JP6061693B2 - 異常診断装置およびこれを用いた異常診断方法 - Google Patents
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Description
特許文献2に記載の技術は更に、既知の異常音に基づき、膨大な量の評価項目の閾値を設定する必要があるため、初期設定に相当量の時間と労力を費やさなければならないという問題があった。また、未知の異常音に対して、その特性を予測することは困難であり、どの評価項目に対してどの程度の閾値を設定すれば正確に異常を検知できるか不明であるという問題があった。
特許文献3に記載の技術は更に、異常発生位置が診断対象物のどの部位にあたるかを特定するためには、異常診断装置と診断対象物との相対的な位置関係および診断対象物の形状を測定した上で、前記異常発生位置が診断対象物のどの部位にあたるかを計算する必要があった。特に、診断対象物が複雑な形状を持つ場合には、計算が煩雑になるという問題があった。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
診断対象物7は、動作時に所定量の音を発生する機器であり、例えば、モータ、コンプレッサ、発電機などである。
カメラ2は、診断対象物7を撮像して、カメラ画像を動画として出力するものである。カメラ2は、異常診断装置1に接続されている。なお、カメラ2は、診断対象物7が外観上の可動部分を有していないならば、これを1フレームだけ撮像して、カメラ画像を静止画像として出力するものであってもよい。
マイクロホンアレイ3は、複数のマイクで構成され、診断対象物7の音圧信号を測定するものである。このマイクロホンアレイ3は、異常診断装置1に接続されて、集音した音圧信号を出力する。
異常診断装置1は、マイクロホンアレイ3が集音した音圧信号に基づいて、診断対象物7の異常性を診断し、カメラ2が撮像したカメラ画像と重畳してモニタ14に表示するものである。異常診断装置1は、診断対象物7が複数の動作モードを有しているとき、いずれの動作モードに於いて動作しているかを判断することにより、この動作モードに於ける異常を特定する。異常診断装置1は更に、診断対象物7の動作モードを指令することにより、所定の動作モードで動作させて異常を特定することができる。
音響信号処理部12は、音圧マップ作成部121(音圧マップ作成手段)と、異常領域判定部122(異常領域判定手段)と、異常項目診断部123(異常項目診断手段)と、音圧マップ表示部124(音圧マップ表示手段)と、を有する。音響信号処理部12は、A/D変換器11が出力した音圧信号を処理して異常を判定し、カメラ画像と重畳して表示するものである。音響信号処理部12は、図示しないCPU(Central Processing Unit)がファームウェアプログラムを実行することによって具現化される。
異常領域判定部122は、音圧マップに基づいて、各計算点に於ける異常の有無を判定するものである。
音圧マップ表示部124は、音圧マップなどをカメラ画像に重ねた診断結果の画面を、モニタ14に表示すると共に、ネットワーク処理部15などにより、端末8に送信するものである。
正常性学習DB131は、正常品に係る単位空間を形成する逆行列データを格納している。正常性学習DB131は、音響信号処理部12が、異常の有無を判定するために参照する。
測定結果DB132は、音圧マップを格納している。測定結果DB132は、音響信号処理部12が測定した音圧マップを保存するために用いられる。
モニタ14は、文字、図形、画像などを表示するものである。
ネットワーク処理部15は、ネットワーク9を介して通信を行うものである。ネットワーク処理部15は、音圧マップ表示部124が出力した診断結果の画面を、ネットワーク9を介して端末8に送信するものである。
ネットワークインタフェース16は、ネットワーク9に接続され、ネットワーク9を介してパケットを送受信するハードウェアである。
アラーム処理部17は、アラーム(警告音)を生成して、スピーカ18に出力するものである。スピーカ18は、信号が入力されたとき、この信号に対応する音を出力するものである。
