JP6056916B2 - 太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムおよびそれを用いたフロントシート - Google Patents

太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムおよびそれを用いたフロントシート Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムおよびそれを用いたフロントシートシートに関する。詳しくは、太陽電池の封止剤に接する面に用いた際に、高温高湿下においても封止剤との接着に優れ、かつ高い透明性を有するポリエステルフィルム、およびそれを用いたフロントシートに関する。
近年、地球温暖化の原因となる石油エネルギーに代わる、エネルギー手段として、太陽電池が注目を浴びており、その需要が高まっている。太陽電池は太陽光のエネルギーを直接電気に換える太陽光発電システムであり、太陽電池素子として、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどの半導体や、化合物系、あるいは有機物系色素など使用されている。このような太陽電池素子単体を一般的に数枚〜数十枚の太陽電池素子を直列、並列に配線し、長期間(約20年以上)に亘って素子を保護するため種々のパーケージングが行われ、ユニット化されている。このパッケージに組み込まれたユニットを太陽電池モジュールと呼ぶ。
ここで、太陽電池モジュールは、一般的に太陽光が当たる面をガラスで覆い、太陽電子素子を封止材で間隙を埋め、裏面をバックシートと呼ばれる耐熱、耐候性プラスチック材料などの複数の層構成からなる保護シートで保護された構成になっている。太陽電池素子を充填する封止材としてはエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(以下、EVA)やポリビニルブチラール樹脂(以下、PVB)などのオレフィン系樹脂が用いられる。これらの封止材を用い、上記ガラス基板/封止材/太陽電池素子/封止材/バックシートの構成で重ね合わせ、真空ラミネーターなどで加熱圧着することによりモジュールが作製される。封止材には、太陽電池素子を接着固定するとともに、外部からの湿気の侵入を防ぎ、太陽電池素子を保護する役割がある。
従来、太陽電池モジュールの表面保護部材としてはガラスを用いることが一般的であった。近年、耐衝撃性や軽量化の点で可とう性を有したポリエステルなどのプラスチックフィルムへの関心が高まっている(特許文献1〜3)。しかしながら、表面未処理のポリエステルフィルムでは、十分な接着性が得られず、改善することが求められている。ポリエステルフィルムの接着性を改善させる方法として、樹脂や架橋剤を含む接着層を設けることが提案されている(特許文献4〜7)。
特開2010―186932号公報 特開2007―253463号公報 特開2006−261287号公報 特開2006−152013号公報 特開2006−332091号公報 特開2007−48944号公報 特開2007−136911号公報
太陽電池素子の光電変換効率の向上を図るため、太陽電池の前面に用いるフロントシートについては高い透明性が求められている。屋外で過酷な環境条件下で使用される太陽電池モジュールは、20年以上の長寿命化が期待されている。そのため、部材として用いられる封止材易接着フィルムにおいても、初期接着性だけでなく、高温高湿下でも長期間、接着性を保持することが必要であると考えられた。しかしながら、封止剤との接着性を向上させるために架橋剤を含む易接着層を設けた場合に、透明性が低下する場合があった。
また、封止材には、生産性の向上や劣化防止の観点から架橋剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含む多様な組成物種が用いられるが、用いる封止材により多様なパッケージング工程が採用されるようになってきている。例えば、スタンダードキュアタイプとされる封止材では、加熱圧着(例えば90〜130℃で5〜10分)の仮接着後に熱処理(例えば140〜160℃で30〜50分)を行い、ゆっくりと封止材を硬化させる接着条件が採用される。一方、ファストキュアタイプとされる封止材では、短時間で加熱圧着(例えば140〜160℃で15〜20分)を行い、急速に封止材を硬化させる接着条件が採用される。そのため、多様な封止材に対しても同程度の接着性を示す汎用性の高さだけでなく、多様な接着条件にも対応し得る汎用性の高い易接着性フィルムが望ましい。
本発明は上記課題に鑑み、封止剤との接着性に優れ、かつ高い透明性を有する太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを提供するものである。また、より好適には高温高湿下における接着性の低下をほとんど引き起こさず、多様な封止材に対しても良好な接着性を有する太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを提供するものである。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、ウレタン樹脂とブロックイソシアネートを主成分とし、前記ブロックイソシアネートの解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上である塗布層を用いることにより、封止剤との接着性に優れ、かつ高い透明性を保持することを見出し、本発明に至ったものである。
