JP6067500B2 - 容器の製造方法 - Google Patents

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本発明は、側壁部の一部が別の樹脂材料で構成される箱型の容器を一体的に形成する容器の製造方法に関するものである。
一般に、上方に開口した箱型の容器は、金型装置によって形成されるキャビティに対して、溶融状態にある熱可塑性樹脂を充填し固化させることによって、一体的に形成される。また、容器の側壁部の一部を別の樹脂材料(例えば、透明な樹脂材料等)で構成したものもある(例えば、特許文献1等参照。)。
この場合、例えば、別の樹脂材料で構成される部位を成形するためのコア金型を、これに対向する金型の成形面に対して当接する位置と離間する位置との間でスライド可能に構成するとともに、かかるコア金型に対して、ゲートやスプルー等の溶融状態にある別の樹脂材料をキャビティに注入するための機構を設けることが考えられる。
特開2000−247366号公報
しかしながら、コア金型に対して樹脂材料をキャビティに注入するための機構を設ける場合には、コア金型の変位動作に伴ってキャビティに樹脂材料を注入するための機構が変位したとしても当該構成が確実に機能するように構成する必要がある。そのため、金型装置の複雑化等を招くおそれがある。また、容器側壁部に関し、一部を別の樹脂材料で構成するような場合には、スライド金型に対してコア金型がスライド可能に設けられることとなる。そして、当該コア金型及びスライド金型に対して樹脂材料をキャビティに注入するための機構を設けるとなると、より一層の複雑化等を招くおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、金型の複雑化等を抑制しつつ、側壁部が部分的に異なる樹脂材料で構成される容器を製造することのできる容器の製造方法を提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.上方に開口する箱型をなし、第1樹脂材料によって構成される第1樹脂構成部と、側壁部の一部において、前記第1樹脂材料とは異なる第2樹脂材料によって構成される第2樹脂構成部とを備える容器の製造方法であって、
容器を成形する金型装置は、
容器底壁部下面を成形する固定型と、
容器内側面を成形する可動型と、
容器外周面を成形する複数のスライド型とを備え、
前記スライド型のうち少なくとも1つは、
容器外周面の一部を成形し、前記可動型の成形面に当接する閉止位置と、前記可動型の成形面から離間する成形位置との間を変位可能な移動コア金型を備え、
前記移動コア金型を前記閉止位置とすることで前記金型装置内に形成される第1キャビティに対し、溶融状態にある前記第1樹脂材料を充填する第1充填工程と、
前記第1充填工程で前記第1キャビティに充填された前記第1樹脂材料の固化後、前記移動コア金型を前記成形位置とすることで前記移動コア金型と前記可動型との間に形成され、容器側壁部の一部を成形するための第2キャビティに対し、溶融状態にある前記第2樹脂材料を充填する第2充填工程とを経て、
前記第2キャビティに充填された前記第2樹脂材料を固化させることで、箱型の容器を一体的に形成し、
前記第2充填工程において前記第2キャビティに前記第2樹脂材料を注入するための第2樹脂注入口を前記固定型において設けるとともに、
前記移動コア金型が前記成形位置となった場合に、前記第2キャビティと、前記第2樹脂注入口とを連通させる連通路を設け
容器の外周面側において、前記第2樹脂構成部から下方に向けて容器外周面下縁部又はその近傍にまで延在し、第2樹脂材料によって構成される補助通路形成部が形成され、
前記補助通路形成部は、前記移動コア金型が前記成形位置とされた場合に、前記第1充填工程で前記第1樹脂材料が前記第1キャビティに充填され、固化されることで構成された前記第1樹脂構成部のうち容器底壁部外周縁に相当する部位と、前記移動コア金型との間に形成された第3キャビティに対し、前記第2充填工程で溶融状態にある前記第2樹脂材料が充填されて、固化されることで形成され、
前記第3キャビティによって前記連通路が構成され、前記移動コア金型が前記成形位置となった場合に、前記第3キャビティを介して、前記第2キャビティと、前記第2樹脂注入口とが連通することを特徴とする容器の製造方法。
手段1によれば、容器を成形する金型装置において、可動型の成形面と当接する閉止位置と、可動型の成形面から離間する成形位置との間を変位可能な移動コア金型を備えることで、第1樹脂材料によって構成される第1樹脂構成部と、第2樹脂材料によって構成される第2樹脂構成部とを備える容器を確実に製造することができる。
また、容器のうち第2樹脂材料により構成される側壁部の一部を成形するための第2キャビティと、容器の底壁部下面を成形するための固定型とは、底壁部の厚さ分、離間している。このため、溶融状態にある第2樹脂材料を注入するための第2樹脂注入口を固定型に設けた場合、第2樹脂注入口と、第2キャビティとが離間して、第2樹脂材料を第2キャビティに注入することができない。
この点、手段1によれば、移動コア金型が成形位置となった場合に、第2キャビティと、第2樹脂注入口とを連通させる連通路が設けられている。これにより、第2樹脂注入口を固定型に設けても、第2樹脂材料を第2キャビティに確実に注入することが可能となる。そして、第2樹脂注入口を固定型に設けることによって、例えば、金型を動作させる機構が2重に必要な移動コア金型を備えるスライド型に対し、第2溶融樹脂を射出する射出手段と接続される接続口や、当該接続口と第2樹脂注入口との間を繋ぐ樹脂通路全体を形成する場合のように、当該キャビティに樹脂材料を注入するための機構を、スライド型や移動コア金型の変位動作に対応可能となるように構成しなくても済み、金型装置の構成の簡素化等を図ることができる。
また、底壁部下面を成形する固定型は、金型装置を構成する金型パーツの中でも比較的大型(平面積が最大級)の金型パーツであり、本手段1では、当該固定型に第2樹脂注入口等を形成している。このため、樹脂注入口、溶融樹脂の通路、射出手段との接続口等を比較的多く設ける必要がある場合においても、十分に対応することが可能である。
尚、「前記固定型には、前記第1充填工程において前記第1キャビティに前記第1樹脂材料を注入するための第1樹脂注入口が設けられていること」としてもよい。この場合、金型装置のより一層の構成の簡素化等を図ることができる。
