JP6062073B2 - 粒子線照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子線を腫瘍など患部に照射して治療を行う粒子線治療装置における、粒子線を患部の3次元形状に合わせて所定の線量を照射するために用いる粒子線照射装置に関する。
粒子線治療は、加速器等の機器を用いて陽子または炭素イオンなどの荷電粒子を数百メガ電子ボルト程度まで加速し、患者に照射することで体内の腫瘍に線量を付与し、がんを治療する方法である。このとき腫瘍に対して、医師により指示される線量分布、すなわち目標分布に出来るだけ近い線量分布を形成することが重要である。多くの場合、目標分布は、腫瘍内において線量が均一であり、かつ腫瘍外において腫瘍内よりも線量が出来るだけ低くなるような分布である。
一般的に、加速器で加速された粒子線を物体(人体含む)に照射した場合、物体内での三次元線量分布はある一点で線量最大ピークを持つという特性がある。この線量最大ピークをブラッグピークと呼ぶ。また、三次元空間において一点で線量最大ピークを持つ場合、そのピーク位置をその粒子線の「照射位置」として定義する。以上のようなピーク構造を持つ粒子線を用いて、三次元的に目標分布を形成するためには何らかの工夫が必要である。
目標分布を形成する方法の内のひとつに、スキャニング照射法がある。この方法を使用するためにはまず、電磁石等を用いて、粒子線を、粒子線の進行方向であるZ方向に対して垂直な二方向、すなわちXおよびY方向に任意に偏向する機構を用いる。さらに、粒子エネルギーの調整により、ブラッグピークが形成される位置をZ方向に任意に調整する機能が必要である。一般的に、粒子線発生装置である加速器はエネルギー調整機能も備えている。そして腫瘍内に複数の照射位置(スポットとも呼ぶ)を設定し、上記二つの機構を用いて、それぞれの照射位置に対して粒子線を順に照射していく。各照射位置にそれぞれ付与する線量のバランスをあらかじめ調整し決めておき、各照射位置に付与したそれぞれの線量分布を合算することで、結果的に目標分布を形成する。
一般的に、粒子線の照射方向をXY方向に偏向させて、ある照射位置から次の照射位置へ移動させるのにかかる時間は1ms以下であり、エネルギー変更によりブラッグピーク位置をZ方向に動かすのにかかる時間は100ms程度である。このため、各照射位置に照射する順序としては、まず一つのエネルギーでXY方向に粒子線を走査してそのエネルギーに対応する全ての照射位置にビームを照射した後、次のエネルギーに切り替える、というのが一般的である。
エネルギー変更により照射位置をZ方向に動かす時は必ず粒子線の照射を停止、すなわちビームを遮断しなければならない。スキャニング照射法は、XY方向の走査方法によりさらに次の各手法に細分化される。
ある照射位置から次の照射位置への移動中に粒子線を遮断する方法をスポットスキャニング法、またはディスクリートスポットスキャニング法という。例えば、各照射位置に照射した線量を測定する機構を備えておいて、その照射位置に照射すべきあらかじめ定められた線量値に達した時点で粒子線を遮断し、粒子線を次の照射位置へ移動することによって実現する。
ある照射位置から次の照射位置への移動中に粒子線を遮断しない場合は、さらに二つの方法に細分化される。一つの方法は、各照射位置に照射した線量を測定する機構を備えておいて、線量がある一定の値に達した時点で、ビームを遮断せずに次の照射位置へ走査するという方法であり、これをラスタースキャニング法と呼ぶ(例えば特許文献1参照)。粒子線を走査している間にも照射がされているため、走査していない照射位置滞在中に付与される線量分布と、走査中に付与される線量分布との合計が、目標分布になるよう調節する。
ある照射位置から次の照射位置への走査中に粒子線を遮断しない場合のもう一つの方法がラインスキャニング法である。この方法は、常に走査を続け、各照射位置で粒子線を滞在させずに照射対象に粒子線を照射する方法である。単位時間に付与される線量であるビーム強度を一定に保つ機能と、走査速度を任意に変更できる機能とを持たせておき、線量を多く付与すべき照射位置付近では粒子線を低速で走査し、線量を少なく付与すべき照射位置付近では粒子線を高速で走査する。このように、各照射位置に対して付与すべき線量に反比例するように走査速度を調整しながら粒子線を走査することにより、最終的な合計線量分布が目標分布になるように調節する。
以上の各スキャニング照射法において、実際の照射においては様々な不確定要素があるため、計算上は目標分布を得られるはずでも、実際に得られる線量分布は目標分布にならない可能性がある。不確定要素としては、例えば、粒子線強度や位置の不安定性、患者固定位置の誤差、患者CTデータの誤差、制御機器の信号遅れやノイズ等がある。これらの影響により、実際の線量分布が計算値と異なってしまう可能性が考えられる。また、特に肝臓や肺などの呼吸性臓器に腫瘍がある場合、患者の呼吸により腫瘍位置や腫瘍周辺の状況などが時間により変化してしまうため、計画通りの線量を付与することは難しい。
