JP6065585B2 - ガレート型カテキン含有化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、ガレート型カテキン及びコエンザイムQ10(酸化型/還元型)を含有する化粧料に関する。
洗顔料、化粧水、美容液、乳液、クリームなどの基礎化粧料は、肌に対して保湿・抗菌・収斂・柔軟効果を与え、肌質を整える化粧料である。基礎化粧料に抗菌・収斂性を与える成分として、カテキン類が知られており、その中でも、ガレート型カテキンは、収斂性が高く、また、紫外線に対する皮膚保護効果などの機能性に優れていることが知られている。
カテキン類を使用した化粧料に関する技術提案は既に多くなされている(例えば、特許文献1〜3)。特に、特許文献3は美白効果を有する化粧料を記載し、該化粧料に含まれる複数の成分の組み合わせとして、メチル化カテキンと、コエンザイムQ10と、コラーゲンとの組み合わせを記載し、さらにエピカテキンガレートやエピガロカテキンガレートなどのガレート型カテキンは美白効果が低いことを記載している。
また、アンチエイジングの観点から、抗酸化などの機能性成分を含有する化粧料も多く存在する。中でもコエンザイムQ10や還元型コエンザイムQ10は、その高い抗酸化作用・抗老化作用から、近年化粧料にしばしば配合される成分である。しかし、これらの成分は水への溶解度が低く、析出などが起こってしまう。また、油への配合は容易であるものの、効果的な肌への浸透のためには、水溶液中に乳化させる必要があった。そのため、コエンザイムQ10を安定に化粧料に配合する研究が数多くなされている(例えば、特許文献4〜6)。これらの特許文献では、コエンザイムQ10を容易に溶解する特定の油成分などを用いることにより、製剤中でのコエンザイムQ10の分離、凝集、析出などを抑制しようとしている。
一方、近年の化粧料の傾向として、肌や体内への安全性を考慮して、界面活性剤などを使用しない無添加化粧料が消費者に好まれる傾向にあり、それに対する種々の技術提案もなされている。例えば、特許文献7では、糖質とポリフェノール成分とを含有し、ポリフェノール成分が緑茶抽出物である界面活性剤フリーの乳化組成物が提案されている。しかし、特許文献7にはガレート型カテキンに関する記述はなく、特許文献7に記載の乳化組成物はガレート型カテキンを安定に含有するものではなかった。
以上のように、コエンザイムQ10やカテキンを配合した化粧料についての技術提案は数多くされているが、これまでコエンザイムQ10とガレート型カテキンと共に他の特定の成分を併用することによって、新たな物理的特性を有する化粧料が得られることについては知られていなかった。
特開2007−031420号公報 特開2003−2819号公報 特開2009−120521号公報 特許第4137047号公報 特許第4842824号公報 特許第4866607号公報 特開2012−082183号公報
本発明の目的は、コエンザイムQ10や還元型コエンザイムQ10を含有しながら、コラーゲン及び大豆多糖類及び強い抗酸化力をもつガレート型カテキンを含有することにより、分離、凝集、沈殿なども生じない、物理化学的に安定な乳液様の化粧料を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、コエンザイムQ10や還元型コエンザイムQ10と共に、ガレート型カテキン、コラーゲン及び大豆多糖類という特定の3成分を含有させ、ガレート型カテキンの含有量とコラーゲンの含有量との比を所定の範囲から選択して乳化することにより、従来技術のようにコエンザイムQ10などを溶解し易い油成分や界面活性剤などを用いなくても、得られる乳化組成物中でのコエンザイムQ10や還元型コエンザイムQ10の分離、凝集、沈殿などを抑制し、これらを物理化学的に安定に含有させることができ、さらに得られる乳化組成物を化粧料として好適に使用できることを発見し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記[1]〜[3]の化粧料に関する。
[1](a)ガレート型カテキン、(b)コラーゲン、(c)大豆多糖類、並びに(d)コエンザイムQ10及び/又は還元型コエンザイムQ10を含有し、(a)成分の含有量A(重量%)と(b)成分の含有量B(重量%)との比(B/A)が2.0〜10.0の範囲にある化粧料。
[2](c)成分の含有量が0.1〜5.0重量%の範囲にあり、(d)成分の含有量が0.01〜1.0重量%の範囲にある上記[1]の化粧料。
