JP6057444B1 - 遺体保存方法および遺体保存器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】人体の内部構造も勘案した、腐敗進行防止効果が高い遺体保存方法を確立する。【解決手段】穀物から抽出されたアミノ酸を含んで成る、遺体内部に注入される液状の体内用防腐剤を注射器に充填する。また同体内用防腐剤に対し海藻由来のゲル剤とグリセリンを配合して成る体表用防腐剤を、遺体の毛髪と遺体全身の体表部分に塗布する。続いて遺体を仰向けにした状態で下顎を上向きにすることで、同遺体の鼻腔から気管までを開通させる。さらに細径のチューブを下顎を上向きにした遺体の鼻腔から挿入し、同チューブの一端は遺体の体外に出したまま保持する一方、同チューブの他端を遺体内の咽頭を通過させて喉頭まで到達させる。体外に出したままのチューブの一端は、体内用防腐剤を充填した注射器の先端部に取付けて連通させる。そして注射器の押子を押込むことで体内用防腐剤を遺体内に注入する。【選択図】図1

Description

本発明は、穀物から抽出されたアミノ酸を主成分とする防腐剤を含む遺体保存器具、および、同防腐剤を利用した遺体保存方法に関する。
最近では、流行語大賞の上位10位以内にランクインした「終活」、人生の終焉に際する個人的な希望内容を記した「エンディングノート」といった言葉が社会的に定着している。
そのため以前にはタブー視されていた死に関する話題が肯定的に受止められ、開放的に人前で話をできる社会傾向にある。
このような潮流は、葬儀に対する個々の価値観にも多様化をもたらしている。
葬儀の執り行いに関しても、一つの在り方として「故人をより生前に近い状態で弔う」ことを希望する遺族のニーズが存在する。
遺体の保存手法としては、ドライアイス(固体状態の二酸化炭素)を利用して遺体を冷却する手法がごくごく当たり前に用いられている。この手法は遺体を冷却することで腐敗進行を食い止め、人体構成物質の変質を遅らせるものである。
またその他の遺体保存手法としては、欧米で発達してきたエンバーミング(血液・体液・内臓など腐敗変質しやすい物質を遺体内から除去する遺体保存手法)、さらには二酸化塩素を利用した遺体の保存手法も散見される(例えば、特許文献1・2参照)。
しかしながらドライアイスは、常温のまま放置しておくと時間の経過に伴い二酸化炭素の昇華(固体から気体への相転移)が進行する。
社会的な環境意識が高まり各所で二酸化炭素の削減が叫ばれるなか、二酸化炭素そのものから成るドライアイスを用いた遺体保存手法は時代に逆行する感が否めない。すなわちドライアイスを使用する手法は、二酸化炭素排出の直接的な一因となり環境に対する配慮に欠けるという問題がある。
また二酸化塩素についても、塩素による毒性や刺激臭(いわゆる塩素臭)の問題がある。
故人を弔うために駆けつけた葬儀の参列者や葬儀を裏方として支える者に対し遺体保存用の二酸化塩素を知らず知らずのうちに吸わせてしまうような状況は、健康面への配慮を欠くだけでなく道義的にも好ましいものとはいえない。
そのため二酸化塩素を使った遺体の保存手法も上述した負の側面をはらむがゆえに、次善の策といった感が否めずあまり推奨できる遺体保存方法とはいえない。
このような二酸化炭素が環境に与える悪影響や二酸化塩素が人体に及ぼす毒性・刺激臭に配慮し、これら二酸化炭素・二酸化塩素に代えて、抗菌消臭機能に優れた穀物抽出成分を主成分とした遺体保護剤による遺体保存方法が考案されている(例えば、特許文献3・4参照)。
特開2014−001145号公報 特開2013−034746号公報 特開2004−224724号公報 特開2011−195546号公報
特許文献3・4ともに穀物(とりわけ大豆)由来の抽出成分による抗菌消臭機能を遺体保存方法に応用することで、自然環境や人体に対する影響を取り除く工夫がなされている。
この点から捉えると同文献3・4の技術は、ドライアイス・二酸化塩素を使った従来的な手法よりも新しい遺体保存方法の領域に踏込んだものといえる。
しかしながら特許文献3による遺体保存の具体的手法は、遺体の周囲に消臭抗菌剤を配置するにとどまる。
容易に想像できるように遺体の腐敗は皮膚などの体表部分から進行するよりも、むしろ体内(内臓、体内に残存する血液・体液など)から進行していくことが多い。
そのため遺体周囲に消臭抗菌剤を配したとしても、その消臭抗菌効果は腐敗進行の支配的要因となる体内の血液・体液や内臓に直接的に及ぶとは考えにくい。
それゆえに特許文献3の技術では純粋な遺体保存方法として捉えたときに、遺体の腐敗進行を食い止める効果が充分に発揮される手法とは言い難い。
これに対し特許文献4の遺体保存方法は、遺体の腐敗進行の主な要因の一つが遺体内の内臓であることに一応の着眼を置いている(同文献4・第5段落)。
