JP6067973B2 - 創傷部被覆材 - Google Patents

創傷部被覆材 Download PDF

Info

Publication number
JP6067973B2
JP6067973B2 JP2012042545A JP2012042545A JP6067973B2 JP 6067973 B2 JP6067973 B2 JP 6067973B2 JP 2012042545 A JP2012042545 A JP 2012042545A JP 2012042545 A JP2012042545 A JP 2012042545A JP 6067973 B2 JP6067973 B2 JP 6067973B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wound
layer
opening
covering
facing surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012042545A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013176473A (ja
Inventor
柴田 彰
彰 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Uni Charm Corp
Original Assignee
Uni Charm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Uni Charm Corp filed Critical Uni Charm Corp
Priority to JP2012042545A priority Critical patent/JP6067973B2/ja
Priority to PCT/JP2013/054830 priority patent/WO2013129343A1/ja
Publication of JP2013176473A publication Critical patent/JP2013176473A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6067973B2 publication Critical patent/JP6067973B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/01Non-adhesive bandages or dressings
    • A61F13/01021Non-adhesive bandages or dressings characterised by the structure of the dressing
    • A61F13/01029Non-adhesive bandages or dressings characterised by the structure of the dressing made of multiple layers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

本発明は、創傷部を被覆して手当てすることに用いられる創傷部被覆材および当該創傷部被覆材を用いた創傷部被覆材キットに関する。
特開2011−115611号公報(特許文献1)は、滲出液を吸収および保持するための創傷部被覆材を開示している。この創傷部被覆材は、疎水性を有し、JISL1096の通気度が20〜2000cm/cm・sであって、JISL1092の撥水度が3点以上とすることにより、初期耐水圧の機能を発揮し、創傷面に対面する多孔シートを含む第1層と、創傷部位から滲み出し前記第1層を透過した滲出液を吸収する機能を発揮する第2層とを含む構成とされている。
創傷部被覆材を用いて創傷部を効果的に治療するには、第1に、創傷部からの滲出液を創傷部被覆材に適度に保持することで、当該創傷部被覆材によって被覆された創傷領域を適切に湿潤状態に保つことが求められる。また、滲出液が創傷部から適度に排出されることによって、創傷部が不必要に圧迫されることを回避する必要がある。さらに創傷部被覆材が創傷部に固着し、あるいは創傷部に擦れることで創傷部被覆材自体が創傷悪化の原因とならないようにすることが求められる。
とくに創傷部被覆材が創傷部に固着すると、せっかく創傷部に治療効果を奏しても、当該創傷部被覆材を取り外す場合に、創傷部に固着した創傷部被覆材が創傷部の皮膚に無用の外力を加えてしまい、当該創傷部表面に再度の負傷の可能性が生じてしまうため、当該固着の回避が重要になってくる。
一方、当該創傷部への固着を回避しようとすることで、創傷部被覆材の創傷部接触面における液透過性を単純に高める場合、今度は逆に、創傷部被覆材に吸収・保持された滲出液が創傷部側に漏出してしまう問題が生じる。
特開2011−115611号公報
本発明は、上記に鑑み、創傷部の被覆効果を向上するのに資する創傷部被覆技術を提供することを目的とする。
上記課題は特許請求の範囲記載の発明によって解決される。
以下、本発明を実施するための形態に基づいて説明する。本発明によれば、液透過性の第1層と、前記第1層に重ねられた吸液性の第2層とを有する創傷部被覆材が構成される。
第1層における「液透過性」は、当該第1層が、液(典型的には創傷部からの滲出液)を全て透過する態様、部分的に透過する態様のいずれも含む。また第2層における「吸液性」は、当該第2層が、液(典型的には創傷部からの滲出液)を吸収して保持する状態をいい、当該液の全てを吸収し保持する態様、部分的に吸収し、保持する態様のいずれも含む。
また本発明における「創傷」は、熱傷、褥瘡、挫傷、擦過傷、あるいは潰瘍といった各種の症例を包含する。第1層と第2層とは、直接的に重ねられる態様、および両者の間に介在層が設けられた状態で重ねられる態様のいずれも含む。介在層を設ける場合、当該介在層につき、吸液性の層で構成することにより、第2層と吸液・保持を協働する態様が可能である。あるいは当該介在層を透液性の層で構成することにより、第1層を透過した液が第2層に送られることを許容する態様としてもよい。また介在層を単層で構成する態様、複数層で構成する態様のいずれも包含する。
本発明における第1層は、複数の孔が形成された多孔性シートによって構成される。
そして第1層を構成する多孔性シートは、創傷部を被覆する創傷部被覆面と、当該創傷部被覆面とは反対側において前記第2層に臨む第2層対向面とを有する。複数の孔は、第1層において、少なくとも創傷部被覆領域に対応して形成されていれば足りるが、第1層の全面に渡って形成されていてもよい。多孔性シートにおける複数の孔のそれぞれは、創傷部被覆面に形成された第1開口部と、前記第2層対向面に形成された第2開口部とを有する。換言すれば、複数の孔のそれぞれにつき、創傷部被覆面に臨む開口が第1開口部に対応し、第2層対向面に臨む開口が第2開口部に対応する。
