JP6057765B2 - レトログラード表示機構並びに該機構を備えたムーブメント及びアナログ時計 - Google Patents

レトログラード表示機構並びに該機構を備えたムーブメント及びアナログ時計 Download PDF

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Description

本発明は、レトログラード表示機構並びに該機構を備えたムーブメント及びアナログ時計に係わる。
順方向の回転角の増大に応じて径が大きくなるカム面を備え該カム面が最大径部から最小径部に戻るところに径方向の段差部を備えた作動カムを有すると共に該作動カムの該カム面に当接する作動レバーの形態のカム従節の変位に従って時間に依存する表示を行うレトログラード表示構造においては、作動レバーが作動カムの段差部に対して突っ張り状態になるのを避けるべく、通常は、作動カムの逆方向の回転は禁止されるところ、作動カムの逆方向の回転を許容するようにすること自体は、知られている(特許文献1)。
特許文献1には、時差修正の際において、レトログラード式の24時表示部に用いられている作動カムの逆方向の回転を許容するために、時差修正用巻真の時差修正操作位置への引出動作に応じて、該時差修正用巻真と連動するおしどり等により作動レバーを作動カムの軌跡の範囲外に退避させることが開示されている。
しかしながら、この場合、順方向に時車(筒車)を回すときでも、時差修正を行うべく時差修正用巻真を引き出すだけで、24時間表示が視認できなくなる。また、レトログラード表示が適切に行われることを時間を短縮して視認したくても、時差修正モードに設定するだけで作動レバーが退避してしまうので、レトログラード機構が適切に動作するかどうかの確認をし難い。また、この場合、表示機構の表示部の配置が、(時差修正)巻真の近傍に制約され易い。
特許第3140700号公報
本発明は前記諸点に鑑みなされたものであってその目的とするところは、作動カム及び作動レバーの三次元構造により作動カムの逆転を許容するようにしたレトログラード表示機構並びに該機構を備えたムーブメント及びアナログ時計を提供することにある。
本発明のレトログラード表示機構は、前記目的を達成すべく、通常運針輪列の車と同期回転される作動カムであって順方向に回転された際に中心からの距離が徐々に遠ざかる形状で最大径部から最小径部に戻るところに順方向段差部のある漸増カム面を備えたものと、前記カム面に当接するカム従節をカム腕部に備えた作動レバーであって該カム従節の変位に応じて揺動されるものと、該作動レバーの揺動に応じて表示を行う表示部とを有するレトログラード表示機構であって、前記作動カムは、該作動カムが逆方向に回転される際に、前記カム従節が前記漸増カム面の前記最小径部に当接する位置から前記漸増カム面のうち前記最小径部よりも大径の部位に当接する位置に戻るのを許容する復帰案内段差部を更に有し、前記作動カム及び前記作動レバーが前記レトログラード表示機構の厚さ方向に相対変位可能に配置されており、前記作動レバーが第一の三次元係合構造部を前記カム腕部に備え、前記作動カムは、該作動カムが逆方向に回転される際に、前記作動レバーの前記カム従節を該作動カムの前記復帰案内段差部に案内すべく、前記カム腕部の前記第一の三次元係合構造部と係合して前記作動レバーに対する前記厚さ方向の相対位置を変える第二の三次元係合構造部を備える。
本発明のレトログラード表示機構では、「前記作動カムは、該作動カムが逆方向に回転される際に、前記カム従節が前記漸増カム面の前記最小径部に当接する位置から前記漸増カム面のうち前記最小径部よりも大径の部位に当接する位置に戻るのを許容する復帰案内段差部を更に有し、前記作動カム及び前記作動レバーが前記レトログラード表示機構の厚さ方向に相対変位可能に配置されており、前記作動レバーが第一の三次元係合構造部を前記カム腕部に備え、前記作動カムは、該作動カムが逆方向に回転される際に、前記カム腕部の前記カム従節を該作動カムの前記復帰案内段差部に前記カム腕部を案内すべく、前記カム腕部の前記第一の三次元係合構造部と係合して前記作動レバーに対する前記厚さ方向の相対位置を変える第二の三次元係合構造部を備える」ので、作動レバーの第一の三次元係合構造部と作動カムの第二の三次元係合構造部との係合により、復帰案内段差部を介して、作動カムの逆方向回転が許容される。なお、作動レバーのカム腕部のカム従節は作動カムに弾性的に押付けられている。
ここで、「漸増カム面のうち作動カムの最小径部よりも大径の部位」は、典型的には、作動カムの最大径部の近傍であって最大径部よりも僅かに小径の部位である。但し、最小径部よりも径が大きい部位である限り、最大径部から遠く離れた部位(例えば、最大径部よりも最小径部に近い径の部位)であってもよい。
また、本発明のレトログラード表示機構では、実質的に剛体間の当接により作動レバーが位置決めされるので、作動レバーのカム腕部が作動カムの漸増カム面に当接する状態にある限り(途中で復帰案内段差部を通ったか否かにかかわらず)、表示部の表示が作動カムの回転位置(位相)や通常運針輪列の車の回転位置(位相)と正確に一致し得る。また、レトログラード表示機構全体の構造が簡単化され易い。
更に、本発明のレトログラード表示機構では、作動カムが順方向に回転されるか逆方向に回転されるかにかかわらず実質的に剛体間の当接により作動レバーが位置決めされるので、作動カムが逆方向に回転される場合でも、レトログラード表示機構が動作していること自体は確認され得る。