また、手段によれば、第2充填工程を開始するにあたって、移動コア金型が成形位置とされた場合に、当該移動コア金型と、既に第1充填工程で第1樹脂材料により構成された容器底壁部外周縁に相当する部位との間に形成される空間(第3キャビティ)によって、第2キャビティと、第2樹脂注入口とを連通させるための連通路が構成されるようになっている。これにより、溶融状態にある第2樹脂材料の通路である連通路を、第3キャビティとは別に、移動コア金型の内部を貫通させるようにして形成しなくても済む。このため、例えば、移動コア金型を貫通させるようにして連通路を設ける場合のように、樹脂材料を注入する際に移動コア金型に対して内部から比較的大きな圧力が付加されてしまうといった事態を回避することができる。従って、第3キャビティを連通路として利用することで、移動コア金型の内部からの圧力に耐え得るように移動コア金型を大型化させたりしなくても、移動コア金型の損傷等を防止することができる。結果として、金型装置全体としての大型化や、コストの増大等を防止することができる。さらに、樹脂材料を金型装置に供給するための射出手段としても、特に大型のものでなくても対応可能になることから、利用する射出手段の選択肢が増え、利便性の向上を図ることができる。
尚、底壁部下面を成形する固定型は、元々、金型パーツの中でも比較的大きな金型パーツであることから、第2樹脂注入口及びこれに通じる樹脂流路(スプルー、ランナー)が形成され、樹脂材料をキャビティに注入する際の圧力が作用したとしても、損傷のおそれはさほどない。また、補助通路形成部が「第2樹脂構成部から下方に向けて容器外周面の下縁部又はその近傍にまで延在する」とあるのは、補助通路形成部が、必ずしも第1樹脂材料によって構成される部位の下縁部(固定型によって成形される部位)にまで延在していなくてもよいという趣旨である。つまり、補助通路形成部のうち下面(容器を下側から見た場合に視認可能な部位)は固定型によって成形されることとなるが、固定型によって成形され、かつ、第1樹脂材料によって構成される部位の成形に支障がない程度であれば、第2樹脂材料によって構成される補助通路形成部の下縁部を、第1樹脂材料によって構成される部位の下縁部よりも上方に位置させることとしてもよい。その場合、補助通路形成部の下縁部が接地しなくなる等するため、補助通路形成部の耐久性の向上を図るとともに、補助通路形成部の剥がれに起因する第2樹脂構成部への悪影響を防止することができる。
手段.前記第1充填工程で充填された前記第1樹脂材料を固化させた段階で、前記第1樹脂材料により、前記第3キャビティの両側方を画定する流れ止め部を形成することを特徴とする手段に記載の容器の製造方法。
手段によれば、第2樹脂材料で構成される補助通路形成部と、第1樹脂材料で構成される流れ止め部とを、側壁部の面方向(側壁部の横幅方向)において面で連接させて接合することができる。従って、第1樹脂材料で構成される部位と第2樹脂材料で構成される部位との接合面積を増やすことができ、接合状態をより強固なものとすることができる。結果として、補助通路形成部が変形したり剥がれたりすることを抑制することができ、補助通路形成部の変形や剥がれに起因して、補助通路形成部と連続して形成されている第2樹脂構成部に悪影響を及ぼしてしまうといった事態を防止することができる。特に、補助通路形成部と、第1樹脂材料で構成される容器底壁部外周縁に相当する部位とが、容器の外周方向においても面で連接して接合される場合には、第1樹脂材料で構成される部位と第2樹脂材料で構成される部位との接合の向きについても十分な向きを確保できることとなり、接合状態を強固なものとする作用効果がより一層奏される。
また、流れ止め部によって補助通路形成部の両側方を保護することができ、流れ止め部17の剥がれを効果的に防止することができる。特に、第1樹脂材料(流れ止め部)が第2樹脂材料(補助通路形成部)よりも剛性が高い場合には、補助通路形成部を保護するという作用効果がより確実に奏される。さらに、第1樹脂材料が第2樹脂材料よりも剛性が高い場合において、補助通路形成部と、第1樹脂材料で構成される容器底壁部外周縁に相当する部位とが、容器の外周方向において接合される場合、当該部位が2層構造となり、例えば、容器底壁部外周縁の一部が、単層の補助通路形成部で構成されるような場合に比べ、かかる部位の損傷や変形等を抑制することができる。
加えて、流れ止め部の存在によって、補助通路形成部の横幅を極力狭くすることができる。従って、補助通路形成部を形成するための第2樹脂材料の使用量を低減させることができ、省資源化、容器の軽量化、コストの抑制等を図ることができる。
手段.前記流れ止め部は、容器側壁部を構成する前記第1樹脂構成部の外面から外方に突出する左右一対の突条部により構成され、
前記第2キャビティに前記第2樹脂材料を充填させて固化させることで構成された前記第2樹脂構成部を囲むようにして、前記左右一対の突条部のうち一方の上端部から、他方の上端部にかけて、前記第2樹脂構成部の外周縁に沿って延び、容器側壁部を構成する前記第1樹脂構成部の外面から外方に突出する囲い部を、
前記第1充填工程で充填された前記第1樹脂材料を固化させた段階で、前記第1樹脂材料により形成することを特徴とする手段に記載の容器の製造方法。
第2キャビティと第3キャビティとを好適に連通させようとした場合、第2キャビティと第3キャビティとの間に段差がない方が好ましく、このような第2キャビティ及び第3キャビティに第2樹脂材料を充填し固化させた場合、形成される第2樹脂構成部と補助通路形成部との間にも段差がなく、内外面が略面一となるような格好となる。
また、本手段によれば、容器に形成される流れ止め部は、容器側壁部を構成する第1樹脂構成部の外面から外方に突出形成されており、これによって、補助通路形成部についても容器側壁部を構成する第1樹脂構成部の外面から外方に突出した位置に配置されることとなる。そこで、当該補助通路形成部と面一に第2樹脂形成部を形成しようとした場合、当該第2樹脂形成部についても容器側壁部を構成する第1樹脂構成部の外面から外方に突出した位置に配置されることとなる。
