JP6066269B2 - 胴巻き包装装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状製品が巻き付けられている被包装ロールに包装シートを胴巻き包装する胴巻き包装装置に関する。
シート状製品が巻き付けられている被包装ロールに包装シートを胴巻き包装する胴巻き包装装置として、従来より様々なものが知られている。
特許文献1に記載された胴巻き包装装置は、被包装ロールを載せて回転させるために水平かつ互いに平行に配置された一対のローラと、一方側のローラの上方に配置され、当該一方側のローラから被包装ロールを持ち上げて浮かせることができる持ち上げ装置と、を備えている。被包装ロールに包装シートを胴巻き包装する際には、持ち上げ装置により被包装ロールが一方側のローラから浮かされた状態で、当該被包装ロールと当該一方側のローラとの間に包装シートが挿し入れられ、当該被包装ロールと他方側のローラとの間にニップされる(挟み込まれる)。これにより、包装シートは被包装ロールの底部に沿って緩みのない状態で接触される。
特許文献2に記載された胴巻き包装装置は、被包装ロールの外周に沿って当接される多数のローラを備えている。被包装ロールに包装シートを胴巻き包装する際には、被包装ロールの外周から剥がれたシート状製品の先端部分の内側に包装シートの先端部分が挿し込まれ、被包装ローラの回転に従って、多数のローラによって被包装ロールの外周のシート状製品が押し当てられながら、当該シート状製品の内側に挿し込まれた包装シートが被包装ロールに巻き付けられていく。
特許第4262688号公報 特開2008−087791号公報
しかしながら、特許文献1に記載された胴巻き包装装置では、包装シートの先端を被包装ロールの外周に沿わせるための機構が存在しないため、実際には被包装ロールに包装シートを胴巻き包装することができない。仮に包装シートの先端が被包装ロールに接着される、または、押さえ付けられるとすれば、そのための機構が別途必要になると共に、特に接着される場合には被包装ロールに接着剤が残ることによるダメージも予想される。また、被包装ロールを持ち上げる持ち上げ装置は、被包装ロールの運搬時には運搬ラインから退避される必要があるが、その可動範囲が一定であるため、多様な径の被包装ロールに対応できないという問題もある。
特許文献2に記載された胴巻き包装装置では、被包装ロールの外周に沿って多数のローラが設けられているため、動作が複雑になるとともに装置が大型化し、安定動作マージンが小さくなる。また、多数のローラの可動範囲は一定で限られているため、多様な径の被包装ロールに対応するのは困難であり、汎用性に乏しい。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、その目的は、多数のローラを必要とすることなく、包装シートを被包装ロールに安定的に巻き付けることができる胴巻き包装装置を提供することである。
本発明は、シート状製品が巻き付けられている被包装ロールを回転させる回転装置と、前記回転装置により回転される被包装ロールの外周から剥がれるシート状製品の先端部分が当接されるようになっている当接台と、前記回転装置を制御して、前記当接台上に当接される前記先端部分の長さを所望長さに制御する回転装置制御部と、被包装ロールの外周から剥がれたシート状製品の内側に包装シートを送り込む包装シート供給装置と、を備えたことを特徴とする胴巻き包装装置である。
本発明によれば、当接台上に当接されるシート状製品の先端部分の長さが所望長さに制御されるため、例えば、シート状製品の先端部分に包装シートが所望の重なり量だけ重ねられた状態から巻き付け動作を開始させることが可能であり、巻き付け動作の安定性が顕著に向上する。
好ましくは、前記当接台上に当接される前記先端部分の長さが所定長さより大きいか小さいかを検出する長さセンサが設けられ、前記回転装置制御部は、前記長さセンサによる検出結果が所定長さより大の場合にはシート状製品が被包装ロールに巻き戻されるように前記回転装置を制御し、前記長さセンサによる検出結果が所定長さより小の場合にはシート状製品が被包装ロールから巻き出されるように前記回転装置を制御するようになっている。このような態様によれば、当接台上に当接されるシート状製品の先端部分の長さが所定長さに制御されることが容易である。
また、好ましくは、前記回転装置制御部は、前記回転装置と共に、前記包装シート供給装置も制御するようになっている。このような態様によれば、例えば、シート状製品の先端部分に包装シートが所望の重なり量だけ重ねられた状態から巻き付け動作を開始させることが容易である。また、例えば、包装シートがシート状製品の巻き戻し速度(巻いた状態に戻ろうとする速度)と同じ速度で送り込まれることが可能であり、シート状製品の先端部分と包装シートとの重なり量が所望の重なり量に容易に維持され得る。
