JP6064810B2 - 被検査材の測定装置および測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非破壊検査において、軸回りに回転させつつ軸方向に搬送される被検査材について送りピッチ等を測定する装置および方法に関する。さらに詳しくは、被検査材の送りピッチ(探傷ピッチ)等を全長に亘って測定することにより、非破壊検査で未検査領域の発生を抑制できるとともに、重複検査領域が過度になるのを抑制できる被検査材の測定装置および測定方法に関する。
なお、別に記載がない限り、本明細書における用語の定義は次の通りである。
「被検査材」:非破壊検査の際に軸回りに回転させつつ軸方向に搬送される材料であって、例えば、管状材や棒状材が該当し、より具体的には、鋼管や丸鋼が該当する。
超音波探傷を始めとする非破壊検査では、被検査材の全周について全長に亘って探傷するため、探傷センサー(例えば超音波探触子)を被検査材の周方向に沿って相対的に回転させるとともに、被検査材の軸方向に沿って相対的に移動させる必要がある。その方式として、いわゆるスパイラル搬送により、探傷センサーを固定し、被検査材を軸回りに回転させつつ軸方向に移動させる方式がある。また、被検査材を軸回りに回転させつつ、探傷センサーを被検査材の軸方向に移動させる方式があり、この方式は大径材の非破壊検査で採用され易い。被検査材を軸方向に移動させつつ、探傷センサーを被検査材の周方向に移動させる方式もあり、この方式は小径材の非破壊検査で採用され易い。
スパイラル搬送は、搬送可能な寸法範囲が広く、他品種への対応が容易であるので、鋼管の製造ライン上での非破壊検査ではスパイラル搬送が多用される。しかし、1回転あたりに被探傷材が軸方向に移動する距離である送りピッチや軸方向速度、周方向速度の制御が困難という問題点もあり、これらによって定まる探傷ピッチについても制御が困難となる。
このため、非破壊検査におけるスパイラル搬送に関し、従来から種々の提案がなされており、例えば特許文献1がある。特許文献1には、非破壊検査装置の上下流に所用間隔を存して配設された球状のローラによって被検査材をスパイラル搬送する方法が記載されている。特許文献1では、球状ローラによるスパイラル搬送で、予め被検査材の目標送りピッチおよび目標周速度を定め、その目標送りピッチおよび目標周速度を用いて所定の計算式に基づき球状のローラのスキュー角度を設定する。設定した条件で被検査材を搬送し、その際の搬送速度を、光電管からの検出信号およびモータの速度検出用エンコーダのデータにより計算する。その後、目標送りピッチと目標周速度によって定まる目標搬送速度となるように、スキュー角度を補正制御する。
これにより、特許文献1では、目標送りピッチで被検査材を搬送することができるとしている。また、特許文献1には、スパイラル搬送される被検査材の送りピッチを実測する方法として、スパイラル搬送される被検査材にチョーク等を用いてマーキングを連続して行い、オフラインで(スパイラル搬送後に)チョーク跡のピッチを実測する方法が記載されている。
特公昭62−21058号公報
非破壊検査では、被検査材をスパイラル搬送することにより、被検査材の全周について全長にわたって探傷する場合がある。この場合、スパイラル搬送の被検査材の送りピッチによって探傷ピッチが定まり、その探傷ピッチにより欠陥検出能に影響を与える。これは、探傷ピッチが探傷センサーにより検査できる軸方向の範囲より大きくなると、未検査領域が生じ、一方で探傷ピッチが探傷センサーにより検査できる軸方向の範囲より小さ過ぎると、重複検査領域が増大して検査能率が低下するからである。
非破壊検査のスパイラル搬送では、スキューローラにスキュー角を設定し、そのスキュー角を調整することにより探傷ピッチを制御する。このスキューローラは、被検査材を入側から出側まで回転させつつ搬送するため、被探傷材の搬送方向(長手方向)に所定の間隔で複数配設する必要がある。
このようなスパイラル搬送において、複数のスキューローラのスキュー角を完全に一致させることは、スキューローラの寸法バラツキやスキューローラの保持機構の遊び等があることから、困難である。このため、スキューローラごとに送りピッチや軸方向速度、周方向速度が相違するので、被検査材と接触しているスキューローラの組み合わせによって送りピッチが変動する。したがって、被検査材の全長に亘って均一な探傷ピッチで検査することは困難である。被検査材の全長に亘る探傷ピッチを均一化するため、全長に亘って送りピッチ等を測定することが望まれている。全長に亘って送りピッチ等を測定できれば、測定した送りピッチ等をスキューローラのスキュー角等の調整にフィードバックすることにより、被検査材の全長に亘る探傷ピッチを均一化できる。
また、探傷センサーによる探傷の開始は、例えば、スパイラル搬送される被検査材の先頭側の端部を端部検知センサー(例えば近接センサー)で検知することにより行うことができる。具体的には、端部検知センサーによる被検査材の先頭側端部の検知から所定時間が経過した後、探傷センサーによる探傷を開始する。この場合、所定時間は、被検査材の先頭側の端部が端部検知センサーの位置から探傷センサーの位置まで搬送されるのに要する時間となる。このような所定時間は、端部検知センサーから探傷センサーまでの距離を、被検査材の軸方向速度で除することにより算出できる。
