JP6068119B2 - 生地裁断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、素材生地から長尺形体の生地パーツを裁断により取り出すに際して、好適に採用することのできる生地裁断方法に関する。
素材生地から生地パーツを裁断により取り出すための裁断装置として、丸刃等の回転刃を具備した裁断ヘッドに対し、裁断テーブル上での昇降、水平旋回、旋回角を固定した直線移動、水平旋回を同時進行させながらの曲線移動等を行わせる構成のものが周知である。この種の裁断装置では、裁断時に設定入力する裁断データ(生地パーツの輪郭を座標によって数値化したもの)に基づいて、裁断ヘッドの動作が制御される。
但し、素材生地は殆どの場合、繊維特性や各種処理工程を経ることが原因で伸縮しているので、前記裁断データをそのまま使用することはせず、実際に裁断テーブル上に広げられた素材生地を対象に、個別の伸縮に応じた補正を加えるようにする。このような補正は、無地の素材生地を裁断する場合に適用するものと、柄(絵や模様、文字、彩色等を含む)付きの素材生地を柄に沿って裁断する場合に適用するものとに、大別される。
このうち、前者(無地の素材生地の裁断時)の補正は、素材生地の伸縮に合わせて裁断データを拡大又は縮小させるだけであり、柄とのマッチング性を考慮する必要はない。これに対し、後者(柄付きの素材生地の裁断時)の補正では、柄とのマッチング性が重要とされる。そこで従来、後者の補正に関して、次のような補正方法が提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、この補正方法では、予め、柄のプリント時に各柄に寄り添わせて個別にポイントマークを表示させておく。このときのプリントデータには、柄とポイントマークとの位置的な相関情報(座標)が含まれているので、素材生地の裁断時に画像処理によって各ポイントマークを検出すれば、検出したポイントマークの座標と、前記したプリントデータが有するポイントマークの座標とを比較して偏差量を求めることができる。そこで、この偏差量に基づいて各柄の裁断位置(裁断データ)を補正するというものである。
特許第4054556号公報
柄付きの素材生地から柄の輪郭に一致させて生地パーツを切り出すことは非常に難しいということがあった。なぜなら、素材生地の伸縮は柄の位置ズレだけでなく、柄の変形としても当然に及んでおり、また伸縮の程度や方向性は一様ではなく、素材生地内の各所において種々様々に異なっているからである。
なお、前記した従来の補正方法(特許文献1)は、原則として、柄の配置に関して生じたゆがみや傾きなどについて補正することを主目的としていた。それ故、この従来の補正方法を採用しても、柄自体が変形している場合の対応や、切り出した生地パーツの形状及び柄との一致性に関する補正などに対処するのは困難であった。
ところで、いま、素材生地の伸縮で柄に生じた変形につき、これを補正するための補正方法を考えたとする。この場合、ウエスト部から膝乃至足首に達するような下衣を製作するに際し、脚を通す部分に用いるような長尺形体の生地パーツを切り出す場合を想定すると、新たに、次のような問題が起こることを指摘できる。
すなわち、素材生地に生じた伸縮に基づき、生地パーツの長手方向に対して補正すべき伸縮率と、生地パーツの短手方向に対して補正すべき伸縮率とを求めたとき、仮に、これら伸縮率が同じであったと仮定する。伸縮率が同じでも、長手方向での補正寸法と短手方向での補正寸法とを比較すれば、長手方向と短手方向との寸法差に基づき、長手方向の補正寸法が大きな数字になることは容易に理解できる。このため、短手方向が製品許容範囲に含まれる場合でも、長手方向が製品許容範囲から逸脱することが生じ得る。
のみならず、前記したように素材生地に生じる伸縮は一様ではないため、素材生地中の別々の箇所から切り出した生地パーツ間では、長手方向の寸法が、仮に製品許容範囲に含まれていたとしても大きな寸法差を有しているということもある。もし、このような事態を看過して下衣を製作するようなことがあれば、左脚部分と右脚部分とで長さが甚だしく異なり、製品として耐えないものとなってしまうのである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、素材生地から切り出そうとする生地パーツが長尺形体をしたものであり、且つ、素材生地に対して生地パーツに含ませる柄(柄だけでなく、接着剤塗布箇所や接着又は縫着用の余白部を含めて、以下では「定着箇所」と言う)が付されている場合に、素材生地の伸縮を要因とする柄の位置ズレや変形に対応して適正な生地パーツを裁断により取り出せるようにした生地裁断方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る生地裁断方法は、広げた素材生地から長尺形体の生地パーツを裁断により取り出す方法において、前記素材生地には裁断しようとする前記生地パーツの少なくとも一箇所に柄等の定置設定部を予め設定しておくと共に、前記生地パーツの非伸縮状態を示す座標とこの生地パーツに対する前記定置設定部の正規位置を示す座標とを有する理想形のマスターパターンを準備しておき、前記素材生地を元にして前記生地パーツの長手方向に沿った伸縮率と生地パーツの短手方向に沿った伸縮率との両方を求めておき、理想形の前記マスターパターンを前記素材生地における長手方向及び短手方向の両方の伸縮率で伸縮補正し、その後、前記素材生地における長手方向又は短手方向のうち一方の伸縮率に基づいて行った理想形の前記マスターパターンの伸縮補正を伸縮補正前の状態に改めて変形させることを行って実際の裁断に用いる裁断データを作成し、得られた裁断データに基づいて素材生地を裁断することを特徴とする。
前記伸縮補正に先行、後行又は並行して前記素材生地を広げた裁断位置上で当該素材生地に生じている回転角のズレ量を求め出し、前記裁断データを作成するより前に、理想形の前記マスターパターン又は伸縮補正後の前記マスターパターンについて前記ズレ量による外形歪みを除去するための歪補正を行うようにするのが好適である。
また、本発明に係る生地裁断方法は、広げた素材生地から長尺形体の生地パーツを裁断により取り出す方法において、前記素材生地には裁断しようとする前記生地パーツの少なくとも一箇所に柄等の定置設定部を予め設定しておくと共に、前記生地パーツの非伸縮状
態を示す座標とこの生地パーツに対する前記定置設定部の正規位置を示す座標とを有する理想形のマスターパターンを準備しておき、前記素材生地を元にして前記生地パーツの長手方向に沿った伸縮率と生地パーツの短手方向に沿った伸縮率との両方を求めておき、理想形の前記マスターパターンを前記素材生地における長手方向及び短手方向の両方の伸縮率で伸縮補正し、前記伸縮補正に先行、後行又は並行して前記素材生地を広げた裁断位置上で当該素材生地に生じている回転角のズレ量を求め出し、前記伸縮補正後における前記マスターパターンについて、前記素材生地における長手方向又は短手方向のうち一方の伸縮率に基づいて行った前記伸縮補正を、伸縮補正前の状態に改めて変形させつつこの変形成分から前記ズレ量による外形歪みを除去する歪補正を行って実際の裁断に用いる裁断データを作成し、得られた裁断データに基づいて素材生地を裁断することを特徴とするものであってもよい。
改めて行う前記変形は、前記伸縮補正後の前記マスターパターンから前記定置設定部又は当該定置設定部に密接な関係を有する一座標を選出し、前記一座標と当該一座標に該当する前記素材生地の仮想区画内の一座標とを合致させてこの合致位置を固定点としつつ当該固定点から前記伸縮補正後の前記マスターパターンにおける長手方向又は短手方向に関して実行するのが好適である。
