JP6059901B2 - 車椅子昇降装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車椅子昇降装置に関し、特に、牽引部材によって車椅子を昇降可能な車椅子昇降装置に関する。
車椅子対応の車両は、車両後部室のフロア面と路面との間にスロープを掛け渡すことで、後部室への車椅子の乗り入れを容易としている。
このような車両において、後部室にウインチを設け、該ウインチから引き出されるワイヤなどの牽引部材を利用して車椅子の引き上げを補助する車椅子引き上げ装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
例えば、特許文献1には、車両に設けられたスロープに沿って車いすを車室内へ引き上げる際に、前記車椅子の引き上げを補助する車椅子引き上げ装置が開示されている。この装置では、引き出されたベルトを巻き戻すウインチを車両に一対を設け、各ウインチから引き出された両ベルトを車椅子に係止して両ベルトを巻き戻すことにより車椅子をスロープに沿って車室内に案内可能である。
特開2006−280400号公報
従来の車椅子引き上げ装置では、車椅子を車両まで上昇させる際に、車椅子を引き上げるウインチ装置のモータを一定出力で上昇させた場合には、地面での移動速度は比較的早く、介助者が一人でウインチ装置の操作と車椅子をスロープに適切に誘導するのが難しい。また、車椅子を車両から降ろす際に、牽引部材であるベルトを通常の引き下げ速度で送り出した場合であっても、車椅子が車両からスロープへ到達する前に多くのベルトが引き出されてしまうので、ウインチ装置の操作を手早くする必要が生じ、つまり介助者の車椅子操作が煩雑になる。
本発明の課題は、介助者が車椅子昇降装置を用いて車椅子を移動する作業を容易にすることにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る車椅子昇降装置は、車体に取り付けられ、車椅子に取り付けられる牽引部材と、牽引部材を巻き取り及び/又は送り出しをする駆動装置とを備える。また、初期移動として、スロープを介した車椅子の車内への収納におけるスロープの接地位置付近までの車椅子の移動、及び/又は下降時におけるスロープと車体との境界位置までの車椅子の移動を行う。そして、初期移動において駆動装置の出力を経時に初期値から徐々に増加させる制御をする。
この装置では、駆動装置の出力を経時に初期値から徐々に増加させることにより、初期移動において車椅子の移動速度を低くできるので、車椅子がスロープの接地位置付近又はスロープと車体との境界位置まで到達するまでの時間が長くなる。その結果、介助者が車椅子をスロープへ適切に誘導できる。
また、車椅子を車内から地面へ下降する際は、初期移動において車椅子の移動速度を低くできるので、車椅子が車内からスロープへ到達するまでの間に牽引部材が適切に張られた状態を維持できる。その結果、車椅子は、スロープを移動するときの移動速度が適切に維持される。
初期移動において行う、駆動装置の出力を経時に初期値から徐々に増加させる制御がPWM制御であってもよい。
これにより、駆動装置の出力を精度よく制御できる。その結果、地面及び車内での車椅子の移動速度を精度よく制御できる。この結果、介助者の作業のしやすさに合わせた車椅子の移動速度を実現できる。
初期移動における移動距離がスロープの位置と牽引部材の引出の長さとに基づいて求められ、移動距離において駆動装置の出力の増加を行ってもよい。
この装置では、車椅子の移動距離をスロープの位置と牽引部材の引出し長さとに基づいて求めることにより、初期移動において、車椅子が、スロープの接地位置付近、又は、スロープと車体との境界位置まで到達しているかどうかをより正確に把握して、車椅子の移動速度を遅くできる。したがって、車椅子が上記2つの境界まで到達するまでの時間を確実に長くできる。これにより、介助者が一人で車椅子昇降装置の操作と車椅子のスロープへの適切な誘導とをすることができる。
本発明に係る車椅子昇降装置では、介助者が一人で車椅子昇降装置の操作と車椅子をスロープに適切に誘導するのが容易である。また、車椅子の動き出し速度がゆっくりであると、車椅子昇降装置の制御と車椅子の補助作業との両方を行うことができる。
