JP6063783B2 - ガスメータ - Google Patents

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Description

この発明は、大地震の発生等によりガスの供給が遮断されて閉弁状態となった緊急遮断弁を手動操作で開弁状態に復帰させるようにしたガスメータに関する。
ガス流量を計測するために使用されるマイコンメータ等の乾式のガスメータにおいては、大地震発生時等の異常事態発生時には、緊急遮断弁が作動してガスの供給が遮断されるようになっている。
例えば特許文献1に示す大型ガスメータにおいては、メータケーシング内におけるガス流入側の口金近傍には、弁ケースが設けられ、この弁ケースの前壁に緊急遮断口が形成されている。そして通常状態では口金から弁ケースに流入したガスが、緊急遮断口を通って計量室に導入されるようになっている。さらに緊急遮断口の後方には、前方に進出可能な緊急遮断弁が配置されており、異常時にはこの緊急遮断弁が進出して緊急遮断口が閉塞されてガスの供給が遮断されるようになっている。
このようなガスメータにおいては、作動した緊急遮断弁を正常位置(開弁位置)に復帰させるために手動の復帰装置が設けられている。すなわちメータケーシング内において、緊急遮断弁を支持する弁軸の前端には、その弁軸の延長線上に中間軸が設けられている。一方、メータケーシングの前壁には、復帰軸が前後方向にスライド自在に貫通配置されている。この復帰軸は、中間軸と同軸上に配置されており、復帰軸の後端が、メータケーシング内において、中間軸の前端に対し緊急遮断弁のストローク分だけ離間して配置されており、緊急時に弁軸および中間軸が緊急遮断弁と共に前進した際には、中間軸の前端が復帰軸の後端近傍に配置されるようになっている。そしてその弁作動状態(閉弁状態)から正常状態(開弁状態)に復帰させる場合には、メータケーシングの前方から復帰軸を後方へ押し込み、その復帰軸によって、中間軸および弁軸と共に緊急遮断弁を後方に押し込む。これにより、緊急遮断弁が初期位置に復帰する一方、復帰軸は、バネ等の付勢手段の付勢力よって前方に押し戻されて、前方に突出した状態(初期状態)に戻るようになっている。
特開2000−97743号公報
ところで、上記従来のガスメータにおいて、復帰軸は、弁軸および中間軸のストローク分だけ中間軸から前方に離間して配置しているため、復帰軸がメータ外表面から前方に大きく突出した状態に配置されている。このため例えば、ガスメータ周辺で何らかの作業をしていると、作業者の衣服や身体、あるいは作業用器材等が復帰軸に引っ掛かってしまい、周辺作業に支障を来たすという課題があった。また場合によっては器材等が復帰軸に強く衝突して、復帰軸が折れ曲がってしまうという課題もあった。
さらに復帰軸は、異常時(閉弁時)および正常時(開弁時)にかかわらず、突出量は常に同じであるため、復帰軸の突出具合を見ても、ガスの供給が遮断されている閉弁状態なのか、遮断されていない通常の開弁状態なのかを判断できないという課題もあった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、復帰軸に引っ掛かったり、復帰軸が折れ曲がってしまったりする等の不具合を防止できるとともに、復帰軸の突出具合によってガスの供給が遮断されている状態か否かを簡単かつ正確に判断することができるガスメータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
[1]メータケーシング内のガス流路上に緊急遮断口が設けられ、作動軸に支持された緊急遮断弁が前記緊急遮断口の後方に離間して配置された開弁状態ではガスが供給され、その開弁状態から前記作動軸が進出して前記緊急遮断弁が前記緊急遮断口を閉塞した閉弁状態ではガスの供給が遮断されるようにしたガスメータにおいて、
前記メータケーシングにおける前記作動軸の前方に対応する位置に、復帰軸が前記作動軸の軸心に沿ってスライド自在に貫通配置されるとともに、開弁状態では前記復帰軸の後端が前記作動軸の前端に対向して配置され、
開弁状態から前記作動軸が進出して閉弁状態に移行する際には、前記作動軸に押されて前記復帰軸が前記メータケーシングの外表面から前方に突出するように移動する一方、
前方に突出するように移動した前記復帰軸を後方に押込操作することによって、その復帰軸に押されて前記作動軸が前記緊急遮断弁と共に後退して開弁状態に復帰するようになっていることを特徴とするガスメータ。
