JP6065273B2 - 単独運転検出装置、及び検出方法 - Google Patents

単独運転検出装置、及び検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、分散型電源が電力系統から切り離されて単独運転を行っているか否かの検出に関する。
太陽電池、燃料電池等の分散型電源と、パワーコンディショナとを備えた分散型電源システムが普及しつつある。分散型電源は、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナを介して、電力系統に接続されている。このような構成により、分散型電源により発電された電力は、電力系統から供給される電力と一体として用いられている。
分散型電源が連系している電力系統において事故や停電等の問題が発生した場合には、人身や設備に対する安全性の観点から分散型電源を当該電力系統から切り離す(解列する)必要がある。
特許文献1には、分散型電源が単独運転を行っているか否かを速やかに検知する技術として、無効電力を電力系統に逐次注入して系統周波数を計測し、計測された直近と過去の系統周波数の偏差に基づく変化パターンと、予め記憶している閾値とを比較して単独運転の判定を行う技術が開示されている。
特許第3948487号
特許文献1によると、分散型電源の単独運転の判定を行うために、計測された直近と過去の系統周波数の偏差の変化パターンに応じた閾値を予め記憶する必要がある。
ところで、注入する無効電力の程度に応じた偏差の上昇又は下降の度合の変化は1パターンではなく多数のパターンがある。
単独運転の判定においては、偏差の上昇又は下降の度合に沿った閾値を用いなければならないが、予め記憶している閾値を用いた判定方法において、偏差の上昇又は下降の度合に沿った閾値が予め記憶されていない場合には、判定が有効にできない可能性がある。
そこで、本発明は、注入する無効電力の程度に応じた偏差の上昇又は下降の度合に応じた周波数閾値を用いて単独運転の判定を行うことのできる単独運転検出装置、及び検出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、電力系統と系統連系された分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出装置であって、前記電力系統に無効電力を注入する注入手段と、前記電力系統の系統周波数を繰り返し計測する計測手段と、前記計測手段で計測された系統周波数と、当該計測より過去に計測された系統周波数との周波数偏差に応じて、前記注入手段が注入すべき無効電力を算出する第1算出手段と、前記第1算出手段で算出された前記無効電力と、前記計測手段で計測された系統周波数とを用いて、周波数閾値を算出する第2算出手段と、前記第1算出手段で算出された前記無効電力が注入された後に前記計測手段で計測された系統周波数と、前記周波数閾値とに基づいて、前記分散型電源が単独運転しているか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
上記に示す構成によると、単独運転検出装置は、無効電力が算出される度に、算出された当該無効電力と、計測手段で計測された系統周波数とから周波数閾値を算出し、算出した周波数閾値を用いて分散型電源の単独運転の判定を行っている。そのため、単独運転検出装置は、無効電力が算出される度に周波数閾値を算出するので、偏差の上昇又は下降の度合に沿った周波数閾値を用いた単独運転の判定を行うことができる。
実施の形態に係る分散型電源システムの構成を示す図である。 無効電力算出部102が算出する周波数偏差の算出方法について説明する図である。 周波数偏差と無効電力との特性を示す図である。 無効電力Qと、皮相電力S(=V×I)との関係を示す図である。 単独運転検出処理の動作を示す図である。 無効電力の算出処理の遅延を考慮した場合における周波数閾値の算出について説明する図である。 2段目ゲインに対応する周波数閾値の範囲を示す図である。 (a)は周波数閾値の算出に、複数の無効電力の平均値を利用する場合の一例を示す図であり、(b)は、単独運転の判定に、複数の周波数閾値の平均値を利用する場合の一例を示す図である。
1.実施の形態
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
1.1 構成
図1は、本実施の形態に係る分散型電源システムの構成を示す図である。
分散型電源システムは、図1に示すように、分散型電源10及びパワーコンディショナ(PCS)20を備えている。
分散型電源10は、例えば、太陽電池、燃料電池、又は二次電池からなる直流電源である。二次電池は、例えば、ニッケル水素蓄電池や、リチウムイオン蓄電池である。
PCS20は、端子Ta、Tbを有している。分散型電源10は、端子Taと、電力系統30及び負荷40は、端子Tbと、それぞれ接続されている。PCS20は、電力系統30に連系した形態で使用され、分散型電源10が発電した電力を電力系統30及び負荷40へ出力する。
電力系統30は、例えば、電力会社の発電所から分散型電源システムまでを結ぶ配電系統である。
負荷40は、電力系統30に接続された家庭内、商業施設、又は工場内に存在する電気機器である。
PCS20は、図1に示すように、DC/ACインバータ21、連系リレー22及び単独運転検出装置23を備える。
DC/ACインバータ21は、分散型電源10から入力された直流電力を交流電力に変換するものである。
連系リレー22は、DC/ACインバータ21と端子Tbとを繋ぐラインに挿入されている。連系リレー22は、通常閉じて、分散型電源10と電力系統30とを接続している。連系リレー22は、単独運転検出装置23から解列信号を受けるとずっと開いて、分散型電源10を電力系統30から解列する。
単独運転検出装置23は、ステップ注入付周波数フィードバック方式により、分散型電源10が単独運転しているか否かを検出する装置である。つまり、単独運転検出装置23は、分散型電源10が単独運転しているか否かを、電力系統30へ無効電力を定期的に注入し、注入した結果生じる電力変動の推移に基づいて判定する。単独運転検出装置23は、分散型電源10が単独運転していることを判定すると、解列信号を連系リレー22へ出力する。