本発明のレトログラード表示機構では、典型的には、前記第一の三次元係合項構造部が第一の斜面部を備え、前記第二の三次元係合項構造部が第二の斜面部を備え、前記作動カムが前記厚さ方向に変位可能に軸に嵌合されており、前記作動カムを前記厚さ方向に偏倚させる弾性手段を備える。
その場合、作動カムが第一及び第二の斜面部の係合を介して厚さ方向に変位されるのでカム従節を作動カムの復帰案内段差部に案内して、カム従節が作動カムの最小径部に当接する位置から漸増カム面のうち最小径部よりも大径の部位(典型的には、作動カムの最大径部の近傍であって最大径部よりも僅かに小径の部位)に戻るのを許容する。ここで、典型的にはばねやゴム等からなる弾性手段は、作動カムが厚さ方向に自由に変位されるのを抑制する向きに該作動カムに対して弾性偏倚力を及ぼす。
本発明のレトログラード表示機構では、典型的には、前記第二の三次元係合構造部が薄肉部を備え、前記作動カムが逆方向に回転される際、前記第一及び第二の三次元係合構造部の前記第一及び第二の斜面部が相互に係合して前記作動カムが前記作動レバーに対して前記厚さ方向に変位されて前記作動カムの前記第二の三次元係合構造部の前記薄肉部に前記作動レバーの前記第一の三次元係合構造部が重なる。
その場合、作動カム及び作動レバーのレトログラード機構の厚さ方向への相対変位が、確実に行われ得る。
本発明のレトログラード表示機構では、典型的には、前記薄肉部が周方向に庇状に延びた庇状部の形態を有し、該庇状部の周方向の先端部が前記作動カムの前記最大径部になっており、前記庇状部のうち該最大径部と回転中心とを結ぶ方向に延びる前記順方向段差部よりも周方向にみて手前に前記復帰案内段差部が形成されている。
その場合、カム従節が復帰案内段差部に沿って漸増カム面に戻るのを確実に案内し得る。
本発明のレトログラード表示機構では、典型的には、前記作動カムが前記通常運針輪列の車と同期回転される基準歯車と一体回転するように構成されている。
本発明のレトログラード表示機構では、典型的には、前記基準歯車が24時間歯車からなる。
本発明のムーブメントは、前記目的を達成すべく、上記のようなレトログラード表示機構を備える。
本発明のアナログ時計は、前記目的を達成すべく、上記のようなレトログラード表示機構を備える。従って、本発明のアナログ時計は、前記目的を達成すべく、上記のようなレトログラード表示機構を備えたムーブメントを有する。
本発明の好ましい一実施例の24時レトログラード表示機構を備えた本発明の好ましい一実施例のムーブメントを有する本発明の好ましい一実施例のアナログ時計を文字板側から見た外観説明図。 図1の24時レトログラード表示機構の平面説明図。 図2の24時レトログラード表示機構を備えた図1のアナログ時計が通常運針状態にある場合の断面説明図。 図2の24時レトログラード表示機構を備えた図1のアナログ時計が逆針回し状態にある場合の断面説明図。 図2の24時レトログラード表示機構を構成する作動カムを備えた24時間車及び作動レバーを示したもので、(a)は作動レバーのカム腕部のカム従節が作動カムの最小径部に当接している状態を示した斜視説明図、(b)は作動レバーが逆方向に回転されて作動レバーのカム腕部が段差部の側面及び三次元係合構造部としての復帰案内構造部46に沿って最小径部から主カム面のうち最大径部近傍の部位に戻る途上の状態を示した斜視説明図、(c)は(a)及び(b)の状態と比較して作動カムを裏返して見た斜視説明図、(d)は作動レバーの斜視説明図。 図1の24時レトログラード表示機構の主たる構成部分である作動カムを含む24時間車と作動レバーと24時表示車との関係を示した平面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構が0時の位置にある場合における図6と同様な平面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構において、逆針回しにより作動レバーのカム従節が小径カム面領域を移動した状態を示した図6と同様な平面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構において、逆針回しにより作動レバーのカム従節が段差部の側面を登り始めた状態を示した図6と同様な平面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構において、逆針回しにより作動レバーのカム従節による段差部の側面の上昇が多少進行した状態を示した図6と同様な平面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構において、逆針回しにより作動レバーのカム従節による段差部の側面の上昇が更に進行した状態を示した図6と同様な平面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構において、逆針回しにより作動レバーのカム従節による段差部の側面の上昇が進行してカム腕部の傾斜面の前縁が作動カムの復帰案内構造部の傾斜面の前縁に近接した状態を示したもので、(a)は図6と同様な平面説明図、(b)は(a)の一部の断面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構において、逆針回しにより作動レバーのカム従節による段差部の側面の上昇が進行してカム腕部の傾斜面が作動カムの復帰案内構造部の傾斜面と当接した状態を示したもので、(a)は図6と同様な平面説明図、(b)は(a)の一部の断面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構において、逆針回しにより作動レバーのカム従節による段差部の側面の上昇が進行してカム腕部の傾斜面がが作動カムの復帰案内構造部の傾斜面に乗り上げて作動カムの薄肉復帰構造部の主面が作動レバーのカム腕部の対向主面と当接するようになった状態(一方の主面で24時間歯車に当接した作動レバーのカム腕部が弾性力に抗して作動カムを24時間歯車から離間させて他方の主面で作動カムの対向主面の下に入り込んだ状態を示したもので、(a)は図6と同様な平面説明図、(b)は(a)の一部の断面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構において、逆針回しにより作動レバーのカム従節が作動カムと24時間歯車との間で段差面に沿って更に上った状態を示したもので、(a)は図6と同様な平面説明図、(b)は(a)の一部の断面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構において、逆針回しにより作動レバーのカム従節が作動カムと24時間歯車との間で段差面に沿って更に上った状態を示したもので、(a)は図6と同様な平面説明図、(b)は(a)の一部の断面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構において、逆針回しにより作動レバーのカム従節が作動カムと24時間歯車との間で段差面に沿って更に上って大径部位の近傍に達した状態を示したもので、(a)は図6と同様な平面説明図、(b)は(a)の一部の断面説明図。 図1のアナログ時計の24時レトログラード表示機構において、逆針回しにより作動レバーのカム従節が作動カムと24時間歯車との間で段差面に沿って更に上って大径部位に達して漸増カム面部に当接するようになった状態を示したもので、(a)は図6と同様な平面説明図、(b)は大径部位に達する直前の状態についての(a)の一部の断面説明図、(c)は大径部位にした直後の状態についての(a)の一部の断面説明図。
本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
図1から図3には、本発明の好ましい一実施例のレトログラード表示機構としての24時レトログラード表示機構1を備えた本発明の好ましい一実施例のムーブメント4を有する本発明の好ましい一実施例のアナログ時計2が示されている。
時計2は、図1に示したような外観3を有する。すなわち、時計2は、時針11a、分針11b及び秒針11cからなる時刻表示針11を中心軸線Cのまわりで時計回りC1に回転可能に備える。時計2の文字板12は、正時の位置を表す植字12aを有する。時計2は、また、6時の位置において中心軸線Dを回動中心として概ね4時及び8時の位置の間に拡がる扇形の24時レトログラード表示領域13を有し、該領域13には、D1方向に0時から24時までの時刻を示す目盛及び文字からなる24時表示13aが付されている。該24時表示領域13において24時表示針64が0時の位置から24時の位置まで中心軸線DのまわりでD1方向に回動可能であり、通常動作の際には24時になると瞬時にD2方向に回動して0時の位置に戻る。
ムーブメント4は、図1に加えて、図3や図4の断面図からわかるように、アナログ時計2の外装部品の中すなわち時計ケース14内において文字板12の背後で裏蓋18の手前に収容され香箱やモータの如き回転駆動源(図示せず)によって回転駆動され通常運針輪列5を構成する筒車17や分車16bや秒車16cを含み、夫々の先端部に、時針11a、分針11b及び秒針11cが取付けられている。ムーブメント4の巻真15aの先端にはりゅうず15が取付けられている。
この明細書の以下の記載において、正転、正方向ないし順方向(回転)又は正針回し(方向)とは、運針輪列の車が通常運針状態にある際と同じ向きに回転される際に24時レトログラード表示機構1の各車が回転される方向又はそのように回転されること(例えば、時が進む方向に時差修正を行なう際に各車が回転される方向又はそのように回転されること)をいい、逆方向(回転)又は逆針回し(方向)とは、運針輪列の車が通常運針状態にある際に回転される向きとは反対の向きに24時レトログラード表示機構1の各車が回転される方向又はそのように回転されること(例えば、時が進む方向とは反対方向に時差修正を行なう際に各車が回転される方向又はそのように回転されること)をいう。
24時表示機構1は、図3の断面説明図に示したように、一部の車を除いて概ね地板4aと輪列受4bとの間の領域に位置する通常運針輪列5よりも文字板側において、第二地板6と第二輪列受7との間に配設されている。これにより、24時表示機構1の追加的な配設が容易になっている。但し、所望ならば、24時表示機構1を構成する車の少なくとも一部が、時計2の厚さ方向Hに関して、通常運針輪列5の車の車と同様な位置(厚さ方向位置)に配置されていてもよい。
24時表示機構1は、図2の平面説明図並びに図3の断面説明図に示したように、通常運針輪列を構成する筒車17と同軸で該筒車17一体的な24時第一中間車23と、該24時第一中間車23と噛合した24時第二中間車26と、該24時第二中間車26と噛合し筒車17と同期回転される基準歯車としての24時間歯車32と、該24時間歯車32と同軸で回転に関してはこれと一体的な24時レトログラード作動カム40と、先端が該作動カム40に対するカム従節51aとなるカム腕部51及び扇形歯車部52を備えた作動レバー50と、扇形歯車部52と噛合した24時表示歯車62を備えた24時表示車部60とを有する。24時間歯車32及び作動カム40は24時間車30を構成する。24時第二中間車26、24時間車30及び作動レバー50は、夫々、中心軸線E,F及びGのまわりで回転可能である。
