JP6066887B2 - 燃料電池輸送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池輸送装置に関し、特に、燃料電池を輸送するときに利用される燃料電池輸送装置に関する。
燃料電池が知られている。燃料電池は、複数のカートリッジと圧力容器とを備えている。カートリッジは、複数のセルを備え、圧力容器の内部空間に着脱可能に形成されている。複数のセルは、カートリッジが圧力容器の内部空間に配置されているときに、燃料ガスと酸素とを化学反応させることにより発電する。このような燃料電池は、輸送されるときに、複数のカートリッジに振動が与えられることにより、適切に発電することができなくなることがある。このような燃料電池は、輸送後にも適切に発電することができるように、適切に輸送されることが望まれている。
特開2007−216989号公報には、輸送品の重量や種々の形状を考慮したクッション作用の得られる梱包輸送具が記載されている。その梱包輸送具は、多面体形状の輸送品を載置する平板状の梱包台座と、この梱包台座に載置された輸送品の多面体の内、上面および両側面を外側から被せるように設けられたコ字形クッション体と、他の両側面をそれぞれ外側から被せるように設けられた平板形クッション体と、前記コ字形クッション体の外側に張設され、前記コ字形クッション体を前記梱包台座側に保持するように掛け渡された締結バンドとを具備している。前記コ字形クッション体は、内部に所要の圧縮気圧にて気体が封じ込められた天井面クッション部および側面クッション部とを備え、前記天井面クッション部および側面クッション部は、それぞれ所要圧力の圧縮気体が封入された外側クッション部と、前記圧縮気体よりも圧力の低い圧縮気体が封入された内側クッション部とを備えたことを特徴としている。
特開2007−216989号公報
燃料電池は、さらに、低コストで輸送されることが望まれている。
本発明の課題は、燃料電池を低コストで輸送する燃料電池輸送装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、燃料電池を低コストで適切に輸送する燃料電池輸送装置を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、燃料電池を低コストで輸送し、かつ、輸送中に燃料電池のカートリッジの振動を低減する燃料電池輸送装置を提供することにある。
本発明による燃料電池輸送装置は、輸送機器に固定される荷台と、燃料電池を前記荷台に支持する圧力容器支持部材とを備えている。前記燃料電池は、加圧雰囲気が生成される内部空間を形成する圧力容器と、前記加圧雰囲気に配置されているときに燃料ガスと酸素とを化学反応させることにより発電する複数のカートリッジとを有している。前記圧力容器支持部材は、前記荷台に貯留される緩衝材及び前記圧力容器に固定される抵抗体を有し、前記複数のカートリッジが前記内部空間に配置された状態で、前記荷台に対して移動可能に前記圧力容器を前記荷台に支持し、前記圧力容器は、前記抵抗体が前記緩衝材に埋まるように配置される
このような燃料電池輸送装置は、燃料電池を圧力容器と複数のカートリッジとに分解しないで輸送することにより、燃料電池が輸送された後に圧力容器と複数のカートリッジとを燃料電池に組み立てる必要がなく、燃料電池を低コストで輸送することができる。
また、燃料電池は、このような燃料電池輸送装置により支持された状態で輸送されるときに、圧力容器が荷台に対して移動可能に支持されることにより、荷台が振動した場合でも、圧力容器の加速度が低減され、圧力容器に対する複数のカートリッジの振動が低減される。このため、このような燃料電池輸送装置は、複数のカートリッジが振動することを低減し、燃料電池を適切に輸送することができる。
また、このような燃料電池輸送装置は、圧力容器が荷台に対して振動するときに、抵抗体が緩衝材から摩擦力を受けることにより、圧力容器の振動を減衰させることができる。このため、このような燃料電池輸送装置は、圧力容器の振動を減衰させることにより、燃料電池を適切に輸送することができる。
前記圧力容器支持部材は、前記荷台に回転可能に支持されるローラを備えている。前記ローラは、前記圧力容器に接触することにより、前記荷台に対して移動可能に前記圧力容器を支持する。
このようなローラは、比較的低コストで作製されることができる。このため、このような燃料電池輸送装置は、ローラを用いることにより、燃料電池を低コストで適切に輸送することができる。