以上のような構成において、第2樹脂構成部を囲うようにして、容器側壁部を構成する第1樹脂構成部の外面から外方に突出し、第1樹脂材料により構成される囲い部を設けることによって、第2樹脂構成部と、第1樹脂材料で構成される囲い部とを、側壁部の面方向(側壁部の高さ・横幅方向)において面で連接させて接合することができる。従って、第1樹脂材料で構成される部位と第2樹脂材料で構成される部位との接合面積を増やすことができ、接合状態をより強固なものとすることができる。
また、第1樹脂材料が第2樹脂材料よりも剛性が高い場合には、第2樹脂構成部を、第1樹脂材料で構成される囲い部で保護するといった作用効果が奏される。加えて、本手段では、側壁部において、第2樹脂構成部の内面を、その周りの第1樹脂構成部の内面よりも容器の外周方向に位置させることができる。これにより、容器に収容された収容物が第2樹脂構成部に接触することを極力低減させることができ、接触に起因する第2樹脂構成部の損傷等を抑制することができる。
箱型容器の上面側を示す斜視図である。 箱型容器の下面側を示す斜視図である。 図2のJ部を示す部分拡大斜視図である。 図2のK部を示す部分拡大斜視図である。 箱型容器(短辺側側壁部)の正面図である。 図5のA−A線断面図である。 図5のB−B線断面図である。 スライドコア金型が閉止位置にある金型装置の断面図である。 スライドコア金型が成形位置にある金型装置の断面図である。 別の実施形態における金型装置の断面図である。 別の実施形態における金型装置の断面図である。 別の実施形態における金型装置の断面図である。 別の実施形態における金型装置の断面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1、図2等に示すように、箱型容器1は、相対する一対の長辺部と相対する一対の短辺部とを有する略矩形板状の底壁部2と、底壁部2の各長辺部からそれぞれ上方に延出する一対の長辺側側壁部3と、底壁部2の各短辺部からそれぞれ上方に延出し、一対の長辺側側壁部3の側縁部間を連結する一対の短辺側側壁部4とを備えている。さらに、長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4の上縁部全域から外方に突出する上フランジ部5とを備えている。そして、これらがポリプロピレンにより一体的に形成されている。
また、本実施形態では、箱型容器1同士を同じ向きで上下に積み重ねた場合には、下側の箱型容器1に収容された物品を押し潰すことなく、その上側に箱型容器1を積み重ねる(スタッキングする)ことができるようになっている。一方、上側の箱型容器1を下側の箱型容器1に対して180度回転させた向きで積み重ねた場合には、上側の箱型容器1の下半分程度を下側の箱型容器1の内側に進入させるようにして積み重ねる(ネスティングする)ことができ、箱型容器1を積み重ねた状態の高さを極力抑制することができるようになっている。
加えて、図1、図5等に示すように、本実施形態の上フランジ部5は、強度の向上を図るべく、上下一対のフランジ6、7、及び、両フランジ6、7間を上下に連結する補強リブ8によって構成されている。また、各短辺側側壁部4には、上フランジ部5の左右方向中央部の直下方において、短辺側側壁部4を貫通する持ち手孔9が形成されている。
さらに、図2、図3、図6等に示すように、本実施形態の底壁部2は、略矩形枠状の枠部11と、枠部11の内周側に形成された略格子状の底板形成部12とを備え、枠部11の上縁部が、側壁部3、4の下縁部と連結されている。本実施形態では、基本的に、枠部11の外面と、側壁部3、4の(後述する一般部14の)外周面とが面一となっている。また、底板形成部12の上縁部によって、箱型容器1の底面(収容物を支持する底壁部2の上面)が構成されている。
さて、箱型容器1は、基本的に、不透明なポリプロピレン(以下、「第1樹脂材料」とも称する)によって構成されている(以下、不透明なポリプロピレンによって構成された部位を「一般部14」と称する)が、図1等に示すように、本実施形態の各長辺側側壁部3及び各短辺側側壁部4には、透明なポリプロピレン(以下、「第2樹脂材料」とも称する)によって構成された透明部15が設けられている。このように、側壁部3、4に透明部15が設けられることによって、側壁部3、4の外方からでも、透明部15を介して箱型容器1の内部を確認することができるようになっている。また、第1樹脂材料は、第2樹脂材料よりも剛性が高くなっている。本実施形態では、一般部14が第1樹脂構成部に相当し、透明部15が第2樹脂構成部に相当する。
さらに、本実施形態では、箱型容器1の向きを認識し易くするために、一般部14に関し、箱型容器1の長手方向中央部を境に半分ずつ異なる着色が施されている。つまり、本実施形態の箱型容器1は3つの樹脂材料(2色の不透明なポリプロピレン、透明なポリプロピレン)で構成されている。
図5等に示すように、短辺側側壁部4の透明部15は、短辺側側壁部4の中央部を含む範囲において横長の略矩形状に形成されている。また、短辺側側壁部4の外面側において、短辺側透明部15下縁部の横幅方向中央部から下方に向けて箱型容器1の下縁部(底壁部2の枠部11の下縁部)にまで延在し、第2樹脂材料によって構成される補助通路形成部16が形成されている。
図3、図5等に示すように、補助通路形成部16の左右両側方には、補助通路形成部16の上下方向全域にわたって延在する左右一対の流れ止め部17が設けられている。流れ止め部17は、一般部14の外面から外方に突出形成され、第1樹脂材料によって構成されている。補助通路形成部16と、これを挟む一対の流れ止め部17とは、短辺側側壁部4の横幅方向において連接し、接合されている。
図1、図6等に示すように、透明部15の下縁部は、短辺側側壁部4の下縁部よりも上方に位置している。また、図3、図7等に示すように、補助通路形成部16の外面は、短辺側側壁部4を構成する一般部14や、底壁部2の枠部11の外面よりも、外方に位置している。つまり、本実施形態の補助通路形成部16は、短辺側側壁部4の一般部14や、その下方に位置する底壁部2の枠部11を切り欠いて、その切り欠いた領域に補助通路形成部16を形成するといった構成ではなく、一般部14や枠部11と合わせて(一般部14や枠部11の外面と接合されて)2層構造となるように構成されている。
さらに、図7に示すように、透明部15と、補助通路形成部16とは、基本的に、内面及び外面が面一となっている。このため、透明部15に関しても、その外面が、基本的に、短辺側側壁部4を構成する一般部14の外面よりも外方に位置している。また、透明部15の内面は、基本的に、短辺側側壁部4を構成する一般部14の内面よりも外方に位置している(図1参照)。