以下、単独運転検出装置23の構成について説明する。
単独運転検出装置23は、図1に示すように、計測部101、無効電力算出部102、注入部103、周波数閾値算出部104及び判定部105から構成されている。
また、単独運転検出装置23は、プロセッサ及びメモリ(図示せず)を含んで構成されており、無効電力算出部102、周波数閾値算出部104及び判定部105それぞれの機能は、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
(1)計測部101
計測部101は、電力系統30の電圧、電圧波形の周波数(周期)、及び電力系統30に流れる電流値を、例えば5ミリ秒毎に計測するものであり、例えば周波数計測回路である。
計測部101は、電圧の計測において、電圧の立ち下がりと立ち上がりとの中間値と、次の立ち下がりと立ち上がりとの中間値との時間差を電圧波形の周期として計測し、計測した周期から周波数を算出し、その結果を無効電力算出部102へ出力する。なお、以下において、計測部101で計測された周期を系統周期といい、算出された周波数を系統周波数という。また、以下において、系統周波数を計測するとは、系統周期を計測し、計測した系統周期から系統周波数を算出することをいう。
計測部101は、計測した電圧値、及び電流値を周波数閾値算出部104へ出力する。
(2)無効電力算出部102
無効電力算出部102は、計測部101で系統周波数が計測される度に、計測された直近の系統周波数と、直近の計測よりも過去に計測された系統周波数とを用いて得られる周波数偏差に基づいて、電力系統30へ注入すべき無効電力を算出するものである。
無効電力算出部102は、計測部101で計測された系統周波数を逐次蓄積するバッファを有している。
無効電力算出部102は、図2に示すように、計測部101で計測された直近の系統周波数f[1]から連続する系統周波数f[2]、f[3]、f[4]の4個の系統周波数(f[1]、f[2]、f[3]、f[4])を用いて、これら系統周波数の平均値(Fnew_ave)を算出する。また、無効電力算出部102は、図2に示すように、計測部101で計測された直近の系統周波数f[1]から200ミリ秒過去に計測された系統周波数f[n−9]から連続する計10個の系統周波数(f[n]、f[n−1]、・・・、f[n−9])を用いて、これら系統周波数の平均値(Fold_ave)を算出する。
無効電力算出部102は、算出したFold_aveから、算出したFnew_aveを減算して、周波数偏差(ΔF)を算出する。
無効電力算出部102は、図3に示す周波数偏差と無効電力との関係(無効電力特性)に基づいて、算出した周波数偏差(ΔF)に対応し、注入すべき無効電力Qを算出し、算出した無効電力を注入部103及び周波数閾値算出部104へ出力する。
無効電力算出部102は、算出した周波数偏差(ΔF)を判定部105へ出力する。
ここで、無効電力特性とは、周波数偏差の絶対値が小さいときには、周波数偏差に対応する無効電力は小さく、周波数偏差の絶対値が大きいときには、周波数偏差に対応する無効電力は大きくなるという特性である。無効電力特性は、ある値を境に周波数偏差と無効電力との関係を示す演算式が異なる。本実施の形態では、その値の絶対値を値“a”とし、“−a”より大きく“a”より小さい範囲を1段目ゲインといい、“−a”以下の範囲及び“a”以上の範囲を2段目ゲインという。
無効電力算出部102は、算出した周波数偏差が属するゲインに応じた演算式を用いて無効電力を算出することとなる。
(3)注入部103
注入部103は、電力系統30に電力変動を起こさせるために、無効電力算出部102で算出された無効電力を、電力系統30に注入するものであり、例えばPWM(Pulse Width Modulation)駆動回路である。
注入部103は、DC/ACコンバータ21から出力される電圧が無効電力算出部102で算出された無効電力に応じたパルス幅となるよう、DC/ACコンバータ21の各スイッチング素子のオン/オフを制御するPWM信号をDC/ACインバータ21に出力する。
(4)周波数閾値算出部104
周波数閾値算出部104は、分散型電源10が単独運転しているか否かを判定する基準となる周波数閾値Fcompを、計測部101で系統周波数が計測される度に算出するものである。周波数閾値算出部104は、算出した周波数閾値Fcompを、判定部105へ出力する。
以下、周波数閾値Fcompの算出方法について説明する。
周波数閾値算出部104は、無効電力算出部102から取得した無効電力Qと、計測部101から出力された電圧値V及び電流値Iとから、電力系統の電圧の位相θを算出する。具体的には、図4に示すように、無効電力Qと、皮相電力S(=V×I)との関係は、sinθ=Q/Sで表される。この関係式から、周波数閾値算出部104は、θ(=asin(Q/S))を算出する。この場合のθの単位は、ラジアン(rad)である。
周波数閾値算出部104は、θに単位を“ラジアン”から“度”に変換する。なお、単位“度”に変換された値を角度X(=θ×(180/π))と表す。
周波数閾値算出部104は、角度Xから時間ΔT[ms](=Tconst×X/360)を算出する。ここで、Tconstは、通常の電圧周波数(例えば60Hz又は50Hz)の周期である。周波数閾値算出部104は、算出したΔTを無効電力が注入された際に生じる系統周期の増減値とみなして、ΔTと、周期Tconstとの差分からなる値Tx(=Tconst−ΔT)を算出する。
周波数閾値算出部104は、算出した値Txに対応する周波数fx(=1/Tx)を算出し、通常の電圧周波数fconst(例えば60Hz又は50Hz)との差分Δfx(=fconst−fx)を算出する。
さらに、周波数閾値算出部104は、算出したΔfxに係数(1/m)を乗算することで、周波数変化期待値Δf(=Δfx/m)を算出する。
周波数閾値算出部104は、無効電力算出部102で算出されたFold_aveに、算出した周波数変化期待値Δfを加算し、周波数閾値Fcompを算出する。
