JP6067301B2 - 皮膚透過速度コントロール剤 - Google Patents

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Description

本発明は、生理活性成分の皮膚透過速度コントロール剤に関する。
薬物の経皮吸収ルートは、注射や点滴などに比べて痛みや苦痛が少なく、また経口投与に比べ、肝臓などの器官による代謝の影響を受けにくいといった利点がある。経皮吸収ルートから血中に移行して、効果が期待出来る薬物としてアスコルビン酸またはその誘導体、トラネキサム酸またはその誘導体、システインおよびその誘導体およびニコチンおよびその誘導体等が挙げられる。
薬物の経皮吸収を向上させる技術として、不飽和脂肪酸及び/または不飽和アルコールとポリオキシエチレン付加コレステロール誘導体を用いる方法(特許文献1)、親水性ポリグリセリン変性シリコーンを用いる方法(特許文献2)、乳化型皮膚外用剤を用いる方法(特許文献3)、4−メトキシサリチル酸を用いる方法(特許文献4)が見出されているが、いずれも薬物の透過する速度や量または皮膚中濃度を向上させるにすぎない。
薬物を経皮吸収させる際、重要になるのは経皮吸収する速度や量をコントロールすることである。これらをコントロールすることにより、薬物の血中濃度を適正に保ち、より高い効果が得られると考えられる。
具体的には、薬効の持続性を高める効果が期待でき、若しくは、毒性が強い薬剤の場合は、急激に経皮吸収すると毒性が強く出てしまうため、徐々に吸収させることにより毒性の発現を抑制するという効果も期待できる。
このようにコントロールする方法としては、薬物の量を多くしたり少なくしたりする方法が最も簡便である。しかしながら、この方法では薬物の量の増減に伴い、経皮吸収される薬物の総量も増減してしまい、例えば、薬物の量を減らした場合では薬効が適正に発揮されなくなる問題もある。
一方、薬物の経皮吸収の速度をコントロールする技術としてエレクトロポーレーションとリン脂質を用いる方法が開示されている(特許文献5)が、エステ等で実施されている方法であり専用の機器が必要でありコストが高い。また、リン脂質を用いて防腐剤等の経皮吸収を抑制する技術(特許文献6)が開示されているが、リン脂質のコストが高く工業的利用には向いていない。
特公平8−2801号公報 特開2003−183117号公報 特開2010−229100号公報 特開2010−202565号公報 国際公開第2001/26690号パンフレット 特開平7−126190号公報
本発明の課題は、皮膚外用剤中に配合された生理活性成分の皮膚透過速度を単に高めるだけでなくコントロールする技術を提供することにある。
そこで本発明者は、皮膚外用剤中の生理活性成分の皮膚透過性について種々検討してきたところ、生理活性成分を含む皮膚外用剤にステロール類を配合すれば生理活性成分の皮膚透過速度をコントロールすることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供するものである。
[1]ステロール類を有効成分とする、生理活性成分を含有する皮膚外用剤における生理活性成分の皮膚透過速度コントロール剤。
[2]ステロール類が、コレステロールである[1]記載の皮膚透過速度コントロール剤。
[3]生理活性成分が、水溶性生理活性成分である[1]又は[2]記載の皮膚透過速度コントロール剤。
[4]生理活性成分が、アスコルビン酸、その誘導体又はそれらの塩、トラネキサム酸、その誘導体又はそれらの塩、グリチルリチン酸、その誘導体又はそれらの塩、システイン、その誘導体又はそれらの塩及びニコチン、その誘導体又はそれらの塩から選ばれる1種以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の皮膚透過速度コントロール剤。
[5]皮膚外用剤が、さらにグリセリン脂肪酸エステルを含むものである[1]〜[4]のいずれか1項記載の皮膚透過速度コントロール剤。
[6]ステロール類を有効成分とする、生理活性成分を含有する皮膚外用剤における生理活性成分の皮膚透過速度抑制剤。
[7]ステロール類を用いて、生理活性成分を含有する皮膚外用剤における生理活性成分の皮膚透過速度をコントロールする方法。
本発明により、生理活性成分に加えてステロール類を併用して皮膚外用剤を製造すれば、当該生理活性成分の皮膚透過速度をコントロールでき、具体的には、薬効の持続性を高める効果が期待でき、若しくは、毒性が強い薬剤の場合は、急激に経皮吸収すると毒性が強く出てしまうため、徐々に吸収させることにより毒性の発現を抑制するという効果も期待できる。
