JP6065752B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
金色トナーが、光を反射するフレーク状の物質を含有し、感光体上に現像した金色トナー像と金色トナー像以外の黄色あるいは透明の色を含む他の色のトナー像とを像担持体に積層した後、定着して画像形成する画像形成装置は、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許4820110号公報
本発明は、画像を構成する扁平顔料が扁平面を記録媒体に沿わせた姿勢とされた上で画像の色再現性を確保できる画像形成装置を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の画像形成装置は、扁平顔料を含むトナーを用いて第1画像を形成する第1画像形成部と、扁平顔料を含まないトナーを用いて第2画像を形成する第2画像形成部と、を備え、前記第1画像前記第2画像重ね合わされて形成された画像において、該第2画像に対する前記扁平顔料の被覆率が20%以上50%以下となるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記扁平顔料は、扁平面にて全反射する顔料であることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、第2画像に対する扁平顔料の被覆率が20%以上50%以下となるように構成されていない場合に比べて、画像を構成する扁平顔料が扁平面を記録媒体に沿わせた姿勢とされた上で画像の色再現性を確保することができる。
請求項2に記載の発明によれば、扁平顔料が、扁平面にて全反射する顔料でない場合に比べて、画像の金属光沢感を向上させることができる。
本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を正面側から見て示す概略図 本実施形態に係る画像形成部の構成を示す概略図 本実施形態に係るトナー画像形成部の構成を示す概略図 (A)シート部材に転写された未定着状態の金属色トナー及び他色トナーを示す模式図、(B)シート部材に定着された状態の金属色トナー及び他色トナーを示す模式図 (A)シート部材に転写された未定着状態の金属色トナー及び他色トナーを示す模式図、(B)シート部材に定着された状態の金属色トナー及び他色トナーを示す模式図 フロップインデックスの算出式を示す説明図
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、以下において、矢印Hで示す方向を装置高さ方向、矢印Dで示す方向を装置幅方向とする。まず、画像形成装置10の全体構成及び動作を説明し、その後、本実施形態の要部について説明する。
[画像形成装置の全体構成]
図1に示されるように、画像形成装置10は、電子写真方式により記録媒体の一例としてのシート部材Pに画像を形成するための画像形成部12と、シート部材Pを搬送する媒体搬送部50と、画像が形成されたシート部材Pに対して後処理等を行う後処理部60と、を含んで構成されている。更に、画像形成装置10は、上記各部及び後述する電源部80を制御する制御部70と、上記各部及び制御部70に電力を供給する電源部80と、を含んで構成されている。
<画像形成部の構成>
図2、図3に示されるように、画像形成部12は、トナー画像を形成するトナー画像形成部20と、トナー画像形成部20で形成されたトナー画像をシート部材Pに転写する転写装置30と、シート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着する定着装置40と、を含んで構成されている。
トナー画像形成部20は、色ごとにトナー画像を形成するように複数備えられている。本実施形態では、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の計6色のトナー画像形成部20V、20W、20Y、20M、20C、20Kが設けられている。
なお、本実施形態における第1特別色(V)は、画像に金属光沢感を付与するための金属色であり、第2特別色(W)は、他の色に比べて頻繁に使用されるユーザー特有のコーポレート色や透明色等である。また、トナー画像形成部20Vが、第1画像形成部の一例であり、トナー画像形成部20W、20Y、20M、20C、20Kが、第2画像形成部の一例である。