加えて、図3、図5等に示すように、透明部15を囲むようにして、前記左右一対の流れ止め部17のうち一方の上端部から、他方の上端部にかけて、透明部15の外周縁に沿って延び、短辺側側壁部4を構成する一般部14の外面から外方に突出形成され、第1樹脂材料によって構成される囲い部18が設けられている。透明部15と、囲い部18とは、短辺側側壁部4の面方向(短辺側側壁部4の高さ方向及び横幅方向)において連接し、接合されている。
尚、図1、図4等に示すように、長辺側側壁部3においても、透明部15、補助通路形成部16、流れ止め部17、及び、囲い部18が設けられているが、基本構成は短辺側側壁部4のものと同様であることから、便宜上、詳細な説明を省略するとともに、以下の説明では、同じ部材名称及び部材番号を用いることとする。但し、長辺側側壁部3の透明部15は、長辺側側壁部3のうち、色が変化する横幅方向中央部を含まないようにして、左右2箇所に形成され、さらに、透明部15自体も格子状に構成されている。
次に、箱型容器1を成形する金型装置21について、図8、図9を参照して説明する。尚、図8、図9では、便宜上、金型装置21において付されるべきハッチングを省略している。
金型装置21は、箱型容器1(底壁部2)の下面等を成形するための固定型22と、箱型容器1の内側面(底壁部2の上面、及び、側壁部3、4の内面)等を成形するための可動型23と、長辺側側壁部3の外面等を成形するための図示しない長辺側スライド型と、短辺側側壁部4の外面等を成形するための短辺側スライド型25とを備えている。
また、短辺側スライド型25は、短辺側側壁部4の一般部14を成形する成形面を有するスライドベース金型27と、スライドベース金型27に対して相対変位可能に構成された移動コア金型としてのスライドコア金型28が設けられている。
スライドベース金型27は、短辺側側壁部4の一般部14の外面を成形する一般部成形面27aと、底壁部2の枠部11の外周面を成形する図示されない底部成形面とを有している。一般部成形面27a及び底部成形面はそれぞれ平坦面であり、かつ、一般部成形面27aと、底部成形面とが面一となっている。
スライドコア金型28は、透明部15の外面を成形する透明部成形面28aと、補助通路形成部16の外面を成形する補助通路成形面28bとを有している。本実施形態では、透明部成形面28a及び補助通路成形面28bはそれぞれ平坦面であり、かつ、透明部成形面28aと、補助通路成形面28bとが面一となっている。
さらに、スライドコア金型28は、図8に示すように、可動型23のうち短辺側側壁部4(透明部15)の内面を成形する形成面に当接する閉止位置と、図9に示すように、可動型23の成形面から離間する成形位置との間を変位可能に構成されている。本実施形態の可動型23は、透明部15の内面を成形する部位が、その周りの一般部14を成形する部位よりも、一般部14の厚み程度、外方に突出している。このため、本実施形態では、スライドコア金型28は、閉止位置にある状態において、その透明部成形面28aが、スライドベース金型27の一般部成形面27aと位置が揃う(略面一となる)こととなる。一方、スライドコア金型28が成形位置に変位すると、その透明部成形面28aが、スライドベース金型27の一般部成形面27aから没入した位置となる。
但し、本実施形態では、閉止位置にあるスライドコア金型28の透明部成形面28a及び補助通路成形面28bと、スライドベース金型27の一般部成形面27a及び底部成形面とは、連続していない。より具体的に説明すると、スライドベース金型27には、スライドコア金型28を設置するための開口部周縁に沿って、上記した流れ止め部17、及び、囲い部18を成形するための段差部29が形成されている。そして、スライドコア金型28を閉止位置とした場合には、スライドコア金型28の透明部成形面28a及び補助通路成形面28bと、スライドベース金型27の一般部成形面27a及び底部成形面との間に、詳しくは後述する溶融状態の第1樹脂材料が充填されて固化されることで、流れ止め部17、及び、囲い部18が形成されることとなる凹部が形成されるようになっている。
加えて、スライドベース金型27には、スライドコア金型28を変位させるためのシリンダ30が搭載されている。尚、図示しない長辺側スライド型においても、短辺側スライド型25と同様に、長辺側側壁部3に対して透明部15等を形成するための構成を備えている。
図8に示すように、金型装置21は、型締めをした上でスライドコア金型28を閉止位置とすることで、箱型容器1のうち第1樹脂材料で構成される一般部14等を成形するための第1キャビティ31が形成されるようになっている。
また、スライドベース金型27において形成される段差部29によって、スライドベース金型27の一般部成形面27a及び底部成形面と、スライドコア金型28の透明部成形面28a及び補助通路成形面28bとの間に形成される凹部についても、側壁部3、4等を成形する第1キャビティ31と連通しており、当該凹部の内側空間は第1キャビティ31に含まれる。
さらに、第1キャビティ31に対し溶融(可塑化)状態にある第1樹脂材料を充填して固化させた後、図9に示すように、スライドコア金型28を成形位置へと変位させることで、スライドコア金型28と可動型23との間に、第2樹脂材料で構成される透明部15を成形するための第2キャビティ32が形成されるようになっている。
尚、本実施形態では、スライドコア金型28の補助通路成形面28bに関し、スライドコア金型28が閉止位置にある場合においても、固定型22と当接しておらず、固定型22との間には、底壁部2の枠部11を第1樹脂材料で形成するための空間(第1キャビティ31の一部)が形成されている。
また、固定型22には、第1キャビティ31に第1樹脂材料を注入するための第1樹脂注入口33と、第2キャビティ32に第2樹脂材料を注入するための第2樹脂注入口34とが設けられている。但し、第2キャビティ32は、側壁部3、4の一部において透明部15を成形するためのものであるため、底壁部2の下面を成形するための固定型22から離間している。従って、固定型22に形成された第2樹脂注入口34から、第2キャビティ32に対して、直接的に第2樹脂材料を注入することはできない。
