JP6068143B2 - マイクロニードルアレイ装着用治具とマイクロニードルアレイ装置 - Google Patents
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Description
すなわち、従来の構成によると、図22に示すように、マイクロニードル301を皮膚303に対して垂直に穿刺することになるが、その際マイクロニードル301の先端部が皮膚303の表面を変形させてしまい、その結果、上記マイクロニードル301を皮下所定深さまで穿刺させることができないという問題があった。
マイクロニードルを皮下所定深さまで穿刺できていない状態で上記マイクロニードル301の薬液流路305に薬液を送り込んでも、薬液が皮膚303の表面に漏れ出てしまうことになる。
又、この状態からマイクロニードル301をさらに押し込もうとすると患者に苦痛を与えてしまうことになる。
尚、上記所定深さとしては、患者の痛みの軽減と効果的な薬液の注入を考慮して、皮下100〜500μm程度の深さが適切である。
又、請求項2によるマイクロニードルアレイ装着用治具は、請求項1記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、上記治具本体には、組み込まれる上記マイクロニードルアレイを保持するマイクロニードルアレイ保持手段が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項3によるマイクロニードルアレイ装着用治具は、請求項2記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、上記マイクロニードルアレイ保持手段は、上記治具本体に対向・配置されたラッチであることを特徴とするものである。
又、請求項4によるマイクロニードルアレイ装着用治具は、請求項3記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、上記治具本体には固定用のベルトを接続するベルト接続孔が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるマイクロニードルアレイ装着用治具は、請求項1〜請求項4の何れ かに記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、上記治具本体には非使用時と穿 刺時の二段階の係合部があることを特徴とするものである。
又、請求項6によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項1〜請求項5の何れかに記 載のマイクロニードルアレイ装着用治具と、上記マイクロニードルアレイ装着用治具に組 込・固定されるマイクロニードルアレイと、を具備し、
上記マイクロニードルアレイは、上ケースと薬液注入口を備えた下ケースとの間にマイ クロニードルユニットをニードルホルダに保持させた状態で挟み込んで固定したものであ ることを特徴とするものである。
又、請求項7によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項6記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記上ケースには、上記マイクロニードルユニットの両端をガイド する溝が形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項8によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項7記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記マイクロニードルユニットには流路ボスが設けられていて、上 記流路ボスを上記ニードルホルダに形成された貫通孔に差し込むことにより固定されてい ることを特徴とするものである。
又、請求項9によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項8記載のマイクロニードル アレイ装置において、上記下ケースには上記ニードルホルダの変形を防止するための複数 の突起が設けられていて、これら複数の突起の間が流路として機能するように構成されて いることを特徴とするものである。
また、請求項2によるマイクロニードルアレイ装着用治具は、請求項1記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、上記治具本体の表面には接着部が設けられているので、マイクロニードルアレイ装着用治具を接着部によって皮膚表面に固定することができ、且つ、接着部によって皮膚表面自体を平面状に保った状態に固定することができ、それによって、上記効果をより高めることができる。
