JP6065873B2 - コンロッド製造方法およびその装置 - Google Patents

コンロッド製造方法およびその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6065873B2
JP6065873B2 JP2014106636A JP2014106636A JP6065873B2 JP 6065873 B2 JP6065873 B2 JP 6065873B2 JP 2014106636 A JP2014106636 A JP 2014106636A JP 2014106636 A JP2014106636 A JP 2014106636A JP 6065873 B2 JP6065873 B2 JP 6065873B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
burr
connecting rod
radius
cutting
rod material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014106636A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015221453A (ja
Inventor
楠木 弘明
弘明 楠木
亮子 本廣
亮子 本廣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2014106636A priority Critical patent/JP6065873B2/ja
Publication of JP2015221453A publication Critical patent/JP2015221453A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6065873B2 publication Critical patent/JP6065873B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明はコンロッド製造方法およびその装置に関する。
エンジンのコンロッドは、ピストンピン側の小端部とクランクピン側の大端部とこの両者を繋ぐステム部とよりなる。このコンロッドは一般には鍛造によって成形され、その後、パーティングライン上のバリを一部残して切除するトリミングが行なわれる。このコンロッドの製造方法の一例が特許文献1に記載されている。それは、棒状素材の荒地鍛造を行なう閉塞鍛造工程、荒鍛造を行なう密閉鍛造工程、バリ出しを行なう仕上げ鍛造工程、およびバリ抜き工程(トリミング)を順に実行するというものである。
パーティングライン上のバリは、その根元が凹になった隅アールでコンロッド本体に繋がっており、その下側の隅アールをトリミング型の切断刃(せん断刃)に当て、コンロッド本体を押し下げることによって切断される。
特開平10−180394号公報
ところで、コンロッドの製法として、鍛造によって大端部を環状に形成した後に、この環状大端部をロッド本体とキャップに破断分割する所謂クラッキング法が実用化されている。このクラッキング法において、キャップの軽量化を図りつつ強度を確保するために、大端部のキャップとなる部分の外周面に、例えば、幅広のリブからさらに幅狭のリブを突出させた2段リブ構造を採用することが考えられる。その場合、2段リブ構造の部位では、バリの根元の隅アールを幅狭のリブに繋げるために、その隅アールの位置をコンロッド本体側にずらすことが必要になることがある。
また、多種混流生産において小端部および大端部に高い精度で穴加工を行なうには、コンロッドの外周面に芯出し基準を設ける必要がある。その方法として、コンロッドの小端部側の先端外周面を加工し、その加工面を芯出し基準とすることが考えられる。その場合、小端部側の先端部外周面については加工代を確保するために、バリ切断高さを他の部分よりも高くする必要がある。
このように、バリの根元の隅アールの位置が部分的にずれる、或いは、バリ切断高さが部分的に変わるということは、トリミング工程において、切断刃がバリの根元の隅アールに当たる位置、即ち切断位置が他の部分よりも相対的にバリの先端側に、即ち、バリの厚さが薄くなった側にずれることを意味する。そして、切断刃の当たる位置がバリの薄くなった側にずれた部分では、その切断刃とバリとの間に隙間を生じる。そのため、鍛造後のコンロッド素材をトリミング型に載せて押し下げたとき、隙間を生じている部分では、バリのせん断開始タイミングが他の部分よりも遅れ、その結果、コンロッド素材に局部的な変形が誘発されることがある。また、コンロッド素材の両端に隙間を生じているときは、コンロッド素材の全体的な変形量の増大を誘発することになる。