この点、本実施形態では、スライドコア金型28を成形位置とした場合に、スライドコア金型28の補助通路成形面28bと、スライドコア金型28を成形位置とする時点では、既に、第1樹脂材料によって構成されている底壁部2の枠部11の外面との間において形成される空間(以下、「第3キャビティ35」と称する)によって、第2キャビティ32と、第2樹脂注入口34とが連通されるようになっている。これにより、溶融状態にある第2樹脂材料が、第2樹脂注入口34から、第3キャビティ35を介して、第2キャビティ32に注入されるようになっている。本実施形態では、第3キャビティ35が連通路を構成する。
本実施形態では、第2樹脂注入口34は、固定型22のうち、スライドコア金型28が閉止位置にある場合には、スライドコア金型28によって第2樹脂注入口34が閉塞され、スライドコア金型28が成形位置にある場合には、第3キャビティ35と連通することとなる位置に形成されている。一方、第1樹脂注入口33は、固定型22において、底壁部2の下面を成形する位置に形成されている。特に、本実施形態では、箱型容器1の一般部14が2色で構成されるため、第1キャビティ31に第1樹脂材料を注入するための第1樹脂注入口33等が2色分設けられている。尚、本実施形態の金型装置21は、ランナー41内の樹脂を溶融状態に保つためのヒータ42を備えるホットランナー式の金型装置21であり、第1樹脂注入口33及び第2樹脂注入口34は、溶融樹脂の流動を調節可能なピン43を有するバルブゲートとなっている。
また、金型装置21には、図示しない射出成形機側との位置決めを行うロケートリング44、及び、スプルー45を形成するスプルーブッシュ46で構成され、第1樹脂材料を射出可能な射出成形機の第1ノズルと接続される第1接続口47、及び、第2樹脂材料を射出可能な射出成形機の第2ノズルと接続される第2接続口48が設けられている。第1接続口47は、第1樹脂注入口33と連通し、第2接続口48は、第2樹脂注入口34と連通している。さらに、第1接続口47及び第2接続口48は、同じ金型(固定側取付板49)の同じ方向を向いている面、特に、本実施形態では同一の平面に形成されている。
次に、箱型容器1の製造方法について説明する。まず、金型装置21を射出成形機にセットして、型締めをする。さらに、図8に示すように、スライドコア金型28を閉止位置へと変位させることで第1キャビティ31を形成する。そして、第1キャビティ31に対し、溶融状態にある第1樹脂材料を充填し、固化させる。この時点で、箱型容器1のうち、流れ止め部17や囲い部18を含む第1樹脂材料で構成される部位が形成される。
続いて、第1キャビティ31に充填された第1樹脂材料の固化完了後、図9に示すように、スライドコア金型28を成形位置へと変位させることで、スライドコア金型28の透明部成形面28aと可動型23との間に第2キャビティ32を形成するとともに、スライドコア金型28の補助通路成形面28bと、第1樹脂材料によって既に形成されている底壁部2の枠部11との間に第3キャビティ35を形成する。そして、第2キャビティ32に対し、溶融状態にある第2樹脂材料を第3キャビティ35を介して充填する。さらに、溶融状態にある第2樹脂材料を第3キャビティ35にも充填する。尚、第2キャビティ32の外周は、既に第1樹脂材料によって形成された囲い部18によって画定され、第3キャビティ35の左右は、既に第1樹脂材料によって形成された流れ止め部17によって画定されている。
そして、第2樹脂材料の固化完了後、型開きして成形された箱型容器1を金型装置21から取外す。以上のようにして、第1樹脂材料によって構成される一般部14と、第2樹脂材料によって構成される透明部15とが一体的に形成された箱型容器1が得られることとなる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、長辺側スライド型及び短辺側スライド型25において、可動型23の成形面と当接する閉止位置と、可動型23から離間する成形位置との間を変位可能なスライドコア金型28を備えることによって、長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4において、一般部14を構成する第1樹脂材料とは異なる第2樹脂材料で構成される透明部15を一体的に形成することができる。これにより、上部開口から内部を覗き込まなくても、透明部15を介して内部を確認することのできる箱型容器1を得ることができる。
また、箱型容器1のうち第2樹脂材料により構成される側壁部3、4の一部を成形するための第2キャビティ32と、箱型容器1の底壁部2下面等を成形するための固定型22とは、底壁部2の厚さ(枠部11の高さ)分、離間している。このため、溶融状態にある第2樹脂材料を注入するための第2樹脂注入口34を固定型22に設けた場合、第2樹脂注入口34と、第2キャビティ32とが離間して、第2樹脂材料を第2キャビティ32に注入することができない。
この点、本実施形態によれば、第1樹脂材料を第1キャビティ31に充填し固化させた後、成形位置とされたスライドコア金型28(補助通路成形面28b)と、既に第1樹脂材料によって形成された底壁部2の枠部11との間に形成される第3キャビティ35によって、第2キャビティ32と、第2樹脂注入口34とが連通されるように構成されている。これにより、第2樹脂注入口34を固定型22に設けても、第2樹脂材料を第2キャビティ32に確実に注入することが可能となる。
そして、第2樹脂注入口34を固定型22に設けることによって、例えば、金型を動作させる機構が2重に必要なスライドコア金型28を備える短辺側スライド型25に対し、射出成形機と接続される第2接続口48や、第2接続口48と第2樹脂注入口34との間を繋ぐ樹脂通路全体を形成する場合のように、当該第2キャビティ32に第2樹脂材料を注入するための機構を、スライド型及びスライドコア金型28の変位動作に対応可能となるように構成しなくても済み、金型装置21の構成の簡素化等を図ることができる。
また、本実施形態では、不透明な一般部14を2色で形成する上、各短辺側側壁部4においては1つずつ、各長辺側側壁部3においては2つずつ、透明な透明部15をも形成する必要があるため、第1樹脂注入口33や第2樹脂注入口34、スプルー45やランナー41、射出成形機との接続口47、48等の樹脂を注入するための構成が数多く必要になる。これに対し、本実施形態では、金型装置21を構成する金型パーツの中でも比較的大型(平面積が最大級)の金型パーツである固定型22に、これらの樹脂を注入するための構成を設けているため、十分に対応することができる。
