JP6066415B2 - コンテナ載置台を備えた加工用トマトの収穫作業用補助機 - Google Patents
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Description
そして、この発明の加工用トマトの収穫作業用補助機によれば人手によるトマトの収穫作業を高齢者でも楽にできるからその実用性が高く一般農家への普及が期待される。
加工用トマトの栽培は生食用のものに比して規模が大きく栽培方法は粗放的である。そして、この加工用トマトはその一斉収穫を容易にするためにトマトの実が枝から容易に落ちるように品種改良されている。
また、刈り取りが済んだところに点在するコンテナを収集してそれを計量して所定重量に調整する必要がある。
他方、つみ取りによるトマト収穫作業を楽な姿勢で能率的に行えるようにするための加工用トマトの収穫作業用補助機があり、これは特許文献1に記載されている。この出願の発明は特許文献1に記載されているものと同様の加工用トマトの収穫作業用補助機に関するものである。
上記引き上げコンベア71は補助機の前面に横方向に配置されており、この引き上げコンベア71の下端に大きなホッパ72がある。
他方、ホッパ72に落ちた実は引き上げコンベア71で荷台78の上まで引き上げられ、引き上げられた実はシューター74に一時貯留されて上記作業者によって茎葉や不良品が取り除かれる。そして選別された良品がシューター74から荷台78上のコンテナ77に移される。
ところで、特許文献1の収穫作業用補助機による場合の刈り取り作業は速やかで、3〜4人による選別作業分を刈り取ることができる。したがって、この補助機による収穫作業の能率を高めるには刈り取り作業者一人に選別作業者3〜4人を対応させる必要がある。そしてまた、刈り取った枝から実をつみ取る作業や目視で選別する作業は体力を要するものではないのでこれを楽な姿勢で行えるようにすれば高齢者でもこれを長時間継続することができる。
以上のことから高齢者でも能率良く収穫作業を行えるようにするために考慮すべき点は次の(a)〜(e)である。
(b)つみ取り作業者とコンテナとが常に接近していて、つみ取られた実のコンテナに収容する動作が可及的に少ないこと、
(c)コンテナに収容されたものをそのまま出荷できるように、コンテナに所定量収容された段階で選別と計量が完了していること、
(d)所定量の実が収容されたコンテナの入れ替えが容易であること、
(e)トマトが所定量収容されたコンテナを補助機の左右何れの側からも容易に荷下ろしできること。
加工用トマトの収穫作業用補助機について、
手作業で刈り取った加工用トマトの茎を台車の荷台上の作業テーブルまで搬送し、椅子に腰掛けた姿勢で作業テーブル上で実をつみ取って選別し、これを作業テーブル下のコンテナに容易に収容することができ、また、当該コンテナに所定量収容されたとき計量されていてそのコンテナを補助機の左右何れの側からも容易に荷下ろしできるように構造を工夫すること。
(イ)台車の荷台の前方に前下がりの傾斜コンベアがあり、
(ロ)当該傾斜コンベアの後方に作業テーブルがあってその先端が上記傾斜コンベアの下にあり、
(ハ)作業テーブルの左右外側に複数の椅子があり、
(ニ)上記作業テーブルの左右両側部にシューターがあり、
(ホ)上記作業テーブルの下に計量器を備えたコンテナ載置台があり、
(ヘ)上記コンテナ載置台がリフタを備えており、
(ト)上記リフタがコンテナ載置台上のコンテナを押し上げて左右両方向に選択的に傾斜させるものであること。
トマトの枝は傾斜コンベアで後方に搬送されてその後端から上記作業テーブル上に落とされる。傾斜コンベアに載せるときにトマトの実が落ちてもそれが地面に落下することはない。
作業テーブルの左右両側(荷台前方に向かって左右両側)の椅子に腰掛けて複数の作業者が同作業テーブル上で実をつみ取り、つみ取った実を作業テーブルの左右両側部のシューターに投入すると、シューターに投入された実はそのまま作業テーブルの下のコンテナに収容される。
このつみ取り及び選別の作業は、作業テーブル上でかつ腰掛けた状態でなされるので非常に楽であり、しかもその作業能率は高く、圃場に這って繁茂している枝からつみ取って選別する場合に比してその約1.5倍程度である。
そして、つみ取って選別する作業は作業テーブル上でその手元でなされるので能率が良くかつ選別精度が高くて安定する。一人の刈り取り分と3〜4人のつみ取り分がほぼ均衡し、刈り取り及びつみ取り作業は中断することなく極めて能率よく行われる。
そしてつみ取りと選別は椅子に腰掛けたままでの作業であるから、高齢者でも無理なく長時間できる。
上記リフタは動力式のものでも人力式のものでもよく、動力式の場合は油圧シリンダを用いればよい。また、人力式の場合はペダル式の操作手段を用いればよい。
