JP6062900B2 - ロータの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は,電動機や発電機に用いることのできるロータの製造方法に関する。さらに詳細には,ロータコアに埋め込んだ複数の磁石素材を複数回に分けて着磁することによりロータを製造するロータの製造方法に関する。
従来より電動機や発電機などに用いられるロータとして,鋼板などを積層してなるロータコアに複数の磁石が内蔵されているものがある。このようなロータは,例えば,ロータコアに未着磁の磁石素材を埋め込み,埋め込んだ磁石素材を磁化させることにより製造することができる。
ロータコアに埋め込まれた磁石素材の着磁は,その磁石素材に外部より磁界を印加することにより行われる。また,ロータにおける複数の磁石素材の配置などによっては,そのすべてを1度の外部磁界の印加によって磁化させることが困難であるときがある。このような場合には,それぞれ異なる外部磁界を複数回に分けて印加することにより,すべての磁石素材を着磁する方法がとられている。
そして,1つのロータに複数回,外部磁界を印加する場合,外部磁界をそれぞれ,その他の外部磁界によって磁化される磁石素材が最終製品における分極とは反対に分極しないように発生させなければならない。例えば,先に印加した外部磁界によって反対に分極した磁石をさらに反対に分極させて最終製品を製造することは,容易ではないからである。
例えば,特許文献1には,第1の巻線部と,第1の巻線部よりも巻き数の少ない第2の巻線部とが,ロータの外周に沿って交互に配置された着磁装置を用いて,ロータの複数の被着磁片の着磁を行う方法が記載されている。また,特許文献1では,第1の巻線部と第2の巻線部とに同期して通電させることにより,2回,磁界を発生させている。すなわち,第1回目では一部の被着磁片の着磁を行い,ロータを回転させた後の第2回目では,第1回目において着磁対象ではなかった被着磁片の着磁を行っている。そして,第1の巻線部は,発生する磁界によって各被着磁片を着磁させる着磁用とされている。第2の巻線部は,第1回目,第2回目のそれぞれの着磁において,第1の巻線部より発生する着磁用磁界が,その回の着磁対象でない被着磁片に逆磁界として印加されないような磁界を発生させるものとされている。これにより,着磁効率を向上させることができるとされている。
特開平6−38459号公報
ところで,上記の従来技術においては,着磁用の磁界を発生させる第1の巻線部と,第1の巻線部よりも巻き数の少ない第2の巻線部とがそれぞれ異なる電流経路に設けられ,並列に接続されている。よって,着磁用の磁界によって着磁対象でない被着磁片が最終製品における分極とは反対に分極されてしまうことを完全に防止するためには,第1および第2の巻線部より完全に一致するタイミングで磁界を発生させなければならない。第2の巻線部より磁界が発生していない間は,第1の巻線部より発生した着磁用磁界が,着磁対象でない被着磁片に逆磁界として印加されてしまうおそれがあるからである。
しかし,第1および第2の巻線部よりそれぞれ完全に一致するタイミングで磁界を発生させるためには,各電流経路への通電を開始するタイミングや通電時間,各電流経路に流す電流値などの調整を,極めて高い精度で行わなければならない。このため,着磁用の磁界によって着磁対象でない被着磁片が反対に分極されてしまうことを完全に防止することは,極めて困難であるという問題があった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点の解決を目的としてなされたものである。すなわちその課題とするところは,ロータコアに組み付けられた複数の磁石素材を,各磁石素材が最終製品における分極とは反対に磁化されることを確実に防止しつつ,複数回の部分着磁により容易に磁化することのできるロータの製造方法を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のロータの製造方法は,複数の磁石素材が組み付けられたロータコアを着磁装置の磁界印加領域内に配置し,着磁装置によって磁界印加領域に外部磁界を発生させることで磁石素材を磁化させる着磁工程を行うことによりロータを製造するロータの製造方法であって,着磁装置として,通電されることにより磁界を発生する複数のコイルが,磁界印加領域の外側に,隣り合うコイル同士の巻き方向が逆方向になるように並べて設けられてなるコイル群を有し,コイル群が,複数のコイルのうちの両端に位置するサブコイルと,両端のサブコイルの間に位置するサブコイルよりも巻き数が多い2以上のメインコイルとにより構成されており,コイル群におけるすべてのコイルが直列に接続されているものを用い,着磁工程では,着磁装置の磁界印加領域内にロータコアを配置した状態でコイル群に通電して外部磁界を発生させることにより,複数の磁石素材のうち,隣り合うメインコイルの双方に鎖交する磁束が印加されるものを磁化する部分着磁を複数回,行うとともに,複数回の部分着磁の合間に,コイル群とロータコアとの少なくとも一方を,ロータコアの軸周りに回転移動させることで,複数の磁石素材をすべて磁化させることを特徴とするロータの製造方法である。
本発明のロータの製造方法では,コイル群に通電することにより,そのコイル群のメインコイルおよびサブコイルより同じタイミングで磁界を発生させることができる。このため,着磁工程における各部分着磁では,メインコイルより発生する強い磁界を常に,コイル群における隣り合うメインコイルまたはサブコイルの内側を通過するように形成することができる。このため,メインコイルより発生する強い磁界を確実に制御することができ,その部分着磁における着磁対象ではない磁石素材が,最終製品のロータにおける分極とは反対に磁化してしまうことを防止することができる。すなわち,ロータコアに組み付けられた複数の磁石素材を,各磁石素材が最終製品における分極とは反対に磁化されることを確実に防止しつつ,複数回の部分着磁により容易に磁化することができる。
また上記に記載のロータの製造方法において,1極につき,ロータコアの外周面に正対して設けられた第1の磁石と,ともにロータコアの径方向に対して傾斜するとともにロータコアの径方向の外側ほど互いに遠ざかるように設けられ,第1の磁石のロータコアの内周側の面に対面する第2および第3の磁石とを有するロータを製造することが好ましい。このような1極につき3つの磁石を有するロータでは,第2および第3の磁石の一部が,ロータの内側の方に位置している。このため,1極につき3つの磁石を有するロータを製造するための着磁工程では,できるだけロータコアの内側にまで強い磁界を発生させることが必要である。そして,複数のメインコイルが並んで設けられている着磁装置を用いることで,その隣り合うメインコイルによってロータコアの内側にまで到達する強い磁界を発生させることができるからである。
また上記に記載のロータの製造方法において,着磁装置は,コイル群を2つ有し,コイル群がそれぞれ2つのメインコイルを有するものであるとともに,コイル群に接続された回路に第1の向きと,第1の向きとは反対の第2の向きとに電流を流すことができるものであり,着磁工程では,着磁装置の磁界印加領域内に8極分の磁石素材が組み付けられたロータコアを配置した状態で,第1の向きに電流を流す第1の部分着磁と,第1の部分着磁におけるコイル群とロータコアとの位置関係である第1の位置関係から,コイル群に対するロータコアの位置が,第1の回転方向に90°または270°回転した回転位置で,第1の向きに電流を流す第2の部分着磁と,第1の位置関係から,コイル群に対するロータコアの位置が,第1の回転方向に135°または315°回転した回転位置で,第2の向きに電流を流す第3の部分着磁と,第1の位置関係から,コイル群に対するロータコアの位置が,第1の回転方向に45°または225°回転した回転位置で,第2の向きに電流を流す第4の部分着磁とを行うことにより,8極分の磁石素材をすべて磁化させることが好ましい。各磁石素材が最終製品における分極とは反対に磁化されることを確実に防止しつつ,ロータコアに組み付けられた8極分の磁石素材のすべてを着磁することができるからである。