そこで、本発明は、トリミング型の切断刃によるバリの根元の隅アールに対する切断位置が部分的にずれるケースにおいて、上記隙間が小さくなるようにする。
本発明は、上記課題を解決するために、バリの根元の隅アールの半径を部分的に変えるようにした。
ここに提示するコンロッド製造方法は、根元が隅アールで本体に繋がったバリをパーティングライン上に有するコンロッド素材を成形する鍛造工程と、
上記コンロッド素材の上記バリの根元を上記隅アールにおいて抜き穴の周囲に設けられた切断刃で受け、上記コンロッド素材を押し下げることにより、上記バリを切断するトリミング工程とを備え、
上記バリの根元が上記切断刃に対して上記コンロッド素材の全周にわたって均等的に接触するように、上記コンロッド素材各部の上記切断刃によるバリ切断位置に応じて半径が異なる隅アールを上記鍛造工程によって形成することを特徴とする。
この方法は、バリの根元の隅アールに対する切断位置が部分的にずれていることにより、切断刃とバリの間に隙間を生ずる場合、その切断位置に応じて当該隅アールの半径を変えることにより、切断刃とバリとの隙間を小さくするものである。従って、バリの根元が切断刃に対してコンロッド素材の全周にわたって均等的に接触するようになり、トリミングプレスによってコンロッド素材に局部的な変形や全体的な変形を招くことが避けられる。
好ましい態様では、上記バリ切断位置は、コンロッド全周にわたって上記隅アールを同じ半径で形成したときの該隅アールの中心からバリ張出し方向の距離が部分的に相違するように設定されており、
上記鍛造工程では、上記バリの根元を上記切断刃に対して上記コンロッド素材の全周にわたって均等的に接触させるべく、上記距離が短くなるほど半径が大きな隅アールで上記バリの根元が上記本体に繋がるように上記コンロッド素材を成形する。
バリの根元の隅アールをコンロッド全周にわたって同じ半径で形成したときに、該半径の中心からバリ切断位置までのバリ張出し方向の距離が部分的に相違するということは、切断刃がバリの根元の厚くなった部分に当たる箇所や、薄くなった部分に当たる箇所があるということである。この場合、切断刃がバリの薄くなった部分に当たる箇所では切断刃とバリとの間に隙間を生ずる。
そこで、当該態様では、上記距離が短くなるほど、半径が大きな隅アールでバリの根元が本体に繋がるようにコンロッド素材を成形する。隅アールの半径が大きくなるほど、バリの根元が厚くなるから、上記切断刃とバリとの隙間が小さくなる。
好ましい態様では、上記コンロッド素材における所定の基準位置から上記バリ切断位置までのバリ切断高さと、上記切断刃と上記バリの隙間を所定値以下にするに必要な上記隅アールの半径との関係を求めておき、該関係に基いて上記バリ切断高さに応じて上記隅アールの半径を設定する。
これにより、切断刃とバリの隙間を所定値以下にするためのコンロッド素材各部の隅アールの半径を簡単に設定することができ、鍛造型の設計が容易になる。上記所定の基準位置としては、例えば、断面視においてコンロッド素材本体の外周面の形状線と隅アールとの接続点を採用することができる。
好ましい態様では、上記コンロッド素材各部の上記切断刃によるバリ切断位置に応じて半径が異なる隅アールを上記鍛造工程によって形成するとともに、上記バリ切断位置を部分的に上記本体側にずらす。
隅アールの半径の増大によって上記隙間を小さくすることに限界がある場合、当該態様によれば、切断位置を本体側にずらす、即ち、切断位置をバリの根元の肉が厚くなった側にずらすことで、上記隙間を小さくすることができる。
また、ここに提示するコンロッド製造装置は、
根元が隅アールで本体に繋がったバリをパーティングライン上に有するコンロッド素材を成形する鍛造型と、
抜き穴の周囲に切断刃を有し、上記コンロッド素材の上記バリの根元を上記隅アールにおいて上記切断刃で受け、上記コンロッド素材を押し下げることにより、上記バリを切断するトリミング型とを備え、
上記コンロッド素材の平面視において上記切断刃による上記バリの切断ラインが上記本体の外形ラインと非相似形であり、
