路13及び第1油路11(昇圧油路)を介してホイルシリンダ8に液圧を発生させるためのポンプ7(液圧源)と、第2シミュレータ油路17と接続し、ポンプ7により発生したホイルシリンダ液圧を減圧するための第2減圧油路15と、第2減圧油路15に設けられたOUT弁25(減圧弁)と、第2シミュレータ油路17における第2減圧油路15の接続部とリザーバ4との間にOUT弁25と直列に設けられた常閉のSSV27(ストロークシミュレータ弁)と、ホイルシリンダ8の液圧を検出するホイルシリンダ液圧検出部104と、ポンプ7を駆動し、OUT弁25を開弁方向に駆動し、SSV27を閉弁方向に駆動してホイルシリンダ液圧を昇圧する昇圧制御部102と、SSV27を開弁方向に駆動して昇圧制御部102により昇圧されたホイルシリンダ液圧を減圧する減圧制御部103とを備え、昇圧制御部102により昇圧されたホイルシリンダ液圧と減圧制御部103により減圧されたホイルシリンダ液圧に基づいてSSV27の故障を検知する。
よって、運転者のブレーキ操作により発生するマスタシリンダ圧を用いずにSSV27の故障を検知可能であるため、当該故障を検知可能な場面を拡大することができる。
(2)ブレーキ制御方法は、ポンプ7(液圧源)を駆動し、OUT弁25(減圧弁)を開弁方向に駆動し、SSV27(ストロークシミュレータ弁)を閉弁方向に駆動してホイルシリンダ液圧を昇圧した後に、SSV27を開弁方向に駆動して上記昇圧されたホイルシリンダ液圧を減圧し、検出されたホイルシリンダ液圧に基づいてSSV27の故障を検知する。
よって、上記(1)と同様の効果を得ることができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実現するための形態を、実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、本発明のストロークシミュレータ弁の配置構成及びその故障検知制御を適用可能なブレーキ制御装置は、マスタシリンダとは別の液圧源によりホイルシリンダ液圧を発生可能な液圧回路構成と、上記液圧源により発生させたホイルシリンダ液圧を減圧するための減圧油路と、ストロークシミュレータと、ストロークシミュレータの背圧油路とを備えたものであればよく、実施例のものに限らない。また、ホイルシリンダ液圧を制御するための各アクチュエータの作動方法は実施例のものに限らず、適宜変更可能である。本実施例では、上記背圧油路における上記減圧油路の接続部とリザーバとの間、すなわち単一の油路上にストロークシミュレータ弁を設けたが、別々の油路として存在する背圧油路と減圧油路上に、これらの油路を同時に開閉するようなストロークシミュレータ弁を設けてもよい。
1 ブレーキ制御装置
4 リザーバ
5 マスタシリンダ
7 ポンプ(液圧源)
8 ホイルシリンダ
9 ストロークシミュレータ
9a ピストン
R1 主室
R2 副室
11 第1油路(昇圧油路)
13 吐出油路(昇圧油路)
15 第2減圧油路(減圧油路)
16 第1シミュレータ油路
17 第2シミュレータ油路(背圧油路)
25 OUT弁(減圧弁)
27 SSV(ストロークシミュレータ弁)
102 昇圧制御部
103 減圧制御部
104 ホイルシリンダ液圧検出部

Claims (2)

  1. 運転者のブレーキ操作によりマスタシリンダから流れ出たブレーキ液が油路を介して二室に分離した室内の一方側の室に流れ込むことで前記室内を軸方向に移動するピストンを備え、ペダルストロークを創生するストロークシミュレータと、
    前記分離した室内の他方側の室とリザーバとを接続する背圧油路と、
    ホイルシリンダに接続する昇圧油路を介して前記ホイルシリンダに液圧を発生させるための液圧源と、
    前記背圧油路と接続し、前記液圧源により発生したホイルシリンダ液圧を減圧するための減圧油路と、
    前記減圧油路に設けられた減圧弁と、
    前記背圧油路における前記減圧油路の接続部と前記リザーバとの間に前記減圧弁と直列に設けられた常閉のストロークシミュレータ弁と、
    前記ホイルシリンダの液圧を検出するホイルシリンダ液圧検出部、
    前記液圧源を駆動し、前記減圧弁を開弁方向に駆動し、前記ストロークシミュレータ弁を閉弁方向に駆動して前記ホイルシリンダ液圧を昇圧する昇圧制御部、および
    前記ストロークシミュレータ弁を開弁方向に駆動して前記昇圧制御部により昇圧されたホイルシリンダ液圧を減圧する減圧制御部を備え、
    前記昇圧制御部により昇圧されたホイルシリンダ液圧と前記減圧制御部により減圧されたホイルシリンダ液圧に基づいて前記ストロークシミュレータ弁の故障を検知する電子制御ユニットとを有する
    ことを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 運転者のブレーキ操作によりマスタシリンダから流れ出たブレーキ液が油路を介して二室に分離した室内の一方側の室に流れ込むことで前記室内を軸方向に移動するピストンを備え、ペダルストロークを創生するストロークシミュレータと、
    前記分離した室内の他方側の室とリザーバとを接続する背圧油路と、
    ホイルシリンダに接続する昇圧油路を介して前記ホイルシリンダに液圧を発生させるための液圧源と、
    前記背圧油路と接続し、前記液圧源により発生したホイルシリンダ液圧を減圧するための減圧油路と、
    前記減圧油路に設けられた減圧弁と、
    前記背圧油路における前記減圧油路の接続部と前記リザーバとの間に前記減圧弁と直列に設けられた常閉のストロークシミュレータ弁と、
    前記ホイルシリンダの液圧を検出する液圧センサ
    電子制御ユニットと
    を備えたブレーキ制御装置の故障検知方法であって、
    前記電子制御ユニットが、前記液圧源を駆動し、前記減圧弁を開弁方向に駆動し、前記ストロークシミュレータ弁を閉弁方向に駆動して前記ホイルシリンダ液圧を昇圧した後に、前記ストロークシミュレータ弁を開弁方向に駆動して前記昇圧されたホイルシリンダ液圧を減圧し、検出されたホイルシリンダ液圧に基づいて前記ストロークシミュレータ弁の故障を検知する
    ことを特徴とするブレーキ制御装置の故障検知方法。
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