また上記に記載のロータの製造方法において,着磁装置は,コイル群を1つ有し,コイル群が3つのメインコイルを有するものであるとともに,コイル群に接続された回路に第1の向きに電流を流すことができるものであり,着磁工程では,着磁装置の磁界印加領域内に8極分の磁石素材が組み付けられたロータコアを配置した状態で,第1の向きに電流を流す第1の部分着磁と,第1の部分着磁におけるコイル群とロータコアとの位置関係である第1の位置関係から,コイル群に対するロータコアの位置が,第1の回転方向に180°回転した回転位置で,第1の向きに電流を流す第2の部分着磁と,第1の位置関係から,コイル群に対するロータコアの位置が,第1の回転方向に270°回転した回転位置で,第1の向きに電流を流す第3の部分着磁と,第1の位置関係から,コイル群に対するロータコアの位置が,第1の回転方向に90°回転した回転位置で,第1の向きに電流を流す第4の部分着磁とを行うことにより,8極分の磁石素材をすべて磁化させることが好ましい各磁石素材が最終製品における分極とは反対に磁化されることを確実に防止しつつ,ロータコアに組み付けられた8極分の磁石素材のすべてを着磁することができるからである。さらには,コイルの数が少ないことにより,コイル群に接続された回路にかける電圧を低減することができる。加えて,電流の流れる向きを切り替える必要もないため,安価な着磁装置を用いることができる。
本発明によれば,ロータコアに組み付けられた複数の磁石素材を,各磁石素材が最終製品における分極とは反対に磁化されることを確実に防止しつつ,複数回の部分着磁により容易に磁化することのできるロータの製造方法が提供されている。
第1の形態に係る着磁工程により製造されるロータの平面図である。 第1の形態の着磁工程に用いる着磁装置の概略構成図である。 第1の形態の着磁工程に用いる着磁装置の回路図である。 第1の形態の着磁工程の第1の部分着磁について説明するための図である。 第1の形態の着磁工程の第2の部分着磁について説明するための図である。 第1の形態の着磁工程の第3の部分着磁について説明するための図である。 第1の形態の着磁工程の第4の部分着磁について説明するための図である。 第2の形態の着磁工程に用いる着磁装置の概略構成図である。 第2の形態の着磁工程に用いる着磁装置の回路図である。 第2の形態の着磁工程の第1の部分着磁について説明するための図である。 第2の形態の着磁工程の第2の部分着磁について説明するための図である。 第2の形態の着磁工程の第3の部分着磁について説明するための図である。 第2の形態の着磁工程の第4の部分着磁について説明するための図である。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,1極につき3つの磁石を有する8極のロータの製造方法について本発明を適用したものである。
[第1の形態]
まず,本形態のロータの製造方法により製造されるロータについて説明する。図1は,本形態に係るロータ10を平面より見たときの概略図である。ロータ10は,図1に示すように,シャフト20の外周にロータコア30が組み付けられてなるものである。また,ロータコア30には,複数の磁石M1,M2,M3が組み付けられている。具体的には,ロータコア30には,図1に一点鎖線で示すように,1つずつの磁石M1,M2,M3により構成された組が,組1から組8までの8組分,組み付けられている。
ロータコア30は,複数枚の電磁鋼板を図1において奥行き方向に積層してなるものである。また,積層されている各電磁鋼板のそれぞれ同じ位置に穴が形成されており,それらが重なることによってロータコア30にはスロット31が複数形成されている。そして,磁石M1,M2,M3はそれぞれ,ロータコア30の各スロット31に組み付けられている。
磁石M1,M2,M3は,磁束密度が高く,強い磁力を持つものであり,例えば,ネオジム磁石などである。磁石M1,M2,M3はそれぞれ,図1に示すように,S極とN極とを有している。また,磁石M1,M2,M3はいずれも,ほぼ飽和点まで磁化されている。また,磁石M1,M2,M3は,図1に示すように,その8組がロータ10の周方向に均等に設けられている。
図1に示すように,磁石M1は,ロータコア30の外周面に近い位置に外周面に正対して組み付けられている。磁石M2,M3はともに,ロータコア30の径方向に対して傾斜しつつ,各組における径方向の外側ほど互いに遠ざかるように傾斜してロータコア30に組み付けられている。さらに,磁石M2,M3はともに,各組において,磁石M1のロータコアにおける内周側の面に対面している。
また,このように組み付けられた各磁石M1,M2,M3はそれぞれ,図1に示すように磁化されている。具体的には,磁石M1,M2,M3はそれぞれ,各組において互いに向かい合わせとなっている内側と,内側とは反対の外側とに磁極を有している。各組における磁石M2および磁石M3の内側の磁極は,対面している磁石M1の内側の磁極とは異なるものである。また,隣り合う組同士について,各磁石M1,M2,M3の磁極は反対である。
すなわち,各組の磁石M1,M2,M3はそれぞれ,ロータコア30の外周側にS極とN極とが合わせて8極,周方向に交互に形成されるように磁化されている。具体的には,図1に示す組1から組8までのうち,符号が奇数の組1,3,5,7については,ロータコア30の外周側がN極となるように磁化されている。一方,符号が偶数の組2,4,6,8については,ロータコア30の外周側がS極となるように磁化されている。すなわち,図1に示す本形態に係るロータ10は,1極につき3つの磁石M1,M2,M3を有する8極のロータである。
本形態のロータ10は,複数の電磁鋼板を積層してなるロータコア30に,シャフト20および8組の磁石M1,M2,M3を組み付けることにより製造されたものである。また,本形態において,磁石M1,M2,M3はいずれも,磁化していない磁石素材の状態でロータコア30に組み付けられている。そして,本形態のロータ10は,ロータコア30に磁石素材を組み付けた後,組み付けた磁石素材を着磁する着磁工程を行うことで,磁石素材のすべてをそれぞれ磁石M1,M2,M3とすることにより製造されたものである。
図2に,ロータ10の着磁工程に用いることのできる着磁装置100を示す。着磁装置100は,コア部110と,メインコイルMC1,MC2,MC3,MC4と,サブコイルSC1,SC2,SC3,SC4とを有している。なお以下,メインコイルMC1,MC2,MC3,MC4を特に区別しないときにはメインコイルMCといい,サブコイルSC1,SC2,SC3,SC4を特に区別しないときにはサブコイルSCという。メインコイルMCおよびサブコイルSCはいずれも,通電されることにより磁界を発生することができるものである。
また,着磁装置100の中央には挿入穴120が形成されており,図2に示すように挿入穴120にはロータ10が挿入されている。図2におけるロータ10は着磁装置100による着磁工程が行われる前のものであり,ロータコア30に組み付けられている磁石素材L1,L2,L3はいずれも,磁気を帯びていない状態のものである。つまり,ロータコア30には,組1から組8までの8極分の磁石素材L1,L2,L3が組み付けられている。
メインコイルMCおよびサブコイルSCは,挿入穴120の外側に環状に並べて配置されている。また,本形態の着磁装置100は,メインコイルMCとサブコイルSCとを合わせて8個,有している。そして,挿入穴120に挿入されたロータ10の組1から組8の磁石素材L1,L2,L3はそれぞれ,メインコイルMCまたはサブコイルSCと対面している。
本形態において,サブコイルSCはいずれも巻き数が同じであり,少なくとも1ターン以上の巻き数のものである。また,メインコイルMCはいずれも巻き数が同じであり,サブコイルSCよりも巻き数が多いものである。具体的に,本形態では,サブコイルSCの巻き数を3ターン,メインコイルMCの巻き数を15ターンとしている。