前記の課題は、以下の解決手段により達成することができる。
(1)少なくとも片面に塗布層を有するポリエステルフィルムであって、前記塗布層が、ウレタン樹脂とブロックイソシアネートを主成分とし、前記ウレタン樹脂のガラス転移温度が0℃未満であり、前記塗布層中のウレタン樹脂とブロックイソシアネートの質量比(ウレタン樹脂/ブロックイソシアネート)が1/9〜8/2であり、前記ブロックイソシアネートの解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上である、太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
(2)前記ウレタン樹脂が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂である、前記太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
(3)前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近のピークの吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近のピークの吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.50〜1.55である、前記太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
(4)前記太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを積層した太陽電池用フロントシート。
本発明の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムは、封止剤との接着性に優れ、かつ高い透明性を有する。さらに好適には多様な封止材・接着条件であっても強固な接着性を奏し、特に、高温高湿下での接着性(耐湿熱性)に優れる。そのため、本発明の好ましい実施態様としては、本発明の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムをフロントシートの部材として用いた場合、高い光電変換効率を維持し、封止材との接着性が良好である。
(ポリエステルフィルム)
本発明で基材を構成するポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリメチレンテレフタレート、および共重合成分として、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分などを共重合したポリエステル樹脂などを用いることができる。
本発明で好適に用いられるポリエステル樹脂は、主に、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの少なくとも1種を構成成分とする。これらのポリエステル樹脂の中でも、物性とコストのバランスからポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。また、これらのポリエステルフィルムは二軸延伸することで耐薬品性、耐熱性、機械的強度などを向上させることができる。
ポリエステルの製造に用いられる重縮合としては、特に限定されないが三酸化アンモンが安価で、かつ優れた触媒活性をもつ触媒であるため好適である。また、ゲルマニウム化合物、又はチタン化合物を用いることも好ましい。さらに好ましい重縮合触媒としては、アルミニウム及び/又はその化合物とフェノール系化合物を含有する触媒、アルミニウム及び/又はその化合物とリン化合物を含有する触媒、リン化合物のアルミニウム塩を含有する触媒が挙げられる。
太陽電池用部材としての高度な耐久性を得るために、ポリエステルフィルムの固有粘度は0.60〜0.90dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.62〜0.85dl/g、更に好ましくは0.65〜0.8dl/gである。固有粘度の値が0.60dl/gより低い場合は、耐久性が十分でなく、また、0.90dl/gより高い場合は、溶融工程の背圧が高くなるために生産性を低下させたり、せん断発熱により熱劣化が促進したりするために好ましくない。また、高度な耐加水分解性を得るために、本発明のポリエステルフィルムは、カルボキシル末端濃度がポリエステルに対し25eq/ton以下とすることも好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムは、単層のポリエステルフィルムであっても良いし、最外層と中心層を有する、少なくとも3層からなるポリエステルフィルムであっても良い。