車椅子昇降装置の模式図 車椅子昇降装置の駆動装置の制御装置図 車椅子昇降装置における車椅子とスロープの接地位置との間の距離を算出する方法の一例を示す模式図 制御部による速度制御を示すフローチャート。 車椅子昇降装置における車椅子の初期移動時のモータ出力指示値の一例を示すグラフ 車椅子昇降装置における車椅子とスロープと車体との境界位置との間の距離を算出する方法の一例を示す模式図
(1)車椅子昇降装置
図1を用いて、第1実施形態に係る車椅子昇降装置100を説明する。図1は、車椅子昇降装置の模式図である。車椅子昇降装置100は、介助者M1が、被介助者M2が乗った車椅子10を地面12から車6の車内61へ収納する(運び入れる)、又は、車内61から地面12へ下降する(運び出す)作業を補助する装置である。介助者M1は、操作スイッチ25(図2を参照)を操作することで、車椅子昇降装置100を駆動可能である。なお、操作スイッチ25は、車6に設けられていてもよいし、介助者M1の手元で有線又は無線によって操作するものでもよい。
車6は、車椅子10を移動する移動手段であり、例えば、ワンボックス型の自動車である。車6の後部には、スロープ8を装着可能である。
車椅子昇降装置100は、主に、牽引部材2と駆動装置4とを備えている。
牽引部材2は、図1に示すように、車椅子10の左右に1つずつ計2つ取り付けてある。牽引部材2は、一端が駆動装置4に固定され、他端が車椅子10と接続可能となっている。牽引部材2は、駆動装置4により引出し長さの調整が可能となっており、牽引部材2の引出し長さを調整することで車椅子10を車内61へ収納したり車内61から下降したりする。牽引部材2として、例えば、ベルトやロープなどを用いることができる。
なお、1つの牽引部材を車椅子10の中心付近に接続し、1台の駆動装置4により牽引部材2の引出し長さを調整して車椅子10を移動させる構成としてもよい。この場合、用いる部品数が少なくなる。
駆動装置4は、車6の車内61に設置されており、牽引部材2の引出長さを調整して車椅子10を車内61へ収納及び車内61から下降するための装置である。本実施形態では車内61の車内床面62に設置されているが、これに限らず、設置スペースなどを考慮して車内61の他の所定の箇所に設置されていてもよい。駆動装置4の詳細な構成は後ほど説明する。
スロープ8は、図1においては、車椅子10が移動可能な板状の部材として示している。スロープ8は、一端が車6の車内床面62と接続されており、他端が地面12に接地しており、そのようにして車内床面62と地面12を橋渡ししている。以下の説明では、車内床面62と接続されている側のスロープ8の一端は、スロープと車体との境界位置81(以後、「境界位置81」という)であり、地面12と接地している側のスロープ8の他の一端は、スロープの接地位置82(以後、「接地位置82」という)である。車椅子昇降装置100により車椅子10の車内61への収納及び車内61からの下降をするとき、車椅子10がスロープ8の床面を通る。
(2)駆動装置の詳細説明
駆動装置4は、図2に示すように、電動モータ41と、駆動変換部42と、巻き取りドラム43とを備えている。巻き取りドラム43は、駆動変換部42を介して電動モータ41と接続されている。巻き取りドラム43の周方向の側面には、牽引部材2の一端が接続されており、巻き取りドラム43の周の中心を通る当該側面が伸びる方向と平行な軸の周りで巻き取りドラム43を回転させて、牽引部材2を巻き取りドラム43に巻き取ったり、巻き取りドラム43から引出したりする。
2つの牽引部材2を用いて車椅子10を移動させる場合、上記のように牽引部材2のそれぞれに1つの駆動装置4を接続(駆動装置4が2台の構成)する代わりに、2つの巻き取りドラムを同一の軸の両端に接続し、1つの駆動変換部と1つの電動モータ41で1つの軸を回転させることにより2つの巻き取りドラムを回転してもよい。つまり、駆動装置4が、2つの巻き取りドラムと、1つの電動モータと、1つの駆動変換部を備える構成であってもよい。
駆動変換部42は、電動モータ41の運動を巻き取りドラム43の回転運動に変換する。歯車機構などが組み込まれた駆動変換部を介して巻き取りドラムと駆動源とを接続することで、小さなトルクの駆動源を用いた場合でも、ある程度の重量がある車椅子10を牽引部材2により移動できる。駆動変換部42において用いられる歯車の種類や、電動モータ41に接続された歯車の歯数と巻き取りドラムに接続された歯車の歯数の比(ギア比)は、電動モータ41のトルクと車椅子10の重量などを考慮して適宜決定できる。