また,これらのコイルは,メインコイルMC1から図2において時計回りに,メインコイルMC1,メインコイルMC2,サブコイルSC1,サブコイルSC2,メインコイルMC3,メインコイルMC4,サブコイルSC3,サブコイルSC4の順に並んでいる。つまり,メインコイルMC1およびメインコイルMC2は,サブコイルSC4およびサブコイルSC1の間に配置されている。また,メインコイルMC3およびメインコイルMC4は,サブコイルSC2およびサブコイルSC3の間に配置されている。すなわち,本形態の着磁装置100は,2つのサブコイルSCと,そのサブコイルSCの間に挟まれた2つのメインコイルMCとからなるコイル群が2つ,向かい合わせに配置されている構成のものである。
よって,着磁装置100は,メインコイルMCおよびサブコイルSCに通電することにより,挿入穴120の内部に,外部磁界を印加することができる。そして,着磁装置100は,挿入穴120内部の領域に外部磁界を印加することにより,磁石素材L1,L2,L3を磁化させることができるものである。
さらに,メインコイルMCおよびサブコイルSCは,隣り合うもの同士で,巻き方向が逆方向となるように設けられている。加えて,メインコイルMCおよびサブコイルSCはいずれも,直列に接続されている。
図3に,着磁装置100の回路図を示す。図3に示すように,着磁装置100では,左端のメインコイルMC1から右端のサブコイルSC4まで,図2の配置における時計回りの順で直列に接続されている。また,図3に示すように,着磁装置100は,電源130およびスイッチ140,141,142を有している。
スイッチ140,141,142がいずれも,図3において実線で示す状態にあるとき,メインコイルMCおよびサブコイルSCが接続されている回路には,電源130により,矢印Xの向きに電流が流れる。一方,スイッチ140,141,142をいずれも,図3において破線で示す位置に切り替えることにより,矢印Xとは反対の矢印Yの向きに電流を流すことができる。つまり,本形態の着磁工程で使用する着磁装置100は,スイッチ140,141,142の切り替えにより,メインコイルMCおよびサブコイルSCが接続されている回路に矢印Xの向きまたは矢印Yの向きに電流を流すことができるものである。そして,本形態では,図2に示すように,着磁装置100によって外部磁界を印加することができる磁化印加領域である挿入穴120内部にロータ10が挿入された状態で,メインコイルMCおよびサブコイルSCに通電することにより着磁工程を行う。
次に,図4から図7により,着磁装置100を用いた本形態の着磁工程について説明する。本形態では,図4,図5,図6,図7にそれぞれ示す第1の部分着磁,第2の部分着磁,第3の部分着磁,第4の部分着磁により着磁工程を行う。第1から第4の部分着磁はいずれも,ロータ10に組み付けられた複数の磁石素材L1,L2,L3のうち,その一部を磁石M1,M2,M3とすることができる着磁である。そして,本形態では,第1から第4の部分着磁をすべて行う着磁工程により,すべての磁石素材L1,L2,L3を磁石M1,M2,M3とする。まず,本形態の第1の部分着磁より,図4を参照しつつ説明する。
図4に示すように,第1の部分着磁は,組1の磁石素材L1,L2,L3がメインコイルMC1と対面している状態で行う。すなわち,第1の部分着磁では,ロータコア30の外周側がN極となる,符号が奇数の組1,3,5,7が,メインコイルMC1,MC3,サブコイルSC1,SC3と対面している。このため,ロータコア30の外周側がS極となる,符号が偶数の組2,4,6,8は,メインコイルMC2,MC4,サブコイルSC2,SC4と対面している。
さらに,第1の部分着磁は,電源130により電流を図3に示す矢印Xの向きに流すことにより行う。前述したように,メインコイルMCおよびサブコイルSCは,隣り合うもの同士で逆巻きとなるように設けられている。このため,通電されることにより,メインコイルMCおよびサブコイルSCにはそれぞれ,図4に示す向きに電流が流れる。そして,メインコイルMCおよびサブコイルSCに通電することにより,その隣り合うコイルの双方に鎖交する磁束が発生する。図4には,メインコイルMCおよびサブコイルSCに通電したときに挿入穴120内部の磁界印加領域に発生する外部磁界の概略を,磁界A,B,Cとして図中に矢印で示している。
すなわち,メインコイルMC同士が隣り合っている箇所では,それら隣り合っている一方の内部から他方の内部へと向かう向きの磁界Aが発生する。メインコイルMCとサブコイルSCとが隣り合っている箇所では,それら隣り合っている一方の内部から他方の内部へと向かう向きの磁界Bが発生する。また,サブコイルSC同士が隣り合っている箇所では,それら隣り合っている一方の内部から他方の内部へと向かう向きの磁界Cが発生する。
磁界Aは,ともに巻き数の多いメインコイルMCの双方に鎖交するものであるため,磁束密度が高く,強い磁界である。具体的に,磁界Aの強さは,その磁界Aに置かれている磁石素材L1,L2,L3をいずれも飽和点まで着磁することのできる強さである。さらに,2つの隣り合うメインコイルMC間に鎖交している磁界Aは,ロータ10の径方向の内側に配置されている磁石素材L2,L3の位置にまで形成されている。つまり,本形態の着磁装置100は,巻き数の多いメインコイルMCが隣り合わせで設けられていることにより,ロータ10の径方向の内側に配置されている磁石素材L2,L3にまで,強い磁界Aを印加し,これらを磁化飽和させることができる。
一方,磁界Bは,メインコイルMCと,メインコイルMCよりも巻き数の少ないサブコイルSCとの双方に鎖交しているものであるため,磁界Aより磁束密度が低く,磁界Aよりも弱いものである。つまり,磁界Bの強さは,磁石素材L1,L2,L3を磁化飽和させることのできない程度の強さである。また,磁界Cについては,ともに巻き数の少ないサブコイルSCの双方に鎖交するものであるため,磁界Bよりもさらに磁束密度が低く,弱いものである。なお,磁界Bおよび磁界Cの強さについては,磁石素材L1,L2,L3を磁化飽和に至らないまでも多少,着磁する程度の強さであってもよい。あるいは,磁界Bおよび磁界Cの強さは,磁石素材L1,L2,L3を着磁するには至らない程度の強さであってもよい。
また,図4では,発生している磁界Aが印加されることにより磁化飽和している磁石M1,M2,M3について,ドットハッチングを施している。一方,磁界B,Cのみが印加されている磁石素材L1,L2,L3については,この時点では磁化飽和していないため,ドットハッチングを施していない。
例えば,メインコイルMC1と対面している組1の磁石素材L1,L2,L3のうち,磁界Aが印加されている磁石素材L1,L3については,磁化飽和して磁石M1,M3となっている。一方,組1の磁石素材L2については,磁界Bが印加されているため,磁化飽和されておらず,磁石素材L2のままで示している。このように,第1の部分着磁では,ロータ10に組み付けられている磁石素材L1,L2,L3のうち,その一部について磁化飽和することができる。
次に,図5は,第2の部分着磁の状態を示す図である。第2の部分着磁は,図5に示すように,ロータ10を,図4に示す第1の部分着磁を行ったときの位置から90°,時計回りに回転させた回転位置において,第1の部分着磁と同じ向きに電流を流すことにより行う。つまり,第1の部分着磁の後,第2の部分着磁の前に,ロータ10は時計回りに90°,回転されている。そして,第2の部分着磁は,図5に示すようにロータ10の組1がサブコイルSC1と対面している状態で,電源130により電流を図3に示す矢印Xの向きに流すことにより行う。
