JP2015219138A - 音源探査装置、音源探査方法、および音源探査プログラム - Google Patents

音源探査装置、音源探査方法、および音源探査プログラム Download PDF

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真智子 瀬戸
規彰 山元
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規彰 山元
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Yasufumi Hattori
康章 服部
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Abstract

【課題】例えば音響インテンシティ法で採用される4個のマイクロホン等、少数のマイクロホンを使って高い分解能の音圧分布を得る。【解決手段】3個もしくは4個の音センサ、例えば正四面体の4つの頂点に1つずつ配置された4個の音センサ11a〜11dで受音して得た音信号を入力し、入力した音信号に基づいて最小分散法(Capon法)を適用したビームフォーミング演算により音源を含む音源平面P内の音圧分布を得て音の到来方向を探査し探査結果を提示する。【選択図】図4

Description

本発明は、音源から発せられた音を受音して得られた音信号に基づいて音源を探査する音源探査装置、音源探査方法、および音源探査プログラムに関する。
音が聞こえてきてもその音の発生源(音源)を特定することが困難な場合がある。そのような場面に対処するため、例えば装置や機器の開発や故障解析などの分野において、音源、すなわち異音などの音の発生源を特定する技術が知られている。
例えば特許文献1には、配置されたマイクロホンで受音して演算により音源を特定するとともに音源近傍をカメラで撮影して、音源を示すマークを音源近傍の画像とともに表示する技術が開示されている。
音源探査のために多用される演算アルゴリズムとして、ビームフォーミング法と音響インテンシティ法とが知られている。ビームフォーミング法では空間的な音圧分布が算出され、音響インテンシティ法では音のインテンシティ(音の強さと方向)が算出される。これらビームフォーミング法と音響インテンシティ法は、算出内容が互いに異なり、またいずれも長短があるため、両者が併用されることも多い。
ここで、ビームフォーミング法では、多数個(例えば36個)のマイクロホンを広い空間に配置する必要がある。多数個のマイクロホンを広い空間に広がるように配置することで始めて、十分な分解能で音源方向を特定することができる。このため、マイクロホンアレイの運搬や設置が大変であるという欠点を有する。これに対し、音響インテンシティ法の場合、比較的小さな空間内に設定された、例えば正四面体の各頂点に1つずつマイクロホンを配置した、合計4つのマイクロホンで済む。
特開2004−77277号公報
上述の通り、ビームフォーミング法では、多数個のマイクロホンを広い空間に配置したマイクロホンアレイが採用されているのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑み、例えば音響インテンシティ法で採用される4個のマイクロホン等、少数のマイクロホンを使って、高い分解能の音圧分布を得ることのできる音源探査装置、音源探査方法、および音源探査プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の音源探査装置は、
3個もしくは4個の音センサと、
3個もしくは4個の音センサで受音して得た音信号を入力する入力部と、
入力部から入力された音信号に基づいて最小分散法を適用したビームフォーミング演算により音の到来方向を探査する探査部と、
探査部による探査結果を提示する提示部とを備えたことを特徴とする。
従来は、ビームフォーミング法として、時間遅延和法が広く使われている。この時間遅延和法を用いると、上述の通り、多数個のマイクロホンを広い空間に配置して始めて、必要な分解能の音圧分布を得ることができる。ここで、ビームフォーミング法として、最小分散法(MV法、Capon法)という別法が存在する。この最小分散法という演算手法自体は知られていた手法ではあるが、この最小分散法を採用すると、音響インテンシティ法で用いられる4個の音センサをそのまま使って、あるいはそれより少ない3個の音センサを使って、従来よりも格段に優れた分解能を持つ音圧分布が得られるという結論には、従来辿りついていない。
