JP6061253B2 - 溝付研削砥石とこの製造方法 - Google Patents

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本発明は、目詰まりを防止且つ改善する溝付研削砥石とこの製造方法に係わり、特に、砥石消耗で外径が減少しても砥石強度を維持し、且つ砥石の研削面が消耗すると新たな溝パターンが研削面に出現して溝消耗しない溝付研削砥石とこの製造方法の新規技術に関する。
近年、研削砥石の研削作業において、特に、有気孔ビトリファイド砥石は、砥石消耗に伴い目詰まりを発生し易く、砥石がワークを切れなくする現象により研削効率と研削精度等を低下させている。上記目詰まりを発生させる有気孔ビトリファイド砥石は、研削作業において、目詰りの予測と管理・制御は宿命的な困難テーマになっている。そこで、目詰まりを防ぐ為には、気孔の数と体積を多くすれば効果的である半面、摩耗が早く砥石強度も弱くなる。従って、有気孔ビトリファイド砥石は、研削作業が「危険で有害な作業」に法指定され、高速で回転する砥石の破壊は致命的な災害原因になっている。そこで、短時間で大容量研削が可能な高能率砥石とし、しかも研削焼けの少ない長寿命な砥石とすべく、目詰まりの少ない画期的な連続気孔構造砥石の開発が求められている。この目的を果たす方法として、(溝付砥石)や砥石内の中心から外周に向けて冷却流体を浸透移動させた(水路付砥石)が数多く開発されている。超砥粒部の表面に所定の溝を形成する超砥粒研削砥石においても適用される。
続いて、溝付砥石の公知例を挙げる。先ず、砥材の脱落がなく、且つ、砥材を研削砥石中に均一に分布させることができる研削砥石の製造方法がある。具体的には、研削砥石の基材に砥材の付着防止処理を施した後、前記基材に砥材を生成するための溝または穴などから成る砥材保持部を加工し、該砥材保持部に砥材を気相成長させたものである(例えば、特許文献1参照。)。
また、研削点に供給された研削液の圧力上昇を防止して研削精度を向上させ、砥粒層の割れや欠けが生じるのを防止する傾斜溝入り砥石とその製造方法がある。具体的には、研削盤の砥石台に軸線回りに回転駆動可能に軸承された砥石軸に装着されるコアに、超砥粒を含む砥粒層を有しかつ砥石周方向に平行な側端面を両側に有する複数の砥石チップが貼付され、前記砥粒層に形成された研削面が前記研削盤の工作物支持装置に回転駆動可能に支承された工作物を研削点で当接して研削加工する砥石において、前記砥石チップには、前記砥石周方向に対して傾斜する傾斜溝が、該傾斜溝の端部が前記砥石チップの前記各側端面手前まで刻設されたものである(例えば、特許文献2参照。)。
更に、超砥粒研削砥石において、超砥粒部表面に所定角度で傾斜する溝を複数形成し、より深い切り込みを可能として、研削効率および研削精度を向上したものがある。
具体的には、周方向に回転駆動される円盤状の台金部の外周面に、ダイヤモンドまたは立方晶窒化硼素等の超砥粒を含む超砥粒部を所定肉厚に形成すると共に、該超砥粒部の外周面には、台金部の軸心に対して凡そ25度ないし45度程度の傾斜角度をもたせ、所定の巾と深さとに設定した研削促進用傾斜溝部の複数を、当該超砥粒部の外周面に沿って所定間隔を隔てて配置、形成してなる超砥粒研削砥石1である(例えば、特許文献3参照。)。
更に、焼成又は焼結で形成される砥粒層に対して、回転の慣性力によって発生する応力を小さくし、高速回転時の破壊を防止しうる研削砥石において、基台の外周面に砥粒層を設け、この砥粒層を、スリット溝によって円周方向に独立する複数のセグメントで形成する。この構造では、スリット溝が基台の変形を吸収し、また、各セグメントの質量が小さくために回転の慣性力により発生する応力を減少できるものである(例えば、特許文献4参照。)。