本発明においては、創傷部被覆面に占める前記第1開口部の開口比率が、第2層対向面に占める第2開口部の開口比率よりも大きくなるように設定されている。各面に占める開口比率は、当該面全体に対する開口部の面積比率によって規定される。すなわち第1開口部の開口比率が第2開口部の開口比率よりも大きいとは、創傷部被覆面の面積(実効面積)に対する各孔の第1開口部の合計面積の比率が、第2層対向面の面積(実効面積)に対する各孔の第2開口部の合計面積の比率よりも大きく設定されることを意味する。
本発明においては、このように創傷部被覆面に占める前記第1開口部の開口比率について、第2層対向面に占める第2開口部の開口比率よりも大きくなるように設定することにより、創傷部からの液(典型的には滲出液)につき、第1開口部を通じて創傷部被覆材に取り込み易くするとともに、一度取り込んだ液が、これを吸収ないし保持する第2層から、当該第2層に臨む第2開口部および第1層を通じて、外部、とくに創傷部側へと漏出することを極力防止することが可能になる。これにより被覆された創傷部における適正な湿潤状態を維持することができる。
また本発明においては、創傷部被覆面における第1開口部による開口比率を相対的に大きく設定することにより、創傷部被覆面が創傷部に直接接触する割合を相対的に小さくすることができる。これによって創傷部被覆面が創傷部に張り付いて固着し、創傷部の症状を悪化させる事態を効果的に抑制することができ、創傷の症状が軽度のものから重度のものまで、幅広く対処することが可能になる。また本発明は、創傷部に直接接触する割合を減らしつつ、創傷部の適正な湿潤状態の維持を可能とするための構成であることから、とくに褥瘡シートとしての利用に好適である。
また本発明においては、第2層は、第1層に臨む第1層対向面と、当該第1層対向面とは反対側に形成されるとともに、創傷部被覆材を創傷部との間で受ける二次ドレッシング材に向かう二次ドレッシング材対向面とを有している。
このように構成することで、本発明に係る創傷部被覆材を他のドレッシング材と併用させて患部に適用することが可能となり、治癒性の向上に資することになる。二次ドレッシング材としては、例えばおむつが好適に適用可能である。
また本発明においては、二次ドレッシング材対向面を覆うように配置されている接着層と、当該接着層に対して、二次ドレッシング材対向面と反対側に重ね合わされて1体状とされたウレタンフィルムを有し、二次ドレッシング材対向面を覆うように配置されている接着層の両端部の表面部が第2層対向面と面一状態となるように構成されている。接着剤の材質としては、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン粘着剤、あるいはウレタンフィルムとアクリル系粘着剤の積層体を用いることが好ましい。また、粘着性の接着層保護の観点から、当該接着層をリケイ紙ないしリケイフィルムで被覆し、使用時には当該リケイ紙ないしリケイフィルムを剥離させて取り外し、接着層を露出して使用に供する。
創傷部被覆面に隣接して接着層が配置されていることにより、創傷部被覆材の使用に慣れていない患者ないし関係者でも、手軽に創傷部被覆材を適所に設定することができ、治療効果の向上に資することになる。また、創傷部被覆面に隣接して配置されている接着層の表面部が第2層対向面と面一状態となるように構成されていることにより、肌面に接着層が接着される際に、創傷部被覆面と創傷部との適切な圧着状態が確保され、不要に強く圧着され、あるいは圧着不足に陥る事態が防止できる。また、二次ドレッシング材対向面に接着層と、接着層に重ね合わされて1体状とされたウレタンフィルムが配置されていることにより、創傷部被覆材をおむつや包帯、ガーゼ等の二次ドレッシング材に簡単に固着・位置決めをすることができて合理的である。
本発明の一つの態様として、第1層と第2層とは互いに溶着または接着剤によって接合することが好ましい。溶着については、第1層および第2層を熱溶融繊維によって形成し、あるいは熱溶融性繊維を部分的に混入して形成し、当該熱溶融繊維を熱溶着することで第1層と第2層を溶着する態様が好ましい。また第1層は、第2層と創傷部の間に介在し、これにより、第2層が創傷部に直接当接することを回避するように構成することが好ましい。
また本発明の一つの態様として、創傷部被覆面対して所定の開口比率を有する第1開口部は、第2層における創傷部からの滲出液の吸液量を所定量に維持することが好ましい。一方、第2層対向面に対して所定の開口比率を有する第2開口部は、第2層で保持された滲出液の創傷部側への漏出量を所定量に維持することが好ましい。このように構成することで、創傷部被覆材で被覆された創傷部における浸出液のトータル量を合理的に制御することが可能となり、当該創傷部の湿潤状態の最適化および維持を図ることが可能になる。
本発明の一つの態様として、複数の孔のそれぞれは、第1開口部から第2開口部に向かうにつれて、断面積が順次減少するように形成することが好ましい。これにより、創傷部からの吸液促進と、第2層からの液漏出の抑制とが、合理的に実現される。なお「順次減少」とは、断面積が一定の割合で減少する態様、減少の割合が深さ位置に応じて変化する態様等、各種の態様を設定可能である。
とりわけ、複数の孔のそれぞれは、第1開口部および第2開口部をそれぞれ底面および頂面とする略円錐形状に形成することが好ましい。「円錐形状に形成」とは、創傷部被覆材を側面から観察した場合に、複数の孔のそれぞれが逆コーン形状(すり鉢形状)を呈するように形成する意味であり、これにより傷部からの吸液促進と、第2層からの液漏出の抑制とが一層確実に実現可能とされる。
本発明の一つの態様として、第1層は、第2層が吸液した滲出液につき、創傷部被覆面側に漏出する割合が略5パーセント以内となるように設定することが好ましい。これにより、創傷部が過剰に湿潤することを抑制することができる。
本発明の一つの態様として、塩化ナトリウム0.9パーセント溶液5ミリリットルが第1層の創傷部被覆面を通じて第2層に供給されるとともに、創傷部被覆面に一平方センチメートル当たり5グラムの荷重が3分間作用した場合の漏出量が、略0〜0・1グラムの範囲内に抑制されることが好ましい。これにより、創傷部が過剰に湿潤することを抑制することができる。
また本発明の一つの態様として、創傷部被覆面に占める第1開口部の開口比率が、略50〜95パーセント、好適には略50〜90パーセントに設定されていることが好ましい。第1開口部の開口比率を比較的大きく設定することで、第1層の創傷部被覆面における滲出液の吸液性を高め、通気性を向上し、かつ、創傷部被覆面が患者の創傷部に接触する面積を極力低減することができ、創傷部の湿潤性の確保と、創傷部への接触面積の低減化の双方を同時に満たすことが可能とされる。