前記改めて変形を行いつつ前記歪補正を行うには、前記素材生地に対して前記生地パーツの長手方向又は短手方向に平行な仮想線を設定できるようにした少なくとも2頂点のポイントマーク又は前記仮想線自体を予め表示させておき、前記仮想線の設定時に前記素材生地を走査する走査方向又は当該走査方向に交差する垂直方向に対して前記仮想線に生じている角度から前記ズレ量を求め、前記伸縮補正後の前記マスターパターンから前記定置設定部又は当該定置設定部に密接な関係を有する一座標を選出し、前記一座標と当該一座標に該当する前記素材生地の仮想区画内の一座標とを合致させてこの合致位置を固定点とし、前記伸縮補正後の前記マスターパターンから前記固定点とは別の座標を選出して当該座標を移動点とし、前記固定点を通り前記仮想線に平行な第1直線と前記移動点を通り前記仮想線に垂直に交差する第2直線とからそれらの交点を求め、前記第2直線上における前記移動点と前記交点との間の距離を求め、求めた距離を、伸縮補正前における理想形の前記マスターパターン上で対応する非伸縮距離に変換することで前記移動点の移動位置を求め、前記移動位置へ移動させた前記移動点を用いて前記伸縮補正後の前記マスターパターンを改めて変形させることで実行するとよい。
改めて行う前記変形は、前記素材生地における長手方向の伸縮率を用いて行うとよい。
前記生地パーツの長手方向又は短手方向に沿った前記伸縮率は、当該生地パーツにおいてそれぞれ対応する各方向に沿わせた互いに平行な2本の仮想線間を区画する中間区割り線を設定したうえで、この中間区割り線と各仮想線との相互間隔を実測して得た数値と、前記マスターパターンから得られる該当のパターン分割値との比較によって求めることができる。
前記定置設定部は柄、接着剤塗布箇所、接着又は縫着用の余白部のうちのいずれか一つとするのがよい。
前記固定点は、実際に裁断するラインに含まれる裁断点とするとよい。
本発明に係る生地裁断方法では、素材生地から切り出そうとする生地パーツが長尺形体をしたものであり、且つ、素材生地に対して生地パーツに含ませる柄、接着剤塗布箇所、或いは接着又は縫着用の余白部等の「定着箇所」が付されている場合に、素材生地の伸縮を要因とする柄の位置ズレや変形に対応して適正な生地パーツを裁断により取り出すことができる。
本発明に係る生地裁断方法で使用可能な生地裁断装置を模式的に示した側面図である。 生地裁断装置の制御構成を示したブロック構成図である。 (A)は裁断テーブル上へ広げられた裁断生地を示した平面図であり(B)は生地裁断装置の補正処理部に入力されたマスターパターンを示した図である。 マスターパターンを短手方向で補正する過程を説明したものであって(A)はパターン枠を示した図であり(B)は素材生地の仮想区画内へマスターパターンを重ね合わせて示した図であり(C)は図中の下側区画に対する補正後を示した図である。 マスターパターンを短手方向で補正する過程を説明したものであって(A)は図中の下側区画に対する補正後を示した図(図4(C)と実質的に同じ図)であり(B)は図中の上側区画に対する補正後を示した図である。 マスターパターンを長手方向で補正する過程を説明したものであって(A)はパターン枠を示した図であり(B)は図中の上下両区画に対する補正後のマスターパターンを示した図(図5(B)と実質的に同じ図)であり(C)は図中の左側区画に対する補正後を示した図である。 マスターパターンを長手方向で補正する過程を説明したものであって(A)は図中の左側区画に対する補正後を示した図(図6(C)と実質的に同じ図)であり(B)は図中の右側区画に対する補正後を示した図である。 (A)はマスターパターンを長手方向と短手方向の両方で補正した場合におけるマスターパターンの理想形との比較図であり(B)はマスターパターンを短手方向のみについて補正した場合におけるマスターパターンの理想形との比較図である。 本発明に係る生地裁断方法の一例を示したフローチャートである。 本発明に係る生地裁断方法の第2実施形態を示したものであって(A)は裁断位置上で素材生地に回転角のズレ量が生じているにも関わらず歪補正を行わなかった場合のマスターパターンで不適な裁断データが作成される状況であり(B)は歪補正を行った場合のマスターパターンで適正な裁断データが作成される状況である。 移動点が伸縮補正前における理想形のマスターパターンではどの位置に存在していたのかを見つけ出すことについて説明した仮想図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図4乃至図9は、本発明に係る生地裁断方法の実施状況を説明したものであり、図1及び図2には、この生地裁断方法を実施する際に使用可能な生地裁断装置1を示している。また図3には、この生地裁断方法で使用する素材生地Wの一例と、この素材生地Wから切り出そうとする生地パーツの一例(マスターパターンM)とを示している。まず、素材生地Wについて説明する。
[素材生地]
本発明において裁断の対象とする素材生地Wは、その材質や厚さ等が限定されるものではなく、天然素材でも合繊素材でもよいし、場合によっては不織布等を含めても構わない。また、素材生地Wは、予め所定寸法に粗切りされた平生地でも、ロール巻き体から巻き出された帯状生地でもよい。
素材生地Wに必要とされる構成は、図3(A)に示すように、柄(絵や模様、文字、彩色等)などの定置設定部Hと、少なくとも四つのポイントマーク(第1ポイントマークP1、第2ポイントマークP2、第3ポイントマークP3、第4ポイントマークP4)とが付されている点にある。
ここにおいて、定置設定部Hは、柄をはじめ、接着剤塗布箇所や接着又は縫着用の余白部を含めて言う。このうち、接着剤塗布箇所や接着又は縫着用の余白部は、視認可能なものであることが要件とされるものではなく、センサ類等による検出が可能であったり、他の位置決めマークなどによって位置特定ができるものであればよいものとする。
本実施形態に示した定置設定部Hは、長細い領域とされる接着剤塗布箇所H1と、この接着剤塗布箇所H1に近接して配置された柄H2(図例では「JP」と読める文字表記)とを組み合わせたものとしてある。
また、切り出そうとする生地パーツは、図3(B)にマスターパターンMとして示しているように、長尺形体を呈したものとする。例えば、ウエスト部から膝乃至足首に達するような下衣を製作するに際し、脚を通す部分に用いるようなものである。この生地パーツ
には、少なくとも一箇所(図例では長手方向の一端寄りとなる箇所)に、前記の定置設定部Hが配置されるように、素材生地W内での配置が設定される。
本実施形態では、素材生地Wの長手方向(図3(A)の左右方向)と、生地パーツの長手方向(図3(B)の左右方向)とが同じ向きとなるようにしてある。しかしこれは限定されず、例えば、素材生地Wの短手方向(図3(A)の上下方向)と生地パーツの長手方向とが同じ向きとなるようにしてもよいし、素材生地Wの斜め方向に沿わすように生地パーツの長手方向を配置することも可能である。また、素材生地Wに対して同種又は別種の定置設定部Hが複数配置されたものとしておき、これら複数の定置設定部Hに跨るようにして生地パーツの長手方向を配置することも可能である。
これに対し、第1〜第4ポイントマークP1〜P4は、素材生地W上に四角形状の仮想区画Zaを設定するためのものである。この仮想区画Zaは、切り出そうとする生地パーツの配置領域を取り囲んだ設定とするのが好適である。
本実施形態では、生地パーツの長手方向に沿わせた仮想線50(以下、「長辺側仮想線50」)を設定するために第1ポイントマークP1と第2ポイントマークP2とを用い、この長辺側仮想線50と相対的に平行な仮想線52(以下、「長辺側仮想線52」)を設定するために第3ポイントマークP3と第4ポイントマークP4とを用いる、といった具合である。なお、長辺側仮想線50は必ずしもP1−P2線とする必要はなく、P1−P2線に平行な別の仮想線に置き換えてもよい。長辺側仮想線52についても、P3−P4に平行な別の仮想線に置き換えることができる。
