JP5439241B2 - 生地裁断用の補正データ作成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、素材生地から生地パーツを裁断するに際して好適に採用することのできる生地裁断用の補正データ作成方法に関するものである。
衣類の製作に用いる身頃や袖などの生地パーツを素材生地から切り出すための裁断装置として、丸刃等の回転刃を具備した裁断ヘッドに対し、裁断テーブル上での昇降、水平旋回、旋回角を固定した直線移動、水平旋回を同時進行させながらの曲線移動等(以下、これらを総じて「移動動作」と言う)を行わせる構成のものが周知である。
この種の裁断装置では、裁断時に設定入力する裁断データ(生地パーツの輪郭を座標によって数値化したもの)に基づいて、裁断ヘッドの移動動作が制御されるようになっている。但し、素材生地は殆どの場合、繊維特性や各種処理工程を経ることが原因で伸縮しているので、前記裁断データをそのまま使用することはせず、実際に裁断テーブル上に広げられた素材生地を対象に、個別の伸縮に応じた補正を加えるようにする。
この補正方法は、無地の素材生地を裁断する場合に適用するものと、柄(絵や模様、彩色等を含む)付きの素材生地を柄に沿って裁断する場合に適用するものとで、大別される。
無地の素材生地を裁断する場合の補正方法には、例えば次のものが提案されている。すなわち、素材生地の一辺部を基準にして、この基準辺部から他辺部までの寸法を測定し、この測定値(伸縮を生じている実際の生地幅)に対して裁断データの最大幅が過不足なく収まるように、当該裁断データを拡大又は縮小させる、という補正方法である(特許文献1等参照)。
なお、この補正方法は、素材生地が丸編機により編成された筒状生地であって、裁断テーブル上にてこの筒状生地を扁平に広げることで、幅方向両側に直線状の折辺を生じさせている場合に、好適に適用し得るものとされている。すなわち、この折辺のうち一方を前記基準辺部に設定することにしている。
この補正方法を採用すれば、素材生地の伸縮に悪影響されることなく、生地パーツの切り出しができる。ここにおいて「悪影響」とは、素材生地が縮んでいた場合の生地パーツの一部欠落(形状不良)や、素材生地が伸びていた場合の素材生地の無駄な切り余り発生などを言う。
これに対し、柄付きの素材生地を柄に沿って裁断する場合の補正方法には、例えば次のものが提案されている。すなわち、まずパーツ構成部分(裁断後に生地パーツとされる部分であって個別の柄が付与されている)のプリント時に、同時に個々のパーツ構成部分に近接させてポイントマークを付しておく。
このプリントに使用するプリントデータには、各パーツ構成部分の位置情報と、各ポイントマークの位置情報とが含まれており、従って当然に、これらパーツ構成部分とポイントマークとの相対的な位置関係(関連付けされた位置情報)も含まれていることになる。なお、これらの各位置情報とは、いずれも座標であるとされている。すなわち、ここで言う「ポイントマーク」とは、その表記位置からどの方角に、どの程度の距離だけ離れて個々のパーツ構成部分が配置されているかを示唆する指標に過ぎない。
この前準備をしたうえで、素材生地を画像処理して各ポイントマークを検出し、その位置情報を取得する。そしてこの実測に係る位置情報を、前記プリントデータ中のポイントマークの位置情報と比較して偏差量を算出し、この偏差量に基づいて、対応する(関連付けされた)パーツ構成部分の位置情報(裁断しようとする位置)を補正する、という補正方法である(特許文献2等参照)。
特開2007−239155号公報 特許第4054556号公報
素材生地が、筒状生地ではなくて例えば手作業で四辺を粗切りされているような平生地や、ロール巻き体から巻き出された帯状生地であって、尚且つ、生地パーツに対応する柄が付されたものである場合には、柄の輪郭に一致させて生地パーツを切り出すこと(裁断により得られた生地パーツの輪郭とこの生地パーツに付された柄の輪郭とが位置ズレを起こさないようにすること)が非常に難しいということがあった。
なぜなら、素材生地の伸縮は、当然に柄自体にも位置ズレや変形(拡縮や歪み)などの影響を派生させるものであり、またその伸縮の程度や方向性は一様ではなく、素材生地内の各所において種々様々となっているからである。
なお、柄付きの素材生地を対象として、裁断データを補正する従来の補正方法(特許文献2等で開示されたもの)では、パーツ構成部分の位置補正を行うことが目的であり、パーツ構成部分の形状そのもの(裁断データ)を拡大させたり縮小させたりすることは、一切していない。その意味で、素材生地に発生した伸縮を原因として、パーツ構成部分(柄)自体に変形が生じていたとしても、それらを補正することは一切、できない。
従って、裁断により得られた生地パーツの輪郭と、この生地パーツに付された柄の輪郭とが位置ズレを起こしている場合が多発するものであった。殊に、柄付けがインクジェットや捺染(なっせん:部分染色のこと)等によって行われている場合では、漂白などの前処理や乾燥などの後処理を伴うことが原因で、素材生地の伸縮は尚更、程度が大きく且つ複雑になる傾向にある。そのため、前記問題(生地パーツ輪郭と柄輪郭との位置ズレ)も、それだけ大きな問題となっていた。
のみならず、互いに対応関係にあるパーツ構成部分とポイントマークとは一義的な位置関係が必要であるから、パーツ構成部分の形状を異ならせる場合には、当然に当該パーツ構成部分に合わせてポイントマークも固有の位置関係にすべく、プリントデータの変更が必須不可欠となる。従って、取り扱うプリントデータの種類が膨大となり、データの保存やデータ作成が極めて面倒となって混乱を招きやすいという欠点があった。
更に、裁断時においては、方々に点在する各ポイントマークを検出するために、検出用カメラを移動させるのが面倒且つ困難となり、このための時間を要するという問題(裁断作業としての作業効率が極めて低い)もあった。
一方、無地の素材生地を対象として、裁断データを補正する従来の補正方法(特許文献1等で開示されたもの)では、そもそも前提としていない柄については、当然のことなが
らその位置ズレや変形を全く考慮していない。すなわち、素材生地の伸縮だけに基づいて裁断用パターンを補正するものであるから、柄付きの素材生地の裁断には適用できない。
また、この補正方法では、生地幅を測定する際の基準とすべき辺部が作用的に重要な意義を持つために、素材生地は、筒状生地には限定されないまでも、例えば手作業で四辺を粗切りされているような平生地には適用し難いという難点があった。
このように、従来公知の前記二通りの補正方法では、いずれも、柄の位置ズレと柄自体の変形とを同時に補正することはできず、結果として、柄の輪郭に一致させる等、柄と所定の相関を持たせて生地パーツを裁断することはできなかった。
なお、これら二通りの補正方法は、いずれも柄自体の変形を補正するという技術思想を持たない。また、これら二通りの補正方法は、そもそも対象とする前提(素材生地が無地であるか柄付きであるかの違い等)、データ補正の目的、作用効果のいずれをも別異にするものであるから、組み合わせること自体、不可能であると言わざるを得ない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、素材生地が手作業で四辺を粗切りされているような平生地やロール巻き体から巻き出された帯状生地等であり且つ切り出そうとする生地パーツに対応させた柄が付されている場合でも、素材生地の伸縮を要因とする柄の位置ズレや変形に影響されることなく、柄と所定の相関を持たせて生地パーツを裁断できるようにした生地裁断用の補正データ作成方法を提供することを目的とする。
また本発明は、柄の変更などにも柔軟に対応できるものであり、裁断作業を高効率で実行することをも可能にした生地裁断用の補正データ作成方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