しかしながら特許文献4では遺体保存の具体的手法に関する説明としては、単に「抗菌消臭剤を、遺体の口・鼻・耳・肛門から注射器で注入するとともに遺体表面にも塗布する」と記載されているにとどまる。
そのため同文献4は、遺体保存の手法として純技術的に捉えたときに「抗菌消臭剤がどのような経路を経て遺体内に注入され、抗菌消臭剤が体内のおよそどの辺りの部位に到達・浸透することで腐敗進行を遅らせる効果が発揮されるのか」開示されたものではなく、確固たる論理性をもって確立された遺体保存方法であるとは言い難い。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、穀物抽出成分を含む防腐剤を使用して行う遺体保存方法において、従来に比べ人体の内部構造も勘案した具体的論理性のある「腐敗進行防止効果が高い遺体保存方法」を確立することを目的とする。
〔第1発明〕
そこで上記の課題を解決するために本願の第1発明に係る遺体保存方法は、
穀物から抽出されたアミノ酸をそれぞれに含んで成る2種類の防腐剤を使用して遺体を保存する遺体保存方法であって、

遺体内部に注入される前記アミノ酸を含んだ液状の体内用防腐剤を注射器に充填する充填行程と、
同体内用防腐剤に対し海藻由来のゲル剤とグリセリンを配合して成る体表用防腐剤を、前記遺体の毛髪と遺体全身の体表部分に塗布する体表保護行程と、
前記遺体を仰向けにした状態で下顎を上向きにすることで同遺体の鼻腔から気管までを開通させる気道確保行程と、
細径のチューブを下顎を上向きにした遺体の鼻腔から挿入し、同チューブの一端は遺体の体外に出したまま保持する一方、同チューブの他端を遺体内の咽頭を通過させて喉頭まで到達させるチューブ挿入行程と、
前記体外に出したままのチューブの一端を体内用防腐剤を充填した注射器の先端部に取付けて連通させるチューブ取付行程と、
前記注射器の押子を押込むことで体内用防腐剤を遺体内に注入する体内注入行程と、を備え、

前記体内注入行程では、
前記注射器から送られた体内用防腐剤が咽頭に挿通されたチューブを通じて喉頭周辺に注入されることで、遺体の下気道周辺ならびに食道以下の消化器系に効率的に浸透する構成とした。
通常、遺体は仰向け(仰臥位)かつ下顎を引いた状態で安置することが多い(図4の遺体BD参照)。
しかし下顎を引いた状態にすると(同図4)、舌根70(舌の付け根)が背側に落込む「舌根沈下」が起こるとともに、舌根70と連動して喉頭軟骨が持上がることで喉頭蓋により上気道71(下気道への入口)が閉ざされてしまう(気道閉塞)。
そのため何らかの手だてを講じなければ、外部から遺体の体内に防腐剤を効率的に浸透させることは難しい。
遺体保存処置を施す際に直面する上記問題に対する明確な解決策は、特許文献4をはじめとする穀物由来の抽出成分を含む抗菌消臭剤を用いる従来の遺体保存方法では与えられてこなかった。
そこで本願発明では上記問題点に着目し、「遺体を仰向けかつ下顎を上向き」にすることで舌を前方に移動させ(図5(a)参照)、舌根沈下による「気道閉塞から解放」する。
さらに第1発明に係る遺体保存方法では、下顎が上向いて気道が開通した遺体の鼻腔72から細径のチューブ40を挿入し(図5(b)参照)、同チューブ40の一端は遺体BDの体外に出したまま保持する一方、同チューブ40の他端を遺体内の咽頭を通過させて喉頭74まで到達させる。
なお咽頭73は、吸気・呼気を通す呼吸器の役割ととともに、口腔から食物を食道に運ぶ消化器としての役割も果たす。
また人体内部では喉頭74ちかくにおいて、肺に吸気を導くための気管75と、食物を胃腸に導くための食道76に分岐する(図4)。
そして体外にあるチューブ40の一端から、注射器30により液状の体内用防腐剤を遺体BDの喉頭74ちかく(すなわち、下気道周辺ならびに食道周辺)に注入する(図5(c)参照)。
このようにすることで体内用防腐剤が、上気道71(鼻腔・咽頭・喉頭)に滞留してしまうことなく、より遺体内部の奥深くに位置する、食道以下の「消化器」(胃・小腸・大腸など)や、「下気道」(気管・主気管支・肺)に効率的に注入される。
そのため遺体内の深部にある腐敗変質物質(体内の血液・体液や内臓)に直接的に防腐剤を行き渡らせることができる。特に消化管壁に体内用防腐剤PR2が浸透することで、遺体内の腐敗変質物質の腐敗進行を効果的に食い止める(遅らせる)ことができる。
なお体内用防腐剤PR2(図2参照)の基本製法は、以下の通りである、
まず豆類(たとえば大豆)を水に浸漬してから、水分を十分に吸収した豆を砕いて粥状にする。続いて粥状にした豆の溶液を100℃付近で10〜20分加熱し、さらに80℃付近で20〜60分加熱する。