また、好ましくは、前記回転装置により回転される被包装ロールの上方に空気を噴出して、当該被包装ロールからシート状製品の先端部分を剥離させるようになっている空気噴出装置を更に備えている。このような態様によれば、シート状製品の先端部分が、空気噴出装置から噴出された空気に押されて、被包装ロールから迅速かつ安定的に剥離され得る。
また、好ましくは、前記回転装置により回転される被包装ロールからシート状製品の先端部分が剥がれているか否かを検出する剥がれ検出センサを更に備えている。このような態様によれば、シート状製品の先端部分が被包装ロールから剥がれているか否かが容易に検出され得る。
また、好ましくは、前記当接台には、当該当接台の上面に設けられた吸気孔から空気を吸引する空気吸引部が設けられている。このような態様によれば、当接台上に当接されるシート状製品の先端部分が当接台に真空吸着される。これにより、シート状製品の内側に包装シートが確実に送り込まれ得る。
本発明によれば、当接台上に当接されるシート状製品の先端部分の長さが所望長さに制御されるため、シート状製品の先端部分に包装シートが所望の重なり量だけ重ねられた状態から巻き付け動作を開始させることが可能であり、巻き付け動作の安定性が顕著に向上する。
本発明の一実施の形態の胴巻き包装装置の概略構成図である。 本発明の一実施の形態の胴巻き包装装置の概略斜視図である。 本発明の一実施の形態の胴巻き包装装置を用いた胴巻き包装方法を説明するための図である。 シート状製品の先端部分を当接台に固定する機構の別の形態を説明するための図。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の胴巻き包装装置の概略構成図であり、図2は、当該胴巻き包装装置の概略斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の胴巻き包装装置10は、シート状製品21が巻き付けられている被包装ロール20を回転させる回転装置11と、回転装置11により回転される被包装ロール20の外周から剥がれるシート状製品21の先端部分が当接されるようになっている当接台12と、回転装置11を制御して、当接台12上に当接されるシート状製品21の先端部分の長さを所望長さに制御する回転装置制御部13と、被包装ロール20の外周から剥がれたシート状製品21の内側に包装シート31を送り込む包装シート供給装置15と、を備えている。シート状製品21は、例えば壁紙である。
本実施の形態においては、回転装置11は、一対の同一径のローラと、当該一対のローラを各自の中心軸線を中心に回転させるローラ回転機構と、を有している。一対のローラは水平かつ互いに平行に配置されており、その上に被包装ローラ20を載せることができるようになっている。ローラ回転機構は具体的にはモータである。ローラ回転機構によって一対のローラが同一方向に同一速度で回転すると、一対のローラ上に載せられた被包装ローラ20は、一対のローラとの当接部分において回転力を受けることにより、一対のローラの回転方向とは逆回りに回転するようになっている。
当接台12は、回転装置11に隣接して配置されている。図2に示すように、本実施の形態の当接台12は、一対の箱体を有している。一対の箱体は、回転装置11の一対のローラの中心軸線に沿って並んで配置されている。一対の箱体は、例えばそれ自体は公知のサクションボックスであり、一対の箱体の上面に設けられた吸気孔19から空気を吸引する空気吸引部14が設けられている。
当接台12と回転装置11との間には、回転装置11により回転される被包装ロール20からシート状製品21の先端部分が剥がれているか否かを検出する剥がれ検出センサ17が設けられている。剥がれ検出センサ17は、具体的には反射型光電センサであり、上向きに光を放射すると共に、その反射光を検出するようになっている。これにより、被包装ロール20からシート状製品21の先端部分が剥がれていて剥がれ検出センサ17と対向している場合には、剥がれ検出センサ17から放射された光がシート状製品21の先端部分で反射して剥がれ検出センサ17により検出されるが、シート状製品21の先端部分が被包装ロール20に密着していて剥がれ検出センサ17と対向していない場合には、剥がれ検出センサ17から放射された光がシート状製品21の先端部分の外側を通過して、剥がれ検出センサ17によって検出されない。