なお、本発明に係る生地裁断用の補正データ作成方法において使用する生地裁断装置は、複数の区画に区割りする際の目安とする複数のポイントマークが表示された、柄付きの素材生地を、柄に相関させて裁断するためのものであって、裁断テーブルと、裁断ヘッドと、ヘッド移動機構と、検出装置と、補正処理部と、動作制御部と、を有したものとするのが好適である
なお、ここにおいて「柄に相関させて裁断する」とは、柄の輪郭に一致又は沿わせるようにして生地パーツを裁断する場合や、柄を生地パーツ内へ所定配置で取り込むように裁断する場合など、切り出す生地パーツと柄との密接な位置関係を保持させて裁断することを言う。
裁断テーブルは、素材生地を広げた状態で支持するところである。
また裁断ヘッドは、裁断テーブルの上方に設けられて、裁断テーブル上の素材生地を裁断するところである。
またヘッド移動機構は、裁断ヘッドを昇降、水平旋回、水平移動させるところである。
また検出装置は、裁断テーブル上の素材生地から各ポイントマークを検出するところである。
また補正処理部は、前記素材生地上を複数の区画へ区割りし、且つ、前記検出装置により検出された各ポイントマーク同士を結んで得た仮想線又はこれに平行な直線を基準にして、個々の区画ごとに素材生地の伸縮率を求め、且つ、この伸縮率に基づいて各区画ごとに柄の位置ズレ及び柄の変形に応じた補正データを作成するところである。
また動作制御部は、補正処理部により作成された裁断用の補正データに基づいて前記ヘッド移動機構を制御するところである。
本発明に係る生地裁断用の補正データ作成方法は、基本的には、柄付きの素材生地に対して複数の区画に区割りする際の目安とする複数のポイントマークを表示させておき、広げた素材生地から各ポイントマークを検出し、前記素材生地上を複数の区画へ区割りすると共に、各ポイントマーク同士を結んで得た仮想線又はこれに平行な直線を基準にして、個々の区画ごとに素材生地の伸縮率を求め、求められた伸縮率に基づいて各区画ごとに柄の位置ズレ及び柄の変形に応じた補正データを作成する、というものである。すなわち、このようにして得られた生地裁断用の補正データに基づいて素材生地を裁断する。
なお、前記素材生地に表示させるポイントマークは、柄の分布領域を仮想上の長方形で取り囲んで指示するパターン枠の四隅に対応させたものとすればよい。この場合、前記伸縮率は、複数本の仮想線相互間又は複数本の直線相互間を区画する中間区割り線を設定し、そのうえで、この中間区割り線と各線との相互間隔を実測して得た数値と前記パターン枠から得られるパターン分割値との比較によって求めるようにすればよい。
また、前記パターン枠の長方形に対し、線方向が横向きである対向二辺間を二分する位置に横の中間区割り線を設定すると共に、線方向が縦向きである対向二辺間を二分する位置に縦の中間区割り線を設定して、横の中間区割り線を挟んだ上下両側で補正を行うと共に、これに先行又は後行して縦の中間区割り線を挟んだ左右両側で補正を行うようにしてもよい。
ここにおいて、「横向き(後述のX軸方向)」「縦向き(後述のY軸方向)」は、横の中間区割り線と縦の中間区割り線とが直交した関係であることを前提にして、説明の便宜上で(区別し易くするために)付した平面内での向きであって、方角や数値的な角度として限定されるものではない。
また当然に、パターン枠の「長方形」には正方形も含まれる。
以上を踏まえて、本発明に係る生地裁断用の補正データ作成方法は、次の構成とする。
すなわち、まず、生地パーツに対応した柄が付された素材生地から柄に相関させた裁断を行って生地パーツを切り出す生地裁断装置に対し、柄の分布領域を仮想上の長方形で取り囲んで指示するパターン枠と、このパターン枠内での理想上の柄配置を指示するマスターパターンとを入力によって初期設定する。
また素材生地に対しては、前記パターン枠の四隅に対応させて第1〜第4のポイントマークを表示させておくものとする。
そして、生地裁断装置が具備する裁断テーブル上に前記素材生地を広げた状態にして、前記第1〜第4のポイントマークを検出する。
次に、第1ポイントマークと、この第1ポイントマークから辺方向に離れて配置された第2ポイントマークとを結ぶ仮想線、又はこれに平行な仮想線を、1−2系直線として設定する。
次に、前記第1ポイントマークの対辺側に配置された第3ポイントマークと、この第3ポイントマークから辺方向に離れ且つ前記第2ポイントマークの対辺側に配置された第4ポイントマークとを結ぶ仮想線、又はこれに平行な仮想線を、3−4系直線として設定する。
次に、前記1−2系直線と前記3−4系直線の相互間を区画する中間区割り線を設定する。
そして、この中間区割り線が前記1−2系直線と3−4系直線との間で存在すべき初期値を、前記パターン枠において1−2系直線に対応するエッジからのパターン分割値として算出し、また3−4系直線に対応するエッジからのパターン分割値として算出する。
次に、前記1−2系直線の全長にわたる多数点において、当該1−2系直線と中間区割り線との相互間隔を実測して多数の実測値を得ると共にこれらの実測値を前記パターン分割値と比較し、これにより全実測点での1−2系伸縮率を求める。
そして、前記1−2系直線と中間区割り線とで挟まれた区画に含まれる柄について前記マスターパターン中の輪郭座標を、該当点の前記1−2系伸縮率で補正して、当該柄に対する1−2系の裁断用補正データを作成する。
また、前記3−4系直線の全長にわたる多数点において、当該3−4系直線と中間区割り線との相互間隔を実測して多数の実測値を得ると共にこれらの実測値を前記パターン分割値と比較し、これにより全実測点での3−4系伸縮率を求める。
そして、前記3−4系直線と中間区割り線とで挟まれた区画に含まれる柄について前記マスターパターン中の輪郭座標を、該当点の前記3−4系伸縮率で補正して、当該柄に対する3−4系の裁断用補正データを作成する。
このようにして作成したこれら1−2系及び3−4系の裁断用補正データを用いて、前記裁断ヘッドにより、裁断テーブル上の素材生地を裁断すればよい
なお、前記中間区割り線を設定するに際しては、第1、第2ポイントマークを結ぶ仮想線と第3、第4ポイントマークを結ぶ仮想線との対向二辺間、又は1−2系直線と3−4系直線との対向二辺間を二分することで行うことができる。
また、前記中間区割り線を設定するには、前記第1ポイントマークと第3ポイントマークとの間に存在する中間マーク及び第2ポイントマークと第4ポイントマークとの間に存在する中間マークを相互に結ぶことで行うようにしてもよい。
一方、前記1−2系及び3−4系の裁断用補正データを作成するのに先行、後行又は並行して、次の手順を加えるのが好ましい。
すなわち、前記第1ポイントマークと前記第3ポイントマークとを結ぶ仮想線又はこれに平行な仮想線を1−3系直線として設定する。
次に、前記第2ポイントマークと前記第4ポイントマークとを結ぶ仮想線又はこれに平行な仮想線を2−4系直線として設定する。
次に、前記1−3系直線と前記2−4系直線の相互間を区画する中間区割り線を設定する。
そして、この中間区割り線が前記1−3系直線と2−4系直線との間で存在すべき初期値を、前記パターン枠において1−3系直線に対応するエッジからのパターン分割値、及び2−4系直線に対応するエッジからのパターン分割値として算出する。
次に、前記1−3系直線の全長にわたる多数点において、当該1−3系直線と中間区割り線との相互間隔を実測して多数の実測値を得ると共にこれらの実測値を前記パターン分割値と比較し、これにより全実測点での1−3系伸縮率を求める。
そして、前記1−3系直線と中間区割り線とで挟まれた区画に含まれる柄について前記マスターパターン中の輪郭座標を、該当点の前記1−3系伸縮率で補正して、当該柄に対する1−3系の裁断用補正データを作成する。
また、前記2−4系直線の全長にわたる多数点において、当該2−4系直線と中間区割り線との相互間隔を実測して多数の実測値を得ると共にこれらの実測値を前記パターン分割値と比較し、これにより全実測点での2−4系伸縮率を求める。
そして、前記2−4系直線と中間区割り線とで挟まれた区画に含まれる柄について前記マスターパターン中の輪郭座標を、該当点の前記2−4系伸縮率で補正して、当該柄に対する2−4系の裁断用補正データを作成する。