一方、探傷センサーによる探傷の終了は、上述の探傷開始と同様に、スパイラル搬送される被検査材の後尾側の端部を端部検知センサー(例えば近接センサー)で検知することにより行うことができる。具体的には、端部検知センサーによる被検査材の後尾側端部の検知から所定時間が経過した後、探傷センサーによる探傷を終了する。この場合、所定時間は、被検査材の後尾側の端部が端部検知センサーの位置から探傷センサーの位置まで搬送されるのに要する時間である。この所定時間も、端部検知センサーから探傷センサーまでの距離を、被検査材の軸方向速度で除することにより算出できる。
被検査材の先頭側または後尾側の端部が端部検知センサーの位置から探傷センサーの位置まで搬送されるのに要する時間を算出する際に、被検査材の軸方向速度としてその目標値を用いると、目標値と実際の速度の差が大きい場合に未検査領域が発生するおそれがある。このため、被検査材の軸方向速度を全長に亘って実測することが望まれている。
前述の特許文献1には、スパイラル搬送される被検査材の送りピッチを実測する方法として、スパイラル搬送される被検査材にチョーク等を用いてマーキングを連続して行い、オフライン(スパイラル搬送後に)でチョーク跡のピッチを実測する方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載される送りピッチの実測方法は、チョーク等を用いたマーキングや、曲率を有する被検査材の外周面におけるピッチの実測に起因して誤差が生じ、精度が十分でない。
また、特許文献1には、被検査材の搬送速度を、光電管からの検出信号およびモータの速度検出用エンコーダのデータにより計算するとしている。しかし、実際の搬送では、ローラと被検査材に滑りが生じるので、特許文献1に記載の搬送速度の測定は、モータの速度検出用エンコーダのデータを用いて計算される搬送速度には誤差が含まれ、精度が十分でない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、被検査材の送りピッチ(探傷ピッチ)や軸方向速度、周方向速度を全長に亘って測定することにより非破壊検査で未検査領域の発生を抑制できるとともに、重複検査領域が過度になるのを抑制できる被検査材の測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するため、種々の試験を行い、鋭意検討を重ねた結果、搬送される被検査材の外面に一定の時間間隔で点状に塗料を塗布してカメラで撮像し、その画像を解析すれば、被検査材の送りピッチ(探傷ピッチ)、軸方向速度および周方向速度を全長に亘って測定できることを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、下記(1)〜(4)の被検査材の測定装置および下記(5)〜(8)の被検査材の測定方法を要旨としている:
(1)非破壊検査において、軸回りに回転させつつ軸方向に搬送される被検査材について送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを測定する装置であって、搬送される被検査材の外周面に一定の時間間隔で点状に塗料を塗布する塗布装置と、搬送される被検査材の点状に塗料が塗布されている外周面を撮像するカメラと、撮像された画像から点状に塗布された塗料の座標を検出する検出手段と、検出された点状の塗布塗料の座標を、被検査材の外周面を平面に展開した状態における距離を示すように補正する補正手段と、補正された点状の塗布塗料の座標を用い、送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを算出する算出手段とを備えることを特徴とする被検査材の測定装置。
(2)前記算出手段が、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出するとともに、その第1群と隣り合い、かつ、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第2群を抽出し、第1群から求められる近似直線と第2群から求められる近似直線の軸方向距離を送りピッチとすることを特徴とする上記(1)に記載の被検査材の測定装置。
(3)前記算出手段が、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出し、その第1群に属する2点を選択し、下記(1)式により軸方向速度VA(mm/秒)を算出することを特徴とする上記(1)に記載の被検査材の測定装置。
VA=DA/{(N+1)TP} ・・・(1)
ここで、DAは選択された2点の軸方向距離(mm)、Nは選択された2点の間に存在する点の数、TPは塗料を点状に塗布する時間間隔(秒)とする。
(4)前記算出手段が、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出し、その第1群に属する2点を選択し、下記(2)式により周方向速度VC(mm/秒)を算出することを特徴とする上記(1)に記載の被検査材の測定装置。
VC=DC/{(N+1)TP} ・・・(2)
ここで、DCは選択された2点の周方向距離(mm)、Nは選択された2点の間に存在する点の数、TPは塗料を点状に塗布する時間間隔(秒)とする。