ネットワーク9は、例えば、インターネット通信網であり、複数の装置間に於いてパケットを送受信可能とするものである。
端末8は、例えば、コンピュータであり、ネットワーク9を介して異常診断装置1の診断結果の画面を受信して表示するものである。
異常診断装置1が起動され、正常データ学習指示が入力されたならば、音響信号処理部12は、正常データ学習処理を開始する。この正常データ学習処理は、参考文献1(田村希志臣、「よくわかるMTシステム−品質工学によるパターン認識の新技術」、日本規格協会、2009年8月)の42〜45頁に於いて、詳細に記載されている。
ステップS10〜S16に於いて、音圧マップ作成部121は、既定数の音圧マップを記録する処理を繰り返す。ここで既定数は、この正常データ学習処理を行う上で予め定められた回数である。しかし、これに限られずに、既定の時間だけ正常データ学習処理を繰り返してもよい。
ステップS12に於いて、音圧マップ作成部121は、測定した音圧信号を信号処理して、カメラ画像に対応する音圧レベルとパワースペクトルとを算出する。算出した音圧レベルとパワースペクトルとは、それぞれ音圧マップを構成する。
ステップS13に於いて、音圧マップ表示部124は、カメラ画像に音圧マップを付加する。
ステップS14に於いて、音圧マップ表示部124は、音圧マップが付加されたカメラ画像を、モニタ14に表示する。
ステップS15に於いて、音圧マップ作成部121は、音圧マップを測定結果DB132に記録する。
ステップS17に於いて、音圧マップ作成部121は、ステップS10〜S16で測定して測定結果DB132に格納された音圧マップに基づき、正常データを学習する。より具体的には、音圧マップ作成部121は、取得した音圧マップを用いて、正常品に係わるデータの特徴量を抽出して、単位空間を形成する(図3参照)。なお、正常品とは、診断対象物7のうち、予め定められた仕様を満たすものである。
ステップS18に於いて、音圧マップ作成部121は、正常品の特徴量を正常性学習DB131に記憶する(図3参照)。
ステップS18の処理が終了すると、音響信号処理部12は、図2に示す正常データ学習処理を終了する。
音圧マップ作成部121が、図2の正常データ学習処理に於いて、ステップS17の処理を開始したならば、正常品の特徴量を抽出して単位空間を形成する処理を開始する。この図3の処理は、参考文献1の42〜45頁に詳細に記載されている。
ステップS20に於いて、音圧マップ作成部121は、測定結果DB132の音圧マップから、j番目の評価項目に対する、i番目のサンプルデータxijを取得する。
ステップS21に於いて、音圧マップ作成部121は、j番目の評価項目の平均値mjおよび標準偏差σjを求める。音圧マップ作成部121は、次の(1)式を計算して、サンプルデータxijをサンプルデータXijに規準化する。
ステップS23に於いて、音圧マップ作成部121は、計算した相関行列Rの逆行列R−1を計算する。
ステップS24に於いて、音圧マップ作成部121は、計算した逆行列R−1を、正常性学習DB131に記憶する。ステップS24の処理は、図2のステップS18の処理に対応する。
ステップS24の処理が終了すると、音圧マップ作成部121は、図3の処理を終了する。
異常診断装置1が起動されて異常診断の指示が入力されたならば、異常診断装置1は、異常診断処理を開始する。このとき、診断対象物7は、正常品と同一の位置に設置されている。これにより、マイクロホンアレイ3は、正常品に係る音圧マップと診断対象物7に係る音圧マップとを比較することができる。
ステップS30〜S32の処理は、音圧マップ作成部121によって行われる。
ステップS30に於いて、音圧マップ作成部121は、マイクロホンアレイ3によって、診断対象物7の音を測定し、測定したアナログの音圧信号をA/D変換器11によりデジタルの音圧信号に変換する。
ステップS32に於いて、音圧マップ作成部121は、測定した音圧信号を用いて、各計算点に於けるパワースペクトルを算出する。ステップS32の処理が終了すると、音圧マップ作成部121は、ステップS30の処理に戻り、以降、ステップS30〜S32の処理を繰り返す。