さらに、本実施形態によれば、第2樹脂材料を第2キャビティ32に充填させるにあたって、スライドコア金型28が成形位置とされた場合に、当該スライドコア金型28と、既に第1樹脂材料により構成された底壁部2の枠部11との間に形成される第3キャビティ35によって、第2キャビティ32と、第2樹脂注入口34とを連通させるための連通路が構成されるようになっている。これにより、溶融状態にある第2樹脂材料の通路である連通路を、第3キャビティ35とは別に、スライドコア金型28の内部を貫通させるようにして形成しなくても済む。このため、例えば、スライドコア金型28を貫通させるようにして連通路を設ける場合のように、樹脂材料を注入する際にスライドコア金型28に対して内部から比較的大きな圧力が付加されてしまうといった事態を回避することができる。従って、第3キャビティ35を連通路として利用することで、スライドコア金型28の内部からの圧力に耐え得るようにスライドコア金型28を大型化させたりしなくても、スライドコア金型28の損傷等を防止することができる。結果として、金型装置21全体としての大型化や、コストの増大等を防止することができる。さらに、樹脂材料を金型装置21に供給するための射出成形機としても、特に大型のものでなくても対応可能になることから、利用する射出成形機の選択肢が増え、利便性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、第1キャビティ31に第1樹脂材料を充填し、固化させた段階で、第1樹脂材料により、第3キャビティの両側方を画定する流れ止め部17が形成されるようになっている。このため、第2樹脂材料で構成される補助通路形成部16と、第1樹脂材料で構成される流れ止め部17とを、側壁部3、4の面方向(側壁部3、4の横幅方向)において面で連接させて接合することができる。従って、第1樹脂材料で構成される部位と、第2樹脂材料で構成される部位との接合面積を増やすことができ、接合状態をより強固なものとすることができる。さらに、本実施形態では、補助通路形成部16と、第1樹脂材料で構成される底壁部2の枠部11とが、箱型容器1の外周方向においても面で連接して接合されるため、第1樹脂材料で構成される部位と第2樹脂材料で構成される部位との接合の向きについても十分な向きを確保できることとなり、接合状態を強固なものとする作用効果がより一層奏される。結果として、補助通路形成部16が変形したり剥がれたりすることを抑制することができ、補助通路形成部16の変形や剥がれに起因して、補助通路形成部16と連続して形成されている透明部15に悪影響を及ぼしてしまうといった事態を防止することができる。
また、流れ止め部17によって補助通路形成部16の両側方を保護することができ、流れ止め部17の剥がれを効果的に防止することができる。特に、第1樹脂材料(流れ止め部17)が第2樹脂材料(補助通路形成部16)よりも剛性が高くなっているため、補助通路形成部16を保護するという作用効果がより確実に奏される。さらに、補助通路形成部16は、単層ではなく、側壁部3、4の一般部14や底壁部2の枠部11と接合され、当該部位が2層構造となっている。このため、例えば、底壁部2の枠部11の一部が単層の補助通路形成部16で構成されるような場合に比べ、かかる部位の損傷や変形等を抑制することができる。
加えて、流れ止め部17の存在によって、補助通路形成部16の横幅を極力狭くすることができる。従って、補助通路形成部16を形成するための第2樹脂材料の使用量を低減させることができ、省資源化、容器の軽量化、コストの抑制等を図ることができる。
また、本実施形態では、スライドコア金型28の透明部成形面28aと補助通路成形面28bとの間に段差はなく面一である上、可動型23のうち透明部15の内面を成形するための成形面と第1樹脂材料で構成された底壁部2の枠部11外周面との間にも段差がなく面一となっている。このため、第3キャビティ35と第2キャビティ32とが好適に連通し、溶融状態にある第2樹脂材料を、第3キャビティ35を介して、第2キャビティ32に比較的スムースに注入させることができる。
さらに、第2キャビティ32及び第3キャビティ35に第2樹脂材料を充填し固化されることで形成される透明部15及び補助通路形成部16に関しても、両者間の連接部位において、その外面側及び内面側ともに段差はなく、面一となるような格好となっている。このため、補助通路形成部16が、側壁部3、4の一般部14の外面と面一な底壁部2枠部11の外周面よりも外方に位置している関係上、透明部15についても側壁部3、4から外方に突出した位置に配置されることとなる。以上のような構成において、透明部15の外周縁部に沿って延び、一般部14から外方に突出し、第1樹脂材料により構成される囲い部18を設けることによって、第2樹脂材料で構成される透明部15と、第1樹脂材料で構成される囲い部18とを、側壁部3、4の面方向(側壁部3、4の高さ・横幅方向)において面で連接させて接合することができる。従って、第1樹脂材料で構成される部位と第2樹脂材料で構成される部位との接合面積を増やすことができ、接合状態をより強固なものとすることができる。また、第1樹脂材料は、第2樹脂材料よりも剛性が高くなっているため、第2樹脂材料で構成される透明部15を、第1樹脂材料で構成される囲い部18で保護するといった作用効果が奏される。
加えて、本実施形態では、側壁部3、4において、透明部15の内面が、その周りの一般部14の内面よりも箱型容器1の外周方向に位置している。さらに、透明部15の下縁部は側壁部3、4の下縁部よりも上方に位置している。これらの構成により、箱型容器1に収容された収容物が透明部15に接触することを極力低減させることができ、接触に起因する透明部15の損傷等を抑制することができる。また、補助通路形成部16についても、箱型容器1の内側には露出しないようになっている。これにより、箱型容器1に収容された収容物が補助通路形成部16に接触して損傷等することを抑制することができる。