[3](a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分によって構成される略球状粒子を分散質として含有し、該粒子の平均粒子径が0.05〜50μmである上記[1]又は[2]の化粧料。
本発明の化粧料は、油成分や界面活性剤などを使用しなくても、ガレート型カテキン、コラーゲン、大豆多糖類、並びにコエンザイムQ10及び/又は還元型コエンザイムQ10の各種機能性成分を安定に含有し、特にコエンザイムQ10及び/又は還元型コエンザイムQ10の分離、凝集、沈殿などが抑制された乳化組成物である。本発明の化粧料は、前記した各成分の乳化安定性に優れていることから、肌への使用感が良好である。また、本発明の化粧料における(a)〜(d)の成分は食品にも用いられるものであるため、本発明の化粧料は肌に対する安全性が高い。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の化粧料は、(a)ガレート型カテキン、(b)コラーゲン、(c)大豆多糖類、並びに(d)コエンザイムQ10及び/又は還元型コエンザイムQ10の4成分を含有することを特徴とする。従来技術では、コエンザイムQ10及び/又は還元型コエンザイムQ10を良く溶解する油成分や界面活性剤などを用いることにより、これらの製剤中での分離、凝集、析出などを抑制しようとしていた。しかしながら、本発明ではそのような油成分や界面活性剤などを用いることなく、コエンザイムQ10及び/又は還元型コエンザイムQ10の化粧料中での分離、凝集、析出などを抑制することに成功している。
〔(a)ガレート型カテキン〕
ガレート型カテキンは、例えば、収斂性が高く、紫外線に対する皮膚保護効果などの機能性に優れていることから、化粧料の成分として有用である。ここで、カテキンとは、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの、カメリア属に分類される植物(特にその葉)の水、熱水、その他の溶媒などによる抽出液中に多く含まれているポリフェノールの一種であり、主にエピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキンガレート(EGCg)、カテキン(C)、カテキンガレート(Cg)などのフラバン−3−オール類の総称であるが、本発明においてガレート型カテキンとは、分子内にガロイル基を有するカテキンであり、具体的には、ECg、EGCg、Cg、GCgなどを指す。これらは、精製品の他、粗製品でも良く、これらを含有する天然物またはその加工品でも良い。ガレート型カテキンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の化粧料中のガレート型カテキンの含有量は特に限定されず、ガレート型カテキン自体の種類や他成分の種類及び含有量などに応じて広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは0.2〜15.0重量%、より好ましくは0.2〜12.0重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。ガレート型カテキンの含有量が0.2重量%未満では、ガレート型カテキン自体の効果が十分に発現されないおそれがある。また、ガレート型カテキンの含有量が15.0重量%を超えると、本発明の化粧料における各成分の乳化安定性が損なわれてしまうおそれがある。
〔(b)コラーゲン〕
コラーゲンは、例えば保湿効果などを有し、化粧料の成分として有用である。本発明に用いられるコラーゲンとは、動物の骨や皮に多く含まれるタンパク質であるコラーゲンを加熱・変性させて得られるゼラチンや、それをさらに酸やアルカリまたは酵素などで加水分解させたコラーゲンペプチドを総称して言う。本発明においてコラーゲンは、由来動物(豚、牛、魚など)や製法(酸処理、アルカリ処理など)に関して特に限定されずに使用することができる。
本発明の化粧料中のコラーゲンの含有量は特に限定されず、コラーゲン自体の種類や他成分の種類及び含有量などに応じて広い範囲から適宜選択できるが、コラーゲンの効果を発揮し、化粧料のゲル化や粘度上昇を抑える観点から、1.0〜40.0重量%が好ましく、2.0〜20.0重量%であることがより好ましい。コラーゲンの含有量が1.0重量%未満では、コラーゲン自体の効果が十分に発現されないおそれがあるとともに、化粧料における各成分の乳化安定性が低下し、分離、凝集、析出などが発生するおそれがある。また、コラーゲンの含有量が40重量%を超えると、化粧料の粘度が上昇し、取扱い性が低下したり、肌表面で延びにくくなったりするおそれがある。