なお、係数(1/m)は、電力を消費する負荷40によって異なる値であり、例えば設計時に定められるものである。具体的には、設計時において、想定される負荷をPCS20に接続して、単独運転時の周波数変化についての実験を行う。通常、無効電力の注入量を変化させることに対して、周波数変化量は接続される負荷に依存している。そのため、無効電力の注入する量を同一のものとしても、接続される負荷によっては、周波数変化量が大きい場合もあれば、小さい場合もある。そこで、実験において、接続される負荷の種別及び個数を変化させて、ある無効電力の量において得られる周波数変化が最小となる系統周波数を基準として係数を設定する。
(5)判定部105
判定部105は、計測部101で繰り返し計測された系統周波数と、計測部101で系統周波数が繰り返し計測される度に周波数閾値算出部104で算出された周波数閾値とを用いて、分散型電源10が単独運転を行っているか否かを判定するものである。
判定部105は、無効電力算出部102で算出された周波数偏差(ΔF)が、図3に示す1段目ゲインの範囲外、つまり周波数偏差が2段目ゲインの範囲内である場合には、分散型電源10が単独運転を行っているか否かを判定する。逆に言うと、判定部105は、周波数偏差が1段目ゲインの範囲内、つまりは周波数偏差の絶対値が値“a”より小さい場合には分散型電源10が単独運転を行っているか否かの判定は行わない。
ここで、判定部105が行う判定について説明する。なお、以下において、2段目ゲインで表される範囲を所定範囲と記す。
判定部105は、周波数偏差が値“a”以上である場合には、周波数上昇判定を、周波数偏差が値“−a”以下である場合には、周波数下降判定を用いた単独運転の判定を行う。
具体的には、判定部105は、周波数上昇判定として、無効電力算出部102で算出された無効電力が注入された次の計測周期において計測部101で計測された系統周波数が当該無効電力に基づいて周波数閾値算出部104から受け取った周波数閾値を上回っているか否かの判定を行う。判定部105は、周波数下降による判定として、無効電力算出部102で算出された無効電力が注入された次の計測周期において計測部101で計測された系統周波数が当該無効電力に基づいて周波数閾値算出部104で算出された周波数閾値を下回っているか否かの判定を行う。
判定部105は、周波数上昇であることの判定結果が連続して所定回数n(例えば4回)以上行われた、又は周波数低下であることの判定結果が連続して所定回数n以上行われた場合に、判定部105は、分散型電源10は単独運転していると判定し、連系リレー22に解列信号を出力する。これにより、分散型電源10は、電力系統30から切り離されることとなる。
1.2 動作
ここでは、単独運転検出装置23の動作について、図5に示す流れ図を用いて説明する。
単独運転検出装置23の判定部105は、カウンタnの値を初期化(n=0)する(ステップS5)。
計測部101は、電力系統30の系統周波数を計測する(ステップS10)。具体的には、計測部101は、次ステップで行う周波数偏差の算出が行えるよう、5ミリ秒毎の計測を250ミリ秒分の回数行い、当該回数分の計測結果を無効電力算出部102のバッファに記憶する。
無効電力算出部102は、ステップS10で計測された直近の系統周波数と、当該計測より過去に計測された系統周波数とから周波数偏差を算出する(ステップS15)。具体的には、上述したように、ステップS10で計測された系統周波数を含む直近に計測された4個の連続する系統周波数の平均値(Fnew_ave)と、ステップS10で計測された系統周波数よりも200ミリ秒以前に計測された10個の連続する系統周波数の平均値(Fold_ave)とを算出し、算出したFnew_aveとFold_aveとから周波数偏差ΔF(=Fold_ave − Fnew_ave)する(図2参照)。
無効電力算出部102は、周波数偏差と無効電力との特性に基づいて、算出した周波数偏差(ΔF)に対応する、注入すべき無効電力Qを算出し、算出された無効電力Qを注入部103が電力系統30に注入する(ステップS20)。
周波数閾値算出部104は、ステップS20で算出された無効電力Qが注入されたことにより得られるべき系統周波数に対する周波数閾値Δfを算出する(ステップS25)。具体的には、周波数閾値算出部104は、ステップS20で算出された無効電力Qと、計測部101で計測された電圧値V及び電流値Iとから、電力系統の電圧の位相θを算出する。周波数閾値算出部104は、算出した位相θ、通常の電圧周波数の周期Tconst及び通常の電圧周波数fconst等を用いて、上述した算出手順で、周波数変化期待値Δfを算出する。周波数閾値算出部104は、算出した周波数変化期待値Δfを無効電力算出部102で算出されたFold_aveに加算することで周波数閾値Fcompを算出する。
計測部101は、ステップS20で算出された無効電力Qの注入された次の計測周期において電力系統30の系統周波数を計測する(ステップS30)。
判定部105は、ステップS15で算出された周波数偏差が所定範囲内であるか否かを判断する(ステップS35)。
ステップS15で算出された周波数偏差が所定範囲内であると判断する場合には(ステップS35における「Yes」)、判定部105は、分散型電源10が単独運転を行っているとみなすか否かを判定する(ステップS40)。具体的には、判定部105は、ステップS15で算出された周波数偏差が値“a”以上である場合には、ステップS30で計測された系統周波数に応じた周波数がステップS25で算出された周波数閾値を上回っているか否かの判定を行い、上回っていると判定する場合に単独運転を行っているとみなす。また、判定部105は、ステップS15で算出された周波数偏差が値“−a”以下である場合には、ステップS30で計測された系統周波数に応じた周波数がステップS25で算出された周波数閾値を下回っているか否かの判定を行い、下回っていると判定する場合に単独運転を行っているとみなす。
単独運転を行っているとみなすと判定する場合(ステップS40における「Yes」)、判定部105はカウンタnの値を更新(n=n+1)する(ステップS45)。判定部105は、カウンタnの値が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS50)。カウンタnの値が所定値以上であると判断する場合には(ステップS50における「Yes」)、判定部105は、連系リレー22に解列信号を出力する(ステップS55)。連系リレー22は、解列信号を受け取ると、分散型電源10を電力系統30から解列する。