各トナー画像形成部20は、潜像保持体の一例である感光体ドラム21と、帯電器22と、露光装置23と、現像装置24と、清掃装置25と、除電装置26と、を含んで構成されている。また、転写装置30は、6色分のトナー画像が重畳して1次転写されたトナー像保持体の一例としての転写ベルト31から、転写ニップNTにおいて、シート部材Pに6色分のトナー画像を転写するようになっている。
(感光体ドラム)
図2、図3に示されるように、感光体ドラム21は、円筒状に形成されており、図示しない駆動手段によって自軸周りに回転駆動されるようになっている。感光体ドラム21の外周面には、一例として負の帯電極性を呈する感光層が形成されている。なお、感光体ドラム21は、外周面にオーバーコート層を形成した構成としてもよい。また、各色の感光体ドラム21は、正面視で装置幅方向に沿って直線状に並んで配置されている。
(帯電器)
帯電器22は、感光体ドラム21の外周面(感光層)を負極性に帯電させるようになっている。本実施形態における帯電器22は、一例としてコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器とされている。
(露光装置)
露光装置23は、感光体ドラム21の外周面に静電潜像を形成するようになっている。具体的には、制御部70を構成する画像信号処理部から受け取った画像データに応じて変調された露光光Lを、帯電器22によって帯電された感光体ドラム21の外周面に照射することにより、静電潜像を形成するようになっている。
なお、本実施形態における露光装置23は、一例として、光源から照射された光ビームをポリゴンミラーやFθレンズを含む光走査手段(光学系)で走査しつつ感光体ドラム21の外周面を露光する構成とされている。
(現像装置)
現像装置24は、トナーを含む現像剤Gで感光体ドラム21の外周面に形成された静電潜像を現像することにより、感光体ドラム21の外周面にトナー画像を形成するようになっている。現像装置24は、現像剤Gを収容する収容容器241と、収容容器241に収容された現像剤Gを感光体ドラム21に回転しながら供給する現像ロール242と、を少なくとも含んで構成されている。
なお、収容容器241には、現像剤Gを補給するためのトナーカートリッジ27が、図示しない補給路を介して繋がっている。また、各色のトナーカートリッジ27は、露光装置23の上方側に、正面視で装置幅方向に並んで配置されており、個別に交換可能とされている。
また、現像ロール242には、現像バイアス電圧が印加されるようになっている。現像バイアス電圧は、感光体ドラム21と現像ロール242との間に加えられる電圧であり、現像バイアス電圧を印加することによって、現像ロール242と感光体ドラム21との間に生じる電位差により、感光体ドラム21の静電潜像がトナー画像として顕像化されるようになっている。
(清掃装置及び除電装置)
清掃装置25は、転写装置30へのトナー画像の転写後に感光体ドラム21の外周面に残留したトナーを感光体ドラム21の外周面から掻き取るブレード251を備えている。そして、除電装置26は、感光体ドラム21の外周面に光を照射して除電するようになっている。
なお、図示は省略するが、清掃装置25は、ブレード251が掻き取ったトナーを回収するハウジング及びハウジング内のトナーを廃トナーボックスに搬送する搬送機構も備えている。
(転写装置)
転写装置30は、各感光体ドラム21上に形成されたトナー画像を転写ベルト31に重畳して1次転写し、重畳されたトナー画像をシート部材Pに2次転写するようになっている。転写ベルト31は、無端状とされており、複数のロール32に巻き掛けられて姿勢が決められるようになっている。本実施形態における転写ベルト31は、正面視で装置幅方向に長い鈍角三角形状の姿勢とされている。
また、複数のロール32のうち、ロール32Dは、図示しないモーターの駆動力により、転写ベルト31を矢印A方向に周回させる駆動ロールとして機能するようになっている。そして、複数のロール32のうち、ロール32Tは、転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロールとして機能するようになっており、ロール32Bは、2次転写ロール34の対向ロールとして機能するようになっている。
転写ベルト31は、上記した姿勢で装置幅方向に延びる上辺部において、各感光体ドラム21に下方側から接触しており、各感光体ドラム21上の画像が1次転写ロール33から転写バイアス電圧の印加を受けて転写されるようになっている。また、転写ベルト31は、鈍角を成す下端側の頂部において2次転写ロール34が接触されて転写ニップNTを形成しており、2次転写ロール34から転写バイアス電圧の印加を受けて、転写ニップNTを通過するシート部材Pにトナー画像を転写するようになっている。