また、流れ止め部17及び囲い部18を突条に構成することによって、流れ止め部17や囲い部18を形成することに起因して厚肉となる部位を極力狭い範囲に限定することができる。従って、流れ止め部17や囲い部18を形成するための第1樹脂材料の使用量を低減させることができ、省資源化、容器の軽量化、コストの抑制等を図ることができる。
加えて、第1樹脂注入口33と連通し、射出成形機の第1ノズルと接続される第1接続口47、及び、第2樹脂注入口34と連通し、射出成形機の第2ノズルと接続される第2接続口48は、固定型22を支持し、射出成形機に取付けられる固定側取付板49の同一平面上に形成されている。このため、金型装置21の簡素化や、金型装置21と射出成形機との取付けに際しての作業性の向上等を図ることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、箱型容器1の一般部14が不透明な2色のポリプロピレンで構成され、透明部15が透明なポリプロピレンで構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、箱型容器1の材質、色、及び、これらの組合わせ等は適宜変更可能である。例えば、箱型容器1を、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料(熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー)によって構成してもよい。また、箱型容器1が2種類の樹脂材料で構成されてもよいし、4種類以上の樹脂材料で構成されてもよい。
但し、第1樹脂材料と第2樹脂材料との間で相溶性があることが望ましい。また、第2樹脂材料で構成される部位(上記例では透明部15等)が、第1樹脂材料で構成される部位(上記例では一般部14等)に比べて強度が低い場合には、補強のために、第2樹脂材料で構成される部位の外周全域或いは大部分を第1樹脂材料で構成される部位で囲うように構成することが望ましい。
(b)上記実施形態では、各長辺側側壁部3及び各短辺側側壁部4に透明部15を備える箱型容器1や、それを成形するための金型装置21に具体化されているが、箱型容器1の形状、大きさや、透明部15の形状、大きさ、形成位置、及び、形成箇所数等は特に限定されるものではない。例えば、一方の長辺側側壁部3と、一方の短辺側側壁部4とに透明部15を設ける構成としてもよい。また、底の浅い容器(例えば、トレー)や、底が円い容器(例えば、側面の一部が透明なバケツ)等を成形するための金型装置に適用してもよい。
また、箱型容器1の形状についても特に限定されるものではなく、側壁部3、4の少なくとも一部が異なる樹脂材料で構成された箱型容器であればよい。例えば、底壁部2において上下に貫通する孔が形成されないように構成してもよいし、上フランジ部5の下側のフランジ7及び補強リブ8を省略してもよいし、箱型容器1同士のネスティング及びスタッキングのうちどちらか一方だけが可能な構成としてもよい。
(c)上記実施形態では、可動型23のうち、透明部15の内面を成形するための部位が外方に突出形成されているが、例えば、スライドコア金型28の透明部成形面28aの方を可動型23側に突出形成してもよい。この場合、透明部15の内面は、側壁部3、4を構成する一般部14の内面と略面一となる。尚、かかる構成を採用する場合であって、補助通路形成部16が、側壁部3、4の一般部14や底壁部2の枠部11との2層構造となるように構成する場合、第2キャビティ32と第3キャビティ35との境界部において段差が形成され、透明部15と補助通路形成部16との境界部において段差が形成されることとなる。
また、例えば、補助通路形成部16が、側壁部3、4の一般部14や底壁部2の枠部11との2層構造となるように構成されているが、補助通路形成部16が単層となるように構成してもよい。さらに、透明部15や補助通路形成部16の内外面を、側壁部3、4の一般部14の内外面と面一となるように構成してもよい。この場合、囲い部18や流れ止め部17を省略することも可能である。また、かかる構成を採用する場合、底壁部2の枠部11において補助通路形成部16を形成するために切り欠かれた部位の両側部が、溶融状態にある第2樹脂材料の充填に際して第3キャビティ35の両側方を画定する流れ止め部として機能する。尚、かかる構成を採用する場合、補助通路形成部16を単層とする、或いは、底壁部2の枠部11を側壁部3、4の外面よりも側壁部3、4の厚み分だけ箱型容器1の内周側に位置させることで、透明部15と補助通路形成部16との内外面を面一としてもよい。
(d)上記実施形態では、第1樹脂注入口33及び第2樹脂注入口34はバルブゲートとなっており、当該バルブゲートが直接第3キャビティ35に連通するように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、図10、図11に示すように、第2樹脂注入口34や第1キャビティ31等の構成が局所に密集してしまうことを避けるべく、第2樹脂注入口34と、第3キャビティ35との間を離間させるとともに、その間を連通させる通路50を形成するように構成してもよい。
(e)また、第1樹脂注入口33及び第2樹脂注入口34の数や配置についても特に限定されるものではなく、成形する容器の形状や大きさ等に応じて適宜設定可能である。例えば、図12、図13に示すように、スライドコア金型28が成形位置となった場合に、第2キャビティ32と、第2樹脂注入口34とを連通させる連通部として、スライドコア金型28において、当該スライドコア金型28を斜めに貫通する連通孔51を形成することとしてもよい。当該構成を採用する場合においても、固定型22に設けられた第2樹脂注入口34から、連通孔51を介して、第2キャビティ32に第2樹脂材料を注入することができ、第2樹脂注入口34等を固定型22に設けたことによる作用効果等が奏される。
尚、上記実施形態のように、スライドコア金型28が成形位置に変位した場合に、第2キャビティ32とともに、第2キャビティ32に連続して形成されることとなる第3キャビティ35を利用して、第2キャビティ32と第2樹脂注入口34とを連通させることで、第3キャビティ35とは別に連通孔51を形成する等しなくても済み、構成の簡素化、第2樹脂材料の充填時におけるスライドコア金型28への負荷軽減等を図ることができる。また、スライドコア金型28に連通孔51を設ける構成において、補助通路形成部16(第3キャビティ35)ができないようにすることも考えられるが、連通孔51が長くなる、或いは、連通孔51が湾曲又は屈曲する等して、第2樹脂材料を注入し難くなったり、スライドコア金型28の大型化を招いたり、スライドコア金型28に対する第2樹脂材料の注入圧力の増加を招いたりすることを避けるべく、スライドコア金型28のうち連通孔51が内部に延在している部位については、その固定型22側にスライドベース金型27が存在しないように、スライドコア金型28の成形面を固定型22にまで延在させること(結果的に、補助通路形成部16が形成される)が望ましい。