ステップS15で算出された周波数偏差が所定範囲内でないと判断する場合(ステップS35における「No」)、及び単独運転を行っているとみなさない判定する場合(ステップS40における「No」)、判定部105は、カウンタnの値を初期化(n=0)し(ステップS60)、処理はステップS15へ戻る。
カウンタnの値が所定値以上でないと判断する場合には(ステップS50における「No」)、処理はステップS15へ戻る。
1.3 変形例
以上、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態において、判定部105が行う単独運転の判定の回数を一例として4回としたが、これに限定されない。
判定の回数は1回以上であればよい。ただし、系統周波数の上昇又は下降を特定するためには、少なくとも2回以上の判定は必要となる。
(2)上記実施の形態において、周波数閾値算出部104が周波数変化期待値を算出する際に用いた係数(1/m)は固定値であるとしているが、これに限定されない。
係数(1/m)は単独運転の判定処理中において、ステップS40による判定の回数が増えるにつれ、係数を増加させてもよい。例えば、判定の回数が増えるにつれて、係数(1/m)の値を一律5%ずつ増加させてもよいし、判定の回数ごとに係数に対して増加させる割合を実験により決定してもよい。
通常、負荷が回転機であるような場合には、その特性により単独運転が発生した直後において周波数偏差は表れにくく、注入した無効電力に徐々に追従して表れるという特性がある。
そこで、判定の回数が増えるにつれ、係数を徐々に増加させることで、負荷が回転機である場合において、単独運転検出装置23は、分散型電源10の単独運転の判定の精度を上げることができる。
(3)上記実施の形態において、判定部105は、無効電力算出部102で算出された無効電力Qが注入された際に計測された系統周波数と、当該無効電力Qに基づいて周波数閾値算出部104で算出された周波数閾値とを比較して単独運転の判定を行ったが、これに限定されない。
判定部105は、無効電力算出部102で算出された無効電力Qが注入された際に計測された系統周波数と、当該無効電力Qの算出よりも過去に算出された無効電力Q’に基づいて周波数閾値算出部104で算出された周波数閾値とを比較して単独運転の判定を行ってもよい。
通常、無効電力算出部102による無効電力の算出処理の遅延により、無効電力の注入の処理が遅延する可能性がある。そこで、無効電力Qの算出よりも過去に算出された無効電力Q’を判定に用いることで、上記遅延が考慮された周波数閾値を算出することができる。
具体例を図6に示す。図6において、系統周波数が、f[16]、f[15]、・・・、f[3]、f[2]、f[1]の順に計測されており、これらの計測結果から無効電力Q[16]、Q[15]、・・・、Q[3]、Q[2]、Q[1]の順に算出される。ここで、上記実施の形態では、系統周波数f[1]と、当該系統周波数f[1]に基づいて算出された無効電力Q[1]とから周波数閾値F[1]を算出していた。しかしながら、本変形例では、周波数閾値算出部104は、無効電力が注入されてから、実際の周波数に反映されるまでのタイムラグ(遅延時間T)を考慮して周波数閾値を算出する。例えば、系統周波数f[1]に対する周波数閾値F[1]は、当該系統周波数f[1]に基づいて算出された無効電力Q[1]より過去に算出された無効電力Q[5]から算出される。なお、遅延時間Tは、例えば無効電力算出手段102で行われる無効電力の算出についての処理時間による処理遅延を考慮して設計時に定められる値である。
(4)上記実施の形態において、単独運転検出装置23は、周波数偏差が図3に示す1段目ゲインの範囲内となる場合には、分散型電源10が単独運転しているか否かの判定を行わなかったが、これに限定されない。
上記判定を行うか否かを、周波数閾値算出部104で算出された周波数閾値を用いて判断してもよい。
例えば、単独運転検出装置23は、図3に示す2段目ゲインの範囲に対応する周波数閾値の範囲を予め記憶しておき、算出した周波数閾値が記憶している範囲内に存在するか否かを判断する。単独運転検出装置23は、存在すると判断する場合には上記判定を行い、存在しないと判断する場合には上記判定を行わない。
一般に、周波数偏差が0である場合には、その値から得られる周波数閾値は通常の電圧周波数(50Hz又は60Hz)である。そして、1段目ゲインに対応する周波数閾値の範囲、及び2段目ゲインに対応する周波数閾値の範囲それぞれの範囲を、図7に示す。具体的には、1段目ゲインの範囲に対応する周波数閾値の範囲は、通常の周波数を基準として、周波数閾値F’より大きく周波数閾値Fより小さい範囲となる。また、2段目ゲインの範囲に対応する周波数閾値の範囲は、周波数閾値F以上の範囲と、周波数閾値F’以下の範囲とからなる。
そこで、判定部105は、周波数閾値算出部104で算出された周波数閾値が、値F以上であるか、又は値F’以下であるかを判断する。そして判定部105は、周波数閾値が、値F以上でなく、且つ値F’以下でもないと判断、つまり周波数閾値が値F’から値Fの範囲内であると判断する場合には、分散型電源10が単独運転しているか否かの判定を行わない。
これにより、周波数閾値が周波数閾値F’より大きく周波数閾値Fより小さい範囲に存在する場合には、上記実施の形態と同様に、単独運転検出装置23は、判定処理を行わないので、無駄な処理を回避することができる。
(5)2段目ゲインの範囲に対応する周波数閾値の範囲を予め記憶している場合において、単独運転検出装置23は、以下のように分散型電源10が単独運転しているか否かの判定を行ってもよい。
2段目ゲインの範囲に対応する周波数閾値の範囲は、図7に示す周波数閾値F以上の範囲と、周波数閾値F’以下の範囲とからなり、1段目ゲインの範囲に対応する周波数閾値の範囲は、周波数閾値F’から周波数閾値Fの範囲となる。