(定着装置)
定着装置40は、転写装置30においてトナー画像が転写されたシート部材Pに、トナー画像を定着させるようになっている。本実施形態における定着装置40は、複数のロール44、45、46及びパッド部材48に巻き掛けられた定着ベルト41を備えており、定着ベルト41と加圧ロール42とで形成される定着ニップNFにおいて、トナー画像を加熱しつつ加圧することでシート部材Pに定着する構成になっている。
なお、上方側のロール46は、内部に例えばヒーターを備えるとともに、図示しないモーターから伝達される駆動力により回転する加熱ロールとされている。このロール46の回転駆動により、定着ベルト41が矢印R方向に周回するようになっている。
<媒体搬送部>
図1、図2に示されるように、媒体搬送部50は、画像形成部12にシート部材Pを供給する媒体供給部52と、画像が形成されたシート部材Pを排出する媒体排出部54と、を含んで構成されている。また、媒体搬送部50は、シート部材Pの両面に画像を形成する際に用いられる媒体戻し部56と、転写装置30から定着装置40までシート部材Pを搬送する中間搬送部58と、を含んで構成されている。
媒体供給部52は、画像形成部12の転写ニップNTに対し、転写タイミングに合わせてシート部材Pを1枚ずつ供給するようになっている。媒体排出部54は、定着装置40にてトナー画像が定着された(画像が形成された)シート部材Pを装置外の媒体受け部90に排出するようになっている。媒体戻し部56は、一方の面に画像が形成されたシート部材Pの他方の面に画像を形成する際に、シート部材Pを表裏反転して画像形成部12(媒体供給部52)に戻すようになっている。
<後処理部>
図1に示されるように、後処理部60は、画像形成部12で画像が形成されたシート部材Pを冷却する媒体冷却部62と、シート部材Pの湾曲を矯正する矯正装置64と、シート部材Pに形成された画像を検査する画像検査部66と、を含んで構成されている。後処理部60を構成する媒体冷却部62、矯正装置64、及び画像検査部66は、定着装置40と媒体排出部54との間に、シート部材Pの排出方向の上流側から、この順で配置されている。
[画像形成動作]
次に、画像形成装置10によるシート部材Pへの画像形成工程及び後処理工程の概要を説明する。
図1に示されるように、画像形成指令を受けた制御部70は、トナー画像形成部20、転写装置30、定着装置40を作動させる。すなわち、感光体ドラム21及び現像ロール242が回転され、転写ベルト31が周回される。そして、加圧ロール42が回転されるとともに、定着ベルト41が周回される。更に、これらの動作に同期して、制御部70は、媒体搬送部50等を作動させる。
各色の感光体ドラム21は、回転されながら、その外周面が帯電器22によって帯電される。また、制御部70は、画像信号処理部で画像処理が施された画像データを、各露光装置23に送る。各露光装置23は、画像データに応じて各露光光Lを出射し、帯電された各感光体ドラム21の外周面を露光する。これにより、各感光体ドラム21の外周面に静電潜像が形成される。
各感光体ドラム21の外周面に形成された静電潜像は、現像装置24から供給される現像剤Gによって現像される。これにより、各色の感光体ドラム21上には、それぞれ第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー画像が形成される。
各色の感光体ドラム21に形成された各色のトナー画像は、各色の1次転写ロール33を通じた転写バイアス電圧の印加によって、周回する転写ベルト31に順次転写される。これにより、転写ベルト31には、6色分のトナー画像が重畳された重畳トナー画像が形成される。
この重畳トナー画像は、転写ベルト31の周回によって転写ニップNTに搬送される。転写ニップNTには、媒体供給部52により、重畳トナー画像の搬送にタイミングを合わせてシート部材Pが供給される。この転写ニップNTにおいて転写バイアス電圧が印加されることで、転写ベルト31から重畳トナー画像がシート部材Pに転写される。
重畳トナー画像が転写されたシート部材Pは、中間搬送部58によって転写装置30の転写ニップNTから定着装置40の定着ニップNFに向けて、負圧吸引されながら搬送される。定着装置40は、定着ニップNFを通過するシート部材Pに熱及び加圧力(定着エネルギー)を付与する。これにより、シート部材Pに転写された重畳トナー画像がシート部材Pに定着される。