そのうえで、前記1−2系及び3−4系の裁断用補正データと共に、2−4系及び1−3系の裁断用補正データをも一緒に用いて前記裁断ヘッドにより裁断テーブル上の素材生地を裁断すればよい
なお、前記中間区割り線を設定するに際しては、第1、第3ポイントマークを結ぶ仮想線と第2、第4ポイントマークを結ぶ仮想線との対向二辺間、又は1−3系直線と2−4系直線との対向二辺間を二分することで行うことができる。
また、前記中間区割り線を設定するには、前記第1ポイントマークと第2ポイントマークとの間に存在する中間マーク及び第3ポイントマークと第4ポイントマークとの間に存在する中間マークを相互に結ぶことで行うようにしてもよい。
なお、1−2系直線と3−4系直線との間の中間区割り線の設定や、1−3系直線と2−4系直線との間の中間区割り線の設定に用いる中間マークは、柄中の一点としてもよい。
本発明に係る生地裁断用の補正データ作成方法によれば、素材生地が手作業で四辺を粗切りされているような平生地やロール巻き体から巻き出された帯状生地等であり且つ切り出そうとする生地パーツに対応させた柄が付されている場合でも、素材生地の伸縮を要因とする柄の位置ズレや変形に影響されることなく、柄と所定の相関を持たせて生地パーツを裁断することができる。
また、柄の変更などにも柔軟に対応できるものであり、裁断作業を高効率で実行することをも可能になった。
本発明に係る生地裁断用の補正データ作成で使用可能な生地裁断装置の一実施形態を模式的に示した側面図である。 (A)は裁断テーブル上へ広げられた裁断生地を示した平面図であり、(B)は補正処理部に対して入力されたパターン枠を画像として示した図である。 検出装置により検出された素材生地の画像をデータとして示した図である。 生地裁断装置の制御構成を示したブロック構成図である。 第1、第2の補正データを作成する過程を説明したものであって、(A)はパターン枠を示した図であり、(B)は検出装置により検出された素材生地の画像をデータとして示した図であり、(C)は第1の補正データ作成後における素材生地の画像をデータとして示した図である。 第1、第2の補正データを作成する過程を説明したものであって、(A)は第1の補正データ作成後における素材生地の画像をデータとして示した図(図5(C)と実質的に同じ図)であり、(B)は第2の補正データ作成後における素材生地の画像をデータとして示した図である。 第3、第4の補正データを作成する過程を説明したものであって、(A)はパターン枠を示した図であり、(B)は第1、第2の補正データ作成後における素材生地の画像をデータとして示した図(図6(B)と実質的に同じ状態の図)であり、(C)は第3の補正データ作成後における素材生地の画像をデータとして示した図である。 第3、第4の補正データを作成する過程を説明したものであって、(A)は第3の補正データ作成後における素材生地の画像をデータとして示した図(図7(C)と実質的に同じ図)であり、(B)は第4の補正データ作成後における素材生地の画像をデータとして示した図である。 本発明に係る生地裁断用の補正データ作成方法の一例を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図9は、本発明に係る生地裁断用の補正データ作成で使用可能な生地裁断装置1の一実施形態を示している。
[素材生地]
本発明において裁断の対象とする素材生地Wは、その材質や厚さ等が限定されるものではなく、天然素材でも合繊素材でもよいし、場合によっては不織布等を含めても構わない。また、素材生地Wは、予め所定寸法に粗切りされた平生地でも、ロール巻き体から巻き出された帯状生地でもよい。
但し、図2(A)に示すように、素材生地Wには、切り出そうとする生地パーツに相関させた柄Hが付されているものとする。すなわち、本発明は、この柄Hの輪郭に一致又は沿わせるようにして生地パーツを裁断したり、柄Hを生地パーツ内へ所定配置で取り込むように裁断したりすることが前提とされる。また、素材生地Wには少なくとも四つのポイントマーク(第1ポイントマークP1、第2ポイントマークP2、第3ポイントマークP3、第4ポイントマークP4)が表示されているものとする。
更に、本実施形態では、第1ポイントマークP1と第2ポイントマークP2との間に中間マーク65が表示され、第3ポイントマークP3と第4ポイントマークP4との間に中間マーク66が表示されたものとしてある。これら中間マーク65,66については、ここでは説明せず、後述する。
柄Hは、素材生地Wの輪郭に対する位置関係を持たせて付与してある。また、第1〜第4ポイントマークP1〜P4についても、素材生地Wの輪郭に対する位置関係を持たせて表示させている。
ここにおいて素材生地Wの輪郭とは、例えば、ロール巻き体から巻き出される帯状生地である場合には、その帯幅の両端を言うものである。素材生地Wが平生地である場合も、柄Hの付与時や第1〜第4ポイントマークP1〜P4の表示時は、より大きな生地として直線状の生地端(輪郭)を有したものであり、この生地端を基準として柄Hや第1〜第4
ポイントマークP1〜P4の各配置が決められている。
換言すれば、柄Hの配置と、第1〜第4ポイントマークP1〜P4の配置との間に、間接的な位置関係は生じるものであっても、直接的、一義的な位置関係(相関)は設けていない。従って例えば、素材生地Wにおいて柄Hが変更されたとしても、素材生地Wに対する第1〜第4ポイントマークP1〜P4の配置は一定のまま(不変)とすることができる。
またこのような理由から、柄Hの付与と、第1〜第4ポイントマークP1〜P4の表示とは、同時に行ってもよいし、同時でなくても(時間的にずらして行っても)よい。
更に、第1〜第4ポイントマークP1〜P4は、印刷等により付与するものでもよいし、その他の方法(例えば素材生地W自体の編組織を部分的に異ならせたり凹凸や孔を設けたり、或いは接着剤やシール等の付着物を付着したりする方法)で表示させたものでもよい。
一例として、ブラックライト(紫外線)を照射したときだけ視認又は検出できるような蛍光塗料を用いて第1〜第4ポイントマークP1〜P4を表示させ、柄Hに視覚的な悪影響を与えないようにしてもよい。これであれば、第1〜第4ポイントマークP1〜P4が柄Hと位置的に干渉することがあったとしても、問題とならない。
[ポイントマークの位置]
第1〜第4ポイントマークP1〜P4は、後述するように、生地裁断装置1の補正処理部21に入力される長方形(正方形を含む)のパターン枠30(図2(B)参照)の四隅に対応させたものである。
このパターン枠30は、裁断しようとする生地パーツの配置領域を取り囲むようにして設定されている。ここにおいて「生地パーツの配置領域」は、素材生地Wに付された柄Hの分布領域(伸縮等は無視した設計上のもの)と、ほぼ同じ意味であるが、素材生地W上での柄Hの位置情報(座標)ではなく、柄Hが分布する広がり(レイアウト面積)を収めることのできる外枠を言うものである。
第1〜第4ポイントマークP1〜P4の各配置は、おおよそ以下のようにしてある。
すなわち、第1ポイントマークP1は、素材生地Wにおける一辺側の生地端近傍に配置してある。どの程度の生地端近傍とするかについて、数値的な制限は一切無い。また、前記したように、柄Hとの相対的な位置関係も特に限定されるものではない。場合によっては、柄Hの一部とすることも可能である。
第2ポイントマークP2は、第1ポイントマークP1から辺方向に離れて配置する。生地端との数値的な位置関係や柄Hとの相対的な位置関係については、第1ポイントマークP1の場合と同様である。
第3ポイントマークP3は、第1ポイントマークP1とは対辺側となる生地端近傍に配置する。生地端との数値的な位置関係や柄Hとの相対的な位置関係については、第1ポイントマークP1の場合と同様である。
第4ポイントマークP4は、第3ポイントマークから辺方向に離れ、且つ、前記第2ポイントマークに対して対辺側の位置関係で配置する。生地端との数値的な位置関係や柄Hとの相対的な位置関係については、第1ポイントマークP1の場合と同様である。