そして、砥粒層の研削面に開口する凹部に、脆性材料を充填させて、砥粒層の割れや欠けが生じるのを容易に防止させ、研削屑の排出機能を向上させる複合砥石がある。具体的構成は、研削盤の砥石台に軸線回りに回転駆動可能に軸承された砥石軸に装着されるコアに、超砥粒を含む砥粒層を有する複数の砥石チップが貼付され、前記砥粒層に形成された研削面が前記研削盤の工作物支持装置に回転駆動可能に支承された工作物を研削点で当接して研削加工する砥石において、前記砥粒層には、前記研削面に開口する複数の凹部が形成され、該凹部には高気孔率の脆性材料又は高気孔率のビトリファイド砥石材が充填されているものである(例えば、特許文献5参照。)。
特開平6−206165号公報 特開2008−114337号公報 特開2000−354969号公報 特開平6−91543号公報 特開2008−142796号公報
前記特開平6−206165号公報の研削砥石の製造方法は、基材に砥材を生成するための溝または穴などから成る砥材保持部を加工し、該砥材保持部に砥材を気相成長させたものであるから、砥材保持部の深層まで深い溝が形成されて砥石摩耗に対しても溝が消失することがない。しかし、溝パターンの形状方向が軸心方向で幅全長に凹設されその位置が変化しないから、砥石の摩耗が不均等になるばかりか軸心方向の深溝パターンからなる基材やこの表面の砥材がワーク研削面との摩擦力で破損や脱落を容易に招く。
更に、前記特開2008−114337号公報の傾斜溝入り砥石とその製造方法は、超砥粒の砥粒層の全周に傾斜溝を設け、この傾斜溝の端部の刻設は、砥石チップのいずれも砥石周方向に平行な側端面手前まであるので、該側端面と傾斜溝の側壁面とが強度を低下させる鋭角を形成せず、研削抵抗によって砥粒層の割れや欠けを引き起こさず、隣接する傾斜溝の砥石軸方向の離間距離より狭い幅の研削面を持つ工作物を研削する場合でも、砥石周方向に延在する溝により、研削点に供給される研削液の動圧を開放できる。しかし、傾斜溝は砥粒層の深部まで同一パターンでその位置が変化しないから、砥石研削面の摩耗が不均等になって研削精度を低下させるばかりか、傾斜させた溝の側壁面でワークの研削面を擦るから傷が付き易いという問題がある。
また、前記特開2000−354969号公報の超砥粒研削砥石も超砥粒部表面に所定角度で傾斜する溝を複数形成し、より深い切り込みを可能として、研削効率および研削精度を向上したものである。しかし、傾斜溝は砥粒層の深部まで同一パターンでその位置が変化しないから、砥石研削面の摩耗が不均等になって研削精度を低下させるばかりか、傾斜させた溝の側壁面でワークの研削面を擦るから傷が付き易いという問題がある。
また、前記特開平6−91543号公報の研削砥石は、基台の外周面に設けた砥粒層は、短い間隔で深いスリット溝によって円周方向に独立する多数のセグメントで形成したから、セグメントは基台に強固に付設され難く、高速移転する砥石の遠心力とワークの研削面との激しい研削抵抗により離脱され易いという問題がある。溝は砥粒層の深部まで同一パターンでその位置が変化しないから、砥石研削面の摩耗が不均等になって研削精度を低下させる。
また、前記特開2008−142796号公報の複合砥石は、砥粒層には、研削面に開口する複数の凹部が形成され、該凹部には高気孔率の脆性材料又は高気孔率のビトリファイド砥石材を充填させているから、応力集中を防いで研削抵抗によって該砥粒層に割れや欠けを生じるのを防止することができる。しかし、ビトリファイド砥石材は、研削面と直接摩擦するから研磨塵がこの空隙を詰まらせる。また、砥石軸芯から研削面へのクーラント液を供給する方式において、クーラント液の通過性を阻害する。
本願発明者は、前記公知技術の問題点に鑑みるとともに永年の研究成果として、砥石消耗で外径が減少しても砥石強度を維持し、且つ砥石の研削面が消耗すると新たな溝パターンが研削面に出現して溝消耗しない溝付研削砥石とこの製造方法の新規技術の開発に成功した。