上記鍛造型は、上記バリの根元が上記切断刃に対してコンロッド全周にわたって均等的に接触するように、上記隅アールを形成する成形面のアールの大きさが上記外形ラインから上記切断ラインまでのバリ切断高さに応じて異なることを特徴とする。
この製造装置によれば、鍛造型によって得られるコンロッド素材を、トリミング型に載せたときにバリの根元が切断刃に対して全周にわたって均等的に接触するようになり、トリミングプレスによってコンロッド素材に局部的な変形や全体的な変形を招くことが避けられる。
本発明によれば、コンロッド素材各部のバリの切断位置に応じて半径が異なる隅アールを鍛造工程によって形成するから、バリの根元がトリミング型の切断刃に対してコンロッド素材の全周にわたって均等的に接触するようになり、トリミングプレスによってコンロッド素材に局部的な変形や全体的な変形を招くことが避けられる。
コンロッド製造装置の下側ダイ装置の斜視図。 同下側ダイ装置の平面図。 パンチが上昇した状態のトリミング装置の断面図。 パンチが下降した状態のトリミング装置の断面図。 コンロッド素材の平面図。 コンロッド素材の断面図。 コンロッド素材の小端部側の外形ラインと切断ラインを示す平面図。 図5のE−E線断面図(ハッチング省略)。 隅アールの半径をR1にしたときの図7のA−A線、B−B線、C−C線およびD−D線での各断面図(ハッチング省略)。 隅アールの半径をR1にしたときの図5のF−F線およびG−G線での各断面図(ハッチング省略)。 小端部1側および大端部側各々のバリ切断高さと隙間の大きさの関係を示すグラフ図。 隅アールの半径を本発明方法で設定したときの図7のB−B線、C−C線およびD−D線での各断面図(ハッチング省略)。 隅アールの半径を本発明方法で設定したときの図5のG−G線断面図(ハッチング省略)。 バリ切断高さと隙間を零にするための隅アールの半径の関係を示すグラフ図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本実施形態に係るコンロッドは、丸棒材から複数の熱間鍛造工程、ピアス(孔抜き)工程およびトリミング工程(バリ抜き工程)を経て製造される。また、そのコンロッドは、小端部側の先端外周面を加工し、その加工面を芯出し基準として小端部および大端部の穴加工が行なわれ、さらに、大端部をコンロッド本体とキャップに破断分割するクラッキングが行なわれる。
<コンロッド装置の全体構成>
本実施形態に係るコンロッド製造装置は図1に示す下側ダイ装置1を備えている。下側ダイ装置1は、丸棒材からコンロッド素材を複数熱間鍛造工程で成形するための第1〜第3鍛造型(下型)2〜4およびピアス型5、並びにトリミング型6をそれぞれダイホルダ7,8によってベースプレート9に取り付けてなる。図示は省略しているが、コンロッド製造装置は、下側ダイ装置1に対応する上側ダイ装置を備えている。この上側ダイ装置に第1〜第3鍛造型2〜4、ピアス型5およびトリミング型6に対応する鍛造型、ピアス用パンチ、トリミング用パンチが設けられている。上側ダイ装置の下降によって、熱間鍛造、ピアスおよびトリミングが行なわれる。
本実施形態のコンロッド製造装置は、一対のコンロッドの大端部と小端部とが相互に反対方向に並列に配置された並列2個取り成形を行なう。
図2に示すように、第1〜第3鍛造型2〜4、ピアス型5およびトリミング型6は順に等ピッチで並設されている。第1〜第3鍛造型2〜4およびピアス型5で成形された各素材は、その両端部がクランパ(図示省略)によって把持されて次工程の型へ搬送される。
第1鍛造型2は、潰し鍛造工程を実施するものであり、所定温度に加熱された丸棒材に対して潰し鍛造により肉寄せを行なう。第2鍛造型3は、荒鍛造工程を実施するものであり、潰し鍛造後の素材を加圧してコンロッドの概略形状を成形する。第3鍛造型4は、本鍛造工程を実施するものであり、荒鍛造後の素材を加圧してパーティングライン上にバリを有するコンロッド素材を成形する。ピアス型5は、ピアス(孔抜き)工程を実施するものであり、得られたコンロッド素材の大端部のピアスを行なう。
トリミング型6は、トリミング(バリ抜き)工程を実施するものであり、図3および図4に示すピアス後のコンロッド素材13のバリ25を切断する。このトリミング型6は、抜き穴15の周囲にバリを切断する切断刃(せん断刃)16を備えてなり、サブホルダ8aを介してメインホルダ8bに支持されている。サブホルダ8aおよびメインホルダ8bがダイホルダ8を構成している。図3および図4において、17は上側ダイ装置に設けられたトリミング用パンチ、18はトリミング用パンチのホルダである。