その後、この溶液を濾過し、濾過で得られた液に水(精製水ならびに特殊還元性アルカリイオン水)と凝集剤を添加する。そして添加後の溶液を100℃付近で20〜60分加熱し、固形物を分離することで体内用防腐剤PR2を得ることができる。同体内用防腐剤のpH値は、4.5前後である。
上記製法にしたがって生成された体内用防腐剤PR2は、大豆抽出アミノ酸・アミノ酸混合液・界面活性剤(陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤)・キレート剤・特殊還元性アルカリイオン水(pH12)・ブチレングリコール(ないしはアルコール)を含むものである。
これらのうち本発明の防腐剤を特徴づける組成物は「ブチレングリコール」と「特殊還元性アルカリイオン水」である。
ブチレングリコールは元来、防腐効果・殺菌効果が高く、さらにビタミンCの酸化防止効果や植物性グリセリン同様の保湿効果も兼ね備えるため「遺体の変色・乾燥をも防止」できる。
またブチレングリコールは人間の皮膚に対する毒性がないため、本願の防腐剤(体表用防腐剤および体内用防腐剤)を利用して遺体保存方法を実施する上で「作業者の安全性についても確保」することができる。
特許文献3・4をはじめとする従来の抗菌剤ではアルコールを添加しているが、イスラム教ではたとえ手の消毒用途であってもアルコールの使用が禁止されている。そのため、この種の抗菌剤はイスラム教の信仰者まではユーザ層の底辺拡充を図ることはできなかった。
しかしながら本願の遺体保存方法によればアルコールに代えてブチレングリコールを使用して体内用防腐剤・体表用防腐剤が作られているため、イスラム教のハラル(イスラム法で許された項目)認証を受けることも可能であり、本遺体保存方法を多様な宗教の信仰者が幅広く利用することが可能となる。
また本願発明では体表用防腐剤PR1・体内用防腐剤PR2各々の全体量に対して、無色透明かつ無臭の液体「特殊還元性アルカリイオン水」を6%程度添加する。同アルカリイオン水は純水ではなく、ナトリウム・マグネシウムなどのミネラル分を含んでいる。
この特殊還元性アルカリイオン水のpH(power of hydrogen:水素イオン濃度指数)値はpH(20℃)12〜12.4であり「非常に強いアルカリ性」を示しており、比重(20℃)は1.002である。
このような強アルカリ性の特殊還元性アルカリイオン水は、ノロウイルス・インフルエンザウイルスを不活化できることが実験により確認されている。
このような効果を奏する特殊還元性アルカリイオン水を遺体保存に応用すれば「遺体の体表部分や内部に潜む各種ウイルスの不活化や細菌の抑制」が可能である。
なお遺体の体表部分に塗布する「体表用防腐剤」は、上述した体内用防腐剤に対し「海藻由来のゲル剤とグリセリンを配合」して成る。
本発明において体表用防腐剤PR1(図2)に添加される海藻由来のゲル剤の粘性は、原材料の海藻に含まれる粘着成分であるフコダインなどによりもたらされる。
本遺体保存方法では体表用防腐剤PR1を「遺体の体表部分(頭髪も含む)に塗布」することで「遺体表面からの腐敗進行を妨げる(遅延させる)」とともに遺体の乾燥も防止できる。
さらに遺体の取扱いに携わる者(葬儀業者など)が遺体に触れる必要のある作業をこなすときにも、ウイルスや細菌による作業者の感染症防止が可能となる。
なお本防腐剤(体表用防腐剤PR1ならびに体内用防腐剤PR2)で使用する界面活性剤は、抗菌作用を有するものであれば一般的な界面活性剤を採用できる。
その一例として陽イオン界面活性剤には、細菌細胞膜のタンパク質を変性させることによって殺菌性を発揮する塩化ベンザルコニウムが挙げられる。
また抗菌作用のある両性イオン界面活性剤の例としてラウリルアミノプロピオン酸、さらに抗菌作用のある非イオン系界面活性剤の例としてポリオキシ−プロピレングリコールが挙げられる。
界面活性剤が有する高い浸透性により、体表用防腐剤PR1の体表塗布・体内用防腐剤PR2の体内注入を行った際、これらの防腐剤PR1・PR2が効率よく遺体に浸透できる。
さらに本防腐剤PR1・PR2(図2)に添加するキレート剤(配位結合によって金属イオンと錯イオンを形成するもの)についても、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA2Na)をはじめとする一般的なものを使用すればよい。
なお遺体は、着衣した状態で安置されることが通例である。
そのため塩素系消毒液を利用して遺体に消毒を施すと、殺菌作用・抗菌作用だけでなく塩素の漂白効果により衣類・敷物類などが白抜きされてしまうおそれがある。
しかしながら本願の遺体保存方法で使用する防腐剤は、染色した繊維製品に噴霧して脱色試験・変色試験を行った結果、脱色・変色の生じないことが確認されている。
そのため本防腐剤が遺体に着用された衣服などに付着しても、脱色(白抜き)を防止できる。
〔第2発明〕