より詳しくは、24時間車30を構成する24時間歯車32は、時計2の厚さ方向Hに突出した作動カム案内ピン34を備え、該作動カム案内ピン34は、作動カム40の偏心位置にある貫通孔42に進退可能に嵌合されている。24時間車30の回転中心軸36には作動カム40を裏蓋18側に向かって24時間車32の対向主面32aの方へH1方向に弾性的に押圧する針座38が配設されている。従って、作動カム40が針座38以外から厚さ方向Hの外力を受けていない状態では、作動カム40は、図3に示したように、針座38の弾性偏倚力によってH1方向に偏倚した位置Q0を採る。この位置Q0では、作動カム40は、作動カム本体部41の主面41aで24時間歯車32の対向主面32aに当接している。一方、後で詳述するように、作動カム40が文字板12側すなわち文字板12のある方向H2への厚さ方向力を受けると、作動カム40は、図4に示したように、針座38の弾性偏倚力に抗してH2方向に偏倚した位置Q1を採る。この位置Q1では、作動カム40の裏蓋側主面41aと24時間歯車32の対向主面32aとの間に厚さ方向Hの間隙ができる。
作動カム40は、図2及び図3に加えて、該作動カム40自体の拡大斜視図である図5の(c)並びに該作動カム40を含む24時間車30及び作動レバー50の拡大斜視図である図5の(a)及び(b)に示したように、肉厚の作動カム本体部41と、薄肉の復帰案内構造部46とを有する。作動カム40は、該作動カム40が順方向F1に回転された際に後述のカム従節51aが当接する部位(実効カム面部)が最小径部44bから最大径部44aまで徐々に変化して、該作動カム40の実効径(該部位と回転中心Fとを結ぶ距離)が徐々に大きくなるカタツムリないし巻貝状の形状の漸増カム面部44を有する。ここで、漸増カム面部44は、肉厚の作動カム本体部41と薄肉の復帰案内構造部46との両方に拡がっている。
作動カム40は、また、該作動カム40が順方向に回転された際にカム従節51aが最大径部44aから最小径部44bに戻るところに薄肉庇状の復帰案内構造部46の周方向端縁46bによって規定される順方向段差部46fを有する。この順方向段差部46fが従来からのレトログラード表示を可能にしている。作動カム40は、更に、作動カム40が逆方向に回転される際にカム従節51aが最小径部44bの近傍の小径部位44dから最大径部44aの近傍の大径部位44cに戻るところに側面45aを備えた逆方向復帰案内段差部45を有する。復帰案内段差部45は、薄肉の復帰案内構造部46と協働して、24時レトログラード作動カム40の逆方向回転F2を可能にしている。従って、この作動カム40の段差部すなわち作動カム段差部48は、順方向のレトログラード表示を行わせる順方向段差部46fとレトログラード作動カム40の逆方向回転を許容する復帰案内段差部45とを含む。
この例では、最小径部44bを基準としてその角度位置ないし角度αを0(α=0)とすると、該最小径部44bと小径部位44d(復帰案内段差部45の側面45aの最小径の部位)との間の角度α0のカム面領域44eが最小径部44bと同一の径(最小径Rmin)を有し、これに伴って逆方向復帰案内段差部45を底部とする凹部が形成されている。但し、後述の傾斜案内面47が有効に形成され得、24時表示針64の動きが自然である限り、カム面領域44eの角度α0が実際上ゼロでカム面領域44eがなくても、カム面領域44eにおける径が最小径部44bと小径部位44dとで異なっていてもよい。
この例では、正転及び逆転に係る主カム面43は、漸増カム面部44と復帰案内構造部46及び復帰案内段差部45とからなる。復帰案内段差部45は、作動カム40を含む24時間車30がF2方向に逆転される際に作動レバー50のカム従節51aを径方向外側に案内してカム腕部51をG1方向に回動させるべく傾斜し、該案内のために該カム従節51aが当接する部位Pの角度αがα0(図8)からα11(図18)の範囲で変わる。
三次元係合構造部としての復帰案内構造部46は、復帰案内段差部45の文字板12側部分において、該段差部45の径方向外側部分から円弧状に延びた薄肉扇形状を有し、径方向内側縁部46aに傾斜案内面47を備える。
一方、作動レバー50のカム腕部51は、厚さ方向Hに垂直な面内において作動カム40に対してカム従節51aとして働く先端部に加えて、作動カム40に対する厚さ方向Hの相対変位を可能にする三次元係合構造部としての傾斜面部53を先端近傍の側縁53aに備える。作動レバー50のカム腕部51は、裏蓋側の主面55で24時間歯車32の主面32aに実際上摺接している。但し間隙があってもよい。
従って、作動カム40を含む24時間車30がF2方向に逆転される際に、作動レバー50のカム腕部51は、先端のカム従節51aで作動カム40の復帰案内段差部45の側壁ないし側面45aに沿って径方向外側に変位されると共に、側縁53aの傾斜面部53で、復帰案内構造部46の傾斜案内面47に係合して、作動カム40から裏蓋18側ないし24時間歯車32の主面32aの方向H1への力を受けその反作用として作動カム40を厚さ方向Hの文字板12側に向かってH2方向に押し該作動カム40をH2方向に変位させる。これにより、作動カム40の主面41aと24時間歯車32の主面32aとの間に間隙ができて該間隙に作動レバー50のカム腕部51が入り込んで作動レバー50のカム腕部51が作動カム40の薄肉の復帰案内構造部46に重なるようになり、該重なり状態において、作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aが復帰案内段差部45の側面45aに沿って最外周端45bの大径部位44cに達する。この大径部位44cは、作動カム40の漸増カム面部44内で、該漸増カム面部44の最大径部44aの近傍に位置する。従って、大径部位44cに達した作動レバー50のカム腕部51がカム従節51aは、漸増カム面部44に当接する通常の状態(作動カム40の回転位置と24時間表示の時刻とが正確に対応する状態)に戻る。