上記のように,第2の部分着磁においても,第1の部分着磁のときと同じ向きに電流を流す。よって,図5に示すように,メインコイルMCおよびサブコイルSCにより発生する各磁界A,B,Cについては,図4の第1の部分着磁と同じである。また,図5に示すように,第2の部分着磁においても,ロータコア30の外周側がN極となる,符号が奇数の組1,3,5,7と対面しているのは,第1の部分着磁と同様,メインコイルMC1,MC3,サブコイルSC1,SC3である。このため,第2の部分着磁においても第1の部分着磁と同様,ロータコア30の外周側がS極となる,符号が偶数の組2,4,6,8と対面しているのは,メインコイルMC2,MC4,サブコイルSC2,SC4である。
そして,第2の部分着磁においても,第1の部分着磁と同様,磁界Aが印加されている位置の磁石素材L1,L2,L3が,磁化飽和されて磁石M1,M2,M3とされている。図5においても,磁化飽和している磁石M1,M2,M3について,ドットハッチングを施している。すなわち,第1の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に加えて,第2の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3についてもドットハッチングを施している。
次に,図6は,第3の部分着磁の状態を示す図である。第3の部分着磁は,図6に示すように,ロータ10を,図5に示す第2の部分着磁を行ったときの位置から45°,時計回りに回転させた回転位置で,第1,第2の部分着磁とは反対の向きに電流を流すことにより行う。つまり,第2の部分着磁の後,第3の部分着磁の前に,ロータ10は時計回りに45°,回転されている。また,図6に示す第3の部分着磁におけるロータ10の回転位置は,図4に示す第1の部分着磁における回転位置から135°,時計回りに回転させた位置である。そして,第3の部分着磁は,図6に示すようにロータ10の組1がサブコイルSC2と対面している状態で,電源130により電流を図3に示す矢印Yの向きに流すことにより行う。
第3の部分着磁においては,第1,第2の部分着磁のときと反対向きに電流を流す。このため,図6に示すように,各メインコイルMCおよびサブコイルSCには,図4,図5に示す第1,第2の部分着磁の際とは反対向きに電流が流れている。よって,第3の部分着磁においては,図6に示すように,メインコイルMCおよびサブコイルSCにより発生する磁界D,E,Fが,上記の第1,第2の部分着磁とは異なるものである。具体的に,第3の部分着磁において発生する磁界D,E,Fは,それぞれ第1,第2の部分着磁において説明した磁界A,B,Cとは向きが反対向きのものである。一方,磁界D,E,Fの強さおよび磁界の発生する位置についてはそれぞれ,磁界A,B,Cと同じである。
ここで,第3の部分着磁において発生する磁界D,E,Fはそれぞれ,磁界A,B,Cとは反対向きのものである。しかし,図6に示すように,第3の部分着磁では,その第3の部分着磁の前の回転により,各メインコイルMCおよびサブコイルSCと対面している組の,ロータコア30の外周側の磁極が,第1,第2の部分着磁のときと反対になっている。つまり,第3の部分着磁では,発生する磁界D,E,Fの向きが磁界A,B,Cとは反対の向きであるとともに,各メインコイルMCおよびサブコイルSCと対面している組の磁極についても反対とされている。
具体的に,第3の部分着磁では,ロータコア30の外周側がN極となる,符号が奇数の組1,3,5,7と対面しているのは,メインコイルMC2,MC4,サブコイルSC2,SC4である。また,第3の部分着磁では,ロータコア30の外周側がS極となる,符号が偶数の組2,4,6,8と対面しているのは,メインコイルMC1,MC3,サブコイルSC1,SC3である。
そして,第3の部分着磁においても,強い磁界Dが印加されている磁石素材L1,L2,L3が,磁化飽和されて磁石M1,M2,M3とされている。図6においても,磁化飽和している磁石M1,M2,M3について,ドットハッチングを施している。すなわち,第1,第2の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に加えて,第3の部分着磁により磁化飽和した磁石M2,M3についてもドットハッチングを施している。一方,磁界E,Fについては,磁界B,Cと同様,磁石素材L1,L2,L3を磁化飽和させるほどの強さの磁界ではない。
次に,図7は,第4の部分着磁の状態を示す図である。第4の部分着磁は,図7に示すように,ロータ10を図6に示す第3の部分着磁を行ったときの位置から90°,時計回りに回転させた回転位置において,第1,第2の部分着磁とは反対の向きに電流を流すことにより行う。つまり,第3の部分着磁の後,第4の部分着磁の前に,ロータ10は時計回りに90°,回転されている。また,図7に示す第4の部分着磁におけるロータ10の回転位置は,図4に示す第1の部分着磁における回転位置から225°,時計回りに回転させた位置である。そして,第4の部分着磁は,図7に示すようにロータ10の組1がメインコイルMC4と対面している状態で,電源130により電流を図3に示す矢印Yの向きに流すことにより行う。
つまり,第4の部分着磁においても,第3の部分着磁のときと同じ向きに電流を流す。よって,図7に示すように,メインコイルMCおよびサブコイルSCにより発生する各磁界D,E,Fについては,図6の第3の部分着磁と同じである。また,図7に示すように,第4の部分着磁においても,ロータコア30の外周側がN極となる,符号が奇数の組1,3,5,7と対面しているのは,第3の部分着磁と同様,メインコイルMC2,MC4,サブコイルSC2,SC4である。このため,第4の部分着磁においても第3の部分着磁と同様,ロータコア30の外周側がS極となる,符号が偶数の組2,4,6,8と対面しているのは,メインコイルMC1,MC3,サブコイルSC1,SC3である。
そして,第4の部分着磁においても,第3の部分着磁と同様,磁界Dが印加されている磁石素材L2,L3が,磁化飽和されて磁石M2,M3とされている。図7においても,磁化飽和している磁石M1,M2,M3について,ドットハッチングを施している。すなわち,第1から第3の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に加えて,第4の部分着磁により磁化飽和した磁石M2,M3についてもドットハッチングを施している。
図7に示すように,第4の部分着磁により,残りの磁石素材L2,L3がすべて磁化飽和している。よって,以上の第1から第4の部分着磁を行う着磁工程により,すべての磁石素材L1,L2,L3を磁化飽和させ,8組の磁石M1,M2,M3を有する8極のロータ10を製造することができる。
ここで,第1から第3の部分着磁においては,その部分着磁において磁界Aまたは磁界Dが印加される着磁対象の磁石素材L1,L2,L3以外のものに磁界B,Cまたは磁界E,Fが印加される。しかし,その磁界B,C,E,Fの向きはいずれも,印加される磁石素材L1,L2,L3を最終製品における分極と同じ向きに磁化させる向きである。このため,磁界B,C,E,Fが未着磁の磁石素材L1,L2,L3を磁化する程度の強さであったとしても,磁石素材L1,L2,L3を最終製品における分極と反対に磁化させてしまうおそれはない。
また,第2から第4の部分着磁においては,先の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に,磁化飽和したときとは異なる磁界B,Cおよび磁界D,E,Fが印加されることがある。しかし,先の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に印加される磁界B,C,D,E,Fの向きは,各磁石M1,M2,M3の着磁の際に印加された磁界A,Dの向きと同じ向きである。このため,先の部分着磁において磁化飽和した磁石M1,M2,M3は,その後の部分着磁において減磁などの影響を受けることはない。なお,先の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に,磁化飽和したときと同じ向きの磁界B,C,D,E,Fが印加されたとしても,磁化飽和した磁石M1,M2,M3がそれ以上,磁化することはない。