本発明による燃料電池輸送装置は、前記圧力容器が移動する範囲を制限する係留装置をさらに備えている。
このような燃料電池輸送装置は、圧力容器の移動範囲を制限することにより、圧力容器が荷台にぶつかることを防止することができ、燃料電池を適切に輸送することができる。
前記緩衝材は、粉体である。このような燃料電池輸送装置は、液体に比較して粉体の取扱いが容易であることにより、燃料電池を容易に輸送することができる。このような燃料電池輸送装置は、さらに、荷台に振動により緩衝材にスロッシングが発生しにくく、燃料電池を適切に輸送することができる。
本発明による燃料電池輸送装置は、前記内部空間に貯留される他の緩衝材をさらに備えている。前記複数のカートリッジは、前記他の緩衝材に埋まるように配置されている。
このような燃料電池輸送装置は、複数のカートリッジが圧力容器に対して振動するときに、複数のカートリッジが緩衝材から摩擦力を受けることにより、複数のカートリッジの振動を減衰させることができる。このため、このような燃料電池輸送装置は、複数のカートリッジの振動を減衰させることにより、燃料電池を適切に輸送することができる。
前記圧力容器は、前記内部空間を外部に接続する排出口と、前記他の緩衝材を前記排出口に導く傾斜面とが形成されている。
このような燃料電池は、輸送後に緩衝材を内部空間から容易に排出することができ、容易に適切に輸送されることができる。
本発明による燃料電池輸送装置は、燃料電池を低コストで適切に輸送することができる。
燃料電池輸送装置を示す縦断面図である。 燃料電池輸送装置を示す横断面図である。 他の複数のローラを示す平面図である。 さらに他の複数のローラを示す平面図である。 複数のころを示す平面図である。 他の燃料電池輸送装置を示す縦断面図である。 さらに他の燃料電池輸送装置を示す縦断面図である。 さらに他の燃料電池輸送装置を示す横断面図である。 さらに他の燃料電池輸送装置を示す縦断面図である。
図面を参照して、燃料電池輸送装置の実施の形態が以下に記載される。その燃料電池輸送装置1は、図1に示されているように、燃料電池10を輸送するときに利用される。燃料電池10は、圧力容器2と複数のカートリッジ3とを備えている。圧力容器2は、内部空間5を形成し、内部空間5を環境から隔離している。圧力容器2は、内部空間5が加圧されることにより内部空間5に加圧雰囲気を生成する。
複数のカートリッジ3は、図2に示されるように、内部空間5に配置され、水平方向に概ね平行である長手方向6に一列に並んでいる。複数のカートリッジ3は、それぞれ、複数のセルとセル支持部とを備えている。その複数のセルは、それぞれ、管状に形成されている。その複数のセルは、複数のカートリッジ3が圧力容器2の内部空間5に配置されている場合で、内部空間5に加圧雰囲気が生成されているときに、外部から燃料電池10に供給される燃料ガスと酸化性ガスとを化学反応させることにより発電する。
そのセル支持部は、圧力容器2の内側に固定されている。そのセル支持部は、その複数のセルの両端を把持することにより、その複数のセルが鉛直方向に沿って内部空間5に配置されるように、その複数のセルを圧力容器2に支持する。このとき、そのセル支持部は、その複数のセルが長手方向6に比較して幅方向7に平行に振動しないように、その複数のセルが長手方向6に振動する程度がその複数のセルが幅方向7に振動する程度より小さくなるように、その複数のセルを圧力容器2に支持している。幅方向7は、水平方向に概ね平行であり、長手方向6に垂直である。そのセル支持部は、圧力容器2から取り外されることができる。すなわち、複数のカートリッジ3は、そのセル支持部により、内部空間5に着脱可能に圧力容器2に支持されている。
複数のカートリッジ3は、大きな加速度で運動することにより、または、振動することにより、燃料電池10が適切に発電することができなくなることがある。たとえば、その複数のセルは、大きな加速度で運動したときに、または、振動したときに、撓むことがある。その複数のセルは、撓むことにより、その燃料ガスがリークし、適切に発電することができなくなる。
燃料電池輸送装置1は、荷台11と複数のローラ12と吊り具14とを備えている。荷台11は、箱型に形成され、燃料電池保管空間15を内部に形成している。荷台11は、道路を通行する車両(図示されていない)に固定されている。その車両としては、トラック、セミトレーラ連結車、フルトレーラ連結車が例示される。複数のローラ12は、それぞれ、円柱状に形成されている。複数のローラ12は、燃料電池保管空間15の下方のうちの互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されている。複数のローラ12は、さらに、回転軸16を中心に回転可能に荷台11に支持されている。回転軸16は、水平方向に概ね平行であり、かつ、その車両が走行する走行方向17に垂直である。