24時表示車部60は、中心軸線Dのまわりで回転される軸部61と、該軸部61に固定され作動レバー50の扇形歯車部52と噛合した24時表示歯車62と、軸部61に対してD2方向回動偏倚力を及ぼす渦巻状の24時表示車戻しばね63と、軸部61に固定され該軸部61の回転に応じてD1,D2方向に回転される24時表示針64とを有する。ばね63の作用下で、24時表示針64が、初期位置へのD2方向回動偏倚力を受け、作動レバー50の扇形歯車部52がG2方向回動偏倚力を受け、作動レバー50のカム腕部51が先端のカム従節51aで作動カム40の主カム面43に押付けられている。
以上の如く構成されたアナログ時計2の24時レトログラード表示機構1の動作及び操作について、図1から図5に加えて、図6から図18に基づいて、詳しく説明する。
アナログ時計2において通常運針が行われている状態では、図2の筒車17及び24時第一中間車23がC1方向に回転され、24時第二中間車26がE1方向に回転されるので、24時間車30がF1方向に回転される。すなわち、24時間車30を構成する24時間歯車32及び作動カム40がF1方向に一体的に回転される。
従って、24時表示車部60の24時表示車戻しばね63の作用下でG2方向偏倚力を受けた作動レバー50は、カム腕部51の先端のカム従節51aで24時間車30の作動カム40の漸増カム面部44に当接した状態で、図6に示したように、作動カム40のF1方向回動に伴う当接部の拡径化に従って徐々にG1方向に回動され、該G1方向回動に伴って扇形歯車部52で24時表示車部60の24時表示歯車62をD1方向に回動させ、これにより、24時表示針64を扇形領域13内においてD1方向に回動させて表示を行わせる。なお、作動カム40のF1方向回転に伴い、作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aが漸増カム面部44の最大径部44aに当接すると、24時表示針64が扇形領域13においてD1方向に最大限振れて24時を表示する位置に達する。24時間車30の作動カム40が更にF1方向に回転すると、戻しばね63によるG2方向弾性偏倚力を受けた作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aは、復帰案内構造部46の周方向端縁46bから外れて、概ね作動カム段差部48の復帰案内構造部46の周方向端縁46bに沿って径方向に落ちた後、復帰案内段差部45の径方向最内端に対応するか又はその近傍の漸増カム面部44の最小径部44bに一気に落ちる。これに伴い、24時表示針64も、扇形領域13の右端の24時を示す位置から左端の0時を示す位置にD2方向に急激に回動されて一気に初期位置に戻るレトログラード表示が行われる。その後は、再度、漸増する表示を繰返す。
一方、逆針回しが行われる場合においても、作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aが作動カム40の漸増カム面部44に当接している範囲内では、即ち、24時近傍の時刻から0時近傍の時刻まで逆針回しが行われる範囲内では、図2において矢印で示し図6において破線の矢印で示したように、作動カム40を含む24時間車30がF2方向に回転され、カム腕部51の先端のカム従節51aで作動カム40の漸増カム面部44に当接した作動レバー50がG2方向に回動され、歯車部52,62間の噛合を介して24時表示針64が表示領域13においてD2方向に回動される。この範囲では、24表示針64のD2方向の表示位置は24時間車30のF2方向回動位置に正確に対応している。
次に、逆針回しの場合において、作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aが作動カム段差部48の近傍に達した後における24時レトログラード表示機構1の動作について、図1から図6に加えて、図7から図18に基づいて、詳しく説明する。
逆針回しないし逆転修正により、作動カム40がF2方向に回転されて作動レバー50がG2方向に回動されて、図7に示したように、作動レバー50のカム腕部51の先端のカム従節51aが作動カム40の漸増カム面部44の最小径部44bに達すると、表示針64が表示領域13の初期位置ないし0時の位置を採る。24時間車30ないし作動カム40のこの状態における中心Fのまわりの回転状態を初期状態として回転角α=0とする。この状態において、作動レバー50の扇形歯車部52も中心Gのまわりの回転状態として初期状態(回転角β=0)を採り、24時表示部60の表示針64も中心Dのまわりの回転状態として初期状態(回転角γ=0)を採る。従って、ここでは、角度α=β=γ=0は、図7には表示されていない。図7の状態が、初期状態S0である。