とりわけ創傷部被覆面に占める第1開口部の開口比率が略75〜95パーセント、好適には略80〜95パーセントに設定されていることが好ましい。これにより創傷部の湿潤性の確保と、創傷部への接触面積の低減化を究極化することが可能とされる。
また本発明の一つの態様として、第2層対向面に占める第2開口部の開口比率が略3〜50パーセントに設定されていることが好ましい。第2開口部の開口比率を比較的小さく設定することで、第2層に吸収保持された液が、第1層の第2開口を通じて創傷部へ漏出して戻ってしまうことが効果的に防止される。
とりわけ、第2層対向面に占める第2開口部の開口比率が略3〜20パーセント、好適には略3〜15パーセントに設定されていることが好ましい。これにより第2層に吸収保持された液の創傷部への漏出量を究極に低減化することが可能とされる。
また本発明の一つの態様として、第1層の見かけ上の厚みは、治癒性能、湿潤状態維持、液戻り性の観点にて、略0.1〜1.2ミリメートルに設定されていることが好ましく、さらに略0.3〜1.2に設定すると一層好ましい。
本発明の一つの態様として、第1層の創傷部被覆面から、第2層における第1層と反対側面への通気抵抗値が0.1Ks・s/m以下となるように設定されていることが好ましい。通気抵抗値を相対的に低く抑えることにより、創傷部が蒸れ過ぎて治癒に悪影響を及ぼす事態を効果的に防止することができる。
本発明の一つの態様として、二次ドレッシング材対向面の二次ドレッシング材に対する静摩擦係数が、前記創傷部被覆面の創傷部に対する静摩擦係数よりも小さく設定されていることが好ましい。このように構成することにより、外力の入力等により、創傷部被覆材が横ずれしそうになった場合であっても、静摩擦係数が小さく設定された二次ドレッシング材対向面と二次ドレッシング材との間に相対移動動作が生じることになり、反対に、創傷部被覆材と創傷部の当接状態に不要の変動を生じさせないで済むことになる。このため、創傷部被覆材が横ずれしそうになっても、創傷部被覆材が創傷部に対して摺動動作して擦れることが防止でき、創傷部の効果的な保護に資することになる。すなわち、本発明の一つの態様として、創傷部被覆材に外力が作用した場合に、第1層と創傷部との当接状態を維持しつつ、第2層と前記二次ドレッシング材との間に相対移動が生じるように構成されていることを特徴とする創傷部被覆材が構築される。
本発明によれば、創傷部の被覆の有効性を向上するのに資する創傷部被覆技術が提供されることとなった。
本発明の実施例1に係る創傷部被覆シート101の概要を示す模式的斜視図である。 実施例1に係る創傷部被覆シート101の詳細な構成を示す模式的断面図である。 実施例1に係る創傷部被覆シート101の詳細な構成を示す模式的断面図である。 実施例1に係る創傷部被覆シート101の性能評価の一つの実施態様を示す模式的断面図である。 実施例1に係る創傷部被覆シート101の性能評価の一つの実施態様を示す模式的断面図である。 実施例1に係る創傷部被覆シート101の性能評価結果を示す図である。 実施例1に係る創傷部被覆シート101の性能評価結果を示す図である。 実施例1に係る創傷部被覆シート101の性能評価結果を示す図である。 実施例1に係る創傷部被覆シート101の性能評価結果を示す図である。 実施例1に係る創傷部被覆シート101の性能評価結果を示す図である。 本発明の実施例2に係る創傷部被覆シート201の詳細な構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施例3に係る創傷部被覆シート301の詳細な構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施例4に係る創傷部被覆シート401の詳細な構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施例5に係る創傷部被覆シート501の詳細な構成を示す模式的断面図である。
(実施例1)
以下、本発明を実施するための最良の形態につき、各種実施例によって更に詳細に説明する。本発明の実施例1に係る創傷部被覆シート101の構造が、図1〜図3に模式的に示される。当該創傷部被覆シート101は、シート状に形成された第1層110と、同様にシート状に形成された第2層120とが、互いにスプレーホットメルト面接合されて一体状に形成されている。両者の接合は熱溶着で行ってもよい。当該創傷部被覆シート101は、本発明における「創傷部被覆材」に対応する一つの実施構成例である。また第1層110および第2層120は、本発明における「第1層」「第2層」に対応する一つの実施構成例である。
(第1層)
第1層110は、図3に示すように、創傷部2ないし肌面1に接触する、液透過性の多孔性シート110aとして(図3では創傷部2への接触状態が示される)、所定の耐水圧性、すなわち所定の通気度および撥水度を有するとともに、例えばパーフォレットフィルム等によって好適に構成される。この液透過性の多孔性シート110aは、本発明における「多孔性シート」に対応する一つの実施構成例である。第1層の形成材料としては、フィルム以外に、例えば熱可塑性ポリマーからなる不織布を用いることも可能である。
第1層110は、図3に示す創傷部2に臨む形で肌面1に貼付されて当該創傷部2を被覆するための創傷部被覆面111と、第2層120に対向状に向かう第2層対向面112を有する。この創傷部被覆面111および第2層対向面112は、本発明の「創傷部被覆面」および「第2層対向面」にそれぞれ対応する一つの実施構成例である。また第1層110を形成する多孔性シート110aは、当該創傷部被覆面111と第2層対向面112との間を貫通する複数の孔113を有する。この孔113は本発明の「孔」に対応する一つの実施構成例である。
複数の孔113のそれぞれは、創傷部被覆面111に開口する第1開口部114と、第2層対向面112に開口する第2開口部115を有する。第1開口部114と第2開口部115は、本発明の「第1開口部」および「第2開口部」にそれぞれ対応する一つの実施構成例である。
創傷部被覆面111上に多数形成された第1開口部114の総面積が当該創傷部被覆面111の総面積に占める割合、すなわち第1開口部114の開口比率は、第2層対向面112上に多数形成された第2開口部115の総面積が当該第2層対向面112の総面積に占める割合、すなわち第2開口部115の開口比率よりも大きくなるように設定されている。両者の開口比率の具体値については、以下の性能評価の項目にて詳しく説明する。
(第2層)
図1〜図3に示す第2層120は、液吸収性のエアレイド不織布や、あるいはエアスルー不織布によって好適に構成される。第2層120は、第1層110に向かう第1層対向面121と、図3に示すおむつ130に向かう二次ドレッシング対向面122を有する。第2層120、第1層対向面121、二次ドレッシング材対向面122は、本発明における「第2層」「第1層対向面」「二次ドレッシング材対向面」にそれぞれ対応する一つの実施構成例である。