本発明者の考察や実験等により、最小分散法を採用すると、音響インテンシティ法で採用される4個の音センサあるいはさらに少ない3個の音センサを用いるだけで、高い分解能の演算結果を得ることができることに想到し、本発明の完成に至ったのである。
ここで、本発明の音源探査装置において、上記音センサが、正四面体の各頂点に1個ずつ配置されたものであることが好ましい。
本発明の音源探査装置によれば、従来から音響インテンシティ法で採用されている正四面体の各頂点に1個ずつ配置された合計4個の音センサからなるセンサアレイをそのままビームフォーミング法に適用することができる。
あるいは本発明の音源探査装置において、上記音センサが、1つの平面上に分散配置された3個の音センサであることも好ましい態様である。
本発明の音源探査装置によれば、音響インテンシティ法で採用されている4個よりもさらに数の少ない3個の音センサであっても十分に高分解能な結果を得ることができる。したがって、音響インテンシティ法と併用する必要のないときは3個の音センサを用いることで十分である。
また、上記目的を達成する本発明の音源探査方法は、演算装置内で実行される、3個もしくは4個の音センサで受音して得た音信号を入力し、入力した音信号に基づいて最小分散法を適用したビームフォーミング演算により音の到来方向を探査して探査結果を提示することを特徴とする。
また、上記目的を達成する本発明の音源探査プログラムは、演算装置内で実行されて、その演算装置内に、
3個もしくは4個の音センサで受音して得た音信号を入力する入力部と、
入力部から入力された音信号に基づいて最小分散法を適用したビームフォーミング演算により音の到来方向を探査する探査部と、
探査部による探査結果を提示する提示部とを構築することを特徴とする。
以上の本発明によれば、3個もしくは4個という少ない音センサを使って、高い分解能の音圧分布を得ることができ、音の到来方向を高い精度で特定することができる。
本発明の一実施形態としての音源探査装置の構成を示した概念図である。 ノートPC内での処理の概要を示した図である。 ビームフォーミング演算の概要を示した図である。 ビームフォーミング演算部の構成を示したブロック図である。 36個のマイクロホンを配置して時間遅延和法による音圧分布を算出した結果を示した図である。 3本のマイクロホンを配置して最小分散法(Capon法)を適用したときの音圧分布算出結果を示した図である。 4本のマイクロホンを配置して最小分散法(Capon法)を適用したときの音圧分布算出結果を示した図である。 4本のマイクロホンを正方形の各頂点に配置して最小分散法(Capon法)を適用したときの音圧分布算出結果を示した図である。 4本のマイクロホンを正四面体の各頂点に配置して最小分散法(Capon法)を適用したときの音圧分布算出結果を示した図である。 4個のマイクロホンを正四面体の各頂点に配置し、最小分散法(Capon法)により算出される音圧分布を示した図である。 図10(B)に示した線分x,yに沿う音圧分布を示した図である。 4個のマイクロホンを平面上に配置し、最小分散法(Capon法)により算出した音圧分布を示した図である。 図12(B)に示した線分x,yに沿う音圧分布を示した図である。 4個のマイクロホンを平面上の正方形の各頂点に配置し、最小分散法(Capon法)により算出した音圧分布を示した図である。 図14(B)に示した線分x,yに沿う音圧分布を示した図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての音源探査装置の構成を示した概念図である。
この図1に示す音源探査装置1は、プローブ10と、演算装置20と、カメラ50とを備えている。
プローブ10には、4個のマイクロホン11a〜11dが固定されている。これら4個のマイクロホン11a〜11dは、正四面体の4つの頂点にそれぞれに配置されている。これら4個のマイクロホン11a〜11dのうちの1個のマイクロホン11aは、他の3個のマイクロホン11b〜11dよりも突出した位置にある。
また、本実施形態における演算装置20は、マルチプレクサ30とノート型パーソナルコンピュータ(以下、「ノートPC」と略記する)40で構成されている。音源60からの音がプローブ10を構成する4個のマイクロホン11a〜11dでそれぞれ受音されて音信号が生成され、マルチプレクサ30に入力され、それら4チャンネルの音信号が循環的に切り替えられて、ノートPC40に入力される。ノートPC40では、入力されてきた音信号に基づいて後述するビームフォーミング演算が実行される。