同様に、生地パーツの短手方向に沿わせた仮想線60(以下、「短辺側仮想線60」)を設定するために第1ポイントマークP1と第3ポイントマークP3とを用い、この短辺側仮想線60と相対的に平行な仮想線62(以下、「短辺側仮想線62」)を設定するために第2ポイントマークP2と4ポイントマークP4とを用いる、といった具合である。この場合も、短辺側仮想線60はP1−P3線に平行な別の仮想線に置き換えることができ、短辺側仮想線62はP2−P4に平行な別の仮想線に置き換えることができる。
なお、長辺側仮想線50,52を設定するための4つのポイントマークと、短辺側仮想線60,62を設定するための4つのポイントマークとを、別々にする(ポイントマークを全部で8つ設けて4本の仮想線を井桁状(♯形状)に交差させて設定する)ことも可能である。
第1〜第4ポイントマークP1〜P4の配置と、定置設定部Hの配置との間には、間接的な位置関係が生じるとしても、直接的、一義的な位置関係(相関)は設ける必要はない。従って、素材生地Wにおいて定置設定部Hの形状や配置を変更しても、素材生地Wに対する第1〜第4ポイントマークP1〜P4の配置を変更する必要はない。この理由から、定置設定部Hの付与と、第1〜第4ポイントマークP1〜P4の表示とは、同時に行ってもよいし、同時でなくても(時間的にずらして行っても)よい。
また、第1〜第4ポイントマークP1〜P4は、印刷等で付与してもよいし、その他の方法で表示してもよい。例えば、素材生地W自体の編組織を部分的に異ならせたり凹凸や孔を設けたり、或いは接着剤やシール等の付着物を付着したりする方法が考えられる。また、ブラックライトを照射したときだけ視認又は検出できるような蛍光塗料を用いて第1〜第4ポイントマークP1〜P4を表示させることも考えられる。この場合、第1〜第4ポイントマークP1〜P4は視覚的悪影響を生じないので、定置設定部Hと位置的に干渉させることも可能となる。
本実施形態において、第1〜第4ポイントマークP1〜P4の各配置は以下のようにしてある。
すなわち、第1ポイントマークP1は、素材生地Wにおける一辺側の生地端近傍に配置する。どの程度の生地端近傍とするかについて、数値的な制限は一切無い。また、前記したように、定置設定部Hとの相対的な位置関係も特に限定されるものではない。場合によっては、定置設定部Hの一部とすることも可能である。
第2ポイントマークP2は、第1ポイントマークP1から辺方向に離して配置する。生地端との数値的な位置関係や定置設定部Hとの相対的な位置関係については、第1ポイン
トマークP1の場合と同様である。
第3ポイントマークP3は、第1ポイントマークP1とは対辺側となる生地端近傍に配置する。生地端との数値的な位置関係や定置設定部Hとの相対的な位置関係については、第1ポイントマークP1の場合と同様である。
第4ポイントマークP4は、第3ポイントマークから辺方向に離し、且つ、第2ポイントマークに対して対辺側になるような位置関係で配置する。生地端との数値的な位置関係や定置設定部Hとの相対的な位置関係については、第1ポイントマークP1の場合と同様である。
[生地裁断装置の基本的な装置構成]
生地裁断装置1は、図1に示すように、素材生地Wを広げた状態で支持する裁断テーブル2と、この裁断テーブル2の上方に設けられて裁断テーブル2上の素材生地Wを裁断する裁断ヘッド3と、この裁断ヘッド3を昇降、水平旋回、水平移動させるヘッド移動機構4とを有している。
裁断テーブル2は、ベルトコンベア6の上張り部6aとして形成されたものを示してある。このベルトコンベア6は、通気性を有したエンドレスベルトを、ベルト駆動部7によって一方向に連続又は間欠的に走行させるものとしてある。そのため、素材生地Wを裁断位置に対して搬入、搬出することが高効率で行える。なお、裁断中は、ベルトコンベア6を停止させるのがよい。
このベルトコンベア6には、上張り部6a(裁断テーブル2)の下部に吸引ヘッド8が設けられている。この吸引ヘッド8は、可撓性ホース9を介して真空発生装置やブロワー等の適宜吸引装置10と接続されており、裁断テーブル2上のエアをテーブル面下方へ吸引して、素材生地Wを裁断テーブル2上に吸着保持させる。これにより、裁断ヘッド3による素材生地Wの裁断を、容易且つ確実に行えるようにする。
裁断ヘッド3は、水平軸を中心として丸刃などの回転刃12を回転駆動するものとしてある。ヘッド移動機構4は、ベルトコンベア6の送り方向と水平面内でこれに直交する方向とを適宜組み合わせて裁断ヘッド3を水平移動させる送り部13と、この送り部13による移動方向に回転刃12の刃先を合致させるように裁断ヘッド3を水平旋回させる旋回部14と、回転刃12の下端が裁断テーブル2上の素材生地Wに接触する高さとその上方との間で裁断ヘッド3を昇降させる昇降部15とを有している。
送り部13の水平移動機構、旋回部14の水平旋回機構、昇降部15の昇降機構は、いずれも巻き掛け駆動機構やボールネジ等を用いた送りネジ機構等によって構成すればよい。また、これらの各機構を駆動するための駆動源には、いずれもステッピングモータやサーボモータ等の位置制御可能なモータを用いる。これらの細部構造等については、何ら限定されるものではない。
なお、前記した吸引ヘッド8は裁断ヘッド3(回転刃12)の下部に対応した領域だけを吸引するコンパクトな大きさに形成されており、裁断テーブル2を挟んだ上下部で裁断ヘッド3と一体的に水平移動するように、吸引部移動機構16が設けられている。
[生地裁断装置の制御構成]
生地裁断装置1は、その制御構成として検出装置20と補正処理部21と動作制御部22とを有している(図2参照)。
検出装置20は、裁断テーブル2上に広げられた素材生地Wから、この素材生地Wに表示されている第1〜第4ポイントマークP1〜P4をイメージマッチング法(予め記憶しているイメージとのマッチングを行って、関連する所定の座標(イメージの中心点等)として読み出す判別方法)により検出するものである。
この検出装置20は、裁断ヘッド3(回転刃12)と一緒に移動できるように、裁断ヘッド3に対して保持させることが可能であり、この場合にはCCD撮像素子を装備するカメラ等によって構成すればよい。また検出装置20は、ベルトコンベア6の上方を跨るように設けた不動又は移動可能なフレームに対して保持させることも可能であり、この場合にはラインカメラ等によって構成すればよい。
補正処理部21及び動作制御部22は、裁断ヘッド3を移動動作させるための前記ヘッ
ド移動機構4に対し、動作プログラムや補正信号などを出力するコンピュータなどとして構成されたものである。
このうち、補正処理部21は、まず素材生地W上を複数の区画へ区割りする。例えば、素材生地Wがベルトコンベア6の搬送方向に長手方向を向けた長方形であると仮定した場合では、その短辺側を2分割したり長辺側を2分割したりする。具体的な区割りの方法については後述する。そして、これら個々の区画ごとに素材生地Wの伸縮率を求め、この伸縮率に基づいて、後述のマスターパターンMを伸縮補正し、裁断データを作成するようになっている。具体的な伸縮率の求め方や伸縮補正方法については後述する。
これに対して動作制御部22は、補正処理部21が作成した裁断データに基づいて、ヘッド移動機構4の各種動作を制御するものである。
[生地裁断方法]
次に、前記生地裁断装置1(図1参照)の動作に基づきながら本発明の生地裁断方法を説明する。