さらに,本形態の着磁装置100では,メインコイルMCおよびサブコイルSCはすべて,直列に接続されている。このため,電源130によって通電されたメインコイルMCおよびサブコイルSCからは同時に磁界が発生し,磁界A,B,Cおよび磁界D,E,Fがそれぞれ同時に形成される。そして,上記のように,磁界A,B,Cおよび磁界D,E,Fはいずれも,未着磁の磁石素材L1,L2,L3,あるいはすでに磁化飽和した磁石M1,M2,M3に,これらを最終製品における分極とは反対に磁化させる向きに印加されることがない。
例えば,メインコイルMCより磁界の発生するタイミングがサブコイルSCより磁界の発生するタイミングよりもわずかでも早い場合,メインコイルMCより発生する磁束は,磁界A,B,Cまたは磁界D,E,Fとは異なる位置や向きの漏れ磁束として発生することがある。このような漏れ磁束は,メインコイルMCより発生したものであるため,ある程度の強さであることがある。さらに,漏れ磁束は,未着磁の磁石素材L1,L2,L3,あるいはすでに磁化飽和した磁石M1,M2,M3に,最終製品における分極とは反対向きに磁化させる向きに印加されるおそれがある。
そして,漏れ磁束が未着磁の磁石素材L1,L2,L3に反対向きに印加され,磁石素材L1,L2,L3が反対向きに磁化されてしまった場合には,その反対向きに磁化された磁石をさらに反対向きに磁化飽和させなければならない。しかし,ロータコア30に組み付けられ,1度磁化してしまった磁石を反対向きに磁化飽和させることは容易ではない。また,すでに磁化飽和した磁石M1,M2,M3に漏れ磁束が反対向きに印加され,これらが減磁されてしまった場合,そのままでは,例えばロータ10をステータに組み付けてなる電動機において,その性能を最大限に発揮させることができない。従って,このような場合には再度,磁化飽和させるための着磁を行う必要が生じてしまう。
よって,本形態では,メインコイルMCおよびサブコイルSCより磁界の発生するタイミングを一致させることにより,メインコイルMCより発生する磁界を確実に制御し,そのような事態が生じないようにされている。すなわち,本形態の着磁工程においては,メインコイルMCより発生する強い磁界A,B,D,Eは常に,隣り合うメインコイルMCまたはサブコイルSCの内側を通過するように形成されている。また,着磁装置100においては,メインコイルMCおよびサブコイルSCはすべて直列に接続されており,電源130も1つである。従って,メインコイルMCおよびサブコイルSCより同じタイミングで磁界を発生させるための通電タイミングなどの微調整は不要である。
また,例えば,着磁装置100におけるサブコイルSCをすべて,メインコイルMCと同じ巻き数とすることにより,1回の着磁ですべての磁石素材L1,L2,L3を磁化飽和させることは可能である。しかし,メインコイルMCの数は,できるだけ少ないことが好ましい。前述したように,本形態のロータ10の磁石M1,M2,M3はいずれも,磁束密度が高く,強い磁力を持つものである。このため,磁石素材L1,L2,L3を磁化飽和させて磁石M1,M2,M3とするためには,磁石素材L1,L2,L3にある程度の強さの磁界を印加しなければならない。
すなわち,メインコイルMCのみを用いた着磁装置では,巻き数の多いメインコイルMCの数が多くなってしまうため,回路全体として非常に高い電圧をかけなければならない。よって,電源130として高価なものが必要となる。また,メインコイルMCのみを用いた構成では,その導線の被膜を,高電圧に耐えることのできるものとしなければならない。これに対し,本形態では,電源130や各コイルを安価なものとすることができる。
なお,前述したように,本形態の着磁装置100においては,2つのサブコイルSCと,そのサブコイルSCの間に挟まれた2つのメインコイルMCとからなるコイル群が,向かい合わせに配置されている。このため,上記で説明した第2から第4の部分着磁は,第1の部分着磁からのロータ10の回転位置をそれぞれ,上記の回転位置からさらに180°回転させた状態で行うこともできる。
すなわち,第2の部分着磁は,第1の部分着磁におけるロータ10の回転位置から時計回りに90°または270°,ロータ10を回転させた状態で行うことができる。また,第3の部分着磁は,第1の部分着磁におけるロータ10の回転位置から時計回りに135°または315°,ロータ10を回転させた状態で行うことができる。また,第4の部分着磁は,第1の部分着磁におけるロータ10の回転位置から時計回りに45°または225°,ロータ10を回転させた状態で行うことができる。
さらに,第1から第4の部分着磁は,上記で説明した着磁工程における順序とは異なる順序で行うこともできる。例えば,第4の部分着磁,第3の部分着磁,第2の部分着磁,第1の部分着磁の順に行ってもよい。ただし,第1の部分着磁および第2の部分着磁,第3の部分着磁および第4の部分着磁についてはそれぞれ,連続して行うことが好ましい。スイッチ140,141,142の切り替えを1度で済ますことができるからである。
以上詳細に説明したように,本形態に係るロータ10の製造方法では,着磁装置100を用い,第1から第4の部分着磁を,その合間にロータ10を回転させつつ行う着磁工程を実施する。着磁装置100においては,ロータ10に磁界を印加するための磁界印加領域の外側に,複数のメインコイルMCおよびサブコイルSCが,隣り合うコイル同士が逆巻となるように並んで配置されている。具体的には,サブコイルSC1,SC4の間にメインコイルMC1,MC2が配置されている。また,サブコイルSC2,SC3の間にメインコイルMC3,MC4が配置されている。さらに,メインコイルMCおよびサブコイルSCはすべて,直列に接続されている。よって,磁界A,B,Cおよび磁界D,E,Fをそれぞれ,同じタイミングで印加することができる。これにより,磁石素材L1,L2,L3がそれぞれ最終製品における磁石M1,M2,M3の分極とは反対に磁化されることを確実に防止しつつ,ロータ10を製造することができる。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲で種々の改良,変形が可能である。すなわち,上記の形態の着磁装置100は,2つのサブコイルSCと,そのサブコイルSCの間に挟まれた2つのメインコイルMCとからなるコイル群が,向かい合わせに配置されているものである。よって例えば,コイル群における2つのサブコイルSCとその間の2つのメインコイルMCとのすべてが直列に接続されていればよく,向かい合わせのコイル群同士は異なる回路に接続されている構成とすることもできる。なお,この場合には,サブコイルSCより発生する磁界が,未着磁の磁石素材L1,L2,L3をいずれも磁化させない程度の強さであることが好ましい。コイル群同士を異なる回路構成とした場合,各コイル群から磁界が発生するタイミングについては完全に一致させることができない可能性がある。このため,コイル群の両端に位置するサブコイルSCからは,漏れ磁束が発生してしまうことがあるからである。
また例えば,上記の形態では着磁工程における各部分着磁の合間にロータ10を回転させているが当然,ロータ10を固定とし,着磁装置100を回転させてもよい。また例えば,メインコイルMCおよびサブコイルSCの接続の順序は,図3に示すものに限られるものではない。例えば,メインコイルMCとサブコイルSCとが交互に接続されていてもよい。また例えば,上記の形態では1極につき3つの磁石M1,M2,M3を有するロータ10を製造する場合について説明しているが,着磁装置100を用いた着磁工程により,1極に1つまたは2つの磁石を有するロータを製造することもできる。あるいは,1極につき4つ以上の磁石を有するロータの製造方法にも適用可能である。
さらに,いずれも直列に接続された2つのサブコイルSCとその間の複数のメインコイルMCとによって構成される本発明に係るコイル群を有する着磁装置100は,外周に8極よりも少ない磁極を有するロータの製造方法にも当然,応用することができる。また,本発明に係るコイル群を有する着磁装置100は,外周に8極よりも多い磁極を有するロータの製造方法にも当然,応用することが可能である。