回転装置制御部13は、具体的にはコンピュータシステムによって構成されている。回転装置制御部13は、回転装置11と剥がれ検出センサ17とにそれぞれ接続されており、剥がれ検出センサ17の検出結果は、回転装置制御部13により読み出されるようになっている。そして、回転装置制御部13は、剥がれ検出センサ17による検出結果が「剥がれあり」の場合(すなわち、反射光が検出された場合)には、被包装ロール20の回転が一旦停止するように回転装置11を制御し、剥がれ検出センサ17による検出結果が「剥がれなし」の場合(すなわち、反射光が検出されない場合)には、被包装ロール20の回転を継続するように回転装置11を制御するようになっている。
回転装置11の上方には、回転装置11により回転される被包装ロール20の上方に空気を噴出して、当該被包装ロール20からシート状製品21の先端部分を剥離させるようになっている空気噴出装置18が設けられている。
本実施の形態の空気噴出装置18は、図2に示すように、平行な3本のノズルを有している。3本のノズルは、回転装置11のローラの中心軸線に沿って等間隔に並んで配置され、不図示の支持部材により支持されている。各ノズルの空気噴出口は、鉛直下方よりも当接台12側に向くように傾けられている。これにより、各ノズルの空気噴出口から噴出された空気が、被包装ロール20の当接台12側の外周面に沿って流れるようになっている。
また、当接台12の一対の箱体の間には、当接台12上に当接されるシート状製品21の先端部分の長さが所定長さより大きいか小さいかを検出する長さセンサ16が設けられている。長さセンサ16も、具体的には反射型光電センサである。シート状製品21の先端部分が所定長さより大きくて長さセンサ16と対向している場合には、長さセンサ16から放射された光がシート状製品21の先端部分で反射して長さセンサ16により検出されるが、シート状製品21の先端部分が所定長さより小さくて長さセンサ16と対向していない場合には、長さセンサ16から放射された光がシート状製品21の先端部分の外側を通過して、長さセンサ16によって検出されない。
回転装置制御部13は、長さセンサ16にも接続されており、長さセンサ16による検出結果は、回転装置制御部13により読み出されるようになっている。そして、回転装置制御部13は、長さセンサ16による検出結果が所定長さより大の場合(すなわち、反射光が検出された場合)には、シート状製品21が被包装ロール20に極めて低速に巻き戻されるように回転装置11を制御し、長さセンサ16による検出結果が所定長さより小となった瞬間に回転装置11を停止させるようになっている。このような制御により、シート状製品21の先端部分を丁度長さセンサ16の設置位置に合致させることができる。また、長さセンサ16による検出結果が所定長さより小の場合(すなわち、反射光が検出されない場合)には、シート状製品21が被包装ロール20から極めて低速に巻き出されるように回転装置11を制御し、長さセンサ16による検出結果が所定長さより大となった瞬間に回転装置11を停止させるようになっている。このような制御によっても、シート状製品21の先端部分を丁度長さセンサ16の設置位置に合致させることができる。
本実施の形態の包装シート供給装置15は、図1に示すように、当接台21の上方に配置された側面視J字状の筐体34と、筐体34の内部に軸支された一対のニップローラ33と、筐体34の下端部に固定された側面視三角形状の案内爪32と、を有している。筐体34は、図1に示すように、筐体34の上端部に設けられた筐体支持軸35によって支持されており、筐体支持軸35を中心に回動できるようになっている。
筐体34の上方には、帯状の包装シート31が巻き付けられた包装シートロール36が配置されている。そして、包装シートロール36から巻き出された包装シート31の先端部分が、筐体34の上端部から筐体34の内部に挿し入れられ、案内ローラ38を経て一対のニップローラ33の間を通され(ニップされ)、筐体34の下端部から筐体34の外部に引き出されて、案内爪32の傾斜面に当接されている。そして、図1において上方のニップローラ33が時計回りに回転されると共に、図1において下方のニップローラ33が反時計回りに回転されることにより、包装シート31の先端部分が案内爪32の傾斜面に沿って繰り出され、当接台21上に送り出されるようになっている。
案内爪32の傾斜面上には、シート切断接着装置37が配置されている。シート切断接着装置37は、切断ブレードと接着剤塗布ノズルとを有しており、包装シート31上を幅方向(図1において紙面に対して直角な方向)に横断されるようになっている。そして、シート切断接着装置37は、幅方向への横断中に、切断ブレードによって案内爪32上の包装シート31を切断すると共に、接着剤塗布ノズルによって包装シート31の切り離される側の端部に沿って接着剤を塗布するようになっている。