[生地裁断装置の基本的な装置構成]
生地裁断装置1は、図1に示すように、素材生地Wを広げた状態で支持する裁断テーブル2と、この裁断テーブル2の上方に設けられて裁断テーブル2上の素材生地Wを裁断する裁断ヘッド3と、この裁断ヘッド3を昇降、水平旋回、水平移動させるヘッド移動機構4とを有している。
裁断テーブル2は、ベルトコンベア6の上張り部6aとして形成されたものを示してある。このベルトコンベア6は、通気性を有したエンドレスベルトを、ベルト駆動部7によって一方向に連続又は間欠的に走行させるものとしてある。そのため、素材生地Wを裁断位置に対して搬入、搬出することが高効率で行える。なお、裁断中は、ベルトコンベア6を停止させるのがよい。
このベルトコンベア6には、上張り部6a(裁断テーブル2)の下部に吸引ヘッド8が
設けられている。
吸引ヘッド8は、可撓性ホース9を介して真空発生装置やブロワー等の適宜吸引装置10と接続されており、裁断テーブル2上のエアをテーブル面下方へ吸引して、素材生地Wを裁断テーブル2上に吸着保持させる。これにより、裁断ヘッド3による素材生地Wの裁断を、容易且つ確実に行えるようにする。
裁断ヘッド3は、水平軸を中心として丸刃などの回転刃12が回転駆動されるものとしてある。
ヘッド移動機構4は、ベルトコンベア6の送り方向と水平面内でこれに直交する方向とを適宜組み合わせて裁断ヘッド3を水平移動させる送り部13と、この送り部13による移動方向に回転刃12の刃先を合致させるように裁断ヘッド3を水平旋回させる旋回部14と、回転刃12の下端が裁断テーブル2上の素材生地Wに接触する高さとその上方との間で裁断ヘッド3を昇降させる昇降部15とを有している。
送り部13の水平移動機構、旋回部14の水平旋回機構、昇降部15の昇降機構は、いずれも巻き掛け駆動機構やボールネジ等を用いた送りネジ機構等によって構成すればよい。また、これらの各機構を駆動するための駆動源には、いずれもステッピングモータやサーボモータ等の位置制御可能なモータを用いる。これらの細部構造等については、何ら限定されるものではない。
なお、前記した吸引ヘッド8は裁断ヘッド3(回転刃12)の下部に対応した領域だけを吸引するコンパクトな大きさに形成されており、裁断テーブル2を挟んだ上下部で裁断ヘッド3と一体的に水平移動するように、吸引部移動機構16が設けられている。
[生地裁断装置の制御構成]
生地裁断装置1は、その制御構成として検出装置20と補正処理部21と動作制御部22とを有している(図4参照)。
検出装置20は、裁断テーブル2上に広げられた素材生地Wから、この素材生地Wに表示されている第1〜第4ポイントマークP1〜P4をイメージマッチング法(予め記憶しているイメージとのマッチングを行って、関連する所定の座標(イメージの中心点等)として読み出す判別方法)により検出するものである(なお、後述する中間マーク55,56,65,66の検出も可能)。この検出装置20は、例えばCCD撮像素子を装備するカメラ等によって構成されている。
なお、この検出装置20は、例えば裁断ヘッド3(回転刃12)と一緒に移動できるように、裁断ヘッド3に設けることが可能である。その他、ベルトコンベア6の上方を跨るようにフレームを設けて、このフレームに検出装置20を固定することも可能である。
補正処理部21及び動作制御部22は、裁断ヘッド3を移動動作させるための前記ヘッド移動機構4に対し、動作プログラムや補正信号などを出力するコンピュータなどとして構成されたものである。
このうち、補正処理部21は、まず素材生地W上を複数の区画へ区割りする。例えば、素材生地Wがベルトコンベア6の搬送方向に長手方向を向けた長方形であると仮定した場合では、その短辺側を2等分してできる1/2面積の二つの区画として区割りしたり、その長辺側を2等分してできる1/2面積の二つの区画として区割りしたりする。具体的な区割りの方法については後述する。
そして、これら個々の区画ごとに素材生地Wの伸縮率を求める。具体的な伸縮率の求め方については後述する。そしてこの伸縮率に基づいて、各区画ごとに柄Hの位置ズレ及び柄Hの変形に応じた補正データを作成するようになっている。
これに対して動作制御部22は、補正処理部21により作成された裁断用の補正データに基づいて、ヘッド移動機構4を制御するものである。
補正データ作成方法]
次に、上記構成の生地裁断装置1の動作状況に基づいて、本発明に係る生地裁断用の補正データ作成方法を説明する。
[準備]
いま、図1に示したように、ベルトコンベア6等の作動により素材生地Wが裁断テーブ
ル2上へ送り出されて所定の裁断位置に広げられたとする。
なお、素材生地Wがロール巻き体から巻き出された帯状生地である場合には、ベルトコンベア6の搬送方向において所定長さ(一群を成す柄Hの分布領域)おきに、粗切りするとよい。この場合の粗切りは、裁断ヘッド3をベルトコンベア6の幅方向で水平移動させることによって行えばよい。
図2(A)に示すように、裁断テーブル2上に広げられた素材生地Wは、柄Hが付与されたものであり、また予め第1〜第4ポイントマークP1〜P4が所定配置で表示されているものとする。
また図2(B)に示すように、生地裁断装置1の補正処理部21には、裁断しようとする生地パーツの配置領域を長方形で取り囲むパターン枠30と、このパターン枠30内での理想上の柄配置を指示するマスターパターンとが入力される。
本実施形態では、このパターン枠30が、ベルトコンベア6の搬送方向に沿った一対の長辺側エッジ31,32と、これらに平面直交する一対の短辺側エッジ33,34とを有したものである場合を示す。このパターン枠30の四隅(エッジ31〜34の各交点)が、素材生地Wの第1〜第4ポイントマークP1〜P4と直接又は間接に各対応していることになる。
なお、このパターン枠30は、例えばコンピュータ画面45として表示できるようにしておくとよい。また、このコンピュータ画面45には、パターン枠30の内側にマスターパターン46を表示させておいてもよい。このようなコンピュータ画面45(パターン枠30やマスターパターン46)は必ずしも必要ではなく、省略してもよい。
まず生地裁断装置1は、裁断テーブル2の上方で検出装置20を作動させ、裁断テーブル2上に広げられた素材生地Wから、その第1〜第4ポイントマークP1〜P4を検出する。この検出は、検出装置20を第1〜第4ポイントマークP1〜P4上方へ次々に移動させることによって行う。
なお、これら第1〜第4ポイントマークP1〜P4は、前記したように素材生地Wに対して関連付けされた配置であり、またパターン枠30の四隅と直接又は間接に各対応した位置関係とされているので、このパターン枠30の入力情報から、第1〜第4ポイントマークP1〜P4に対する、おおよその近傍(各ポイントの周辺)を予測することができる。
そのため、動作制御部22によるヘッド移動機構4の制御により、裁断ヘッド3(検出装置20を支持している)を素速く、第1〜第4ポイントマークP1〜P4の各上方へと直行させ、且つ検出装置20による検出を迅速に行わせることができる。
これらの準備が整った後、補正処理部21が素材生地Wを複数の区画に区分けして、それぞれの区画に合わせた補正データを作成する。本実施形態では、素材生地W上を二つの区画に区分けすることを、縦横の2回にわけて行うものとして、上下・左右の四つの補正データを作成するものとしている。以下、順を追って説明する。
[上下の補正データを作成する準備]
図3に示すように、補正処理部21は、検出装置20が検出した第1〜第4ポイントマークP1〜P4の中から、第1ポイントマークP1と第2ポイントマークP2とにより、これら両マークP1,P2間を結ぶ仮想線50に平行な1−2系直線51を設定する。
この1−2系直線51は、第1、第2の両マークP1,P2間を結ぶ仮想線50と同一線としてもよいが、本実施形態では、その外側に所定寸法(15mm又は25mmとした)をおいた位置として設定した。この1−2系直線51が、パターン枠30のエッジ31に直接、対応することになる。