また、請求項3によるマイクロニードルアレイ装着用治具は、請求項2記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、上記治具本体には、組み込まれる上記マイクロニードルアレイを保持するマイクロニードルアレイ保持手段が設けられているので、上記マイクロニードルアレイを上記マイクロニードルアレイ装着用治具に確実に保持・固定することができる。
また、請求項4によるマイクロニードルアレイ装着用治具は、請求項3記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、上記マイクロニードルアレイ保持手段は、上記治具本体に対向・配置されたラッチであるので、上記効果をより確実なものとすることができる。
また、請求項5によるマイクロニードルアレイ装着用治具は、請求項4記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、上記治具本体には固定用のベルトを接続するベルト接続孔が設けられているので、ベルトを使用した固定も可能となる。
また、請求項6によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項1〜請求項5の何れかに記載のマイクロニードルアレイ装着用治具と、上記マイクロニードルアレイ装着用治具に組込・固定されるマイクロニードルアレイと、を具備した構成になっているので、前述したマイクロニードルアレイ装着用治具を具備するため、マイクロニードルが皮膚表面に穿刺される際の皮膚表面の変形を防止することができ、マイクロニードルアレイに設けられたマイクロニードルを皮膚に対して所定の深さに穿刺させ、患者への痛みを軽減しつつ、皮膚表面への薬液の漏れ出しを防止することができる。
また、請求項7によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項6記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記マイクロニードルアレイは、上ケースと薬剤注入口を備えた下ケースとの間にマイクロニードルユニットをニードルホルダに保持させた状態で挟み込んで固定した構成になっているので、シール性能を高め、無駄な薬液滞留を防ぎ、且つ、組立が簡単なものとなる。
また、請求項8によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項7記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記上ケースには、上記マイクロニードルユニットの両端をガイドする溝が形成されているので、マイクロニードルユニットの位置決めが容易になる。
また、請求項9によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項8記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記マイクロニードルユニットには流路ボスが設けられていて、上記流路ボスを上記ニードルホルダに形成された貫通孔に差し込むことにより固定されているので、マイクロニードルユニットの保持が容易、且つ、確実なものとなる。
また、請求項10によるマイクロニードルアレイ装置は、請求項9記載のマイクロニードルアレイ装置において、上記下ケースには上記ニードルホルダの変形を防止するための複数の突起が設けられていて、これら複数の突起の間が流路として機能するように構成されているので、必要な流路を確保しつつ、ニードルホルダの変形を防止することができる。
以下、詳細に説明する。
上記マイクロニードルアレイ装着用治具3は、略正方形の板である治具本体5と、この治具本体5の一方の面(図1中上側の面)の全面に塗布された接着剤からなる接着部7と、上記治具本体5の他方の面(図1中下側の面)の外周部から図1中下方に向けて延長・形成されたガイド部6とから構成されている。
まず、ケース19があり、このケース19は、図1及び図3に示すように、上ケース19aと下ケース19bとから構成されている。又、図3に示すように、上記上ケース19aには、複数個(この実施の形態では6個)の貫通孔21、21、21、21、21、21が穿孔されている。又、図3に示すように、上記下ケース19bには、図3中上側に開口した中空部23が形成されていて、この中空部23の底面(図3中下側の内面)の中央には薬液注入口25が形成されている。又、上記中空部23の図3中下側の内面には、複数個(この実施の形態では6個)の薬液流通溝27、27、27、27、27、27が形成されている。
但し、上記マイクロニードル29cの先端部分は非接着であって薬液流出口30となっている。
まず、マイクロニードルアレイ装着用治具3から剥離紙8を剥がし、接着部7を露出させる。そして、図5に示すように、上記マイクロニードルアレイ装着用治具3の上記接着部7側の面を皮膚45に対して押し当てて皮膚45表面に接着・固定させる。それによって、上記皮膚45は伸び縮み等しないよう平面状に固定されることになる。