いま、定置設定部H及び第1〜第4ポイントマークP1〜P4を有する素材生地Wが、ベルトコンベア6等の作動により裁断テーブル2上へ送り出されて所定の裁断位置に広げられたとする(図3(A)参照)。
これにより、生地裁断装置1の補正処理部21には、裁断対象領域を示したパターン枠Zbと、このパターン枠Zb内に配置されるマスターパターンMとが入力される(図3(B)参照)。パターン枠Zbは、素材生地W上に設定する仮想区画Zaに対応させたものである。また、マスターパターンMは、非伸縮状態(理想形)の生地パーツと、この生地パーツに対して正規の位置関係を有した定置設定部Hとを示したものである。
本実施形態では、パターン枠Zbが、ベルトコンベア6の搬送方向に沿った一対の長辺側エッジ31,32と、これらに平面直交する一対の短辺側エッジ33,34とを有したものである場合を示す。このパターン枠Zbの四隅(エッジ31〜34の各交点)が、素材生地Wの第1〜第4ポイントマークP1〜P4と直接又は間接に各対応していることになる。このパターン枠ZbやマスターパターンMは、コンピュータ画面45に表示しておくとよい。
ここで生地裁断装置1は、裁断テーブル2の上方で検出装置20を作動させ、裁断テーブル2上に広げられた素材生地Wから、その第1〜第4ポイントマークP1〜P4を検出する。
次に、補正処理部21が素材生地Wを複数の区画に区分けして、それぞれの区画に合わせた伸縮補正データを作成する。本実施形態では、素材生地W上を二つの区画に区分けすることを、短辺方向及び長辺方向の2回にわけて行い、結果として合計四つの伸縮補正データを作成するものとしている。以下、図4〜図7を参照しつつ順を追って説明する。
[図4(A)の上下区画に対する伸縮補正の準備]
補正処理部21は、検出装置20が検出した第1ポイントマークP1と第2ポイントマークP2とを結んで長辺側仮想線50を設定すると共に、第3ポイントマークP3と第4ポイントマークP4とを結んで長辺側仮想線52を設定する。長辺側仮想線50はパターン枠Zbのエッジ31に対応し、長辺側仮想線52はパターン枠Zbのエッジ32に対応することになる。また、これら長辺側仮想線50,52の相互間を区画する中間区割り線57を設定する。
素材生地Wに伸縮等が生じていないと仮定したとき、長辺側仮想線50,52と中間区割り線57とは互いに平行であるので、補正処理部21は、図4(A)に示すように、長辺側仮想線50と中間区割り線57とによる理想上のパターン分割値A0と、長辺側仮想線52と中間区割り線57とによる理想上のパターン分割値B0とを知ることができる。A0:B0は例えば50:50とすればよい。他の分割比としてもよい。
[図4(A)の下側区画の伸縮補正]
補正処理部21は、素材生地Wに対し、中間区割り線57を境とする一方側(図4(A)の下側)の区画に向けて、以下の伸縮補正データを作成する。この伸縮補正データは、生地パーツの短手方向(そのうち約下半分)に相当する。
すなわち、補正処理部21は、図4(B)に示すように、素材生地Wにおける長辺側仮想線50と中間区割り線57との相互間隔Aを実測する。実際の素材生地Wでは、長辺側仮想線50と中間区割り線57とが平行であるとは限らないため、この実測は長辺側仮想線50の線方向に沿った多数点について繰り返し行い、多数の実測値を得るものとする。
次に補正処理部21は、素材生地Wにおける長辺側仮想線50側の相互間隔Aと、パターン枠Zbにおけるエッジ31側のパターン分割値A0とを比較する。パターン分割値A0は一定であるのに対し、実測した相互間隔Aは一定でない場合を含むので、これら相互間隔Aとパターン分割値A0との比較は、長辺側仮想線50の全長にわたり行う。
この比較により、長辺側仮想線50の線方向に沿った多数の1−2系伸縮率α(長辺側仮想線50上の任意点nではαn=An/A0)が求められる。
そこで、次に補正処理部21は、図4(C)に示すように、マスターパターンMのうち、素材生地Wの長辺側仮想線50と中間区割り線57とで挟まれた区画(仮想区画Zaの短辺側を2分割したうちの片側)に対応する輪郭座標MAを、前記1−2系伸縮率αで伸縮補正する。
例えば、図4(B)中の横方向をX軸、縦方向をY軸として、前記した任意点nに対応するマスターパターンM中の1点を(Xa,Ya)とおくと、この座標を、前記1−2系伸縮率αnで伸縮補正することによって、図4(C)に示すように(Xa,Ya×An/A0)として求めることができる。この操作を、長辺側仮想線50の全長にわたって行い、該当区画内の裁断用補正データ(図4(C)にハッチングで示した領域を参照)を求めるものである。
[図4(A)の上側区画の伸縮補正]
補正処理部21は、前記手順と同様な手順を、素材生地Wに対し、中間区割り線57を境とする他方側(図4(A)の上側)の区画へ向けても行い、以下の伸縮補正データを作成する。この伸縮補正データは、生地パーツの短手方向(そのうち約上半分)に相当する。
すなわち、補正処理部21は、図5(A)に示すように、素材生地Wにおける長辺側仮想線52と中間区割り線57との相互間隔Bを実測する。この実測は長辺側仮想線52の線方向に沿った多数点について繰り返し行い、多数の実測値を得るものとする。
次に補正処理部21は、素材生地Wにおける長辺側仮想線52側の相互間隔Bと、パターン枠Zbにおけるエッジ32側のパターン分割値B0とを比較する。この比較は、長辺側仮想線52の全長にわたり行う。
この比較により、長辺側仮想線52の線方向に沿った多数の3−4系伸縮率β(長辺側仮想線52上の任意点nではβn=Bn/B0)が求められる。
そこで、次に補正処理部21は、図5(B)に示すように、マスターパターンM(M2)のうち、素材生地Wの長辺側仮想線52と中間区割り線57とで挟まれた区画(仮想区画Zaの短辺側を2分割したうちの片側)に対応する輪郭座標MBを、前記3−4系伸縮率βで伸縮補正する。
例えば、図5(A)中の横方向をX軸、縦方向をY軸として、前記した任意点nに対応するマスターパターンM(M2)中の1点を(Xb,Yb)とおくと、この座標を、前記3−4系伸縮率βnで伸縮補正することによって、図5(B)に示すように(Xb,Yb×Bn/B0)として求めることができる。この操作を、長辺側仮想線52の全長にわたって行い、該当区画内の裁断用補正データ(図5(B)にハッチングで示した領域を参照)を求めるものである。
[図6(A)の左右区画に対する伸縮補正の準備]
補正処理部21は、検出装置20が検出した第1ポイントマークP1と第3ポイントマークP3とを結んで短辺側仮想線60を設定すると共に、第2ポイントマークP2と第4ポイントマークP4とを結んで短辺側仮想線62を設定する。短辺側仮想線60はパターン枠Zbのエッジ33に対応し、短辺側仮想線62はパターン枠Zbのエッジ34に対応することになる。また、これら短辺側仮想線60,62の相互間を区画する中間区割り線67を設定する。
素材生地Wに伸縮等が生じていないと仮定したとき、短辺側仮想線60,62と中間区割り線67とは互いに平行であるので、補正処理部21は、図6(A)に示すように、短辺側仮想線60と中間区割り線67とによる理想上のパターン分割値C0と、短辺側仮想線62と中間区割り線67とによる理想上のパターン分割値D0とを知ることができる。C0:D0は例えば50:50とすればよい。他の分割比としてもよい。
[図6(A)の左側の伸縮補正]
補正処理部21は、素材生地Wに対し、中間区割り線67を境とする一方側(図6(A)の左側)の区画に向けて、以下の伸縮補正データを作成する。この伸縮補正データは、生地パーツの長手方向(そのうち約左半分)に相当する。
すなわち、補正処理部21は、図6(B)に示すように、素材生地Wにおける短辺側仮想線60と中間区割り線67との相互間隔Cを実測する。実際の素材生地Wでは、短辺側仮想線60と中間区割り線67とが平行であるとは限らないため、この実測は短辺側仮想線60の線方向に沿った多数点について繰り返し行い、多数の実測値を得るものとする。