(5)非破壊検査において、軸回りに回転させつつ軸方向に搬送される被検査材について送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを測定する方法であって、搬送される被検査材の外周面に一定の時間間隔で点状に塗料を塗布するステップと、搬送される被検査材の点状に塗料が塗布されている外周面をカメラで撮像するステップと、撮像された画像から点状に塗布された塗料の座標を検出するステップと、検出された点状の塗布塗料の座標を、被検査材の外周面を平面に展開した状態における距離を示すように補正するステップと、補正された点状の塗布塗料の座標を用い、送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを算出するステップとを含むことを特徴とする被検査材の測定方法。
(6)前記補正された点状の塗布塗料の座標を用いての送りピッチを算出する際に、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出するとともに、その第1群と隣り合い、かつ、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第2群を抽出し、第1群から求められる近似直線と第2群から求められる近似直線の軸方向距離を演算することにより送りピッチを算出することを特徴とする上記(5)に記載の被検査材の測定方法。
(7)前記補正された点状の塗布塗料の座標を用いて軸方向速度を算出する際に、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出し、その第1群に属する2点を選択し、下記(1)式により軸方向速度VA(mm/秒)を算出することを特徴とする上記(5)に記載の被検査材の測定方法。
VA=DA/{(N+1)TP} ・・・(1)
ここで、DAは選択された2点の軸方向距離(mm)、Nは選択された2点の間に存在する点の数、TPは塗料を点状に塗布する時間間隔(秒)とする。
(8)前記補正された点状の塗布塗料の座標を用いて周方向速度を算出する際に、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出し、その第1群に属する2点を選択し、下記(2)式により周方向速度VC(mm/秒)を算出することを特徴とする上記(5)に記載の被検査材の測定方法。
VC=DC/{(N+1)TP} ・・・(2)
ここで、DCは選択された2点の周方向距離(mm)、Nは選択された2点の間に存在する点の数、TPは塗料を点状に塗布する時間間隔(秒)とする。
本発明の被検査材の測定装置および測定方法は、スパイラル搬送される被検査材について送りピッチや軸方向速度、周方向速度を全長に亘って測定できる。これにより、非破壊検査で未検査領域の発生を抑制できるとともに、重複検査領域が過度になるのを抑制できる。
本発明に係る被検査材の測定装置の構成例を説明する模式図である。 本発明の補正処理を説明する模式図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。 補正された点状の塗布塗料の分布を示す模式図である。
以下に、本発明の被検査材の測定装置および測定方法について説明する。
[被検査材の測定装置]
図1は、本発明に係る被検査材の測定装置の構成例を説明する模式図である。同図には、被検査材である管10と、管をスパイラル搬送するスキューローラ20と、非破壊検査装置の探傷センサー70と、被検査材の測定装置30とを示す。また、同図には、搬送される管10が軸方向に移動する向きをハッチングを施した矢印で示すとともに、周方向に回転する向きを実線矢印で示す。同図に示す被検査材の測定装置30は、塗布装置31と、カメラ32と、パーソナルコンピュータ40とで構成される。また、非破壊検査装置の探傷センサー70は、塗布装置31により塗料を塗布する位置の後段であって、カメラ32が撮像する領域の前段に配設される。
本発明の被検査材の測定装置30は、非破壊検査において、軸回りに回転させつつ軸方向に搬送される被検査材について送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを測定する装置である。非破壊検査は、例えば、超音波探傷や過流探傷が該当する。
塗布装置31は、スパイラル搬送される被検査材の外周面に一定の時間間隔で点状に塗料を塗布する。塗料を塗布する時間間隔は、送りピッチや周方向の搬送速度に応じて適宜設定すればよい。塗布装置により塗料を点状に塗布するが、その塗布された塗料(以下、単に「塗布塗料」ともいう)がカメラにより撮像した画像で検出できる限り、塗布塗料の形状や大きさに制限はない。点状の塗布塗料の形状として、例えば円形状や矩形状を採用することができる。このような塗布装置としては、例えば、塗料を滴化して被検査材に吹き付ける方式の塗料射出機を採用できる。塗料は、次工程で容易に洗い流すことができるように、水性の塗料とするのが好ましい。
カメラ32は、塗布装置31の後段に配置され、搬送される外周面のうちで被検査材の点状に塗料が塗布されている部分を撮像する。そのカメラ32は、例えば、CCDカメラを用いることができる。カメラ32で撮像された画像を用いた処理を簡素化する観点から、カメラ32で撮像された画像の上下方向または横方向の中央位置が被検査材の外周面の中心となるようにカメラ32を配置するのが好ましい。
パーソナルコンピュータ40は、検出手段、補正手段および算出手段として機能する。パーソナルコンピュータ40は、例えば、本体41やモニター42、マウス(図示なし)、キーボード(図示なし)で構成できる。その本体41では、検出手段、補正手段および算出手段を実現するため、プログラムが実行される。本体41で、カメラ32により撮像された画像を受信し、プログラムが動作することにより、検出手段、補正手段および算出手段による処理を行い、送りピッチや軸方向速度、周方向速度を測定する。