本発明の請求項1の溝付研削砥石は、有気孔を生成する結合剤で砥粒を固着した研削砥石は、該研削砥石内部の円周上に中空部が複数形成されており、該中空部は、砥石周径の異なる各周径上に複数配置されており、更に、該研削砥石の軸心側の周径上に配置した中空部の外縁が、外周側の周径上に配置した中空部の内縁よりも外径側に突出している溝付研削砥石であって、
該中空部は、棒状又は断面が円弧の柱状であって、該棒状又は柱状の該中空部の軸方向は該研削砥石の外径方向に一致し、該各周径の異なる外周側又は軸心側の何れかの中空部は、該研削砥石の軸心方向に一対ずつ併設させたことを特徴とする。
請求項2の溝付研削砥石の製造方法は、請求項1記載の溝付研削砥石において、 該有気孔を有する研削砥石とすべく結合剤に砥粒を混ぜる攪拌工程と、該中空部に対応する位置に該中空部と対応する形状の溝型中子を配置する組付工程と、該組付工程で得られた砥石型枠内に該攪拌工程で得られた結合剤入の砥粒を投入する型込め工程と、これに続く成形・乾燥工程と、該砥石型内の砥粒を高温で焼き付けるとともに溝型中子を蒸発させる焼成工程と、からなることを特徴とする。
請求項3の溝付研削砥石の製造方法は、請求項2記載の溝付研削砥石の製造方法において、該溝型中子は、1200℃以下で蒸発・昇華する蝋(ワックス)又は動植物系又は石油系の樹脂を使用することを特徴とする。
請求項4の溝付研削砥石の製造方法は、請求項2記載の溝付研削砥石の製造方法において、該溝型中子は、200℃〜600℃以下で蒸発・昇華するフェノール樹脂の合成樹脂を使用することを特徴とする。
前記溝付研削砥石とこの製造方法によると、下記の効果が得られる。
先ず、本発明の請求項1項の溝付研削砥石によると、
(1)切断用薄刃回転砥石とは異なる溝付研削砥石の平面研削の作用において、砥石外周面の摩耗の進行とともに砥石表面の中空部が消滅する直前に、次の中空部が新たに砥石内における周径上に複数出現するから、砥粒表面及び中空部に外部から噴射されるクーラント液又は砥石中心から砥石外径方向に噴出されるクーラント液により砥粒と有気孔とのワーク研削面に溜まる研削塵が排除されて高い研削性能を砥石摩耗に関係なく維持できる。即ち、砥石研削面が摩耗しても中空部が次々に砥石の中心側から砥石外周面に位置を変えて出現するから、砥石研削面の平面精度が維持され、ワークの研削精度が高く維持されるとともにワーク研削面に微細な傷も生じさせない。
(2)砥石表面に研磨塵が付着しょうとしても、中空部と相まってクーラント液により洗い流して空隙を詰まらせない。更に、砥石軸芯から研削面へのクーラント液を供給する方式において、中空部と相まってクーラント液の通過を向上させて研削塵の目詰まりに対する排除性が改善できる。
また、本発明の請求項2〜4項の溝付研削砥石の製造方法によると、
(1)砥粒に有気孔を生成する結合剤を使用した砥石において、中空部を砥石内における周径上に複数配置できるとともに、前記砥石内の軸心側から外径方向に対して各周径毎に中空部を配置させた複雑形状の溝付研削砥石を低コスト、高効率、高精度に製造できる。
(2)溝型中子に、1200℃以下で蒸発・昇華する蝋(ワックス)又は動植物系又は石油系の樹脂を使用したから、複雑形状の溝型中子が安価にして高精密に製造でき、これにより複雑形状の中空溝の溝付研削砥石が安価にして高精密に製造できる。
(3)溝型中子に、200℃〜600℃以下で蒸発・昇華するフェノール樹脂などの合成樹脂を原材料として使用したから、複雑形状の溝型中子が安価にして高精密に製造でき、これにより複雑形状の中空溝の溝付研削砥石が安価にして高精密に製造できる。