吊り具14は、燃料電池保管空間15の上方に配置され、荷台11に支持されている。吊り具14は、燃料電池10の圧力容器2の上端を把持することにより、圧力容器2を荷台11に吊るしている。吊り具14は、圧力容器2の荷台11に吊るすことにより、圧力容器2を荷台11に移動可能に支持し、圧力容器2が燃料電池保管空間15を移動することができる範囲を制限する。
燃料電池10は、輸送されるときに、まず、複数のカートリッジ3が並ぶ長手方向6が走行方向17に平行になるように、荷台11の燃料電池保管空間15に配置され、複数のローラ12の上に載置される。複数のローラ12は、燃料電池10が載置されているときに、燃料電池10の圧力容器2を荷台11に支持し、回転軸16を中心に回転することにより圧力容器2を走行方向17に平行に平行移動させることができる。燃料電池10は、さらに、圧力容器2の上端が吊り具14により把持され、吊り具14により圧力容器2が荷台11に吊るされる。吊り具14は、圧力容器2を荷台11に吊るすことにより、移動可能に圧力容器2を荷台11に支持し、圧力容器2が荷台11にぶつからないように、圧力容器2が燃料電池保管空間15を移動することができる範囲を制限する。
車両は、燃料電池10が燃料電池輸送装置1に支持された後に、道路を走行することにより、燃料電池10を輸送先に輸送する。燃料電池10は、輸送先に輸送された後に、所定の位置に設置される。
燃料電池10は、輸送されるときに、圧力容器2と複数のカートリッジ3とに分解され、圧力容器2と複数のカートリッジ3とが別個に輸送されることがある。このとき、燃料電池10は、圧力容器2と複数のカートリッジ3とが輸送先に輸送された後に、圧力容器2と複数のカートリッジ3とをその輸送先で組み立てる必要がある。
燃料電池10は、燃料電池輸送装置1を用いて輸送されるときに、圧力容器2と複数のカートリッジ3とに分解される必要がない。燃料電池10は、圧力容器2と複数のカートリッジ3とに分解されることなく輸送されることにより、輸送先に輸送された後に、圧力容器2と複数のカートリッジ3とを輸送先で燃料電池10に組み立てる必要がなく、輸送後に短時間に発電を開始することができる。このため、燃料電池10は、燃料電池10を圧力容器2と複数のカートリッジ3とに分解して輸送することに比較して、燃料電池輸送装置1を用いて輸送されることにより、より低コストでより迅速に設置されることができる。すなわち、燃料電池輸送装置1は、複数のカートリッジ3が圧力容器2の内部空間5に配置された状態で燃料電池10を輸送することにより、燃料電池10を低コストで輸送することができる。
荷台11は、車両が走行することにより、振動し、特に、走行方向17に大きな加速度で運動する。燃料電池10の圧力容器2は、荷台11に支持されていることにより、荷台11の振動に伴って振動する。複数のカートリッジ3は、圧力容器2に支持されていることにより、圧力容器2の振動に伴って振動する。
ここで、圧力容器2は、複数のローラ12と吊り具14とにより荷台11に移動可能に支持されていることにより、荷台11が振動した場合でも、荷台11の加速度より小さい加速度で振動する。このため、圧力容器2は、荷台11に固定される他の圧力容器に比較して、運動する加速度がより低減され、振動がより低減される。複数のカートリッジ3は、圧力容器2の加速度が低減され、圧力容器2の振動が低減されることにより、加速度が低減され、振動が低減される。
複数のカートリッジ3は、複数のカートリッジ3の加速度が低減されることにより、または、複数のカートリッジ3の振動が低減されることにより、複数のセルが撓むことが防止され、複数のセルが適切に発電することができなくなることが防止される。すなわち、燃料電池輸送装置1は、圧力容器2を荷台11に移動可能に支持することにより、複数のカートリッジ3の振動を低減することができ、輸送後の燃料電池10が適切に発電することができるように、燃料電池10を適切に輸送することができる。