本発明の化粧料では、ガレート型カテキンの含有量A(重量%)と、コラーゲンの含有量B(重量%)との比(B/A)を2.0〜10.0の範囲に調整することにより、ガレート型カテキン、コラーゲン、大豆多糖類、並びにコエンザイムQ10及び/又は還元型コエンザイムQ10を含有しながら、これらの成分に起因する分離、沈殿などが生じない安定な状態の外観を有する化粧料(乳化組成物)を得ることができる。B/Aが2.0未満である場合、及びB/Aが10.0を超える場合には、各成分の乳化安定性が低下して化粧料中に沈殿などが生じるおそれがある。なお、B/Aは、好ましくは2.0〜6.0である。
〔(c)大豆多糖類〕
大豆多糖類は、例えば、乳化安定性を向上させる効果を有し、特にガレート型カテキン及びコラーゲンの乳化安定性を向上させる効果を有していると考えられる。本発明において大豆多糖類とは、水溶性大豆食物繊維とも呼ばれ、大豆タンパク製造の際に生じる不溶性食物繊維(オカラ)から、弱酸性下で抽出、精製、殺菌、乾燥の工程を経て調製される水溶性の多糖類である。当該水溶性大豆食物繊維は、ガラクトース、アラビノース、ガラクツロン酸、ラムノース、キシロース、フコース、グルコースなどの糖から構成され、主要な構造として、ラムノガラクツロン酸鎖にガラクタンとアラビナンとが結合した構造を有すると推定されている。
このような大豆多糖類としては、例えば、「ソヤファイブ(登録商標)−S」シリーズ(不二製油株式会社製)等の市販品を使用してもよい。
本発明の化粧料中の大豆多糖類の含有量は特に限定されず、他成分の種類や含有量などに応じて広い範囲から適宜選択できるが、分離、凝集、沈殿などの発生を抑えて良好な乳化安定性を付与する効果を発揮させるために、0.1〜5.0重量%が好ましく、0.2〜5.0重量%がより好ましく、0.2〜2.0重量%がさらに好ましい。大豆多糖類の含有量が0.1重量%未満では、化粧料中における各成分の分離、凝集、沈殿などの発生を十分に抑制できないおそれがある。大豆多糖類の含有量が5.0重量%を超えると、化粧料の粘度が高くなり、その取扱い性や肌表面での延び性などが低下するおそれがある。
〔(d)コエンザイムQ10及び/又は還元型コエンザイムQ10〕
コエンザイムQ10及び還元型コエンザイムQ10は、例えば優れた抗酸化能を有し、化粧料の成分として有用である。コエンザイムQ10は、ユビデカレノン、補酵素Q10、ユビキノンなどともいい、公知の物質である。コエンザイムQ10とは、一般的には酸化型を指す。還元型のものについては、還元型コエンザイムQ10といい、非常に高い抗酸化力を有する成分である。
本発明の化粧料中のコエンザイムQ10及び/又は還元型コエンザイムQ10の含有量は特に限定されず、コエンザイムQ10自体の種類や他成分の種類及び含有量などに応じて広い範囲から適宜選択できるが、一例を挙げれば、0.01〜1.0重量%が好ましく、0.1〜0.6重量%がより好ましい。これらの含有量が0.01重量%未満では、それ自体の効果が十分に発現されないおそれがある。また、これらの含有量が1.0重量%を超えると、化粧料の乳化安定性に影響を及ぼす場合があるが、他成分の種類や含有量を調整することにより、1.0重量%よりも多い量を含有させることも可能である。
〔任意成分〕
また、本発明の化粧料には、その嗜好性や物理化学的安定性に悪影響を与えない範囲で、所望により、化粧料用の一般的な添加剤を任意成分として含有させることができる。該添加剤としては、例えば、香料、色素(顔料も含む)、防腐剤、殺菌剤、保湿剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、酸化防止剤、塩、キレート剤、増粘剤、パール剤、界面活性剤、油剤、溶剤、各種薬剤、植物エキスなどが挙げられる。任意成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
〔乳化構造〕
本発明の化粧料は、(a)成分であるガレート型カテキン、(b)成分であるコラーゲン、(c)成分である大豆多糖類、並びに(d)成分であるコエンザイムQ10及び/又は還元型コエンザイムQ10によって構成される略球状粒子を分散質として含有するコロイド状乳化組成物である。略球状粒子とは、球体、回転楕円体などのおおよそ球状の粒子を指し、光学顕微鏡によって確認できるものをいう。
また、略球状粒子の平均粒子径は、後述の実施例(特に試験例1)に記載のように、レーザー回析式粒度分布測定装置によって測定できる。平均粒子径は、乳化組成物の安定性の観点から50μm以下であることが好ましい。
〔製造方法〕
前記のような構成を有する本発明の化粧料は、例えば(b)成分及び(c)成分を水に混合、加熱溶解し、次いで(a)成分、(d)成分を添加混合することで製造することができる。