本発明において、フロントシートとして高い透明性が求められる場合は、基材フィルム中に実質的に粒子を含有せず、塗布層にのみ粒子を含有させる構成が好ましい。また、透明性と加工性を両立するために、基材フィルムを3層積層構成にして、最外層(上記2種3層の場合はA層)に粒子を含有し、中心層(上記2種3層の場合はB層)には実質的に粒子を含まなくてもよい。
なお、「不活性粒子が実質上含有されていない」とは、例えば、無機粒子の場合、蛍光X線分析で粒子に由来する元素を定量分析した際に、50ppm未満、好ましくは10ppm未満、最も好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。これは積極的に粒子を添加させなくても、外来異物由来のコンタミ成分や、原料樹脂あるいはフィルムの製造工程におけるラインや装置に付着した汚れが剥離して、フィルム中に混入する場合があるためである。
最外層に含まれる粒子の種類及び含有量は、無機粒子であっても、有機粒子であってもよく、特に限定されるものではないが、シリカ、二酸化チタン、タルク、カオリナイト等の金属酸化物、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウムなどのポリエステルに対し不活性な無機粒子が例示される。これらの不活性な無機粒子は、いずれか一種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
前記の粒子は、平均粒子径が0.1〜3.5μmであることが好ましい。前記平均粒子径の下限は、0.5μmがより好ましく、0.8μmがさらに好ましく、1.0μmがよりさらに好ましい。また、前記平均粒子の上限は、3.0μmであることがより好ましく、2.8μmであることがよりさらに好ましい。平均粒子径が0.1μm未満では十分なハンドリング性が得られない。3.5μmを越えると粗大突起が生成しやすくなる。
また、これらの粒子は多孔質粒子、特に多孔質シリカが好ましい。多孔質粒子はフィルム製膜工程での延伸時に扁平型に変型しやすく、透明性の低下が小さいため、好ましい。
最外層の無機粒子の含有量は最外層を構成するポリエステルに対し、0.01〜0.20質量%であることが好ましい。前記濃度の下限は、0.02質量%がより好ましく、0.03質量%がさらに好ましい。また前記濃度の上限は、0.15質量%がより好ましく、0.10質量%がさらに好ましい。0.01質量%未満では十分なハンドリング性が得られない。0.2質量%を越えると透明性が低下し、好ましくない。
前記粒子の平均粒子径の測定は下記方法によって求めることができる。
粒子を電子顕微鏡または光学顕微鏡で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径(多孔質シリカの場合は凝集体の粒径)を測定し、その平均値を平均粒子径とする。また、積層フィルムの被覆層中の粒子の平均粒子径を求める場合は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、倍率12万倍で積層フィルムの断面を撮影し、粒子の最大径を求めることができる。
ポリエステルに上記粒子を配合する方法としては、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。またベント付き混練押出機を用いエチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行うことができる。
また、フロントシートとして耐候性を向上させるために、ポリエステルフィルム中に紫外線吸収剤を添加することも好ましい。この場合、フィルムの波長380nmの光線透過率が20%以下とすることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。ここで、透過率は、フィルムの平面に対して垂直方法に測定したものであり、分光光度計(例えば、日立U−3500型)を用いて測定することができる。耐候性を奏するためには、波長380nmの光線透過率は低いことが好ましいが、大量に紫外線吸収剤を添加すると、紫外線吸収剤がフィルム表面にブリードアウトする場合がある。そのため、波長380nmの光線透過率の下限は0.001%が下限であると考える。
本発明で使用される紫外線吸収剤は公知の物質が用いされる。紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤が挙げられるが、透明性の観点から有機系紫外線吸収剤が好ましい。有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトアゾール系、ベンゾフェノン系、環状イミノエステル系等、及びその組み合わせが挙げられるが本発明の規定する吸光度の範囲であれば特に限定されない。耐久性の観点からはベンゾトアゾール系、環状イミノエステル系が特に好ましい。2種以上の紫外線吸収剤を併用した場合には、別々の波長の紫外線を同時に吸収させることができるので、いっそう紫外線吸収効果を改善することができる。