検出手段は、撮像された画像から点状に塗布された塗料の座標を検出する。また、補正手段は、検出された点状の塗布塗料の座標を、被検査材の外周面を平面に展開した状態における距離を示すように補正する。算出手段は、補正された点状の塗布塗料の座標を用い、送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを算出する。このような検出手段、補正手段および算出手段については、具体的な処理内容および好ましい形態を後述する。
このような本発明の被検査材の測定装置は、カメラ32により搬送される被検査材を所定の時間間隔で全長に亘って撮像し、撮像された画像から検出手段、補正手段および算出手段を用いて送りピッチ等を算出すれば、全長に亘って送りピッチ等を測定できる。
[被検査材の測定方法]
本発明の被検査材の測定方法は、非破壊検査において、軸回りに回転させつつ軸方向に搬送される被検査材について送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを測定する方法である。非破壊検査は、例えば、超音波探傷や過流探傷が該当する。
本発明の被検査材の測定方法は、搬送される被検査材の外周面に一定の時間間隔で点状に塗料を塗布する。その塗料の塗布は、例えば、前記図1に示す測定装置30が備える塗布装置31により行うことができる。塗料を塗布する時間間隔や点状の塗布塗料の形状および大きさは、前述の本発明の被検査材の測定装置と同様に設定できる。塗料は、次工程で容易に洗い流すことができるように、水性の塗料とするのが好ましい。
本発明の被検査材の測定方法は、搬送される被検査材の点状に塗料が塗布されている外周面をカメラで撮像する。そのカメラでの撮像は、例えば、前記図1に示す測定装置30が備えるカメラ32により行うことができる。撮像した画像を用いるその後の処理において処理を簡素化する観点から、撮像された画像の上下方向または横方向の中央位置が被検査材の外周面の中心となるようにカメラで画像を撮像するのが好ましい。
本発明の被検査材の測定方法は、撮像された画像から点状に塗布された塗料の座標を検出する。また、検出された点状の塗布塗料の座標を、被検査材の外周面を平面に展開した状態における距離を示すように補正する。補正された点状の塗布塗料の座標を用い、送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを算出する。これらの点状の塗布塗料の座標検出、座標の補正および送りピッチ等の算出については、具体的な処理内容および好ましい形態を後述する。
このような本発明の被検査材の測定方法は、カメラ32により搬送される被検査材を所定の時間間隔で全長に亘って撮像し、撮像された画像から点状の塗布塗料の座標検出、その座標の補正、および、補正された座標を用いる送りピッチ等の算出を行えば、全長に亘って送りピッチ等を測定できる。
[点状の塗布塗料の座標検出]
前述の通り、本発明の被検査材の測定装置は、検出手段によって撮像された画像から点状に塗布された塗料の座標を検出する。また、本発明の被検査材の測定方法は、撮像された画像から点状に塗布された塗料の座標を検出する。これらの点状の塗布塗料の座標検出は、例えば、撮像された画像について被検査材の外周面と点状の塗布塗料とを識別する処理を行った後、識別された点状の塗布塗料の領域について座標を求める処理を行うことにより実現できる。
撮像された画像で被検査材の外周面と点状の塗布塗料とを識別する処理は、色相や明度を基準とする2値化により行うことができる。2値化の基準は、被検査材の外周面の性状や塗料に応じて設定できる。これにより、撮像された画像内に存在する複数の点状の塗布塗料を識別できる。
また、識別された点状の塗布塗料について座標を求める処理では、例えば、点状の塗布塗料の領域について重心を求め、その重心の座標を点状の塗布塗料の座標とすることができる。撮像された画像内には、点状の塗布塗料が複数存在するので、各点状の塗布塗料についてそれぞれ座標を求めることにより、点群が得られる。このようにして検出した点状の塗布塗料の座標は、適宜、単位を[pixel]から[mm]に換算する。
[座標の補正]
前述の通り、本発明の被検査材の測定装置は、補正手段によって検出された点状の塗布塗料の座標を、被検査材の外周面を平面に展開した状態における距離を示すように補正する。また、本発明の被検査材の測定方法は、検出された点状の塗布塗料の座標を、被検査材の外周面を平面に展開した状態における距離を示すように補正する。
これらの補正は、以下の理由により行う。
(1)カメラにより撮像された画像は2次元であるが、実際の点状の塗布塗料は曲率を有する被検査材の外周面に分布することから、3次元に分布する。この被検査材の外周面の曲率(半径)を考慮するためである。
(2)外周面を平面に展開すれば、点状の塗布塗料が直線状に分布することから、送りピッチの算出で直線近似を利用できる。また、外周面を平面に展開すれば、周方向速度の算出が可能となる。
検出された点状の塗布塗料の座標を、外周面を平面に展開した状態における距離を示すように補正する処理について、下記図2を用いて説明する。
図2は、本発明の補正処理を説明する模式図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。同図には、被検査材である管10と、その管の外周面を撮像するカメラ32とを示す。撮像された画像の中央位置が被検査材の外周面の中心とするため、同図(a)に示すように、カメラ32の真下に管10の軸が位置するようにカメラ32が配置されている。