本発明の第1実施の形態を示し、溝付研削砥石の斜視図である。 本発明の第1実施の形態を示し、溝付研削砥石の断面図である。 本発明の第1実施の形態を示し、有気孔砥石となる溝付研削砥石の拡大断面である。 本発明の第1実施の形態を示し、溝付研削砥石の研削状態の作用断面図である。 本発明の第2実施の形態を示し、溝付研削砥石の製造方法の工程図である。 溝付研削砥石の製造方法に使用する各種中子の斜視図である。 本発明の第3実施の形態を示し、各溝付研削砥石に研削液の通路を任意に設けた断面図である。
以下、図1乃至図7を参照して本発明の溝付研削砥石とこの製造方法の各実施の形態を順次に説明する。
先ず、本発明の溝付研削砥石Hの構成から説明する。図1と図2に示す溝付研削砥石Hは、図3に示すように、砥粒1に有気孔hを生成するビトリファイドの結合剤Kを使用したもので、図1〜図3に図示のごとく平面研削用の有気孔砥石である。その詳細構成は、棒状又は断面が円弧の柱状の中空部(以下、中空溝とも言う)2,3,4は、砥石内における各周径線L1(最も外周径側),L2(中間の円周線),L3(砥石の軸心に最も近い円周線)上に、適度の間隔(同一円周線では、180°ズレた反対位置、隣接し合う各円周線L1とL2の間、及びL2とL3の間では、90°ズレた位置)を隔てて複数配置されているそして、図2に示すように、隣接する各周径線L1,L2,L3上の中空部2,3,4は、最も内径側(軸心側)の周径線L3上の中空部4の外縁(外径側)が隣接する外周側の周径線L2上の中空部3の内縁(内径側)よりも外径側に、また、周径線L2の中空部4の外縁は外周側の周径線L1上の中空部2の内縁よりも外径側に、各々突出(オバーラップ)させた関係に配置されている。即ち、中空部2,3,4は、砥石強度を損なわないように砥石内の位置に各々独立させて配置されている。更に、図1に示すように、前記各中空部2,3,4は、棒状又は断面が円弧の柱状の長辺方向を砥石外径方向に放射状に向けて配置されている。更に、砥石円周の中腹位置にある円周線L2上の各中空部3,3は、各々砥石の軸心方向に一対にして併設されている。また、外周側の周径線L1上の中空部2の外縁は、溝付研削砥石Hの外径面に開口している。
上記ビトリファイドBTは、粘土、長石、ガラスなどを原材料としており、1200℃前後の温度で焼成する。このビトリファイドの特長は、砥粒を保持する力が強く、炭素鋼、合金鋼をはじめ、幅広い工作物材質に適用される。従って、精密研削への適用に適している。また、上記レジノイドRは、フェノール樹脂などの合成樹脂を原材料とし、200℃前後の温度で硬化させる。そして、弾力性があるので、ソフトな当たりが得られるから、粗・中仕上げへの適用が主体となる。主にセンタレス、ディスク・ロール・重研・切断などの研削に適している。
上記溝付研削砥石HにビトリファイドBT及びレジノイドRを使用した拡大断面は、図3に示す。この断面図から砥粒1は、ビトリファイドBT又はレジノイドRの結合剤Kで固着されており、結合剤Kの全般にわたり有気孔hが均一に生成され、有気孔砥石を形成している。この有気孔hに対して、外部ノズルから砥石外周面に噴射されるクーラント液COや、砥石中心から外径側に噴出されるクーラント液COの流通性を高めて有気孔hに溜まる研削塵を洗い流し、砥石の目詰まりを防止することができる。
続いて、図4により、本発明となる前記溝付研削砥石Hの研削作用と砥石摩耗の状態を説明する。先ず、図4(a)は、各中空溝2,3,4が各周径L1,L2,L3に配置されている。これにより、研削作業前の大きな外径の溝付研削砥石Hは、周径L1上に配置し外周面の2箇所の中空溝2が開口している。これにより、研削作業時には外部ノズルから砥石外周面に噴射されるクーラント液COが中空溝2にも噴射されて砥石研削面の冷却及び研削塵を洗浄して砥石研削面を常に有気孔状態に維持できる。そして、砥石外径の減少とともに中空溝2の溝深さも浅くなると、次の層となる周径L2上の2箇所に設けた4つの中空溝3の外周縁も重複して摩耗した砥石外周面に露出する。そして、砥石外径の減少が進むと4つの中空溝3のみとなる。この砥石摩耗状態は、図4(b)に示す。更に、砥石外径の減少が進むと中空溝3の溝深さも浅くなり、次の層となる周径L3上の2箇所に設けた2つの中空溝4の外周縁も重複して摩耗した砥石外周面に露出する。この中空溝4の溝深さが浅くなり、一点鎖線で示す溝付研削砥石H´にまで消滅すると砥石寿命となる。