上記リフタはリフトテーブルとリフト基台によるものであり、リフトテーブルは左右のヒンジ軸を有し、これらのヒンジ軸をリフト基台の軸受に係脱させて左右何れかの方向に傾斜させることができるようになっている。そして、リフタは左右の操作手段を有しその何れかによってリフトテーブルを押し上げて左右いずれかに傾斜させる。
したがって、左右何れの側にコンテナを荷下ろしするかのその方向は収穫作業中に繰り返し切り替わることになる。
クローラC,Cを備えた運搬台車の荷台Aの先端に傾斜コンベア2があり、荷台Aのほぼ中央に作業テーブル12がある。そして、荷台Aの前後長さLは205cm、左右幅Wは170cmである。上記作業テーブル12の地上高さHは130cmであり、荷台A上の高さは70cm、前後長さL1は160cm、左右幅W1は80cmである。
荷台Aの後部にエンジン28があり当該エンジン28でクローラCの駆動輪vを駆動し、油圧ポンプ29を駆動する。そして、この実施例は駆動輪vを油圧モータ(図示略)を介して駆動する。ただし、減速機を備えた伝動機構で駆動することもできる。
走行制御のための操作バルブ30、操作レバー31が荷台Aの前方と後方にそれぞれあって、前方の刈り取り作業者と後方のつみ取り作業者の何れでも補助機の始動・停止及び走行速度を制御できる。
ベルトコンベア22は、図3(b)に示すように断面U型のコンベア枠22aとコンベアベルト22bによるものであり、コンベアベルト22bは上端の駆動ローラ22cで駆動され、当該駆動ローラ22cは油圧モータ22dによって駆動される。
ベルトコンベア22はコンベアベルト22bの幅w2が約45cmであり、その上端は作業テーブル12の先端部分の上まで延びている。
コンベアベルト22bについてはその搬送面に30〜40cm間隔で滑り止めの横方向羽根(高さが数cm)が設けられており、投入された枝Pを当該羽根で引き上げてゆく構造になっている。
なお、コンベアの構造については、要するに枝を作業テーブル12まで引き上げることができるものであれば、バーコンベア(左右のチェンを多数のバーで連結してベルトを構成したもの)等どのようなものでも良いが、滑り止め(上記羽根に相当するもの)がその搬送面に必要である。
傾斜コンベア2は伸縮ステー2cで支持されており、この伸縮ステー2cの長さを多段階に加減することによって傾斜コンベア2の先端の地上高さが加減される。
なお、伸縮ステーを油圧シリンダに変更することもでき、そうすればその方が傾斜コンベア2の先端の地上高さを容易に加減することができる。
そして、作業テーブル12の左右両外側に合計4つの椅子4がある。この実施例ではシューター13の上記開口13aが細長くてこれらの椅子4の前まで延びているが、各椅子4に対応して4つの開口を設けたものでもよい。
図9に示すように椅子4は支持アーム40、支軸41を備えていて当該支軸41が椅子脚42の上端に固定されている。椅子4の中心が支軸41に対して作業テーブルの方に偏心(偏心距離e)している。
椅子脚42の下端に逆L型のブラケット43が固着されており当該ブラケット43から下方にピン44が突設されている。
上記ブラケット43の下部の穴43aに係止棒45が摺動自在に挿入されている。
椅子4に座った作業者mの重さGが椅子脚42に対して偏心しているので、椅子脚42に重さGによるモーメントMが作用する。
上記ピン44が縦穴hに嵌り、モーメントMが作用してブラケット43と係止棒45とが荷台フレームfを上下から挟持する。したがって、作業者mが作業テーブル12の方に向いて座っている間は椅子脚42は荷台フレームfにしっかり固定される。
以上のように椅子4は荷台Aに対して簡単容易に取り付けられ、また取り外される。
刈り取られて傾斜コンベア2の受け皿23に投入された枝Pが作業テーブル12まで引き上げられ、これが作業テーブル12の上に落とされる。
作業テーブル12の左右両外側の椅子4に座った3〜4人の作業者が作業テーブル12上の枝Pを手元に引き寄せて実をつみ取り、良好なものを作業台12の左右の開口13aに投入する。つみ取るときに良好なものが選別され、さらに上記開口13aに投入すときに選別されるので選別精度は高くかつ安定する。そして、つみ取って上記開口13aに投入するまでに選別がなされるので選別のための特別の手間は必要ない。
コンテナkはコンテナ載置台の計量器3で計量されており所定量になるとそれが表示されるから、そのときに入れ替えられる。
次にコンテナ載置台Bの構造の一例を詳細に説明する。これは計量器3とリフト5によるものであり、この実施例ではリフト5が計量器3の外側に被さるようにして配置されている。
リフト5は左右方向に配列された4つの支持ロール5rを有し、当該支持ロール5r,5rの間から計量器3の支持部3a,3aが突出している。
コンテナkは計量器3の支持部3a,3aに支持されて計量され、そしてペダル59pを踏むとリフト5が斜めに押し上げられ、コンテナkが支持ロール5rに支持され押し上げられる。このときコンテナkは多数の支持ロール5rで支持されていて右側又は左側に傾斜するので横方向に容易に引き出される。