この時マスターバッチの紫外線吸収剤濃度は紫外線吸収剤を均一に分散させ、且つ経済的に配合するために1〜30質量%の濃度にするのが好ましく、特にブリードアウトの点からは添加剤濃度は低いことが好ましい。マスターバッチを作製する条件としては混練押出機を用い、押し出し温度はポリエステル原料の融点以上、290℃以下の温度で1〜15分間で押し出すのが好ましい。290℃以上では紫外線吸収剤の減量が大きく、また、マスターバッチの粘度低下が大きくなる。押し出し温度1分以下では紫外線吸収剤の均一な混合が困難となる。この時、必要に応じて安定剤、色調調整剤、帯電防止剤を添加しても良い。
さらに、必要に応じて、ポリエステル中に他の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐光剤、ゲル化防止剤、有機湿潤剤、帯電防止剤、界面活性剤などが挙げられる。
本発明の基材となるポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されないが、20〜500μmが好ましく、より好ましくは25〜450μmであり、さらに好ましくは30〜300μmである。基材厚みが薄いと、熱収縮の影響が大きく、高温高湿処理後の接着性が低下する場合がある。厚いとロールとして巻き取りができなくなってしまう。
フロントシートとして用いた際には光電変換効率の点から本発明の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムの透明性は高いことが望ましい。フィルムの透明性は、好ましくは5.0%未満であり、より好ましくは4.5%未満であり、さらに好ましくは4.3%以下である。
(塗布層)
本発明の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムは、ウレタン樹脂と、解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上であるブロックイソシアネートを主成分とする塗布層を有することが重要である。ここで、「主成分」とは、塗布層に含まれる全固形成分中として50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有することを意味する
易接着性を付与するために柔軟なウレタン樹脂は好適に用いられるが、塗布層の密着性を向上させる点から架橋構造を積極的に導入し、強硬な塗布層にすることが望ましいと考えられていた。そこで、架橋剤としては、イソシアネートが用いられる場合があるが、反応性が高いため水系の塗布液中で水と反応して架橋反応性を喪失したり、ウレタン樹脂と反応し、凝集物が生じやすい傾向がある。そのため、いわゆるポットライフが短く、長期間安定的に塗向することは困難である。そこで、熱付加により解離するブロック剤で官能基をブロックしたイソシアネートが用いられる場合がある。しかしながら、未解離のブッロク剤の影響により、高い密着性が要求される場合は十分な接着性が得られない場合があった。
さらに、ブロックイソシアネートの種類によってはポリエステルフィルムの透明性が悪くなる場合があった。これは、解離したブロック剤が高温により揮発する際に塗布面に微小な凹凸状のピンホールが形成されるためと考えられた。
そこで、本発明者は鋭意検討した結果、ウレタン樹脂と、解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上であるブロックイソシアネートを主成分とする塗布層を採用することにより、優れた密着性と高い透明性とが得られることを見出した。すなわち、解離温度が上記温度を超える場合は、熱付加によるブロック剤の解離が不十分となり十分な架橋構造が得られず密着性、特に耐湿熱性が低下するものと考えられる。また、ブロック剤の沸点が上記温度を下回る場合は、塗布層に残存じたブロック剤が熱付加により揮発し、塗布外観が低下するものと考えられる。
本発明は、上記態様により、封止材との強度な接着性を奏し、高温高湿下での接着性(耐湿熱性)を向上させることができる。さらに、本発明の構成を以下に詳細する。
(ウレタン樹脂)
本発明のウレタン樹脂は、構成成分として、少なくともポリオール成分、ポリイソシアネート成分を含み、さらに必要に応じて鎖延長剤を含む。本発明のウレタン樹脂は、これら構成成分が主としてウレタン結合により共重合された高分子化合物である。