また、カメラ50では、音源60の近傍が撮影されて画像信号が生成される。このカメラ50で生成された画像信号もノートPC40に入力される。
図2は、ノートPC内での処理の概要を示した図である。
ノートPC40内に入力された音信号および画像信号は、それぞれデジタルの音データおよび画像データに変換される。音データは、このノートPC40内に構築されたビームフォーミング演算部41に入力されて、最小分散法(Capon法)によるビームフォーミング演算が実行され、音圧分布が算出される。そのビームフォーミング演算部41で算出された音圧分布を表わすデータは、モニタ部42に入力される。また、このモニタ部42には画像データも入力される。モニタ部42は、入力された音圧分布データと画像データとを合成し、音源近傍を写し出した画像上に音圧分布の画像を重畳することで音源位置を指し示した画像を生成して、ノートPC40のモニタ画面40a(図1参照)上に表示する。観察者はそのモニタ画面40a上の画像を確認することで音源位置を知ることができる。
図3は、ビームフォーミング演算の概要を示した図である。
ここでは、図3を参照しながら最小分散法(Capon法)を採用したビームフォーミング演算の原理について説明する。
一般的に音源可視化、音源探査で利用する場合は、測定する環境の雑音状態や音源位置、音源の数を予め推定することはできない。しかし最小分散法(Capon法)は空間の伝達関数を利用することが可能で、雑音を含む観測値z=z+v(但しzは目的音源から到来した音、vは目的音源から外れた位置にある雑音源から到来した音)を用いて適応フィルタの学習をする。
具体的には目的音源方向の全域通過特性を補償しながらビームフォーマの出力パワー(分散)を最小化することにより、目的音源方向を除去することなく、 雑音のパワーを最小化する。
ここでは、図3に示すように音源を含む音源平面Pを考え、その音源平面P上に演算の対象となる代表座標(ステアリング座標)Sが選択される。
ここでは、その選択されたステアリング座標Sについて、音圧が算出される。このステアリング座標は1回の演算が終了するごとに順次に変更されて、この音源平面P上の音圧分布が算出される。
ステアリング座標Sから発せられた音源信号S(ω)が各センサm,m,・・・mに到達する際には位相差が生じる。この位相差は、音の周波数ωと、ステアリング座標Sと各センサm,m,・・・mとの空間的な関係Z(ω)(m=1,2,…,M)によって推定することができ、これを補償するフィルタW (ω)をかけて足し合わせることによって音源信号が回復される。このフィルタW (ω)はビームフォーミングの手法によって異なる。
(アレイ・マニフォールド・ベクトルの算出)
センサm,m,・・・m間に生じる信号の到達時間差や振幅差など、空間的な情報から得られる情報は音源から各センサm,m,・・・mまでの伝達関数となり、アレイ・マニフォールド・ベクトルと呼ばれる。
空間にM個のセンサm,m,・・・mがあり、m番目のマイクロホンで観測される信号をZ(t)とし、音源信号をS(t)とすると、式(1)の関係が得られ、各センサm,m,・・・mで観測される信号は音源信号S(t)よりもτ(m=1,2,…,M)遅れているという表現になる。
Figure 2015219138
式(1)を周波数領域に置き換えると、
Figure 2015219138
音源信号をフーリエ変換したものをS(ω)とすると、Z(ω)との関係は式(6)となる。
Figure 2015219138
Figure 2015219138
Figure 2015219138
Figure 2015219138
この
Figure 2015219138
がアレイ・マニフォールド・ベクトルと呼ばれるベクトルである。
(ビームフォーミングについて)
ビームフォーミングの一般的な構造は図3に示したように各センサm,m,・・・mで観測された信号の出力を足し合わせることによって得られる。時間領域における一般式は以下となる。
Figure 2015219138
ここでw(t)はm番目のマイクロホンのフィルタとなり、y(t)はビームフォーマの出力である。*はたたみこみを示す。この式(7)をフーリエ変換し、周波数領域で示すと次式となる。
Figure 2015219138
またこの式をベクトル形式で表すと次式となる。
Figure 2015219138
Figure 2015219138
Figure 2015219138
このフィルタ