リフトテーブル51は前後のリフトテーブル枠51fと左右のヒンジ軸53による四角な枠体を有し、上記リフトテーブル枠51fに4つの支持ローラ5rが取り付けられている。なお、この支持ローラ5rは中心軸に外筒を回転自在に嵌合させた簡単なものである。また、ヒンジ軸53はその両端が左右のリフトテーブル枠51fに固着されている。
前後の支持板57の左右両端にV字状のヒンジ軸受52aがあり、また、当該支持板57に左右のペダル軸59aが回転可能に支持されている。上記ペダル軸59aの一端にペダルアーム59bが固着されており、また、上記ペダル軸59aの中央部からリフトレバー59cが突出していてペダルアーム56aの反対方向に、ヒンジ軸受け52aの直下まで延びている。
ペダルアーム59bの他端は作業者mの足の下まで延びており、当該他端にペダル59pがある。
この例では右側の作業者が右側のペダル59pを踏むとコンテナkは右側に傾斜するからペダルを踏んだ作業者がコンテナkを引き出すことが出来る。
また、例えば右側のペダル59pを踏み込んでリフトテーブル51を右側に傾斜させその上に空のコンテナkを載せ、次いでそれを押し込むことによってリフトテーブル51の所定位置に空のコンテナを容易に載せられる。
以上のリフト5の実施例はリフト5を操作した作業者がコンテナkを引き出せるが、操作した作業者とは反対方向にリフトテーブルを傾斜させて反対側の作業者が引き出せるようにすることもできる。この場合は、例えば右側のペダルアーム59bを右側のペダル軸59aに連結し、当該ペダル軸59aから突出しているリフトレバー59cによって右側のヒンジ軸53が押し上げられるようにすればよい。ただし、この場合はリフト操作機構のレバー比が小さくてリフト操作が重くなることがないように、リフト操作機構の構造を工夫する必要がある。
リフト操作機構については油圧操作によるものでもよく、この場合は左右のヒンジ軸53に縦方向の油圧シリンダをそれぞれ連結すればよい。ただし、油圧シリンダは押し上げ方向のみに作用するものでよい。
また、傾斜コンベア2を支持する伸縮ステー2cを油圧シリンダに換えるときは、その油圧シリンダは押し上げ方向のみに作用するものでよい。
B:コンテナ載置台
M:モーメント
P:トマトの枝
e:偏心距離
m:作業者
c:クローラ
f:荷台フレーム
1:作業台
2:傾斜コンベア
2c:伸縮ステー
3:計量器
3a:支持部
4:椅子
5:リフト
5r:支持ロール
11:テーブル脚
12:作業テーブル
13:シューター
13a:開口
21:支持枠
22:ベルトコンベア
22a:コンベア枠
22b:コンベアベルト
22c:駆動ローラ
22d:油圧モータ
23:受け皿
28:エンジン
29:油圧ポンプ
30:操作バルブ
31:操作レバー
40:支持アーム
41:支軸
42:椅子脚
43:ブラケット
44:ピン
45:係止棒
51:リフトテーブル
51f:リフトテーブル枠
52:リフト基部
52a:ヒンジ軸受
53:ヒンジ軸
54:基板
57:支持板
59a:ペダル軸
59b:ペダルアーム
59c:リフトレバー
59p:ペダル
Claims (4)
- 補助機の前方で刈り取り、同補助機の作業テーブル上で他の作業者が実をつみ取ってコンテナに収容する加工用トマトの収穫作業用補助機であって、
台車の荷台の前方に前下がりの傾斜コンベアがあり、当該傾斜コンベアの後方に作業テーブルがあってその先端が上記傾斜コンベアの下にあり、
上記作業テーブルの左右外側に複数の椅子があり、
上記作業テーブルの左右両側部にシューターがあり、
上記作業テーブルの下に計量器を備えたコンテナ載置台があって当該コンテナ載置台がリフタを備えており、
上記リフタがコンテナ載置台上のコンテナを押し上げて左右両方向に選択的に傾斜させるものであることを特徴とする加工用トマトの収穫作業用補助機。 - 上記リフタが左右にヒンジ軸を有するリフトテーブルと、当該リフトテーブルを支持するV字状のヒンジ軸受を有するリフト基部とによるものであり、
上記リフト基部にリフト操作機構があって当該リフト操作機構が上記リフトテーブルの左側又は右側を選択的に押し上げてリフトテーブルを傾斜させるものであることを特徴とする請求項1の加工用トマトの収穫作業用補助機。 - 上記リフト操作機構が左右のペダルによって選択的に操作されるものであり、上記ペダルで操作されるリフトレバーによって上記リフトテーブルの上記ヒンジ軸が押し上げられることを特徴とする請求項2の加工用トマトの収穫作業用補助機。
- 上記リフト操作機構が、操作されたペダルの方向に上記リフトテーブルを傾斜させることを特徴とする請求項3の加工用トマト2の収穫作業用補助機。
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