ポリオール成分としては、多価カルボン酸(例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)またはそれらの酸無水物と多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等)の反応から得られるポリエステルポリオール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等ポリエーテルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類やポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類などが挙げられる。なかでも、本発明のウレタン樹脂の構成成分であるポリオール成分には、耐熱、耐加水分解性に優れる脂肪族系ポリカーボネートポリオールを含有することが好ましい。本発明の太陽光による黄変防止の点から脂肪族系ポリカーボネートポリオールを用いることが好ましい。なお、これらウレタン樹脂の構成成分は、核磁気共鳴分析などにより特定することが可能である。
ウレタン樹脂の構成成分として脂肪族系ポリカーボネート成分を含む場合は、封止剤との接着性の点から、塗布層の赤外分光法による測定される脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)の比率(A1460/A1530)がが0.50〜1.55とすることが好ましい。
従来の技術常識では塗布層の耐久性を向上させる点からは塗布層形成において剛直で強硬な塗布層にすることが望ましいと考えられていた。しかし、本発明では脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするポリウレタン樹脂を赤外分光法による吸光度を一定の範囲に制御することで、強固な接着性を奏し、かつ高温高湿熱下での接着性をより好適に向上させうる。このような構成により、接着性を向上させることの機序はよくわからないが、本発明者は次のように考えている。
例えば、モジュールのパッケージングに際して、ガラス基板/封止材/塗布層を有するポリエステルフィルム(塗布層)を積層した構成で高温で加熱圧着が行われる。この際、高温接着時のポリエステルフィルムの熱収縮により、ポリエステルフィルム(塗布層)と封止材の間に応力が生じる。特に、係る応力の発生も多様な封止材の種類・接着条件によって変化しうる。特に、高い温度が長時間かかるスタンダードキュアタイプでは熱収縮に伴う応力変化が大きくなる。その結果、上記応力が緩和し切れず、封止材との接着性が低下すると考えられた。さらに、係る積層体を高温高湿下においた場合、加水分解により、塗布層の劣化が進行する。その結果、上記応力に耐え切れず、封止材が剥離し、高温高湿下での接着性が低下すると考えられた。そのため、封止材との強固な密着性や高温高湿下での接着性を高度に保持するためには、単に塗布層を強固に架橋することで耐久性を付与するのではなく、耐熱、耐加水分解性を保持した成分で、かつ、上記応力に耐えうる柔軟性を備えることが望ましいと考えられる。しかし、単に柔軟性を有するだけでは、ファストキュアタイプのように短時間で高温加熱圧着させる場合、塗布層に部分的に溶解した封止材が侵食し、特に高温高湿処理後のポリエステルフィルム基材との接着性が低下すると考えられる。そのためこれら相反する特性を両立させることが最も望ましい。
脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂と架橋剤を主成分とする場合、赤外分光法による測定される脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)の比率(A1460/A1530)が0.50〜1.55とすることで、上記特性をより好適に両立させうる。すなわち、耐加水分解性を有する脂肪族ポリカーボネート成分と、強硬性を奏するウレタン成分を所定の割合で共存させ、さらに架橋剤を添加することで、上記特性の両立を図るものである。これにより、高温での熱接着時のフィルムの熱収縮による応力を緩和することができるため、様々な封止材・接着条件であっても強固な接着性を得ることができ、その後の高温高湿の環境下でも、耐熱、耐加水分解性を保持しているため、塗布層の劣化を防止できると考えている
ここで、1460cm−1付近の吸光度(A1460)は、脂肪族系ポリカーボネート成分に含まれるメチレン基にC−H結合に特有の変角振動に由来する。よって、1460cm−1付近の吸光度(A1460)の大きさは塗布層に存在するウレタン樹脂を構成する脂肪族系ポリカーボネートポリオール成分量に依存する。一方、1530cm−1付近の吸光度(A1530)は、ウレタン成分に含まれるN−H結合に特有の変角振動に由来する。よって、1530cm−1付近の吸光度(A1530)の大きさは塗布層に存在するウレタン樹脂を構成するウレタン成分量に依存する。そのため、これらの吸光度比率(A1460/A1530)は、それぞれ異なる特性を有する両成分を特定の割合で共存していることを示すものである。本発明では、前記比率(A1460/A1530)が0.50〜1.55であることが好ましいが、前記比率(A1460/A1530)の下限は好ましくは0.60であり、より好ましくは0.70である。また、前記比率(A1460/A1530)の上限は好ましくは1.45であり、より好ましくは1.35であり、さらに好ましくは1.25である。前記比率(A1460/A1530)が、0.50未満の場合は、強硬なウレタン成分が多くなりすぎ、塗布層の応力緩和が低下するため耐湿熱性が低下する場合がある。また、前記比率(A1460/A1530)が、1.55を越える場合は、柔軟な脂肪族系ポリカーボネートの脂肪族成分が多くなりすぎ、塗布層の強度が低下するため塗膜強度や耐湿熱性が低下する場合がある。