次に補正処理部21は、素材生地Wにおける短辺側仮想線60側の相互間隔Cと、パターン枠Zbにおけるエッジ33側のパターン分割値C0とを比較する。パターン分割値C0は一定であるのに対し、実測した相互間隔Cは一定でない場合を含むので、これら相互間隔Cとパターン分割値C0との比較は、短辺側仮想線60の全長にわたり行う。
この比較により、短辺側仮想線60の線方向に沿った多数の1−3系伸縮率γ(短辺側仮想線60上の任意点mではγm=Cm/C0)が求められる。
そこで、次に補正処理部21は、図6(C)に示すように、マスターパターンM(M3)のうち、素材生地Wの短辺側仮想線60と中間区割り線67とで挟まれた区画(仮想区画Zaの長辺側を2分割したうちの片側)に対応する輪郭座標MCを、1−3系伸縮率γで伸縮補正する。
例えば、図6(B)中の横方向をX軸、縦方向をY軸として、前記した任意点mに対応するマスターパターンM(M3)中の1点を(Xc,Yc)とおくと、この座標を、前記1−3系伸縮率γmで伸縮補正することによって、図6(C)に示すように(Xc×Cm/C0,Yc)として求めることができる。この操作を、短辺側仮想線60の全長にわたって行い、該当区画内の裁断用補正データ(図6(C)にハッチングで示した領域を参照)を求めるものである。
[図6(A)の右側の伸縮補正]
補正処理部21は、前記手順と同様な手順を、素材生地Wに対し、中間区割り線67を境とする他方側(図6(A)の右側)の区画へ向けても行い、以下の伸縮補正データを作成する。この伸縮補正データは、生地パーツの長手方向(そのうち約右半分)に相当する。
すなわち、補正処理部21は、図7(A)に示すように、素材生地Wにおける短辺側仮想線62と中間区割り線67との相互間隔Dを実測する。この実測は短辺側仮想線62の線方向に沿った多数点について繰り返し行い、多数の実測値を得るものとする。
次に補正処理部21は、素材生地Wにおける短辺側仮想線62側の相互間隔Dと、パターン枠Zbにおけるエッジ34側のパターン分割値D0とを比較する。この比較は、短辺側仮想線62の全長にわたり行う。
この比較により、短辺側仮想線62の線方向に沿った多数の2−4系伸縮率δ(短辺側仮想線62上の任意点mではδm=Dm/D0)が求められる。
そこで、次に補正処理部21は、図7(B)に示すように、マスターパターンM(M4)のうち、素材生地Wの短辺側仮想線62と中間区割り線67とで挟まれた区画(仮想区画Zaの長辺側を2分割したうちの片側)に対応する輪郭座標MDを、前記2−4系伸縮率δで伸縮補正する。
例えば、図7(A)中の横方向をX軸、縦方向をY軸として、前記した任意点mに対応するマスターパターンM(M4)中の1点を(Xd,Yd)とおくと、この座標を、前記2−4系伸縮率δmで伸縮補正することによって、図7(B)に示すように(Xd×Dm/D0,Yd)として求めることができる。この操作を、短辺側仮想線62の全長にわた
って行い、該当区画内の裁断用補正データ(図7(B)にハッチングで示した領域を参照)を求めるものである。
[裁断データの作成]
理想形のマスターパターンMに対し、図4及び図5で説明した短手方向の伸縮補正(1−2系伸縮率αや3−4系伸縮率βを用いた補正)と、図6及び図7で説明した長手方向の伸縮補正(1−3系伸縮率γや2−4系伸縮率δを用いた補正)とを両方行うと、図8(A)に示すように、伸縮補正後のマスターパターンMx(ハッチングを入れた方)は、理想形のマスターパターンMに比べて長手方向が大幅に縮小してしまうおそれがある。
そこで、次に、伸縮補正後のマスターパターンMxから定置設定部Hの一座標Qを選出する。選出する座標Qは、何ら限定されるものではなく、定置設定部Hの輪郭の中の一座標(実際に裁断するラインに含まれる裁断点)でもよいし、定置設定部Hの内側又は外側であって、当該定置設定部Hに対して密接な関係を有する一座標でもよい。ただ、好ましくは、定置設定部Hに対して距離的に近接したものとすることが推奨される。
この一座標Qは、最終的に切り出す生地パーツの中で、最も位置ズレさせたくない位置、若しくは、最も位置ズレさせたくない位置と近接した位置とするか又は同等の意義や作用を奏する位置などとして定義することができる。
そして、このようにして選出した一座標Qと、この一座標Qに該当している素材生地Wの仮想区画Za内の一座標(図案的、表現的に同じ意味を有する箇所)とを合致させるようにして、この合致位置を固定点とする。そしてこの固定点(座標Q)から、長手方向の伸縮率1−3系伸縮率γ及び2−4系伸縮率δに基づいて行ったマスターパターンMの伸縮補正だけを、伸縮補正前の状態に改めて変形させる(すなわち、伸縮補正前の状態に戻す)ようにする。このようにして総合的、且つ最終的に得られたデータを、裁断データとする。
すなわち、このような手順を経て作成された裁断データは、マスターパターンMを素材生地Wにおける短手方向の伸縮率1−2系伸縮率α及び3−4系伸縮率βのみで伸縮補正したもの(長手方向の伸縮率伸縮率1−3系伸縮率γ及び2−4系伸縮率δでは伸縮補正していないもの)であると言うことができる。
ただ、長手方向の伸縮率1−3系伸縮率γ及び2−4系伸縮率δで伸縮補正していないものの、一座標Qを求める過程で長手方向の伸縮率伸縮率1−3系伸縮率γ及び2−4系伸縮率δを使用しているので、定置設定部Hの位置ズレは短手方向及び長手方向の両方で伸縮補正されたものとなっている。
図8(B)は、作成された裁断データ(伸縮補正を完結させたマスターパターンMy)を、理想形のマスターパターンMと比較したものである。この図8(B)から明らかなように、伸縮補正後のマスターパターンMyでは、短手方向のみが伸縮補正され、長手方向は理想形のマスターパターンMとほぼ同じ長さに揃うようになっている。従って、このような裁断データを用いて裁断して得られる生地パーツは、素材生地Wに生じた伸縮において、生地パーツの短手方向が製品許容範囲に含ませるように伸縮補正することに伴い、長手方向が製品許容範囲から大きく逸脱してしまうといった不都合はない。
また言うまでもなく、素材生地W中の別々の箇所から切り出した生地パーツ間であっても、長手方向の寸法が一定長さとして揃うようになる。従って、このような生地パーツを用いて下衣を製作した場合に、左脚部分と右脚部分とで長さが甚だしく異なるといったことは生じない。すなわち、下衣などの衣類を製作するうえで何ら問題が生じないものとなる。
[裁断実行]
補正処理部21は、前記の如くして求めた裁断データを動作制御部22へ出力する。
これにより動作制御部22は、補正処理部21からの伸縮補正データに基づいてヘッド移動機構4を制御し、裁断ヘッド3を移動動作(昇降、水平旋回、水平移動)させる。かくして、素材生地Wに対してその伸縮に応じた裁断が実行される。
なお、裁断ヘッド3による裁断中は、吸引ヘッド8も裁断ヘッド3と一体的に水平移動され、裁断テーブル2を挟んで素材生地Wが真下へ吸引されるようになるので素材生地W
は不動に保持され、確実且つ綺麗な裁断が実行される。
裁断によって切り出された生地パーツは、その後、ベルトコンベア6の作動等により、搬送下流側に設置されたスタッキング装置等により、積層などされる。
[フローチャート]
図9は、本発明に係る生地裁断方法の一例を示したフローチャートである。この図9に基づいて本発明に係る生地裁断方法を説明する。
まず、素材生地Wが裁断テーブル2上に搬入されたことの確認(ステップ100〜101)と、補正処理部21に対するパターン枠Zb及びマスターパターンの入力(ステップ102)とを行う。