<コンロッドについて>
図5および図6はバリ抜き前のコンロッド素材13を示す。このコンロッド素材13は、ピストンピン側の小端部21と、クランクピン側の大端部22と、この小端部21と大端部22を結ぶステム部23を備えてなる。大端部22にはピアス加工によるピン孔24が形成されているが、小端部21にはピン孔が形成されていない。コンロッド素材13の本体外周の第3鍛造型4のパーティングライン上には全周にわたってバリ25が張り出している。バリ25はその根元が隅アール26によってコンロッド本体27に繋がっている。
コンロッド素材13は、切断ラインCLでトリミング(バリ抜き)後、小端部21および大端部22の穴加工のために、小端部21側の先端外周面が加工されて芯出し基準面が形成される。そして、図5に示すように、当該加工後のコンロッド素材13は、大端部22側から矢符Pで示すように押されて、小端部21側の芯出し基準面が治具8eのV受け面に受けられる。さらに、大端部22にその両側から矢符Bで示すように均等な力が加えられてセンタリングが行なわれ、その状態でコンロッド素材13が加工台にクランプされて穴加工が行なわれる。
図7にコンロッド素材13の小端部21側の外形ラインSLと切断ラインCLを示すように、コンロッド素材13のステム部23を含む大部分は、所定のバリ切断高さH1なるようにトリミングされる。これに対して、小端部21側の先端外周面は、上記芯出し基準面を形成するための加工代を確保するべく、H1よりも高いバリ切断高さH2〜H4となるようにトリミングされる(H1<H2<H3<H4)。
また、コンロッド素材13は、キャップの軽量化を図りつつ強度を確保することが求められるため、図8(図5のE−E断面)に示すように、大端部22のキャップとなる部分の外周面には2段リブ構造が採用されている。つまり、パーティングラインPL上を周方向に延びる外方へ突出した幅広のリブ31と、この幅広リブ31の先端側中央からさらに外方へ突出した周方向に延びる幅狭のリブ32との2段リブである。
<トリミングにおける問題>
−小端部21について−
図9A〜Dに示すように、バリ25の根元の隅アール26をコンロッド全周にわたって所定の標準半径R1となるように鍛造した場合、コンロッド素材13をトリミング型6の切断刃16で受けたときに、次の問題を生ずる。
コンロッド素材13のステム部23の全長を含む大部分は、バリ切断高さがH1であって、バリ25の根元の肉が厚い部位が切断刃16による切断位置となるから、コンロッド素材13をトリミング型6に載せたとき、バリ25の根元が切断刃16に直接受けられる。すなわち、バリ切断高さがH1である図7の断面A−A位置において切断刃16とバリ25の隙間が実質的に零になる。
これに対して、図7の断面B−B位置では、バリ切断高さがH2(>H1)であって、バリ25の根元の肉が薄くなった部位が切断刃16による切断位置となるから、切断刃16とバリ25の間に隙間S2を生ずる。同様に、断面C−C位置及びD−D位置では、バリ切断高さがH2(>H2)およびH4(>H3)であるから、さらに大きな隙間S3(>S2)および隙間S4(>S3)を生ずる。
バリ切断高さが大きくなるほど隙間が大きくなるということは、要するに、バリ切断高さが大きくなるほど、バリ25の根元の半径R1の隅アール26の中心から切断位置までのバリ張出し方向の距離が短くなり、それだけ、切断刃16がバリ25の根元の薄い側に位置付けられるためである。
このように、コンロッド素材13の小端部21側の先端では、切断刃16とバリ25の間に隙間を生じ、コンロッド素材13をパンチで押し下げたとき、バリ25のせん断開始タイミングが他の部分よりも遅れ、その結果、コンロッド素材13の変形が誘発されるという問題ある。
ここに、本実施形態ではバリ切断高さを次のように定義している。コンロッド素材13の外周部を鍛造型のパーティングライン面に垂直であってバリ張出し方向に延びる垂直面で切断したときの断面視において、コンロッド素材13の本体の外周面の形状線と隅アール26の接続点を基準位置とし、この基準位置から切断刃16による切断位置までのバリ張出し方向の距離をバリ切断高さとしている。
また、上記基準位置をコンロッド素材13の全周にわたって結ぶラインはコンロッド本体の平面視における外形ラインとみなすことができる。従って、上記バリ切断高さは、換言すれば、平面視での当該外形ラインから上記切断刃16によるバリ切断ラインまでのバリ張出し方向の距離である。そうして、バリ切断高さがコンロッド素材13の各部において相違するということは、平面視での上記外形ラインと切断ラインが非相似形になっているということである。