ステップS40に於いて、異常領域判定部122は、音圧マップ作成部121が算出した音圧レベルおよびパワースペクトルに基づいて、音圧信号の単位空間に於ける距離を計算する音の異常性解析を行う。なお、単位空間に於ける距離とは、マハラノビスの距離MD(Mahalanobis Distance)であり、例えば、図2に示す正常データ学習処理で取得された正常データに於ける項目間の相関行列Rの逆行列R−1と、音圧レベルおよびパワースペクトルから計算される。具体的には、異常領域判定部122は、算出された音圧レベルおよびパワースペクトルから、次の(2)式で示される行ベクトルYを取得する。行ベクトルYは、(1)式で規準化された評価項目データを表している。
ステップS43に於いて、異常領域判定部122は、アラーム処理部17によって、診断対象物7が異常性を有する旨のアラーム(警告音)をスピーカ18に出力し、ステップS44の処理を行う。
ステップS50に於いて、音圧マップ表示部124は、音圧マップ作成部121から音圧マップを取得し、異常項目診断部123から異常性の度合い、および、異常原因項目を取得する。音圧マップ表示部124は、音圧マップ、異常性の度合い、および、異常原因項目をカメラ画像に付加し、付加カメラ画像を生成する。
ステップS51に於いて、音圧マップ表示部124は、モニタ14に付加カメラ画像を表示する。なお、音圧マップ表示部124は、モニタ14に音圧マップをそのまま表示してもよい。
ステップS52に於いて、音圧マップ表示部124は、ネットワーク処理部15とネットワークインタフェース16とを介して、付加カメラ画像をネットワーク9に配信する。端末8は、ネットワーク9を介して付加カメラ画像を受信して、図示しない表示部に表示する。
異常項目診断部123は、図4の異常診断処理のステップS44の処理により、図5に示す異常項目診断処理を開始する。異常項目診断処理は、参考文献1の61〜65頁に、その詳細が記載されている。
ステップS60に於いて、異常項目診断部123は、異常領域判定部122により異常と判断された評価対象の音圧データを取得する。
ステップS61に於いて、異常項目診断部123は、評価項目の2水準直交表の割り付けを行う。2水準直交表の割り付けは、評価項目を単位空間の項目として使用する第1水準の項目と、単位空間の項目として使用しない第2水準の項目に分割することである。なお、2水準直交表の割り付けの組み合わせは、予め定められており、その数は単数であってもよいし、複数であってもよい。
ステップS63に於いて、異常項目診断部123は、当該組み合わせの第1水準および第2水準のそれぞれに関して、サンプルデータの平均と分散とを求めて、サンプルデータの規準化を行い、規準化されたサンプルデータの相関行列を求めることにより、単位空間の計算を行う。
ステップS64に於いて、異常項目診断部123は、異常データの第1水準の各項目および第2水準の各項目に関して、当該単位空間に於ける距離を計算する。
ステップS65に於いて、異常項目診断部123は、2水準直交表の全ての項目組み合わせを繰り返したか否かを判断する。異常項目診断部123は、当該判断条件が成立しなかったならば、ステップS62の処理に戻って次の項目組み合わせの処理を行い、当該判断条件が成立したならば、ステップS66の処理を行う。
ステップS67に於いて、異常項目診断部123は、影響度が最も大きい評価項目を異常原因項目として決定し、図5の処理を終了する。
図6(a)は、カメラ画像内の診断対象物7と、カメラ画像内の複数の格子1〜Nを示す図である。カメラ画像は、N個の格子1〜Nを表示し、更に円柱状の診断対象物7を重畳して表示している。格子1〜Nは、このカメラ画像をN個の矩形領域に分割しており、診断対象物7の異常部位を特定するための各計算点に対応している。
カメラ画像表示画面20は、図4のステップS51に於いて、音圧マップ表示部124によってモニタ14上に表示されたものである。なお、本実施形態の評価項目は、全ての格子のパワースペクトルが含んでいる、全ての周波数帯に於ける音圧レベルの情報である。
カメラ画像表示画面20は、左側に付加カメラ画像20aを表示し、右側に周波数成分表示グラフ27を表示し、付加カメラ画像20aの近傍に拡大ボタン25と縮小ボタン26とをそれぞれ表示している。