(第1層と第2層の接合)
本実施例1では、第1層と第2層の接合につき、ヒートシールによる熱溶着が用いられているが、このほかにも、ホットメルト接着剤等を用いた接着、あるいはエンボス加工による重合等が可能である。
(おむつ)
本実施例1に係る創傷部被覆シート101は、図3に示すように、おむつ130に載置した上で患者の肌面1における創傷部2に適用される。このおむつ130の材質や基本構成に関しては、従来品と同等のものが好適に用いられ得る。おむつ130には創傷部被覆シート載置面131が形成されており、上記創傷部被覆シート101がこの創傷部被覆シート載置面131に載置されて一体化されることとなる(図3では、説明の便宜上、両者を離間して示している)。おむつ130、創傷部被覆シート載置面131は、本発明における「二次ドレッシング材」「創傷部被覆材載置面」にそれぞれ対応する一つの実施構成例である。
本実施例1に係る創傷部被覆シート101は以上のように構成される。とりわけ当該創傷部被覆シート101においては、創傷部被覆面111の総面積に占める第1開口部114の開口比率が、第2層対向面112の総面積に占める第2開口部115の開口比率よりも大きく設定されている。これにより、創傷部2からの液(典型的には滲出液)について、第1開口部114を通じて、創傷部被覆シート101に取り込み易くするとともに、一度取り込んだ液が、これを吸収ないし保持する第2層120から逆戻りして、第2開口部115および第1開口部114を経て、創傷部2側へと漏出することを抑制することができる。これにより創傷部被覆シート101によって被覆された創傷部2における適正な湿潤状態を維持することができる。また、創傷部被覆面111における第1開口部114による開口比率を相対的に大きく設定することにより、創傷部被覆面111が創傷部2に直接接触する割合を相対的に小さくすることができる。従って、創傷部被覆面111が創傷部2に張り付いて固着し、創傷部2の症状を悪化させる事態を効果的に抑制することができる。
上記した創傷部被覆シート101に関する性能評価を行った。具体的には、各種のサンプルについて、(A)治癒状態の確認評価、(B)創傷部における湿潤状態の確認評価、(C)創傷部への液戻り性の確認評価、および(D)通気性の確認評価である。
(性能評価1)
まず性能評価1を説明する。サンプルとして、第1層につき、パーフォレットフィルムにて、目付けが24g/m(グラム/平方メートル)、厚みが0.3mm(ミリメートル)で形成し、第2層につき、エアスルー不織布にて、目付が30g/m、厚みが0.7mmの創傷部被覆シート101を準備し、さらに第1層110において、第2層対向面112に占める第2開口部115の開口比率を15パーセントに固定した状態で、創傷部被覆面111に占める第1開口部114の開口比率が39パーセント、47パーセント、58パーセント、80パーセント、90パーセントおよび95パーセントに設定された創傷部被覆シート101の各サンプル1〜6を準備した。
上記性能評価項目のうち、(A)治癒状態の確認評価については、仙骨に創傷を負った患者に、本実施例1に係る創傷部被覆シート101の上記各サンプルをそれぞれ貼付するとともに、その上からおむつを着用した状態での創傷治癒状態について、目視を主体とした治療専門家による評価を行う。結果として創傷治癒効果が得られる場合には、「○」と評価とし、顕著に創傷治癒効果が得られる場合には「◎」と評価した。
また(B)創傷部における湿潤状態の確認評価については、生体電流インピーダンス法(BIA法)を用いて水分率を測定する装置(本評価においては、株式会社ライフ(Life社)製造販売に係る口腔水分計ムーカス)を用いて行った。具体的には、温度20℃、湿度60パーセントに維持された恒温恒湿条件において、褥瘡に見立てた牛肉を用いて、初期水分率を測定し、その後、24時間放置した後で再び水分率を測定することで湿潤状態の経時的な変化を確認し、これによって湿潤状態の確認評価を行うこととした。
また、(C)創傷部への液戻り性の確認評価については、図4に示すように、塩化ナトリウム0.9パーセント溶液を創傷部被覆シート101に5ミリリットル滴下する。そして図5に示すように、当該被覆シート101の第1層110の創傷部被覆面111上にろ紙Fを設置し、当該ろ紙Fの上から5g/cm(5グラム/平方センチメートル)の荷重Wを当該被覆シート101に3分間作用させる。その後、ろ紙Fに吸収された液の戻り量(グラム)を測定することで、創傷部被覆シート101からどの程度の液量が創傷部側に戻されるかを評価した。
また、(D)通気性の確認評価については、創傷部被覆シートに対して、空気流量4cc/cm・sec(4立方センチメートル/平方センチメートル・秒)にて吸気エアおよび排気エアをそれぞれ3秒間流通させ、その際の通気抵抗値(kPa・s/m)(キロパスカル・秒/メートル)を測定した。測定には、通気度試験機(カトーテック社(KATO TECK CO.LTD)製KESF−8)を用いた。
性能評価1、すなわち第1開口部114の開口率を変化させた場合の評価結果を図6に示す。第1開口部114の開口比率が異なる各サンプル1〜6につき、上記性能評価として、(A)治癒状態の確認評価、(B)創傷部における湿潤状態の確認評価、(C)創傷部への液戻り性の確認評価、および(D)通気性の確認評価の各結果が示される。
以上の各確認評価項目に鑑み、第1開口部114の創傷部被覆面111に占める開口比率に関しては、略50〜95パーセントに設定することが好適であるとともに、さらに略75〜95パーセント、好適には略80〜95パーセントに設定すると、とりわけ優秀な効果を奏することが認められた。
(性能評価2)
次に、性能評価2を説明する。サンプルとして、前記性能評価と同等の基本構成を有する創傷部被覆シートを準備し、その第1層110において、創傷部被覆面111に占める第1開口部114の開口比率を80パーセントに固定した状態で、第2層対向面112に占める第2開口部115の開口比率が3パーセント、5パーセント、15パーセント、50パーセント、60パーセントに設定された創傷部被覆シート101の各サンプル1〜5を準備し、それぞれのサンプルにつき、性能評価1と同様に、(A)治癒状態の確認評価、(B)創傷部における湿潤状態の確認評価、(C)創傷部への液戻り性の確認評価、および(D)通気性の確認評価を行った。この結果を図7に示す。
図7に示す各確認評価項目に鑑み、第2開口部115の第2層対向面112に占める開口比率に関しては、略3〜50パーセントに設定することが好適であるとともに、さらに略3〜15パーセントに設定すると、とくに液戻り抑止能力の観点にて、優秀な効果を奏することが認められた。
(性能評価3)