脂肪族系ポリカーボネートポリオールとしては、脂肪族系ポリカーボネートジオール、脂肪族系ポリカーボネートトリオールなどが挙げられるが、好適には脂肪族系ポリカーボネートジオールを用いることができる。本発明のウレタン樹脂の構成成分である脂肪族系ポリカーボネートジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,8−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール類の1種または2種以上と、例えば、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲンなどのカーボネート類とを反応させることにより得られる脂肪族系ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。脂肪族系ポリカーボネートジオールの数平均分子量としては、好ましくは1500〜4000であり、より好ましくは2000〜3000である。脂肪族系ポリカーボネートジオールの数平均分子量が小さい場合は、相対的にウレタン樹脂を構成する脂肪族系ポリカーボネート成分の比率が小さくなる。そのため、前記比率(A1460/A1530)を前述の範囲にするためには、脂肪族系ポリカーボネートジオールの数平均分子量を上記範囲で制御することが好ましい。脂肪族系ポリカーボネートジオールの数平均分子量が大きいと、脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)が増加し、脂肪族成分が増加してしまうため、接着性や高温高湿処理後の強度が低下する場合がある。脂肪族系ポリカーボネートジオールの数平均分子量が小さいと強硬なウレタン成分が増加し、基材の熱収縮による応力を緩和できなくなり、接着性が低下する場合がある。
本発明のウレタン樹脂の構成成分であるポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート等の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、あるいはこれらの化合物を単一あるいは複数でトリメチロールプロパン等とあらかじめ付加させたポリイソシアネート類が挙げられる。芳香族イソシアネートを使用した場合、黄変の問題があり、好ましくない場合がある。また、脂肪族系と比較して、強硬な塗膜になるため、基材の熱収縮による応力を緩和できなくなり、接着性が低下する場合がある。
鎖延長剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、およびピペラジン等のジアミン類、モノエタノールアミンおよびジエタノールアミン等のアミノアルコール類、チオジエチレングルコール等のチオジグリコール類、あるいは水が挙げられる。ただし、主鎖の短い鎖延長剤を用いると、ウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)が増し、塗布層の柔軟性が低下する場合がある。よって、鎖延長剤としては主鎖の長いものが好ましい。また、塗布層の柔軟性を付与する点では、脂肪族系で主鎖の炭素数が4〜10の長さのジオールやジアミンの鎖延長剤が好ましい。これらの点から、本発明に用いる鎖延長剤としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサメチレンジアミンなどが好適である。すなわち、ウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度の低下を防ぐために、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサメチレンジアミンなどの直鎖で分子量の大きいものが好ましい。
本発明の塗布層は、水系の塗布液を用い後述のインラインコート法により設けることが好ましい。そのため、本発明のウレタン樹脂は水溶性であることが望ましい。なお、前記の「水溶性」とは、水、または水溶性の有機溶剤を50質量%未満含む水溶液に対して溶解することを意味する。
ウレタン樹脂に水溶性を付与させるためには、ウレタン分子骨格中にスルホン酸(塩)基又はカルボン酸(塩)基を導入(共重合)することができる。スルホン酸(塩)基は強酸性であり、その吸湿性能により耐湿性を維持するのが困難な場合があるので、弱酸性であるカルボン酸(塩)基を導入するのが好適である。また、ポリオキシアルキレン基などのノニオン性基を導入することもできる。