上記問題を解決するための方法としてリスキャン、あるいはリペイントとも呼ばれている方法がある(例えば特許文献2参照)。この方法は、各照射位置に対する粒子線の照射を複数回に分割して行う方法である。この方法は、複数回の線量分布を合計することで誤差を平均化し、誤差を小さくするという考え方に基づく。この分割回数をリスキャン回数と呼ぶ。照射する順序としては、まずあるエネルギーでXY方向に粒子線を走査し、そのエネルギーに対応した全ての照射位置に1回ずつ照射する。その後、エネルギーを変更せずに再度各照射位置に照射を行う。これをリスキャン回数繰り返し、リスキャン回数照射した後、次のエネルギーに変更する。リスキャン回数はエネルギーごとに異なっても構わないし、全エネルギーに対して同じでも構わない。一般的にはリスキャン回数を増やすほど上記誤差の影響は平均化されて小さくなる。
特開2009−66106号公報(段落番号0014) 特開2008−154627号公報
リスキャンはスポットスキャニング法、ラスタースキャニング法、ラインスキャニング法のいずれに対しても適用可能である。いずれの場合も、リスキャン回数を増やすとそれに応じて、各照射位置に対して1回あたりに照射すべき線量は小さくしなければならない。
しかし前述の通り、ラスタースキャニング法では粒子線走査中もビームを遮断しないため、照射位置で滞在時間を0にしたとしても、走査中に0でない線量が付与されてしまう。同様にラインスキャニングの場合、粒子線の走査速度には物理的な上限があるため、最大速度で走査した場合でも各照射位置への線量を0にすることは出来ず、線量の下限が存在する。
線量の下限はラスタースキャニング法の場合もラインスキャニング法の場合も、最大走査速度とビーム強度と照射位置間隔に依存して決まる。リスキャン回数を増やすと、各照射位置に対して1回あたりに照射すべき線量は小さくなり、上記下限値よりも小さくなる可能性がある。その場合でも下限値に相当する線量は必ず付与されてしまうため、計画値よりも多くの線量を付与し、線量過剰となってしまう。
このような課題は、まだ強く認識されておらず、適切なリスキャン回数をどのように設定すれば良いかという提案はない。
そこで、この発明は、ラスタースキャニング法あるいはラインスキャニング法において、適切なリスキャン回数を設定できる粒子線照射装置を得ることを目的とする。
本発明は、進行方向に対して垂直な2方向であるXY2次元に粒子線を偏向させて粒子線が照射対象に照射される照射位置を移動させる走査装置と、照射位置の位置情報と照射位置ごとに照射すべき線量と走査装置の速度情報とを記憶する記憶部と、走査装置を制御するための制御部と、粒子線の線量を計測する線量モニタとを備え、制御部が、線量モニタにより計測された線量が記憶部に記憶された当該照射位置に照射すべき線量に基づいて算出した線量に到達した後、粒子線の照射を停止させずに粒子線を次の照射位置に移動させることを繰り返して、照射対象のXY2次元の全照射位置に粒子線を照射する照射を、リスキャン回数繰り返して粒子線を照射対象のそれぞれの位置にリスキャン回数照射するように走査装置を制御する粒子線照射装置において、リスキャン回数nまたは粒子線の単位時間当たりの線量であるビーム強度Jの一方を入力して、全ての照射位置について下記条件P1を満足する他方の値のうち最大の値を求めて、ユーザーに提示する演算部を備えるようにしたものである。
J*ti<=di/n (条件P1)
ただし、iは前記照射位置の番号、tiは前記記憶部に記憶されている前記速度情報と前記位置情報から求めたi−1番の照射位置からi番の照射位置に前記粒子線が移動する時間、diは前記記憶部に記憶されているi番の照射位置に照射すべき線量
また、進行方向に対して垂直な2方向であるXY2次元に粒子線を偏向させて粒子線が照射対象に照射される照射位置を移動させる走査装置と、照射位置の位置情報と照射位置ごとに照射すべき線量と走査装置の速度情報とを記憶する記憶部と、走査装置を制御するための制御部とを備え、制御部が、記憶部に記憶された照射位置ごとの照射すべき線量に基づいて当該照射位置から次の照射位置への粒子線の移動速度を算出して粒子線を移動させることを繰り返して、照射対象のXY2次元の全照射位置に粒子線を照射する照射を、リスキャン回数繰り返して粒子線を照射対象のそれぞれの照射位置にリスキャン回数照射するように走査装置を制御する粒子線照射装置において、リスキャン回数nまたは粒子線の単位時間当たりの線量であるビーム強度Jの一方を入力して、全ての照射位置について下記条件P2を満足する他方の値のうち最大の値を求めて、ユーザーに提示する演算部を備えるようにしたものである。
J*tmin(i) <=di/n (条件P2)
ただし、iは前記照射位置の番号、tmin(i)は前記記憶部に記憶されている速度情報と前記位置情報から求めたi番の照射位置からi+1番の照射位置に前記粒子線が移動可能な最小時間、diは前記記憶部に記憶されているi番の照射位置に照射すべき線量
この発明によれば、ラスタースキャニング法あるいはラインスキャニング法において適切なリスキャン回数が設定でき、信頼性の高い照射をできるだけ短時間で行うことができる粒子線照射装置を提供できる。