この場合、判定部105は、周波数閾値算出部104で算出された周波数閾値が、図7に示す周波数閾値F’より大きく周波数閾値Fより小さい範囲内にあり、且つ基準値(通常の電圧周波数)以上である場合には、算出された周波数閾値の代わりに周波数閾値Fを用いて上記判定を行う。また、判定部105は、周波数閾値算出部104で算出された周波数閾値が、図7に示す周波数閾値F’より大きく周波数閾値Fより小さい範囲内にあり、且つ基準値(通常の電圧周波数)より小さい場合には、算出された周波数閾値の代わりに周波数閾値F’を用いて上記判定を行う。
これにより、単独運転検出装置23は、周波数偏差が1段目ゲインに存在する場合には、周波数閾値を値“F”又は“F’”とすることで、その計測周期での判定を確実に除外することができる。
(6)判定部105が用いる、単特運転の判定の回数は、無効電力算出部102で算出された周波数偏差に応じて変動するものであってもよい。
例えば、周波数偏差が所定値(例えば値“b”)以上である場合における単独運転の判定の回数を、周波数偏差が所定値(“b”)よりも小さい場合の回数よりも少なくする。また、周波数偏差が所定値(例えば値“−b”)以下である場合における単独運転の判定の回数を、周波数偏差が所定値(“−b”)よりも大きい場合の回数よりも少なくする。なお、値“b”は、値“a”より大きいものとする。
周波数偏差が値“b”以上、又は値“−b”以下である場合には、分散型電源10が単独運転となった可能性が非常に高いため、他方の場合よりも少ない回数で判定することで、単独運転検出装置23は、解列を連系リレー22に速やかに指示することができる。
以下、判定の回数の決定方法について説明する。
(6−1)周波数偏差と値“b”とを比較する場合
判定部105は、m−1回目(mは2以上)に計測された系統周波数に対する周波数偏差が図3に示す1段目ゲインに属し、m回目に計測された系統周波数に対する周波数偏差が値“a”以上である場合に、m回目に計測された系統周波数についての周波数偏差に応じた判定の回数を次のようにして決定する。
判定部105は、m回目に計測された系統周波数について無効電力算出部102で算出された周波数偏差が値“b”以下である場合には、判定の回数を第1の回数と決定し、値“b”以上である場合には、判定の回数を第1の回数よりも小さい第2の回数と決定する。
(6−2)周波数偏差と値“−b”とを比較する場合
判定部105は、m−1回目(mは2以上)に計測した系統周波数に対する周波数偏差が図3に示す1段目ゲインに属し、m回目に計測した系統周波数に対する周波数偏差が値“−a”以下である場合に、m回目に計測された系統周波数についての周波数偏差に応じた所定回数を次のようにして決定する。
判定部105は、m回目に計測された系統周波数について無効電力算出部102で算出された周波数偏差が予め定められた値“−b”より大きい場合には、判定の回数を第3の回数と決定し、閾値“−b”以下である場合には、判定の回数を第3の回数よりも小さい第4の回数と決定する。
なお、第1の回数と第3の回数とを、第2の回数と第4の回数とを、それぞれ同値としてもよい。
(7)判定部105が用いる、単特運転の判定の回数は、周波数閾値算出部104で算出された周波数閾値に応じて変動するものであってもよい。
例えば、周波数閾値が所定値(例えば値“c”)以上である場合における単独運転の判定の回数を、周波数偏差が所定値(“c”)よりも小さい場合の回数よりも少なくする。また、周波数偏差が所定値(例えば値“d”)以下である場合における単独運転の判定の回数を、周波数偏差が所定値(“d”)よりも大きい場合の回数よりも少なくする。なお、値“c”は、値“F”より大きいものとし、値“d”は、値“F’”より小さいものとする。
周波数閾値が値“c”以上、又は値“d”以下である場合には、分散型電源10が単独運転となった可能性が非常に高いため、他方の場合よりも少ない回数で判定することで、単独運転検出装置23は、解列を連系リレー22に速やかに指示することができる。
以下、判定の回数の決定方法について説明する。
(7−1)周波数閾値と値“c”とを比較する場合
判定部105は、m−1回目に計測された系統周波数を用いて得られた周波数閾値が図7に示す値“F’”より大きく値“F”より小さい範囲に属し、m回目に計測された系統周波数を用いて得られた周波数閾値が値“F”以上、又は値“F’”以下である場合に、m回目の計測で算出された周波数閾値に応じた判定の回数を以下のようにして決定する。
判定部105は、m回目に算出された周波数閾値が値“F”以上であり、且つ値“c”以下である場合には所定回数を第1の回数と決定し、値“c”以上である場合には所定回数を第1の回数よりも小さい第2の回数と決定する。
(7−2)周波数閾値と値“d”とを比較する場合
判定部105は、m回目に算出された周波数閾値が値“F’”以下であり、且つ予め定められた閾値“d”以上である場合には所定回数を第3の回数と決定し、閾値“d”以下である場合には所定回数を第3の回数よりも小さい第4の回数と決定する。
なお、第1の回数と第3の回数とを、第2の回数と第4の回数とを、それぞれ同値としてもよい。
(8)上記実施の形態において、周波数閾値算出部104は、無効電力算出部102で算出された直近の無効電力のみを用いて周波数閾値を算出したが、これに限定されない。
周波数閾値の算出は、直近に算出された無効電力を用いた平均値を利用するものであってもよい。例えば、周波数閾値算出部104は、図8(a)に示すように、無効電力算出部102で算出された無効電力を逐次格納するバッファ200を含んでおり、直近に算出された無効電力Q[1]から連続する所定数(例えば、4)の無効電力(Q[1]、Q[2]、Q[3]、Q[4])の平均値Qave[1]を周波数閾値の算出に利用する。
(9)上記実施の形態において、判定部105は、周波数閾値算出部104で算出された直近の周波数閾値のみを用いて単独運転の判定を行ったが、これに限定されない。
単独運転の判定は、直近に算出された周波数閾値を用いた平均値を利用するものであってもよい。例えば、判定部105は、図8(b)に示すように、周波数閾値算出部104で算出された周波数閾値を逐次格納するバッファ210を含んでおり、直近に算出された周波数閾値Fc[1]から連続する所定数(例えば、4)の周波数閾値(Fc[1]、Fc[2]、Fc[3]、Fc[4])の平均値Fave[1]を周波数閾値の算出に利用する。