また、駆動変換部42として、歯車機構に代えて、プーリーと駆動ベルトを組み合わせた駆動機構を用いてもよい。この場合、歯車機構を用いた駆動変換部と比較して、駆動音が小さくなる。
電動モータ41は、駆動変換部42を介して、巻き取りドラム43に接続されており、回転数を精密に制御しながら巻き取りドラム43を回転運動させる。電動モータを電動モータ制御装置と組み合わせて用いることで、エネルギー効率のよい精密な回転制御が可能となる。電動モータ41としては、直流モータ、交流モータ、ブラシレスモータなどを用いることができる。ブラシレスモータは、回転子のコイルに電流を流すために必要なブラシを必要としないため、メンテナンスフリーで扱いやすい。
(3)制御装置の構成
図2を用いて、制御装置20の構成を説明する。図2は、車椅子昇降装置の駆動装置の制御装置を示す図である。
図2に示す制御装置20では、パルス幅変調(Pulse Width Modulation、PWM)により電動モータの制御を行う。パルス幅変調による電動モータの制御は、ある所定の周期(PWMパルス周期)における電動モータへの電源電力供給時間と、電源電力供給停止時間の比率(デューティ比)を変化することにより、電動モータ41へ供給される電圧の見かけの平均値を制御し、電動モータ41を制御する。
なお、本実施形態では、基本的に、1つの電動モータを1つの制御装置20で制御する形態として説明する。
制御装置20は、制御部21と、回転センサ22と、PWM回路23と、モータ駆動回路24とを備える。回転センサ22は、駆動装置4の電動モータ41又は巻き取りドラム43に備え付けられ、駆動装置4の電動モータ41又は巻き取りドラム43の回転数を計数する。回転センサ22として、例えば、電磁式の回転センサや光学式の回転センサなど、既存の回転センサを用いることができる。
制御部21は、駆動装置4の出力を経時に初期値から徐々に増加させることにより、初期移動において車椅子10の移動速度を低くできる機能を有している。制御部21は、CPU、RAM、ROMからなる制御に用いることが可能な回路である。制御部21は、回転センサ22で計数された電動モータ41又は巻き取りドラム43の回転数を入力し、当該回転数に基づき、電動モータ41の回転速度に応じた電動モータ出力指示値をPWM回路23へ出力する。
制御部21は、牽引部材引き出し距離算出部211と、移動距離算出部212と、回転速度決定部213とを備える。
牽引部材引き出し距離算出部211は、電動モータ41又は巻き取りドラム43の基準位置からの回転数を回転センサ22から入力し、巻き取りドラム43に巻き取られた牽引部材2の長さを当該回転数から算出し、牽引部材2の引出し長さ(図3及び図6のL)を算出する。
移動距離算出部212は、牽引部材2の引出し長さに基づいて、車椅子10と接地位置82との距離(図3のDsc1)、及び、車椅子10との境界位置81との距離(図6のDsc2)を算出する。これら距離の算出方法の例は後ほど説明する。
回転速度決定部213は、車椅子10と接地位置82との距離、及び、車椅子10と境界位置81との距離に基づいて、駆動装置4の電動モータ41の回転速度を決定し、当該回転速度に応じた電動モータ出力の指示値を算出し、PWM回路23に送信する。
PWM回路23は、制御部21から送信された電動モータ出力の指示値に基づいて、PWM回路23のPWMパルス周期における電動モータへの電源電力供給時間割合(デューティ比)を決定し、決定されたデューティ比に基づいてモータ駆動回路24を制御する。
モータ駆動回路24は、PWM回路23により決定されたデューティ比に基づいて、電動モータへの電源電力の供給と停止を行う。モータ駆動回路24は、電動モータへの電源電力の停止及び供給を行うため、スイッチング素子により構成されている。スイッチング素子としては、例えば、リレーや半導体スイッチング素子を用いることができる。
(4)車椅子収納(運び入れ)動作
次に、図3を用いて、第1実施形態に係る車椅子昇降装置100により、地面12上の車椅子10を車6の車内61へ収納する方法について説明する。図3は、車椅子昇降装置における車椅子とスロープの接地位置との間の距離を算出する方法の一例を示す模式図である。