逆転修正が進行すると、作動カム40のF2方向回転に伴い、図8に示したように、作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aが作動カム40の漸増カム面部44の最小径部44bから外れて小径カム面領域44eに沿ってその小径部位44dに達する状態S1を採る。この状態S1では、24時間車30及び作動カム40は、図7の初期状態S0と比較して中心軸線Fの周りで角度α=α0だけ逆方向に回転されている。なお、この例dでは小径部位44dの径は最小径部44bの径と同じであるので、この状態S1では、作動レバー50の回転角度βはゼロ(β=0)であり、24時表示部60の表示針64の回転角γもゼロ(γ=0)である。このように、最小径部44bを越えて逆転修正が開始されてカム従節51aが漸増カム面部44から離れて作動カム40の小径カム面領域44e又は逆方向復帰案内段差部45の側面45aに当接する位置にある場合、24時間車30及び作動カム40の逆方向回転角度αと24時表示針64の領域13における表示位置(指示位置)とは対応しなくなり、24時表示針64は24時間車30の正確な回動位置を示さなくなる(後述のように、漸増カム面部44に当接する状態に戻る(達する)と、24時間車30及び作動カム40の逆方向回転角度αと24時表示針64の領域13における表示位置(指示位置)とが再度正確に対応するようになる)。
更に、逆転修正が進行すると、作動カム40のF2方向回転に伴い、図9に示したように、作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aが作動カム40の復帰案内段差部45の側面45aに沿って小径部位44dから大径部位44cに向かって上り始めて小径部位44d近傍の部位P2と当接する状態S2を採る。この状態S2では、24時間車30及び作動カム40は、図7の初期状態S0と比較して中心軸線Fの周りで角度α=α2(>α0)だけ回転されている。なお、この状態S2では、部位P2の径は最小径部44bの径Rminより僅かながら大きいので、作動レバー50が僅かながらG1方向に回転して角度=β2を採り、これに応じて、24時表示部60の表示針64が僅かながらD1方向に回転して角度γ=γ2を採る。
逆転修正が更に進行すると、同様に、作動カム40のF2方向回転に伴い、図10や図11に示したように、作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aが作動カム40の復帰案内段差部45の側面45aに沿って小径部位44dから大径部位44cに向かって更に上った部位P3やP4と当接状態S3やS4を採る。これらの状態S3やS4では、24時間車30及び作動カム40は、初期状態S0と比較して角度α=α3(>α2)やα4(>α3)だけ回転されている。なお、この状態S3やS4では、部位P3やP4の径は部位P2の径よりも大きくなるので、作動レバー50が更にG1方向に回転して角度=β3(>β2)やβ4(>β3)を採り、これに応じて、24時表示部60の表示針64も更に回転して角度γ=γ3(>γ2)やγ4(>γ3)を採る。
逆転修正が更に進行すると、作動カム40のF2方向回転に伴い、図12の(a)及び(b)に示したように作動レバー50のカム腕部51がカム従節51aで作動カム40の復帰案内段差部45の側面45aの部位P5に当接し、先端近傍の側縁53aにある傾斜面部53の先端53bで作動カム40の復帰案内構造部46の径方向内側側縁部46aにある傾斜案内面47の端縁47aと重なる(作動レバー50のカム腕部51の傾斜面部53の先端53bの厚さ方向延在面が作動カム40の復帰案内構造部46の傾斜面部53の先端53bの厚さ方向延在面と重なる)状態S5になる。この状態S5では、24時間車30及び作動カム40は、初期状態S0と比較して角度α=α5(>α4)だけ回転され、この状態S5では、部位P5の径は部位P4の径よりも大きくなるので、作動レバー50が更にG1方向に回転して角度=β5(>β4)を採り、これに応じて、24時表示部60の表示針64も更に回転して角度γ=γ5(>γ4)を採る。
逆転修正が更に進行すると、作動カム40のF2方向回転に伴い、図13の(a)及び(b)に示したように裏蓋側主面55で24時間歯車32の対向主面32aに当接した作動レバー50のカム腕部51が先端近傍の側縁53aにある傾斜面部53で作動カム40の復帰案内構造部46の径方向内側側縁部46aにある傾斜案内面47と当接し、傾斜面部53に沿って傾斜案内面47によって案内されると共に反作用として作動カム40を針座38(図3や図4)のH1方向弾性押圧力に抗して厚さ方向Hの文字板12側に向かって24時間歯車32から離間させる方向H2に押し上げ始める。このとき、作動レバー50はカム腕部51のカム従節51aで作動カム40の復帰案内段差部45の側面45aの部位P6に当接する状態S6になる。この状態S6では、24時間車30及び作動カム40は、初期状態S0と比較して角度α=α6(>α5)だけ回転され、この状態S6では、部位P6の径が部位P5の径よりも大きくなるので、作動レバー50が更にG1方向に回転して角度=β6(>β5)を採り、これに応じて、24時表示部60の表示針64も更に回転して角度γ=γ6(>γ5)を採る。
逆転修正が更に進行すると、作動カム40のF2方向回転に伴い、図14の(a)及び(b)に示したように裏蓋側主面55で24時間歯車32の対向主面32aに当接した作動レバー50のカム腕部51の傾斜面部53と作動カム40の復帰案内構造部46の傾斜案内面47との摺接係合が完了して、作動レバー50のカム腕部51が主面54で作動カム40の薄肉復帰案内構造部46の主面46cに重なって摺接し、作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aが作動カム40の復帰案内段差部45の側面45aに沿って変位して部位P7に当接する状態S7になる。この状態S7では、作動カム40は針座38のH1方向弾性押圧力に抗して厚さ方向Hの文字板12側に向かって24時間歯車32からH2方向に最大限離間した位置Q1(図4)を採る。この状態S7では、24時間車30及び作動カム40は、初期状態S0と比較して角度α=α7(>α5)だけ回転され、この状態S7では、部位P7の径が部位P6の径よりも大きくなるので、作動レバー50が更にG1方向に回転して角度=β7(>β6)を採り、これに応じて、24時表示部60の表示針64も更に回転して角度γ=γ7(>γ6)を採る。