また上記の課題を解決するために本願の第2発明に係る遺体保存方法は、第1発明に係る遺体保存方法であって、
同遺体保存方法による保存対象が人の遺体である場合、前記チューブ挿入工程において、内径が1mm〜3mmかつ長さが13cm以上に形成された筒状の前記チューブを遺体の鼻腔から挿入する構成とした。
本発明において注射器と連通させるチューブに求められる材質としては、軟質で可撓性を有することが望ましい。
チューブの材料には種々の一般的な材料を採用可能であり、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)樹脂、FEP(4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体)樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、シリコンゴム、ナイロンエラストマなどを使用すればよい。
なお本遺体保存方法で使用する注射器は、市場で広く流通している一般的な製品を採用できる。
〔第3発明〕
上記の課題を解決するために本願の第3発明に係る遺体保存器具は、穀物から抽出されたアミノ酸をそれぞれに含んで成る2種類の防腐剤を使用して遺体を保存するための遺体保存器具であって、

遺体内部に注入される前記アミノ酸を含んだ液状の体内用防腐剤と、
同体内用防腐剤に対し海藻由来のゲル剤とグリセリンを配合して成る防腐剤であって前記遺体の毛髪と遺体全身の体表部分に塗布される体表用防腐剤と、
同遺体の鼻腔から挿入される細径のチューブであって、一端が遺体の体外に出たまま保持され、他端が遺体内の咽頭を通過して喉頭まで到達されるチューブと、
前記体内用防腐剤を充填する注射器であって、前記体外に出したままのチューブの一端を先端部に取付け、押子を押込むことで体内用防腐剤を遺体内に注入する注射器と、
を備え、

前記注射器から送られた体内用防腐剤が咽頭に挿通されたチューブを通じて喉頭周辺に注入されることで、遺体の下気道周辺ならびに食道以下の消化器系に効率的に浸透する構成とした。
第3発明に係る遺体保存器具によれば、第1発明と同一の技術的特徴を有することにより、本器具の使用時に第1発明と同等の効果を奏することが可能となる。
〔第4発明〕
また上記の課題を解決するために本願の第4発明に係る遺体保存器具は、第3発明に係る遺体保存器具であって、
前記チューブの他端に取付けられる紡錘形状のスムーサであって、金属製ないしはプラスチック製からなる同スムーサ、をさらに備える構成とした。
第4発明によれば、遺体内の咽頭を通過して喉頭までチューブを挿通するときの抵抗を少なくすることができる。
本発明の実施形態に係る遺体保存方法の行程を示す図である。 本実施形態の遺体保存方法において使用する遺体保存器具を示す外観模式図である。 経過時間に対する臭気の濃度を示す模式図であって、(a)はアンモニアに対する図、(b)は硫化水素に対する図、(c)はイソ吉草酸に対する図、(d)はノルマル酪酸に対する図、(e)はトリメチルアミンに対する図である。 仰向け(仰臥位)かつ下顎を引いた状態の遺体を左側面から見たときの模式断面図である。 各行程における遺体の模式断面図であって、(a)は気道確保行程において仰向けかつ下顎を上向きにした図、(b)はチューブ挿入行程において鼻腔からチューブを挿通した図、(c)はチューブ取付行程・体内注入行程における図である。 本遺体保存方法において使用する遺体保存器具の変形例を示す外観模式図である。
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の遺体保存方法と遺体保存器具について説明する。
[実施形態]
本願の遺体保存方法は、穀物から抽出されたアミノ酸をそれぞれに含んで成る2種類の防腐剤を使用して、人や動物の遺体を保存する(腐敗進行を遅らせる)ものである。
本発明の実施形態は、植物性アミノ酸の一種である「大豆アミノ酸」由来の天然系有効成分を含む防腐剤を使用し、遺体の体表部分ならびに体内の双方から遺体の腐敗進行を防止する遺体保存方法を構成した例である。
本遺体保存方法MD(図1参照)は、遺体内部に注入されるアミノ酸を含んだ液状の体内用防腐剤を注射器に充填する「充填行程」(ステップS1)と、
同体内用防腐剤に海藻由来のゲル剤とグリセリンを配合して成る体表用防腐剤を、遺体の毛髪と遺体全身の体表部分に塗布する「体表保護行程」(ステップS2)と、を備える。
また本保存方法MDは、遺体を仰向けにした状態で下顎を上向きにすることで同遺体の鼻腔から気管までを開通させる「気道確保行程」(ステップS3)と、
下顎を上向きにした遺体の鼻腔から細径のチューブを挿入し、同チューブの一端は遺体の体外に出したまま保持する一方、同チューブの他端を遺体内の咽頭ならびに喉頭を通過させて気管まで到達させる「チューブ挿入行程」(ステップS4)と、を備える。