まず、車椅子10を、車椅子10に牽引部材2を取り付けることができる位置まで移動する。このとき、車椅子10は、接地位置82から車6が存在する方向とは反対側に、ある距離離れた位置(車椅子初期位置と呼ぶこともある)に移動されている。そして、介助者M1は、必要に応じて、駆動装置4の巻き取りドラム43から牽引部材2を引き出す。
車椅子10に牽引部材2を取り付けた後、介助者M1は、制御装置20の操作スイッチ25により、車椅子10を車椅子初期位置から車内61へ向けて移動させる。このとき、車椅子昇降装置100は、介助者M1が操作スイッチ25により車椅子10を車椅子初期位置から移動させて、車椅子10が地面12上を所定の距離進むまでは、車椅子10の移動速度を徐々に増加させる。車椅子10が所定距離を進み終わると、以後は、車椅子10の移動速度は一定になる。
本実施形態の車椅子昇降装置100では、具体的には、以下のようにして車椅子10の移動速度を制御する。以下の制御動作は、駆動装置4出力を経時に初期値から徐々に増加させることにより、初期移動において車椅子の移動速度を低くするものである。図4を用いて、制御部21の制御動作を説明する。図4は、制御部による速度制御を示すフローチャートである。
介助者M1が例えば操作スイッチ25を操作することで、以下の制御動作が開始される。
最初に、ステップS1では、牽引部材引き出し距離算出部211が牽引部材2の引き出し長さLを算出し、続いて移動距離算出部212が車椅子10と接地位置82との距離Dsc1を算出する。
ステップS2では、移動距離算出部212が、距離Dsc1が所定の値以上であるか否かを判断する。
ステップS2において「Yes」の場合(距離Dsc1が所定の値以上である場合)は、プロセスはステップS3に移行する。
ステップS3では、制御装置20の回転速度決定部213が、車椅子10の移動速度を徐々に上昇させる電動モータ41の回転速度を算出しそれを回転速度の指示値とする。さらに、回転速度決定部213は、電動モータ41の回転速度の指示値を、回転速度に応じた電動モータ出力指示値に変換し、PWM回路23へ送信する。その後、PWM回路23とモータ駆動回路24により、制御部21の回転速度決定部213から送信された電動モータ出力指示値に基づいて、駆動装置4の電動モータ41が制御される。
上記の動作を距離Dsc1が所定の値未満になるまで繰り返す。
ステップS2において「No」の場合(距離Dsc1が所定の値未満である場合)は、プロセスはステップS4に移行する。
ステップS4では、回転速度決定部213が、電動モータ出力がすでに目標出力となっているか否かを判断する。ここで、目標出力とは、車椅子を移動させる際に、車椅子に乗車した者が不安を感じることなく安全に移動させることができる、車椅子の移動速度を確保するのに必要なモータの出力をいうものである。ステップS4で「Yes」場合(目標出力になっている場合)には、プロセスはステップS6に移行して、移動終了まで回転速度決定部213はそのまま電動モータ41に目標出力を出力するように指示し続ける。
ステップS4で「No」の場合(電動モータ41が目標出力まで到達していない場合)は、プロセスはステップS5に移行する。
ステップS5では、回転速度決定部213は、目標出力に到達するまで徐々に電動モータ41への出力を上昇させるように指示する。
ステップS6では、例えば介助者M1が操作スイッチ25を押して牽引動作を終了させるのを待ち、ステップS7では、回転速度決定部213が速度指示の出力を停止する。
次に、図5を用いて、上述の車椅子収納制御動作における作動時間に対するモータ出力値の変化を説明する。図5は、車椅子昇降装置における車椅子の初期移動時のモータ出力指示値の一例を示すグラフである。
図4のステップS3において初期移動における制御装置20の回転速度決定部213から出力される電動モータ出力の指示値は、例えば、図5に示すように、距離Dsc1が所定の値未満になるまで、一定の割合で電動モータ出力を上昇するような指示値である。これにより、車椅子10が移動する際の、車椅子10への衝撃を抑制できる。よって、車椅子10に乗っている被介助者M2の車椅子10使用時の不安感を低減できる。また、距離Dsc1が所定の値未満になるまでの間に、一般的には、電動モータに目標出力が出力されていないので、車椅子10の移動速度は電動モータが目標出力の場合の移動速度よりも遅く、そのため車椅子10がスロープ8まで到達するのに時間がかかる。その結果、介助者M1が車椅子昇降装置100の操作を行ってから車椅子10の誘導を行うまでの時間を十分に確保することができる。その結果、介助者M1は車椅子10と車椅子昇降装置100の操作を一人で行えるようになる。