Figure 2015219138
は各手法によって特徴が異なる。ここでは、従来一般的に利用されてきた時間遅延和法と、ウィナーフィルタをベースとした適応信号処理による手法の1つである最小分散法(Capon法)について述べる。また時間領域と周波数領域があるが、ここでは周波数領域のみの記述とする。
(時間遅延和法)
時間遅延和法によるビームフォーマはm番目のセンサで観測される信号に対して空間的に得られる遅延分を補償する(すなわち遅延分だけ時間を進める)ことにより、音源の方向からの信号が強調される。この周波数領域のフィルタは次式となる。
Figure 2015219138
ここで式(6)より
Figure 2015219138
であり、
Figure 2015219138
は式(5)に示すアレイ・マニフォールド・ベクトル、
Figure 2015219138
である。よって以下の式(14)が成立し、これを式(9)に代入してフィルタリングを行うと、式(15)のように音源信号S(ω)が回復される。
Figure 2015219138
Figure 2015219138
最後にアレイ・マニフォールド・ベクトルが位相項だけでなく、振幅項をもつ一般型に対応するために、正規化項
Figure 2015219138
を用いて一般化に拡張すると次式となり、これを時間遅延和法のフィルタとする。
Figure 2015219138
なお最終的なビームフォーマのパワー値は以下の式より得られ、マイクロホン間のクロススペクトルCmnの行列を用いることが可能であり、これを一般的にクロススペクトル法と呼ぶ。
Figure 2015219138
ここで、Eは複数回の演算結果の平均を表わす。
Figure 2015219138
は、マイクロホン間のクロススペクトル行列を表現しており、以下のように表現される。
Figure 2015219138
また一般的にZ(ω)とZ(ω)のクロススペクトルは以下の式で得られる。
Figure 2015219138
式(17)に式(16)を代入すると、時間遅延和法によって得られるパワーは次式となり、これを音源方向ごと(ステアリング座標Sごと)に演算することによって音圧分布データを取得するこができる。
Figure 2015219138
(最小分散法)
目的信号と雑音の混ざりあった観測値z=z+vを用いて適応フィルタの学習を可能にしたのが最小分散法(minimaum variance,MV)法である。
目的音源方向の全域通過特性を補償しながらビームフォーマの出力パワー(分散)を最小化することにより、目的音源方向を除去することなく、雑音のパワーを最小化する。目的音源方向の全帯域通過特性は、
Figure 2015219138
また、ビームフォーミングの平均出力パワーは、式(17)により表されるので、これの拘束条件付き最適化問題は次式のように表される。
Figure 2015219138
この最適化問題をラグランジュの未定乗数法を用いて解くことによって以下のフィルタが得られる。
Figure 2015219138
この式(24)を式(17)に代入すると、最小分散法(Capon法)によって得られるパワーは次式となり、これを音源方向ごと(ステアリング座標Sごと)に演算することによって音圧分布データを取得することができる。
Figure 2015219138
このように、最小分散法(Capon法)はクロススペクトルの逆行列C−1が必要になる。
図4は、図2に1つのブロックで示すビームフォーミング演算部41の構成を示したブロック図である。このビームフォーミング演算部41では、最小分散法(Capon法)によるビームフォーミング演算が実行される。
図1に示すように、本実施形態では、4個のマイクロホン11a〜11dが用いられている。ここで、このビームフォーミング演算部41には、あらかじめ4個のマイクロホン11a〜11dの中心点(正四面体の重心点)11e(図1参照)と音源平面Pとの間の距離や、その中心点11eを原点としたときの各マイクロホン11a〜11dそれぞれの配置座標などの幾何学的な情報が入力されている。
ステアリング座標選択部411では、音源60(図1参照)を含む音源平面Pの中の小領域の代表座標であるステアリング座標Sが選択される。ステアリング座標Sが定まると、そのステアリング座標Sと各マイクロホン11a〜11dのそれぞれの間の音の伝達の遅延時間τ〜τが定まり、アレイ・マニフォールド・ベクトル算出部412では、それらの遅延時間τ〜τを使って、そのステアリング座標Sについて、後述する演算周波数選択部414で選択された周波数ωに関するアレイ・マニフォールド・ベクトル(式(5)参照)が算出される。このアレイ・マニフォールド・ベクトル算出部412で算出されたアレイ・マニフォールド・ベクトルは、後述する適応フィルタ処理部417に入力される。