(10)上記実施の形態において、周波数偏差(ΔF)は、図2に示すように、計測部101で計測された直近の系統周波数f[1]を含む4個の連続する系統周波数(f[1]、f[2]、f[3]、f[4])の平均値(Fnew_ave)と、系統周波数f[1]から200ミリ秒過去に計測された、連続する計10個の系統周波数(f[n]、f[n−1]、・・・、f[n−9])の平均値(Fold_ave)とから算出されたが、これに限定されない。
周波数偏差の算出は、直近の系統周波数と、当該系統周波数より過去に計測された系統周波数を利用するものであればよい。例えば、以下のような算出方法が考えられる。
1つ目は、直近の系統周波数f[1]と、系統周波数f[1]から200ミリ秒過去に計測された、連続する計10個の系統周波数(f[n]、f[n−1]、・・・、f[n−9])の平均値(Fold_ave)とから周波数偏差を算出する方法である。
2つ目は、直近の系統周波数f[1]を含む4個の連続する系統周波数の平均値(Fnew_ave)と、系統周波数f[1]から200ミリ秒過去に計測された系統周波数f[n−9]とから周波数偏差を算出する方法である。
3つ目は、直近の系統周波数f[1]と、系統周波数f[1]より過去に計測された系統周波数(f[2]、f[3]、・・・、f[n])のうち何れかの系統周波数とから周波数偏差を算出する方法である。
(11)上記実施の形態において、判定部105は、周波数変化期待値(Δf)が過去の系統周波数の平均値Fold_aveに加算された周波数閾値Fcompと、計測部101で計測された系統周波数とを分散型電源10の単独運転の判定に用いたが、これに限定されない。
上述したように、周波数閾値は、周波数変化期待値(Δf)に過去の系統周波数の平均値(Fold_ave)を加算したものである。そのため、周波数変化期待値(Δf)と周波数偏差との比較を行うことと、周波数閾値と系統周波数との比較を行うこととは、同等の処理である。
そこで、判定部105は、上述した周波数閾値の代わりに周波数変化期待値(Δf)と、計測部101で計測された系統周波数から得られる周波数偏差との比較により上記判定を行ってもよい。
(12)上記実施の形態において、単独運転検出装置は、ステップ注入付周波数フィードバック方式により、5ミリ秒毎に常に無効電力を注入するものとしたが、これに限定されない。
単独運転の判定にステップ注入付周波数フィードバック方式を利用する装置であればよい。例えば、単独運転検出装置は、常に微小な無効電力を注入する必要のない、高調波電圧変動方式であってもよい。この場合における単独運転検出装置は、高調波を検出すると、周波数偏差の算出、周波数偏差に応じた無効電力を算出及び注入、当該無効電力の注入した次の計測周期での系統周波数の計測、単独運転の判定を行うといった、上記実施の形態と同様の動作を行う。
これにより、単独運転検出装置は、高調波電圧変動方式を用いた場合であっても、予め周波数閾値を記憶することなく単独運転の判定を行うことができる。
(13)上記実施の形態で示す各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個の集積回路から構成されているとしてもよい。
(14)上記実施の形態及び変形例を組み合わせるとしてもよい。
1.5 補足説明
以下、無効電力特性についての補足説明を行う。
無効電力特性は、上述したように、1段目ゲインと、2段目ゲインとにおいては、無効電力の算出の演算式が異なっている。
通常、PCS20で計測される系統周波数は、注入される無効電力の影響をほとんど受けることなく、5ミリ秒毎に算出される周波数偏差は、1段目ゲインの範囲内に存在する。
電力系統30に故障や停電等の問題が発生すると、PCS20で計測される系統周波数は、注入される無効電力の影響を受け、電力系統30の電源周波数の周期とは異なることとなり、周波数偏差は大きくなり、1段目ゲインの範囲外となる。つまり、m−1(mは2以上)回目算出された周波数偏差が1段目ゲインに属し、m回目に算出された周波数偏差が2段目ゲインに属することとなった場合には、単独運転に切り替わった可能性が高い。そこで、この場合には、単独運転検出装置23は、算出した周波数閾値を用いて、図5に示すステップS40以降の処理ステップを実行することで、分散型電源10の単独運転の判定を行う。
1.6 補足
以下、更に本発明の一実施形態としての単独運転検出装置の構成及びその変形例と効果について説明する。
(1)本発明の一態様である、電力系統と系統連系された分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出装置は、前記電力系統に無効電力を注入する注入手段と、前記電力系統の系統周波数を繰り返し計測する計測手段と、前記計測手段で計測された系統周波数と、当該計測より過去に計測された系統周波数との周波数偏差に応じて、前記注入手段が注入すべき無効電力を算出する第1算出手段と、前記第1算出手段で算出された前記無効電力と、前記計測手段で計測された系統周波数とを用いて、周波数閾値を算出する第2算出手段と、前記第1算出手段で算出された前記無効電力が注入された後に前記計測手段で計測された系統周波数と、前記周波数閾値とに基づいて、前記分散型電源が単独運転しているか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
この構成によると、単独運転検出装置は、無効電力が算出される度に、算出された当該無効電力と、計測手段で計測された系統周波数とから周波数閾値を算出し、算出した周波数閾値を用いて分散型電源の単独運転の判定を行っている。そのため、単独運転検出装置は、予め周波数閾値を記憶することなく単独運転の判定を行うことができる。つまり、単独運転検出装置は、無効電力が算出される度に周波数閾値を算出するので、偏差の上昇又は下降の度合に沿った周波数閾値を用いた単独運転の判定を行うことができる。
通常、無効電力を注入したことによる系統周波数の変化の度合は、接続される負荷に応じて異なっているが、当該単独運転検出装置は、偏差の上昇又は下降の度合に沿った周波数閾値を用いるので、どのような負荷が接続されていても単独運転の検出を行うことができる。