本発明の実施の形態1による粒子線照射装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1による粒子線照射装置の基本動作を説明する線図である。 本発明の実施の形態1による粒子線照射装置の演算時の動作を示すフロー図である。 本発明の実施の形態1による粒子線照射装置の照射時の動作を示すフロー図である。 本発明の実施の形態2による粒子線照射装置の演算時の動作を示すフロー図である。 本発明の実施の形態3による粒子線照射装置の動作を説明するための線図である。 本発明の実施の形態4による粒子線照射装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4による粒子線照射装置の基本動作を説明する線図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による粒子線照射装置の概略構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態1による粒子線照射装置は、粒子を必要なエネルギーまで加速して、加速された粒子を粒子線10として発生する粒子線発生装置1、粒子線発生装置1により発生された粒子線10を粒子線の進行方向であるZ方向に対して垂直な二方向、すなわちXおよびY方向に偏向させて、患者腫瘍内、すなわち照射対象11の任意の位置に走査させる走査装置2を備えている。通常、粒子線発生装置1は、粒子を加速する加速器と加速器から走査装置2まで粒子線10を輸送するための輸送系を備えている。さらに、走査装置2で走査された粒子線10が照射対象11の各位置に照射される線量値を計測する線量モニタ3、各照射位置の位置情報、各照射位置に照射すべき粒子線の線量値、走査装置2の走査速度情報などを記憶する記憶部4、走査装置2の走査を制御する制御部5、入出力部7から入力されたビーム強度またはリスキャン回数、および記憶部4に記憶されている情報を用いて、リスキャン回数またはビーム強度を演算して出力する演算部6を備えている。なお、記憶部4に記憶する各照射位置の位置情報としては、例えば照射位置番号、各照射位置のXY座標系における位置情報、粒子線を各照射位置XYに偏向させるための走査装置2の走査電磁石の励磁電流値、および各照射位置Zに対応するエネルギーなどがある。
本実施の形態1による粒子線照射装置は、ラスタースキャニング法を実行する粒子線照射装置である。以下、本実施の形態1による粒子線照射装置の動作を説明する。まず、ラスタースキャニング法の概要を、図1および図2を用いて説明する。図1で示す照射位置A、照射位置B、照射位置Cを順に照射する様子を図2で示している。図2の横軸は時間、縦軸は照射位置であり、ある時間に粒子線10がどの位置に存在しているかを白抜き矢印で示している。まず、制御部5は、照射位置Aで粒子線が滞在するように走査装置2のY方向走査電磁石21およびX方向走査電磁石22を制御する。線量モニタ3により計測される線量値が、記憶部4に記憶されている照射位置Aにおける照射すべき線量、すなわち目標値に達したら、制御部5は、粒子線10が照射位置Bに移動するように走査装置2を制御する。粒子線10が照射位置Bに移動したら粒子線を滞在させ、線量モニタ3により計測される線量値が照射位置Bにおける目標値に達したら、粒子線10が照射位置Cに移動するように走査装置2を制御する。粒子線10が移動する間、すなわち走査中も患部である照射対象11には粒子線が照射され続ける。このため、例えば照射位置Bの線量値を計測するために、照射位置Aから次の照射位置Bへの走査を開始した時点で線量の測定を開始し、照射位置Aから照射位置Bへの走査中に付与される線量と照射位置Bで滞在中に付与される線量との合計値が、あらかじめ定められた目標値となったとき、照射位置Bの次の照射位置Cへの移動を開始するような制御を行う。
粒子線のエネルギーをあるエネルギーに設定して、以上のような照射方法で、粒子線を粒子線の進行方向に対して垂直な2方向であるXY方向に移動させながら照射することにより、患部のある深さ、すなわちあるZ位置のXY2次元の全照射位置すなわち患部領域に粒子線を照射できる。本発明では、一つのエネルギーの粒子線により、同じZ位置のXY2次元の全照射位置を複数回照射する、すなわちリスキャンを行う。
このリスキャンの回数および照射するときのビーム強度を決定する方法を以下に説明する。図3は予めビーム強度が決まっている場合にリスキャンの回数を決定する方法を示すフローチャートである。まず、患者CT情報ならびに腫瘍の位置情報をもとに、腫瘍内の各照射位置iと、各照射位置に照射すべき線量値diを決定する(ステップST01)。この値は、通常は治療計画装置と呼ばれる演算装置によって決定され、記憶部4に格納される。ここで、各照射位置に照射すべき線量値diとは、リスキャンにより複数回に分割された1回あたりに照射すべき線量ではなく、複数回の合計で照射位置ごとに照射すべき線量であるとする。したがって、リスキャン回数をnとするならば1回あたりに照射すべき線量はdi/nと表される。