[2]開弁状態において前記復帰軸の前端部が前記メータケーシングの外表面から突出配置され、
前記メータケーシングの外面に、前記復帰軸の前端部を覆うカバー部材が設けられるとともに、そのカバー部材に開閉自在に前蓋が設けられている前項1に記載のガスメータ。
[3]開弁状態から前記復帰軸が前方に移動した際に、その復帰軸に押されて前記カバー部材の前蓋が開放されて、前記復帰軸の前端が露出されるようになっている前項2に記載のガスメータ。
[4]前記カバー部材の前蓋の前面に、開弁状態であることを示す記号が表示されている前項3に記載のガスメータ。
発明[1]のガスメータによれば、開弁状態において、復帰軸を作動軸に対向配置させて、作動軸が進出した際にはその作動軸に押されて、復帰軸をメータ外表面から前方に突出移動させるようにしているため、復帰軸が突出移動していない開弁状態では、復帰軸のメータ外表面からの突出量を少なくすることができる。このため復帰軸に、周辺者の衣服や身体が引っ掛かってしまうような不具合を防止できるとともに、器材等が復帰軸に衝突して復帰軸が折れ曲がってしまうような不具合を防止することができる。また開弁状態では復帰軸の突出量が少なく、閉弁状態では突出量が多くなるため、復帰軸の突出具合を基に、開弁状態か否かを簡単に判断することができる。
発明[2]のガスメータによれば、開弁状態で、復帰軸の突出部分がカバー部材によって覆われているため、復帰軸の突出部分を隠蔽することができ、良好な美観を得ることができる。
発明[3]のガスメータによれば、閉弁状態となった場合には、復帰軸に押されてカバー部材の前蓋が開放されて、復帰軸の前端が露出されるため、開弁状態との形態の相違を一目で簡単に見分けることができ、開弁状態か否かを、より簡単にかつ正確に判断することができる。
発明[4]のガスメータによれば、開弁状態では、その状態を示す記号を視認できるため、開弁状態か否かを、より一層簡単にかつ正確に判断することができる。
図1はこの発明の実施形態であるガスメータを示す正面図である。 図2は実施形態のガスメータの上側部を開弁状態で示す側面断面図である。 図3は実施形態のガスメータの上側部を閉弁状態で示す側面断面図である。 図4は実施形態のガスメータの復帰軸周辺を開弁状態で示す側面断面図である。 図5は実施形態のガスメータの復帰軸周辺を閉弁状態で示す側面断面図である。 図6は実施形態のガスメータの復帰軸周辺を拡大して示す正面図であって、図(a)は開弁状態で示す正面図、図(b)は閉弁状態で示す正面図である。
図1はこの発明の実施形態であるガスメータを示す正面図、図2は実施形態のガスメータの上側部を示す側面断図である。なお以下の本明細書においては、発明の理解を容易にするため、図1の紙面に向かって上下方向を「上下方向(縦方向)」、左右方向を「左右方向(横方向)」とし、図2の紙面に向かって、右側を「前側」、左側を「後側」として説明する。
両図に示すように、本実施形態のガスメータは、ガスの使用量が多い施設に設置される大型のガスメータである。このガスメータのメータケーシング1は、その上側部を構成する上ケース11と、下側部を構成する下ケース12とを備えている。
上ケース11における上壁の一側部にはガス流入側(入口側)の口金13aが固定されるとともに、他側部にはガス流出側(出口側)の口金13bが固定されている。
上ケース1内には、入口側の口金13aに対応して、弁ケース14が設けられている。この弁ケース14は、上端部が口金13aに連結固定されて、口金13aの内部と連通接続されている。さらに弁ケース14の前壁には、緊急遮断口15としての円形の開口部が形成されており、その開口縁部に弁座16が取り付けられている。緊急遮断口15は、その軸心が前後方向に沿って配置されるように形成されている。また弁ケース14には、緊急遮断口15の前方に張り出すようにして前方張出板17が固定されている。
本実施形態において、入口側の口金13aから流入したガスは、弁ケース14内に導入されて、緊急遮断口15を通って弁ケース14から流出して、下ケース12の計量室に送り込まれ、さらにそのガスは、計量室を通過して計量された後、出口側の口金13bから流出されるというガス流路が形成されるようになっている。