また、(a)成分は予め水に混合、加熱溶解させておくことで速やかに混合しやすくすることができる。
また、予め加熱した水に(a)、(b)、(c)、(d)成分を添加混合してもよい。
その他の任意成分については、適宜任意の段階で添加すればよい。
こうして得られる乳化組成物は、そのまま本発明の化粧料として使用できる。本発明の化粧料は、例えば、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、美容液、化粧下地、日焼け止め、ハンドクリーム、リップエッセンスなどとして用いることができる。また、本発明において化粧料として使用される乳化組成物は、(a)〜(d)の必須成分が全て食品としても利用可能なものなので、各種食品にも応用可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、本実施例で使用する各成分は、具体的には次の通りである。
[カテキン類]
EGCg(ガレート型カテキン、商品名:サンフェノンEGCg、ガレート型カテキン含有率95重量%以上、太陽化学株式会社製)
なお、本実施例では、上記EGCgのガレート型カテキン含有率を100重量%として換算した。
ECg(ガレート型カテキン、和光純薬株式会社製)
EC(非ガレート型カテキン、和光純薬株式会社製)
[コラーゲン]
コラーゲンペプチド(商品名:アクアジェルC−500、新田ゼラチン株式会社製)
ゼラチン(商品名:APH−250、新田ゼラチン株式会社製)
大豆多糖類(商品名:ソヤファイブ−S、不二製油株式会社製)
還元型コエンザイムQ10(商品名:カネカQH、株式会社カネカ製)
(実施例1)
コラーゲンペプチド10.0gと大豆多糖類1.0gとを80℃の水30gに溶かした。この水溶液に、EGCg2.0gを80℃の水30gに溶かした水溶液を加え、その後、還元型コエンザイムQ10を0.15g、ビタミンCを0.5g、パラベンを0.1g、グリセリンを20g加え、ホモミキサーで攪拌混合し、最後に全量100gとなるように水を加えて混合し、白色の乳液状の化粧料を作製した。得られた化粧料は、成分の沈殿や分離がなく、ガレート型カテキン成分、コラーゲン成分、還元型コエンザイムQ10の3つの機能性成分を含有する、安定性に優れた抗酸化能の高い化粧料であった。肌への使用感も市販の乳液と同等のものであった。なお、作製した化粧料の組成等について表1に示す(以下の実施例も同じ)。
(比較例1)
コラーゲンペプチド10.0gと大豆多糖類1.0gとを80℃の水60gに溶かした。この水溶液に、還元型コエンザイムQ10を0.15g、ビタミンCを0.5g、パラベンを0.1g、グリセリンを20g加え、ホモミキサーで攪拌混合し、最後に全量100gとなるように水を加えて混合し、ガレート型カテキンを用いることなく、化粧料を作製した。得られた化粧料は、静置すると還元型コエンザイムQ10の油滴が上層に分離してしまった。
(比較例2)
コラーゲンペプチド10.0gを80℃の水30gに溶かした。この水溶液に、EGCg2.0gを80℃の水30gに溶かした水溶液を加え、その後、還元型コエンザイムQ10を0.15g、ビタミンCを0.5g、パラベンを0.1g、グリセリンを20g加え、ホモミキサーで攪拌混合し、最後に全量100gとなるように水を加えて混合し、大豆多糖類を用いることなく、化粧料を作製した。得られた化粧料は、白色の凝集沈殿が生じてしまった。
(比較例3)
大豆多糖類1.0gを80℃の水30gに溶かした。この水溶液に、EGCg2.0gを80℃の水30gに溶かした水溶液を加え、その後、還元型コエンザイムQ10を0.15g、ビタミンCを0.5g、パラベンを0.1g、グリセリンを20g加え、ホモミキサーで攪拌混合し、最後に全量100gとなるように水を加えて混合し、コラーゲンペプチドを用いることなく、化粧料を作製した。得られた化粧料は、静置すると還元型コエンザイムQ10の油滴が上層に分離してしまった。
(実施例2〜9及び比較例4〜5)
(a)成分であるEGCg、(b)成分であるコラーゲンペプチド、(c)成分である大豆多糖類及び(d)成分である還元型コエンザイムQ10の各含有量を表1に示す割合(%)に変更する以外は、実施例1と同様にして化粧料を作製した。
Figure 0006065585
実施例1、3及び4の乳液並びに実施例5のクリームは、成分の沈殿や分離がなく、ガレート型カテキン成分、コラーゲン成分、還元型コエンザイムQ10の3つの機能性成分を含有する、安定性に優れた抗酸化能の高い化粧料であった。肌への使用感も市販の乳液又はクリームと同等のものであった。
