JP6060488B2 - 電動ポンプユニット - Google Patents

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Description

この発明は、たとえば自動車のトランスミッション(変速機)などに油圧を供給する油圧ポンプとして使用される電動ポンプユニットに関する。
自動車のトランスミッションには油圧ポンプにより油圧が供給されるが、省エネルギなどの観点から停車時にエンジンを停止するいわゆるアイドルストップ(アイドリングストップ)を行う自動車では、アイドルストップ時にもトランスミッションへの油圧供給を確保するために、電動油圧ポンプが使用されるようになっている。
自動車のトランスミッション用電動油圧ポンプは、車体の限られたスペースに搭載されるため、コンパクト化が要求され、また、軽量化およびコスト低減も要求される。このような要求に応えるため、ポンプ、ポンプ駆動用電動モータおよび電動モータのコントローラが共通のユニットハウジング内に組み込まれた電動ポンプユニットが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
このような従来の電動ポンプユニットでは、ポンプを構成するポンプ本体の後側にモータハウジングが連結され、モータハウジング内に形成された密閉状のモータ室に電動モータおよびコントローラが内蔵されている。電動モータはモータ室内の前側(ポンプ本体側)に配置され、電動モータの後端面にコントローラの基板が固定されている。そして、基板には、コントローラを構成するコンデンサ、FETなどの複数の電装部品(電気部品および電子部品)が取り付けられている。
電動モータは、軸受装置により支持されたポンプ駆動モータ軸の後側の自由端部に固定されたモータロータと、モータハウジングに固定されたモータステータとを備えている。ポンプ本体の内部に、ポンプ室が形成されている。ポンプ本体には、モータハウジング内にのびる円筒状の軸受保持部が形成され、この軸受保持部の内側にモータ軸の軸受装置が設けられている。モータ軸の前部は、ポンプ室内に進入し、前側の自由端部にポンプのポンプロータが固定されている。ポンプが内接歯車ポンプの場合、内側ポンプロータであるインナギヤがモータ軸の前端部に固定される。
軸受装置は、軸方向に並べて配置された2個の単列深みぞ玉軸受を備えている。ポンプ本体の軸受保持部内には、ポンプ室と軸受装置との間を密封するオイルシールが設けられている。
この電動ポンプユニットでは、小型化を図るため、軸受装置の2個の転がり軸受を隣接させている。これにより、モータ軸は、モータロータ側で支持されて、ポンプロータ側が自由端となっている片持ち支持とされている。また、コスト低減を図るため、2個の転がり軸受を単列深みぞ玉軸受とし、さらに、組立コスト削減のため、玉軸受を軸受保持部とモータ軸に対してすきまばめとしている。
ポンプが内接歯車ポンプの場合、インナギヤと外側ポンプロータであるアウタギヤのかみ合い部分に対応するポンプハウジングの対称位置に、油吸入ポートと油吐出ポートが形成される。
特開2010−116914号公報
上記の従来の電動ポンプユニットでは、ポンプの作動時、ポンプ室の油吸入ポートは低圧であるが、油吐出ポートは高圧になる。このため、インナギヤが固定された片持ち支持のモータ軸の前端部(ポンプハウジング側端部)に径方向の力が作用する。前記のように、軸受装置の2個の転がり軸受が並べて配置された単列深みぞ玉軸受で、すきまばめであるから、軸受支持剛性が低く、モータ軸に傾きが発生する。モータ軸の傾きにより、インナギヤが傾き、モータハウジングに接触した状態で回転する。このため、騒音が発生したり、モータロータおよびモータハウジングに摩耗が発生したりするおそれがある。
この発明の目的は、上記の問題を解決し、軸受装置の軸受支持剛性を高め、モータ軸およびモータロータの傾きを低減できる電動ポンプユニットを提供することにある。
この発明による電動ポンプユニットは、流体の吸入および吐出を行うポンプのポンプ本体に、ポンプ駆動用電動モータを内蔵したモータハウジングが固定され、前記ポンプ本体内に、ポンプロータを収容したポンプ室が形成され、前記ポンプ本体に形成されて前記モータハウジング内にのびる円筒状軸受保持部の内側に軸受装置が設けられ、前記電動モータが、前記軸受装置により支持されて前記ポンプロータを回転駆動するモータ軸と、前記モータ軸のモータハウジング側端部に固定されたモータロータと、前記モータハウジングに固定されたモータステータとを備えている電動ポンプユニットにおいて、前記軸受装置は、前記軸受保持部のモータロータ側端部に配置された転がり軸受と、前記軸受保持部のポンプロータ側端部に配置されたすべり軸受とを備えていることを特徴とするものである。