付加カメラ画像20aは、診断対象物7の画像と、複数の格子とを重畳して表示している。付加カメラ画像20aの格子のひとつは、詳細表示領域22である。付加カメラ画像20aは更に、下端にスクロールバー23を表示し、右端にスクロールバー24を表示している。
詳細表示領域22は、ユーザがマウス(不図示)のクリックで指定した格子である。ユーザがいずれかの格子をマウスでクリックして指定すると、音圧マップ表示部124は、指定された格子を詳細表示領域22とし、格子の境界線を強調表示すると共に、周波数成分表示グラフ27をカメラ画像表示画面20の右側に表示する。更に、図4の異常診断処理によって、詳細表示領域22に於けるパワースペクトルのいずれかの周波数成分が異常原因項目として診断された場合、音圧マップ表示部124は、詳細表示領域22の明度や彩度を変化させてハイライト表示する。これによりユーザは、異常原因項目を容易に視認することができる。
縮小ボタン26は、例えば、ユーザがマウスでクリックすることにより、付加カメラ画像20aを縮小して表示するものである。
スクロールバー23は、付加カメラ画像20aを拡大した際、ユーザがマウスでドラッグすることにより、この付加カメラ画像20aを横方向にスクロールするものである。同様にスクロールバー24は、付加カメラ画像20aを拡大した際、ユーザがマウスでドラッグすることにより、付加カメラ画像20aを縦方向にスクロールするものである。
周波数成分表示グラフ27の横軸は、1/3オクターブバンド中心周波数を示している。横軸の単位は、周波数[Hz]である。
周波数成分表示グラフ27の縦軸は、パワースペクトルの大きさを示している。縦軸の単位は、デシベル[dB]である。
正常データの折れ線は、図3に示す正常品の特徴量を抽出して単位空間を形成する処理に於けるステップS21に於いて、当該格子の各周波数成分が評価項目iである場合に、算出されたサンプルデータxijの平均値を示している。
診断データの折れ線は、図4に示す異常診断処理において、音圧マップ作成部121が、ステップS32において計算したパワースペクトルを示している。
異常寄与率の棒グラフは、正常データに対する正常データと異常データとの差の割合を示している。これにより、ユーザは、どの周波数領域に異常が発生しているかを容易に把握することができる。
以上、説明した第1の実施形態では、次の(A)〜(G)のような効果がある。
図8は、第2の実施形態に於ける異常診断装置1Aの構成を示す図である。図1に示す第1の実施形態の異常診断装置1と同一の要素には、同一の符号を付与している。
異常診断装置1Aは、第1の実施形態の異常診断装置1の音響信号処理部12(図1参照)とは異なる音響信号処理部12Aを有し、第1の実施形態のマイクロホンアレイ3(図1参照)とは異なるマイクロホンアレイ3Aが接続されている。
音響信号処理部12Aは、第1の実施形態の音響信号処理部12と同様の構成に加えて、音圧マップ作成部121とは異なる音圧マップ作成部121A(音圧マップ作成手段)と、音圧マップ表示部124とは異なる音圧マップ表示部124A(音圧マップ表示手段)と、仮想平面設定部125とを有している。
仮想平面設定部125は、例えば、カメラ2と診断対象物7の表面から順番に奥行方向に向けて、複数の仮想平面を設定し、音圧マップ作成部121Aに出力するものである。仮想平面設定部125は、カメラ2から診断対象物7の表面までの距離を取得し、この距離を最初の仮想平面として設定し、以降は所定距離ごとに、カメラ2から離れる方向に複数の仮想平面を設定し、これら複数の仮想平面を音圧マップ作成部121Aに出力する。
音圧マップ表示部124Aは、各仮想平面の音圧マップを、カメラ画像に重ねて表示するものである。
マイクロホンアレイ3Aは、円板状に構成されており、その中心部にはカメラ2とカメラ光学系21が設置されている。マイクロホンアレイ3Aは、カメラ2を中心とした複数の円周上に、複数のマイク31を等間隔で配置して構成されている。カメラ2の撮影方向と、複数のマイク31の集音方向とは一致している。各マイク31は、音の指向性を有し、特定方向の音を鋭敏に集音することができる。