一方、4個のマイクロホン11a〜11dで受音されA/D変換されて得られた音データは、FFT演算部413に入力されてフーリエ変換処理(式(1)から式(2)への変換処理)が行なわれる。
演算周波数選択部414では、今回、どの周波数ωの音圧分布を算出するかが選択される。演算周波数選択部414は、FFT演算部413からFFT演算結果(式(2))を受け取って、選択した周波数(以下、選択周波数と称する)ωについてのFFT演算結果を、クロススペクトル算出部415に渡す。またこの演算周波数選択部414で選択された選択周波数ωの情報は、アレイ・マニフォールド・ベクトル算出部412にも入力される。アレイ・マニフォールド・ベクトル算出部412では、演算周波数選択部414から受け取った選択周波数ωの情報と、ステアリング座標選択部411から受け取ったステアリング座標Sの情報を基にして、前述の式(5)に従ってアレイ・マニフォールド・ベクトルが算出される。
また、クロススペクトル算出部415では、演算周波数選択部414から受け取った選択周波数ωのFFT演算結果に基づいて、その選択周波数ωについてのクロススペクトル(式(19)参照)が算出される。
さらに、クロススペクトル逆行列算出部416では、クロススペクトル算出部415で算出された選択周波数についてのクロススペクトルを基に、そのクロススペクトルの逆行列が算出される。
クロススペクトル逆行列算出部416で算出されたクロススペクトルの逆行列は、適応フィルタ処理部417に入力される。適応フィルタ処理部417には、アレイ・マニフォールド・ベクトル算出部412で算出されたアレイ・マニフォールド・ベクトル(式(5)参照)も入力される。適応フィルタ処理部417では、最小分散法の適応フィルタWcapon(式(24)参照)を使ってパワーPCapon(式(25)参照)が算出される。
以上の処理を音源平面P上の各ステアリング座標Sについて実行することにより、音源平面P内の、選択周波数ωについての音圧分布が算出される。
また、その音圧分布を選択周波数ωを順次変更しながら算出することにより、音源平面P上の音圧の空間スペクトルを算出することもできる。
図2に示すビームフォーミング演算部41では、以上のようにして音源平面P内の音圧分布を算出しモニタ部42に送る。モニタ部42には、カメラ50由来の画像データも入力され、図1に示すノートPC40のモニタ画面40a上に、音源平面Pの画像に音圧分布が重畳された画像が表示される。これにより、観察者は、音源平面Pのどの位置に音源60が存在するか、またその音源からの音の音圧がどの程度か認識することができる。
尚、ここでは、音響インテンシティ法との共用を考慮して、正四面体の4つの頂点それぞれに1つずつ配置された4個のマイクロホン11a〜11dを使用する例について説明したが、音響インテンシティ法との共用を考慮する必要のない場合は、4個のマイクロホン11a〜11dは必ずしも正四面体の頂点に配置されたものである必要はない。また、4個のマイクロホン11a〜11dは、1つの平面上に配置されていてもよい。あるいは、1つの平面が形成されるように配置された3個のマイクロホンを用いてもよい。
以下では、本発明に関するシミュレーション結果を、比較例のシミュレーション結果と対比しながら説明する。
図5は、36個のマイクロホンを配置して時間遅延和法による音圧分布を算出した結果を示した図である。
図5(A)は、正面から見たときのマイクロホン(〇印)の配列を示している。36個のマイクロホンは、直径約1mの範囲内にランダムに配置されている。音源は、このマイクロホンの配列を正面から見たときの中心点上であって、その中心点から1m離れた位置にある。評価周波数は2kHzである。
図5(B)は、音圧分布を示している。横幅、縦幅は、いずれも±0.2mである。ここでは、中心点と、その中心点のピーク音圧から−6dBまで音圧が下がった位置との間の距離を空間分解能の評価値としている。この図5に示す比較例では、その評価値は約30cmである。
図6は、3本のマイクロホンを配置して最小分散法(Capon法)を適用したときの音圧分布算出結果を示した図である。
図6(A)は、正面から見たときの、マイクロホン(〇印)の配列を示している。3個のマイクロホンは、直径60mmの円の上に等間隔に配置されている。音源位置および評価周波数は、図5の場合と同様、中心点上の1mの位置および2kHzである。