[第2の形態]
次に,第2の形態について説明する。本形態においても,製造されるロータについては,図1に示す第1の形態のものと同様である。そして,本形態では,第1の形態とは異なる着磁装置を用いた着磁工程によりロータを製造する。具体的には,本形態の着磁工程では,着磁装置として,図2に示す第1の形態のものとはメインコイルおよびサブコイルの個数や配置が異なるものを用いる。
図8に,第2の形態の着磁工程に用いる着磁装置200を示す。着磁装置200は,コア部210と,メインコイルMC1,MC2,MC3と,サブコイルSC1,SC2とを有している。本形態においても,メインコイルMC1,MC2,MC3を特に区別しないときにはメインコイルMCといい,サブコイルSC1,SC2を特に区別しないときにはサブコイルSCという。また,本形態においても,各メインコイルMCおよびサブコイルSCの個々については,第1の形態と同様のものを用いることができる。
図8に示すように,本形態の着磁装置200は,メインコイルMCとサブコイルSCとを合わせて5個,有している。このため,図2に示す第1の形態における着磁装置100よりも,メインコイルMCおよびサブコイルSCの総数が少ないものである。さらに,各メインコイルMCおよび各サブコイルSCの個数についても,第1の形態における着磁装置100よりも少ないものである。
また,図8においても,着磁装置200の中央の挿入穴220に挿入されているロータ10は,着磁工程が行われる前の未着磁の磁石素材L1,L2,L3が組み付けられた状態のものである。着磁装置200においても,メインコイルMCおよびサブコイルSCは,挿入穴220の外側に並べて配置されている。しかし,着磁装置200は,メインコイルMCおよびサブコイルSCの総数が,第1の形態の着磁装置100よりも少ないものである。このため,図8に示すように,着磁装置200におけるメインコイルMCおよびサブコイルSCの配置は偏っている。そして,図8においては,挿入穴220に挿入されたロータ10の組1から組3,組7,組8の磁石素材L1,L2,L3は,メインコイルMCまたはサブコイルSCと対面している。一方,組4から組6の磁石素材L1,L2,L3については,メインコイルMCおよびサブコイルSCのいずれとも対面していない。
また,本形態では,サブコイルSC1から図8において時計回りに,サブコイルSC1,メインコイルMC1,メインコイルMC2,メインコイルMC3,サブコイルSC2の順に並んでいる。すなわち,メインコイルMC1,MC2,M3は,サブコイルSC1およびサブコイルSC2の間に配置されている。
さらに,本形態においても,第1の形態と同様,メインコイルMCおよびサブコイルSCは,隣り合うもの同士で,巻き方向が逆方向となるように設けられている。加えて,メインコイルMCおよびサブコイルSCはいずれも,直列に接続されている。
また,図9に,本形態の着磁装置200の回路図を示す。図9に示すように,着磁装置200では,左端のサブコイルSC1から右端のサブコイルSC2まで,図8の配置における時計回りの順で直列に接続されている。また,図9に示すように,本形態の着磁装置200の回路には,図3に示す第1の形態のようにスイッチが設けられていない。このため,着磁装置200においては,電源230により,各コイルが接続されている回路に矢印Zの向きにのみ電流を流すことができる。
次に,図10から図13により,着磁装置200を用いた本形態の着磁工程について説明する。本形態においても図10から図13にそれぞれ示している第1から第4の部分着磁により着磁工程を行う。本形態においても,第1から第4の部分着磁はいずれも,ロータ10に組み付けられた複数の磁石素材L1,L2,L3のうち,その一部を磁石M1,M2,M3とすることができる着磁である。そして,本形態においても,第1から第4の部分着磁をすべて行う着磁工程により,すべての磁石素材L1,L2,L3を磁石M1,M2,M3とする。ただし,本形態における第1から第4の部分着磁はそれぞれ,第1の形態とは異なる。まず,本形態の第1の部分着磁より,図10を参照しつつ説明する。
図10に示すように,第1の部分着磁は,ロータ10の組1がメインコイルMC2と対面している状態で,電源230により電流を流すことにより行う。すなわち,第1の部分着磁では,ロータコア30の外周側がN極となる,符号が奇数の組1,3,7は,メインコイルMC2,サブコイルSC1,SC2と対面している。このため,ロータコア30の外周側がS極となる,符号が偶数の組2,8は,メインコイルMC1,MC3と対面している。
そして,本形態においても,メインコイルMCおよびサブコイルSCに通電することにより,その隣り合うコイルの双方に鎖交する磁束が発生する。図10には,メインコイルMCおよびサブコイルSCに通電したときに挿入穴220内部の磁界印加領域に発生する外部磁界の概略を,磁界G,Hとして図中に矢印で示している。すなわち,メインコイルMC同士が隣り合っている箇所では,それら隣り合っている一方の内部から他方の内部へと向かう向きの磁界Gが発生する。メインコイルMCとサブコイルSCとが隣り合っている箇所では,それら隣り合っている一方の内部から他方の内部へと向かう向きの磁界Hが発生する。
本形態においても,ともに巻き数の多いメインコイルMCの双方に鎖交するものである磁界Gは,磁石素材L1,L2,L3をいずれも飽和点まで着磁することのできる程度の強い磁界である。また,磁界Gは,ロータ10の径方向の内側に配置されている磁石素材L2,L3にまで印加されている。一方,磁界Hは,メインコイルMCとサブコイルSCとのに鎖交するものであるため,磁界Gよりも弱いものである。つまり,磁界Hの強さは,磁石素材L1,L2,L3を磁化飽和させることのできない程度の強さである。
そして,図10においても,発生している磁界Gが印加されることにより磁化飽和している磁石M1,M2,M3について,ドットハッチングを施している。一方,磁界Hのみが印加されている磁石素材L1,L2,L3については,磁化飽和していないため,ドットハッチングを施していない。また,磁界G,Hがともに印加されていない磁石素材L1,L2,L3についても,磁化飽和していないため,ドットハッチングを施していない。すなわち,図10に示すように,本形態の第1の部分着磁においても,ロータ10に組み付けられている磁石素材L1,L2,L3のうち,その一部について磁化飽和されている。
次に,図11は,第2の部分着磁の状態を示す図である。第2の部分着磁は,図11に示すように,ロータ10を,図10に示す第1の部分着磁を行ったときの位置から180°,時計回りに回転させた回転位置において,第1の部分着磁と同じ向きに電流を流すことにより行う。つまり,第1の部分着磁の後,第2の部分着磁の前に,ロータ10は時計回りに180°,回転されている。そして,第2の部分着磁は,図11に示すようにロータ10の組5がメインコイルMC2と対面している状態で,電源230により電流を図9に示す矢印Zの向きに流すことにより行う。
上記のように,第2の部分着磁においても,第1の部分着磁のときと同じ向きに電流を流す。よって,図11に示すように,メインコイルMCおよびサブコイルSCにより発生する各磁界G,Hについては,図10の第1の部分着磁と同じである。また,図11に示すように,第2の部分着磁においても,ロータコア30の外周側がN極となる,符号が奇数の組3,5,7と対面しているのは,第1の部分着磁と同様,メインコイルMC2,サブコイルSC1,SC2である。このため,第2の部分着磁においても第1の部分着磁と同様,ロータコア30の外周側がS極となる,符号が偶数の組4,6と対面しているのは,メインコイルMC1,MC3である。