本実施の形態においては、回転装置制御部13は、回転装置11と共に、包装シート供給装置15も制御するようになっている。具体的には、回転装置制御部13は前記一対のニップローラ33に接続されていて、当該一対のニップローラ33の回転量及び回転速度を制御するようになっている。
また、回転装置11から見て当接台12とは逆側には、回転装置11側が低くなるように傾斜された側面視三角形上の搬入用傾斜台41が配置されており、搬入用傾斜台41の上方には、被包装ロール20の直径を測定する直径測定装置42が配置されている。直径測定装置42は、具体的には超音波センサであり、搬入用傾斜台41上を転がる被包装ロール20に向けて超音波を発信し、反射された超音波を受信して発信から受信までの時間を計測し、この計測結果に基づいて被包装ロール20の直径を非接触で測定するようになっている。
次に、以上のような本実施の形態の作用について説明する。
まず、図1に示すような向きでシート状製品21が巻き付けられた被包装ロール20が、搬入用傾斜台41の左側から搬入され、搬入用傾斜台41の傾斜に沿って転がり下ろされる。転がされる際に、被包装ロール20は図1において時計回りに回転されるため、シート状製品21の巻き付け状態が大きく解けることはない。
搬入用傾斜台41上を被包装ロール20が転がされている間に、直径測定装置42により被包装ロール20の直径が測定される。そして、直径測定装置42による測定結果に基づいて、当接台12上に当接されるべきシート状製品21の先端部分の長さが決定される。例えば、被包装ロール20の直径が200mm〜300mmの場合、シート状製品21の被包装ロール20から剥がれた部分の長さが150mmになるように、当接台12上に当接されるべきシート状製品21の先端部分の長さが決定される。そして、長さセンサ16の設定位置が、ここで決定された長さに基づいて、当接台12に対して位置決めされる。
搬入用傾斜台41上を転がり下ろされた被包装ロール20は、回転装置11の一対のローラ上に配置されて一旦停止される。
次に、図3(a)に示すように、回転装置11上の被包装ロール20が時計回りに回転され始めると共に、空気噴出装置18から空気が噴出され始める。被包装ロール20の回転中、シート状製品21の先端部分の外側の面は、回転による反時計回りの向きの空気抵抗を受ける。この空気抵抗により、シート状製品21の先端部分は、被包装ロール20から剥がれ難い。被包装ロール20の回転速度が大きければ大きいほど、空気抵抗も大きくなり、シート状製品21の先端部分は、被包装ロール20から一層剥がれ難い。
従って、本実施の形態においては、図3(a)に示すように、空気噴出装置18から空気が噴出される。この噴出された空気は、被包装ロール20の当接台12側の外周面に沿って時計回りに流れる。これにより、この噴出された空気が被包装ロール20とシート状製品21の先端部分との隙間に進入して、図3(b)に示すように、シート状製品21の内側の面を時計回りに押しやる。このため、前記空気抵抗にも関わらず、シート状製品21の先端部分が被包装ロール20から迅速かつ安定的に剥がされる。
次に、剥がれ検出センサ17によって、シート状製品21の先端部分が被包装ロール20から剥がれているか否かが検出される。そして、回転装置制御部13によって、剥がれ検出センサ17の検出結果が読み出され、検出結果が「剥がれあり」の場合には、回転装置11が制御され、被包装ロール20の回転が停止される。もし検出結果が「剥がれなし」であれば、検出結果が「剥がれあり」となるまで被包装ロール20の回転が継続される。
図1に破線で示すように、包装シート供給装置15は当初は上方に回動されていて、当接台12上から退避されている。そして、被包装ロール20から剥がれたシート状製品21の先端部分が、重力及び空気噴出装置18から噴出された空気からの圧力によって下方向に押されて、図3(c)または図3(d)に示すように、当接台12上に当接される。
次に、長さセンサ16によって、当接台12上のシート状製品21の先端部分が所定長さより大きいか小さいかが検出される。そして、回転装置制御部13によって、長さセンサ16の検出結果が読み出され、長さセンサ16の検出結果が所定長さより大の場合には(図3(c))、シート状製品21が被包装ロール20に極めて低速に巻き戻されるように回転装置11が制御され、長さセンサ16による検出結果が小となった瞬間に回転装置11が停止される。また、長さセンサ16の検出結果が所定長さより小の場合には(図3(d))、シート状製品21が被包装ロール20から極めて低速に巻き出されるように回転装置11が制御され、長さセンサ16の検出結果が大となった瞬間に回転装置11が停止される。これにより、図3(e)に示すように、当接台12上に当接されるシート上製品21の先端部分の長さが所定長さ(長さセンサ16の設定位置に対応する長さ)に制御される。