なお、図5に示した例では、操作スイッチ25を操作して車椅子昇降装置100を作動開始後6秒で距離Dsc1が所定の値に到達している。それまでの間に、モータ出力(の指示値)が目標出力の10%から100%まで一定の割合で増加している。
なお、車椅子10と接地位置82との距離Dsc1は、例えば、図3で示した模式図に基づいて、牽引部材2の引き出し長さとスロープ8の位置から以下のようにして算出できる。
図3において、牽引部材2は距離Lだけ引き出されているものとする。牽引部材2の引出し長さLは、回転センサ22により計数された電動モータ41又は巻き取りドラム43の回転数から算出される。また、駆動装置4と牽引部材2との取り付け位置をA、牽引部材2と車椅子10との取り付け位置をB、Aから地面12に垂直に降ろした垂線とBから地面12に平行に引いた線との交点をCとする。さらに、点Aから地面12までの高さをHとし、点Bから地面12までの高さをHとすると(なお、HとHは、車椅子昇降装置100を車6に設置したとき、及び、車椅子10の仕様により決まる一定値である)、点Aと点Cとを結ぶ線ACの長さは、H−Hとなる。このとき、点Bと点Cとを結ぶ線BCの長さD(すなわち、駆動装置4から車椅子10までの地面に水平な方向の距離)は、三角形ABCが直角三角形であることを用いて算出することができる。
そして、駆動装置4から境界位置81までの距離D、及び、境界位置81から接地位置82までの地面12と平行な方向の距離Dとすると、車椅子10と接地位置82との距離Dsc1はD−(D+D)により算出できる。なお、Dは車椅子昇降装置100の駆動装置4を車6の車内61に設置したときに一義的に決まり、Dはスロープ8の位置により決まる。このように、車椅子10と接地位置82までの距離Dsc1は、車椅子昇降装置100及び車椅子10の仕様により予め決められている値と、牽引部材2の引出との長さと、スロープ8の位置から算出できる。
(5)車椅子下降(運び出し)動作
図6を用いて、第1実施形態に係る車椅子昇降装置100により、車内61に収納された車椅子10を地面12へ下降する方法について説明する。図6は、車椅子昇降装置における車椅子とスロープと車体との境界位置との間の距離を算出する方法の一例を示す模式図である。
車椅子昇降装置100は、車椅子10を車椅子10に牽引部材2を取り付けることができる位置まで移動させる必要がないこと、車椅子10と境界位置81との距離Dsc2が所定の値未満になるまで車椅子10の移動速度を徐々に上昇させることを除いて、車椅子収納動作において説明したのと同様の方法で車椅子10を車内61から地面12へ下降する。以下、車椅子収納動作で説明したのと異なる事項のみについて説明する。
車椅子10を車内61から地面12へ下降する際、車椅子10に牽引部材2を取り付けるようにしてもよいし、車椅子10を車内61へ収納した際に牽引部材2を取り付けたままにしておいてもよい。後者の場合、車椅子10を車内61から地面12へ下降する際に、車椅子10に牽引部材2に取り付ける作業を省略できる。
本実施形態の車椅子昇降装置100により車椅子10を車内61から地面12へ下降させる場合、制御装置20の移動距離算出部212は、車椅子10と境界位置81との距離Dsc2を算出する。そして、車椅子収納動作時と同様の方法により、車椅子10と境界位置81との距離Dsc2に基づいて、車椅子10の移動速度を制御する。
距離Dsc2は、例えば、図6に示した模式図に基づいて、以下のように算出できる。
図6において、牽引部材2は距離Lだけ引き出されているものとする。駆動装置4と牽引部材2との取り付け位置をA、牽引部材2と車椅子10との取り付け位置をB、Aから地面12に垂直に降ろした垂線とBから地面12に平行に引いた線との交点をDとする。さらに、点Aから地面12までの高さをHとし、点Bから車内床面62までの高さをHとし、さらに、地面12から車内床面62までの高さをHとすると、(なお、H、H、及びHは、車椅子昇降装置100を車6に設置したとき、及び、車椅子10の仕様により決まる一定値である)、点Bと点Dとを結ぶ線BDの長さは、H+H−Hとなる。このとき、点Aと点Dとを結ぶ線ADの長さDdc(すなわち、駆動装置4から車椅子10までの車内床面62に水平な方向の距離)は、三角形ABDが直角三角形であることを用いて算出することができる。