また同様に、補正処理部21は、第3ポイントマークP3と第4ポイントマークP4とにより、これら両マークP3,P4間を結ぶ仮想線52に平行な3−4系直線53を設定する。
本実施形態では、第3、第4の両マークP3,P4間を結ぶ仮想線52の外側に所定寸法(15mm又は25mmとした)をおいた位置として、3−4系直線53を設定した。この3−4系直線53が、パターン枠30のエッジ32に直接、対応することになる。
更に、第1ポイントマークP1と第3ポイントマークP3との間に存在する中間マーク55と、第2ポイントマークP2と第4ポイントマークP4との間に存在する中間マーク56とを検出する。
これら中間マーク55,56の検出は、動作制御部22によるヘッド移動機構4の制御により、裁断ヘッド3(検出装置20)を第1ポイントマークP1と第3ポイントマークP3との相互間上方へ移動させたり、第2ポイントマークP2と第4ポイントマークP4との相互間上方へ移動させたりすることで行う。
なお、これら中間マーク55,56は、素材生地Wに対して専用のマークとして表示させたものでもよいが、柄H中に特徴的な表現部分が存在する場合には、この表現部分から一点を抽出して利用すればよい。
本実施形態では、第1ポイントマークP1と第3ポイントマークP3との中間近傍、及び第2ポイントマークP2と第4ポイントマークP4との中間近傍に、それぞれ対称的な配置として、柄Hのコーナー部が存在しているので、これらのコーナー部を中間マーク55,56として利用するものとした。
そして、これら二つの中間マーク55,56を結んで、これを、1−2系直線51及び3−4系直線53の相互間を区画するための中間区割り線57として設定する。
これら1−2系直線51、3−4系直線53、及び中間区割り線57を設定するうえで、最小二乗法などの面倒な計算を行う必要はない。従って、これら各線を設定するうえで、迅速化が図れる。
なお、これら1−2系直線51、3−4系直線53及び中間区割り線57は、裁断テーブル2を形成しているベルトコンベア6の搬送方向に沿った向きに設定されることから、以下の説明では、これら各線51,53,57の線方向を便宜上「横向き(X軸方向)」とおく。
ところで、素材生地Wに伸縮等が生じていないと仮定したとき、1−2系直線51や3−4系直線53が本来あるべき配置は、第1〜第4ポイントマークP1〜P4に関する設計上の付与データ(素材生地Wに対する第1〜第4ポイントマークP1〜P4の配置座標)から求めることができる。
これに対し、素材生地Wに対して中間区割り線57が本来あるべき配置は、設計上の柄データ(素材生地Wに対する柄Hの配置やその輪郭を示した座標)から求めることができる。それらの結果として、1−2系直線51と中間区割り線57との理想上の間隔や、3−4系直線53と中間区割り線57との理想上の間隔を求めることができる。
従って補正処理部21は、図5(A)に示すように、パターン枠30におけるエッジ31,32の相互間隔のうち、1−2系直線51と中間区割り線57との理想間隔に対応するパターン分割値A0を知ることができ、同様に、3−4系直線53と中間区割り線57との理想間隔に対応するパターン分割値B0を知ることができる。
いま例えば、A0:B0=51:49であったとする。パターン枠30は長方形であるので、エッジ31,32は平行であり、従ってパターン分割値A0,B0は、エッジ31,32の線方向に一定である。
[下側の補正データ作成]
補正処理部21は、素材生地Wに対し、図3中に示した横向きの中間区割り線57より下側の区画に向けて、以下の補正データを作成する。
すなわち、補正処理部21は、図5(B)に示すように、素材生地Wにおける1−2系直線51と中間区割り線57との相互間隔Aを実測する。1−2系直線51と中間区割り線57とは互いに平行であるとは限らないため、この実測は1−2系直線51の線方向に沿った多数点について繰り返し行い、多数の実測値を得るものとする。
次に補正処理部21は、素材生地Wにおける1−2系直線51側の相互間隔Aと、パターン枠30におけるエッジ31側のパターン分割値A0とを比較する。前記したようにパターン分割値A0は一定であるのに対し、1−2系直線51側の相互間隔Aには1−2系直線51の線方向に沿って多数の実測値が存在するので、これら相互間隔Aとパターン分割値A0との比較は、1−2系直線51の全長にわたり行う。
この比較により、1−2系直線51の線方向に沿った多数の1−2系伸縮率α(1−2系直線51上の任意点nではαn=An/A0)が求められる。
そこで、次に補正処理部21は、図5(C)に示すように、素材生地Wにおいて、1−2系直線51と中間区割り線57とで挟まれた区画に含まれる柄HAについて、前記マスターパターン中の輪郭座標を1−2系伸縮率αで補正する。
例えば、図5(B)に示すように、前記した任意点nに対応する柄HAについて、マスターパターン中の1点を(Xa,Ya)とおくと、この座標を、前記1−2系伸縮率αnで補正することによって、図5(C)に示すように(Xa,Ya×An/A0)として求めることができる。この操作を、1−2系直線51の全長にわたって行い、柄HAの裁断用補正データ(図5(C)にハッチングで示した領域を参照)を求めるものである。
ここにおいて「柄HAの裁断用補正データ」は、切り出そうとする生地パーツと柄HAとが同一形であれば、柄HA自体の輪郭を示す座標とすればよいし、生地パーツと柄HAとが相似形であれば、柄HAの輪郭外側又は内側に所定の余白が加えられた外形線を示す座標とすればよい。或いは、生地パーツ内で柄HAが所定配置に取り込まれるものである場合には、それらの相関を伴った生地パーツ側の輪郭座標とすればよい。
参考までに言えば、多くの場合は、柄HAの輪郭外側又は内側に余白が加えられた外形線を示す座標とする。当然に、柄HA中に切り抜き(孔部)が必要とされる場合であれば、切り抜き部分の輪郭を示す座標又はその輪郭の内側や外側に所定の余白が加えられた線を示す座標をも求めるようにすればよい。
[上側の補正データ作成]
補正処理部21は、前記手順と同様な手順を、素材生地Wに対し、図3中に示した横向きの中間区割り線57より上側の区画へ向けても行い、以下の補正データを作成する。
すなわち、補正処理部21は、図6(A)に示すように、素材生地Wにおける3−4系直線53と中間区割り線57との相互間隔Bを実測する。3−4系直線53と中間区割り線57とは互いに平行であるとは限らないため、この実測は3−4系直線53の線方向に沿った多数点について繰り返し行い、多数の実測値を得るものとする。
次に補正処理部21は、素材生地Wにおける3−4系直線53側の相互間隔Bと、パターン枠30におけるエッジ32側のパターン分割値B0(図5(A)参照)とを比較する。前記したようにパターン分割値B0は一定であるのに対し、3−4系直線53側の相互間隔Bには3−4系直線53の線方向に沿って多数の実測値が存在するので、これら相互間隔Bとパターン分割値B0との比較は、3−4系直線53の全長にわたり行う。
この比較により、3−4系直線53の線方向に沿った多数の3−4系伸縮率β(3−4系直線53上の任意点nではβn=Bn/B0)が求められる。
そこで、次に補正処理部21は、図6(B)に示すように、素材生地Wにおいて、3−4系直線53と中間区割り線57とで挟まれた区画に含まれる柄HBについて、前記マスターパターン中の輪郭座標を、3−4系伸縮率βで補正する。
例えば、図6(A)に示すように、前記した任意点nに対応する柄HBについて、マスターパターン中の1点を(Xb,Yb)とおくと、この座標を、前記3−4系伸縮率βnで補正することによって、図6(B)に示すように(Xb,Yb×Bn/B0)として求めることができる。この操作を、3−4系直線53の全長にわたって行い、柄HBの裁断用補正データ(図6(B)で新たにハッチングを追加した領域を参照)を求めるものである。