同図には撮像された画像に設定されるxy座標系を示す。そのxy座標はカメラ32の真下位置(撮像された画像の中央位置)を原点(同図の黒塗りの丸印参照)とし、管の長手方向をx軸、周方向をy軸とする。同図には、さらに、撮像された画像から検出された点状の塗布塗料51の位置を×印で示し、その点状の塗布塗料51のxy座標系における座標を(a,b)とする。ここで、座標(a,b)の単位はmmとする。同図には、さらに、画像から検出された点状の塗布塗料51に対応する被検査材の外周面における点状の塗布塗料52の位置(実際の点状の塗布塗料位置)を×印で示す。
一方、x’y’座標系(図示なし)は、外周面を平面に展開した状態における座標系である。そのx’y’座標系は、カメラ32の真下位置(撮像された画像の中央位置)を原点とし、管の長手方向をx’軸、周方向をy’軸とする。そのx’y’座標系における実際の点状の塗布塗料52の座標を(c,d)とする。ここで、座標(c,d)の単位はmmとする。また、同図に示すdは、原点からの直線距離ではなく、被検査材の外周面に沿った距離、換言すると、円弧長さを意味する。
x’y’座標系における実際の点状の塗布塗料52の座標(c,d)は、xy座標系における検出された点状の塗布塗料51の座標(a,b)を用いて下記(3)式および(4)式により算出できる。
c=(a/L)×{L+r×(1−cosθ)} ・・・(3)
d=r×θ ・・・(4)
ここで、rは管(被検査材)10の外周面の半径(mm)、Lはカメラ32から管(被検査材)10の外周面までの距離(mm)、θは、管(被検査材)10の軸とxy座標系の原点とを結ぶ直線と、管(被検査材)10の軸と実際の点状の塗布塗料52とを結ぶ直線とがなす角度(rad)である。上記θは、下記(5)式により算出できる。
Figure 0006064810
このように上記(3)〜(5)式を用いてx’y’座標系の座標(c,d)を求め、求めた座標(c,d)を点状の塗布塗料の座標に設定することにより、検出された点状の塗布塗料の座標を被検査材の外周面を平面に展開した状態における距離を示すように補正できる。この補正を、点群を構成する各点状の塗布塗料についてそれぞれ行う。
[送りピッチ等の算出]
前述の通り、本発明の被検査材の測定装置は、算出手段により、補正された点状の塗布塗料の座標を用いて送りピッチ等を算出する。また、本発明の被検査材の測定方法は、補正された点状の塗布塗料の座標を用いて送りピッチ等を算出する。それらの処理を、下記図3を参照しながら説明する。
図3は、補正された点状の塗布塗料の分布を示す模式図である。同図のx’y’座標系は、外周面を平面に展開した状態における座標系である。そのx’y’座標系は、撮像された画像の中央位置を原点とし、管の長手方向をx’軸、周方向をy’軸とする。また、被探傷材の外周面の軸がx’軸に位置する。同図には、補正された点状の塗布塗料60を×印で示す。また、点状の塗布塗料60の分布について理解を容易にするため、管の外周面の輪郭61を二点鎖線で示し、画像の領域62を点線で示す。
送りピッチや軸方向速度、周方向速度を算出するに際し、所定の軸方向(x’軸方向)の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出する。これにより、検出されて補正された点状の塗布塗料で構成される点群から、直線状に分布する点状の塗布塗料の点群を抽出する。
送りピッチを算出する場合、第1群を抽出するのに加えて、その第1群と隣り合い、かつ、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第2群を抽出する。直線状に分布する点状の塗布塗料の点群と、それと隣り合う直線状に分布する点状の塗布塗料の点群との軸方向距離が、送りピッチであるからである。このような第1群および第2群を抽出する処理は、例えば、以下の手順Aにより行うことができる。
(手順A)
(1)検出されて補正された点状の塗布塗料で構成される点群を、x’座標値を基準に昇順で並び替える。
(2)x’座標値が所定の範囲に分布する点状の塗布塗料の点群を抽出する。
(3)抽出された点群についてそれぞれx’座標値を平均し、その平均の絶対値を求める。
(4)点群のうちで、x’座標の平均の絶対値が最小である点群を第1群63とし、x’座標の平均の絶対値が2番目に小さい点群を第2群64とする。
x’座標値が所定の範囲に分布する点状の塗布塗料の点群を抽出する際の所定の範囲は、送りピッチ(または被検査材の軸方向速度)やカメラで撮像された画像の大きさに応じて設定すればよい。
x’座標値が所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料の点群を抽出する処理は、より具体的には、以下の手順Bを繰り返すことにより行うことができる。下記手順Bにおける閾値は、塗料を塗布する時間間隔およびスパイラル搬送される被検査材の周方向速度に応じて設定すればよい。また、mは点状の塗布塗料の索引番号を示す変数であり、2から検出されて補正された点状の塗布塗料で構成される点群に属する点状の塗布塗料の個数まで1ずつ増加させて下記手順Bを行う。
(手順B)
(1)m−1番目である点状の塗布塗料のy’座標値と、m番目である点状の塗布塗料のy’座標値との差について絶対値を求める。
(2)その差の絶対値が閾値未満の場合にm番目である点状の塗布塗料をm番目である点状の塗布塗料と同じ点群とし、その差の絶対値が閾値を超える場合にm番目である点状の塗布塗料を新たな点群とする。