複数のローラ12の各々は、他の複数のローラに置換されることができる。その置換される複数のローラ21−1〜21−2は、図3に示されるように、それぞれ、円柱状に形成され、走行方向17に並ぶように燃料電池保管空間15の下方に配置されている。複数のローラ21−1〜21−2のうちの第1ローラ21−1は、回転軸22−1を中心に回転可能に荷台11に支持されている。複数のローラ21−1〜21−2のうちの第2ローラ21−2は、回転軸22−2を中心に回転可能に荷台11に支持されている。回転軸22−1と回転軸22−2とは、水平方向に概ね平行であり、かつ、車両が走行する走行方向17に垂直である。さらに、回転軸22−1と回転軸22−2とは、高さ位置が概ね等しく、すなわち、回転軸22−1をある鉛直線に正射影した図形は、回転軸22−2をその鉛直線に正射影した図形と重なっている。複数のローラ21−1〜21−2は、燃料電池10が載置されているときに、回転することにより走行方向17に平行に平行移動可能に燃料電池10を荷台11に支持する。
複数のローラ21−1〜21−2を備える燃料電池輸送装置も、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置1と同様にして、複数のカートリッジ3が内部空間5に配置された圧力容器2を移動可能に荷台11に支持することにより、燃料電池10を低コストで適切に輸送することができる。
複数のローラ12の各々は、さらに他の複数のローラに置換されることができる。その置換される複数のローラ24−1〜24−2は、図4に示されるように、それぞれ、円柱状に形成され、回転軸25に平行に並んで燃料電池保管空間15の下方に配置されている。回転軸25は、水平方向に概ね平行であり、かつ、車両が走行する走行方向17に垂直である。複数のローラ24−1〜24−2のうちの第1ローラ24−1は、回転軸25を中心に回転可能に荷台11に支持されている。複数のローラ24−1〜24−2のうちの第2ローラ24−2は、回転軸25を中心に回転可能に荷台11に支持され、第1ローラ24−1と同期しないで回転可能である。複数のローラ24−1〜24−2は、燃料電池10が載置されているときに、回転軸25を中心に回転することにより走行方向17に平行に平行移動可能に燃料電池10を荷台11に支持する。
複数のローラ24−1〜24−2を備える燃料電池輸送装置も、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置1と同様にして、複数のカートリッジ3が内部空間5に配置された圧力容器2を移動可能に荷台11に支持することにより、燃料電池10を低コストで適切に輸送することができる。
複数のローラ12の各々は、複数のころに置換されることができる。その複数のころ27−1〜27−n(n=2,3,4,…)は、図5に示されるように、それぞれ、球状に形成されている。複数のころ27−1〜27−n(n=2,3,4,…)は、車両が走行する走行方向17に平行である水平面にその球の中心が重なるように、燃料電池保管空間15の下方に配置されている。複数のころ27−1〜27−nの任意のころ27−i(i=1,2,3,…,n)は、ころ27−iの中心を通る任意の回転軸を中心に回転することができるように、ころ支持部材28により荷台11に支持されている。複数のころ27−1〜27−nは、燃料電池10が載置されているときに、回転することにより水平面に平行に平行移動可能に燃料電池10を荷台11に支持する。
複数のころ27−1〜27−nを備える燃料電池輸送装置も、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置1と同様にして、複数のカートリッジ3が内部空間5に配置された圧力容器2を移動可能に荷台11に支持することにより、燃料電池10を低コストで適切に輸送することができる。
図6は、燃料電池輸送装置の実施の他の形態を示している。その燃料電池輸送装置31は、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置1の複数のローラ12が複数の車輪32に置換されている。複数の車輪32は、それぞれ、圧力容器2の下部に配置され、回転軸33を中心に回転可能に圧力容器2に支持されている。回転軸33は、長手方向6に垂直であり、幅方向7に平行である。複数の車輪32は、床面に接触するように燃料電池10が燃料電池保管空間15に配置されることにより、圧力容器2が長手方向6に平行移動することができるように、圧力容器2を荷台11に支持する。