従来自由端であったモータ軸のポンプロータ側端部近傍がすべり軸受で支持されることで、その分、軸受支持剛性が高くなる。それにより、モータ軸およびポンプロータの傾きを減少させることができる。また、ポンプロータ側に配置される軸受が例えばブシュのようなすべり軸受とされることで、ポンプロータ側に軸受を配置するためのスペースを小さくすることができる。
前記転がり軸受は、内輪、外輪および転動体を有しており、前記内輪が前記モータ軸にしまりばめされ、前記外輪が前記軸受保持部にしまりばめされていることが好ましい。
転がり軸受の内輪がモータ軸にしまりばめされているのに加えて、外輪がポンプ本体の軸受保持部にしまりばめされていることにより、軸受支持剛性をさらに高くすることができる。また、外輪をすきまばめとした場合には、外輪とポンプハウジングとの間にフレッチングが発生する可能性があるが、しまりばめとすることでそのおそれがないものとできる。
前記転がり軸受と前記すべり軸受との間に、前記ポンプ室から電動モータ側に漏れた流体が電動モータに進入することを防止する密封部材が配置されており、前記ポンプ室から電動モータ側に漏れた流体の通路として、前記ポンプ本体に形成された吐出ポートから前記密封部材のポンプ室側に設けられた空間に通じるように前記軸受保持部に貫通状に形成された流入通路と、前記空間から吸入ポートに通じる逃がし通路とが設けられていることが好ましい。
転がり軸受とすべり軸受との間に密封部材が配置されることによって、ポンプ室から漏れた流体が電動モータ側に進入することが防止される。密封部材にとって、高圧の流体が直接密封部材に作用することは、損傷の可能性があるので好ましくない。この発明の電動ポンプユニットを電動油圧ポンプとして使用する際には、ポンプ本体の吐出ポートから密封部材のポンプ室側空間に通じる流入通路によって、ポンプ室の油が密封部材に潤滑用として供給され、ポンプ室側空間およびこの空間から吸入ポートに通じる逃がし通路によって、油が高圧になることが防止される。
この発明の電動ポンプユニットによれば、上記のように、軸受装置の軸受支持剛性を高めて、モータ軸およびポンプロータの傾きを減少させることができる。
図1は、この発明の1実施形態を示す電動ポンプユニットの主要部の縦断面図である。
以下、図面を参照して、この発明を自動車のトランスミッション用電動ポンプユニットに適用した実施形態について説明する。
図1は、この発明の1実施形態を示す電動ポンプユニットの主要部の縦断面図である。以下の説明において、図1の左側を前、右側を後とする。
電動ポンプユニット(1)は、ユニットハウジング(2)内に、油の吸入および吐出を行うポンプ(3)、ポンプ駆動用電動モータ(4)ならびに電動モータ(4)のコントローラ(5)が一体に組み込まれたものである。この例では、ポンプ(3)は内接歯車ポンプ、モータ(4)は3相巻線を有するセンサレス制御DCブラシレスモータである。
ユニットハウジング(2)は、ポンプ(3)のポンプ本体(6)ならびに電動モータ(4)およびコントローラ(5)を内蔵したモータハウジング(7)よりなる。
ポンプ本体(6)は、後側のポンプハウジング(8)と前側のポンププレート(9)よりなる。ポンプハウジング(8)は、前後方向と直交する方向に広がりを持つ厚肉板状のものであり、その中心に、前部が開口したポンプ室(10)が形成されている。ポンプハウジング(8)の前面に、ポンププレート(9)がOリング(39)を介して固定され、ポンプ室(10)の前面が塞がれている。ポンプ室(10)内に、外側ポンプロータであるアウタギヤ(11)が回転自在に収容され、アウタギヤ(11)の内側に、これとかみ合う内側ポンプロータであるインナギヤ(12)が配置されている。ポンプハウジング(8)およびポンププレート(9)は、たとえば、アルミニウム合金製である。
モータハウジング(7)は、円筒状の合成樹脂製モータケース(13)と、モータケース(13)の後端に固定された円板状の蓋(14)とからなる。モータケース(13)の前端が、Oリング(49)を介してポンプハウジング(8)の後面に固定されている。ポンププレート(9)、ポンプハウジング(8)およびモータケース(13)は、それらの外周から径方向外側に突出するように一体に形成された複数の連結部(9a)(8a)(13a)の部分において、ボルト(16)により互いに固定されている。モータケース(13)の後端開口が、蓋(14)により塞がれている。
