JP6063165B2 - メータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両、航空機、船舶等に搭載されるメータ装置に関するものである。
従来のメータ装置として、図5に示すように、ケース101と文字板との間に、光源が発した光を文字板の目盛及び文字、または指針まで導いて、これらの目盛及び文字、または指針を光輝させる導光部材102を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このメータ装置は、導光部材102に形成した爪部103をケース101の係止部104へ係止させることで導光部材102をケース101へ組み付ける構造を有している。
また、図6に示すように、ケース111側に爪部112を形成し、ケース111側の爪部112で導光部材113の係止部114を係止する構造も知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、爪部を係止させて2部品を組み付ける構造には、図7に示すように、爪部121を有する部品の装着側から治具122を挿し込んで爪部121を変形させることで係止状態の解除が可能なものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2010−8334号公報 特開2007−33390号公報 特開平9−28018号公報
特許文献1に記載のメータ装置では、導光部材102を取り外す際に、ケース101の背面側から爪部103を変形させて係止状態を解除することとなり、導光部材102の交換作業が煩雑であった。
これに対して、特許文献2に記載のメータ装置では、導光部材113の装着側からケース111の爪部112を変形させて係止状態を解除することができ、導光部材113の交換作業性の向上が図られる。しかし、ケース111の材料は、アクリル材等からなる導光部材113と異なり、弾性に乏しいが安価なポリプロピレン(PP)系の材料から形成されることが一般的であり、このため、導光部材113に爪部112を設ける場合と比較して、寸法制限によって設置面積等が制約されてしまう。
また、治具122によって爪部121の係止状態の解除が可能な特許文献3に記載の係止構造では、挿し込んだ治具122で爪部121が変形するように、爪部121側にテーパ突起121aを設けている。このため、爪部121を有する弾性片123とロック片受容部124との間に隙間が生じ、振動等が生じた際に、爪部121が外れてしまうおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、導光部材の着脱が容易で、しかも導光部材を確実に係止させることが可能なメータ装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るメータ装置は、下記(1)及び(2)を特徴としている。
(1) 光源を収容するケースと、
前記ケースの前面に設けられる文字板と、
前記ケースの前方側から取り付けられて前記ケースと前記文字板との間に配置され、前記光源からの光を前記文字板に導く導光部材と、
を備え、
前記ケースには、前記導光部材側へ突出する係止片が設けられ、
前記導光部材は、前記係止片の後方側にて前記係止片を係止する爪部を有する弾性変形可能な係止爪が設けられ、
前記係止片は、前記ケースへの前記導光部材の装着方向側から工具によって前記係止爪による前記係止片への係止を解除すべく前記工具が挿通可能な開口部を有し、
前記係止片は、前記開口部として、前記装着方向側からみて前記係止爪の一部が露呈するように前記係止片の内部を前記装着方向に貫通した挿通孔、又は、前記装着方向側からみて前記係止爪の一部が露呈するように前記係止片における前記係止片の突出方向と交差する方向の両側部に形成された切欠き部、を有すること。
(2) 上記(1)の構成のメータ装置において、前記係止爪は、前記爪部と前記導光部材との間に、断面視略U字状に形成された屈曲部を有すること。
上記(1)の構成のメータ装置では、弾性に優れた材料から形成される導光部材側に弾性変形させる係止爪を形成し、弾性に乏しいが安価である材料から形成されるケース側に係止爪が係止する係止片を形成している。しかも、係止片に、ケースへの導光部材の装着方向側から工具が挿通可能な開口部を形成し、ケースの前面側から係止爪の爪部による係止片への係止の解除を可能としている。つまり、材料特性に適した部材各々に係止構造を設けたことで、弾性形状・寸法等の設計事項に多くの配慮を要することなく、導光部材を確実に係止させることができ、しかも、導光部材の着脱の容易化を図ることができる。
上記(2)の構成のメータ装置では、係止爪に断面視略U字状に形成された屈曲部を設けたことで、爪部を良好に変位させることができ、ケースに対する導光部材の着脱性を大幅に向上させることができる。