駆動装置4から境界位置81までの距離は距離Dであり、図6から、D=Dsc2+Ddcであることが分かる。従って、車椅子10と境界位置81との距離Dsc2は、Dsc2=D−Ddcから算出される。
このように、車椅子10を車内61から地面12へ下降する際も、車椅子10と境界位置81との距離Dsc2が所定の値未満になるまで車椅子10の移動速度を徐々に上昇させることにより、牽引部材2が過剰に引き出されることがなく、車椅子10が重力の分力により急激に加速することを防げる。よって、車椅子昇降装置100の操作を手早く行う必要がなくなり、介助者M1が一人で車椅子昇降装置100と車椅子10の操作を行うことができる。また、車椅子昇降装置100の作動開始時に起こる車椅子10への衝撃が抑制される。この結果、車椅子10に乗っている被介助者M2(被介助者の一例)に与える不安感を軽減できる。
(6)実施形態の作用効果
(A)上記実施形態では、駆動装置(例えば、駆動装置4)の出力を経時に初期値から徐々に増加させることにより、初期移動において車椅子(例えば、車椅子10)の移動速度を低くできるので、車椅子(例えば、車椅子10)がスロープの接地位置(例えば、接地位置82)付近又はスロープと車体との境界位置(例えば、境界位置81)まで到達するまでの時間が長くなる。その結果、介助者(例えば、介助者M1)が車椅子(例えば、車椅子10)をスロープ(例えば、スロープ8)へ適切に誘導できる。また、車椅子(例えば、車椅子10)を車内(例えば、車内61)から地面(例えば、地面12)へ下降する際は、初期移動において車椅子(例えば、車椅子10)の移動速度を低くできるので、車椅子が車内からスロープへ到達するまでの間に牽引部材が適切に張られた状態を維持できる。その結果、車椅子は、スロープを移動するときの移動速度が適切に維持される。
上記の制御は、制御部21によって主に実行されているが、制御部21の構成は前記実施形態の図2及びその説明に限定されない。また、制御部21の制御動作は前記実施形態の図4及びその説明に限定されない。さらに、駆動装置4の構成も前記実施形態の図2及びその説明に限定されない。
(B)上記実施形態では、初期移動において行う、駆動装置の出力を経時に初期値から徐々に増加させる制御がPWM制御を行っている。
これにより、駆動装置(駆動装置4)の出力を精度よく制御できる。その結果、地面(例えば、地面12)及び車内(例えば、車内61)での車椅子(例えば、車椅子10)の移動速度を精度よく制御できる。この結果、介助者(例えば、介助者M1)の作業のしやすさに合わせた車椅子(例えば、車椅子10)の移動速度を実現できる。
また、駆動装置(例えば、駆動装置4)の出力を多段階で制御できるので、駆動装置(例えば、駆動装置4)の出力を徐々に上昇でき、車椅子昇降装置(車椅子昇降装置100)の作動開始時に車いす(例えば、車椅子10)へ与える衝撃を低減できる。この結果、車椅子(車椅子10)に乗っている被介助者(例えば、被介助者M2)に与える不安感を軽減できる。また、PWM制御は、他の制御と比較して駆動装置(例えば、駆動装置4)の制御のエネルギー効率が良いので、車椅子昇降装置(例えば、車椅子昇降装置100)のエネルギー使用量を削減できる。
(C)初期移動における移動距離(例えば、距離Dsc1又は距離Dsc2)がスロープ(スロープ8)の位置と牽引部材(例えば、牽引部材2)の引出し長さ(例えば、引き出し長さL)とに基づいて求められ、移動距離(例えば、距離Dsc1又は距離Dsc2)において駆動装置(駆動装置4)の出力の増加を行う。