電動モータ(4)は、前後方向にのびるポンプ駆動軸であるモータ軸(18)を有している。モータ軸(18)は、軸受装置(17)により支持されている。モータ軸(18)は、円柱状とされている。モータ軸(18)の前部は、ポンプハウジング(8)の後壁に形成された穴(19)の部分を貫通してポンプ室(10)内に進入し、その前端部にインナギヤ(12)が嵌め合わされている。
インナギヤ(12)とモータ軸(18)とは、その嵌め合わせ部(12a)(18a)の断面形状が方形またはD字状(より好ましくは方形)とされることで、軸方向に相対移動可能でかつ一体回転可能とされている。
ポンプハウジング(8)の後端面の中心に、モータケース(13)より小径の円筒状の軸受保持部(15)が一体に形成されて、モータケース(13)内にのびている。軸受装置(17)は、モータ軸(18)の前端部(ポンプロータ側端部)近傍を支持する第1軸受(21)と、モータ軸(18)の後端部(モータハウジング側端部)近傍を支持する第2軸受(22)とよりなる。
第1軸受(21)は、円筒状のブシュとされて、軸受保持部(15)の前端部(ポンプロータ側端部)にしまりばめで固定されている。モータ軸(18)は、第1軸受(21)内にすきまばめで嵌め入れられている。これにより、第1軸受(21)(ブシュ)の内周面とモータ軸(18)の外周面とが摺動可能とされ、すべり軸受が構成されている。
第2軸受(22)は、グリース潤滑の密封型深みぞ玉軸受(転がり軸受)とされており、内輪(22a)、外輪(22b)、複数の玉(転動体)(22c)および1対のシール(22d)を有している。内輪(22a)は、モータ軸(18)の後端部(モータハウジング側端部)近傍にしまりばめされ、外輪(22b)は、軸受保持部(15)の後端部(モータロータ側端部)にしまりばめされている。
第1軸受(21)と第2軸受(22)との間に、軸受保持部(15)とモータ軸(18)の間を密封するオイルシール(密封部材)(20)が配置されている。オイルシール(20)は、断面略L字状とされて軸受保持部(15)に固定された環状芯金(20a)と、環状芯金(20a)に固定されたゴム状弾性体からなる環状のシールリップ(20b)と、シールリップ(20b)をモータ軸(18)に圧接させているガータースプリング(20c)とを有している。
軸受保持部(15)より後方に突出したモータ軸(18)の後端部(モータハウジング側端部)に、モータ(4)を構成するモータロータ(23)が固定されている。モータロータ(23)は、円筒状(横断面形状がコの字状)のロータ本体(24)の外周部に合成樹脂製の永久磁石保持部材(25)が固定状に設けられ、保持部材(25)を周方向に等分する複数箇所にセグメント形状の永久磁石(26)が保持されたものである。
モータロータ(23)に対向するモータケース(13)の内周に、モータ(4)を構成するモータステータ(27)が固定されている。ステータ(27)は、積層鋼板よりなるステータコア(28)にインシュレータ(合成樹脂製絶縁体)(29)が組み込まれ、インシュレータ(29)の部分にコイル(30)が巻きつけられたものである。この例では、ステータ(27)は、モータケース(13)の内周部に一体にモールドされている。
インシュレータ(29)の後端に、コントローラ(5)の基板(31)が配置され、基板(31)に、コントローラ(5)を構成する部品(32)が取り付けられている。基板(31)は、インシュレータ(29)の後端部に設けられた金属製めねじ部材(35)にねじはめられたねじ(38)によりインシュレータ(29)に固定されている。図1には基板(31)の前面に取り付けられた部品(32)が1個だけ示されているが、部品は基板(31)の前面および後面の少なくとも一方の所定位置に配置される。図1に示された部品(32)は、たとえば電解コンデンサである。
インシュレータ(29)は、前後1対の半体(33)(34)よりなる。各半体(33)(34)は、たとえばPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)などの合成樹脂により成型され、ステータコア(28)に前後両側から組み込まれている。
モータケース(13)は、型を用いてたとえばPA66(ポリアミド66)などの合成樹脂をステータ(27)の外周側の部分にモールドすることにより、ステータ(27)と一体化されている。モータケース(13)の外周に、複数のピン(36)を備えたコネクタ(37)が一体に形成されている。