送りピッチは、上述の手順Aで抽出した第1群63および第2群64を用いて算出できる。同図に示すように、第1群63から第1近似直線65を求めるとともに、第2群64から第2近似直線66を求め、その第1近似直線65と第2近似直線66との軸方向(x’軸方向)距離を送りピッチとすることができる。第1近似直線65と第2近似直線66との距離(mm)は、より具体的には、第1近似直線65をx’=a1×y’+b1、第2近似直線66をx’=a2×y’+b2とした場合に|b2−b1|とすることができる。第1近似直線65および第2近似直線66は、例えば、最小二乗法により求めることができる。
また、第1群のx’座標値について平均値av1を求め、第2群のx’座標値について平均値av2を求め、その差の絶対値である|av1−av2|を送りピッチとすることもできる。
軸方向速度は、所定の軸方向(x’軸方向)の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を用いて算出できる。その第1群に属する2点を選択し、下記(1)式により軸方向速度VA(mm/秒)を算出できる。
VA=DA/{(N+1)TP} ・・・(1)
ここで、DAは選択された2点の軸方向(x’軸方向)距離(mm)、Nは選択された2点の間に存在する点の数、TPは塗料を点状に塗布する時間間隔(秒)とする。
軸方向速度を算出する処理は、被探傷材の外周面の軸から遠ざかるほど、外周面の曲率に起因して点状の塗布塗料の座標に誤差が生じやすい傾向があることから、下記の手順Cで行うのが好ましい。これにより、点状の塗布塗料のうちで被探傷材の外周面の軸の周辺に位置する点状の塗布塗料を選択して軸方向速度を算出できる。下記の手順Cは、前述の第1群63および第2群64を抽出する手順Aにより抽出された第1群を用いる。手順Cにおけるlは自然数であり、塗料を点状に塗布する時間間隔や、スパイラル搬送される被検査材の周方向速度、カメラで撮像された画像の大きさに応じて設定すればよい。
(手順C)
(1)第1群に属し、かつ、y’座標値が0以上である点状の塗布塗料のうちで、l番目(例えば3番目)にy’軸に近い点状の塗布塗料を選択し、選択した点状の塗布塗料のx’座標値eを取得する。
(2)第1群に属し、かつ、y’座標値が0未満である点状の塗布塗料のうちで、l番目(例えば3番目)にy’軸に近い点状の塗布塗料のx’座標値fを取得する。
(3)DA=|e−f|、N=2×l−1とし、前記(1)式により軸方向速度VA(mm/秒)を算出する。
周方向速度は、所定の軸方向(x’軸方向)の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を用いて算出できる。その点群に属する2点を選択し、下記(2)式により周方向速度VC(mm/秒)を算出できる。
VC=DC/{(N+1)TP} ・・・(2)
ここで、DCは選択された2点の周方向(y’軸方向)距離(mm)、Nは選択された2点の間に存在する点の数、TPは塗料を点状に塗布する時間間隔(秒)とする。
周方向速度を算出する処理は、被探傷材の外周面の軸から遠ざかるほど、外周面の曲率に起因して点状の塗布塗料の座標に誤差が生じやすい傾向があることから、下記の手順Dにより行うのが好ましい。これにより、点状の塗布塗料のうちで被探傷材の外周面の軸の周辺に位置する点状の塗布塗料を選択して軸方向速度を算出できる。下記の手順Dは、前述の第1群63および第2群64を抽出する手順Aにより抽出された第1群を用いる。手順Dにおけるoは自然数であり、塗料を点状に塗布する時間間隔や、スパイラル搬送される被検査材の周方向速度、カメラで撮像された画像の大きさに応じて設定すればよい。
(手順D)
(1)第1群に属し、かつ、y’座標値が0以上である点状の塗布塗料のうちで、o番目(例えば3番目)にy’軸に近い点状の塗布塗料を選択し、選択した点状の塗布塗料のy’座標値gを取得する。
(2)第1群に属し、かつ、y’座標値が0未満である点状の塗布塗料のうちで、o番目(例えば3番目)にy’軸に近い点状の塗布塗料のy’座標値hを取得する。
(3)DC=|g−h|、N=2×o−1とし、上記(2)式により周方向速度VC(mm/秒)を算出する。
このようにして本発明の被検査材の測定装置および測定方法は、送りピッチや軸方向速度、周方向速度を測定できる。本発明により、非破壊検査においてスパイラル搬送される被探傷材の送りピッチを全長に亘って測定することにより探傷ピッチを全長に亘って把握すれば、未検査領域の発生および過度な重複検査領域の発生を検出できる。したがって、本発明は、未検査領域の発生を検出することにより、不良品の流出を防止できる。また、本発明は、未検査領域が発生した場合や過度な重複検査領域が発生した場合に、スパイラル搬送の条件を再調整して適正化することにより、検査効率を向上できる。
本発明を用いてスパイラル搬送される被検査材の軸方向速度を全長に亘って測定し、その結果に応じてスパイラル搬送の条件を再調整して適正化することにより、被検査材の軸方向速度を全長に亘って均一化できる。これにより、スパイラル搬送される被検査材の先頭側の端部を端部検知センサーで検知し、その検知から所定時間を経過した後に探傷センサーによる探傷を開始する処理が適正化され、未検査領域が発生するのを抑制できる。同様に、スパイラル搬送される被検査材の後尾側の端部を端部検知センサーで検知し、その検知から所定時間を経過した後に探傷センサーによる探傷を終了する処理が適正化され、未検査領域が発生するのを抑制できる。