そして,第2の部分着磁においても,第1の部分着磁と同様,磁界Gが印加されている位置の磁石素材L1,L2,L3が,磁化飽和されて磁石M1,M2,M3とされている。図11においても,磁化飽和している磁石M1,M2,M3について,ドットハッチングを施している。すなわち,第1の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に加えて,第2の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3についてもドットハッチングを施している。
次に,図12は,第3の部分着磁の状態を示す図である。第3の部分着磁は,図12に示すように,ロータ10を,図11に示す第2の部分着磁を行ったときの位置から90°,時計回りに回転させた回転位置で,第1,第2の部分着磁と同じ向きに電流を流すことにより行う。つまり,第2の部分着磁の後,第3の部分着磁の前に,ロータ10は時計回りに90°,回転されている。また,図12に示す第3の部分着磁におけるロータ10の回転位置は,図10に示す第1の部分着磁における回転位置から270°,時計回りに回転させた位置である。そして,第3の部分着磁は,図12に示すようにロータ10の組3がメインコイルMC2と対面している状態で,電源230により電流を図9に示す矢印Zの向きに流すことにより行う。
第3の部分着磁においても,第1,第2の部分着磁のときと同じ向きに電流を流す。よって,図12に示すように,メインコイルMCおよびサブコイルSCにより発生する各磁界G,Hについては,図10の第1の部分着磁と同じである。また,図12に示すように,第3の部分着磁においても,ロータコア30の外周側がN極となる,符号が奇数の組1,3,5と対面しているのは,第1,第2の部分着磁と同様,メインコイルMC2,サブコイルSC1,SC2である。このため,第3の部分着磁においても第1,第2の部分着磁と同様,ロータコア30の外周側がS極となる,符号が偶数の組2,4と対面しているのは,メインコイルMC1,MC3である。
そして,第3の部分着磁においても,第1,第2の部分着磁と同様,磁界Gが印加されている位置の磁石素材L1,L2,L3が,磁化飽和されて磁石M1,M2,M3とされている。図12においても,磁化飽和している磁石M1,M2,M3について,ドットハッチングを施している。すなわち,第1,第2の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に加えて,第3の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3についてもドットハッチングを施している。
次に,図13は,第4の部分着磁の状態を示す図である。第4の部分着磁は,図13に示すように,ロータ10を,図12に示す第3の部分着磁を行ったときの位置から180°,時計回りに回転させた回転位置で,第1から第3の部分着磁と同じ向きに電流を流すことにより行う。つまり,第3の部分着磁の後,第4の部分着磁の前に,ロータ10は時計回りに180°,回転されている。また,図13に示す第4の部分着磁におけるロータ10の回転位置は,図10に示す第1の部分着磁における回転位置から90°,時計回りに回転させた位置である。そして,第4の部分着磁は,図13に示すようにロータ10の組7がメインコイルMC2と対面している状態で,電源230により電流を図9に示す矢印Zの向きに流すことにより行う。
第4の部分着磁においても,第1から第3の部分着磁のときと同じ向きに電流を流す。よって,図13に示すように,メインコイルMCおよびサブコイルSCにより発生する各磁界G,Hについては,図10の第1の部分着磁と同じである。また,図13に示すように,第4の部分着磁においても,ロータコア30の外周側がN極となる,符号が奇数の組1,5,7と対面しているのは,第1から第3の部分着磁と同様,メインコイルMC2,サブコイルSC1,SC2である。このため,第4の部分着磁においても第1から第3の部分着磁と同様,ロータコア30の外周側がS極となる,符号が偶数の組6,8と対面しているのは,メインコイルMC1,MC3である。
そして,第4の部分着磁においても,第1から第3の部分着磁と同様,磁界Gが印加されている位置の磁石素材L1,L2,L3が,磁化飽和されて磁石M1,M2,M3とされている。図13においても,磁化飽和している磁石M1,M2,M3について,ドットハッチングを施している。すなわち,第1から第3の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に加えて,第4の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3についてもドットハッチングを施している。
そして,図13に示すように,第4の部分着磁により,残りの磁石素材L1,L2,L3がすべて磁化飽和している。よって,以上の第1から第4の部分着磁を行う本形態の着磁工程により,すべての磁石素材L1,L2,L3を磁化飽和させ,8組の磁石M1,M2,M3を有する8極のロータ10を製造することができる。
ここで,第1,第2の部分着磁においては,その部分着磁において磁界Gが印加される着磁対象の磁石素材L1,L2,L3以外のものに磁界Hが印加される。しかし,その磁界Hの向きはいずれも,印加される磁石素材L1,L2,L3を最終製品における分極と同じ向きに磁化させる向きである。このため,磁界Hが未着磁の磁石素材L1,L2,L3を磁化する程度の強さであったとしても,磁石素材L1,L2,L3を最終製品における分極と反対に磁化させてしまうおそれはない。
また,第3,第4の部分着磁においては,先の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に,磁化飽和したときとは異なる磁界G,Hが印加されることがある。しかし,先の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に印加される磁界G,Hの向きは,各磁石M1,M2,M3の着磁の際に印加された磁界Gの向きと同じ向きである。このため,先の部分着磁において磁化飽和した磁石M1,M2,M3は,その後の部分着磁において減磁などの影響を受けることはない。なお,先の部分着磁により磁化飽和した磁石M1,M2,M3に,磁化飽和したときと同じ向きの磁界G,Hが印加されたとしても,磁化飽和した磁石M1,M2,M3がそれ以上,磁化することはない。
さらに,本形態の着磁装置200においても,メインコイルMCおよびサブコイルSCはすべて,直列に接続されている。このため,本形態においても,磁界G,Hを同時に発生させることができる。また,上記のように,磁界G,Hはいずれも,未着磁の磁石素材L1,L2,L3,あるいはすでに磁化飽和した磁石M1,M2,M3に,これらを最終製品における分極とは反対に磁化させる向きに印加されることがない。
よって,本形態の着磁工程においても,メインコイルMCより発生する強い磁界G,Hは常に,隣り合うメインコイルMCまたはサブコイルSCの内側を通過するように形成されている。すなわち,本形態においても,メインコイルMCおよびサブコイルSCより磁界の発生するタイミングを一致させることにより,メインコイルMCより発生する磁界を確実に制御することができる。
そして,第2の形態の着磁工程では,第1の形態の着磁装置100よりもメインコイルMCおよびサブコイルSCの数がともに少ない着磁装置200を使用している。よって,第2の形態の着磁装置200では,第1の形態の着磁装置100により発生させた磁界A,Dと同じ強さの磁界Gを,低い電圧で発生させることができる。つまり,第2の形態では,電源230として,第1の形態で使用した電源130よりも安価なものを用いることができる。
さらに,第2の形態の着磁工程では,その第1から第4の部分着磁をいずれも,メインコイルMCおよびサブコイルSCに同じ向きに電流を流すことで行うことができる。よって,第2の形態で使用する着磁装置200には,電流の流れの向きを切り替えるための第1の形態の着磁装置100のスイッチ140,141,142に相当する構成が不要である。よって,第2の形態では,着磁装置200を安価に構成することができる。