実施例2、6及び7の乳液は、成分の分離又は凝集沈殿が若干みられるものの、ガレート型カテキン成分、コラーゲン成分、還元型コエンザイムQ10の3つの機能性成分を含有する、安定性のある抗酸化能の高い化粧料であった。肌への使用感は市販の乳液とほぼ同等であり、化粧料として問題なく使用できた。実施例8及び9のクリームは、粘度が高く、肌への使用感が市販のクリームよりもやや劣るものの、成分の分離や凝集沈殿はなく、ガレート型カテキン成分、コラーゲン成分、還元型コエンザイムQ10の3つの機能性成分を含有する、抗酸化能の高い化粧料として使用できた。
また、表1(特に比較例1〜3の結果)から、(a)成分であるガレート型カテキン、(b)成分であるコラーゲン及び(c)成分である大豆多糖類を全て配合しないと、(d)成分である還元型コエンザイムQ10の分離や他成分の凝集沈殿が起こることが明らかである。このことから、ガレート型カテキンが単に機能性成分として存在しているのではなく、化粧料における各成分の乳化安定性の向上に寄与していることが判る。
比較例4及び5の乳液は、B/Aが本発明に規定された範囲を外れることから、成分の凝集沈殿が比較的多く発生し、肌への使用感が市販の乳液よりも明確に劣っていた。
(実施例10)
ゼラチン6.0gと大豆多糖類0.8gとを80℃の水30gに溶かした。この水溶液に、ECg1.2gを80℃の水30gに溶かした水溶液を加え、その後、還元型コエンザイムQ10を0.1g、ビタミンCを0.3g、パラベンを0.1g、香料を0.05g加え、ホモミキサーで攪拌混合し、最後に全量100gとなるように水を加えて混合し、化粧料を作製した。得られた化粧料は、さらりとした使用感の、白色化粧水であり、成分の沈殿や分離がなく、ガレート型カテキン成分、コラーゲン成分(ゼラチン)、還元型コエンザイムQ10の3つの機能性成分を含有する、安定性に優れた抗酸化能の高い化粧料であった。
(比較例6)
ECgをガレート型カテキンではないECに変える以外は実施例10と同様にして、化粧料を作製した。得られた化粧料は、白濁した乳液状にはならず、さらに、静置すると還元型コエンザイムQ10の油滴が上層に分離してしまった。
(試験例1:粒子の形状及び平均粒子径の測定)
実施例1並びに比較例1〜3及び6で得られた各化粧料(乳化組成物)を光学顕微鏡(商品名:BX41、オリンパス株式会社製)で観察(倍率1000倍)したところ、実施例1の化粧料にのみ略球状の粒子が存在することが確認できた。このことから、(a)、(b)、(c)、(d)の4成分によって略球状の粒子が構成されていると考えられる。
続いて、実施例1の化粧料に関して、レーザー回析式粒度分布測定装置(商品名:SALD−2000J、(株)島津製作所製)を用い、公知の方法によって平均粒子径を測定した。具体的な操作としては、化粧料を50倍の水に希釈してサンプル攪拌槽に投入し、ポンプ速度調整ツマミを6の位置にして攪拌させながら粒度分布を測定した。分布基準は、体積基準(全粒子の体積の総和中で特定粒子径の粒子がどれだけの体積を占めるか)を用いた。平均粒子径は、当該装置用のソフトウェア(商品名:Wing−SALD−2000J、(株)島津製作所製)によって算出した。その結果、実施例1の化粧料中の粒子の平均粒子径は7.2μmであった。
また、同様にして実施例2〜10で得られた各化粧料を測定したところ、これらの化粧料中にも略球状粒子が確認でき、平均粒子径は全て0.05〜50μmであった。
(試験例2:物理化学的安定性)
実施例1で作製した化粧料を、褐色ガラス瓶の容器に入れて密封し、そのままの状態で約3ヶ月間室温下にて保管した。保管後のガラス瓶内の化粧料の様子を観察したところ、作製直後と同様の色調や物性を有し、成分の沈殿や分離もなかった。

Claims (3)

  1. (a)ガレート型カテキン、(b)コラーゲン、(c)大豆多糖類、並びに(d)コエンザイムQ10及び/又は還元型コエンザイムQ10を含有し、前記(a)成分の含有量A(重量%)と前記(b)成分の含有量B(重量%)との比(B/A)が2.0〜10.0の範囲にある化粧料。
  2. 前記(c)成分の含有量が0.1〜5.0重量%の範囲にあり、前記(d)成分の含有量が0.01〜1.0重量%の範囲にある請求項1に記載の化粧料。
  3. 前記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分によって構成される略球状粒子を分散質として含有し、前記粒子の平均粒子径が0.05〜50μmである請求項1又は2に記載の化粧料。
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