本発明のメータ装置によれば、導光部材の着脱が容易で、しかも導光部材を確実に係止させることが可能なメータ装置を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係るメータ装置を示す正面図である。 図2は、図1におけるII−II線の断面図である。 図3は、ケースと導光部材との係止箇所の断面図である。 図4は、ケースと導光部材との係止箇所を断面視した斜視図である。 図5は、従来のメータ装置を示す斜視図である。 図6は、従来のメータ装置を示す断面図である。 図7は、係止構造の例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るメータ装置を示す正面図、図2は、図1におけるII−II線の断面図、図3は、ケースと導光部材との係止箇所の断面図、図4は、ケースと導光部材との係止箇所を断面視した斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るメータ装置1は、例えば、自動車用のスピードメータに適用されており、基板2と、基板2の上に実装された文字板照明用の光源3と、この光源3が搭載された基板2の裏面に搭載されたムーブメント4と、文字板5と、見返板6と、内面が反射面を構成する反射板8と、文字板5と反射板8との間に設けられた導光部材7と、基板2及びムーブメント4を収容するケース9と、指針10と、裏カバー11と、トリップメータなどを構成するLCD12及びその光源13と、基板2上の指針軸41近傍に搭載した指針照明用の光源14と、を備えている。ケース9は、弾性に乏しいが安価なポリプロピレン(PP)系の材料から形成されている。裏カバー11も、ケース9と同様に、ポリプロピレン(PP)系の材料から形成されており、ケース9に装着されることで、ケース9の裏面側を覆う。
本実施形態のメータ装置1は、コンビネーションメータの一部を構成しており、表面側の全周が見返板6で覆われている。また、この見返板6には、メータ装置1を含む各種計器類を設置するための各種表示窓を開口させている。更に、この見返板6は、透明なカバーガラス15で前面側が覆われている。
導光部材7は、例えば、アクリル等の導光性に優れた適宜の透光性(若しくは導光性)材料で成形されたプリズムまたは拡散板であり、ケース9に対して前方側から装着される。この導光部材7は、筒状部7aと、この筒状部7aにおける文字板5側に形成された板状部7bとを有している。基板2に設けられた光源3としては、照明光を出射するLEDが用いられており、複数個のものが互いに所定間隔で放射状に設置され、導光部材7の筒状部7aの端面に対向した位置に配置されている。
反射板8は、ケース9に一体に形成されており、導光部材7の筒状部7aの外周及び導光部材7の板状部7bの裏面に沿って設けられている。この反射板8における導光部材7側の面は、成形金型の鏡面仕上げによって反射に適した表面とされており、導光部材7の光を前方へ反射する。
基板2と文字板5との間には、筒状体16が設けられており、この筒状体16が、導光部材7の筒状部7a内に収容されている。そして、この筒状体16によって指針軸41の周囲が覆われている。また、基板2に実装された指針照明用の光源14は、筒状体16の内側に配置されており、これらの光源14の光が、指針10の導光部10aから指針10へ導かれ、指針10が照明する。
なお、本実施形態の光源3としては、特にLEDに限定されるものではないが、消費電力が少なく小型の点光源である点でこのLEDが好ましい。LCD12用の光源13及び指針照明用の光源14についても、同様であってLEDが使用されているが、消費電力が少なく小型の点光源である点でこのLEDが好ましい。
ムーブメント4は、メータ装置1を搭載する自動車の走行スピードに対応した速度表示を行うため、図示外の速度検出器からの信号に応じた適宜の角度だけ指針10を回動させるものである。このムーブメント4は、図示外の適宜のモータ、例えばステッパモータ、及び図示外の必要な減速機構などが内蔵されており、指針軸41を介して指針10と一体に接続されている。
文字板5には、意匠、例えば、目盛M、数字F、文字、記号など、車自体或いは車周辺の環境などに関する必要情報を印字しているとともに、トリップメータなどを構成するLCD12のような必要情報を表示している。本実施形態の文字板5は、透光性を有する適宜の薄板材などを用いて円盤状(又は半円盤状)に形成されている。
図3及び図4に示すように、導光部材7には、その外周における一部に、係止爪21が形成されている。この係止爪21は、屈曲部22と爪部23とを有している。屈曲部22は、導光部材7側の連結部22aから導光部材7のケース9への装着方向と反対側へ延在され、U字状に屈曲されて折り返されて導光部材7のケース9への装着方向へ延在されている。爪部23は、屈曲部22の先端に形成されて外方へ突出されている。爪部23は、その先端側における外側が先端から爪部23の突出側へ向かって次第に傾斜するテーパ面23aとされている。
また、ケース9には、その内面に、係止爪21の爪部23が係止可能な係止片31が、導光部材7へ向かって延在されている。この係止片31は、矩形状の挿通孔(開口部)32を有している。また、この係止片31の両側部には、切欠き部(開口部)33が形成されている。
なお、ケース9の内面には、保持突起35が形成されており、導光部材7は、この保持突起35に係合されて保持される。
上記のメータ装置1では、ムーブメント4の内部に設けたモータが、図示しない速度センサによって検出された現在速度に対応するセンサ信号に基づいて回転駆動する。そして、これに一体に接続されている指針10が回動し、文字板5の数字Fや目盛Mを指示する。これによって、現在速度を運転者などにアナログ表示させて知らせることができる。