この装置では、車椅子(例えば、車椅子10)の移動距離(例えば、距離Dsc1又は距離Dsc2)をスロープ(例えば、スロープ8)の位置と牽引部材(例えば、牽引部材2)の引出し長さ(例えば、引き出し長さL)とに基づいて求めることにより、初期移動において、車椅子(車椅子10)が、スロープの接地位置(例えば、接地位置82)、又は、境界位置(例えば、境界位置81)まで到達しているかどうかをより正確に把握して、車椅子(10)の移動速度を遅くできる。したがって、車椅子(例えば、車椅子10)が上記2つの境界まで到達するまでの時間を確実に長くできる。これにより、介助者M1(例えば、介助者M1)が一人で車椅子昇降装置(例えば、車椅子昇降装置100)の操作と車椅子(例えば、車椅子10)のスロープ(例えば、スロープ8)への適切な誘導とをすることができる。
上記実施形態では、初期移動における移動距離は、移動距離算出部212によって算出されるが、算出方法は上記実施形態の図3及び図6とそれらの説明に限定されない。
(7)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
第1実施形態では、車椅子10と接地位置82との距離Dsc1が所定の値以上のときに、一定の割合でモータ出力を上昇(車椅子10の移動速度を上昇)したが、これに限られない。例えば、車椅子10を停止状態から移動させる初期移動において、車椅子10の停止状態からの移動速度上昇率と、距離Dsc1が上記所定の値以上のある値になってからの移動速度上昇率とを異ならせてもよい。つまり、2段階以上の移動速度上昇率で車椅子10の初期移動を行ってもよい。この場合、停止状態からの移動速度上昇率を低くしておき、距離Dsc1がある値になってからの移動速度上昇率を高くしておいてもよい。停止状態からの移動速度上昇率を低くすることで、車椅子10の停止状態からの移動速度をゆっくりと上昇させて、停止状態からの車椅子10の移動による衝撃を最小限にできる。その後、移動速度上昇率を高くする(すなわち、駆動装置4の駆動源出力上昇率を高くする)ことで、駆動装置4の電動モータ41は、車椅子10がスロープ8に到達する前に、スロープ8を車椅子10が上るのに必要な出力を確実に得ることができる。
本発明に係る車椅子昇降装置は、車椅子を、車の車内へ収納したり、車内から下降したりする車椅子昇降装置に広く適用できる。
100 車椅子昇降装置
2 牽引部材
4 駆動装置
41 電動モータ
42 駆動変換部
43 巻き取りドラム
6 車
61 車内
62 車内床面
8 スロープ
81 スロープと車体との境界位置
82 スロープの接地位置
10 車椅子
12 地面
20 制御装置
21 制御部
211 牽引部材引き出し距離算出部
212 移動距離算出部
213 回転速度決定部
22 回転センサ
23 PWM回路
24 モータ駆動回路
25 操作スイッチ
M1 介助者
M2 被介助者

Claims (2)

  1. 車椅子に取り付けられる牽引部材と、前記牽引部材を巻き取り及び/又は送り出しをする駆動装置と、スロープとを備え、
    前記スロープは、一端が車内床面と接続し、他端が地面と接地して、車内床面と地面とを橋渡しするように設けられ、
    前記駆動装置は、電動モータと制御部とを有し、前記電動モータの回転による前記牽引部材を巻き取り及び/又は送り出しによって、車椅子を、車椅子の初期位置から前記スロープの他端へ到達するまでの間と前記スロープ上とを移動させ、
    前記制御部は、牽引部材引き出し距離算出部と移動距離算出部と回転速度決定部とを備え、
    前記牽引部材引き出し距離算出部が、前記牽引部材の引出し長さを算出し、
    前記移動距離算出部が、車椅子と前記スロープの他端との距離を算出し、
    算出された車椅子と前記スロープの他端との距離が、車椅子の初期位置から前記スロープの他端へ到達するまでの間において、車椅子と前記他端との距離が所定の値以上であるときに、前記電動モータの回転速度を制御して車椅子の移動速度を上昇させ、車椅子と前記他端との距離が所定の値に到達させたときに、前記回転速度決定部が前記電動モータが目標出力を出力するように前記電動モータに指示する、
    車椅子昇降装置。
  2. 前記制御部は、
    前記制御部は、前記回転センサで係数されたモータの回転数または前記駆動装置に設けられた前記牽引部材の巻取りドラムの回転数を係数できる回転センサを備え、
    前記回転センサにより計数された、回転数に基づき、前記電動モータの回転速度に応じた電動モータ出力指示値をPWM回路へ出力する
    請求項1に記載の車椅子昇降装置。
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