次に、性能評価3を説明する。サンプルとして、上記性能評価1、2と同等の創傷部被覆シート101において、第1層につき、パーフォレットフィルムにて、目付けが24g/m(グラム/平方メートル)、第1開口部の開口比率を80パーセント、第2開口部の開口比率を15パーセントに固定し、第2層につき、エアスルー不織布にて、目付が30g/m、厚みが0.7mmに固定し、さらに第1層110の厚みに関するサンプルとして、0.07mm(ミリメートル)、0.1mm、0.3mm、0.8mm、1.2mmに設定された各サンプル1〜5を準備し、それぞれのサンプルにつき、性能評価1、2と同様に、(A)治癒状態の確認評価、(B)創傷部における湿潤状態の確認評価、(C)創傷部への液戻り性の確認評価、および(D)通気性の確認評価を行った。この結果を図8に示す。
図8に示す各確認評価項目に鑑み、第1層110の厚みに関しては、略0.1〜1.2mmに設定することが好適であるとともに、さらに略0.3〜1.2に設定すると、とくに治癒性能、湿潤状態維持、液戻り性の観点にて、優秀な効果を奏することが認められた。
(性能評価4)
次に、性能評価4を説明する。サンプルとして、上記性能評価1、2、3と同等の創傷部被覆シート101において、上記湿潤状態の確認評価と同様、褥瘡に見立てた牛肉を用いて、第1層につき、パーフォレットフィルムにて、目付けが24g/m(グラム/平方メートル)、第1開口部の開口比率を80パーセント、第2開口部の開口比率を15パーセント、厚さを0.3mm(ミリメートル)に固定し、第2層につき、エアスルー不織布にて、目付が30g/mとし、液の吸終量を3.0g(グラム)、1.8g、0gと異ならせ、それぞれのサンプルにつき、(A)治癒状態の確認評価、(B)創傷部における湿潤状態の確認評価、(C)創傷部への液戻り性の確認評価、および(D)通気性の確認評価を行った。この結果を図9に示す。
図9に示す各確認評価項目に鑑み、上記スペックを有する本実施例に係る創傷部被覆シート101の液吸収性能は略1.8g(グラム)程度に設置するのが好適であると認められる。
(性能評価5)
次に、性能評価5を説明する。サンプルとして、上記性能評価4と同等構成を有する創傷部被覆シート101(第1開口部114の開口比率80パーセント(Opn1)、第2開口部の開口比率15パーセント(Opn2))のサンプル1を準備し、さらに比較例として、第1開口部および第2開口部の開口比率がいずれも47.1パーセントの比較例1(Compare1)、いずれも57.5パーセントの比較例2(Compare2)、いずれも39.4パーセントの比較例3(Compare3)、いずれも0.5パーセントの比較例4(Compare4)を用い、第1層110に係る創傷部被覆面111の創傷部に対する静摩擦係数、および第2層120に係る二次ドレッシング材対向面122のおむつ130に対する静摩擦係数(図3も併せて参照)を計測評価した。静摩擦係数の測定に際しては、創傷部に見立てて人工皮革を用い、おむつ130の表面側、すなわち創傷部被覆シート101が当接する側にスパンボンド(目付20g/m)を用い、当該人工皮革およびおむつ130が乾燥した状態(Dry)および湿潤した状態(Wet)のそれぞれを測定した。測定には、新東科学株式会社(SHINTO Scientific Co.Ltd.)製のポータブル摩擦計ミューズを用いた。この結果を図10に示す。
図10において符号Iは、創傷部被覆面111の創傷部に対する乾燥状態での静摩擦係数、符号IIは、創傷部被覆面111の創傷部に対する湿潤状態での静摩擦係数、符号IIIは、二次ドレッシング材対向面122のおむつ130に対する乾燥状態での静摩擦係数、符号IVは、二次ドレッシング材対向面122のおむつ130に対する湿潤状態での静摩擦係数をそれぞれ示している。
図10に示されるように、創傷部被覆面111に占める第1開口部114の開口比率が80パーセントと相対的に大きく設定されたサンプル1は、他の比較例に比べて、乾燥状態および湿潤状態のいずれにおいても、創傷部被覆面の創傷部に対する静摩擦係数が低減されるとともに、二次ドレッシング材対向面122のおむつ130に対する静摩擦係数は、更に相対的に小さな値を示している。従って、創傷部被覆シート101に外力が作用した場合であっても、創傷部に対する創傷部被覆面111の摩擦による悪影響を低減するとともに、所定の状況においては、相対的に静摩擦係数の小さい二次ドレッシング材対向面122がおむつ130に対して滑って摺動することになり、創傷部被覆面111が創傷部を擦って病状に悪影響を与えることを抑制することができる。
(実施例2)
次に、実施例2について図11に基づいて説明する。実施例2は、上述した実施例1に係る創傷部被覆シート101とおむつ130とが予め接合されて一体状をなすアセンブリ体、すなわち創傷部被覆キット201に関する。創傷部被覆シート101およびおむつ130の各部構成および特徴については、実施例1と同等であるため、便宜上説明を省略する。実施例2の創傷部被覆キット201によれば、予めおむつ130に創傷部被覆シート101の適所に組み込まれているため、おむつ130を着用すれば、創傷部被覆シート101が自動的に創傷部を被覆することが可能となり、不慣れな患者でも容易に創傷部被覆治療が行えることとなる。
(実施例3)
次に、実施例3について図12に基づいて説明する。実施例3に係る創傷部被覆シート301においては、上記した創傷部被覆シート101に対し、さらにアクリル系粘着剤によって構成される粘着層303、当該粘着層303が重ね合わされて一体状とされたウレタンフィルム304、リケイ紙305およびリケイフィルム307が適用されている。粘着層303およびウレタンフィルム304の両端部は、前記第1層110と略面一に、とりわけ第1層110の第2層対向面112と略面一状態となるように配置されている。また粘着層303およびウレタンフィルム304は、さらに第2層120の底面121aを被覆するように配置されている。粘着層303は、本発明における「接着層」に対応する一つの実施構成例である。
さらにリケイフィルム307は、粘着層303および第1層110の創傷部被覆面111を覆うように、かつ両者から剥離して取り外し自在に設けられている。またリケイ紙305は、第2層120の底面121a側において、当該ウレタンフィルム304から剥離して取り外し自在に設けられている。リケイフィルム307およびリケイ紙305は、未使用時における粘着層303、ウレタンフィルム304および創傷部被覆面110の保護シートとしての作用を果たす。
粘着層303を第1層110に隣接して配置することにより、当該粘着層303を患者の創傷部2ないし肌面1(図3参照)に貼付する際に、創傷部被覆シートの使用に慣れていない患者ないし関係者でも、手軽に創傷部被覆シートを適所に設定することができ、治療効果の向上に資することができる。また当該粘着層303の両端部が、第1層110の第2層対向面112と面一状態となるように配置することにより、創傷部2ないし肌面1に接着される際に、創傷部被覆面111が創傷部2に不要に強く圧着され、あるいは逆に圧着不足に陥る事態が防止できる。