燃料電池10は、輸送されるときに、まず、圧力容器2の下面に複数の車輪32が取り付けられる。燃料電池10は、複数の車輪32が取り付けられた後に、複数のカートリッジ3が並ぶ長手方向6が走行方向17に平行になるように、かつ、複数の車輪32が荷台11の床面に接触されるように、荷台11の燃料電池保管空間15に配置される。複数の車輪32は、回転軸16を中心に回転することにより走行方向17に平行に平行移動させることができる。燃料電池10は、さらに、圧力容器2の上端が吊り具14により把持され、吊り具14により圧力容器2が荷台11に吊るされる。吊り具14は、圧力容器2を荷台11に吊るすことにより、移動可能に圧力容器2を荷台11に支持し、圧力容器2が荷台11にぶつからないように、圧力容器2が燃料電池保管空間15を移動することができる範囲を制限する。
車両は、燃料電池10が燃料電池輸送装置31に支持された後に、道路を走行することにより、燃料電池10を輸送先に輸送する。燃料電池10は、輸送先に輸送された後に、複数の車輪32が取り外され、所定の位置に設置される。このため、燃料電池輸送装置31は、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置1と同様にして、圧力容器2と複数のカートリッジ3とを輸送先で燃料電池10に組み立てる必要がなく、燃料電池10を低コストで輸送することができる。
燃料電池輸送装置31は、複数の車輪32が圧力容器2を荷台11に移動可能に支持していることにより、圧力容器2の加速度を低減し、複数のカートリッジ3の加速度を低減し、複数のカートリッジ3の振動を低減することができる。すなわち、燃料電池輸送装置31は、複数のカートリッジ3の加速度を低減し、複数のカートリッジ3の振動を低減することにより、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置1と同様にして、輸送後の燃料電池10が適切に発電することができるように、燃料電池10を適切に輸送することができる。
吊り具14は、圧力容器2が燃料電池保管空間15を移動することができる範囲を制限する他の係留装置に置換されることができる。その係留装置としては、圧力容器2が荷台11にぶつからないように圧力容器2を荷台11に係留するワイヤが例示される。このような係留装置を備える燃料電池輸送装置も、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置と同様にして、燃料電池10を低コストで適切に輸送することができる。
吊り具14は、たとえば、圧力容器2が荷台11にぶつかるおそれがないときに、省略することができる。吊り具14が省略された燃料電池輸送装置も、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置と同様にして、燃料電池10を低コストで適切に輸送することができる。
図7は、燃料電池輸送装置の実施の他の形態を示している。その燃料電池輸送装置41は、図7に示されるように、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置1の複数のローラ12が省略され、緩衝材42と第1抵抗体43とを備えている。緩衝材42は、砂に例示される粉体から形成され、荷台11の底部に貯留されている。第1抵抗体43は、板状に形成され、適切な径の複数の孔44が形成されている。第1抵抗体43は、長手方向6に平行である鉛直面に沿って配置されるように、圧力容器2の下面に接合されている。
燃料電池輸送装置41は、さらに、図8に示されるように、第2抵抗体45を備えている。第2抵抗体45は、板状に形成され、適切な径の複数の孔46が形成されている。第2抵抗体45は、幅方向7に平行である鉛直面に沿って配置されるように、圧力容器2の下面に接合されている。
燃料電池10は、輸送されるときに、まず、圧力容器2の下面に第1抵抗体43と第2抵抗体45とが接合される。燃料電池10は、第1抵抗体43と第2抵抗体45とが接合された後に、複数のカートリッジ3が並ぶ長手方向6が走行方向17に平行になるように、かつ、第1抵抗体43と第2抵抗体45とが緩衝材42に埋まるように、荷台11の燃料電池保管空間15に配置される。燃料電池10は、さらに、圧力容器2の上端が吊り具14により把持されることにより、吊り具14により圧力容器2が荷台11に吊るされ、移動可能に圧力容器2を荷台11に支持される。吊り具14は、圧力容器2を荷台11に吊るすことにより、さらに、圧力容器2が荷台11にぶつからないように、圧力容器2が燃料電池保管空間15を移動することができる範囲を制限する。