図6(B)は、図6(A)の配置の3本のマイクロホンを使ったときの、最小分散法(Capon法)による音圧分布を示している。横幅、縦幅は、図5(B)と同じであり、評価値は、約4cmであった。
図7は、4本のマイクロホンを配列して最小分散法(Capon法)を適用したときの音圧分布算出結果を示した図である。
図7(A)は、正面から見たときの、マイクロホン(〇印)の配列を示している。4個のマイクロホンのうちの3個のマイクロホンは、図6の場合と同様、直径60mmの円の上に等間隔に配列されている。残りの1個のマイクロホンは、3個のマイクロホンが配置された平面と同一の平面上であって、それら3個のマイクロホンで形成される3角形の中心点に配置されている。音源位置および評価周波数は、図5,図6の場合と同様、中心点上1mの位置および2kHzである。
図7(B)は、図7(A)の配置の4本のマイクロホンを使ったときの最小分散法(Capon法)による音圧分布を示している。評価値は約4cmであった。
図8は、4本のマイクロホンを正方形の各頂点に配列して最小分散法(Capon法)を適用したときの音圧分布算出結果を示した図である。
図8(A)は、正面から見たときのマイクロホン(〇印)の配列を示している。ここでは、4個のマイクロホンが直径60mmの円に内接する正方形の各頂点に配列されている。音源位置および評価周波数は、図5〜図7の場合と同様、中心点上1mの位置および2kHzである。
図8(B)は、図8(A)の配置の4本のマイクロホンを使ったときの、最小分散法(Capon法)による音圧分布を示している。横幅、縦幅はいずれも±0.2mである。評価値は約2.4cmであった。
図9は、4本のマイクロホンを正四面体の各頂点に配列して最小分散法(Capon法)を適用したときの音圧分布算出結果を示した図である。
図9(A)は、正面から見たときの、マイクロホン(〇印)の配列を示している。ここでは、4個のマイクロホンのうちの3個のマイクロホンが、図6,図7と同様、直径60mmの円の上に等間隔に配置されている。残りの1個のマイクロホンは、中心点上であって、円の上に等間隔に配置された3個のマイクロホンを結ぶ線分により形成される面を底面とする正四面体の、もう1つの頂点に配置されている。音源位置および評価周波数は、図5〜図8の場合と同様、中心点上1mの位置および2kHzである。
図9(B)は、図9(A)の配置の4本のマイクロホンを使ったときの、最小分散法(Capon法)による音圧分布を示している。横幅、縦幅は、いずれも±0.2mである。評価値は約7.2cmであった。
このように、最小分散法によるビームフォーミング演算を行なうと、3個もしくは4個という、少数個のマイクロホンを用い、従来の時間遅延和法による音圧分布と比べ、分解能が大幅に改善された音圧分布が算出される。このように、本発明によれば、音源の到来方向が高精度に探査される。
次にサイドローブの評価について説明する。サイドローブによる虚像音源は正しい音源の音圧レベルと比べ音圧レベルが低い方が良好であり、また虚像音源が正しい音源から離れていて虚像音源の発生数が少ない方が良好である。ここでは4個のマイクロホンを使い、評価周波数を10kHzとしたときに、それら4個のマイクロホンを正四面体の各頂点に配置すると、虚像音源に関し良好な結果が得られることを示す。
図10は、4個のマイクロホンを正四面体の各頂点に配置し、評価周波数を10kHzとしたときの、最小分散法(Capon法)により算出される音圧分布を示した図である。
図10(A)は、図9(A)と同一の図である。すなわちここでは、4個のマイクロホンのうちの3個のマイクロホンが、直径60mmの円の上に等間隔に配置されている。残りの1個のマイクロホンは、中心点上であって、円の上に等間隔に配置された3個のマイクロホンを結ぶ線分により形成される面を底面とする正四面体の、もう1つの頂点に配置されている。音源位置も図9の場合と同様、中心点上1mの位置にある。評価周波数は10kHzである。
図10(B)は、図10(A)の条件で得られる最小分散法(Capon法)による音圧分布を示した図である。この図10(B)の横幅は±1m、縦幅も±1mである。中心に正しい音源があらわれており、その周りに虚像音源があらわれている。
図11は、図10(B)に示した線分x,yに沿う音圧分布を示した図である。
図11(A)は線分xに沿う音圧分布、図11(B)は線分yに沿う音圧分布である。正しい音源(中心点)を0dBとしたとき、虚像音源は−14dBとなっている。