本発明を実施する場合は、粒子線照射装置の使用者は治療開始前、リスキャン回数 n を決定する前に、演算部6に対し、治療で使用するビーム強度Jを入出力部7から入力する(ステップST02)。演算部6は各照射位置iと、照射位置iに照射すべき線量値diの情報、および走査装置2が粒子線を移動させる速度の情報である速度情報とを合わせて、ある照射位置i-1から次の照射位置iまでの走査に必要な時間tiを計算する。
tiは、例えば、以下のような式(1)で計算できる。
ti=max[[xi-x(i-1)/Vx,[yi-y(i-1)]/Vy] (1)
ここで、xiとx(i-1) はそれぞれ照射位置iとi-1のX座標、yiとy(i-1)はそれぞれ照射位置iとi-1のY座標、VxとVyは走査装置によるX方向とY方向の走査速度を表す。また、max[a,b]はaとbのうち値の大きい方を選択するという演算子である。走査装置2や制御部5の特性によっては式(1)と異なる表式になることもあり得る。
過剰線量を発生させないためには、各照射位置に照射すべき1回あたりの線量が、走査中に付与される線量よりも大きくなければならない。すなわち、全ての照射位置iに対して、次の条件P1を満たさなければならない。ただし、iがあるエネルギーに対応する照射位置の中で最初に照射する照射位置は無視する。
J*ti<=di/n (条件P1)
ここで、Jはビーム強度であり、単位時間あたりに付与される線量値として入力された値である。なお、<=は、≦と同じ意味を表す。
(条件P1)を式変形することで
n<=di/(J*ti) (2)
となるが、全てのiのうち、式(2)の右辺の値が最も小さくなるiに対して式(2)を満たす最大のnをnmaxとすると、nmaxが全てのiにおいて条件P1を満たす最大の整数となる。すなわちnmaxは、
nmax=int[min(i)[di/(J*ti)]] (3)
となる。ただし、演算子int[r]は「実数rを超えない最大の整数」として定義されるものとする。また演算子 min(i)[f(i)]は、全てのiに対応するf(i)の中で値が最小のものとして定義される。
演算部6は上記により算出されたnmaxを入出力部7に出力、すなわち使用者に提示する(ステップST03)。使用者はその値を見て、承認する場合(ステップST04 YES)には、そのnmaxをリスキャン回数Nとして決定し(ステップST05)、その情報を記憶部4または制御部5に送る。
使用者がnmaxを見て、nmaxよりも少ないリスキャン回数n*でも良いと判断した場合(ステップST06 YES)には、使用者が入出力部7から新たに 修正リスキャン回数n*を入力することにより、n*をリスキャン回数Nとして決定し(ステップST07)、その情報を記憶部4または制御部5に送ることも出来る。例えば、1回目は照射位置1、2、……、M−1、Mの順番に全照射位置を照射し、次の回は照射位置M、M−1、……、2、1の順番に全照射位置を照射するようにしてリスキャンする場合は、リスキャン回数は奇数よりも偶数の方が、より均一化に効果があることも考えられる。この場合、nmaxが奇数の場合は、nmax−1をリスキャン回数 n* として入力する。
あるいは、使用者がnmaxを見て、nmaxでは、例えば均一化には不足でありもっと大きなリスキャン回数が必要であると判断した場合(ステップST06 NO)には、使用者がより小さなビーム強度 J* を新たにビーム強度Jとして入力し(ステップST08)、演算部6に ステップST03を実行させることによりnmaxを再計算して求めることも可能である。
以上により決定したリスキャン回数n、およびそのリスキャン回数nを決定した時のビーム強度Jを用いて、図4のフローチャートに示すように照射を実行する。まず、粒子線発生装置1のパラメータを、粒子線のエネルギーが、照射する最初のエネルギーになるよう設定する(ステップST10)。また、走査装置2のパラメータを、粒子線の照射位置が最初のエネルギーに対応する最初の照射位置となるよう設定する(ステップST11)。その後、粒子線を発生させて照射を開始し、それと同時に線量モニタ3による線量測定を開始する(ステップST12)。
その照射位置における測定線量が1回の目標線量値に到達したら(ステップST13)、その照射位置がそのエネルギーにおける最終照射位置かどうかを判断し(ステップST14)、最終照射位置ではない場合(ステップ14 NO)走査装置2のパラメータを制御して粒子線を次の照射位置に移動させる。ある照射位置i0から次の照射位置i1への走査を開始するのと同時に線量モニタ3により線量の測定を開始し、ビーム位置が照射位置i1に到着したら、走査は終了してその後は照射位置i1へ滞在するが、線量測定は継続する(ステップST15)。照射位置i1に滞在中に、測定された線量が照射すべき線量di1/nに達し(ステップST13)、照射位置i1が最終照射位置ではない場合(ステップST14 NO)、制御部5は次の照射位置i2への走査開始を命令すると同時に、線量モニタ3は新たに線量の測定を開始する(ステップST15)。このとき、照射位置i1のときと同一の測定機構で、測定値をリセットした後新たに測定を開始しても良いし、リセット時間が問題となる場合は、2つの線量モニタ3を用いて、照射位置毎に、2つの線量モニタを交互に測定に用いるようにしても良い。いずれにせよ、照射位置i-1から照射位置iへの走査中に付与される線量値と、照射位置iで滞在中に付与される線量値が、照射位置iに対して与えられるべき1回あたりの線量値di/nに等しくなるような制御を行う。