弁ケース14の後壁は、ソレノイド21を保持するためのホルダーによって構成されている。すなわち弁ケース14の後壁の外面には、ソレノイド21が固定されるとともに、そのソレノイド21のプランジャである弁軸22が、弁ケース14の後壁に気密状態で貫通配置されている。弁軸22は、軸心が上記緊急遮断口15の軸心と一致しており、軸心上を前後方向(軸心方向)に沿ってスライド移動(進退移動)できるようになっている。
弁軸22の前端には、円形の緊急遮断口15に対応して円形の緊急遮断弁23が固定されるとともに、緊急遮断弁23と弁ケース14の後壁との間には、弁軸22に外嵌させるようにして圧縮コイルバネ24が配置されている。
本実施形態において、ソレノイド21は自己保持型のものであり、無通電状態では弁軸22が磁気吸着されることにより、バネ24の付勢力に抗して図2に示す後退状態(通常状態)に保持されている。この状態では、緊急遮断弁23が緊急遮断口15から後方に離間した位置に配置されて開弁状態となっている。そしてこの状態において、緊急時(異常発生時)に異常検知器(図示省略)からの指令に基づいて、ソレノイド21に瞬間的に通電されると、弁軸22の磁気吸着が解除されて、バネ24の付勢力によって緊急遮断弁23が弁軸22と共に前方へ進出して、弁座16に圧接する。これにより図3に示すように緊急遮断口15が閉塞されて閉弁状態となり、ガス流路が遮断されてガスの供給が停止されるようになっている。
なお本実施形態においては、ソレノイド21、弁軸22、緊急遮断弁23および圧縮コイルバネ24等によって緊急遮断装置が構成されている。
弁ケース14に固定された前方張出板17には、弁軸22と軸心が一致するように中間軸32が軸心方向にスライド自在に貫通配置されており、この中間軸32の後端が弁軸22の前端に連結固定されている。従ってこの中間軸32は、弁軸22と一体となって軸心上を前後方向に沿ってスライド移動できるようになっている。
ここで本実施形態においては、弁軸22および中間軸32によって作動軸が構成されている。
弁ケース14の前方張出板17の前面には、内部に中間軸32を収容配置するようにして円筒形状の後側位置決め部材35の後端が固定されている。この後側位置決め部材35はその軸心が弁軸22および中間軸32の軸心と一致しており、弁ケース14の前方張出板17から前方に突出するように配置されている。
なお本実施形態においては、後側位置決め部材35によって一方側位置決め部材が構成されるとともに、後述する前側位置決め部材45によって他方側位置決め部材が構成されている。
図4に示すように、上ケース11の前壁には、緊急遮断弁23に対応して復帰軸取付孔40が形成されている。この復帰軸取付孔40は、円形に形成されており、軸心が弁軸22の軸心に一致している。
上ケース11の内壁面における復帰軸取付孔40の周縁部には、円環状の取付リング41がねじ止めにより固定されている。この取付リング41のリング孔には前側位置決め部材45が貫通配置されている。この前側位置決め部材45は、略円筒形状に形成されており、前端外周に取付フランジ46が形成されている。この取付フランジ46が取付リング41の前面側にねじ止めにより固定されて、前側位置決め部材45が上ケース1の内壁面から後方(内側)に向けて突出するように配置される。前側位置決め部材45の円筒部の外径は、上記後側位置決め部材35の内径にほぼ対応しており、前側位置決め部材45の後端部が後側位置決め部材35の前端部に適合状態に嵌め込まれている。こうして嵌め込まれることにより、前側位置決め部材45が後側位置決め部材35に対し位置決めが図られて、前側位置決め部材45の軸心が弁軸22の軸心と一致するように配置されている。
前側位置決め部材45の前端側は閉塞されており、その前側閉塞壁に軸受48を介して復帰軸42が貫通状態に取り付けられている。復帰軸42は、その前端部を除く領域が前側位置決め部材45の内側に収容配置されている。この復帰軸42は軸心が、前側位置決め部材45や弁軸22および中間軸32の軸心と一致しており、軸心上を前後方向に沿ってスライド移動できるようになっている。また復帰軸42の後端には後端具43が取り付けられるとともに、前端は径大な操作ボタン44として構成されている。
なお言うまでもなく、復帰軸取付孔40の周辺においては、各部材間にシール部材が適宜介在されており、ガスメータの内外間での気密性が確保されている。