このような速度表示を行うメータ装置1にあっては、特に夜間などの場合、ヘッドライトなどの点灯動作と同時に光源3,14も発光動作する。そして、光源3の光が、導光部材7の筒状部7aの端面から導入され、この筒状部7aを通って導光部材7の板状部7bの全体へ導かれる。これにより、板状部7bの全体が発光することとなる。また、導光部材7の裏面側へ照射される光は、反射板8で反射されてメータ装置1の前方側へ導かれる。これにより、文字板5の全体が後方側から照明され、文字板5の数字Fや目盛Mが発光照明する。また、光源14の光は、指針10の導光部10aから指針10へ導かれ、よって、指針10が照明する。
上記のメータ装置1において、導光部材7を組み付けるには、文字板5の装着前に、ケース9に対して、その前面側から導光部材7を嵌め込む。このようにすると、まず、係止爪21の爪部23のテーパ面23aがケース9の係止片31に当接し、その後、テーパ面23aに係止片31が摺接し、係止爪21の爪部23が導光部材7の中央側へ押し込まれ、よって、屈曲部22が弾性変形する。さらに、導光部材7をケース9へ嵌め込むことで、係止爪21の爪部23が係止片31を越えると、弾性変形されていた屈曲部22が復元する。これにより、係止爪21の爪部23が係止片31の裏側に入り込み、係止片31に係止爪21が係止する。これにより、導光部材7がケース9に装着される。
また、導光部材7を取り外すには、文字板5を取り外した状態で、ケース9への導光部材7の装着方向側から係止片31の挿通孔32または切欠き部33へ工具T(図3参照)を挿し込む。この工具Tは、例えば、マイナスドライバなどが用いられる。そして、この工具Tをケース9の内面と爪部23との間に挿し込む。このとき、特に、挿通孔32では、その内縁によって工具Tがガイドされることで、工具Tの挿し込み作業の円滑化が図られる。
このように、工具Tをケース9の内面と爪部23との間に挿し込むと、係止爪21の爪部23が導光部材7の中央側へ押し込まれ、屈曲部22が弾性変形し、よって、爪部23が導光部材7側へ変位する。この爪部23が係止片31よりも導光部材7側へ変位すると、爪部23による係止片31の係止が解除される。この状態で、導光部材7をケース9への装着方向と反対方向である取り外し方向へ引き出すことで、導光部材7がケース9から取り外される。
このように、上記実施形態に係るメータ装置によれば、弾性に優れた材料から形成される導光部材7側に弾性変形させる係止爪21を形成し、弾性に乏しいが安価である材料から形成されるケース9側に係止爪21が係止する係止片31を形成している。しかも、係止片31に、ケース9への導光部材7の装着方向側から工具Tが挿通可能な挿通孔32及び切欠き部33を形成し、ケース9の前面側から係止爪21の爪部23による係止片31の係止の解除を可能としている。つまり、材料特性に適した部材各々に係止構造を設けたことで、弾性形状・寸法等の設計事項に多くの配慮を要することなく、導光部材7を確実に係止させることができ、しかも、導光部材7の着脱の容易化を図ることができる。
また、係止爪21に断面視略U字状に形成された屈曲部22を設けたことで、爪部23を良好に変位させることができ、ケース9に対する導光部材7の着脱性を大幅に向上させることができる。
なお、上記実施形態では、係止片31に矩形状の挿通孔32を形成したが、この挿通孔32の形状は矩形状に限定されず、例えば、導光部材7側が円弧状とされた半円形状等であっても良い。
また、上記実施形態では、係止片31に挿通孔32を形成し、さらに、係止片31の両側に切欠き部33を形成したが、挿通孔32または切欠き部33のいずれか一方を形成しても良い。
なお、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。例えば、上記した各実施形態では、光源として、目盛部、指針、文字板での数字などの意匠部分をそれぞれ別個の専用光源で照明させているが、単一のもの、又は単一種類のものを複数個設置して供用させてもよい。
また、本発明の照明構造が適用されたメータ装置としては、例えば本実施形態のスピードメータ部の他に、例えば、タコメータ部、燃料計部、及び水温計等の各種計器類への適用が可能である。
1 メータ装置
3 光源
5 文字板
7 導光部材
9 ケース
21 係止爪
22 屈曲部
23 爪部
31 係止片
32 挿通孔(開口部)
33 切欠き部(開口部)
T 工具

Claims (2)

  1. 光源を収容するケースと、
    前記ケースの前面に設けられる文字板と、
    前記ケースの前方側から取り付けられて前記ケースと前記文字板との間に配置され、前記光源からの光を前記文字板に導く導光部材と、
    を備え、
    前記ケースには、前記導光部材側へ突出する係止片が設けられ、
    前記導光部材は、前記係止片の後方側にて前記係止片を係止する爪部を有する弾性変形可能な係止爪が設けられ、
    前記係止片は、前記ケースへの前記導光部材の装着方向側から工具によって前記係止爪による前記係止片への係止を解除すべく前記工具が挿通可能な開口部を有し、
    前記係止片は、前記開口部として、前記装着方向側からみて前記係止爪の一部が露呈するように前記係止片の内部を前記装着方向に貫通した挿通孔、又は、前記装着方向側からみて前記係止爪の一部が露呈するように前記係止片における前記係止片の突出方向と交差する方向の両側部に形成された切欠き部、を有することを特徴とするメータ装置。
  2. 前記係止爪は、前記爪部と前記導光部材との間に、断面視略U字状に形成された屈曲部を有することを特徴とする請求項1に記載のメータ装置。
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