なお、基準位置としては上記定義に係る位置に限らず、適宜の位置を採用することができる。
−大端部22について−
図8に示すように、大端部22のキャップとなる部分の外周面は幅広リブ31と幅狭リブ32の2段リブ構造になっている。その2段目の幅狭リブ32の肩部の凸になった角アール29にバリ25の根元の隅アール26を繋げている。
ここで、隅アール26を標準半径R1で形成したときの、2段リブ構造を採用していない図5のF−F断面位置、並びに2段リブ構造部の片側に縦リブ30を設けた図5のG−G断面位置各々の切断刃16とバリ25の関係をみる。
図10B(F−F断面)に示すように、2段リブ構造を採用していない部位では、バリ切断高さがH1であるから、切断刃16とバリ25の間の隙間は実質的に零になる。これに対して、図10A(G−G断面)に示すように、2段リブ構造採用部では、バリ切断高さがH1よりも大きなH5になり、そのため、切断刃16とバリ25の間に隙間S5を生ずる。
これは、バリ25の隅アール26を幅狭リブ32の角アール29に繋げるために、その隅アール26の中心をコンロッド素材13の本体側に近づけていることによる。その結果、切断刃16が当接するコンロッド素材13の下面側でみれば、バリ切断高さH5が大きくなっている。このことは、小端部21の場合と同様に、半径R1の隅アール26の中心からバリ切断位置までのバリ張出し方向の距離が短いことを意味し、切断刃16がバリ25の根元の薄くなった部位に位置付けられることになって、隙間S5を生じているものである。
−バリ切断高さと隙間の大きさの関係−
図11は隅アール26をコンロッド素材全周にわたって一定の半径R1としたときの、バリ切断高さと隙間の大きさの関係を図示したものである。バリ切断高さが大きくなるほど隙間が大きくなっている。
<問題対策手段>
本実施形態では、コンロッド素材13のステム部23の全長を含む大部分については、バリ25の根元の隅アール26を所定の標準半径R1となるように第3鍛造型4で形成し、且つトリミング型6によるバリ切断高さを所定の標準高さH1とする。
これに対して、バリ切断高さを標準高さH1よりも大きいH2〜H5にするために、隅アール26を標準半径R1で形成したときに切断刃16とバリ25の間に隙間を生ずる小端部21側および大端部22側の先端外周部については、次のようにする。
すなわち、バリ切断高さに応じて、別の観点で言えば、仮に標準半径R1を採用したときの隅アール26の中心からバリ切断位置までのバリ張出し方向の距離に応じて、バリ切断高さが大きくなるほど(当該距離が短くなるほど)大きな半径で、バリ25の根元の隅アール26を第3鍛造型4によって形成し、切断刃16とバリ25との隙間を小さくする。
ここに、大端部22側の先端外周部に2段リブ構造を採用した場合、バリ25の根元の隅アール26の半径を大きくし過ぎると、幅狭リブ32の位置によっては、該隅アール26が幅狭リブ32に繋がらないケースも出てくる。つまり、隅アール26の半径の増大にも限界がある。その場合は、隅アール26の半径を2段リブ構造が得られる限界まで増大するとともに、バリ切断高さを低下させることにより、切断刃16とバリ25との隙間を小さくする。
図12A〜Cは、上述の手法で隅アール26の半径を設定した小端部21に係る図7のB−B断面、C−C断面およびD−D断面を示す。バリ切断高さH2のB−B断面(図12A)では、隅アール26が標準半径R1よりも大きな半径R2で形成され、そのことによって、切断刃16とバリ25の隙間S2が実質的に零になっている。バリ切断高さがH2よりも大きいH3であるC−C断面(図12B)では、隅アール26がR2よりも大きな半径R3(>R2)で形成されて、切断刃16とバリ25の隙間S3が実質的に零になっている。バリ切断高さがさらに大きなH4であるD−D断面(図12C)では、隅アール26がさらに大きな半径R4(>R3)で形成されて、切断刃16とバリ25の隙間S2が実質的に零になっている。
図13は、上述の手法で隅アール26の半径を設定した大端部22の2段リブ構造部の図5のG−G断面を示す。隅アール26は標準半径R1よりも大きな半径R5で形成され、バリ切断高さはH5からH6に低下させている(H6<H5)。これにより、切断刃16とバリ25の隙間S5が実質的に零になっている。