復帰軸42の後端具43は、中間軸32の前端に設けられた前端具33に近接するように配置されており、ソレノイド21が作動した際には、図3および図5に示すように、弁軸22、中間軸32および復帰軸42が一体となって前方に進出して、復帰軸42の前端部が上ケース11の外壁面から前方へ突出する方向へ移動する。また逆に、前方突出状態の復帰軸42の操作ボタン44を後方に押し込めば、図2および図4に示すようにこれらの軸42,32,22が一体となって後方に押し込まれるようになっている。
なお復帰軸42は、後方への押込操作により開弁状態に復帰した際には、押込状態に保持されるとともに、緊急遮断弁23の作動により閉弁状態となった際には、前方突出状態に保持されるようになっている。
また既述したように、弁ケース14に固定される後側位置決め部材35とメータ前壁に固定される前側位置決め部材45との間の位置決めが図られているため、弁ケース14に支持された中間軸32と、前側位置決め部材45に支持された復帰軸42との間の位置決めも図られている。つまり中間軸32および復帰軸42間の相対位置が固定されている。
上ケース11の外壁面における復帰軸42の周辺にはカバー部材5が設けられる。このカバー部材5は、後端部に環状のナット部51を有しており、このナット部51が、軸受48の前方突出部に設けられた雄ねじ部に螺合されることにより、カバー部材5が上ケース11の外壁面に固定されている。
カバー部材5には、図2および図4に示す開弁状態において、復帰軸42の操作ボタン44の両側を覆う両側カバー52,52が設けられている。さらにカバー部材5は、両側カバー52,52の前端間に配置される前蓋53を備え、その前蓋53の上端部が両側カバー52,52の上端部に左右方向(横方向)の軸回りに回転自在に取り付けられている。これにより、前蓋53は上端を支点に前後方向に揺動可能となり、その揺動によって、両側カバー52,52間の前端開放部を開閉できるようになっている。
図2および図4に示す開弁状態において、前蓋53は自重により垂直に配置されて、両側カバー52,52間の前端開放部を閉塞して復帰軸42の操作ボタン44の前方および両側方を被覆した状態となっている。そして復帰軸42が前方へスライドして図3に示す閉弁状態となった場合には、前蓋53は、復帰軸42の前端部に押し開かれることにより、復帰軸52の操作ボタン44がカバー部材5から前方に飛び出して露出されるようになっている。
ここで図5に示すように、本実施形態においては、前蓋53の前面(表面)には、開弁状態を示す記号である「開」という文字が表示されており、前蓋53が閉じられた開弁状態では、この「開」という文字を視認することができ、開弁状態であることを容易に把握できるようになっている。なお図6に示すように前蓋53が復帰軸42によって押し開かれた閉弁状態では、前蓋53の前面が上向きに配置されるため、正面から「開」という文字を見づらくなる。つまり閉弁状態では、「開」という文字が見えないため、開弁状態と誤認するようなことはない。
また本実施形態において、カバー部材5の前蓋53の前面は、薄い灰色に色付けされているのに対し、復帰軸42の操作ボタン44は鮮明な赤色に色付けされている。従って復帰軸42が突出して操作ボタン44が露出した際には、操作ボタン44の赤色が明確に視認されることにより、閉弁状態であることを容易に把握できるようになっている。
なお参考までに本実施形態では、図2および図4に示す開弁状態においては、復帰軸42の前端面(操作ボタン44の前端面)における上ケース11の外表面からの突出量が11mmとなっているのに対し、従来のガスメータでは、その突出量が43mm程度となっている。従って本実施形態のガスメータにおいては、開弁状態での復帰軸42の突出量が格段に少なくなっている。
以上のように構成された本実施形態のガスメータにおいて、大地震等の異常事態が発生すると、既述したようにソレノイド21が作動して、弁軸22、中間軸32および復帰軸42が一体となって前方へ進出し、図3,図5および図6(b)に示すように、緊急遮断弁23によって緊急遮断口15が閉塞されてガスの供給が遮断されるとともに、復帰軸42の前端部が前方に突出した状態に配置される。
この閉弁状態からガスの供給を再開させるには、前方に突出した復帰軸42の操作ボタン44を後方へ押し込めば良い。そうすれば図2および図4に示すように、復帰軸42、中間軸32および弁軸22が一体となって後方に移動し、弁軸22が初期位置に復帰するとともに、緊急遮断弁23が弁座16から離間して緊急遮断口15が開放され、ガスの供給が可能となる。なおこうして復帰軸42を押し込んだ際には、既述した通り、復帰軸42は押し込まれた状態に保持される。