圧力容器2は、吊り具14により荷台11に移動可能に支持されていることにより、荷台11が振動したときに、荷台11に対して振動することがある。第1抵抗体43と第2抵抗体45とは、圧力容器2が荷台11に対して振動するときに、緩衝材42を撹拌する。燃料電池輸送装置41は、荷台11に対して振動するときに、第1抵抗体43と第2抵抗体45とが緩衝材42を撹拌する摩擦力により圧力容器2の振動を減衰させることができる。燃料電池輸送装置41は、圧力容器2の振動を減衰させることにより、複数のカートリッジ3の振動を減衰させることができ、輸送後の燃料電池10が適切に発電することができるように、燃料電池10を適切に輸送することができる。
第1抵抗体43と第2抵抗体45とは、板状と異なる他の形状に形成される他の抵抗体に置換されることができる。その抵抗体としては、櫛状に形成されるものが例示される。このような抵抗体を備える燃料電池輸送装置も、その抵抗体が緩衝材42に埋まるように配置されることにより、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置41と同様にして、抵抗体が緩衝材42を撹拌する摩擦力により圧力容器2の振動を減衰させることができ、燃料電池10を適切に輸送することができる。
緩衝材42は、粉体以外の他の流体に置換されることができる。その流体としては、適切な粘度の油に例示される液体が例示される。このような液体が適用された燃料電池輸送装置も、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置41と同様にして、圧力容器2の振動を減衰することにより複数のカートリッジ3の振動を低減することができ、燃料電池10を適切に輸送することができる。
荷台11に貯留された液体は、荷台11の振動によりスロッシングが発生し、燃料電池10に悪影響を及ぼすことがある。既述の燃料電池輸送装置41は、緩衝材42にスロッシングが発生しにくく、液体が荷台11に貯留される燃料電池輸送装置に比較して、燃料電池10をより適切に輸送することができる。さらに、その液体は、可燃性であるときに、取扱いに注意する必要がある。緩衝材42は、可燃性の液体に比較して、より容易に取り扱うことができる。既述の燃料電池輸送装置41は、緩衝材42を容易に取り扱うことができることにより、可燃性の液体が荷台11に貯留される燃料電池輸送装置に比較して、燃料電池10をより容易に輸送することができる。
燃料電池輸送装置1、31、41は、図9に示されるように、緩衝材54をさらに備えることもできる。緩衝材54は、既述の燃料電池10と異なる他の燃料電池50を輸送するときに利用される。燃料電池50は、既述の燃料電池10の圧力容器2が他の圧力容器51に置換されている。圧力容器51は、圧力容器2と同様にして、内部空間5を形成し、内部空間5を環境から隔離している。圧力容器51は、内部空間5が加圧されることにより内部空間5に加圧雰囲気を生成する。
圧力容器51は、さらに、排出口52と傾斜面53とが形成されている。排出口52は、圧力容器51の底部に形成され、内部空間5を外部に接続している。排出口52は、さらに、ユーザに操作されることにより、開閉される。傾斜面53は、圧力容器51の内部空間5に面する内壁に形成され、排出口52を囲むように圧力容器51の底部に形成されている。傾斜面53は、法線ベクトルの鉛直上側方向成分が正である。傾斜面53は、傾斜面53のうちのある第1領域が傾斜面53のうちのその第1領域に隣接する第2領域より排出口52より近いときに、その第1領域がその第2領域より鉛直下側に配置されるように、水平面に対して傾斜するように形成されている。緩衝材54は、内部空間5に貯留される。
燃料電池50は、輸送されるときに、複数のカートリッジ3が備える複数のセルの一部が緩衝材54に埋まるように、圧力容器2の内部空間5に緩衝材54が注入される。燃料電池50は、内部空間5に緩衝材54が注入された後に、燃料電池輸送装置1、31、41を用いて車両に支持され、輸送先に輸送される。燃料電池50は、輸送先に輸送された後に、排出口52が開放され、排出口52を介して緩衝材54が内部空間5から排出される。燃料電池50は、緩衝材54が内部空間5から排出された後に、所定の位置に設置される。
その複数のセルは、燃料電池50が輸送されているときに、圧力容器2に対して振動することにより、緩衝材54を撹拌する。緩衝材54は、複数のセルが圧力容器2に対して振動するときに、複数のセルとの摩擦力により複数のセルの振動を減衰させることができる。このため、燃料電池輸送装置1、31、41は、緩衝材54を備えることにより、複数のセルの振動を減衰させることができ、輸送後の燃料電池10が適切に発電することができるように、燃料電池10を適切に輸送することができる。