逆転修正が更に進行すると、作動カム40のF2方向回転に伴い、図15の(a)及び(b)や図16の(a)及び(b)や図17の(a)及び(b)に示したように、裏蓋側主面55で24時間歯車32の対向主面32aに当接した作動レバー50のカム腕部51が文字板側主面54で作動カム40の薄肉復帰案内構造部46の主面46cに重なって摺接したまま、作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aが作動カム40の復帰案内段差部45の側面45aに沿って小径部位44dから大径部位44cに向かって更に上った部位P8やP9やP10と当接する状態S8やS9やS10を採る。部位P10は大径部位44cの近傍に位置する。これらの状態S8やS9やS10では、24時間車30及び作動カム40は、初期状態S0と比較して角度α=α8(>α7)やα=α9(>α8)やα=α10(>α9)だけ回転されている。なお、この状態S8やS9やS10では、部位P8やP9やP10の径は、夫々、部位P7やP8やP9の径よりも大きくなるので、作動レバー50が更にG1方向に回転して角度=β8(>β7)やβ9(>β8)やβ10(>β9)を採り、これに応じて、24時表示部60の表示針64も更に回転して角度γ=γ8(>γ7)やγ=γ9(>γ8)やγ10(>γ9)を採る。
逆転修正が更に進行すると、作動カム40のF2方向回転に伴い、図18の(a)及び(b)に示したように、裏蓋側主面55で24時間歯車32の対向主面32aに当接した作動レバー50のカム腕部51が文字板側主面54で作動カム40の薄肉復帰案内構造部46の主面46cに重なって摺接したまま、作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aが作動カム40の復帰案内段差部45の側面45aに沿って大径部位44cに達した状態S11aを採り、更に、図18の(c)に示したように、カム従節51aのあるカム腕部51が作動カム40の薄肉復帰案内構造部46と重なった状態から脱して(外れて、作動レバー50のカム腕部51の主面54と作動カム40の薄肉復帰案内構造部46の主面46cとが当接しなくなり)、カム従節51aが作動カム40の漸増カム面44に当接する状態S11bになる。この状態S11bでは、針座38のH1方向弾性偏倚力の作用下で、作動カム40の厚肉の作動カム本体41の主面41aが、再度、24時間歯車32の主面32aに当接するようになる。図18の(a)の如き平面説明図では、状態S11aとS11bとが実際上識別され難いので、両状態S11a,S11bを合わせて状態S11として示した。
この状態S11では、24時間車30及び作動カム40は、初期状態S0と比較して角度α=α11(>α10)だけ回転されている。なお、この状態S11では、大径部位44cの径が部位P10の径よりも大きくなるので、作動レバー50が更にG1方向に回転して角度=β11(>β10)を採り、これに応じて、24時表示部60の表示針64も更に回転して角度γ=γ11(>γ10)を採る。
これにより、作動レバー50のカム腕部51のカム従節51aが、逆方向復帰案内段差部45を完全に抜けて漸増カム面部44に当接する状態に戻ったことになる。すなわち、レトログラード作動カム40の逆転が許容されることが確認されたことになる。
なお、ここで、この角度α11は、作動カム40の逆方向回転角度αの大きさであって、カム従節51aが作動カム40の最大径部44aに当接する状態から作動カム40の大径部位44cに当接する状態に漸増カム面部44に沿って逆方向に移動したことに対応するから、作動カム40の大径部位44c及び最大径部44aが中心Fに対してなす庇突出角度αMに一致する。すなわち、α11=αMである。この後、24時間車30がF1方向に回転されて最終位置に設定されるかF2方向に回転され最終位置に設定されるかにかかわらず、24時間車30の回転位置(従って作動カム40の回転位置)が24時表示針64の指示位置に正確に対応し、送り量と表示とが正確に対応することになる。すなわち、この24時レトログラード表示機構1では、位相ズレが生じることなく逆転が行われ得る。
以上の通り、この24時レトログラード表示機構1では、剛体間の回転や回動によって相対的な位置関係が伝達されるので、動作が正確に且つ確実に行われ易い。また、この24時レトログラード表示機構1では、作動カム40の近傍の輪列によって作動カム40の逆方向回転が許容され該逆方向回転の際に作動カム40及び作動レバー50が案内されるので、24時レトログラード表示機構1の表示針64の配設位置に対する制約が少なく、所望の位置でレトログラード表示が行われ得る。
また、図9から図17までの逆方向復帰案内段差部45に沿った逆転動作の途中においても、逆方向回転の進行状態と表示針64による表示の変化とに相関があるので、逆針回しの進行状況がわかり易い。
1 24時レトログラード表示機構
2 アナログ時計
3 外観
4 ムーブメント
5 通常運針輪列
6 第二地板
7 第二輪列受
11 時刻表示針