本実施形態のガスメータによれば、復帰軸42および中間軸32間に隙間を形成せずに、復帰軸42を中間軸32に接触させて、異常発生時に弁軸22および中間軸32に連動させて復帰軸42を進出させるようにしているため、復帰軸42が突出方向に進出移動していない開弁状態では、復帰軸42のメータ外表面からの突出量を少なくすることができる。このためこの復帰軸42に、周辺者の衣服や身体が引っ掛かってしまうような不具合を防止できるとともに、器材等が復帰軸42に衝突して復帰軸42が折れ曲がってしまうような不具合を防止することができる。
さらに本実施形態においては、開弁状態では復帰軸42の突出量が少なく、閉弁状態では突出量が多くなるため、復帰軸42の突出具合を見れば、開弁状態(正常状態)か否かを簡単に判断することができる。
特に本実施形態においては、正常状態(開弁状態)で、復帰軸42の操作ボタン44等の突出部分(前端部)がカバー部材5によりカバーされていて、異常状態(閉弁状態)となった場合に、操作ボタン44がカバー部材5の前蓋53を押し開いて前方に飛び出すようになっているため、正常状態と異常状態との形態の相違を一目で簡単に見分けることができ、正常状態か否かをより一層簡単にかつ正確に判断することができる。
なお、正常状態では、復帰軸42の突出部分(操作ボタン44)がカバー部材5によりカバーされているため、操作ボタン44が外部から隠蔽されることによって、見栄えも良くなり、良好な美観を得ることができる。
また本実施形態においては、弁ケース14側に後側位置決め部材35を前方突出状に取り付けるとともに、上ケース11の前壁内面に前側位置決め部材45を後方突出状に取り付けて、両位置決め部材35,45同士を適合状態に嵌合することによって、口金13a側の弁ケース14に支持された中間軸32とメータケーシング前壁側に支持された復帰軸42との間の相対的な位置を固定するようにしている。このためガスメータ設置作業において、ガスメータの口金13aを外管(配管)に連結するに際して、口金13aに外管側のナットを締め付けることにより配管歪みが発生しても、口金13a側の中間軸32がケーシング1の前壁側の復帰軸42に対し相対的に変位することがなく、復帰軸42と中間軸32との位置ずれ、特に軸心方向に対し直交する方向の位置ずれ(心ずれ)を確実に防止することができる。
特に本実施形態においては、両位置決め部材35,45を中間軸32および復帰軸42の外周に配置される円筒状に形成しているため、中間軸32および復帰軸42間において、軸心方向に直交する全ての方向の位置ずれを確実に防止することができる。
その上さらに、本実施形態では、復帰軸42を他方側位置決め部材45に軸受48を介して取り付けているため、他方側位置決め部材45と復帰軸42との間の位置ずれを確実に防止でき、ひいては復帰軸42および中間軸32間の位置ずれを、より一層確実に防止することができる。
このように本実施形態においては、復帰軸42および中間軸32間の位置ずれを防止できるため、弁軸22が作動した際に、弁軸22、中間軸32および復帰軸42が一体となって確実に移動する。従って、心ずれによる不具合、例えば中間軸32が復帰軸42に突っ掛かって弁軸22および中間軸32がスムーズに移動しない等の不具合を確実に防止でき、異常事態発生時におけるガスの供給遮断を確実に行うことができる。さらに復帰操作時に復帰軸42を押し込んだ際に、復帰軸42、中間軸32および弁軸22が一体となって確実に移動するため、復帰軸42が中間軸32に突っ掛かって軸42,32,22がスムーズに移動しない等の不具合を確実に防止でき、復帰操作も支障なくスムーズに行うことができる。
なお、上記実施形態においては、カバー部材5の前蓋53に、開弁状態であることを示す記号として「開」という文字を表示しているが、それだけに限られず、本発明においては、「開」以外の文字や、文字以外の記号を表示するようにしても良い。
また上記実施形態においては、弁軸22に中間軸32を連結して作動軸を形成するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、中間軸を省略することも可能である。例えば長い復帰軸42を採用してその復帰軸42の後端を、弁軸22の前端に近接状態に配置することにより、中間軸を省略することも可能である。この場合には、弁軸だけで作動軸が構成されることとなる。