また本実施例では、第2層120において、第1層110とは反対側の面121aにウレタンフィルム304を配置しているため、創傷部被覆シート301をおむつや包帯、ガーゼ等の二次ドレッシング材に簡単に位置決め固定をすることができて合理的である。また患者の創傷部ないし肌面への接着と、当該二次ドレッシング材への貼付を一体状の粘着層303およびウレタンフィルム304で兼ねることができるので、構造上の簡素化にも資することになる。
(実施例4)
次に、実施例4について図13に基づいて説明する。実施例4に係る創傷部被覆シート401は、上記した実施例1に係る創傷部被覆シートに関して、第2層120につき、第1層110とは反対側の面に、当該第1層110と同等の構成を有する第3層410が接合されてなる。このように構成することにより、第2層120は第1層110および第3層410にサンドイッチ状に挟まれた、いわゆる「両面タイプ」とされ、いずれの面からも吸液ができ、使用性の向上に資することになる。この第3層410は、本発明における「第3層」に対応する一つの実施構成例である。
(実施例5)
次に、実施例5について図14に基づいて説明する。実施例5に係る創傷部被覆シート501は、上記した実施例1に係る創傷部被覆シート101において、さらに第2層120における第1層110と反対側の面に防漏フィルム503を接合した態様である。当該防漏フィルム503は、例えばポリマー系・樹脂系材料等から適宜に選択されるものであり、本発明の「第3層」に対応する一つの実施構成例である。このように構成することで、おむつや包帯、ガーゼといった二次ドレッシング材とは別に、創傷部被覆シート501として単独ないし独自の使用が可能となり、使用性の向上に資することになる。
上記した本発明の特質に基づき、以下の各態様が構築される。
(態様1)
液透過性の第1層と、前記第1層に重ねられた吸液性の第2層とを有する創傷部被覆材であって、
前記第1層は、複数の孔が形成された多孔性シートによって構成されており、
当該多孔性シートは、創傷部を被覆する創傷部被覆面と、当該創傷部被覆面とは反対側において前記第2層に臨む第2層対向面とを有し、
前記複数の孔のそれぞれは、前記創傷部被覆面に形成された第1開口部と、前記第2層対向面に形成された第2開口部とを有し、
前記創傷部被覆面に占める前記第1開口部の開口比率が、前記第2層対向面に占める前記第2開口部の開口比率よりも大きく設定されている創傷部被覆材。
(態様2)
態様1に記載の創傷部被覆材であって、
前記第1層と第2層とは互いに溶着または接着剤によって接合されており、
前記第1層は、前記第2層と創傷部の間に介在して前記第2層が当該創傷部に直接当接することを回避するように構成されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様3)
態様1または2に記載の創傷部被覆材であって、
前記前記創傷部被覆面対して所定の開口比率を有する前記第1開口部は、前記第2層における前記創傷部からの滲出液の吸液量を所定量に維持し、前記第2層対向面に対して所定の開口比率を有する前記第2開口部は、前記第2層で保持された滲出液の前記創傷部側への漏出量を所定量に維持し、前記第1開口部による滲出液の吸液量が、前記第2開口部による滲出液の漏出量を上回るように設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様4)
態様1または2に記載の創傷部被覆材であって、
前記複数の孔のそれぞれは、前記第1開口部から前記第2開口部に向かうにつれて有効断面積が順次減少するように形成されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様5)
態様1から4までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記複数の孔のそれぞれは、前記第1開口部および第2開口部をそれぞれ底面および頂面とする略円錐形状に形成されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様6)
態様1から5までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記第1層は、前記第2層が吸液した滲出液を前記創傷部被覆面側に漏出する割合が略5パーセント以内となるように設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様7)
態様6に記載の創傷部被覆材であって、
塩化ナトリウム0.9パーセント溶液5ミリリットルが前記第1層の創傷部被覆面を通じて前記第2層に供給されるとともに、前記創傷部被覆面に一平方センチメートル当たり5グラムの荷重が3分間作用した場合の漏出量が略0〜0・1グラムの範囲内に抑制されることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様8)
態様1から7までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記創傷部被覆面に占める前記第1開口部の開口比率が略50〜90パーセントに設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様9)
態様1から7までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記創傷部被覆面に占める前記第1開口部の開口比率が略75〜95パーセントに設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様10)
態様1から9までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記第2層対向面に占める前記第2開口部の開口比率が略3〜50パーセントに設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様11)
態様1から9までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記第2層対向面に占める前記第2開口部の開口比率が略3〜20パーセントに設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様12)
態様1から11までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記第1層の見かけ上の厚みが略0.1〜1.2ミリメートルに設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様13)