さらに同方法MDは、体外に出したままのチューブの一端を体内用防腐剤を充填した注射器の先端部に取付けて連通させる「チューブ取付行程」(ステップS5)と、
注射器の押子を押込むことで体内用防腐剤を遺体内に注入する「体内注入行程」(ステップS6)と、を備える。
上述した「体内注入行程」では、注射器から送られた体内用防腐剤が咽頭に挿通されたチューブを通じて喉頭周辺に注入されることで遺体の下気道周辺ならびに食道以下の消化器系に効率的に浸透するように構成される。
以下、この内容について詳しく説明する。
本保存方法MDで用いる遺体保存器具1は図2に示すように、穀物から抽出されたアミノ酸をそれぞれに含んで成る2種類の防腐剤(体表用防腐剤PR1および体内用防腐剤PR2)と、注射器30と、チューブ40とから構成される。
体内用防腐剤PR2は、遺体内部に注入されるアミノ酸を含んだ液状の防腐剤である。
また体表用防腐剤PR1は、体内用防腐剤PR2に海藻由来のゲル剤とグリセリンを配合して成る防腐剤である。体表用防腐剤PR1は、遺体の毛髪と遺体全身の体表部分に塗布される。
なお1体の成人遺体に対する使用量(容量)は、体表用防腐剤PR1が「120ml」、体内用防腐剤PR2が「50ml」である。
チューブ40は、遺体の鼻腔から挿入される細径のチューブであって、その一端が遺体の体外に出したまま保持され、他端が遺体内の咽頭を通過して喉頭まで挿通される。
同チューブ40は、注射器30の先端部32と接続されるものであり塩化ビニル・シリコンなどの材料からなる。
特に保存対象が人の遺体である場合、チューブ40の筒内径は1mm〜3mmの範囲内で選択することが望ましい。
注射器30は、容器20から注がれた体内用防腐剤PR2を中空円筒型の容体31に貯留する。
また注射器30の先端部32には体外に出たままのチューブ40の一端が取付けられ、ピストンとして機能する押子33を押込むことで体内用防腐剤PR2を遺体内に注入する。
このようにして注射器30から送られた体内用防腐剤PR2が咽頭に挿通されたチューブ40を通じて喉頭周辺に注入されることで、遺体の消化器系(胃・小腸・大腸)や下気道(気管・気管支・肺)に効率的に浸透する。
なお死後硬直(筋源繊維タンパク質のミオシンとアクチンが強く結合してアクトミオシンを生成し、筋肉が硬くなっていく現象)は、死後およそ12時間で大関節・末梢関節などの全身に及ぶ。そのため、本願による遺体保存処置は「死後12時間以内に施す」ことが望ましい。
以下、防腐剤(体表用防腐剤PR1・体内用防腐剤PR2)の効果について実験結果に基づき説明する。
本例の防腐剤PR1・PR2では大豆の抽出成分を抗菌成分として利用している。
大豆には、人の体内で合成することのできない必須アミノ酸であるトリプトファン・リシン・メチオニン・フェニルアラニン・トレオニン・バリン・ロイシン・イソロイシン・ヒスチジンが含まれている。
Figure 0006057444
なお上記表1中にあるTCID50(TCID:median Tissue Culture Infectious Dose)はウイルス感染価の測定単位であり、予め細胞を培養して付着させた試験管などにウイルス希釈液を接種したときに50%の細胞に感染を及ぼす濃度をいう。
また同表1中における菌量の単位は「CFU(Colony Forming Unit)/ml」であり、コロニーを形成する能力のある単位数(1ml中に存在する細菌の個数)を表す。
表1から看取されるように本防腐剤PR1・PR2は、ネコカリシウイルス(性質が類似するノロウイルスの代替)・SARSコロナウイルス・インフルエンザウイルスをはじめ「種々のウイルスに対する不活化効果」が認められる。
ノロウイルスは、非細菌性急性胃腸炎を引起こすウイルスである。
またSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)コロナウイルスは、重症急性呼吸器症候群の病原体となるウイルスである。
なおインフルエンザウイルスについては、H1N1株を使用して試験を実施した。
また表1から看取されるように本防腐剤PR1・PR2は、セレウス芽胞・黄色ブドウ球菌・腸管出血性大腸菌O−157・大腸菌・レジオネラ菌・サルモネラ菌をはじめ種々の「細菌類についても抗菌効果」が認められた。
さらに本例の防腐剤PR1・PR2は表1から看取されるように、カビの繁殖を抑制する「抗カビ効果」を有することも確認されている。
なおセレウス芽胞は、食中毒の原因となる菌であり腸管中の常在菌である。
また黄色ブドウ球菌は、人の皮膚・消化管(腸)などに常在する菌であり表皮感染症・食中毒・肺炎・髄膜炎・敗血症などを引起こすおそれがある。
腸管出血性大腸菌O−157は、加熱の不十分な食材から感染することの多い、出血性大腸炎を引起こす菌である。