定着装置40から排出されたシート部材Pは、媒体排出部54によって装置外の媒体受け部90に向けて搬送されつつ、後処理部60により処理が施される。すなわち、定着工程により加熱されたシート部材Pは、まず媒体冷却部62において冷却される。次いで、シート部材Pは、矯正装置64によって湾曲が矯正される。更に、シート部材Pに定着された重畳トナー画像は、画像検査部66によって、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等の有無や程度が検出される。そして、シート部材Pは、媒体排出部54に搬送される。
また、シート部材Pの画像が形成されていない裏面に画像を形成する場合(両面印刷の場合)、制御部70は、画像検査部66を通過した後のシート部材Pの搬送経路を、媒体排出部54から媒体戻し部56に切り替える。これにより、シート部材Pは、表裏反転されて媒体供給部52に送り込まれる。このシート部材Pの裏面には、上記した表面への画像形成工程と同様の工程で画像が形成(定着)される。そして、このシート部材Pは、上記した表面への画像形成後の後処理工程と同様の工程を経て、媒体排出部54によって装置外の媒体受け部90へ排出される。
<要部構成>
(トナー)
次に、本実施形態に係るトナーについて説明する。
図4に示されるように、第1特別色(V)として用いられる第1トナーの一例としての金属色のトナー(以下「金属色トナー」という)Gmは、全体形状が円盤状の扁平形状とされている。この金属色トナーGmは、スチレンアクリル樹脂等のバインダー樹脂に、画像を構成する扁平顔料100や図示しない電荷制御剤等が内添された構造となっている。
なお、図4(A)に示される未定着状態における(扁平顔料100を含む)金属色トナーGmは、後述する他の色のトナーGcと区別しやすいように、模式的に楕円形状で表されている。また、金属色トナーGmの粒径は、一例として3.5μm〜17μmとされている。
扁平顔料100は、フレーク状で扁平形状のアルミニウムから構成されている。すなわち、本実施形態における扁平顔料100は、平面に置いて側方から見ると、左右方向の寸法が上下方向の寸法によりも長い扁平形状とされており、その平面視における直径は、一例として3μm〜16μmとされている。
更に、扁平顔料100は、図4における上方又は下方を向く扁平面(扁平状の表面)の一例としての反射面100Aを有している。この反射面100Aで全反射される反射光と、扁平顔料100同士の隙間を通って他の色のトナーGcまで到達し、シート部材P上に出てきた拡散光とにより、金属色トナーGmで形成された画像に金属光沢感が付与されるようになっている。
一方、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)として用いられる第2トナーの一例としての他の色のトナー(以下「他色トナー」という)Gcは、略球形状又はポテト形状とされている。そして、この他色トナーGcは、スチレンアクリル樹脂等のバインダー樹脂に、扁平顔料100以外の図示しないカラー顔料や電荷制御剤等が内添された構造となっている。
なお、図4(A)に示される未定着状態における(扁平顔料100を含まない、金属色以外の)他色トナーGcは、模式的に円形状で表されているが、実際には、前述したように略球形状又はポテト形状である。また、他色トナーGcは、略球形状又はポテト形状に限定されるものではなく、粉砕トナーのように異形状に形成されたものであってもよい。
第1特別色(V)のトナー画像形成部20Vの感光体ドラム21V上には、金属色トナーGmのトナー画像(第1画像の一例)が形成される。そして、第1特別色(V)以外の第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)のトナー画像形成部20W、20Y、20M、20C、20Kの感光体ドラム21W、21Y、21M、21C、21K上には、それぞれ他色トナーGcのトナー画像(第2画像の一例)が形成される。
各色の感光体ドラム21上のトナー画像は、上述の通り、転写装置30によって転写ベルト31に1次転写される。すなわち、転写ベルト31上には、金属色トナーGmのトナー画像に他色トナーGcのトナー画像が重ねられた重畳トナー画像が形成される。そして、図4(A)に示されるように、転写ベルト31からシート部材Pに転写された重畳トナー画像は、下層が他色トナーGcのトナー画像とされ、上層が金属色トナーGmのトナー画像とされる。