この状態で、検出装置20を移動させながら、素材生地Wの各ポイントマークP1〜P4を検出する(ステップ103〜104)。
なお、素材生地Wがロール巻き体から巻き出した帯状生地である場合には、検出した各ポイントマークP1〜P4を利用して巻き出し方向での粗切り位置(定置設定部Hの分布領域としての一群)を見つけ出し、裁断ヘッド3によって粗切りしておけばよい(ステップ105)。
また、各ポイントマークP1〜P4にしたがって長辺側仮想線50,52、短辺側仮想線60,62を求め(ステップ106)、また中間区割り線57,67を求める(ステップ107)。これら中間区割り線57,67により、素材生地W上を、長手方向の中間区割り線57を境とする2区画に区割りしたり、短手方向の中間区割り線67を境とする2区画に区割りしたりする。
次に、長辺側仮想線50,52、及び中間区割り線57を用いて、この中間区割り線57を境とする2区画の伸縮率(1−2系伸縮率α及び3−4系伸縮率β)を求め、各区画ごとにマスターパターンMの伸縮補正を行う(ステップ108)。
また、短辺側仮想線60,62、及び中間区割り線67を用いて、この中間区割り線67を境とする2区画の伸縮率(1−3系伸縮率γ及び2−4系伸縮率δ)を求め、各区画ごとにマスターパターンMの伸縮補正を行う(ステップ109)。
そのうえで、定置設定部Hに関わる一座標Qを選出し、この一座標Qを所定位置に固定する(ステップ110)。そして、固定した点を基準として、マスターパターンMの長手方向の伸縮補正だけを、伸縮補正前の状態に改めて変形させる(戻す)ようにする(ステップ111〜112)。これらの伸縮補正及び伸縮補正の変形(戻し)を行って得られるもの(伸縮補正を完結させたマスターパターンMy)が、裁断データである。
次に、得られた裁断データに基づいて、素材生地Wを裁断する(ステップ113〜114)。
最後に、裁断された生地パーツ及び切り抜き滓を裁断テーブル2から搬出し、生地パーツに関しては搬出下流となる適宜位置にてスタッキング又はその他の回収方法を実施し、切り抜き滓に関しては、廃棄等へ向けた回収を実施すればよい(ステップ115〜116)。
[まとめ]
以上、詳説したところから明らかなように、本発明に係る生地裁断方法は、定置設定部H自体の位置ズレと変形(拡縮や歪み)とを同時に伸縮補正するものである。
また、本発明に係る生地裁断方法では、定置設定部Hに関わる位置的な固定をしたうえで、短手方向のみの伸縮補正を行い、長手方向の伸縮補正は行わないようにしているので、切り出した生地パーツとして、その長手方向を揃えるようにすることができる。
[第2実施形態]
図10は、本発明に係る生地裁断方法の第2実施形態を示している。なお、この図10では、短手方向及び長手方向の両方の伸縮率を用いて伸縮補正した段階のマスターパターンMx(第1実施形態では図8(A)で説明した段階のものに対応)を、説明の便宜上、簡易な長方形として例示してある。
本第2実施形態では、素材生地Wが裁断位置(図1に示す生地裁断装置1の裁断テーブル2など)上で斜めに置かれていたときに起こる問題に対処させたものである。
すなわち、図10(A)に示すように、裁断位置上で素材生地Wが斜めに置かれていると、この素材生地Wから第1〜第4ポイントマークP1〜P4等を走査検出し、これらを結んで短辺側仮想線60,62や長辺側仮想線50,52等を設定するときに、これら各仮想線が、走査時における走査方向(例えば、Fで示す方向=X軸方向とする)に対して回転角のズレ量を生じたものとなっていることになる。
その結果、前記伸縮補正後のマスターパターンMxから、一方の伸縮率(例えば長手方向の伸縮率)に基づいて行った伸縮補正だけを伸縮補正前の状態に改めて変形させる(元に戻す)場合に、移動させる各座標が走査方向Fに沿って平行移動してしまう、ということが起こり得る。このようになると、最終的に得ようとするマスターパターンMy2には、前記ズレ量による外形歪みが生じてしまうおそれがある(長方形とすべきところが平行四辺形状に歪んだ形状になってしまう)。
言うまでもなく、このように外形歪みが生じたままのマスターパターンMy2を裁断データに用いると、素材生地Wから切り出した生地パーツでは、下衣などの衣類を製作するうえで様々な問題を生起させることが予測される。
そこで本第2実施形態では、前記伸縮補正後のマスターパターンMxから、一方の伸縮率に基づいて行った伸縮補正だけを伸縮補正前の状態に改めて変形させるだけでなく、歪補正をも行って、外形歪みを除去させた適正なマスターパターンMy(図10(B)参照)が得られるようにするものである。以下、本第2実施形態について詳説する。
なお、本第2実施形態において、裁断の対象とする素材生地Wは第1実施形態で説明したものと同じものを用いればよい。また、本第2実施形態において使用する生地裁断装置1及びその制御構成についても、第1実施形態で説明したものと同じものを使用すればよい。従って、これら素材生地Wや生地裁断装置1及びその制御構成に関する詳説は省略する。
加えて、本第2実施形態において、素材生地Wを元にしてマスターパターンMに対する生地パーツの長手方向に沿った伸縮率(1−3系伸縮率γや2−4系伸縮率δ)と生地パーツの短手方向に沿った伸縮率(1−2系伸縮率αや3−4系伸縮率β)との両方を求める点やその手順、これら両方の伸縮率で伸縮補正を行ってマスターパターンMxを得る点やその手順、伸縮補正後のマスターパターンMxから一座標Qを選出してこの座標Qを固定点とする点やその手順、等についても、第1実施形態と同じとするものである。
すなわち、第1実施形態のフローチャートを示した図9において、ステップ100〜ステップ110までは、本第2実施形態でも同じ内容、同じ手順で伸縮補正までを実行するものとおく。
次に、本第2実施形態では、伸縮補正後のマスターパターンMxから、一方の伸縮率に基づいて行った伸縮補正だけを伸縮補正前の状態に改めて変形させるのと同時並行して(渾然一体化して)、歪補正をも行うようにする。
まず、前記した歪補正を行うための準備として、予め、素材生地Wに生じている回転角のズレ量を求めておく必要がある。なお、このズレ量を求めるタイミングは、伸縮補正に先行させてもよいし、後行させてもよい。場合によっては、伸縮補正と並行させるようにしてもよい。要するにズレ量は、歪補正を行う前の段階であればどのタイミングで求めてもよい。
回転角のズレ量は、次のようにして求めることができる。すなわち、素材生地Wから第1〜第4ポイントマークP1〜P4等を画像検出し、これらを結んだ仮想線(短辺側仮想線60,62や長辺側仮想線50,52等)を設定するときに、これらの仮想線が、素材生地Wを走査する走査方向又はこの走査方向に交差する垂直方向に対してどの程度傾いているかを判断する。
例えば、素材生地W(又は生地パーツ)に対してその長手方向(図10(B)の左右方向=X軸方向)に沿わすように走査を行って、第3、第4のポイントマークP3,P4を検出し、それらを結んだ長辺側仮想線52を設定したとする。
このとき、第3、第4のポイントマークP3,P4の各座標から長辺側仮想線52の傾きが判るので、この傾きを基に長辺側仮想線52が走査方向Fとの間で成す角度θを求め
る。この角度θが素材生地Wのズレ量である。当然ながら、第1、第3のポイントマークP1,P3の各座標を基にしても、角度θ(素材生地Wのズレ量)を求めることは可能である。
このようにズレ量(角度θ)を求めたうえで、次に、伸縮補正後のマスターパターンMxから固定点(座標Q)とは別の座標Rを選出し、この座標Rを移動点とおく。選出する座標Rは何ら限定されるものではなく、切り出そうとする生地パーツの輪郭(実際に裁断するラインに含まれる裁断点)や、生地パーツの中(例えば、図10(B)では図示を省略しているが定置設定部Hの輪郭など)の座標としてもよいし、生地パーツの外側であって当該生地パーツと密接な関係を有する座標としてもよい。