また大腸菌は、尿路感染症の原因菌にもなりうる。
レジオネラ菌は、レジオネラ肺炎(在郷軍人病)をはじめとする多くのレジオネラ症を引起こす種を含んだ通性細胞内寄生性菌である。
またサルモネラ菌は、腸チフス・パラチフスないしは感染型食中毒を引起こすものを含んだ腸内細菌である。
遺体の体表や体内には様々なウイルスや細菌が潜んでいる。そのため遺体の腐敗進行を食い止めつつ、運搬作業や消毒作業など遺体を扱う作業者向けに感染症防止対策を打つことが望ましい。
ここで本例の遺体保存方法で使用される防腐剤PR1・PR2は上述のようにウイルス不活化効果・抗菌効果が有意に認められるため、遺体の腐敗進行防止と作業者の感染症防止に資する。
さらに上記成分はウイルス不活化作用や抗菌作用のみならず「消臭作用」も有している。
腐敗とは、細菌などをはじめとする微生物により生物由来の有機物(特に、蛋白質などの窒素を含んだ有機物)が分解されることである。
そして遺体の腐敗変質物質(体内の血液・体液や内臓)が腐敗すると、腐敗アミン(インドール、ケトンなど)の生成分解により不快臭(主に「アンモニア」や「硫化水素」による臭気)を放つ。
しかしながら本防腐剤PR1・PR2は、図3(a)に示すように「アンモニア」に対しても、また図3(b)に示すように「硫化水素」に対しても優れた消臭効果を発揮することが実験により確認されている。
加えて本防腐剤は、低級脂肪酸のうち畜産系不快臭の代表的成分をなす「イソ吉草酸」(図3(c))ならびに「ノルマル酪酸」(図3(d))に対しても優れた消臭効果を発揮する。
上述した2種類の低級脂肪酸のうちイソ吉草酸については足裏部分の臭気として、またノルマル酪酸については口臭の一原因として人体に対する関連性を有する。
さらに本防腐剤PR1・PR2が有する消臭効果は人に由来する臭気成分のみならず、魚類の腐敗臭気であるトリメチルアミン(魚類に含まれる浸透圧調節成分・トリメチルアミン−N−オキシドが還元されたもの)に対しても有効性を示した(図3(e)参照)。
上記実験に使用したアンモニア・硫化水素・イソ吉草酸・ノルマル酪酸・トリメチルアミンはすべて悪臭防止法の規制対象物質に掲げられている。
なお大豆アミノ酸に由来するウイルス不活化有効成分や界面活性剤を溶液調整する際、活性水単体もしくは活性水にブチレングリコール(または2.7%のアルコール)を配合したものを希釈液として使用すればよい。
このようにすることで防腐剤PR1・PR2の浸透性が高まり、ウイルス不活化効果・抗菌効果・消臭効果を効率的に発揮させることができる。
次に、上述の遺体保存器具1を用いて行う遺体保存方法MDの作業行程について説明する。
本方法MDは図1に示すように、充填行程(ステップS1)と、体表保護行程(ステップS2)と、気道確保行程(ステップS3)と、チューブ挿入行程(ステップS4)と、チューブ取付行程(ステップS5)と、体内注入行程(ステップS6)と、から構成される。
本遺体保存方法MDの最初の行程である「充填行程」(ステップS1)は、筒状構造の容体31と中空の先端部32が連通した注射器30(図2)に体内用防腐剤PR2を充填する行程である。
このとき注射器30の先端部32を体内用防腐剤PR2に浸してから吸上げてもよく、押子33をいったん引抜いて容体31に体内用防腐剤PR2を注いでもよい。
体内用防腐剤PR2を注射器30に充填すると、つぎに「体表保護行程」を行う。
「体表保護行程」(ステップS2)は、体表用防腐剤PR1を遺体の全身表面(頭髪を含む)に塗布する行程である。同行程(ステップS2)により、体表用防腐剤PR1に含まれる「抗菌成分を遺体の体表部分に定着」させる。
なお同防腐剤PR1を塗布するための手段は任意であり、ガーゼなどの布製品を使用してもよく、また素手により塗布してもよい。
続いて、体内用防腐剤PR2を遺体内部に注入するための事前準備として「気道確保行程」を行う。
「気道確保行程」(ステップS3)では、同防腐剤PR2を体内に注入する際に遺体の気道が確保できるよう「遺体を仰向けの状態にし、さらに下顎を上向きにする」行程である。
遺体をこのような姿勢にすることで舌根沈下に起因する気道閉塞を回避でき、鼻腔72から気管・食道までが開通した状態となる(図5(a))。そのため体内用防腐剤PR2を遺体内の深部へと流し込むことが容易になる。
上記理由ゆえに「気道確保行程」は、遺体内部の腐敗変質物質の隅々まで体内用防腐剤PR2を効率的に浸透させるための本遺体保存方法における大きな特徴点の一つとなる。
気道の確保が完了すると、さらに「チューブ挿入工程」を行う。
「チューブ挿入工程」(ステップS4)は、防腐剤を充填した容体11の先端部に、屈曲可能な可撓性のチューブ40を取付ける工程である。