そして更に、シート部材Pに転写された重畳トナー画像(他色トナーGcのトナー画像及び金属色トナーGmのトナー画像)は、図4(B)に示されるように、定着装置40によってシート部材Pに定着されて平滑化される。なお、実際には、各トナーのバインダー樹脂が溶融されて金属色トナーGm及び他色トナーGcは一体化されるが、図4では、本実施形態を理解し易くするために、各トナーを一体化しないで表している。
ここで、図4(B)に示されるように、重畳トナー画像が定着されたシート部材P上の画像領域において、他色トナーGcで形成されたトナー画像に対する扁平顔料100の被覆率Eは、20%以上50%以下とされている。換言すれば、他色トナーGcによるトナー画像の面積Scに対する扁平顔料100の被覆面積S(=S1+S2)の割合が、20%〜50%とされている。
つまり、この被覆率Eは、E=S/Sc×100(%)という式で表されるようになっている。そして、この被覆率Eは、金属色トナーGm及び他色トナーGcの少なくとも一方(本実施形態では一例として両方)における感光体ドラム21上の単位面積当たりのトナー量(g/cm)を調整することにより、20%〜50%とされるようになっている。
具体的には、各露光装置23の露光光Lの光量、各現像装置24の現像ロール242に印加する現像バイアスの電位、金属色トナーGm及び他色トナーGcの帯電量(帯電特性)、金属色トナーGm及び他色トナーGcの各現像装置24への供給量等を、調整手段の一例としての制御部70によって調整することにより、感光体ドラム21上の単位面積当たりのトナー量が調整されるようになっている。
ここで、シート部材P上に定着された画像の金属光沢感は、扁平顔料100の被覆面積Sに比例する。そして、目視により、金属光沢感が付与された画像として認識されるためには、Flop Index(以下「F.I.」と記載する)という物理指標の評価で「8以上」であることが必要とされており、その値を満たすためには、扁平顔料100の被覆率Eを20%以上とすることが必要とされている。したがって、被覆率Eの下限が20%とされている。
なお、F.I.は、図6に示される計算式で求められる。すなわち、シート部材Pの表面に垂直な法線方向に対して45°傾けた方向から光線を照射し、シート部材Pの法線方向で受光して求めた明度指数L*45°と、シート部材Pの法線方向に対し−30°の方向で受光して求めた明度指数L*15°と、シート部材Pの法線方向に対し+65°の方向で受光して求めた明度指数L*110°と、を図6に示される計算式に代入することによって得られる。
正反射率(L*15°)を高め、拡散反射率(L*110°)を低くする(F.I.値を高める)と、金属光沢感が向上される。また、扁平顔料100の被覆率Eを50%以下としている(被覆率Eの上限を50%としている)のは、被覆率Eが50%を超えると、シート部材P上に定着された画像における下層の他色トナーGcが見え難くなり、色再現性が低下するためである。つまり、金属光沢感と色再現性とを両立させるために、本実施形態では、扁平顔料100の被覆率Eを20%以上50%以下としている。
<要部構成の作用>
次に、要部構成の作用について説明する。
画像の少なくとも一部に金属光沢感を付与する場合には、金属色のトナー画像形成部20Vを、他色のトナー画像形成部20W、20Y、20M、20C、20Kと同様に稼働させる。すなわち、感光体ドラム21Vの外周面で、かつ金属光沢感を付与する、画像の少なくとも一部に対応する部位に静電潜像を形成する。
感光体ドラム21Vの外周面に形成された静電潜像は、現像装置24Vから供給された金属色トナーGmを含む現像剤Gによって現像される。これにより、感光体ドラム21V上には、金属色のトナー画像が形成される。
一方、各感光体ドラム21W、21Y、21M、21C、21Kの外周面に形成された静電潜像は、各現像装置24W、24Y、24M、24C、24Kから供給された各色のトナー(他色トナーGc)を含む現像剤Gによって現像される。これにより、各感光体ドラム21W、21Y、21M、21C、21K上には、他の各色(他色)のトナー画像が形成される。
なお、各感光体ドラム21上に形成される各色のトナー画像は、シート部材Pに定着した後の扁平顔料100の被覆率Eが20%〜50%となるように調整されている。すなわち、各露光装置23の露光光Lの光量、各現像装置24の現像ロール242に印加する現像バイアスの電位、金属色トナーGm及び他色トナーGcの帯電量(帯電特性)、金属色トナーGm及び他色トナーGcの各現像装置24への供給量等が制御部70によって調整されて、各感光体ドラム21上に各色のトナー画像が形成されている。