態様1から12までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記第1層の創傷部被覆面から、前記第2層における前記第1層と反対側面への通気抵抗値が0.1Ks・s/m 以下となるように設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様14)
態様1から13までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記第2層は、前記第1層に臨む第1層対向面と、当該第1層対向面とは反対側に形成されるとともに、当該創傷部被覆材を創傷部との間で受ける二次ドレッシング材に当接可能な二次ドレッシング材対向面とを有することを特徴とする創傷部被覆材。
(態様15)
態様14に記載の創傷部被覆材であって、
前記二次ドレッシング材がおむつであることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様16)
態様14または15に記載の創傷部被覆材であって、
前記二次ドレッシング材対向面の前記二次ドレッシング材に対する静摩擦係数が、前記創傷部被覆面の創傷部に対する静摩擦係数よりも小さく設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様17)
態様14から16までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
当該創傷部被覆材に外力が作用した場合に、前記第1層と創傷部との当接状態を維持しつつ、前記第2層と前記二次ドレッシング材との間に相対移動が生じるように構成されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様18)
態様1から13までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記第1層において、前記創傷部被覆面に隣接して、創傷部近傍に貼付するための接着層が設けられていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様19)
態様18に記載の創傷部被覆材であって、前記接着層が、または創傷部被覆面および前記接着層の双方が取り外し自在にリケイシートに被覆されていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様20)
態様1から13までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記第2層の、前記第1層に向かう面と反対側の面に第3層が配置されており、当該第3層は、前記第1層と同じ構成の多孔性シートが用いられていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様21)
態様1から13までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
前記第2層の、前記第1層に向かう面と反対側の面に第3層が配置されており、当該第3層には、不透液性の防漏フィルムが用いられていることを特徴とする創傷部被覆材。
(態様22)
態様1から21までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材と、当該創傷部被覆材を創傷部との間で受ける二次ドレッシング材とを有する創傷部被覆キットであって、
前記創傷部被覆材における前記第2層は、前記第1層に臨む第1層対向面と、当該第1層対向面とは反対側に形成されて前記二次ドレッシング材に当接可能な二次ドレッシング材対向面とを有し、
当該二次ドレッシング材対向面を介して、前記創傷部被覆材と前記二次ドレッシング材とが一体状に組み合わせていることを特徴とする創傷部被覆キット。
1…肌面
2…創傷部
101…創傷部被覆シート(創傷部被覆材)
110…第1層
110a…多孔性シート
111…創傷部被覆面
112…第2層対向面
113…孔
114…第1開口部
115…第2開口部
120…第2層
121…第1層対向面
122…二次ドレッシング材対向面
130…おむつ(二次ドレッシング材)
131…創傷部被覆材載置面
200…創傷部被覆キット(実施例2)
201…創傷部被覆シート
203…おむつ
301…創傷部被覆シート(実施例3)
303…粘着ウレタンフィルム(接着層)
305…リケイ紙
307…リケイフィルム
401…創傷部被覆シート(実施例4)
410…第3層(第3層)
501…創傷部被覆シート(実施例5)
503…防漏フィルム(第3層)

Claims (7)

  1. 液透過性の第1層と、前記第1層に重ねられた吸液性の第2層とを有する創傷部被覆材であって、
    前記第1層は、複数の孔が形成された多孔性シートによって構成されており、
    当該多孔性シートは、創傷部を被覆する創傷部被覆面と、当該創傷部被覆面とは反対側において前記第2層に臨む第2層対向面とを有し、
    前記複数の孔のそれぞれは、前記創傷部被覆面に形成された第1開口部と、前記第2層対向面に形成された第2開口部とを有し、
    前記創傷部被覆面に占める前記第1開口部の開口比率が、前記第2層対向面に占める前記第2開口部の開口比率よりも大きく設定され、
    前記第2層は、前記第1層に臨む第1層対向面と、当該第1層対向面とは反対側に形成されるとともに、当該創傷部被覆材を創傷部との間で受ける二次ドレッシング材に向かう二次ドレッシング材対向面とを有し、
    前記二次ドレッシング材対向面を覆うように配置されている接着層と、当該接着層に対して、前記二次ドレッシング材対向面と反対側に重ね合わされて1体状とされたウレタンフィルムを有し、前記二次ドレッシング材対向面を覆うように配置されている接着層の両端部の表面部が前記第2層対向面と面一状態となるように構成されていることを特徴とする創傷部被覆材。
  2. 請求項1に記載の創傷部被覆材であって、
    前記第1層と第2層とは互いに接合されており、
    前記第1層は、前記第2層と創傷部の間に介在して前記第2層が当該創傷部に直接当接することを回避するように構成されていることを特徴とする創傷部被覆材。
  3. 請求項1または2に記載の創傷部被覆材であって、
    前記複数の孔のそれぞれは、前記第1開口部から前記第2開口部に向かうにつれて有効断面積が順次減少するように形成されていることを特徴とする創傷部被覆材。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
    前記複数の孔のそれぞれは、前記第1開口部および第2開口部をそれぞれ底面および頂面とする円錐形状に形成されていることを特徴とする創傷部被覆材。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