蓋(14)は、合成樹脂製で、熱溶着などの適宜な手段により、モータケース(13)の後端に固定されている。
図示は省略したが、インシュレータ(29)とモータケース(13)の成型体には複数のバスバーが組み込まれており、これらのバスバーを用いて、ステータ(27)のコイル(30)が互いに電気的に接続されるとともに、基板(31)に電気的に接続されている。コネクタ(37)のピン(36)も、基板(31)に電気的に接続されている。
ポンプ(3)のインナギヤ(12)とアウタギヤ(11)のかみ合い部分(この例では下側のかみ合い部分)に対応するポンプハウジング(8)とポンププレート(9)の対向壁に、油吸入ポート(40)(41)が形成されている。ポンプ(3)のインナギヤ(12)とアウタギヤ(11)のかみ合い部分(この例では上側のかみ合い部分)に対応するポンプハウジング(8)とポンププレート(9)の対向壁に、油吐出ポート(42)(43)が形成されている。ポンププレート(9)には、油吸入ポート(41)に連通する油吸入穴(44)および油吐出ポート(43)に連通する油吐出穴(45)が形成されている。
ポンプ(3)の作動中、油吐出ポート(42)内の油の一部は、ポンププレート(9)と反対側の軸受保持部(15)内に漏れ出てくる。このポンプ室(10)から漏れた油は、第1軸受(21)とモータ軸(18)との間から、オイルシール(20)のポンプ室側に形成されている漏れ油開放空間(46)内へと流入し、オイルシール(20)によって、それ以上電動モータ側に進入することが防止されている。
第1軸受(21)の外径は、オイルシール(20)の外径よりも小さくなされており、軸受保持部(15)においても、第1軸受(21)を受ける部分の内径は、オイルシール(20)を受ける部分の内径よりも小さくなされている。そして、軸受保持部(15)には、第1軸受(21)の外径側において、これを軸方向に貫通する漏れ油流入通路(47)が設けられている。漏れ油流入通路(47)の後端開口は、徐々に径が大きくなるテーパ状とされて、漏れ油開放空間(46)に臨まされている。ポンプ室(10)に面するポンプハウジング(8)の壁に、モータ軸(18)が挿通されている穴(19)と油吸入ポート(40)を連通する漏れ油逃がし通路(48)が形成されている。
電動モータ(4)によりポンプ(3)が駆動されて、インナギヤ(12)およびアウタギヤ(11)が回転するとき、油吸入ポート(40)(41)は低圧で、油吐出ポート(42)(43)は高圧になる。このため、インナギヤ(12)は、径方向(この例では下向き)の力を受ける。
軸受装置(17)を構成する第1軸受(21)および第2軸受(22)が、オイルシール(20)を挟んで配置されているため、両軸受(21)(22)の間隔が広がり、その分、軸受支持剛性が高くなる。したがって、モータ軸(18)が前端部近傍において径方向の力を受けても、傾きが小さいものとなり、インナギヤ(12)に油圧による径方向の力が作用した際であっても、ポンプ(3)の倒れを抑制でき、音や摩耗を低減できる。また、第2軸受(22)の内輪(22a)および外輪(22b)がいずれもしまりばめであるため、軸受支持剛性がさらに高くなる。そして、第1軸受(21)がブシュのようなすべり軸受とされることで、第1軸受(21)を設置するためのスペースが小さくでき、ポンプ室(10)から電動モータ側に漏れた油の通路(漏れ油開放空間(46)、漏れ油流入通路(47)、漏れ油逃がし通路(48)など)の設置スペースを容易に確保することができる。
また、油吐出ポート(42)内の油は、高圧となっているが、オイルシール(20)のポンプ室側に形成されている漏れ油開放空間(46)によって減圧されてから、オイルシール(20)内に送られることになり、また、漏れ油流入通路(47)後端のテーパ状の開口によって、油が拡散し、オイルシール(20)には高圧油が当たらない。この油によって、第1軸受(21)が潤滑され、オイルシール(20)のシールリップ(20b)の潤滑も行われる。さらに、漏れ油開放空間(46)から漏れ油逃がし通路(48)を介して低圧側の油吸入ポート(40)へと油が排出され、漏れ油開放空間(46)内が減圧される。これにより、オイルシール(20)の耐圧性が確保される。また、漏れ油開放空間(46)内が減圧されることで、オイルシール(20)に作用する油圧が下がるため、オイルシール(20)のしめ代を小さくして、回転トルクを低減することができる。