なお、以下では一つの座標Rについてのみ説明するが、複数の座標を選出するものとして、選出した全ての座標につき、以下に説明する同じ操作を行うものとする。勿論、伸縮補正後のマスターパターンMxを構成する全ての座標を選出するものとおいてもよい。
まず、固定点(座標Q)を通り短辺側仮想線60に平行な第1直線71と、移動点(座標R)を通り短辺側仮想線60に垂直に交差する第2直線72とを、それぞれ設定する。このように第1直線71と第2直線72を設定することで、これら両直線が交差する交点(座標K)を求める。なお、第2直線72は、移動点(座標R)を通り長辺側仮想線52に平行な直線、或いは、移動点(座標R)を通り第1直線71に垂直な直線として設定しても同じことになる。
ところで、この種の座標系を扱う制御では、個々の座標点が、X,Y座標の他にシーケンス番号などを組み合わせた識別情報(例えば、プリント基板設計用として有名なガーバーフォーマットではワ−ドアドレスフォーマットなどと呼称されている)として扱われるようになっており、個別的又は集合体的な制御の利便性が図られているのが一般的である。これによれば、前記移動点(座標R)が、伸縮補正前における理想形のマスターパターンMではどの位置(X,Y座標)に存在していたのかを、座標Rの識別情報から追跡して見つけ出すことができる。このことは他の点(例えば、交点(座標K)など)についても同様である。
ここで、伸縮補正後のマスターパターンMxと、伸縮補正前における理想形のマスターパターンMとの関係を、固定点(座標Q)を一致させて重ね合わせた状態にして、図11に仮想的に示す。なお、伸縮補正前における理想形のマスターパターンMは、回転角のズレを有していないものとして与えられているため、この図11では、伸縮補正後のマスターパターンMxについても、回転角のズレを無視して図示してある。また、図11は仮想図であるので、各点の表記については「g」を添え書きして示す(すなわち、QはQg、KはKg、RはRg、RfはRfgに、それぞれ対応させたものとしてある)。
この図11から明らかなように、伸縮補正後のマスターパターンMx上で見つけ出した前記の交点(座標Kg)は、固定点(座標Qg)と、X座標が同じ位置になる。また、伸縮補正後のマスターパターンMx上において存在していた移動点Rgは、伸縮補正前における理想形のマスターパターンMでは、図中に点Rfgで示す位置(以下、原位置)に存在していたことを知ることができる。
このようなことから、固定点(座標Qg)と移動点(座標Rg)の原位置(座標Rfg)との2点間におけるX軸方向の距離Lxgを求めることができる。この求めた距離Lxgが、図10(B)に示した伸縮補正後のマスターパターンMxでは、交点(座標K)と移動点(座標R)との間の直線距離Lを伸縮補正前の状態、即ち、非伸縮距離へと変形させるべき値(Lx)である。
そこで、直線距離Lをこの非伸縮距離(Lx)に変換することで、第2直線72の延長上にあって移動点(座標R)を移動させるべき位置(座標Rf)を求めることができる。
このように本第2実施形態では、伸縮補正後のマスターパターンMxから、長手方向の伸縮率に基づいて行った伸縮補正だけを伸縮補正前の状態に改めて変形させるのと同時並行して、回転角のズレ量(角度θ)による外形歪みを除去する歪補正をも行うようにしている。それ故、最終的に得ようとするマスターパターンMyには、回転角のズレ量を原因とするような外形歪みは生じない。従って、このようなマスターパターンMyにより裁断データを作成することにより、切り出した生地パーツとして、その長手方向を揃えた適正なものが得られることになる。
[その他]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、生地裁断装置1において、細部構成などは何ら限定されるものではない。従って、裁断ヘッド3は、回転刃12の他、高速で上下動するノッチ刃を採用するようなことが可能である。また裁断テーブル2は、ベルトコンベア6ではなく、固定板により形成することも可能である。
素材生地Wに対し、長手方向及び短手方向で、それぞれ2区画に区割りすることは限定されるものではない。例えば、長手方向及び短辺方向で、それぞれ3区画以上の区割りを行うことも可能である。
第1ポイントマークP1と第2ポイントマークP2との間、及び第3ポイントマークP3と第4ポイントマークP4との間に、それぞれ中間マークを表示して中間区割り線67の設定に用いるようにしてもよい。同様に、第1ポイントマークP1と第3ポイントマークP3との間、及び第2ポイントマークP2と第4ポイントマークP4との間に、それぞれ中間マークを表示して中間区割り線57の設定に用いるようにしてもよい。
前記第1、第2実施形態では、マスターパターンMを、素材生地Wにおける長手方向及び短手方向の両方で伸縮補正したうえで、長手方向について行った伸縮補正を、伸縮補正前の状態に改めて変形させるという手順を採用しているが、定置設定部Hの位置ズレ防止を可能にする他の手順を採用できる場合は、当初から短手方向の伸縮補正のみを行うようにしてもよい。
前記第1、第2実施形態では、マスターパターンMの伸縮補正後、伸縮補正前の状態に改めて変形させる操作で素材生地Wにおける長手方向の伸縮率(即ち、1−3系伸縮率γや2−4系伸縮率δ)を用いて行うものとした。すなわち、マスターパターンMについて短手方向の伸縮補正のみを行っているものである。このような例は、切り出した生地パーツの長手方向寸法を所定範囲に揃えたい場合や、長手方向寸法内での定置設定部Hの配置を重要視する場合に有効なものである。
しかし、本発明はこれに限定されるものではない。要するに、マスターパターンMの伸縮補正後、伸縮補正前の状態に改めて変形させる操作で素材生地Wにおける短手方向の伸縮率(即ち、1−2系伸縮率αや3−4系伸縮率β)を用いて行うものとしてもよい。すなわち、マスターパターンMについて長手方向の伸縮補正のみを行っていることになる。このような例は、切り出した生地パーツの短手方向寸法を所定範囲に揃えたい場合や、短手方向寸法内での定置設定部Hの配置を重要視する場合に有効なものである。
そもそも、マスターパターンMの外形状において、長手方向と短手方向とが一目して明確でないような形状(長手方向や短手方向に部分的な張出部や湾曲部などが生じていたり長手方向と短手方向とが実質的に同じ長さであったりした場合であって本発明ではこのような外形状も「長尺形状」として含むものとおく)であるときや、切り出した生地パーツの使用条件として要請される補正の必要性(伸縮に対する許容範囲が狭い方向について補正する)などの観点からすれば、伸縮補正後、伸縮補正前の状態に改めて変形させる方向が長手方向であるか短手方向であるかは特に重要ではなく、適宜選択されるべきである。
更に、マスターパターンMの伸縮補正後、伸縮補正前の状態に改めて変形させる操作において、伸縮補正前の状態へ変形させる変形量は、生地パーツの外形状として許容される寸法範囲であれば、特に限定されないものとする。すなわち、先に伸縮補正をしたときの補正量を、同じ比率で変形させること(元に戻すこと)が限定されるものではない。
定置設定部Hは、切り出そうとする生地パーツにおいて長手方向の一端寄りに配置することが限定されるものではなく、長手方向の中間位置に配置したり、中間位置から一端側へズレた位置に配置したりすることができる。当然に、生地パーツにおける短手方向の片側へ寄せた配置とすることも可能である(生地パーツの側縁部や隅角部などとする場合を含む)。