11a 時針
11b 分針
11c 秒針
12 文字板
12a 植字
13 24時レトログラード表示領域
13a 24時表示
14 時計ケース
15 りゅうず
15a 巻真
16b 分車
16c 秒車
17 筒車
18 裏蓋
23 24時第一中間車
26 24時第二中間車
30 24時間車
32 24時間歯車
32a 主面
34 作動カム案内ピン
36 回転中心軸
38 針座
40 24時レトログラード作動カム
41 作動カム本体
41a 主面
42 貫通孔
43 主カム面
44 漸増カム面部
44a 最大径部
44b 最小径部
44c 最大径部近傍の大径部位(復帰案内段差部の側面の最大径側の端部)
44d 小径部位(復帰案内段差部の側面の最小径側の端部)
44e 小径カム面領域
45 復帰案内段差部
45a 側面
45b 最外周端
46 復帰案内構造部(三次元係合構造部)
46a 径方向内側縁部
46b 周方向端縁
46c 主面
46f 順方向段差部
47 傾斜案内面
47a 端縁
48 作動カム段差部
50 作動レバー
51 カム腕部
51a 先端部(カム従節)
52 扇形歯車部
53 傾斜面部(三次元係合構造部)
53a 側縁
53b 先端
54,55 主面
60 24時表示車部
61 軸部
62 24時表示歯車
63 24時表示車戻しばね
64 24時表示針
C,D,E,F,G 回転中心軸線
C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1,F2,G1,G2 回転方向
H 厚さ方向
H1,H2 方向(向き)
P,P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8,P9,P10 カム従節の当接部位
Q0,Q1 位置
S0,S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8,S9,S10,S11,S11a,S11b カム従節の当接部位
α0,α1,α2,α3,α4,α5,α6,α7,α8,α9,α10,α11 作動カムの逆転角度
αM 庇突出角度
β1,β2,β3,β4,β5,β6,β7,β8,β9,β10,β11 作動レバーの回転角度
γ1,γ2,γ3,γ4,γ5,γ6,γ7,γ8,γ9,γ10,γ11 24時表示針の回転角度

Claims (8)

  1. 通常運針輪列の車と同期回転される作動カムであって順方向に回転された際に中心から
    の距離が徐々に遠ざかる形状で最大径部から最小径部に戻るところに順方向段差部のある
    漸増カム面を備えたものと、前記カム面に当接するカム従節をカム腕部に備えた作動レバ
    ーであって該カム従節の変位に応じて揺動されるものと、該作動レバーの揺動に応じて表
    示を行う表示部とを有するレトログラード表示機構であって、
    前記作動カムは、該作動カムが逆方向に回転される際に、前記カム従節が前記漸増カム
    面の前記最小径部に当接する位置から前記漸増カム面のうち前記最小径部よりも大径の部
    位に当接する位置に戻るのを許容する復帰案内段差部を更に有し、
    前記作動カム及び前記作動レバーが前記レトログラード表示機構の厚さ方向に相対変位
    可能に配置されており、
    前記作動レバーが第一の三次元係合構造部を前記カム腕部に備え、
    前記作動カムは、該作動カムが逆方向に回転される際に、前記作動レバーの前記カム従
    節を該作動カムの前記復帰案内段差部に案内すべく、前記カム腕部の前記第一の三次元係
    合構造部と係合して前記作動レバーに対する前記厚さ方向の相対位置を変える第二の三次
    元係合構造部を備える
    レトログラード表示機構。
  2. 前記第一の三次元係合構造部が第一の斜面部を備え、前記第二の三次元係合構造部
    が第二の斜面部を備え、前記作動カムが前記厚さ方向に変位可能に軸に嵌合されており、
    前記作動カムを前記厚さ方向に偏倚させる弾性手段を備える請求項1に記載のレトログラ
    ード表示機構。
  3. 前記第二の三次元係合構造部が薄肉部を備え、前記作動カムが逆方向に回転される際、
    前記第一及び第二の三次元係合構造部の前記第一及び第二の斜面部が相互に係合して前記
    作動カムが前記作動レバーに対して前記厚さ方向に変位されて前記作動カムの前記第二の
    三次元係合構造部の前記薄肉部に前記作動レバーの前記第一の三次元係合構造部が重なる
    請求項2に記載のレトログラード表示機構。
  4. 前記薄肉部が周方向に庇状に延びた庇状部の形態を有し、該庇状部の周方向の先端部が
    前記作動カムの前記最大径部になっており、前記庇状部のうち該最大径部と回転中心とを
    結ぶ方向に延びる前記順方向段差部よりも周方向にみて手前に前記復帰案内段差部が形成
    されている請求項3に記載のレトログラード機構。
  5. 前記作動カムが前記通常運針輪列の車と同期回転される基準歯車と一体回転するように
    構成されている請求項1から4までのいずれか一つの項に記載のレトログラード機構。
  6. 前記基準歯車が24時間歯車からなる請求項5に記載のレトログラード表示機構。
  7. 請求項1から6までのいずれか一つの項に記載のレトログラード表示機構を備えたムー
    ブメント。
  8. 請求項1から6までのいずれか一つの項に記載のレトログラード表示機構を備えたアナ
    ログ時計。
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