(2)ここで、前記第2算出手段で用いられる前記系統周波数は、前記第1算出手段における前記無効電力の算出に用いられた、前記計測より過去に計測された系統周波数であるとしてもよい。
この構成によると、単独運転検出装置は、第2算出手段で用いられる系統周波数を、第1算出手段で用いられた過去に計測された系統周波数とすることで、安定した系統周波数から周波数閾値を算出することができる。
(3)ここで、前記第2算出手段は、前記第1算出手段で算出された前記無効電力を注入した際に得られるべき周波数偏差についての期待値を算出し、算出した期待値に前記系統周波数を加算した結果を前記周波数閾値とするとしてもよい。
この構成によると、単独運転検出装置は、無効電力を注入した際に得られるべき周波数偏差の期待値から周波数閾値を算出することができる。
(4)ここで、前記判定手段で行われる前記判定は、前記計測手段で計測された系統周波数と、前記周波数閾値とを複数回比較して前記分散型電源が単独運転しているか否かを判定するものであり、前記判定手段は、前記計測手段において繰り返し計測された系統周波数それぞれについて、当該系統周波数と、当該系統周波数についての周波数閾値とによる前記比較を行い、比較により前記分散型電源が単独運転しているとみなされる結果が所定回数連続して得られた場合に、前記分散型電源が単独運転していると判定するとしてもよい。
この構成によると、単独運転検出装置は、比較を複数回行うことで、単独運転の判定の精度を上げることができる。
(5)ここで、前記計測手段は、前記電力系統の電圧及び当該電力系統に流れる電流を計測し、前記第2算出手段は、前記第1算出手段で算出された無効電力それぞれから得られるべき各周波数偏差についての期待値を、当該周波数偏差に対する無効電力と、前記計測手段で計測された前記電圧及び前記電流とを用いて算出された周波数のずれ量に係数を乗じて算出するとしてもよい。
この構成によると、単独運転検出装置は、無効電力と、電圧及び電流とから周波数のずれ量を算出し、算出したずれ量に負荷に応じた係数を乗じて期待値を得ることで、当該負荷に応じた周波数閾値を算出することができる。
(6)ここで、前記第2算出手段は、前記判定手段による判定の回数が増えるにつれ、前記係数を増加させて乗算するとしてもよい。
通常、負荷が回転機であるような場合には、その特性により単独運転が発生した直後において周波数偏差は表れにくく、注入した無効電力に徐々に追従して表れるという特性がある。
この構成によると、単独運転検出装置は、負荷が回転機であるような場合であっても、単独運転の判定の精度を上げることができる。
(7)ここで、前記第2算出手段でm−1(mは2以上)回目に算出された周波数閾値が第1の閾値より大きく第2の閾値より小さい範囲に属し、m回目に算出された周波数閾値が当該範囲外となった場合において、前記判定手段は、前記第2算出手段で前記m回目に算出された前記周波数閾値が、第2の閾値以上であり、且つ第3の閾値以上でない場合には、前記判定を第1の回数分行うと決定し、当該周波数閾値が前記第3の閾値以上である場合には、前記判定を前記第1の回数より少ない第2の回数分行う決定し、前記第2算出手段で前記m回目に算出された前記周波数閾値が、前記第1の閾値以下であり、且つ第4の閾値以下でない場合には、前記判定を第3の回数分行うと決定し、当該周波数閾値が第4の閾値以下である場合には、前記判定を前記第3の回数より少ない第4の回数分行うと決定し、前記第2算出手段は、前記m回目に算出された前記周波数閾値が前記第2の閾値以上である場合には、m+1回目以降では徐々に増加するように、前記m回目に算出された前記周波数閾値が前記第1の閾値以下である場合には、m+1回目以降では減少するように、周波数閾値を算出するとしてもよい。
この構成によると、単独運転検出装置は、周波数閾値に応じて、比較回数を変更することができる。そのため、単独運転検出装置は、単独運転が行われているのか否かを判定する際に、注入された無効電力により得られる電力変動が大きい場合は、電力変動が小さい場合に比べて単独運転の判定を速くすることができる。
(8)ここで、前記第2算出手段は、前記第1算出手段で算出された第1の無効電力が注入された際に得られるべき系統周波数についての期待値を、当該第1の無効電力の算出より所定時間分過去に算出された第2の無効電力に基づいて算出するとしてもよい。
この構成によると、単独運転検出装置は、第1の無効電力が注入された際に得られるべき系統周波数の期待値を、第1の無効電力の算出より所定時間過去に算出された第2の無効電力を用いて算出している。そのため、単独運転検出装置は、第1算出手段による無効電力の算出処理により生じる、算出された無効電力の注入の遅延が考慮された期待値を算出することができる。
(9)ここで、前記判定手段は、前記第1算出手段における無効電力の算出に用いられる周波数偏差の絶対値が所定値より小さい場合には、前記判定を行わないとしてもよい。
または、前記判定手段は、前記第2算出手段で算出された周波数閾値が、第1の所定値以上であるか、又は前記第1の所定値より小さい値である第2の所定値以下であるかを判断し、前記周波数閾値が、前記第1の所定値以上でなく、かつ前記第2の所定値以下でもないと判断する場合には、前記判定を行わないとしてもよい。
通常、周波数偏差(または周波数閾値)が微小である場合には、系統電源の擾乱等による誤動作が考えられる。
そこで、この構成によると、単独運転検出装置は、周波数偏差(または周波数閾値)が微小である場合には、つまり系統電源の擾乱等による誤動作時には単独運転の判定を行わないので、冗長な判定を回避することができる。
10 分散型電源
20 パワーコンディショナ(PCS)
21 DC/ACインバータ
22 連系リレー
23 単独運転検出装置
30 電力系統
40 負荷
101 計測部(計測手段)
102 無効電力算出部(第1算出手段)
103 注入部(注入手段)
104 周波数閾値算出部(第2算出手段)
105 判定部(判定手段)

Claims (11)

  1. 電力系統と系統連系された分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出装置であって、