あるエネルギーに対応する全ての照射位置に対して1回ずつ照射を終えたら(ステップST14 YES)、所定のリスキャン回数の照射を行ったかどうかを判断し(ステップST16)、所定のリスキャン回数の照射が終わっていない場合(ステップST16 NO)ステップST11に戻り、同じエネルギーの各照射位置に対して2回目、3回目・・・の照射を行う。そのエネルギーに対応する全ての照射位置に対して所定のリスキャン回数であるn回の照射を終えたら(ステップST16 YES)、ビームを遮断し(ステップST17)、エネルギーが最後のエネルギーであったかどうかを判断し(ステップST18)、最後のエネルギーではない場合(ステップST18 NO)、粒子線発生装置1のパラメータを、粒子線のエネルギーが次のエネルギーとなるよう変更する(ステップST19)。最後のエネルギーであったと判断される(ステップST18 YES)まで、同様の照射を繰り返すことで、1回の治療は終了する。
上記では、記憶部4には各照射位置に照射されるべき複数回合計の線量diが記憶されていて、制御部5でdi/nを演算して測定線量値を比較するとしたが、nmaxを算出後、記憶部4がdi/nの値を記憶するようにしても構わない。
演算部6が各照射位置で照射すべき線量diを知っており、diを用いてnmaxを算出し、最終的に制御部5がdi/nmaxを知ることが出来る構成、すなわち各照射位置で照射すべき線量に基づいて、リスキャンの1回に各照射位置に照射すべき線量を算出することができる構成になっていれば、情報の記憶方法および通信方法についてはどんな方法であっても構わない。
演算部6と記憶部4は別のハードウェアで、照射すべき線量値に対する情報を別個に所持していても構わないし、どちらか片方だけが情報を所持していて、必要に応じて通信することで情報を共有する方式でも構わない。あるいは、演算部6と記憶部4が同一のハードウェアであっても構わない。
以上のように、本発明の実施の形態1による粒子線照射装置によれば、入力されたビーム強度、粒子線の移動時間、各照射位置に照射すべき照射線量に基づいて最大のリスキャン回数を求めるようにしたので、信頼性の高い照射をできるだけ短時間で行うことができる粒子線照射装置を提供できる。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2による粒子線照射装置の動作を示すフロー図である。装置の構成は図1と同じである。実施の形態1は、ビーム強度が予め決定されている場合に、最適なリスキャン回数を決定する方法を実行する実施の形態であった。本実施の形態2は、リスキャン回数が予め決まっている場合に、最適なビーム強度を決定する方法を実行する実施の形態である。
使用者はあらかじめ決まっているリスキャン回数nを入出力部7から演算部6に入力し(ステップST22)、演算部は全ての照射位置iに対して条件P1を満たすような、最大のビーム強度を出力する(ステップST23)。条件P1を変形すると
J<=di/(n*ti) (4)
であり、したがって、全てのiに対して(条件P1)をみたすビーム強度の最大値Jmaxは、
Jmax=min(i)[di/(n*ti)] (5)
で表される。
粒子線発生装置1の仕様次第であるが、粒子線発生装置1が出力するビーム強度を連続的に任意に選択可能であるとすれば、上記式(5)で計算されるJmaxを、演算部6はそのまま粒子線強度の最大値として出力する。しかし粒子線発生装置1が出力可能なビーム強度が離散的に限定されている場合は、選択可能なビーム強度のなかで(5)を満たす最大のビーム強度をJmaxとして、演算部6は出力する必要がある。
出力されたJmaxの値を使用者が承認した場合(ステップST24 YES)はJmaxをビーム強度として決定し(ステップST25)、ビーム強度決定のルーティンは終了し、照射を開始する。出力されたJmaxの値を使用者が承認せず(ステップST24NO)、Jmaxよりも低いビーム強度で十分だと判断した場合(ステップST26 YES)には、使用者が演算部6に採用可能なビーム強度 J* を照射時のビーム強度として決定して入力する(ステップST26)ことも出来る。
あるいは、使用者がJmaxを見て、Jmaxでは不足でありもっと大きなビーム強度が必要であると判断した場合(ステップST26 NO)には、使用者がより小さなリスキャン回数n*を新たに入力する(ステップST28)ことで、演算部6にJmaxを再計算させることも可能である。
以上のように、本発明の実施の形態2による粒子線照射装置によれば、入力されたリスキャン回数、粒子線の移動時間、各照射位置に照射すべき照射線量に基づいて最大のビーム強度を求めるようにしたので、信頼性の高い照射をできるだけ短時間で行うことができる粒子線照射装置を提供できる。
実施の形態3.