ここにおいて「柄HBの裁断用補正データ」は、切り出そうとする生地パーツと柄HBとが同一形であれば、柄HB自体の輪郭を示す座標とすればよいし、生地パーツと柄HBとが相似形であれば、柄HBの輪郭外側又は内側に所定の余白が加えられた外形線を示す座標とすればよい。或いは、生地パーツ内で柄HBが所定配置に取り込まれるものである場合には、それらの相関を伴った生地パーツ側の輪郭座標とすればよい。
参考までに言えば、多くの場合は、柄HBの輪郭外側又は内側に余白が加えられた外形線を示す座標とする。当然に、柄HB中に切り抜き(孔部)が必要とされる場合であれば、切り抜き部分の輪郭を示す座標又はその輪郭の内側や外側に所定の余白が加えられた線
を示す座標をも求めるようにすればよい。
[左右の補正データを作成する準備]
図3に示すように、補正処理部21は、検出装置20が検出した第1〜第4ポイントマークP1〜P4の中から、第1ポイントマークP1と第3ポイントマークP3とにより、これら両マークP1,P3間を結ぶ仮想線60に平行な1−3系直線61を設定する。
この1−3系直線61は、第1、第3の両マークP1,P3間を結ぶ仮想線60と同一線としてもよいが、本実施形態では、その外側に所定寸法(15mm又は25mmとした)をおいた位置として設定した。この1−3系直線61が、パターン枠30のエッジ33に直接、対応することになる。
また同様に、補正処理部21は、第2ポイントマークP2と第4ポイントマークP4とにより、これら両マークP2,P4間を結ぶ仮想線62に平行な2−4系直線63を設定する。
本実施形態では、第2、第4の両マークP2,P4間を結ぶ仮想線62の外側に所定寸法(15mm又は25mmとした)をおいた位置として、2−4系直線63を設定した。この2−4系直線63が、パターン枠30のエッジ34に直接、対応することになる。
更に、第1ポイントマークP1と第2ポイントマークP2との間に存在する中間マーク65と、第3ポイントマークP3と第4ポイントマークP4との間に存在する中間マーク66とを検出する。
これら中間マーク65,66の検出は、動作制御部22によるヘッド移動機構4の制御により、裁断ヘッド3(検出装置20)を第1ポイントマークP1と第2ポイントマークP2との相互間上方へ移動させたり、第3ポイントマークP3と第4ポイントマークP4との相互間上方へ移動させたりすることで行う。
なお、これら中間マーク65,66は、素材生地Wに対して専用のマークとして表示させたものでもよいが、柄H中に特徴的な表現部分が存在する場合には、この表現部分から一点を抽出して利用すればよい。
本実施形態では中間マーク65,66としての専用マークを表示させている。専用マークの表示は、第1〜第4ポイントマークP1〜P4の表示と同時に行うものとしてもよいし、柄Hの付与と同時に行うものとしてもよい。表示の方法も特に限定されるわけではない。
そして、これら二つの中間マーク65,66を結んで、これを、1−3系直線61及び2−4系直線63の相互間を区画するための中間区割り線67として設定する。
これら1−3系直線61、2−4系直線63、及び中間区割り線67を設定するうえで、最小二乗法などの面倒な計算を行う必要はない。従って、これら各線を設定するうえで、迅速化が図れる。
なお、これら1−3系直線61、2−4系直線63及び中間区割り線67は、裁断テーブル2を形成しているベルトコンベア6の搬送方向に対し、直交する向きに設定されることから、以下の説明では、これら各線61,63,67の線方向を便宜上「縦向き(Y軸方向)」とおく。
ところで、素材生地Wに伸縮等が生じていないと仮定したとき、1−3系直線61や2−4系直線63が本来あるべき配置は、第1〜第4ポイントマークP1〜P4に関する設計上の付与データ(素材生地Wに対する第1〜第4ポイントマークP1〜P4の配置座標)から求めることができる。
これに対し、素材生地Wに対して中間区割り線67が本来あるべき配置は、設計上の柄データ(素材生地Wに対する柄Hの配置やその輪郭を示した座標)から求めることができる。それらの結果として、1−3系直線61と中間区割り線67との理想上の間隔や、2−4系直線63と中間区割り線67との理想上の間隔を求めることができる。
従って補正処理部21は、図7(A)に示すように、パターン枠30におけるエッジ33,34の相互間隔のうち、1−3系直線61と中間区割り線67との理想間隔に対応するパターン分割値C0を知ることができ、同様に、2−4系直線63と中間区割り線67との理想間隔に対応するパターン分割値D0を知ることができる。
いま例えば、C0:D0=50:50であったとする。パターン枠30は長方形であるので、エッジ33,34は平行であり、従ってパターン分割値C0,D0は、エッジ33,34の線方向に一定である。
[左側の補正データ作成]
補正処理部21は、素材生地Wに対し、図3中に示した縦向きの中間区割り線67より左側の区画に向けて、以下の補正データを作成する。
すなわち、補正処理部21は、図7(B)に示すように、素材生地Wにおける1−3系直線61と中間区割り線67との相互間隔Cを実測する。1−3系直線61と中間区割り線67とは互いに平行であるとは限らないため、この実測は1−3系直線61の線方向に沿った多数点について繰り返し行い、多数の実測値を得るものとする。
次に補正処理部21は、素材生地Wにおける1−3系直線61側の相互間隔Cと、パターン枠30におけるエッジ33側のパターン分割値C0とを比較する。前記したようにパターン分割値C0は一定であるのに対し、1−3系直線61側の相互間隔Cには1−3系直線61の線方向に沿って多数の実測値が存在するので、これら相互間隔Cとパターン分割値C0との比較は、1−3系直線61の全長にわたり行う。
この比較により、1−3系直線61の線方向に沿った多数の1−3系伸縮率γ(1−3系直線61上の任意点mではγm=Cm/C0)が求められる。
そこで、次に補正処理部21は、図7(C)に示すように、素材生地Wにおいて、1−3系直線61と中間区割り線67とで挟まれた区画に含まれる柄HCについて、前記マスターパターン中の輪郭座標を、1−3系伸縮率γで補正する。
例えば、図7(B)に示すように、前記した任意点mに対応する柄HCについて、マスターパターン中の1点を(Xc,Yc)とおくと、この座標を、前記1−3系伸縮率γmで補正することによって、図7(C)に示すように(Xc×Cm/C0,Yc)として求めることができる。この操作を、1−3系直線61の全長にわたって行い、柄HCの裁断用補正データ(図7(C)にハッチングで示した領域を参照)を求めるものである。
ここにおいて「柄HCの裁断用補正データ」は、切り出そうとする生地パーツと柄HCとが同一形であれば、柄HC自体の輪郭を示す座標とすればよいし、生地パーツと柄HCとが相似形であれば、柄HCの輪郭外側又は内側に所定の余白が加えられた外形線を示す座標とすればよい。或いは、生地パーツ内で柄HCが所定配置に取り込まれるものである場合には、それらの相関を伴った生地パーツ側の輪郭座標とすればよい。
参考までに言えば、多くの場合は、柄HCの輪郭外側又は内側に余白が加えられた外形線を示す座標とする。当然に、柄HC中に切り抜き(孔部)が必要とされる場合であれば、切り抜き部分の輪郭を示す座標又はその輪郭の内側や外側に所定の余白が加えられた線を示す座標を求めるようにすればよい。
[右側の補正データ作成]
補正処理部21は、前記手順と同様な手順を、素材生地Wに対し、図3中に示した縦向きの中間区割り線67より右側の区画へ向けても行い、以下の補正データを作成する。
すなわち、補正処理部21は、図8(A)に示すように、素材生地Wにおける2−4系直線63と中間区割り線67との相互間隔Dを実測する。2−4系直線63と中間区割り線67とは互いに平行であるとは限らないため、この実測は2−4系直線63の線方向に沿った多数点について繰り返し行い、多数の実測値を得るものとする。
次に補正処理部21は、素材生地Wにおける2−4系直線63側の相互間隔Dと、パターン枠30におけるエッジ34側のパターン分割値D0(図7(A)参照)とを比較する。前記したようにパターン分割値D0は一定であるのに対し、2−4系直線63側の相互間隔Dには2−4系直線63の線方向に沿って多数の実測値が存在するので、これら相互間隔Dとパターン分割値D0との比較は、2−4系直線63の全長にわたり行う。