以上のように、新品の溝付研削砥石Hにおいて、その研削面層の減少に対して各中空溝2,3,4は、研削面上の位置を変えながら各中空溝2,3,4の何れかが砥石外周面に露出し続けるから、新品から砥石寿命までの長期間の間にわたり最良の研削状態でワーク研削が行える。
前記第1の実施例となる溝付研削砥石Hによると、下記の効果が得られる。
(1)溝付研削砥石の研削作用において、砥石外周面の摩耗の進行とともに砥石表面の中空溝が消滅する直前に、次の中空溝が新たに砥石内から周径上に不連続に複数出現するから、砥粒表面及び中空溝に外部から噴射されるクーラント液CO又は砥石中心から砥石外径方向に流通されるクーラント液によりワーク研削面との間に溜まる研削塵が排除され、高い研削性能を砥石摩耗に関係なく終始維持できる。即ち、砥石研削面が摩耗しても中空溝が次々に砥石の中心側から砥石外周面に位置を変えて出現するから、砥石研削面の平面精度が維持され、ワークの研削精度が高く維持されるとともに研削面の微細な傷も生じさせない。
(2)溝付研削砥石Hの砥粒1の結合剤KにビトリファイドBTやレジノイドRを使用したから、砥石特性を発揮できる上に、ビトリファイド等の結合剤は、しっかりした有気孔(空隙)hにより砥石表面に研磨塵が付着しようとしても、中空溝2,3,4と相まってクーラント液COにより洗い流して空隙hを詰まらせない。更に、砥石軸芯から研削面へのクーラント液を供給する方式において、中空溝と相まってクーラント液の通過を向上させて研削塵の目詰まりに対する排除性が改善できる。
本発明の第1の実施例となる溝付研削砥石Hの製造方法を、第2の実施例として図5と図6により説明する。先ず、図5において、砥粒1と有気孔hを生成する結合剤Kとを混ぜるための攪拌工程(A)と、棒状又は断面が円弧の柱状の溝型中子2,3,4を砥石型7内に配置する組付工程(B)と、前記組付工程で得られた砥石型に前記攪拌工程で得られた結合剤入りの砥粒1を投入する型込め工程(C)と、これに続く成形・乾燥工程(D)と、前記砥石型内の砥粒を高温で焼き付けるとともに中子を蒸発させる焼成工程(E)と、から成型される。尚、前記溝型中子2,3,4は、図6に示すように、各種の棒状又は断面が円弧の柱状の任意形状が採用される。即ち、図6(a)は三角型体11、(b)は四角型体12、(c)は円柱型体13、(d)は球体14、(e)は円弧状の扇体15である。これ以外の任意な立方体形状の溝型中子が使用可能である。前記溝型中子2,3,4は、該複数個の中子を砥石型内に該軸心側から外径方向に対して配置位置を変えるとともに各円周線L1,L2,L3に配置されている。また、前記溝型中子は、複数個の中子を有するも砥石型内において、該軸心側から外径方向に対して砥石強度を損なわないように内外位置に配置されている。また、前記溝型中子は、1200℃以下で蒸発・昇華する蝋(ワックス)又は動植物系又は石油系の樹脂からなるビトリファイドBTが使用される。勿論、前記溝型中子は、200℃〜60 0℃以下で蒸発・昇華するフェノール樹脂などの合成樹脂を原材料とするレジノイドRを使用しても良い。
本発明の第2の実施例となる溝付研削砥石Hの製造方法によると、以下のような作用効果が得られる。