カメラ2は、レンズなどで構成されたカメラ光学系21を有している。カメラ2は、カメラ光学系21の光軸が、円板状のマイクロホンアレイ3に対して鉛直方向になるように設置されている。これにより、異常診断装置1は、診断対象物7の画像を撮像することができると共に、診断対象物7の音を3次元情報と共に集音することができる。
異常診断装置1Aが起動されて異常診断の指示が入力されたならば、異常診断装置1は、異常診断処理を開始する。
ステップS30およびステップS31A〜S32Aの処理は、音圧マップ作成部121Aによって行われる。ステップS30Aの処理は、仮想平面設定部125によって行われる。
ステップS30の処理は、図4に示すステップS30の処理と同様である。
ステップS30Aに於いて、仮想平面設定部125は、診断対象物7の表面から等間隔に奥行方向に向けて、複数の仮想平面を設定する。
ステップS31Aに於いて、音圧マップ作成部121Aは、複数の仮想平面に対応した各計算点を設定し、取得した音圧信号を用いて、各仮想平面の各計算点に於ける音圧レベルを算出する。
ステップS32Aに於いて、音圧マップ作成部121Aは、測定した音圧信号を用いて、各仮想平面に対応した各計算点に於けるパワースペクトルを算出する。ステップS32Aの処理が終了すると、音圧マップ作成部121Aは、ステップS30の処理に戻り、以降、ステップS30〜S32Aの処理を繰り返す。
ステップS44の処理は、異常項目診断部123によって行われ、図4のステップS44の処理と同様である。
ステップS50Aに於いて、音圧マップ表示部124Aは、音圧マップ作成部121Aから各仮想平面に対する音圧マップを取得し、異常項目診断部123から異常性の度合いおよび異常原因項目を取得する。音圧マップ表示部124Aは、各仮想平面の音圧マップ、異常性の度合い、および、異常原因項目をカメラ画像に付加し、付加カメラ画像を生成する。
ステップS51,S52の処理は、各仮想平面ごとの付加カメラ画像を表示することを除き、図4に示すステップS51,S52の処理と同様である。
カメラ画像表示画面20Aは、図10のステップS51に於いて、音圧マップ表示部124Aによってモニタ14上に表示されたものである。
カメラ画像表示画面20Aは、左上に付加カメラ画像20a−1を表示し、右上に付加カメラ画像20a−2を表示し、左下に付加カメラ画像20a−3を表示し、右下に付加カメラ画像20a−4を表示している。各付加カメラ画像20a−1〜20a−4の横には、マイクロホンアレイ3Aからの距離が表示されている。
付加カメラ画像20a−2は、マイクロホンアレイ3Aからの距離が0.5mの仮想平面に於ける音圧マップを、カメラ画像に付加したものである。
付加カメラ画像20a−3は、マイクロホンアレイ3Aからの距離が0.6mの仮想平面に於ける音圧マップを、カメラ画像に付加したものである。
付加カメラ画像20a−4は、マイクロホンアレイ3Aからの距離が0.7mの仮想平面に於ける音圧マップを、カメラ画像に付加したものである。
付加カメラ画像20a−2に示されているように、マイクロホンアレイ3Aからの距離が0.5mの仮想平面には、音圧レベルが高い領域が存在する。付加カメラ画像20a−2は、音圧レベルが高い領域の格子の境界線を強調表示すると共に、この格子の音圧レベルが「レベル大」であることを当該格子下側のダイアログで表示している。
以上、説明した第2の実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、次の(H),(I)のような効果がある。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(g)のようなものがある。
2 カメラ(撮像手段)
3,3A マイクロホンアレイ (集音手段)
7 診断対象物
8 端末
9 ネットワーク
11 A/D変換器
12,12A 音響信号処理部
13 記憶部
14 モニタ
15 ネットワーク処理部
16 ネットワークインタフェース
17 アラーム処理部
18 スピーカ
20 カメラ画像表示画面
20a,20a−1〜20a−4 付加カメラ画像
21 カメラ光学系
22 詳細表示領域
23,24 スクロールバー