ビーム発生装置の仕様にもよるが、ビーム強度Jが常に一定であるとは限らない。例えば粒子線発生装置1がシンクロトロン粒子加速器による場合には、ビーム強度は時間経過とともにある程度のランダム性をもつ振幅で振動することが知られている。したがって、走査中に照射される線量は時刻により異なってくる可能性があるが、どの時刻にどの照射位置を照射しているのか、あらかじめ高精度に予測しておくことは困難である。
そこで、実施の形態1において、たとえ走査中のビーム強度が平均ビーム強度より高かったとしても、走査中線量が照射すべき1回当たりの線量を超えないように、このビーム強度の変動に基づいてあらかじめマージンを設定して最大リスキャン回数nmaxを決定する方法が考えられる。
すなわち、使用者は演算部6に平均ビーム強度Javeとマージンmarginを入力し、条件P1に替えて、次の条件P1mを全ての照射位置iにおいて6満たす最大リスキャン回数を決定する。
margin*J*ti<=di/n (条件P1m)
すなわち、演算部6は次の式(6)によって最大リスキャン回数を決定し、出力する。
nmax=int[min(i)[di/(margin*Jave*ti)]] (6)
marginの値は、ビーム発生装置の仕様に応じて適切に決めるべきである。例えば、ビーム強度が図6の実線で示すように変動すると予測される場合、ビーム強度の瞬間最大値Jpと平均値Javeの比をmarginとして設定する。
同様に、実施の形態2の場合においても、ビーム強度が時間経過とともに振動することを考慮して、このビーム強度の変動に基づいてあらかじめマージンを設定して、条件P1を満たす平均ビーム強度の最大値Jave,maxを
Jave,max=min(i)[di/(n*ti*margin)] (7)
として決定し、出力する。
以上のように、本実施の形態3による粒子線照射装置は、ビーム強度の変動に基づいてマージンを設定して最大リスキャン回数または最大ビーム強度を求めるので、ビーム強度が振動する粒子線発生装置を用いた場合でも、信頼性の高い照射をできるだけ短時間で行うことができる粒子線照射装置を提供できる。
実施の形態4.
図7は本発明の実施の形態4による粒子線照射装置の概略構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態4による粒子線照射装置は、粒子を必要なエネルギーまで加速し加速された粒子を粒子線10として発生する粒子線発生装置1、粒子線発生装置1により発生された粒子線10を患者腫瘍内、すなわち照射対象11の任意の位置に走査させる走査装置2を備えている。さらに、走査装置2で走査された粒子線10の位置をモニタするビーム位置モニタ9、各照射位置の位置情報、各照射位置に照射すべき粒子線の線量値、走査装置2の走査速度情報などを記憶する記憶部4、走査装置2の走査を制御する制御部5、入出力部7から入力されたビーム強度またはリスキャン回数、および記憶部4に記憶されている情報を用いて、リスキャン回数またはビーム強度を演算して出力する演算部6を備えている。なお、記憶部4に記憶する各照射位置の位置情報としては、例えば照射位置番号、各照射位置のXY座標系における位置情報、粒子線を各照射位置XYに偏向させるための走査装置2の走査電磁石の励磁電流値、および各照射位置Zに対応するエネルギーなどがある。
本実施の形態4は、ラインスキャニング法による実施の形態である。ラインスキャニング法は、各照射位置において粒子線の走査を止めず、常に走査を続けながら照射する。単位時間に付与される線量であるビーム強度を一定に保ちつつ、線量を多く付与すべき照射位置では粒子線を低速で走査し、線量を少なく付与すべき照射位置では粒子線を高速で走査することにより各照射位置で所定の線量を与える。図8に、ラインスキャニング法による照射の様子を示す。図8の横軸は時間、縦軸は照射位置であり、ある時間に粒子線10がどの位置に存在しているかを白抜き矢印で示している。照射位置Aから照射位置Bまでの距離と照射位置Bから照射位置Cまでの距離が同じとする。図8では、照射位置Aから照射位置Bへの走査よりも、照射位置Bから照射位置Cの走査のほうが短い時間、すなわち走査速度が速い。よって、照射位置Aから照射位置Bの間に照射される線量よりも照射位置Bから照射位置Cの間に照射される線量が少ない。このように、ラインスキャニング法では、粒子線を連続して照射するとき、照射位置によって走査速度を変えることにより、各照射位置に照射される線量を変化させながら、各照射位置に所定の照射線量を与える。
以上のライスキャニング法において、リスキャンする場合の、ビーム強度とリスキャン回数を以下のように決定する。まず、tmin(i)を、ある照射位置iから次の照射位置i+1まで最大速度で走査した場合にかかる時間として定義する。tmin(i)は、例えば、次のような式で算出可能である。