コレステロールによる皮膚透過速度コントロール効果を示す。0.5%C10Gのグラフは、右から0%cho、0.0715%cho、0.375%choである。 コレステロールによる皮膚透過速度コントロール効果を示す。 コレステロールによる皮膚透過速度コントロール効果を示す。 コレステロールによる皮膚透過速度コントロール効果を示す。 コレステロールによる皮膚透過速度コントロール効果を示す。
本発明の皮膚透過速度コントロール剤は、生理活性成分を含有する皮膚外用剤における生理活性成分の皮膚透過速度をコントロールするものであり、その有効成分はステロール類である。「コントロール」とは、皮膚透過速度を向上させたり、抑制させたりといった効果を含む概念である。本発明のコントロール剤が、特に皮膚透過速度抑制剤として用いられる場合は、生理活性成分の効果持続剤としても有用である。
本発明で用いるステロール類は、特に限定されるものではなく、コレステロール、フィトステロール、ダイズステロール、β―シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、オリザステロール等を例示することができ、皮膚透過速度のコントロール効果の点から、特にコレステロールを用いることが好ましい。
これらのステロール類は、1種または2種以上を混合して用いることができ、その使用量は、皮膚透過速度のコントロール効果の点から、生理活性成分1質量部に対して、0.0005〜5.0質量部が好ましく、さらに0.001〜3.0質量部が好ましく、特に0.01〜1.0質量部が好ましい。また、皮膚透過速度向上剤であるグリセリン脂肪酸エステル1質量部に対して、0.005〜3.0質量部が好ましく、さらに0.01〜2.0質量部が好ましく、特に0.05〜1.0質量部が好ましい。また皮膚外用剤中のステロール類の含有量は0.001〜1.0質量%が好ましく、0.01〜0.8質量%がより好ましく、0.02〜0.6質量%がさらに好ましい。
本発明の皮膚透過速度コントロール剤の対象となる生理活性成分は、皮膚外用剤における生理活性成分である。当該生理活性成分は、特に制限されないが、水溶性の生理活性成分であるのが、皮膚透過速度コントロール効果の点で好ましい。
本発明に用いられる生理活性成分の例としては、保湿剤、美白剤、抗にきび剤、抗しわ剤、抗炎症剤、抗酸化剤等が挙げられるが、具体的には、ビタミンA、B、C、D、E、P、U等のビタミン類、アスコルビン酸、その誘導体又はそれらの塩、トラネキサム酸、その誘導体又はそれらの塩等の美白剤、アミノ酸、糖、グリセリン等の保湿剤、グリチルリチン酸、その誘導体又はそれらの塩、グリチルレチン酸、アラントイン、トラネキサム酸、その誘導体又はそれらの塩等の抗炎症剤、システイン、その誘導体又はそれらの塩、ニコチン、その誘導体又はそれらの塩などが挙げられる。さらに好ましいものとしてアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、グリチルリチン酸ジカリウム、アスコルビン酸リン酸塩、アスコルビン酸リン酸マグネシウム(APM)、トラネキサム酸、その誘導体又はその塩、システイン、その誘導体又はそれらの塩、ニコチン、その誘導体又はそれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を例示することができ、好ましくはアスコルビン酸リン酸マグネシウム、トラネキサム酸を挙げることができる。
皮膚外用剤中の生理活性成分の含有量は、生理活性成分の種類によって相違するが、0.001〜10.0質量%が好ましく、0.01〜8.0質量%がより好ましく、0.05〜5.0質量%がさらに好ましい。
また、グリセリン脂肪酸エステルは、生理活性成分の皮膚透過速度を向上させる作用を有し、当該グリセリン脂肪酸エステルと生理活性成分を含む皮膚外用剤においては生理活性成分の皮膚透過速度が高められている状態にある。そのような状態において、本発明のステロール類を配合することにより、生理活性成分の皮膚透過速度をより広い範囲でコントロールできるため、本発明の皮膚外用剤にはグリセリン脂肪酸エステルが含まれていることが好ましい。そのようなグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステル等を例示することができる。
モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)が7〜16のものが好ましく、特に9〜12のものが好ましい。また、ジグリセリン脂肪酸エステルとしては、HLB8〜11のものが好ましく、特にHLB10〜11のものが好ましい。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、HLB11〜14のものが好ましく、特にHLB11〜12のものが好ましい。またポリグリセリン脂肪酸エステルのグリセリンの平均重合度は3以上が好ましく、3〜12がより好ましく、4〜10が特に好ましい。
これらのモノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、飽和でも不飽和でもまた直鎖でも分岐鎖でもよいが、その炭素数は8〜18が好ましく、モノグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸の炭素数は8〜16が特に好ましく、8〜12がさらに好ましい。ジグリセリン脂肪酸エステルの場合は12〜18が特に好ましく、12〜14がさらに好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの場合は12〜18が特に好ましく、16〜18がさらに好ましい。また、構成脂肪酸は不飽和脂肪酸よりも、飽和脂肪酸が好ましく、直鎖の飽和脂肪酸であるのが特に好ましい。特に好ましい構成脂肪酸は、モノグリセリン脂肪酸エステルの場合は、カプリル酸、カプリン酸又はラウリン酸であり、ジグリセリン脂肪酸エステルの場合は、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸であり、ポリグリセリン脂肪酸エステルの場合は、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸である。
具体的なモノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルの例としては、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、ラウリン酸ジグリセリル、ミリスチン酸ジグリセリル、ステアリン酸ジグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル、ステアリン酸テトラグリセリル、パルミチン酸テトラグリセリル等が挙げられる。このうち、特に好ましいものとしてモノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、ラウリン酸ジグリセリル、ミリスチン酸ジグリセリル、又はステアリン酸テトラグリセリル、パルミチン酸テトラグリセリルを挙げることができる。
これらのモノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルは、1種又は2種以上を混合して用いることができ、その使用量は、皮膚透過速度向上作用の点から、生理活性成分1質量部に対して、0.001〜30質量部が好ましく、さらに0.01〜20質量部が好ましく、特に0.05〜15質量部が好ましい。また皮膚外用剤中のグリセリン脂肪酸エステルの含有量は0.005〜4.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましく、0.05〜1.0質量%がさらに好ましい。
皮膚外用剤の形態は、特に限定されず、ローション類、乳液類、クリーム類、パック類、ジェル類等の基礎化粧料、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘアクリーム、ヘアミルク等の頭髪用製品、入浴剤や石鹸などの浴用化粧品、ファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウなどのメーキャップ化粧料、日焼け止めなどの特殊化粧品等、軟膏剤、硬膏剤、液剤(酒精剤、チンキ剤、ローション剤等)、湿布剤(ハップ剤、パスタ剤)、リニメント剤、クリーム剤等の医薬品等、種々の形態とすることができる。当該皮膚外用剤には、前記成分以外に、界面活性剤、油脂成分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収・散乱剤、アミノ酸、水溶性高分子、発泡剤、顔料、植物抽出物、乳酸菌培養物又はその加工物などを配合することができる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の%は質量%である。
〔試験例1〕
(試料の作成)
1%モノカプリン酸グリセリル(HLB10)(以下、「C10G」ということがある)および0〜0.75%コレステロール(以下、「cho」ということがある)となるように試験管にそれぞれ秤量し、精製水を投入した。このものを20〜40℃の条件下にて超音波分散(Bransonsonifer 250)した(A液)
ウラニンを4mMウラニンとなるように最終濃度が20mMリン酸塩および120mM塩化ナトリウムである溶液で溶解(pH=7.6)した(B液)。
A液または精製水とB液を等量混合し試料とした(表1)。
(実験方法)