ウレタン樹脂にカルボン酸(塩)基を導入するためには、例えば、ポリオール成分として、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などのカルボン酸基を有するポリオール化合物を共重合成分として導入し、塩形成剤により中和する。塩形成剤の具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミンなどのトリアルキルアミン類、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどのN−アルキルモルホリン類、N−ジメチルエタノールアミン、N−ジエチルエタノールアミンなどのN−ジアルキルアルカノールアミン類が挙げられる。これらは単独で使用できるし、2種以上併用することもできる。
水溶性を付与するために、カルボン酸(塩)基を有するポリオール化合物を共重合成分として用いる場合は、ウレタン樹脂中のカルボン酸(塩)基を有するポリオール化合物の組成モル比は、ウレタン樹脂の全ポリイソシアネート成分を100モル%としたときに、3〜60モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることが好ましい。前記組成モル比が3モル%未満の場合は、水分散性が困難になる場合がある。また、前記組成モル比が60モル%を超える場合は、耐水性が低下するため耐湿熱性が低下する場合がある。
本発明のウレタン樹脂のガラス転移点温度は0℃未満が好ましく、より好ましくは−5℃未満である。ガラス転移点温度が0℃未満の場合は、加圧接着の際に部分的に溶融したEVAやPVBなどのオレフィン樹脂と粘度が近くなり、部分的混合による強固な接着性の向上に寄与し、塗布層の応力緩和の点から好適な柔軟性を奏しやすく好ましい。
本発明のウレタン樹脂には高温高湿後の接着性を向上させるために、樹脂自体に架橋基を導入しても良い。塗液の経時安定性や架橋密度向上効果からシラノール基が好ましい。
本発明のウレタン樹脂以外の樹脂でも、接着性を向上させるために含有させても良い。例えば、ポリエーテル、または、ポリエステルを構成成分とするウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
(ブロックイソシアネート)
本発明において、塗布層中に解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上であるブロックイソシアネートを含有させる必要がある。ブロックイソシアネートはポリイソシアネートとブッロク剤を反応させることで得られる。なお、解離温度、沸点は示差熱分析により測定することができる。
ブロックイソシアネートの解離温度は130℃以下が好ましく、125℃以下がより好ましく、120℃以下がよりさらに好ましい。ブロック剤は塗布液の塗布後の乾燥工程やインラインコート法の場合はフィルム製膜工程における熱付加により官能基と解離し、再生イソシアネート基が生成される。そのため、ウレタン樹脂などとの架橋反応が進行し、接着性が向上する。ブロックイソシアネートの解離温度が上記温度以下である場合は、ブロック剤の解離が十分進行するため、接着性、特に耐湿熱性が良好となる。解離温度の上限は、塗布液の安定化のため室温以上であれば特に限定しないが、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。
ブロック剤は活性水素を分子内に1個有する化合物が好適に用いられる。この場合、解離温度を上記のように比較的低くするためには、高い電子密度が得られるブロック剤を採用することが好ましい。例えば、分子内に複素環やそれに類似した構造を有するブロック剤などが好適に用いられる。
ブロック剤の沸点は180℃以上が好ましく、190℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましく、210℃以上がよりさらに好ましい。ブロック剤の沸点が高い程、塗布液の塗布後の乾燥工程やインラインコート法の場合はフィルム製膜工程における熱付加によってもブロック剤の揮発が抑制され、微小な塗布面凹凸の発生が抑制され、フィルムの透明性が向上する。ブロック剤の沸点の上限は特に限定しないが、生産性の点から300℃程度が上限であると思われる。沸点は分子量と関係するため、ブロック剤の沸点を高くするためには、分子量の大きなブロック剤を用いることが好ましく、ブロック剤の分子量は50以上が好ましく、60以上がより好ましく、80以上がさらに好ましい。
本発明のブロックイソシアネートに用いる解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上であるブロック剤としては、
重亜硫酸塩系化合物:重亜硫酸ソーダなど、
ピラゾール系化合物:3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ブロモー3,5−ジメチルピラゾール、4−ニトロー3,5−ジメチルピラゾールなど、
活性メチレン系:マロン酸ジエステル(マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジ2−エチルヘキシル)等。
トリアゾール系化合物:1,2,4−トリアゾールなど