    前記創傷部被覆面に占める前記第1開口部の開口比率が50〜90パーセントに設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
    前記第2層対向面に占める前記第2開口部の開口比率が3〜50パーセントに設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の創傷部被覆材であって、
    前記第1層の厚みが0.1〜1.2ミリメートルに設定されていることを特徴とする創傷部被覆材。


JP2012042545A 2012-02-28 2012-02-28 創傷部被覆材 Active JP6067973B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012042545A JP6067973B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 創傷部被覆材
PCT/JP2013/054830 WO2013129343A1 (ja) 2012-02-28 2013-02-25 創傷部被覆材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012042545A JP6067973B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 創傷部被覆材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013176473A JP2013176473A (ja) 2013-09-09
JP6067973B2 true JP6067973B2 (ja) 2017-01-25

Family

ID=49082540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012042545A Active JP6067973B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 創傷部被覆材

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6067973B2 (ja)
WO (1) WO2013129343A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10898217B2 (en) 2014-05-09 2021-01-26 Kci Licensing, Inc. Dressing providing apertures with multiple orifice sizes for negative-pressure therapy
CN106413594B (zh) 2014-05-09 2020-07-31 凯希特许有限公司 用于与负压和流体滴注一起使用的破坏性敷件
JP6749248B2 (ja) 2014-05-09 2020-09-02 ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド 線形組織部位用の収縮層を備えたドレッシング
GB2560513A (en) * 2017-03-13 2018-09-19 Ap Moeller Maersk As Fuel injection system
EP3784182A1 (en) * 2018-04-23 2021-03-03 KCI Licensing, Inc. Dressing providing apertures with multiple orifice sizes for negative-pressure therapy

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2382305B (en) * 2001-11-23 2004-12-15 Johnson & Johnson Medical Ltd Absorbent wound dressings containing a hydrogel layer
EP2039328B1 (en) * 2006-07-06 2014-03-05 Zuiko Corporation Wound-covering material
CN104287890B (zh) * 2010-06-01 2017-09-22 株式会社瑞光 创伤敷料用表面片和创伤敷料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013176473A (ja) 2013-09-09
WO2013129343A1 (ja) 2013-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4560415B2 (ja) 吸収性物品
JP4322228B2 (ja) 生理用ナプキン
KR101693953B1 (ko) 탈색 구조를 갖는 흡수성 용품
US8460261B2 (en) Absorbent article
JP6067973B2 (ja) 創傷部被覆材
JP6271186B2 (ja) 吸収性物品
EP2415436A1 (en) Absorptive article
US20070191807A1 (en) Absorbent article and inner absorbent article
JPWO2018167882A1 (ja) 積層不織布及びその製造方法並びに吸収性物品及び吸汗シート
US20160213526A1 (en) Absorbent article
US20110130738A1 (en) Absorptive Pad for Use on Wounds
JP6067974B2 (ja) 創傷部被覆材を備える二次ドレッシング材
JP4657196B2 (ja) 吸収性物品
JP4107414B2 (ja) 多層吸収性物品
KR20130101024A (ko) 실금용 라이너
JP2019088465A (ja) 吸収性積層体および吸収性物品
JP2013106634A (ja) 吸収性物品
JP2008055004A (ja) 吸収性物品
WO2019130565A1 (ja) 吸収性物品
JP4601601B2 (ja) 吸収性物品
JP4444757B2 (ja) 吸収性物品のバックシート
JP3890342B2 (ja) 吸収性物品及びインナー吸収性物品
JP6706943B2 (ja) 男性用失禁パッド
JP2001258930A (ja) 吸収性物品
KR200242189Y1 (ko) 반창고

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6067973

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250