ヘアレスラット(WBN/ILA−HT系、8週齢、オス)皮膚の腹部を摘出し、真皮側の脂肪を取り除いた後−80℃にて凍結保存した。本実験ではこの凍結した皮膚を室温にて15分以上解凍し使用した。
ヘアレスラット皮膚を32℃の水を循環させた、レシーバーセル体積8.4cm3、有効拡散面積1.77cm2のフランツ型拡散セル(水平型)にセットした。真皮側のレシーバーセルおよび角層側のドナーセルに10mMリン酸塩(pH=7.6)および60mM塩化ナトリウムとなる溶液(溶液C)を満たし、1時間水和を行った後ドナーセルの溶液を取り除き試料を投入した。レシーバー溶液のサンプリングは経時的に600μl採取し、その都度同容量の溶液Cを補充した。
(ウラニンの定量)
96ウェル(Black)プレートに400mMリン酸バッファー(pH=8.6)50μl、および試料270μlを滴下し、励起波長485nm、検出波長535nmにて蛍光強度(Molecular Devices社製、SPECTRA MAX GEMINI)を測定した。
(透過速度Fluxの算出)
Fickの拡散方程式により算出した。すなわち、各透過時間に対する累積透過量(Q)をプロットしたグラフを作成した後、20〜22時間におけるプロットを1次近似し、この傾きよりFluxを算出した。
〔結果〕
結果を表1および図1に示す。
グリセリン脂肪酸エステルによるウラニンの皮膚透過性向上効果は、コレステロールの配合により抑制された。
〔実施例1〕
(試料の作成)
1.0%C10Gまたはモノカプリル酸グリセリル(HLB12)(以下、「C8G」という場合がある)および0.75%choとなるように試験管にそれぞれ秤量し、精製水を投入した。このものを20〜40℃の条件下にて超音波分散(Bransonsonifer 250)した(D液)。
アスコルビン酸リン酸マグネシウム(APM)を1.2%若しくは6%APMとなるように、最終濃度が20mMリン酸塩、120mM塩化ナトリウムおよび0.2%イミダゾールである溶液(pH=7.6)で溶解した(E液)。
D液または精製水とE液を等量混合し試料とした(表2、3)。
(実験方法)
試験例1で用いた溶液Cに、APMの分解を防ぐために0.1%イミダゾールを添加した。それ以外は試験例1と同様である。
(APMの定量)
高速液体クロマトグラフィ(alliance Waters社製)を用い、下記の条件下で定量分析を行った。
移動相:100mMリン酸バッファー(pH=2.05)
流量:0.75mL/min
カラム温度:30℃
検出波長(UV):238nm
カラム:Develosil RPAQUEOUS AR-3(4.6×250mm、野村化学社製)
(透過速度Fluxの算出)
試験例1と同様である。
〔結果〕
C10Gの結果を表2および図2、3に示し、C8Gの結果を表3および図4に示す。
グリセリン脂肪酸エステルによるアスコルビン酸リン酸マグネシウムの皮膚透過性向上効果は、コレステロールの配合により抑制された。
〔実施例2〕
(試料の作成)
1%C10Gおよび0〜0.75%choとなるように試験管にそれぞれ秤量し、精製水を投入した。このものを20〜40℃の条件下にて超音波分散(Bransonsonifer 250)した(F液)
トラネキサム酸(TXA)を10%TXAとなるように、最終濃度が20mMリン酸塩および120mM塩化ナトリウムである溶液(pH=7.6)で溶解した(G液)。
F液または精製水とG液を等量混合し試料とした(表4)。
(実験方法)
試験例1と同様である。
(TXAの定量)
高速液体クロマトグラフィ(alliance Waters社製)を用い、下記の条件下で定量分析を行った。
移動相:90mMリン酸バッファー(pH=2.5):アセトニトリル=70:30
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出波長(UV):210nm
カラム:CAPCELL PAK SCX(4.6×250mm、SHISEIDO)
(透過速度Fluxの算出)
試験例1と同様である。
〔結果〕
結果を表4および図5に示す。
グリセリン脂肪酸エステルによるトラネキサム酸の皮膚透過性向上効果は、コレステロールの配合により抑制された。
試験例1、実施例1、2より、グリセリン脂肪酸エステルによる生理活性成分の皮膚透過性向上効果をステロール類の配合によりコントロールできることがわかる。
(処方例1)
コレステロールとグリチルリチン酸ジカリウムを含む皮膚外用剤(クリーム)の処方例を以下に示す。
コレステロール 0.1%
カプリン酸グリセリル 0.1%
ホホバ油 5.0%
スクワラン 5.0%
ミツロウ 2.0%
ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0%
ジメチルシロキサン 2.0%