なお、必要に応じて、図示しないベルト等を使用して、上記マイクロニードルアレイ4及び上記マイクロニードルアレイ装着用治具3を上記皮膚45表面に固定する場合もある。
そして、上記マイクロニードルアレイ4の薬液注入口25に図示しない薬液供給パイプを接続し、この薬液供給パイプを介してポンプ等により薬液を上記マイクロニードルアレイ4に供給する。薬液は、上記約液注入口25から上記マイクロニードルアレイ4のケース19内の中空部23内に流入し、上記中空部23の底面に設けられた各薬液流通溝27を通過して、上記マイクロニードルユニット29の薬液流路43に流入する。そして、薬液流路43に流入した薬液は上記マイクロニードル29cの先端部の薬液流出口30から上記皮膚45内に注入されることになる。
まず、マイクロニードルアレイ装着用治具3の治具本体5を皮膚45に押し付ける構成になっており、それによって、上記皮膚45の表面を平面状に保った状態に固定することができる。特に、本実施の形態の場合には、治具本体5の表面に接着部7が設けられているので、皮膚45の表面を平面状に保った状態に固定する効果をより確実なものとすることができる。このように、皮膚45の表面を平面状に保った状態に固定することができるので、穿刺時における皮膚45の変形を防止することができ、マイクロニードル29cを皮下所望深さまで確実に穿刺させることができる。
又、上記マイクロニードルアレイ装着用治具3には、ガイド部6が設けられているので、マイクロニードルアレイ4を上記マイクロニードルアレイ装着用治具3に確実に、且つ、容易に取り付けることができる。
又、上記マイクロニードルアレイ装着用治具3には、4つのラッチ15が設けられているため、上記マイクロニードルアレイ4を上記マイクロニードルアレイ装着用治具3に確実に固定することができ、皮膚45に対するマイクロニードルアレイ4の位置も確実に固定されることとなる。
又、上記マイクロニードル29cが、上記マイクロニードルアレイ装着用治具3の接着部7の表面から穿刺される長さ(すなわち、皮膚45に突き刺さる長さ)h2が適切に調整されているため、患者の痛みの軽減と効果的な薬液の注入の両方を実現することができる。
なお、このマイクロニードルアレイ装着用治具103にマイクロニードルアレイ105を取り付けた状態を図10に示す。
尚、図12では、片側の内周面131及びガイド溝133がみえている。
尚、マイクロニードル152の先端は、前記第1の実施の形態の場合と同様に、非接着となっていて薬液流出口となっている。
基本的には、前記第1の実施の形態の場合と同じである。まず、図17(a)に示すように、上記マイクロニードルアレイ装着用治具103から剥離紙115を剥がして接着部113を露出させ、皮膚45に貼り付けて固定する。
図18は、横軸にステージ移動量(変位)mmを取り、縦軸にロードセル値をとり、その時間変化を示す図である。実験方法としては、本実施の形態によるマイクロニードルアレイ装置101を使用してダミー皮膚に穿刺を施した場合の荷重をロードセルによって検出し、且つ、ダミー皮膚の変位量を測定する。同様に、比較例、この場合には、マイクロニードルアレイ装着用治具103を使用せずに、マイクロニードルアレイを直接ダミー皮膚に穿刺した場合の、荷重と、ダミー皮膚の変位量を測定したものである。図中上の線図が本実施の形態の場合であり、下の線図が比較例の場合である。
これに対して、比較例の場合には、ダミー皮膚が略0.585mm程度変位したところで、マイクロニードルがダミー皮膚を貫通しており、貫通するタイミングが大きくずれこんでいるとともにロードセルの値も大きなものとなっている。
つまり、比較例の場合には、穿刺時にダミー皮膚が大きく変形してしまうために、所望の穿刺を行うために、より大きな力を要してしまうものである。これに対して、本実施の形態の場合には、穿刺時におけるダミー皮膚の変形を抑制することができるので、所望の穿刺を行うための力も小さくて済む。
この効果は、前記第1の実施の形態の場合にも同様にいえる効果である。
なお、本実施の形態の場合の線図において、穿刺後に、変位量が0.33mmあたりで、ロードセルの値が低下するポイントがあるが、これはマイクロニードル152の形状に起因するものであり、先端の傾斜部から平行な部分に切り替わったポイントで、ロードセルの値が低下しているものである。
又、本実施の形態の場合には、マイクロニードルユニット121を、主針側分割要素149と副針側分割要素151の凹凸嵌合構造により接合することにより薬液流路157を形成するようにしているので、マイクロニードルユニット121自体の剛性を高めることができる。特に、副針側分割要素151の第1嵌合リブ155aを主針側分割要素149側に大きく食い込ませるように構成しているので、嵌合強度の確保と漏れ防止を効果的に図ることができるようになった。
尚、上記マイクロニードルアレイ105は、前記第2の実施の形態で説明したマイクロニードルアレイ105と同じ構成のものであり、よって、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