この比較により、2−4系直線63の線方向に沿った多数の2−4系伸縮率δ(2−4系直線63上の任意点mではδm=Dm/D0)が求められる。
そこで、次に補正処理部21は、図8(B)に示すように、素材生地Wにおいて、2−4系直線63と中間区割り線67とで挟まれた区画に含まれる柄HDについて、前記マス
ターパターン中の輪郭座標を、2−4系伸縮率δで補正する。
例えば、図8(A)に示すように、前記した任意点mに対応する柄HDについて、マスターパターン中の1点を(Xd,Yd)とおくと、この座標を、前記2−4系伸縮率δmで補正することによって、図8(B)に示すように(Xd×Dm/D0,Yd)として求めることができる。この操作を、2−4系直線63の全長にわたって行い、柄HDの裁断用補正データ(図8(B)で新たにハッチングを追加した領域を参照)を求めるものである。
ここにおいて「柄HDの裁断用補正データ」は、切り出そうとする生地パーツと柄HDとが同一形であれば、柄HD自体の輪郭を示す座標とすればよいし、生地パーツと柄HDとが相似形であれば、柄HDの輪郭外側又は内側に所定の余白が加えられた外形線を示す座標とすればよい。或いは、生地パーツ内で柄HDが所定配置に取り込まれるものである場合には、それらの相関を伴った生地パーツ側の輪郭座標とすればよい。
参考までに言えば、多くの場合は、柄HDの輪郭外側又は内側に余白が加えられた外形線を示す座標とする。当然に、柄HD中に切り抜き(孔部)が必要とされる場合であれば、切り抜き部分の輪郭を示す座標又はその輪郭の内側や外側に所定の余白が加えられた線を示す座標をも求めるようにすればよい。
[裁断実行]
補正処理部21は、前記の如くして求めた上下・左右の四つの裁断用補正データ、即ち、1−2系の裁断用補正データ(下側の補正データ)、3−4系の裁断用補正データ(上側の補正データ)、2−4系の裁断用補正データ(左側の補正データ)、及び1−3系の裁断用補正データ(右側の補正データ)を総括し、一つの補正データ(裁断データ)として動作制御部22へ出力する。
これにより動作制御部22は、補正処理部21からの補正データに基づいてヘッド移動機構4を制御し、裁断ヘッド3を移動動作(昇降、水平旋回、水平移動)させる。かくして、素材生地Wに対してその伸縮に応じた裁断が実行される。
なお、裁断ヘッド3による裁断中は、吸引ヘッド8も裁断ヘッド3と一体的に水平移動され、裁断テーブル2を挟んで素材生地Wが真下へ吸引されるようになるので素材生地Wは不動に保持され、確実且つ綺麗な裁断が実行される。
裁断によって切り出された生地パーツは、その後、ベルトコンベア6の作動等により、搬送下流側に設置されたスタッキング装置等により、積層などされる。
[フローチャート]
図9は、本発明に係る生地裁断用補正データ作成方法の一例を示したフローチャートである。この図9に基づいて本発明に係る生地裁断用の補正データ作成方法を説明する。
まず、素材生地Wが裁断テーブル2上に搬入されたことの確認(ステップ100〜101)と、補正処理部21に対するパターン枠30及びマスターパターンの入力(ステップ102)とを行う。
この状態で、検出装置20を移動させながら、素材生地Wの各ポイントマークP1〜P4及び中間マーク55,56,65,66を検出する(ステップ103〜105)。
なお、素材生地Wがロール巻き体から巻き出した帯状生地である場合には、検出した各ポイントマークP1〜P4を利用して巻き出し方向での粗切り位置(柄Hの分布領域としての一群)を見つけ出し、裁断ヘッド3によって粗切りしておけばよい(ステップ106)。
また、各ポイントマークP1〜P4にしたがって1−2系直線51、3−4系直線53、1−3系直線61、2−4系直線63を求める(ステップ107)。
また、中間マーク55,56,65,66から中間区割り線57,67を求める(ステップ108)。これら中間区割り線57,67により、素材生地W上を、横向きの中間区割り線57を挟んだ上下の二区画に区割りしたり、縦向きの中間区割り線67を挟んだ左右の二区画に区割りしたりできるようになる。
次に、横向きの1−2系直線51、3−4系直線53、及び中間区割り線57を用いて、上下二区画の個別の伸縮率(1−2系伸縮率α及び3−4系伸縮率β)を求める(ステ
ップ109)。
また、縦向きの1−3系直線61、2−4系直線63及び中間区割り線67を用いて、左右二区画の個別の伸縮率(1−3系伸縮率γ及び2−4系伸縮率δ)を求める(ステップ110)。
そして、上下二区画の各伸縮率(1−2系伸縮率α、3−4系伸縮率β)に基づいて、各区画ごとに柄(HA、HB)の位置ズレ及び変形に応じた裁断用の補正データを作成すると共に、左右二区画の各伸縮率(1−3系伸縮率γ及び2−4系伸縮率δ)に基づいて、各区画ごとに柄(HC、HD)の位置ズレ及び変形に応じた裁断用の補正データを作成する(ステップ111〜112)。
次に、得られた補正データに基づいて、素材生地Wを裁断する(ステップ113〜114)。
最後に、裁断された生地パーツ及び切り抜き滓を裁断テーブル2から搬出し、生地パーツに関しては搬出下流となる適宜位置にてスタッキング又はその他の回収方法を実施し、切り抜き滓に関しては、廃棄等へ向けた回収を実施すればよい(ステップ115〜116)。
[まとめ]
以上、詳説したところから明らかなように、本発明に係る生地裁断用の補正データ作成方法は、柄H自体の位置ズレや変形(拡縮や歪み)を同時に補正するものである。
また、本発明に係る生地裁断用の補正データ作成方法では、素材生地W上を複数の区画(前記実施形態では二区画)に区分けすることを、縦横にわけて行うものとして、上下・左右の複数(前記実施形態では四つ)の補正データを作成する。そのため、補正の精度が高く、柄H自体の位置ズレや変形の程度が相当に大きなものでも、柄Hと所定の相関を持たせた補正データ(裁断データ)を求めることが可能である。
これらのことから、素材生地Wが手作業で四辺を粗切りされているような平生地やロール巻き体から巻き出された帯状生地等であり且つ切り出そうとする生地パーツに対応させた柄が付されている場合でも、素材生地Wの伸縮を要因とする柄Hの位置ズレや変形に影響されることなく、柄Hと所定の相関を持たせて生地パーツを裁断することができる。
更に、素材生地Wにおいて、柄Hの配置と、第1〜第4ポイントマークP1〜P4の配置とは直接的、一義的な位置関係(相関)を設けていないので、素材生地Wにおいて柄Hが変更されたとしても、素材生地Wに対する第1〜第4ポイントマークP1〜P4の配置は一定のまま(不変)とすることができる。当然に、本発明に係る生地裁断用の補正データ作成方法も、そのまま実施できるものである。そのため、柄Hの変更などに柔軟に対応できるという利点がある。
また、第1〜第4ポイントマークP1〜P4は、素材生地Wに関連付けされて配置されているので、これら第1〜第4ポイントマークP1〜P4の検出や、中間区割り線57,67を求めるための中間マーク55,56、65,66の検出(検出装置20の移動)は、いずれも迅速に行える。
殊に、1−2系直線51、3−4系直線53、中間区割り線57を設定したり、1−3系直線61、2−4系直線63、中間区割り線67を設定したりするうえで、最小二乗法などの面倒な計算を行う必要はないので、これらの設定を迅速に行える。
これら個々の作用及び全体としての作用として、裁断作業を極めて高効率で実行できるという利点がある。
[その他]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、裁断ヘッド3は、回転刃12の他、高速で上下動するノッチ刃を採用することも可能である。
裁断テーブル2は、ベルトコンベア6ではなく、固定板により形成することも可能である。
本発明に係る生地裁断用の補正データ作成方法は、素材生地Wから種々様々な形状をした生地パーツを切り出す場合の他、素材生地Wを定尺で裁断する場合に適用することもで
きる。