ベヘニルアルコール 2.0%
エチルヘキサン酸セチル 1.0%
ステアリン酸バチル 1.0%
架橋型メチルフェニルポリシロキサン 1.0%
パラオキシ安息香酸ブチル 0.1%
香料 適量
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%
乳酸菌発酵培養液 20.0%
1,3−ブチレングリコール 10.0%
グリセリン 5.0%
ヒアルロン酸Na 0.02%
ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル 1.0%
ポリオキシエチレン(40)ステアリルエーテル 0.5%
アクリル酸メタクリル酸アルクル共重合体 0.3%
エデト酸二ナトリウム 0.1%
水酸化Na 適量
精製水 残量
処方例1の皮膚外用剤中のグリチルリチン酸ジカリウムの皮膚透過速度は、処方例1からコレステロールのみを抜いた皮膚外用剤よりも抑制されていた。
(処方例2)
コレステロールとシステインを含む皮膚外用剤(乳液)の処方例を以下に示す。
コレステロール 0.2%
スクワラン 5.0%
ホホバ油 4.0%
ステアリン酸グリセリル 2.0%
ジグリセリンモノラウレート0.2%
ポリオキシエチレン(25)モノステアレート 1.5%
ステアリン酸 1.0%
ステアリン酸バチル 1.0%
ベヘニルアルコール 1.0%
ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5%
ベヘニン酸 0.5%
ジメチルポリシロキサン 0.1%
天然ビタミンE 0.001%
システイン 0.5%
乳酸菌培養液 15.0%
グリセリン 5.0%
1,3−ブチレングリコール 5.0%
パラオキシ安息香酸メチル 0.1%
カラギーナン 0.2%
水酸化K 適量
精製水 残量
処方例2の皮膚外用剤中のシステインの皮膚透過速度は、処方例2からコレステロールのみを抜いた皮膚外用剤よりも抑制されていた。
(処方例3)
コレステロールとニコチンを含む皮膚外用剤(ジェル)の処方例を以下に示す。
コレステロール 0.05%
シクロペンタシロキサン 2.0%
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0%
イソノナン酸イソノニル 2.0%
スクワラン 2.0%
ベヘニルアルコール 1.0%
メチルフェニルポリシロキサン 2.0%
ジメチルポリシロキサン 1.0%
ポリオキシエチレンジメチルポリシロキサン共重合体 0.1%
甘草フラボノイド 0.01%
カプリル酸グリセリル 0.02%
ニコチン 0.1%
乳酸菌培養液 20.0%
グリセリン 2.0%
1,2−ペンタンジオール 5.0%
アクリル酸メタクリル酸共重合体 0.5%
キサンタンガム 0.1%
ポリオキシエチレン(40)モノステアレート 0.1%
水酸化K 適量
香料適量
精製水 残量
処方例3の皮膚外用剤中のニコチンの皮膚透過速度は、処方例3からコレステロールのみを抜いた皮膚外用剤よりも抑制されていた。

Claims (6)

  1. コレステロールを有効成分とする、グリセリン脂肪酸エステルと生理活性成分を含有する皮膚外用剤における生理活性成分の皮膚透過速度抑制剤であって、コレステロールを、生理活性成分1質量部に対して0.001〜3.0質量部使用し、グリセリン脂肪酸エステルが、モノカプリン酸グリセリル及びモノカプリル酸グリセリルから選ばれる1種以上であり、生理活性成分が、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、グリチルリチン酸ジカリウム、トラネキサム酸及びニコチンから選ばれる1種以上である皮膚透過速度抑制剤。
  2. コレステロールを、グリセリン脂肪酸エステル1質量部に対して0.005〜3.0質量部使用する請求項1記載の皮膚透過速度抑制剤。
  3. コレステロールの含有量が、0.001〜1.0質量%である請求項1または2記載の皮膚透過速度抑制剤。
  4. 生理活性成分の含有量が、0.001〜10.0質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚透過速度抑制剤。
  5. グリセリン脂肪酸エステルを、生理活性成分1質量部に対して0.001〜30質量部使用する請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚透過速度抑制剤。
  6. グリセリン脂肪酸エステルの含有量が、0.005〜4.0質量%である請求項1〜5のいずれか1項記載の皮膚透過速度抑制剤。
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