tmin(i)= max[{x(i+1)-xi}/Vxmax,{y(i+1)-yi}/Vymax] (8)
ここで、xiとx(i+1)はそれぞれ照射位置iとi+1のX座標、yiとy(i+1)はそれぞれ照射位置iとi+1のY座標、Vxmaxと Vymaxは走査装置によるX方向とY方向の最大走査速度を表す。
ここで求めたtmin(i)を使って、次の条件P2を定義する。
J*tmin(i)<=di/n (条件P2)
全てのiに対して条件P2を満たす場合、各照射位置に対して付与し得る線量の下限値が、各照射位置に対して1回当たりに照射すべき線量よりも小さくなり、走査速度を適切に調整することにより過剰線量を発生させることなく目標分布を形成することが可能となる。
使用者は演算部6にビーム強度Jを入力し、演算部6は次の式(9)で最大リスキャン回数nmaxを算出し、出力する。
nmax=int[min(i)[di/(J*tmin(i))]] (9)
この値を使用者が承認した場合、あるいはしなかった場合の後のフローは実施の形態1と全く同じである。すなわち図3のステップST04〜ST08と同様である。
ラインスキャニング法においても、ラスタースキャニング法における実施の形態2と同様、使用者がリスキャン回数を入力して、演算部6が最適なビーム強度を決定するようにしても良い。
すなわち、演算部6は、使用者が入力したリスキャン回数nを用いて全てのiについて条件P2を満足する最大のJであるJmaxを式(10)により求めて、使用者に提示する。
Jmax=min(i)[di/(n*tmin(i))] (10)
提示されたJmaxを使用者が承認した場合、あるいはしなかった場合のフローは実施の形態2と同様である。
以上のように、本実施の形態4による粒子線照射装置は、ラインスキャニング法において、ビーム強度Jおよびリスキャン回数nのうち一方の値を入力し、条件P2を満足する他方の値のうち最大値を提示するようにしたので、信頼性の高い照射をできるだけ短時間で行うことができる粒子線照射装置を提供できる。
実施の形態5.
これまでの実施の形態では、説明を簡単にするため、粒子線の各エネルギー、すなわち各Z位置におけるリスキャン回数nは全て同一として説明したが、勿論、エネルギー毎にリスキャン回数が異なっても良い。均一な線量分布を形成しようとした場合、一般に、1つの照射位置に照射すべき線量値は高エネルギーに対応する照射位置ほど高くなる傾向が知られており、したがって高エネルギー側の照射位置ほど多数回リスキャンすることが可能となる。
同様にビーム強度もまた、全エネルギーにおいて一定である必要はなく、上記と同様の理由により、高エネルギー側ではビーム強度を高くするほうが照射時間を短くする上で有利に働く場合がある。あるいはビーム発生装置の特性次第では、そもそも異なるエネルギーに対しビーム強度を一定にすることが困難である可能性もある。
ラスタースキャニングによる実施の形態1において、エネルギー毎にリスキャン回数を決定する方法を例に説明する。エネルギーeに対し、それぞれリスキャン回数およびビーム強度Jeを設定した場合において、過剰線量を発生させないためには、各照射位置に照射すべき1回あたりの線量が、走査中に付与される線量よりも大きくなければならない。よって、エネルギー毎に条件P1を満足する最大のnmaxを求めておけば良い。エネルギー毎の条件P1を表記すると次のようになる。
Je*ti<=di/ne (条件P1)
実施の形態1と同じように、あらかじめ各エネルギーに対するビーム強度Jeが与えられている場合は、演算部6は、以下の式により、各エネルギーに対するリスキャン回数nmaxeを全て出力する。
nmaxe=int[min(i∈e)[di/(Je*ti)]] (11)
ここで、演算子min(i∈e)[f(i)]は、「あるエネルギーeに対応する全ての照射位置iに対応するf(i)の中で、値が最小のもの」として定義される。
これらnmaxeの全ての値を使用者が承認する場合(図3 ST04 YES)はそれらの値を各エネルギーに対するリスキャン回数として決定し、終了する。使用者が、nmaxeのうち一部または全ての値はnmaxeよりも小さい値ne*で良いと判断した場合(ST06 YES)には、修正したい部分に対しそれぞれne*を入力する(ST07)。また、一部または全てのnmaxeに対し、もっと大きなリスキャン回数が必要であると判断した場合(ST06 NO)には、修正したい部分に対応するエネルギーに対し、もとのビーム強度Jeよりも小さな値Je*を新たなビーム強度として入力し(ST08)、コンピュータは変更を受けた部分に関して再度nmaxeの計算を実施する(ST03)
同様に、実施の形態2において、あらかじめ各エネルギーに対するリスキャン回数neが与えられている場合は、演算部6は、以下の式により、各エネルギーに対するビーム強度Jmaxeを全て出力する。