そして、金属色のトナー画像は、周回する転写ベルト31に転写され、他色のトナー画像は、金属色のトナー画像が転写ベルト31に転写された後に、その転写ベルト31に順次転写される。これにより、転写ベルト31には、6色分のトナー画像が重畳された重畳トナー画像が形成される。この重畳トナー画像は、転写ニップNTにて転写ベルト31からシート部材Pに転写される(図4(A)参照)。
重畳トナー画像が転写されたシート部材Pは、中間搬送部58によって転写装置30の転写ニップNTから定着装置40の定着ニップNFに向けて搬送される。定着装置40は、定着ニップNFを通過するシート部材Pに熱及び圧力を付与する。これにより、シート部材Pに転写された重畳トナー画像がシート部材Pに定着される(図4(B)参照)。
こうしてシート部材Pに定着された画像は、扁平顔料100の被覆率Eが20%〜50%となっており、金属光沢感と色再現性とが両立できている。また、その画像領域において、扁平顔料100は、その反射面100Aがシート部材Pに沿った姿勢となるように配置されている(平滑化されている)。したがって、扁平顔料100の反射面100Aでの乱反射が抑制又は防止され、シート部材Pに定着された画像において、金属光沢感が向上されている。
なお、上層の金属色トナーGmは、下層の他色トナーGcが平滑化される(少なくとも2層とされる)ことによって平滑化される(シート部材Pの画像形成面に対して扁平顔料100の反射面100Aが対向するように配置される)ようになっている。また、第1トナーの一例としての金属色トナーGmを含む現像剤Gに、扁平顔料100以外のカラー顔料を含むトナー(他色トナーGc)を含有させるようにしてもよい。これによれば、特定の金属色に対して、その金属色の色合いが微調整可能となる。
また、図5に示されるように、他色トナーGcで形成されるトナー画像が分断されている場合でも、他色トナーGcで形成された各トナー画像に対する扁平顔料100の被覆率Eが、20%〜50%となるようになっている。つまり、他色トナーGcによる各トナー画像の面積Scに対する扁平顔料100の被覆面積Sの割合が、20%〜50%となるようになっている。
<その他>
以上、本実施形態に係る画像形成装置10について図面を基に詳細に説明したが、本実施形態に係る画像形成装置10は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜設計変更可能なものである。例えば、上記実施形態では、金属色トナーGm及び他色トナーGcのトナー量を調整することで扁平顔料100の被覆率Eを20%〜50%としたが、金属色トナーGm又は他色トナーGcのトナー量を調整することで扁平顔料100の被覆率Eを20%〜50%とするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、各色のトナー画像をそれぞれ転写ベルト31に転写する構成としたが、各色のトナー画像をそれぞれシート部材Pに直接転写する構成としてもよい。更に、上記実施形態では、金属色のトナー画像と他色のトナー画像とをシート部材Pに同時に定着する構成としたが、他色のトナー画像をシート部材Pに定着した後に、金属色のトナー画像をシート部材Pに定着する構成としてもよい。
10 画像形成装置
20V トナー画像形成部(第1画像形成部の一例)
20W トナー画像形成部(第2画像形成部の一例)
20Y トナー画像形成部(第2画像形成部の一例)
20M トナー画像形成部(第2画像形成部の一例)
20C トナー画像形成部(第2画像形成部の一例)
20K トナー画像形成部(第2画像形成部の一例)
100 扁平顔料
100A 反射面(扁平面の一例)
Gm 金属色トナー(扁平顔料を含むトナーの一例)
Gc 他色トナー(扁平顔料を含まないトナーの一例)

Claims (2)

  1. 扁平顔料を含むトナーを用いて第1画像を形成する第1画像形成部と、
    扁平顔料を含まないトナーを用いて第2画像を形成する第2画像形成部と、
    を備え、
    前記第1画像前記第2画像重ね合わされて形成された画像において、該第2画像に対する前記扁平顔料の被覆率が20%以上50%以下となるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記扁平顔料は、扁平面にて全反射する顔料であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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