図12は、4個のマイクロホンを平面上に配置し、最小分散法(Capon法)により算出した音圧分布を示した図である。
図12(A)は、図7(A)と同一の図である。すなわちここでは、4個のマイクロホンのうちの3個のマイクロホンが、直径60mmの円の上に等間隔に配列されて、残りの1個のマイクロホンは、中心点上に配置されている。音源位置および評価周波数は、図10の場合と同様、中心点上1mの位置および10kHzである。
図12(B)は、図12(A)の条件で得られた最小分散法(Capon法)による音圧分布を示した図である。この図12(B)の横軸、縦軸は、図10(B)と同様、いずれも±1mである。
中心の正しい音源の周りに虚像音源があらわれている。4個のマイクロホンを正四面体の各頂点に配置したときの音圧分布(図10(B))にあらわれている虚像音源と比べると、図12(B)の方が値の大きな虚像音源の数が増えていることが分かる。
図13は、図12(B)に示した線分x,yに沿う音圧分布を示した図である。
図13(A)は線分xに沿う音圧分布、図13(B)は、線分yに沿う音圧分布である。虚像音源は、正しい音源とほぼ同じ音圧レベルとなっている。
図14は、4個のマイクロホンを平面上の正方形の各頂点に配置し、最小分散法(Capon法)により算出した音圧分布を示した図である。
図14(A)は、図8(A)と同じ図である。すなわち、ここでは、4個のマイクロホンが直径60mmの円に内接する正方形の各頂点に配列されている。音源位置および評価周波数は、図10,図12の場合と同様、中心点上1mの位置および10kHzである。
図14(B)は、図14(A)の条件で得られた、最小分散法(Capon法)による音圧分布を示した図である。この図14(B)の横軸、縦軸は、図10(B)、図12(B)と同様、いずれも±1mである。
ここでは、中心の正しい音源の周りに虚像音源があらわれている。虚像音源の数は、図12(B)と比べてもさらに増えている。
図15は、図14(B)に示した線分x,yに沿う音圧分布を示した図である。
図15(A)は、線分xに沿う音圧分布、図15(B)は、線分yに沿う音圧分布である。虚像音源の音圧は正しい音源の音圧と比べ、−9dBほど低下している。
このように、マイクロホンの個数が4本という同じ個数のとき、それら4個のマイクロホンを正四面体の頂点に配置すると、虚像音源の発生個数や音圧レベルが低下することが分かる。
1 音源探査装置
10 プローブ
11a〜11d マイクロホン
11e 中心点
20 演算装置
30 マルチプレクサ
40 ノート型パーソナルコンピュータ
40a モニタ画面
41 ビームフォーミング演算部
42 モニタ部
50 カメラ
60 音源
411 ステアリング座標選択部
412 アレイ・マニフォールド・ベクトル算出部
413 FFT演算部
414 演算周波数選択部
415 クロススペクトル算出部
416 クロススペクトル逆行列算出部
417 適応フィルタ処理部

Claims (5)

  1. 3個もしくは4個の音センサと、
    前記3個もしくは4個の音センサで受音して得た音信号を入力する入力部と、
    前記入力部から入力された音信号に基づいて最小分散法を適用したビームフォーミング演算により音の到来方向を探査する探査部と、
    前記探査部による探査結果を提示する提示部とを備えたことを特徴とする音源探査装置。
  2. 前記音センサが、正四面体の各頂点に1個ずつ配置されたものであることを特徴とする請求項1記載の音源探査装置。
  3. 前記音センサが、1つの平面上に分散配置された3個の音センサであることを特徴とする請求項1記載の音源探査装置。
  4. 演算装置内で実行される、3個もしくは4個の音センサで受音して得た音信号を入力し、入力した音信号に基づいて最小分散法を適用したビームフォーミング演算により音の到来方向を探査して探査結果を提示することを特徴とする音源探査方法。
  5. 演算装置内で実行されて、該演算装置内に、
    3個もしくは4個の音センサで受音して得た音信号を入力する入力部と、
    前記入力部から入力された音信号に基づいて最小分散法を適用したビームフォーミング演算により音の到来方向を探査する探査部と、
    前記探査部による探査結果を提示する提示部と
    を構築することを特徴とする音源探査プログラム。
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