また上記実施形態においては、中間軸32を復帰軸42に接触させるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、中間軸32と復帰軸42との間に少し隙間を形成するようにしても良い。もっとも本発明においては、中間軸および復帰軸間の隙間は、緊急遮断弁(弁軸)のストローク量よりも少なくする必要がある。
また上記実施形態においては、前側位置決め部材45を後側位置決め部材35の内側に嵌め込むようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、後側位置決め部材を前側位置決め部材の内側に嵌め込むようにしても良い。
また位置決め部材35,45は、円形断面に限られず、他の断面形状、例えば三角形、四角形等の多角形断面や、楕円形、長円形、異形断面に形成するようにしても良い。さらに両位置決め部材35,45は、必ずしも互いに同じ断面形状に形成する必要がなく、異なる断面形状、例えば一方側を円形断面、他方側を多角形断面に形成するようにしても良い。
さらに本発明において、位置決め部材は、必ずしも筒状に形成する必要はなく例えば、一方側位置決め部材を、挿入孔を有する孔付部材とし、他方側位置決め部材を当該挿入孔にスライド自在に挿入可能な挿入部材とし、挿入部材を孔付き部材に嵌め込んで両者間での位置決めを図るようにしても良い。
さらに本発明においては、位置決め部材を、必ずしも中間軸32および復帰軸42の外周全域に配置するような筒状に形成する必要はない。例え位置決め部材を中間軸および復帰軸42に対し上下方向あるいは左右方向に間隔をおいて平行に配置するようにしても良い。
要は一方側位置決め部材と、他方側位置決め部材とが嵌合し合うことによって、作動軸(弁軸22および中間軸32)と復帰軸42との間の相対的な位置決めを図ることができるものであれば、位置決め部材の構成(形状等)や取付位置等は、特に限定されるものではない。
また上記実施形態においては、本発明を大型のガスメータに適用する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は、一般家庭等に用いられる通常サイズのガスメータにも適用することができる。
この発明のガスメータは、ガスの流量を計測するためのガス流量計測器として用いることができる。
1:メータケーシング
15:緊急遮断口
22:弁軸(作動軸)
23:緊急遮断弁
32:中間軸(作動軸)
42:復帰軸

Claims (4)

  1. メータケーシング内のガス流路上に緊急遮断口が設けられ、作動軸に支持された緊急遮断弁が前記緊急遮断口の後方に離間して配置された開弁状態ではガスが供給され、その開弁状態から前記作動軸が進出して前記緊急遮断弁が前記緊急遮断口を閉塞した閉弁状態ではガスの供給が遮断されるようにしたガスメータにおいて、
    前記メータケーシングにおける前記作動軸の前方に対応する位置に、復帰軸が前記作動軸の軸心に沿ってスライド自在に貫通配置されるとともに、開弁状態では前記復帰軸の後端が前記作動軸の前端に対向して配置され、
    開弁状態から前記作動軸が進出して閉弁状態に移行する際には、前記作動軸に押されて前記復帰軸が前記メータケーシングの外表面から前方に突出するように移動する一方、
    前方に突出するように移動した前記復帰軸を後方に押込操作することによって、その復帰軸に押されて前記作動軸が前記緊急遮断弁と共に後退して開弁状態に復帰するようになっていることを特徴とするガスメータ。
  2. 開弁状態において前記復帰軸の前端部が前記メータケーシングの外表面から突出配置され、
    前記メータケーシングの外面に、前記復帰軸の前端部を覆うカバー部材が設けられるとともに、そのカバー部材に開閉自在に前蓋が設けられている請求項1に記載のガスメータ。
  3. 開弁状態から前記復帰軸が前方に移動した際に、その復帰軸に押されて前記カバー部材の前蓋が開放されて、前記復帰軸の前端が露出されるようになっている請求項2に記載のガスメータ。
  4. 前記カバー部材の前蓋の前面に、開弁状態であることを示す記号が表示されている請求項3に記載のガスメータ。
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