さらに、上記実施形態では特に言及していないが、長辺側スライド型及び短辺側スライド型25をスライドさせる方法は特に限定されるものではなく、例えば、斜めガイドピン等を用いて、可動型23の変位に連動するように構成したり、シリンダやモータ等を用いたりしてもよい。
(f)上記実施形態では、補助通路形成部16が透明部15から下方に向けて箱型容器1外周面の下縁部(底壁部2の枠部11の下縁部)にまで延在しているが、補助通路形成部16は、必ずしも第1樹脂材料によって構成される部位の下縁部(固定型22によって成形される部位)にまで延在していなくてもよい。つまり、補助通路形成部16のうち下面(箱型容器1を下側から見た場合に視認可能な部位)は固定型22によって成形されることとなるが、固定型22によって成形され、かつ、第1樹脂材料によって構成される部位(例えば、補助通路形成部16に隣接する枠部11)の成形に支障がない程度であれば、第2樹脂材料によって構成される補助通路形成部16の下縁部を、第1樹脂材料によって構成される部位(例えば、枠部11)の下縁部よりも上方に位置させることとしてもよい。その場合、補助通路形成部16の下縁部が接地しなくなる等するため、補助通路形成部16の耐久性の向上を図るとともに、補助通路形成部16の剥がれに起因する透明部15への悪影響を防止することができる。
尚、補助通路形成部16の横幅や形成位置は特に限定されるものではないが、第2樹脂材料を第2キャビティ32に好適に注入することを考慮すると極力透明部15の横幅方向中央部に近い位置に形成されることが望ましく、また、補助通路形成部16の横幅を極力狭くすることによって、補助通路形成部16を形成するための第2樹脂材料の使用量を低減させることができ、省資源化、容器の軽量化、コストの抑制等を図ることができる。
1…箱型容器、2…底壁部、3…長辺側側壁部、4…短辺側側壁部、11…枠部、14…一般部、15…透明部、16…補助通路形成部、17…流れ止め部、18…囲い部、21…金型装置、22…固定型、23…可動型、25…短辺側スライド型、27…スライドベース金型、28…スライドコア金型、28a…透明部成形面、28b…補助通路成形面、29…段差部、31…第1キャビティ、32…第2キャビティ、33…第1樹脂注入口、34…第2樹脂注入口、35…第3キャビティ。

Claims (3)

  1. 上方に開口する箱型をなし、第1樹脂材料によって構成される第1樹脂構成部と、側壁部の一部において、前記第1樹脂材料とは異なる第2樹脂材料によって構成される第2樹脂構成部とを備える容器の製造方法であって、
    容器を成形する金型装置は、
    容器底壁部下面を成形する固定型と、
    容器内側面を成形する可動型と、
    容器外周面を成形する複数のスライド型とを備え、
    前記スライド型のうち少なくとも1つは、
    容器外周面の一部を成形し、前記可動型の成形面に当接する閉止位置と、前記可動型の成形面から離間する成形位置との間を変位可能な移動コア金型を備え、
    前記移動コア金型を前記閉止位置とすることで前記金型装置内に形成される第1キャビティに対し、溶融状態にある前記第1樹脂材料を充填する第1充填工程と、
    前記第1充填工程で前記第1キャビティに充填された前記第1樹脂材料の固化後、前記移動コア金型を前記成形位置とすることで前記移動コア金型と前記可動型との間に形成され、容器側壁部の一部を成形するための第2キャビティに対し、溶融状態にある前記第2樹脂材料を充填する第2充填工程とを経て、
    前記第2キャビティに充填された前記第2樹脂材料を固化させることで、箱型の容器を一体的に形成し、
    前記第2充填工程において前記第2キャビティに前記第2樹脂材料を注入するための第2樹脂注入口を前記固定型において設けるとともに、
    前記移動コア金型が前記成形位置となった場合に、前記第2キャビティと、前記第2樹脂注入口とを連通させる連通路を設け
    容器の外周面側において、前記第2樹脂構成部から下方に向けて容器外周面下縁部又はその近傍にまで延在し、第2樹脂材料によって構成される補助通路形成部が形成され、
    前記補助通路形成部は、前記移動コア金型が前記成形位置とされた場合に、前記第1充填工程で前記第1樹脂材料が前記第1キャビティに充填され、固化されることで構成された前記第1樹脂構成部のうち容器底壁部外周縁に相当する部位と、前記移動コア金型との間に形成された第3キャビティに対し、前記第2充填工程で溶融状態にある前記第2樹脂材料が充填されて、固化されることで形成され、
    前記第3キャビティによって前記連通路が構成され、前記移動コア金型が前記成形位置となった場合に、前記第3キャビティを介して、前記第2キャビティと、前記第2樹脂注入口とが連通することを特徴とする容器の製造方法。
  2. 前記第1充填工程で充填された前記第1樹脂材料を固化させた段階で、前記第1樹脂材料により、前記第3キャビティの両側方を画定する流れ止め部を形成することを特徴とする請求項に記載の容器の製造方法。
  3. 前記流れ止め部は、容器側壁部を構成する前記第1樹脂構成部の外面から外方に突出する左右一対の突条部により構成され、
    前記第2キャビティに前記第2樹脂材料を充填させて固化させることで構成された前記第2樹脂構成部を囲むようにして、前記左右一対の突条部のうち一方の上端部から、他方の上端部にかけて、前記第2樹脂構成部の外周縁に沿って延び、容器側壁部を構成する前記第1樹脂構成部の外面から外方に突出する囲い部を、
    前記第1充填工程で充填された前記第1樹脂材料を固化させた段階で、前記第1樹脂材料により形成することを特徴とする請求項に記載の容器の製造方法。
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