Jmaxe=min(i∈e)[di/(ne*ti)] (12)
これらJmaxeの全ての値を使用者が承認する場合(図3 ST24 YES)はそれらの値を各エネルギーに対するビーム強度として決定し、終了する。使用者が、Jmaxeのうち一部または全ての値はJmaxeよりも小さい値Je*で良いと判断した場合(ST26 YES)には、修正したい部分に対しそれぞれJe*を入力する(ST27)。また、一部または全てのJmaxeに対し、もっと大きなビーム強度が必要であると判断した場合(ST26 NO)には、修正したい部分に対応するエネルギーに対し、もとのリスキャン回数neよりも小さな値ne*を新たなリスキャン回数として入力し(ST28)、コンピュータは変更を受けた部分に関して再度Jmaxeの計算を実施する(ST23)。
以上では、ラスタースキャニング法である実施の形態1および2において、エネルギー毎にリスキャン回数あるいはビーム強度を決定する方法を説明したが、ラインスキャニング法である実施の形態4において、エネルギー毎にリスキャン回数あるいはビーム強度を決定しても良いのは言うまでもない。
1 粒子線発生装置、2 走査装置、3 線量モニタ、
4 記憶部、5 制御部、6 演算部、7 入出力部

Claims (3)

  1. 進行方向に対して垂直な2方向であるXY2次元に粒子線を偏向させて前記粒子線が照射対象に照射される照射位置を移動させる走査装置と、前記照射位置の位置情報と前記照射位置ごとに照射すべき線量と前記走査装置の速度情報とを記憶する記憶部と、前記走査装置を制御するための制御部と、前記粒子線の線量を計測する線量モニタとを備え、
    前記制御部が、前記線量モニタにより計測された線量が前記記憶部に記憶された当該照射位置に照射すべき線量に基づいて算出した線量に到達した後、前記粒子線の照射を停止させずに前記粒子線を次の照射位置に移動させることを繰り返して、前記照射対象の前記XY2次元の全照射位置に前記粒子線を照射する照射を、リスキャン回数繰り返して前記粒子線を前記照射対象のそれぞれの照射位置に前記リスキャン回数照射するように前記走査装置を制御する粒子線照射装置において、
    前記リスキャン回数nまたは前記粒子線の単位時間当たりの線量であるビーム強度Jの一方を入力して、全ての照射位置について下記条件P1を満足する他方の値のうち最大の値を求めて、ユーザーに提示する演算部を備えたことを特徴とする粒子線照射装置。
    J*ti<=di/n (条件P1)
    ただし、iは前記照射位置の番号、tiは前記記憶部に記憶されている前記速度情報と前記位置情報から求めたi−1番の照射位置からi番の照射位置に前記粒子線が移動する時間、diは前記記憶部に記憶されているi番の照射位置に照射すべき線量
  2. 前記リスキャン回数nまたは前記粒子線の単位時間当たりの線量であるビーム強度Jの一方を入力して、全ての照射位置について前記条件P1に替えて下記条件P1mを満足する他方の値のうち最大の値を求めて、ユーザーに提示する演算部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の粒子線照射装置。
    margin*J*ti<=di/n (条件P1m)
    ただし、marginは前記粒子線のビーム強度の変動に基づいて設定される係数
  3. 進行方向に対して垂直な2方向であるXY2次元に粒子線を偏向させて前記粒子線が照射対象に照射される照射位置を移動させる走査装置と、前記照射位置の位置情報と前記照射位置ごとに照射すべき線量と前記走査装置の速度情報とを記憶する記憶部と、前記走査装置を制御するための制御部とを備え、
    前記制御部が、前記記憶部に記憶された前記照射位置ごとの照射すべき線量に基づいて当該照射位置から次の照射位置への前記粒子線の移動速度を算出して前記粒子線を移動させることを繰り返して、前記照射対象の前記XY2次元の全照射位置に前記粒子線を照射する照射を、リスキャン回数繰り返して前記粒子線を前記照射対象のそれぞれの照射位置に前記リスキャン回数照射するように前記走査装置を制御する粒子線照射装置において、
    前記リスキャン回数nまたは前記粒子線の単位時間当たりの線量であるビーム強度Jの一方を入力して、全ての照射位置について下記条件P2を満足する他方の値のうち最大の値を求めて、ユーザーに提示する演算部を備えたことを特徴とする粒子線照射装置。
    J*tmin(i)<=di/n (条件P2)
    ただし、iは前記照射位置の番号、tmin(i)は前記記憶部に記憶されている速度情報と前記位置情報から求めたi-1番の照射位置からi番の照射位置に前記粒子線が移動可能な最小時間、diは前記記憶部に記憶されているi番の照射位置に照射すべき線量
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