さらに、本発明により送りピッチや軸方向速度、周方向速度を測定し、その測定結果をスパイラル搬送装置に入力してフィードバック制御することも実現できる。例えば、送りピッチや軸方向速度、周方向速度の測定結果とスパイラル搬送装置に設定された目標値と比較し、その差に応じてスキュー角やスキューローラの回転数を調整し、送りピッチや軸方向速度、周方向速度を目標値に制御する。これにより、非破壊検査におけるスパイラル搬送の送りピッチを均一化し、探傷ピッチを全長に亘って均一化できる。
本発明は、搬送される被検査材の外周面に一定の時間間隔で点状に塗料を塗布するとともに、点状に塗料が塗布されている外周面をカメラで撮像することにより、従来の送りピッチの実測方法と比べ、送りピッチ等の測定精度を向上できる。また、モータの速度検出用エンコーダのデータ等を用いることなく、一定の時間間隔で点状に塗料を塗布するとともにその外周面をカメラで撮像するので、測定結果にローラの滑り等による誤差が生じない。これによっても送りピッチ等の測定精度を向上できる。
本発明の被検査材の測定装置および測定方法により、非破壊検査においてスパイラル搬送される管について送りピッチ等を測定する試験を行い、本発明の効果を検証した。
[試験方法]
本試験では、前記図1に示す被検査材の測定装置を用いた。被検査材の管は、材質SUS304、外径114.3mm、肉厚8.2mm、長さ11000mmであった。その管をスキューローラによりスパイラル搬送した。
塗布装置により管の外周面に一定の時間間隔で点状の塗料を塗布する際は、水性の塗料を円形状に1/120秒間隔で塗布した。カメラにより塗料が塗布されている外周面を撮像する際は、管の軸が撮像される画像の上下方向の中央位置となるようにカメラを配置して撮像した。カメラによる画像の撮像は、搬送される管の全長に亘って行い、計1980枚の画像を撮像した。
撮像した画像をパーソナルコンピュータで順次受信し、管の外周面と点状の塗布塗料を明確に判別可能なように閾値を設定し、色相を基準に2値化することで点状の塗布塗料を識別した。全ての識別された点状の塗布塗料について、その領域の重心を求め、その重心の座標を点状の塗布塗料の座標とすることにより、点群を得た。また、検出した点状の塗布塗料の座標は、単位を[pixel]から[mm]に換算した。
座標の補正は、前記(3)式〜(5)式により行った。この補正を点群を構成する全ての点状の塗布塗料について行った。ここで、カメラから管の外周面までの距離Lは、約500mmであった。
前述の手順Aおよび手順Bにより、点群からx’座標値が所定の範囲に分布する点状の塗布塗料の点群を抽出し、抽出された点群のうちで、x’座標の平均の絶対値が最小である点群を第1群とし、x’座標の平均の絶対値が2番目に小さい点群を第2群とした。
送りピッチを算出するに際し、第1群から第1近似直線(x’=a1×y’+b1)を求めるとともに、第2群から第2近似直線(x’=a2×y’+b2)を求めた。第1近似直線および第2近似直線は、最小二乗法によって求めた。そして、|b2−b1|を第1近似直線と第2近似直線の軸方向距離とし、その距離を送りピッチとした。
また、前述の手順Cにより、軸方向速度を算出し、その際はl=3とした。前述の手順Dにより、周方向速度を算出し、その際はo=3とした。
比較のため、本試験では、スパイラル搬送される管に、その外周面に対して垂直状態で固定されたマーカー(ペン)を当接させて線を引いた。スパイラル搬送後に、画像を撮影した箇所において、マーカーによる線の間隔を測定することにより、送りピッチを測定した。
また、本試験では、スパイラル搬送される管の外周面に、周速度計が備えるタッチローラを押し当てた状態とした。カメラが画像を撮像する時に、周速度計により測定される周速度(以下では「探傷速度」ともいう)を記録した。
周速度計により測定した探傷速度(mm/秒)は、軸方向速度と周方向速度が合成された速度である。このため、本発明により測定した軸方向速度VA(mm/秒)および周方向速度VC(mm/秒)を用い、下記(6)式により探傷速度V(mm/秒)を算出した
V=(VA2+VC21/2 ・・・(6)
[試験結果]
本発明により測定した送りピッチと、マーカーによる線を用いて測定した送りピッチとを、管の全長に亘って比較したところ、いずれも誤差が5%以下であった。また、本発明により測定した軸方向速度および周方向速度から算出した探傷速度と、周速度計により測定した探傷速度とを、管の全長に亘って比較したところ、いずれも誤差が5%以下であった。このため、本発明の被検査材の測定装置および測定方法により、搬送される管について全長に亘って送りピッチ、軸方向速度および周方向速度が測定できることが明らかになった。
本発明の被検査材の測定装置および測定方法は、非破壊検査においてスパイラル搬送される被検査材について送りピッチ(探傷ピッチ)や軸方向速度、周方向速度を全長に亘って測定できる。このため、本発明を鋼管の製造ラインにおける超音波探傷によるきず検査に適用すれば、未検査領域の発生を抑制することにより品質向上に寄与できる。また、重複検査領域が過度になるのを抑制することにより製造効率の向上に寄与できる。
10:管、 10a:管の外周面の中心、 11:点状の塗布塗料、
20:スキューローラ、 30:被探傷材の測定装置、 31:塗布装置、
32:カメラ、 32a:カメラの中心、 40:パーソナルコンピュータ、
41:本体、 42:モニター、 51:画像から検出された点状の塗布塗料、