なお、上記治具本体207には、図示しない接着剤が塗布されて接着部が設けられるとともに、そこには図示しない剥離紙が貼り付けられることになる。
これに対して、使用時には、図21に示すような状態にある。この場合には、図20(b)に示すように、第1凸部215が段付部129に係合することになる。
例えば、前記第1〜第3の実施の形態の場合には、接着部を設ける場合を例に挙げて説明しているがそれに限定されるものではない。例えば、注射時間が短時間の場合には、接着部を設けないような構成も考えられる。
例えば、マイクロニードルの数やこれに対応した治具本体の貫通孔の数は任意である。
また、マイクロニードルの形状についても、四角錘形状に限らず、多角錘形状や円錐形状など、様々なものが考えられる。
又、ラッチの数もこれを特に限定するものではない。
又、前記第1〜第3の実施の形態のように、治具本体の表面の全面に接着部を設けるのではなく、貫通孔の開口部を塞ぐように部分的に設けることも考えられる。
又、前記第1〜第3の実施の形態の場合には、接着剤の塗布により接着部を設けるようにしたが、例えば、両面接着紙の片側の剥離紙を剥がして貼り付けるようにしてもよい。
その他、図示した構成はあくまで一例であってそれに限定するものではない。
3 マイクロニードルアレイ装着用治具
4 マイクロニードルアレイ
5 治具本体
6 ガイド部
7 接着部
11 貫通孔
15 ラッチ(マイクロニードルアレイ保持手段)
29c マイクロニードル
Claims (9)
- 複数のマイクロニードルを一列に有するマイクロニードルユニットを複数備えたマイクロニードルアレイの上記マイクロニードルが貫通することになる複数の貫通孔が設けられた治具本体と、
上記治具本体に組み込まれる上記マイクロニードルアレイをガイドして上記マイクロニードルを上記貫通孔に導くガイド部と、
上記治具本体の表面に上記貫通孔を閉塞した状態で設けられた接着部と、
を具備し、
上記マイクロニードルは内部に薬液流路を備えるものであり、上記接着部は使用時に上記マイクロニードルにより貫通されるものであることを特徴とするマイクロニードルアレイ装着用治具。 - 請求項1記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、
上記治具本体には、組み込まれる上記マイクロニードルアレイを保持するマイクロニードルアレイ保持手段が設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装着用治具。 - 請求項2記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、
上記マイクロニードルアレイ保持手段は、上記治具本体に対向・配置されたラッチであることを特徴とするマイクロニードルアレイ装着用治具。 - 請求項3記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、
上記治具本体には固定用のベルトを接続するベルト接続孔が設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装着用治具。 - 請求項1〜請求項4の何れかに記載のマイクロニードルアレイ装着用治具において、
上記治具本体には非使用時と穿刺時の二段階の係合部があることを特徴とするマイクロ ニードルアレイ装着用治具。 - 請求項1〜請求項5の何れかに記載のマイクロニードルアレイ装着用治具と、上記マイ クロニードルアレイ装着用治具に組込・固定されるマイクロニードルアレイと、を具備し 、
上記マイクロニードルアレイは、上ケースと薬液注入口を備えた下ケースとの間にマイ クロニードルユニットをニードルホルダに保持させた状態で挟み込んで固定したものであ ることを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。 - 請求項6記載のマイクロニードルアレイ装置において、
上記上ケースには、上記マイクロニードルユニットの両端をガイドする溝が形成されて いることを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。 - 請求項7記載のマイクロニードルアレイ装置において、
上記マイクロニードルユニットには流路ボスが設けられていて、上記流路ボスを上記ニ ードルホルダに形成された貫通孔に差し込むことにより固定されていることを特徴とするマイクロニードルアレイ装置。 - 請求項8記載のマイクロニードルアレイ装置において、
上記下ケースには上記ニードルホルダの変形を防止するための複数の突起が設けられて いて、これら複数の突起の間が流路として機能するように構成されていることを特徴とす るマイクロニードルアレイ装置。
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