上記チューブ40は、注射器30の先端部32と接続するものであり塩化ビニル・シリコンなどの軟性材料からなる。保存対象となる遺体が人のものである場合、鼻腔から挿通させることを考慮し、チューブ40の筒内径を1mm〜3mm程度に選定することが望ましい。
さらに本保存方法1では、チューブ挿入行程に続いて「チューブ取付行程」を行う。
「チューブ取付行程」(ステップS5)は、体内用防腐剤PR2を充填した注射器30の先端部32に、可撓性のチューブ40を取付ける工程である。
そしてチューブ40の取付が完了すると「体内注入行程」(ステップS6)により体内用防腐剤PR2を遺体内に注入する。
このとき遺体外部にあるチューブ40の端から、体内用防腐剤PR2が遺体BDの喉頭ちかく(気管および食道周辺)に注入される(図5(c))。
これにより同防腐剤PR2が、鼻腔・咽頭に滞留することなく遺体深部の胃・小腸・大腸などに到達し、消化管壁から効率的に浸透する。
以上で、遺体を保存するための一連の作業が終了する。
以上説明したように本実施形態に係る遺体保存方法によれば、防腐剤ないしは抗菌剤を遺体内に注入することで遺体を保存する方法において、従来よりも適切かつ効果的に遺体保存処置を施すことができる。
〔変形例:作業者側の消毒行程〕
上記実施形態に係る遺体保存方法MDは、体表保護行程(ステップS2)・チューブ挿入行程(ステップS4)など作業者が遺体に触れるおそれのある作業完了後に、作業者の手足・衣服・手袋などに体内用防腐剤PR2をスプレー噴霧してもよい。
このようにすれば遺体保存処置に関与した作業者の着用物・使用物も消毒されるため、より一層の感染症防止効果を期待できる。
〔変形例:抗菌成分〕
本例の防腐剤PR1・PR2の抗菌有効成分は、大豆由来のアミノ酸に限らず、タンパク質の構成成分となるアミノ酸であるグリシン・システイン、または、グリシンの2分子がペプチド結合したグリシルグリシンなど、ウイルス不活化作用のある任意の植物性または動物性由来のアミノ酸を採用することも可能である。
なお防腐剤PR1・PR2そのものは、この抗菌有効成分に界面活性剤を配合して調製する。
またグリシン・システイン・グリシルグリシンは強い消臭作用も併せ持つため、作業者による遺体への保存処置に際し、遺体から放たれる臭気への不快感を和らげることができる。
〔変形例:防腐剤を貯留する容器〕
体表用防腐剤PR1・体内用防腐剤PR2を貯留する各容器10・20(図2)としてはボトル形状に限らず、プラスチックフィルムや金属箔もしくはこれらを多層に重合わせて袋状に成形したパウチ容器(図示略)も使用できる。
この場合、防腐剤PR1・PR2が充填される内側にポリプロピレン、外側にはポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂やアルミ箔を積層加工(ラミネート加工)したフィルムで構成すればよい。
〔変形例:チューブ先端へのスムーサ装着〕
遺体の鼻腔から挿入されるチューブ40については図6に示すように、遺体内の咽頭を通過して喉頭まで挿通される同チューブ40の他端にスムーサ41(金属製またはプラスチック製のキャップ)を取付けてもよい。
このようにすることでチューブ挿入行程(図1のステップS4)において、遺体内の咽頭を通過して喉頭まで挿通されるときの抵抗を少なくすることができる。
なおスムーサ41の先端部を尖った形状にすると遺体内で引っかかりやすくなるため、丸みを帯びた紡錘形状などにすることが望ましい。
〔変形例:チューブ先端形状〕
またチューブ40の他端にスムーサ41を装着する手法に代えて、遺体BDの鼻腔より挿入する「チューブ40自体の先端形状に丸みを持たせる」ことで、図5(b)のごとく鼻腔壁や軌道に引っかかることなく遺体BDの喉頭ちかく(気管や食道周辺)までスムーズにチューブ40他端を挿入することができる。
なおチューブ40自体の先端形状に丸みを持たせる(紡錘形に形成する等)場合、必ずしもチューブ40の両端を丸くする必要はなく、チューブ40の両端部のうち片側のみ(遺体BD内の咽頭を通過させて喉頭まで到達させる側の他端)に丸みを持たせるようにしてもよい。
〔変形例:体内用防腐剤の注入器具〕
鼻腔から体内用防腐剤PR2を注入する器具は必ずしもシリンジ(注射器30)とチューブ40を組合わせたものである必要はなく、浣腸する際にごく一般的に用いられているイチジク形状の注入器(図示略)なども代用可能である。
このような注入器を使用する場合にも、挿入部分(鼻腔から遺体BD内に挿入する管)の長さは「13cm」以上とすればよい。
〔変形例:大量の遺体発生時における遺体保存処置〕
大規模災害などにより死亡者がほぼ同時期に多数発生した場合、それらの遺体1体1体に対して本遺体保存方法MDによる処置を施すには沢山の人手が必要とされてしまう。