52:実際の点状の塗布塗料、 60:補正された点状の塗布塗料、
61:被検査材の外周面の輪郭、 62:画像の領域、
63:点状の塗布塗料の第1群、 64:点状の塗布塗料の第2群、
65:第1群の近似直線、 66:第2群の近似直線、 70:探傷センサー

Claims (8)

  1. 非破壊検査において、軸回りに回転させつつ軸方向に搬送される被検査材について送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを測定する装置であって、
    搬送される被検査材の外周面に一定の時間間隔で点状に塗料を塗布する塗布装置と、
    搬送される被検査材の点状に塗料が塗布されている外周面を撮像するカメラと、
    撮像された画像から点状に塗布された塗料の座標を検出する検出手段と、
    検出された点状の塗布塗料の座標を、被検査材の外周面を平面に展開した状態における距離を示すように補正する補正手段と、
    補正された点状の塗布塗料の座標を用い、送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを算出する算出手段とを備えることを特徴とする被検査材の測定装置。
  2. 前記算出手段が、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出するとともに、その第1群と隣り合い、かつ、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第2群を抽出し、第1群から求められる近似直線と第2群から求められる近似直線の軸方向距離を送りピッチとすることを特徴とする請求項1に記載の被検査材の測定装置。
  3. 前記算出手段が、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出するとともに、その第1群と隣り合い、かつ、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第2群を抽出し、第1群から求められる近似直線と第2群から求められる近似直線の軸方向距離を送りピッチとすることを特徴とする請求項1に記載の被検査材の測定装置。
  4. 前記算出手段が、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出し、その第1群に属する2点を選択し、下記(2)式により周方向速度VC(mm/秒)を算出することを特徴とする請求項1に記載の被検査材の測定装置。
    VC=DC/{(N+1)TP} ・・・(2)
    ここで、DCは選択された2点の周方向距離(mm)、Nは選択された2点の間に存在する点の数、TPは塗料を点状に塗布する時間間隔(秒)とする。
  5. 非破壊検査において、軸回りに回転させつつ軸方向に搬送される被検査材について送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを測定する方法であって、
    搬送される被検査材の外周面に一定の時間間隔で点状に塗料を塗布するステップと、
    搬送される被検査材の点状に塗料が塗布されている外周面をカメラで撮像するステップと、
    撮像された画像から点状に塗布された塗料の座標を検出するステップと、
    検出された点状の塗布塗料の座標を、被検査材の外周面を平面に展開した状態における距離を示すように補正するステップと、
    補正された点状の塗布塗料の座標を用い、送りピッチ、軸方向速度および周方向速度のうちの少なくとも一つを算出するステップとを含むことを特徴とする被検査材の測定方法。
  6. 前記補正された点状の塗布塗料の座標を用いての送りピッチを算出する際に、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出するとともに、その第1群と隣り合い、かつ、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第2群を抽出し、第1群から求められる近似直線と第2群から求められる近似直線の軸方向距離を演算することにより送りピッチを算出することを特徴とする請求項5に記載の被検査材の測定方法。
  7. 前記補正された点状の塗布塗料の座標を用いて軸方向速度を算出する際に、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出し、その第1群に属する2点を選択し、下記(1)式により軸方向速度VA(mm/秒)を算出することを特徴とする請求項5に記載の被検査材の測定方法。
    VA=DA/{(N+1)TP} ・・・(1)
    ここで、DAは選択された2点の軸方向距離(mm)、Nは選択された2点の間に存在する点の数、TPは塗料を点状に塗布する時間間隔(秒)とする。
  8. 前記補正された点状の塗布塗料の座標を用いて周方向速度を算出する際に、所定の軸方向の範囲に分布する点状の塗布塗料からなる第1群を抽出し、その第1群に属する2点を選択し、下記(2)式により周方向速度VC(mm/秒)を算出することを特徴とする請求項5に記載の被検査材の測定方法。
    VC=DC/{(N+1)TP} ・・・(2)
    ここで、DCは選択された2点の周方向距離(mm)、Nは選択された2点の間に存在する点の数、TPは塗料を点状に塗布する時間間隔(秒)とする。
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