    前記電力系統に無効電力を注入する注入手段と、
    前記電力系統の系統周波数を繰り返し計測する計測手段と、
    前記計測手段で計測された系統周波数と、当該計測より過去に計測された系統周波数との周波数偏差に応じて、前記注入手段が注入すべき無効電力を算出する第1算出手段と、
    前記第1算出手段で算出された前記無効電力と、前記計測手段で計測された系統周波数とを用いて、周波数閾値を算出する第2算出手段と、
    前記第1算出手段で算出された前記無効電力が注入された後に前記計測手段で計測された系統周波数と、前記周波数閾値とに基づいて、前記分散型電源が単独運転しているか否かを判定する判定手段と
    を備えることを特徴とする単独運転検出装置。
  2. 前記第2算出手段で用いられる前記系統周波数は、前記第1算出手段における前記無効電力の算出に用いられた、前記計測より過去に計測された系統周波数である
    ことを特徴とする請求項1に記載の単独運転検出装置。
  3. 前記第2算出手段は、
    前記第1算出手段で算出された前記無効電力を注入した際に得られるべき周波数偏差についての期待値を算出し、算出した期待値に前記系統周波数を加算した結果を前記周波数閾値とする
    ことを特徴とする請求項2に記載の単独運転検出装置。
  4. 前記判定手段で行われる前記判定は、前記計測手段で計測された系統周波数と、前記周波数閾値とを複数回比較して前記分散型電源が単独運転しているか否かを判定するものであり、
    前記判定手段は、
    前記計測手段において繰り返し計測された系統周波数それぞれについて、当該系統周波数と、当該系統周波数についての周波数閾値とによる前記比較を行い、
    比較により前記分散型電源が単独運転しているとみなされる結果が所定回数連続して得られた場合に、前記分散型電源が単独運転していると判定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の単独運転検出装置。
  5. 前記計測手段は、前記電力系統の電圧及び当該電力系統に流れる電流を計測し、
    前記第2算出手段は、
    前記第1算出手段で算出された無効電力それぞれから得られるべき各周波数偏差についての期待値を、当該周波数偏差に対する無効電力と、前記計測手段で計測された前記電圧及び前記電流とを用いて算出された周波数のずれ量に係数を乗じて算出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の単独運転検出装置。
  6. 前記第2算出手段は、
    前記判定手段による判定の回数が増えるにつれ、前記係数を増加させて乗算する
    ことを特徴とする請求項5に記載の単独運転検出装置。
  7. 前記第2算出手段でm−1(mは2以上)回目に算出された周波数閾値が第1の閾値より大きく第2の閾値より小さい範囲に属し、m回目に算出された周波数閾値が当該範囲外となった場合において、
    前記判定手段は、
    前記第2算出手段で前記m回目に算出された前記周波数閾値が、第2の閾値以上であり、且つ第3の閾値以上でない場合には、前記判定を第1の回数分行うと決定し、当該周波数閾値が前記第3の閾値以上である場合には、前記判定を前記第1の回数より少ない第2の回数分行う決定し、
    前記第2算出手段で前記m回目に算出された前記周波数閾値が、前記第1の閾値以下であり、且つ第4の閾値以下でない場合には、前記判定を第3の回数分行うと決定し、当該周波数閾値が第4の閾値以下である場合には、前記判定を前記第3の回数より少ない第4の回数分行うと決定し、
    前記第2算出手段は、
    前記m回目に算出された前記周波数閾値が前記第2の閾値以上である場合には、m+1回目以降では徐々に増加するように、前記m回目に算出された前記周波数閾値が前記第1の閾値以下である場合には、m+1回目以降では減少するように、周波数閾値を算出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の単独運転検出装置。
  8. 前記第2算出手段は、
    前記第1算出手段で算出された第1の無効電力が注入された際に得られるべき系統周波数についての期待値を、当該第1の無効電力の算出より所定時間分過去に算出された第2の無効電力に基づいて算出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の単独運転検出装置。
  9. 前記判定手段は、
    前記第1算出手段における無効電力の算出に用いられる周波数偏差の絶対値が所定値より小さい場合には、前記判定を行わない
    ことを特徴する請求項1に記載の単独運転検出装置。
  10. 前記判定手段は、
    前記第2算出手段で算出された周波数閾値が、第1の所定値以上であるか、又は前記第1の所定値より小さい値である第2の所定値以下であるかを判断し、前記周波数閾値が、前記第1の所定値以上でなく、かつ前記第2の所定値以下でもないと判断する場合には、前記判定を行わない
    ことを特徴する請求項1に記載の単独運転検出装置。
  11. 電力系統と系統連系された分散型電源の単独運転を検出する単独運転検出装置で用いられる検出方法であって、
    前記電力系統に無効電力を注入する注入ステップと、
    前記電力系統の系統周波数を繰り返し計測する計測ステップと、
    前記計測ステップで計測された系統周波数と、当該計測より過去に計測された系統周波数との周波数偏差に応じて、前記注入ステップが注入すべき無効電力を算出する第1算出ステップと、
    前記第1算出ステップで算出された前記無効電力と、前記計測ステップで計測された系統周波数とを用いて、周波数閾値を算出する第2算出ステップと、
    前記第1算出ステップで算出された前記無効電力が注入された後に前記計測ステップで計測された系統周波数と、前記周波数閾値とに基づいて、前記分散型電源が単独運転しているか否かを判定する判定ステップと
    を含むことを特徴とする検出方法。
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