−バリ切断高さと隅アールの半径の関係−
ここに、バリ切断高さと、切断刃16とバリ25の隙間を所定値以下にするに必要な隅アール26の半径との関係を求めておき、該関係に基いてバリ切断高さに応じて隅アール26の半径を設定することができる。
図14は、隅アール26の標準半径がR1であるときの、種々のバリ切断高さでの上記隙間を零にするために必要となる隅アール26の半径をプロットしたものである。それらプロットは直線に沿って配置される。
よって、バリ切断高さから必要な隅アール26の半径を予測する直線回帰式を求め、この回帰式に基いて、上記隙間を零にするための隅アール26の半径を求めて第3鍛造型4の成形面を設計すればよい。
従って、第3鍛造型4は、バリ25の根元が切断刃16に対してコンロッド全周にわたって均等的に接触するように、隅アール26を形成する成形面のアールの大きさがバリ切断高さに応じて異なることになる。これにより、バリ25の根元がトリミング型6の切断刃16にコンロッド全周にわたって均等的に接触するコンロッド素材13を鍛造成形することができる。
1 下側ダイ装置
2〜4 第1〜第3鍛造型
5 ピアス型
6 トリミング型
13 コンロッド素材
15 抜き穴
16 切断刃
25 バリ
26 隅アール
27 コンロッド本体
PL パーティングライン

Claims (5)

  1. 根元が隅アールで本体に繋がったバリをパーティングライン上に有するコンロッド素材を成形する鍛造工程と、
    上記コンロッド素材の上記バリの根元を上記隅アールにおいて抜き穴の周囲に設けられた切断刃で受け、上記コンロッド素材を押し下げることにより、上記バリを切断するトリミング工程とを備え、
    上記バリの根元が上記切断刃に対して上記コンロッド素材の全周にわたって均等的に接触するように、上記コンロッド素材各部の上記切断刃によるバリ切断位置に応じて半径が異なる隅アールを上記鍛造工程によって形成することを特徴とするコンロッド製造方法。
  2. 請求項1において、
    上記バリ切断位置は、コンロッド全周にわたって上記隅アールを同じ半径で形成したときの該隅アールの中心からバリ張出し方向の距離が部分的に相違するように設定されており、
    上記鍛造工程では、上記バリの根元を上記切断刃に対して上記コンロッド素材の全周にわたって均等的に接触させるべく、上記距離が短くなるほど半径が大きな隅アールで上記バリの根元が上記本体に繋がるように上記コンロッド素材を成形することを特徴とするコンロッド製造方法。
  3. 請求項1において、
    上記コンロッド素材における所定の基準位置から上記バリ切断位置までのバリ切断高さと、上記切断刃と上記バリの隙間を所定値以下にするに必要な上記隅アールの半径との関係を求めておき、該関係に基いて上記バリ切断高さに応じて上記隅アールの半径を設定することを特徴とするコンロッド製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記コンロッド素材各部の上記切断刃によるバリ切断位置に応じて半径が異なる隅アールを上記鍛造工程によって形成するとともに、上記バリ切断位置を部分的に上記本体側にずらすことを特徴とするコンロッド製造方法。
  5. 根元が隅アールで本体に繋がったバリをパーティングライン上に有するコンロッド素材を成形する鍛造型と、
    抜き穴の周囲に切断刃を有し、上記コンロッド素材の上記バリの根元を上記隅アールにおいて上記切断刃で受け、上記コンロッド素材を押し下げることにより、上記バリを切断するトリミング型とを備え、
    上記コンロッド素材の平面視において上記切断刃による上記バリの切断ラインが上記本体の外形ラインと非相似形であり、
    上記鍛造型は、上記バリの根元が上記切断刃に対してコンロッド全周にわたって均等的に接触するように、上記隅アールを形成する成形面のアールの大きさが上記外形ラインから上記切断ラインまでのバリ切断高さに応じて異なることを特徴とするコンロッド製造装置。
JP2014106636A 2014-05-23 2014-05-23 コンロッド製造方法およびその装置 Active JP6065873B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014106636A JP6065873B2 (ja) 2014-05-23 2014-05-23 コンロッド製造方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014106636A JP6065873B2 (ja) 2014-05-23 2014-05-23 コンロッド製造方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015221453A JP2015221453A (ja) 2015-12-10