緩衝材54は、圧力容器51に傾斜面53が形成されていることにより、排出口52を開放することにより、内部空間5から自発的に排出される。このため、燃料電池50は、傾斜面53が形成されていない圧力容器を備える他の燃料電池に比較して、緩衝材54がより容易に利用されることができ、より容易に適切に輸送されることができる。
緩衝材54は、圧力容器51が荷台11に固定されているときに利用されることもできる。このとき、緩衝材54は、複数のセルが圧力容器2に対して振動するときに、複数のセルとの摩擦力により複数のセルの振動を減衰させることができる。このため、燃料電池50は、圧力容器51が荷台11に固定されている場合でも、緩衝材54を備えることにより、複数のセルの振動が減衰され、適切に輸送されることができる。
緩衝材54は、傾斜面53が形成されていない圧力容器から十分に排出されるときに、その圧力容器を備える他の燃料電池に利用されることができる。その圧力容器を備える燃料電池も、圧力容器に緩衝材54が注入されることにより、複数のセルの振動を減衰させることができ、適切に輸送されることができる。
燃料電池輸送装置は、車両と異なる他の輸送機器に荷台11が固定されることができる。その輸送機器としては、軌道を走行する鉄道車両が例示される。このような輸送機器に利用される燃料電池輸送装置も、既述の実施の形態における燃料電池輸送装置と同様にして、燃料電池10を低コストに輸送することができ、複数のカートリッジ3の振動を低減することができる。
1 :燃料電池輸送装置
2 :圧力容器
3 :複数のカートリッジ
5 :内部空間
10:燃料電池
11:荷台
12:複数のローラ
14:吊り具
15:燃料電池保管空間
16:回転軸
17:走行方向
21−1〜21−2:複数のローラ
24−1〜24−2:複数のローラ
27−1〜27−n:複数のころ
31:燃料電池輸送装置
32:複数の車輪
41:燃料電池輸送装置
42:緩衝材
43:第1抵抗体
45:第2抵抗体
50:燃料電池
51:圧力容器
52:排出口
53:傾斜面
54:緩衝材

Claims (6)

  1. 輸送機器に固定される荷台と、
    燃料電池を前記荷台に支持する圧力容器支持部材とを備え、
    前記燃料電池は、
    加圧雰囲気が生成される内部空間を形成する圧力容器と、
    前記加圧雰囲気に配置されているときに燃料ガスと酸素とを化学反応させることにより発電する複数のカートリッジとを有し、
    前記圧力容器支持部材は、前記荷台に貯留される緩衝材及び前記圧力容器に固定される抵抗体を有し、前記複数のカートリッジが前記内部空間に配置された状態で、前記荷台に対して移動可能に前記圧力容器を前記荷台に支持し、
    前記圧力容器は、前記抵抗体が前記緩衝材に埋まるように配置される燃料電池輸送装置。
  2. 前記圧力容器が移動する範囲を制限する係留装置をさらに備える請求項に記載される燃料電池輸送装置。
  3. 前記緩衝材は、粉体である請求項に記載される燃料電池輸送装置。
  4. 前記内部空間に貯留される他の緩衝材をさらに備え、
    前記複数のカートリッジは、前記他の緩衝材に埋まるように配置される請求項1〜請求項のうちのいずれか一項に記載される燃料電池輸送装置。
  5. 前記圧力容器は、
    前記内部空間を外部に接続する排出口と、
    前記他の緩衝材を前記排出口に導く傾斜面とが形成される請求項に記載される燃料電池輸送装置。
  6. 輸送機器に固定される荷台と、
    燃料電池を前記荷台に支持する圧力容器支持部材とを備え、
    前記燃料電池は、
    加圧雰囲気が生成される内部空間を形成する圧力容器と、
    前記加圧雰囲気に配置されているときに燃料ガスと酸素とを化学反応させることにより発電する複数のカートリッジとを有し、
    前記圧力容器支持部材は、前記複数のカートリッジが前記内部空間に配置された状態で、前記圧力容器を前記荷台に支持し、
    前記内部空間には、他の緩衝材が貯留され、
    前記複数のカートリッジは、前記他の緩衝材に埋まるように配置され、
    前記圧力容器には、前記内部空間を外部に接続する排出口と、前記他の緩衝材を前記排出口に導く傾斜面とが形成される燃料電池輸送装置。
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