次に、空気吸引部14により、当接台12の上面に設けられた吸気孔19から空気が吸引され、シート状製品21の先端部分が当接台12に真空吸着される。
次に、包装シート供給装置15の筐体34が下方に回動され、案内爪32が当接台12上に配置される(図1参照)。そして、図3(f)に示すように、包装シート供給装置15からシート状製品21の内側の面上に包装シート31が送り込まれる。シート状製品21の先端部分は当接台12に真空吸着されているため、包装シート31の先端部分はシート状製品21の内側に確実に送り込まれる。
包装シート31の送り出し量及び送り出し速度は、包装シート供給装置15のニップローラ33によって制御されている。図3(g)に示すように、包装シート31とシート状製品21との重なり量が所定量(例えば、100mm)になるように包装シート31が送り出された後、シート状製品21の先端部分の真空吸着が解消される。そして、回転装置制御部13により回転装置11と包装シート供給装置15とが制御され、被包装ロール20が時計回りに回転されてシート状製品21が巻き戻される(巻いた状態に戻される)と共に、シート状製品21の巻き戻される速度と同じ速度で包装シート31が送り出される。
これにより、図3(h)に示すように、被包装ロール20とシート状製品21の先端部分との間に包装シート31の先端部分が所定の重なり量だけ挿し込まれた状態が維持されながら、包装シート31の巻き付けが開始される。被包装ロール20の回転中、シート状製品21の先端部分の外側の面が反時計回りの向きの空気抵抗を受ける。この空気抵抗により、シート状製品21の先端部分は被包装ロール20に押し付けられる。これにより、挿し込まれた包装シート31の先端部分も、シート状製品21の先端部分と被包装ロール20との間で挟まれて押さえ付けられる。
以上のように、被包装ロール20とシート状製品21の先端部分との間に、包装シート31が所定の重なり量だけ挿し込まれる。すなわち、本実施の形態によれば、重なり量が小さすぎて、包装シート31の先端部分が被包装ロール20とシート状製品21の先端部分との間で十分に押さえ付けられず、滑り落ちてしまうという問題は生じない。また、本実施の形態によれば、重なり量が大きすぎて、包装シート31が必要量以上に使用されてしまい、無駄が生じる(高コストになる)という問題も生じない。
包装シート31が巻き付けられる際、包装シート31は包装シート供給装置15から、被包装ロール20の周速度と同じ速度で送り出されてもよいし、被包装ロール20の周速度より少し遅い速度で送り出されて、被包装ロール20に対して弱いブレーキを掛けるようになっていてもよい。
巻き付けられた包装シート31の長さは、包装シート供給装置15からの送り出し量(すなわち、ニップローラ33の回転量)から分かる。包装シート31が所定の長さ(例えば、被包装ロール20の1周分ないし1.5周分)だけ巻き付けられたら、ニップローラ33の回転が停止される。そして、シート切断接着装置37が包装シート31上を横断され、包装シート31が切断されると共に、包装シート31の切り離される側の端部に沿って接着剤が塗布される。
そして、被包装ロール20の回転が継続され、切り離された包装シート31の端部が被包装ロール20に巻き付けられると、当該端部が塗布された接着剤により被包装ロール20の外周面を被う包装シート31に接着されて固定される。
その後、被包装ロール20の回転が停止され、包装シート供給装置15が上方に回動されて、当接台21上から退避される。そして、例えば、図1における左側の回転装置11のローラが不図示の昇降装置によって上昇され、被包装ロール20の左側(搬入用傾斜台41側)が持ち上げられることにより、被包装ロール20は右側に向けて転がされる。このようにして、包装シート31が巻き付けられた被包装ロール20が搬送される。
以上のような本実施の形態によれば、当接台12上に当接されるシート状製品21の先端部分の長さが所望長さに制御されるため、例えば、シート状製品21の先端部分に包装シート31が所望の重なり量だけ重ねられた状態から巻き付け動作を開始させることが可能であり、巻き付け動作の安定性が顕著に向上する。
また、本実施の形態によれば、長さセンサ16が設けられており、回転装置制御部13が当該長さセンサ16による検出結果に基づいて回転装置11を制御するため、、当接台12上に当接されるシート状製品21の先端部分の長さが所定長さに制御されることが容易である。