上記の電動ポンプユニット(1)において、第1軸受(21)、オイルシール(20)および第2軸受(22)をポンプハウジング(8)の軸受保持部(15)に取り付けるには、第1軸受(21)、オイルシール(20)および第2軸受(22)の外輪(22b)を この順で圧入していけばよいが、第1軸受(21)として使用されるブシュの製品公差の影響を小さくするために、軸受保持部(15)内周に第1軸受(21)を圧入した後、第1軸受(21)の内周を追加加工(軸受保持部(15)の第2軸受圧入面と第1軸受(21)の内周とを同時加工)するようにしてもよい。
軸受保持部(15)の内周面には、第2軸受(22)の外輪(22b)の圧入面と第1軸受(21)の圧入面とが形成されるが、それぞれに製造の際の寸法公差が存在しており、この寸法公差が大きくなると、モータ軸(18)の傾きが大きくなって、ポンプ(3)作動時の振動・騒音が悪化するおそれがある。第1軸受(21)として使用されるブシュは、転がり軸受に比べて、外径および内径の寸法公差や外径および内径の円筒度のバラツキが大きくなるという傾向があり、第1軸受(21)の内周面で受けられるモータ軸(18)の前端部近傍の傾きによって、振動・騒音が悪化する可能性がある。
そこで、上記のように、軸受保持部(15)内周に第1軸受(21)を圧入した後、軸受保持部(15)の第2軸受(22)の外輪(22b)の圧入面および第1軸受(21)の内周面を同時加工すると、第1軸受(21)単品での外径および内径の寸法公差や外径および内径の円筒度は、追加加工精度に伴う寸法公差と円筒度に置き換えられることになり、個々の第1軸受(21)におけるバラツキの影響をなくすことができる。また、第1軸受(21)の内周面の追加加工に際し、軸受保持部(15)の第2軸受(22)の外輪(22b)の圧入面を基準にして行うことができるので、軸受保持部(15)の第2軸受(22)の外輪(22b)の圧入面に対する第1軸受(21)の内周面の中心のずれおよび円筒度のずれも小さくすることができる。
上記において、電動ポンプユニットの全体構成および各部の構成は、上記実施形態のものに限らず、適宜変更可能である。
また、この発明は、トランスミッション用電動ポンプユニット以外の電動ポンプユニットにも適用できる。
(1):電動ポンプユニット、(3):ポンプ、(4):電動モータ、(6):ポンプ本体、(7):モータハウジング、(8):ポンプハウジング、(9):ポンププレート、(9b):有底孔、(10):ポンプ室、(11):アウタギヤ、(12):インナギヤ(ポンプロータ)、(15):軸受保持部、(17):軸受装置、(18):モータ軸、(21):第1軸受(すべり軸受)、(22):第2軸受(転がり軸受)、(23):モータロータ、(27):モータステータ、(46):漏れ油開放空間、(47):漏れ油流入通路、(48):漏れ油逃がし通路

Claims (2)

  1. 流体の吸入および吐出を行うポンプのポンプ本体に、ポンプ駆動用電動モータを内蔵したモータハウジングが固定され、前記ポンプ本体内に、ポンプロータを収容したポンプ室が形成され、前記ポンプ本体に形成されて前記モータハウジング内にのびる円筒状軸受保持部の内側に軸受装置が設けられ、前記電動モータが、前記軸受装置により支持されて前記ポンプロータを回転駆動するモータ軸と、前記モータ軸のモータハウジング側端部に固定されたモータロータと、前記モータハウジングに固定されたモータステータとを備えている電動ポンプユニットにおいて、
    前記軸受装置は、前記軸受保持部のモータロータ側端部に配置された転がり軸受と、前記軸受保持部のポンプロータ側端部に配置されたすべり軸受とを備えており、
    前記転がり軸受と前記すべり軸受との間に、前記ポンプ室から電動モータ側に漏れた流体が電動モータに進入することを防止する密封部材が配置されており、
    前記ポンプ室から電動モータ側に漏れた流体の通路として、前記ポンプ本体に形成された吐出ポートから前記密封部材のポンプ室側に設けられた空間に通じるように前記軸受保持部に摺接隙間ではなく貫通状に形成された流入通路と、前記空間から吸入ポートに通じる逃がし通路とが設けられ
    前記流入通路は、前記吐出ポートが形成された前記ポンプ本体の同一面上において前記吐出ポートとは不連続に形成されていることを特徴とする電動ポンプユニット。
  2. 前記転がり軸受は、前記モータ軸にしまりばめされた前記内輪と、前記軸受保持部にしまりばめされた前記外輪と、転動体とを備えていることを特徴とする請求項1の電動ポンプユニット。
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