素材生地Wに対し、上下・左右の四つの区画に区割りすることは限定されるものではない。例えば、上下方向で3区画以上の区割りを行ったり、左右方向で3区画以上の区割りを行ったりすることも可能である。
1 生地裁断装置
2 裁断テーブル
3 裁断ヘッド
4 ヘッド移動機構
20 検出装置
21 補正処理部
22 動作制御部
30 パターン枠
31,32,33,34 エッジ
50 仮想線
51 仮想線に平行な直線(1−2系直線)
52 仮想線
53 仮想線に平行な直線(3−4系直線)
55,56,65,66 中間マーク
57,67 中間区割り線
61 仮想線に平行な直線(1−3系直線)
63 仮想線に平行な直線(2−4系直線)
An,Bn,Cm,Dm 相互間隔
A0,B0,C0,D0 パターン分割値
H(HA,HB,HC,HD) 柄
P1〜P4 第1〜第4のポイントマーク
W 素材生地
α 1−2系伸縮率
β 3−4系伸縮率
γ 1−3系伸縮率
δ 2−4系伸縮率

Claims (7)

  1. 生地パーツに対応した柄(H)が付された素材生地(W)から柄(H)に相関させた裁断を行って生地パーツを切り出す生地裁断装置に対し、柄(H)の分布領域を仮想上の長方形で取り囲んで指示するパターン枠(30)と、このパターン枠(30)内での理想上の柄配置を指示するマスターパターンとを入力によって初期設定し、
    素材生地(W)に対しては前記パターン枠(30)の四隅に対応させて第1〜第4のポイントマーク(P1〜P4)を表示させておくものとし、
    生地裁断装置が具備する裁断テーブル(2)上に前記素材生地(W)を広げた状態にして前記第1〜第4のポイントマーク(P1〜P4)を検出し、
    第1ポイントマーク(P1)とこの第1ポイントマーク(P1)から辺方向に離れて配置された第2ポイントマーク(P2)とを結ぶ仮想線(50)又はこれに平行な仮想線を1−2系直線(51)として設定し、
    前記第1ポイントマーク(P1)の対辺側に配置された第3ポイントマーク(P3)と
    この第3ポイントマーク(P3)から辺方向に離れ且つ前記第2ポイントマーク(P2)の対辺側に配置された第4ポイントマーク(P4)とを結ぶ仮想線(52)又はこれに平行な仮想線を3−4系直線(53)として設定し、
    前記1−2系直線(51)と前記3−4系直線(53)の相互間を区画する中間区割り線(57)を設定し、
    この中間区割り線(57)が前記1−2系直線(51)と3−4系直線(53)との間で存在すべき初期値を、前記パターン枠(30)において1−2系直線(51)に対応するエッジ(31)からのパターン分割値(A0)、及び3−4系直線(53)に対応するエッジ(32)からのパターン分割値(B0)として算出し、
    前記1−2系直線(51)の全長にわたる多数点において当該1−2系直線(51)と中間区割り線(57)との相互間隔(A)を実測して多数の実測値(An)を得ると共にこれらの実測値(An)を前記パターン分割値(A0)と比較することにより全実測点での1−2系伸縮率(α)を求め、
    前記1−2系直線(51)と中間区割り線(57)とで挟まれた区画に含まれる柄(HA)について前記マスターパターン中の輪郭座標を該当点の前記1−2系伸縮率(α)で補正して当該柄(HA)の裁断用補正データを作成すると共に
    前記3−4系直線(53)の全長にわたる多数点において当該3−4系直線(53)と中間区割り線(57)との相互間隔(B)を実測して多数の実測値(Bn)を得ると共にこれらの実測値(Bn)を前記パターン分割値(B0)と比較することにより全実測点での3−4系伸縮率(β)を求め、
    前記3−4系直線(53)と中間区割り線(57)とで挟まれた区画に含まれる柄(HB)について前記マスターパターン中の輪郭座標を該当点の前記3−4系伸縮率(β)で補正して当該柄(HB)の裁断用補正データを作成することを特徴とする生地裁断用の補正データ作成方法。
  2. 前記中間区割り線(57)を設定するに際しては、第1、第2ポイントマーク(P1,P2)を結ぶ仮想線(50)と第3、第4ポイントマーク(P3,P4)を結ぶ仮想線(52)との対向二辺間、又は1−2系直線(51)と3−4系直線(53)との対向二辺間を二分することで行うことを特徴とする請求項1記載の生地裁断用の補正データ作成方法。
  3. 前記中間区割り線(57)を設定するに際しては、前記第1ポイントマーク(P1)と第3ポイントマーク(P3)との間に存在する中間マーク(55)及び第2ポイントマーク(P2)と第4ポイントマーク(P4)との間に存在する中間マーク(56)を相互に結ぶことで行うことを特徴とする請求項1記載の生地裁断用の補正データ作成方法。
  4. 前記1−2系及び3−4系の裁断用補正データを作成するのに先行、後行又は並行して、
    前記第1ポイントマーク(P1)と前記第3ポイントマーク(P3)とを結ぶ仮想線(60)又はこれに平行な仮想線を1−3系直線(61)として設定し、
    前記第2ポイントマーク(P2)と前記第4ポイントマーク(P4)とを結ぶ仮想線(62)又はこれに平行な仮想線を2−4系直線(63)として設定し、
    前記1−3系直線(61)と前記2−4系直線(63)の相互間を区画する中間区割り線(67)を設定し、
    この中間区割り線(67)が前記1−3系直線(61)と2−4系直線(63)との間で存在すべき初期値を、前記パターン枠(30)において1−3系直線(61)に対応するエッジ(33)からのパターン分割値(C0)、及び2−4系直線(63)に対応するエッジ(34)からのパターン分割値(D0)として算出し、
    前記1−3系直線(61)の全長にわたる多数点において当該1−3系直線(61)と中間区割り線(67)との相互間隔(C)を実測して多数の実測値(Cm)を得ると共に
    これらの実測値(Cm)を前記パターン分割値(C0)と比較することにより全実測点での1−3系伸縮率(γ)を求め、
    前記1−3系直線(61)と中間区割り線(67)とで挟まれた区画に含まれる柄(HC)について前記マスターパターン中の輪郭座標を該当点の前記1−3系伸縮率(γ)で補正して当該柄(HC)の裁断用補正データを作成すると共に
    前記2−4系直線(63)の全長にわたる多数点において当該2−4系直線(63)と中間区割り線(67)との相互間隔(D)を実測して多数の実測値(Dm)を得ると共にこれらの実測値(Dm)を前記パターン分割値(D0)と比較することにより全実測点での2−4系伸縮率(δ)を求め、
    前記2−4系直線(63)と中間区割り線(67)とで挟まれた区画に含まれる柄(HD)について前記マスターパターン中の輪郭座標を該当点の前記2−4系伸縮率(δ)で補正して当該柄(HD)の裁断用補正データを作成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の生地裁断用の補正データ作成方法。
  5. 前記中間区割り線(67)を設定するに際しては、第1、第3ポイントマーク(P1,P3)を結ぶ仮想線(60)と第2、第4ポイントマーク(P2,P4)を結ぶ仮想線(62)との対向二辺間、又は1−3系直線(61)と2−4系直線(63)との対向二辺間を二分することで行うことを特徴とする請求項4記載の生地裁断用の補正データ作成方法。
  6. 前記中間区割り線(67)を設定するに際しては、前記第1ポイントマーク(P1)と第2ポイントマーク(P2)との間に存在する中間マーク(65)及び第3ポイントマーク(P3)と第4ポイントマーク(P4)との間に存在する中間マーク(66)を相互に結ぶことで行うことを特徴とする請求項4記載の生地裁断用の補正データ作成方法。
  7. 前記中間区割り線(57)(67)の設定に用いる中間マーク(55,56)(65,66)は、柄中の一点とすることを特徴とする請求項3又は請求項6記載の生地裁断用の補正データ作成方法。
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