また、本実施の形態によれば、回転装置制御部13が回転装置11と共に包装シート供給装置15も制御するため、例えば、シート状製品21の先端部分に包装シート31が所望の重なり量だけ重ねられた状態から巻き付け動作を開始させることが容易である。また、例えば、包装シート31がシート状製品21の巻き戻し速度と同じ速度で送り込まれることが可能であり、シート状製品21の先端部分と包装シート31との重なり量が所望の重なり量に容易に維持され得る。
また、本実施の形態によれば、空気噴出装置18から空気が噴出されるため、シート状製品21の先端部分が、空気噴出装置18から噴出された空気に押されて、被包装ロール20から迅速かつ安定的に剥離され得る。
また、本実施の形態によれば、剥がれ検出センサ17が設けられているため、シート状製品21の先端部分が被包装ロール20から剥がれているか否かが容易に検出され得る。
また、本実施の形態によれば、当接台12に空気吸引部14が設けられているため、当接台12上に当接されるシート状製品21の先端部分が当接台12に真空吸着される。これにより、シート状製品21の内側に包装シート31が確実に送り込まれ得る。
また、本実施の形態によれば、被包装ロール20の直径に応じて当接台12上に当接されるべきシート状製品21の先端部分の長さが決定されるため、様々な径の被包装ロール20に対して、包装シート31は適切な量だけシート状製品21の内側に挿し込まれ、安定的に巻き付けられ得る。
なお、長さセンサ16としてラインセンサを用いれば、長さセンサ16の設定位置を調整することを不要にすることができる。
また、シート状製品21の先端部分を当接台12に固定する機構は、空気吸引部14により真空吸着する構成に限定されず、例えば、図4に示すように、当接台12に当接されたシート状製品21の先端部分を押さえ板49で押さえつける構成が採用されてもよい。この場合、シート状製品21の先端部分が押さえ板49と当接台12のとの間で挟まれて押さえ付けられる。
10 胴巻き包装装置
11 回転装置
12 当接台
13 回転装置制御部
14 空気吸引部
15 包装シート供給装置
16 長さセンサ
17 剥がれ検出センサ
18 空気噴出装置
19 吸気孔
20 被包装ロール
21 シート状製品
31 包装シート
32 案内爪
33 ニップローラ
34 筐体
35 筐体支持軸
36 包装シートロール
37 シート切断接着装置
38 案内ローラ
41 搬入用傾斜台
42 直径測定装置
49 押さえ板

Claims (4)

  1. シート状製品が巻き付けられている被包装ロールを回転させる回転装置と、
    前記回転装置により回転される被包装ロールの外周から剥がれるシート状製品の先端部分が当接されるようになっている当接台と、
    前記回転装置を制御して、前記当接台上に当接される前記先端部分の長さを所望長さに制御する回転装置制御部と、
    被包装ロールの外周から剥がれたシート状製品の内側に包装シートを送り込む包装シート供給装置と、
    を備え、
    前記当接台には、当該当接台の上面に設けられた吸気孔から空気を吸引する空気吸引部が設けられ、
    前記当接台に吸引された前記シート状製品と前記包装シートとが所定重なり量だけ重ねられた状態で前記空気吸引部での吸引が停止すると、前記回転装置制御部は、前記シート状製品が前記被包装ロールに巻き戻されると共に、前記シート状製品の巻き戻される速度と同じ速度で前記包装シートが送り出されるよう、前記回転装置及び前記包装シート供給装置を制御する、ことを特徴とする胴巻き包装装置。
  2. 前記当接台上に当接される前記先端部分の長さが所定長さより大きいか小さいかを検出する長さセンサが設けられ、
    前記回転装置制御部は、前記長さセンサによる検出結果が所定長さより大の場合にはシート状製品が被包装ロールに巻き戻されるように前記回転装置を制御し、前記長さセンサによる検出結果が所定長さより小の場合にはシート状製品が被包装ロールから巻き出されるように前記回転装置を制御するようになっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の胴巻き包装装置。
  3. 前記回転装置により回転される被包装ロールの上方に空気を噴出して、当該被包装ロールからシート状製品の先端部分を剥離させるようになっている空気噴出装置
    を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の胴巻き包装装置。
  4. 前記回転装置により回転される被包装ロールからシート状製品の先端部分が剥がれているか否かを検出する剥がれ検出センサ
    を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の胴巻き包装装置。
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