なお,本形態の着磁装置200において,サブコイルSCのメインコイルMCの側とは反対側にも,サブコイルSCのみと鎖交する磁束が発生する。よって,そのようなサブコイルSCにのみ鎖交する磁束については,未着磁の磁石素材L1,L2,L3を磁化させない程度のものであることが好ましい。未着磁の磁石素材L1,L2,L3に反対向きに印加されたときに,これらが磁化してしまうことを防止するためである。
以上詳細に説明したように,本形態に係るロータ10の製造方法では,第1の形態とは異なる着磁装置200を用い,第1の形態とは異なる第1から第4の部分着磁を,その合間にロータ10を回転させつつ行う着磁工程を実施する。着磁装置200においても,ロータ10に磁界を印加するための磁界印加領域の外側に,複数のメインコイルMCおよびサブコイルSCが,隣り合うコイル同士が逆巻となるように並んで配置されている。具体的には,サブコイルSC1,SC2の間にメインコイルMC1,MC2,MC3が配置されている。さらに,メインコイルMCおよびサブコイルSCはすべて,直列に接続されている。よって,磁界G,Hをそれぞれ,同じタイミングで印加することができる。これにより,磁石素材L1,L2,L3がそれぞれ最終製品における磁石M1,M2,M3の分極とは反対に磁化されることを確実に防止しつつ,ロータ10を製造することができる。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲で種々の改良,変形が可能である。すなわち,上記の形態の着磁装置200において,着磁工程において各メインコイルMCおよびサブコイルSCに流れる電流の向きは,図10から図13に示す方向に限られるものではない。当然,図10から図13に示す向きとは反対向きに電流を流しつつ,各部分着磁を行う着磁工程により,上記の形態と同様のロータ10を製造することができる。
また例えば,上記の形態では着磁工程における各部分着磁の合間にロータ10を回転させているが当然,ロータ10を固定とし,着磁装置200を回転させてもよい。また例えば,メインコイルMCおよびサブコイルSCの接続の順序は,図9に示すものに限られるものではない。例えば,メインコイルMCとサブコイルSCとが交互に接続されていてもよい。また例えば,上記の形態では1極につき3つの磁石M1,M2,M3を有するロータ10を製造する場合について説明しているが,着磁装置100を用いた着磁工程により,1極に1つまたは2つの磁石を有するロータを製造することもできる。あるいは,1極につき4つ以上の磁石を有するロータの製造方法にも適用可能である。
さらに,いずれも直列に接続された2つのサブコイルSCとその間の複数のメインコイルMCとによって構成される本発明に係るコイル群を有する着磁装置200は,外周に8極よりも少ない磁極を有するロータの製造方法にも当然,応用することができる。また,本発明に係るコイル群を有する着磁装置200は,外周に8極よりも多い磁極を有するロータの製造方法にも当然,応用することが可能である。
10 ロータ
20 シャフト
30 ロータコア
100,200 着磁装置
L1,L2,L3 磁石素材
M1,M2,M3 磁石
MC1,MC2,MC3,MC4 メインコイル
SC1,SC2,SC3,SC4 サブコイル

Claims (4)

  1. 複数の磁石素材が組み付けられたロータコアを着磁装置の磁界印加領域内に配置し,前記着磁装置によって前記磁界印加領域に外部磁界を発生させることで前記磁石素材を磁化させる着磁工程を行うことによりロータを製造するロータの製造方法において,
    前記着磁装置として,
    通電されることにより磁界を発生する複数のコイルが,前記磁界印加領域の外側に,隣り合うコイル同士の巻き方向が逆方向になるように並べて設けられてなるコイル群を有し,
    前記コイル群が,複数のコイルのうちの両端に位置するサブコイルと,両端の前記サブコイルの間に位置する前記サブコイルよりも巻き数が多い2以上のメインコイルとにより構成されており,
    前記コイル群におけるすべてのコイルが直列に接続されているものを用い,
    前記着磁工程では,
    前記着磁装置の前記磁界印加領域内に前記ロータコアを配置した状態で前記コイル群に通電して外部磁界を発生させることにより,複数の前記磁石素材のうち,隣り合う前記メインコイルの双方に鎖交する磁束が印加されるものを磁化する部分着磁を複数回,行うとともに,
    複数回の前記部分着磁の合間に,前記コイル群と前記ロータコアとの少なくとも一方を,前記ロータコアの軸周りに回転移動させることで,複数の前記磁石素材をすべて磁化させることを特徴とするロータの製造方法。
  2. 請求項1に記載のロータの製造方法において,
    1極につき,
    前記ロータコアの外周面に正対して設けられた第1の磁石と,
    ともに前記ロータコアの径方向に対して傾斜するとともに前記ロータコアの径方向の外側ほど互いに遠ざかるように設けられ,前記第1の磁石の前記ロータコアの内周側の面に対面する第2および第3の磁石とを有するロータを製造することを特徴とするロータの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のロータの製造方法において,
    前記着磁装置は,
    前記コイル群を2つ有し,
    前記コイル群がそれぞれ2つの前記メインコイルを有するものであるとともに,
    前記コイル群に接続された回路に第1の向きと,前記第1の向きとは反対の第2の向きとに電流を流すことができるものであり,
    前記着磁工程では,
    前記着磁装置の前記磁界印加領域内に8極分の前記磁石素材が組み付けられた前記ロータコアを配置した状態で,
    前記第1の向きに電流を流す第1の部分着磁と,
    前記第1の部分着磁における前記コイル群と前記ロータコアとの位置関係である第1の位置関係から,前記コイル群に対する前記ロータコアの位置が,第1の回転方向に90°または270°回転した回転位置で,前記第1の向きに電流を流す第2の部分着磁と,
    前記第1の位置関係から,前記コイル群に対する前記ロータコアの位置が,第1の回転方向に135°または315°回転した回転位置で,前記第2の向きに電流を流す第3の部分着磁と,
    前記第1の位置関係から,前記コイル群に対する前記ロータコアの位置が,第1の回転方向に45°または225°回転した回転位置で,前記第2の向きに電流を流す第4の部分着磁とを行うことにより,8極分の前記磁石素材をすべて磁化させることを特徴とするロータの製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載のロータの製造方法において,
    前記着磁装置は,
    前記コイル群を1つ有し,
    前記コイル群が3つの前記メインコイルを有するものであるとともに,
    前記コイル群に接続された回路に第1の向きに電流を流すことができるものであり,
    前記着磁工程では,
    前記着磁装置の前記磁界印加領域内に8極分の前記磁石素材が組み付けられた前記ロータコアを配置した状態で,
    前記第1の向きに電流を流す第1の部分着磁と,
    前記第1の部分着磁における前記コイル群と前記ロータコアとの位置関係である第1の位置関係から,前記コイル群に対する前記ロータコアの位置が,第1の回転方向に180°回転した回転位置で,前記第1の向きに電流を流す第2の部分着磁と,
    前記第1の位置関係から,前記コイル群に対する前記ロータコアの位置が,第1の回転方向に270°回転した回転位置で,前記第1の向きに電流を流す第3の部分着磁と,
    前記第1の位置関係から,前記コイル群に対する前記ロータコアの位置が,第1の回転方向に90°回転した回転位置で,前記第1の向きに電流を流す第4の部分着磁とを行うことにより,8極分の前記磁石素材をすべて磁化させることを特徴とするロータの製造方法。
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