JP6065873B2 true JP6065873B2 (ja) 2017-01-25

Family

ID=54784794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014106636A Active JP6065873B2 (ja) 2014-05-23 2014-05-23 コンロッド製造方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6065873B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5994547A (ja) * 1982-11-19 1984-05-31 Toyota Motor Corp 鍛造品成形バリ取り方法
JP2624805B2 (ja) * 1988-10-31 1997-06-25 マツダ株式会社 鍛造品のバリ取り方法
JPH02295628A (ja) * 1989-05-09 1990-12-06 Hiroshima Alum Kogyo Kk 鍛造品の製造方法
JP3658885B2 (ja) * 1996-08-26 2005-06-08 ユニシア ジェーケーシー ステアリングシステム株式会社 ステアリング用ラックおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015221453A (ja) 2015-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20090116905A (ko) 베어링 씰 제조용 금형장치, 제조방법 및 그에 의하여제조된 베어링 씰
JP2001334321A (ja) 無段変速機用ベルトのエレメントの打抜き加工方法
EP3466559B1 (en) Forging device and forging method
JP4920756B2 (ja) フランジ構造体の製造方法
JP4869968B2 (ja) 閉塞鍛造金型及び鍛造方法
JP2016047537A (ja) 中空エンジンバルブ及びその製造方法
WO2006117946A1 (ja) 傘歯車の鍛造成形方法及び装置
JP2009039750A (ja) 鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法
JP6065873B2 (ja) コンロッド製造方法およびその装置
JP6370759B2 (ja) 座金付きナットの製造方法
JP5099877B2 (ja) 鍛造製品の成形方法
JP5103999B2 (ja) 脚付き環状部材の製造方法および製造装置
KR101209393B1 (ko) 트랙터용 클러치 단조 가공방법
JP5436331B2 (ja) クランクシャフトの製造方法
KR102067706B1 (ko) 전기모터의 베어링 쉴드 제조방법
KR101131864B1 (ko) 탄두의 외피 제조방법
JP2006305600A (ja) 傘歯車の鍛造成形方法及び装置
JP2000140976A (ja) 部品の製造方法
JP4868594B2 (ja) カムロブの成形方法
JP3637249B2 (ja) 外径側球面形状リングの製造方法
KR102067700B1 (ko) 전기모터용 베어링 쉴드 제조장치
JP3746828B2 (ja) 円筒状部品の製造方法
JP2002153938A (ja) 軸付部材の製造方法
JP7368719B2 (ja) クランクシャフト用トリミング型及びクランクシャフトのトリミング方法
KR101344970B1 (ko) 유압호스에 사용되는 니플의 제조방법 및 그 제조방법에 의해 제조된 니플

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6065873

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150