(1)砥粒1に有気孔hを生成する結合剤Kを使用した溝付研削砥石Hにおいて、短い円弧状の中空溝2,3,4を砥石内における周径L1,L2,L3上に不連続に複数配置できるとともに、前記砥石内の軸心側から外径方向に対して各周径毎に中空溝を多層配置させた複雑形状の溝付研削砥石を低コスト、高効率、高精度に製造できる。
(2)溝型中子2,3,4に、1200℃以下で蒸発・昇華する蝋(ワックス)又は動植物系又は石油系の樹脂からなるビトリファイドBTを使用したから、複雑形状の溝型中子が安価にして高精密に製造でき、これにより複雑形状の中空溝の溝付研削砥石が安価にして高精密に製造できる。
(3)溝型中子2,3,4に、200℃〜600℃以下で蒸発・昇華するフェノール樹脂などの合成樹脂を原材料とするレジノイドRを使用したから、複雑形状の溝型中子が安価にして高精密に製造でき、これにより複雑形状の中空溝の溝付研削砥石が安価にして高精密に製造できる。
本発明の第1の実施例となる溝付研削砥石Hにおいて、図7(a)(b)(C)に示すように、各溝付研削砥石Hに研削液COの通路Fを各実施例のように任意に設けた第3の実施例の溝付研削砥石H3,H4,H5としても良い。
上記溝付研削砥石H3,H4,H5によると、砥粒1に研磨塵が目つまりし、ワークの研削面と直接摩擦しても研磨塵は、クーラント液COにより有気孔hを介して積極的に押し流されて各砥粒間の空隙を詰まらせず、研削作業が高効率で高精度にでき、砥石寿命が延長できる。更に、砥石軸芯から研削面へのクーラント液COを供給する方式において、クーラント液の通過性を阻害することがない。
本発明の溝付研削砥石の製造方法と溝付研削砥石は、前記各実施例に限定されない。例えば、溝型中子2,3,4の各周径上の個数を適宜に増減させても良いし、その立体形状も図示のものに限定されない。また、研削するワークの種類や形状も任意に選択実施できる。
1 砥粒
2,3,4 中空溝
11 三角型体
12 四角型体
13 円柱型体
14 球体
15 扇体
(A) 攪拌工程
(B) 組付工程
(C) 型込め工程
(D) 成形・乾燥工程
(E) 焼成工程
BT ビトリファイド
CO クーラント液
D1,D2,D3D 砥石外径
F 通路
L1,L2,L3 周径
H 溝付研削砥石
H3,H4,H5 溝付研削砥石
h 有気孔
K 結合剤
R レジノイド

Claims (4)

  1. 有気孔を生成する結合剤で砥粒を固着した研削砥石は、該研削砥石内部の円周上に中空部が複数形成されており、該中空部は、砥石周径の異なる各周径上に複数配置されており、更に、該研削砥石の軸心側の周径上に配置した中空部の外縁が、外周側の周径上に配置した中空部の内縁よりも外径側に突出している溝付研削砥石であって、
    該中空部は、棒状又は断面が円弧の柱状であって、該棒状又は柱状の該中空部の軸方向は該研削砥石の外径方向に一致し、該各周径の異なる外周側又は軸心側の何れかの中空部は、該研削砥石の軸心方向に一対ずつ併設させたことを特徴とする溝付研削砥石。
  2. 請求項1記載の溝付研削砥石において、
    該有気孔を有する研削砥石とすべく結合剤に砥粒を混ぜる攪拌工程と、該中空部に対応する位置に該中空部と対応する形状の溝型中子を配置する組付工程と、該組付工程で得られた砥石型枠内に該攪拌工程で得られた結合剤入の砥粒を投入する型込め工程と、これに続く成形・乾燥工程と、該砥石型内の砥粒を高温で焼き付けるとともに溝型中子を蒸発させる焼成工程と、からなることを特徴とする溝付研削砥石の製造方法。
  3. 溝型中子は、1200℃以下で蒸発・昇華する蝋(ワックス)又は動植物系又は石油系の樹脂を使用することを特徴とする請求項2記載の溝付研削砥石の製造方法。
  4. 溝型中子は、200℃〜600℃以下で蒸発・昇華するフェノール樹脂の合成樹脂を使用することを特徴とする請求項2記載の溝付研削砥石の製造方法。
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