JP6062462B2 - 磁気記録媒体に用いる低飽和磁束密度を有する軟磁性膜層用スパッタリングターゲット材 - Google Patents
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Description
上記の要求特性の中でも、特に高Bsは重要であり、例えば特許文献1や特開2011−181140号公報(特許文献2)および特開2008−299905号公報(特許文献3)においても高いBsを狙いとしている。このように高いBsが要求されている理由は、記録膜の磁化を安定化させるために一定値以上のBsが必要であることと、大きいHbiasを持たせるためである。
(1)at%で、Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Mn,Ni,Cu,B,C,Si,P,Zn,Ga,Ge,Snを1種以上、残部CoおよびFe並びに不可避的不純物からなり、下記の式(1)〜(6)を満たすことを特徴とした磁気記録媒体における軟磁性薄膜層用スパッタリングターゲット材。
(1)0.65≦Fe%/(Fe%+Co%)≦0.70
(2)5≦TAM≦25
(3)17≦TAM+TNM≦25
(4)3≦Ti%+Zr%+Hf%+B%/2≦8
(5)2≦B
(6)(B/2)/TAM≦0.8
ただし、
TAM=Y%+Ti%+Zr%+Hf%+V%+Nb%+Ta%+B%/2
TNM=Mo%+W%+Mn%+Ni%/3+Cu%/3+C%+Si%+P%+Zn%+Ga%+Ge%+Sn%
(3)下記の式(8)および/または(9)を満たすことを特徴とした前記(1)または(2)に記載の磁気記録媒体における軟磁性薄膜層用スパッタリングターゲット材。
(8)3≦Ti%+Zr%+Hf%+B%/2≦ 5
(9)0<Cu%+Sn%+Zn%+Ga%≦10
まず、Hbiasに及ぼす軟磁性膜組成の影響について検討するため、様々な組成の軟磁性膜について、Hbiasを評価したところ、Bsの大きさだけでなく、Fe%/(Fe%+Co%)によってもHbiasの大きさが変化することがわかった。すなわち、0.5Tを超え、1.1T未満と、従来例よりも比較的低いBsを有する軟磁性膜であっても、所定のFe%/(Fe%+Co%)の範囲にすることにより、高いHbiasが得られることがわかった。
本合金において、FeおよびCoは、記録膜の磁化を安定させるために最低限必要な磁化を持たせるための元素であり、BsとFe%/(Fe%+Co%)の挙動は、いわゆるスレーターポーリング曲線などに示される。さらに、Fe%/(Fe%+Co%)は、比較的低いBsにおいても、高いHbiasを持たせるための重要な因子でもある。Fe%/(Fe%+Co%)が0.65未満では、同程度のBsを有し、0.65以上の軟磁性膜と比較し、Hbiasが小さくなってしまう。この現象についての詳細な理由は不明であるが、AFC結合には軟磁性膜のBsとともに、磁性元素における3d電子軌道による層間の相互作用が関与していると考えられ、FeとCoの比率によりこれが変化することが影響していると推察される。また、0.70を超えると著しくBsが低下し、十分なHbiasが得られない。
本合金における、Fe,Co以外の元素の効果について、下記にまとめる。Ti,Zr,Hf,Bは非晶質化の促進とBsの低下をもたらす元素であるとともに、磁化の立ち上がりを大幅に鈍くしてしまう元素でもある。なお、BについてはBs低下および非晶質性増加の効果がTi,Zr,Hfと比較し約1/2であることから、TAMの中ではB%/2として扱うことができる。ただし、スパッタリングターゲット材の中では、Bは特に硬質な化合物(例えば硼化物)を生成し、機械加工の際に加工速度を落とす必要が出てくるため、BをTAMに分類した元素として単独で添加するよりも、複合的に添加することが好ましい。この点を踏まえると、(B/2)/TAMは0.8以下が好ましく、0.5以下がより好ましい。
上述したように、Nb,Taは本合金において、磁化の立ち上がりを鋭くする付加的な効果のある重要な元素であるが、(Nb%+Ta%)/(TAM+TNM)が0.25未満では、この効果が得られない。また、TAMにはNbとTaの添加量も含まれているため、必然的に(Nb%+Ta%)/(TAM+TNM)の上限は1.00となる。なお、好ましくは0.40以上、1.00未満、より好ましくは0.60以上、1.00未満である。
上述したように、Ti,Zr,Hf,Bは本合金において、磁化の立ち上がりを大幅に鈍くしてしまう元素であることから、その合計量の上限を厳しく規定することにより、より鋭い磁化の立ち上がりが付加的な効果として得られる。Ti%+Zr%+Hf%+B%/2が8を超えると磁化の立ち上がりを鋭くする効果が得られない。好ましくは、3%以上、5%以下とする。
表1に示す組成でガスアトマイズ法により軟磁性合金粉末を作製した。溶解母材は25kgで減圧Ar中にて誘導溶解し、直径8mmのノズルから合金溶湯を出湯し、直後に高圧Arガスを噴霧しアトマイズした。この粉末を500μm以下に分級し、HIP成形(熱間等方圧プレス)の原料粉末として用いた。HIP成形用ビレットは、直径200mm、長さ10mmの炭素鋼製缶に原料粉末を充填したのち、真空脱気、封入し作製した。この粉末充填ビレットを、温度1100℃、圧力120MPa、保持時間2時間の条件でHIP成形した。その後、成形体から直径95mm、厚さ2mmの軟磁性合金スパッタリングターゲット材を作製した。この軟磁性合金製のスパッタリングターゲット材を用い軟磁性薄膜を作製した。また、Ru薄膜の作製には、市販のRu金属製のスパッタリングターゲット材を用いた。
Claims (4)
- at%で、Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Mn,Ni,Cu,B,C,Si,P,Zn,Ga,Ge,Snを1種以上、残部CoおよびFe並びに不可避的不純物からなり、下記の式(1)〜(6)を満たすことを特徴とした磁気記録媒体における軟磁性薄膜層用スパッタリングターゲット材。
(1)0.65≦Fe%/(Fe%+Co%)≦0.70
(2)5≦TAM≦25
(3)17≦TAM+TNM≦25
(4)3≦Ti%+Zr%+Hf%+B%/2≦8
(5)2≦B
(6)(B/2)/TAM≦0.8
ただし、
TAM=Y%+Ti%+Zr%+Hf%+V%+Nb%+Ta%+B%/2
TNM=Mo%+W%+Mn%+Ni%/3+Cu%/3+C%+Si%+P%+Zn%+Ga%+Ge%+Sn% - 下記の式(7)を満たすことを特徴とした請求項1に記載の磁気記録媒体における軟磁性薄膜層用スパッタリングターゲット材。
(7)0.25≦(Nb%+Ta%)/(TAM+TNM)≦1.00 - 下記の式(8)および/または(9)を満たすことを特徴とした請求項1または請求項2に記載の磁気記録媒体における軟磁性薄膜層用スパッタリングターゲット材。
(8)3≦Ti%+Zr%+Hf%+B%/2≦ 5
(9)0<Cu%+Sn%+Zn%+Ga%≦10 - 飽和磁束密度が0.5Tを超え1.1T未満であることを特徴とした、請求項1〜3のいずれか1項に記載の軟磁性薄膜層用スパッタリングターゲット材。
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