25 拡大ボタン
26 縮小ボタン
27 周波数成分表示グラフ
31 マイク
121,121A 音圧マップ作成部 (音圧マップ作成手段)
122 異常領域判定部 (異常領域判定手段)
123 異常項目診断部 (異常項目診断手段)
124,124A 音圧マップ表示部 (音圧マップ表示手段)
125 仮想平面設定部 (仮想平面設定手段)
131 正常性学習DB
132 測定結果DB
D1j,D2j 平均値
R 相関行列
xij,Xij サンプルデータ
mj 平均値
σj 標準偏差
Claims (7)
- 診断対象物の画像を撮像する撮像手段と、
複数のマイクで構成されたマイクロホンアレイにより前記診断対象物からの音圧信号を集音する集音手段と、
前記集音手段で集音した前記音圧信号に信号処理を行って、前記画像に対応する音圧の方向ごとの分布を計算して音圧マップを作成する音圧マップ作成手段と、
前記音圧マップ作成手段が計算した前記診断対象物の音圧マップ、および正常品群の音圧マップの特徴を表す単位空間に基づき、前記診断対象物の音圧マップの前記単位空間に於ける距離が閾値を超えているか否かによって、各計算点での異常の有無を判定する異常領域判定手段と、
前記診断対象物の音圧マップおよび複数の格子を前記画像に重ねて表示部に出力すると共に、ユーザによって指定されたいずれかの任意の格子を詳細表示領域として周波数成分のデータを前記正常品群での当該詳細表示領域の周波数成分のデータと共に表示する表示グラフを表示部に出力する音圧マップ表示手段と、
を備えたことを特徴とする異常診断装置。 - 前記診断対象物の音圧マップは、前記画像の各計算点に於ける音圧レベルの情報またはパワースペクトルの情報を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載の異常診断装置。 - 前記単位空間は、前記正常品群の音圧マップの項目間の相関行列の逆行列で示され、
前記異常領域判定手段が、前記診断対象物のいずれの計算点での異常も判定しなかったならば、前記異常領域判定手段は前記音圧マップにより前記単位空間を更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載の異常診断装置。 - 前記診断対象物の音圧マップに基づいて、各計算点での異常項目を診断する異常項目診断手段を更に備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の異常診断装置。 - 前記マイクロホンアレイは、前記撮像手段を中心とした円周上に、前記複数のマイクを等間隔で配置して構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の異常診断装置。 - 前記音圧マップ作成手段は、前記集音手段で集音した音圧信号にビームフォーミング処理を行って、前記撮像手段から所定の距離だけ離れた複数の仮想平面に於ける各音圧マップを計算し、
前記音圧マップ表示手段は、いずれかの音圧マップを前記画像に重ねて表示する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1項に記載の異常診断装置。 - 診断対象物の画像を撮像し、
複数のマイクで構成されたマイクロホンアレイにより前記診断対象物からの音圧信号を集音し、
前記音圧信号を信号処理して前記画像に対応する音圧の方向ごとの分布を計算して前記診断対象物の音圧マップを作成し、
前記診断対象物の音圧マップ、および正常品群の音圧マップの特徴を表す単位空間に基づき、前記診断対象物の音圧マップの前記単位空間に於ける距離が閾値を超えているか否かによって、各計算点での異常の有無を判定し、
前記画像に前記診断対象物の音圧マップおよび複数の格子を重ねて表示部に出力し、
前記画像を前記格子で複数の矩形領域に分け、
ユーザによって指定されたいずれかの任意の格子を詳細表示領域として周波数成分のデータを算出して、当該詳細表示領域の正常データと共に表示する表示グラフを表示部に出力する、
ことを特徴とする異常診断方法。
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