定置設定部Hの位置ズレ防止を可能にする他の手順としては、例えば、定置設定部Hに関わる一座標Qを設定するに際し、限られた狭小の領域(一座標Qの周辺のみ)で、素材生地Wにおける長手方向及び短手方向の伸縮補正を行うものとし、マスターパターンMの全体に対する伸縮補正は省略する方法などが考えられる。
歪補正を行うタイミングは、裁断データを作成する前であれば基本的に、どのタイミングを行ってもよいものである。
1 生地裁断装置
2 裁断テーブル
3 裁断ヘッド
4 ヘッド移動機構
6 ベルトコンベア
6a 上張り部
7 ベルト駆動部
8 吸引ヘッド
9 可撓性ホース
10 吸引装置
12 回転刃
13 送り部
14 旋回部
15 昇降部
16 吸引部移動機構
20 検出装置
21 補正処理部
22 動作制御部
31,32,33,34 エッジ
45 コンピュータ画面
MA〜MD 輪郭座標
50,52 長辺側仮想線
60,62 短辺側仮想線
57,67 中間区割り線
71 第1直線
72 第2直線
An,Bn,Cm,Dm 相互間隔
A0,B0,C0,D0 パターン分割値
H 定置設定部
H1 接着剤塗布箇所
H2 柄
L 交点(座標K)と移動点(座標R)との間の直線距離
Lx 非伸縮距離
M マスターパターン
Mx 短手方向及び長手方向の両方向で伸縮補正した後のマスターパターン
My 一方の伸縮補正を伸縮補正前に改めて変形させた後のマスターパターン
My2 外形歪みを生じたマスターパターン
P1〜P4 第1〜第4のポイントマーク
Q 座標(固定点)
R 座標(移動点)
K 座標(交点)
θ 角度(ズレ量)
Za 仮想区画
Zb パターン枠
W 素材生地
α 1−2系伸縮率
β 3−4系伸縮率
γ 1−3系伸縮率
δ 2−4系伸縮率

Claims (9)

  1. 広げた素材生地から長尺形体の生地パーツを裁断により取り出す方法において、
    前記素材生地には裁断しようとする前記生地パーツの少なくとも一箇所に柄等の定置設定部を予め設定しておくと共に、
    前記生地パーツの非伸縮状態を示す座標とこの生地パーツに対する前記定置設定部の正規位置を示す座標とを有する理想形のマスターパターンを準備しておき、
    前記素材生地を元にして前記生地パーツの長手方向に沿った伸縮率と生地パーツの短手方向に沿った伸縮率との両方を求めておき、
    理想形の前記マスターパターンを前記素材生地における長手方向及び短手方向の両方の伸縮率で伸縮補正し、
    その後、前記素材生地における長手方向又は短手方向のうち一方の伸縮率に基づいて行った理想形の前記マスターパターンの伸縮補正を伸縮補正前の状態に改めて変形させることを行って実際の裁断に用いる裁断データを作成し、
    得られた裁断データに基づいて素材生地を裁断する
    ことを特徴とする生地裁断方法。
  2. 前記伸縮補正に先行、後行又は並行して前記素材生地を広げた裁断位置上で当該素材生地に生じている回転角のズレ量を求め出し、
    前記裁断データを作成するより前に、理想形の前記マスターパターン又は伸縮補正後の前記マスターパターンについて前記ズレ量による外形歪みを除去するための歪補正を行うことを特徴とする請求項1記載の生地裁断方法。
  3. 広げた素材生地から長尺形体の生地パーツを裁断により取り出す方法において、
    前記素材生地には裁断しようとする前記生地パーツの少なくとも一箇所に柄等の定置設定部を予め設定しておくと共に、
    前記生地パーツの非伸縮状態を示す座標とこの生地パーツに対する前記定置設定部の正規位置を示す座標とを有する理想形のマスターパターンを準備しておき、
    前記素材生地を元にして前記生地パーツの長手方向に沿った伸縮率と生地パーツの短手方向に沿った伸縮率との両方を求めておき、
    理想形の前記マスターパターンを前記素材生地における長手方向及び短手方向の両方の伸縮率で伸縮補正し、
    前記伸縮補正に先行、後行又は並行して前記素材生地を広げた裁断位置上で当該素材生地に生じている回転角のズレ量を求め出し、
    前記伸縮補正後における前記マスターパターンについて、前記素材生地における長手方向又は短手方向のうち一方の伸縮率に基づいて行った前記伸縮補正を、伸縮補正前の状態に改めて変形させつつこの変形成分から前記ズレ量による外形歪みを除去する歪補正を行って実際の裁断に用いる裁断データを作成し、
    得られた裁断データに基づいて素材生地を裁断する
    ことを特徴とする生地裁断方法。
  4. 改めて行う前記変形は、
    前記伸縮補正後の前記マスターパターンから前記定置設定部又は当該定置設定部に密接な関係を有する一座標を選出し、
    前記一座標と当該一座標に該当する前記素材生地の仮想区画内の一座標とを合致させてこの合致位置を固定点としつつ当該固定点から前記伸縮補正後の前記マスターパターンにおける長手方向又は短手方向に関して実行する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の生地裁断方法。
  5. 前記改めて変形を行いつつ前記歪補正を行うには、
    前記素材生地に対して前記生地パーツの長手方向又は短手方向に平行な仮想線を設定できるようにした少なくとも2頂点のポイントマーク又は前記仮想線自体を予め表示させておき、
    前記仮想線の設定時に前記素材生地を走査する走査方向又は当該走査方向に交差する垂直方向に対して前記仮想線に生じている角度から前記ズレ量を求め、
    前記伸縮補正後の前記マスターパターンから前記定置設定部又は当該定置設定部に密接な関係を有する一座標を選出し、
    前記一座標と当該一座標に該当する前記素材生地の仮想区画内の一座標とを合致させてこの合致位置を固定点とし、
    前記伸縮補正後の前記マスターパターンから前記固定点とは別の座標を選出して当該座標を移動点とし、
    前記固定点を通り前記仮想線に平行な第1直線と前記移動点を通り前記仮想線に垂直に交差する第2直線とからそれらの交点を求め、
    前記第2直線上における前記移動点と前記交点との間の距離を求め、
    求めた距離を、伸縮補正前における理想形の前記マスターパターン上で対応する非伸縮距離に変換することで前記移動点の移動位置を求め、
    前記移動位置へ移動させた前記移動点を用いて前記伸縮補正後の前記マスターパターンを改めて変形させることで実行する
    ことを特徴とする請求項3記載の生地裁断方法。
  6. 改めて行う前記変形は、前記素材生地における長手方向の伸縮率を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の生地裁断方法。
  7. 前記生地パーツの長手方向又は短手方向に沿った前記伸縮率は、当該生地パーツにおいてそれぞれ対応する各方向に沿わせた互いに平行な2本の仮想線間を区画する中間区割り線を設定したうえで、この中間区割り線と各仮想線との相互間隔を実測して得た数値と、前記マスターパターンから得られる該当のパターン分割値との比較によって求めることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の生地裁断方法。
  8. 前記定置設定部は柄、接着剤塗布箇所、接着又は縫着用の余白部のうちのいずれか一つであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の生地裁断方法。
  9. 前記固定点は、実際に裁断するラインに含まれる裁断点とすることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の生地裁断方法。
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