このような状況下では遺体保存処置がなされていない遺体について、遺族による対面のときまでに腐敗がひどく進行してしまっているおそれがあり、遺族の心証も好ましくない。
そのため本遺体保存方法MDでは、体内用防腐剤PR2の体内注入行程(図1のステップS6)を省き、体表用防腐剤PR1の遺体表面に対する塗布のみで対処してもよい。この場合、体内用防腐剤PR2を使用しないことを勘案し、同防腐剤PR1の塗布量を多めに調整する。
〔変形例:ペットの遺体への応用〕
本願発明の遺体保存方法MDは、犬や猫などをはじめとするペットの遺体にも応用可能である。
ペットに対して本方法MDを適用する場合でも、図1に示した処置手順は同一である。
ただし人とペットでは体格が大きく異なるため、遺体保存対象となるペットの体格に応じて、体表用防腐剤PR1・体内用防腐剤PR2の使用量を適宜調整すればよい。
成人の遺体であれば体表用防腐剤PR1「120ml」・体内用防腐剤PR2「50ml」をそれぞれ使用するところを、例えば、小型犬であれば体表用防腐剤PR1「12ml」・体内用防腐剤PR2「5ml」程度の使用量に留めてもよい。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が理解し得る各種の変形が可能である。
PR1 体表用防腐剤
PR2 体内用防腐剤
10 容器
20 容器
30 注射器
40 チューブ
41 スムーサ
MD 遺体保存方法

Claims (2)

  1. 穀物から抽出されたアミノ酸をそれぞれに含んで成る2種類の防腐剤を使用して遺体を保存する遺体保存方法であって、

    遺体内部に注入される前記アミノ酸およびブチレングリコールを含んだ液状の体内用防腐剤であって同体内用防腐剤の全体量に対してナトリウム・マグネシウムなどのミネラル分を含むpH12のアルカリ性電解6%添加されてなるpH4.5に調整された体内用防腐剤を注射器に充填する充填行程と、
    アミノ酸およびブチレングリコールを含むとともに全体量に対してナトリウム・マグネシウムなどのミネラル分を含むpH12の特殊還元性アルカリイオン水が6%添加されてなるpH4.5に調整された体内用防腐剤に対し海藻由来のゲル剤とグリセリンを配合して成る体表用防腐剤を、前記遺体の毛髪と遺体全身の体表部分に塗布する体表保護行程と、
    前記遺体を仰向けにした状態で下顎を上向きにすることで同遺体の鼻腔から気管までを開通させる気道確保行程と、
    細径のチューブを下顎を上向きにした遺体の鼻腔から挿入し、同チューブの一端は遺体の体外に出したまま保持する一方、同チューブの他端を遺体内の咽頭を通過させて喉頭まで到達させるチューブ挿入行程と、
    前記体外に出したままのチューブの一端を体内用防腐剤を充填した注射器の先端部に取付けて連通させるチューブ取付行程と、
    前記注射器の押子を押込むことで体内用防腐剤を遺体内に注入する体内注入行程と、
    を備え、

    前記体内注入行程では、
    前記注射器から送られた体内用防腐剤が咽頭に挿通されたチューブを通じて喉頭周辺に注入されることで、遺体の下気道周辺ならびに食道以下の消化器系に効率的に浸透する
    ように構成されたことを特徴とする、遺体保存方法。
  2. 穀物から抽出されたアミノ酸をそれぞれに含んで成る2種類の防腐剤を使用して遺体を保存するための遺体保存器具であって、

    遺体内部に注入される前記アミノ酸およびブチレングリコールを含んだ液状の体内用防腐剤であって、同体内用防腐剤の全体量に対してナトリウム・マグネシウムなどのミネラル分を含むpH12のアルカリ性電解6%添加されてなるpH4.5に調整された体内用防腐剤と、
    アミノ酸およびブチレングリコールを含むとともに全体量に対してナトリウム・マグネシウムなどのミネラル分を含んだpH12の特殊還元性アルカリイオン水が6%添加されてなるpH4.5に調整された体内用防腐剤に対し海藻由来のゲル剤とグリセリンを配合して成る防腐剤であって前記遺体の毛髪と遺体全身の体表部分に塗布される体表用防腐剤と、
    同遺体の鼻腔から挿入される細径のチューブであって、一端が遺体の体外に出したまま保持され、他端が遺体内の咽頭を通過して喉頭まで到達されるチューブと、
    前記体内用防腐剤を充填する注射器であって、前記体外に出たままのチューブの一端を先端部に取付け、押子を押込むことで体内用防腐剤を遺体内に注入する注射器と、
    を備え、

    前記注射器から送られた体内用防腐剤が咽頭に挿通されたチューブを通じて喉頭周辺に注入されることで、遺体の下気道周辺ならびに食道以下の消化器系に効率的に浸透する
    ように構成されたことを特徴とする、遺体保存器具。
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