が挙げられる。なかでも、耐湿熱性、黄変の点から、ピラゾール系化合物が好ましい。
本発明のブロックイソシアネートの前駆体であるポリイソシアネートは、ジイソシアネートを導入して得られる。例えば、ジイソシアネートのウレタント変性体、アロファネート変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、ウレトジオン変性体、ウレトイミン変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。
ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネート等の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類が挙げられる。透明性、接着性、耐湿熱性の点から、脂肪族、脂環式イソシアネートやこれらの変性体が好ましい。芳香族イソシアネートを使用した場合、黄変の問題があり、高い透明性が要求されるフロントシート用としては、好ましくない場合がある。また、脂肪族系と比較して、強硬な塗膜になるため、封止剤等の収縮、膨潤による応力を緩和できなくなり、密着性が低下する場合がある。
本発明のブロックイソシアネートは、水溶性、または、水分散性を付与するために前駆体であるポリイソシアネートに親水基を導入することができる。親水基としては、(1)ジアルキルアミノアルコールの四級アンモニウム塩やジアルキルアミノアルキルアミンの四級アンモニウム塩など、(2)スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩など、(3)アルコキシ基で片末端封鎖されたポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。親水性部位を導入した場合は(1)カチオン性、(2)アニオン性、(3)ノニオン性となる。なかでも、他の水溶性樹脂はアニオン性のものが多いため、容易に相溶できるアニオン性やノニオン性が好ましい。また、アニオン性は他の樹脂との相溶性に優れ、ノニオン性はイオン性の親水基をもたないため、耐湿熱性を向上させるためにも好ましい。また、アニオン性やカチオン性のものは他の樹脂と凝集、もしくは自己凝集し、透明性や外観性に影響する場合があるため、上記のなかでもノニオン性のものがより好ましい。
アニオン性の親水基としては、ポリイソシアネートに導入するための水酸基、親水性を付与するためのカルボン酸基を有するものが好ましい。例えば、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、オキシ酪酸、オキシ吉草酸、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、カルボン酸基を有するポリカプロラクトンが挙げられる。カルボン酸基を中和するには、有機アミン化合物が好ましい。例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、エチレンジアミンなどの炭素数1から20の直鎖状、分岐状の1,2または3級アミン、モルホリン、N−アルキルモルホリン、ピリジンなどの環状アミン、モノイソプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの水酸基含有アミンなどが挙げられる。
ノニオン性の親水基としては、アルコキシ基で片末端封鎖されたポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドの繰り返し単位が3〜50が好ましく、より好ましくは、5〜30である。繰り返し単位が小さい場合は、樹脂との相溶性が悪くなり、ヘイズが上昇し、大きい場合は、高温高湿下の接着性が低下する場合がある。
本発明のブロックイソシアネートは水分散性向上のために、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性界面活性剤を添加することができる。例えばポリエチレングリコール、多価アルコール脂肪酸エステル等のノニオン系、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系、アルキルアミン塩、アルキルベタイン等のカチオン系、カルボン酸アミン塩、スルホン酸アミン塩、硫酸エステル塩等の界面活性剤などが挙げられる。
また、水以外にも水溶性の有機溶剤を含有することができる。例えば、反応に使用した有機溶剤やそれを除去し、別の有機溶剤を添加することもできる。
塗布層中のウレタン樹脂とブロックイソシアネートの質量比(ウレタン樹脂/ブロックイソシアネート)は1/9〜9/1が好ましく、1/9〜8/2がより好ましく、2/8〜6/4がよりさらに好ましい。また、塗布層の固形成分中のブロックイソシアネートの含有量としては、5質量%以上90質量%以下が好ましい。より好ましくは、20質量%以上80質量%以下である。少ない場合には、塗布層の耐溶剤性が低下し、高温高湿下での密着性が低下し、多い場合には、塗布層の樹脂の柔軟性が低下し、常温、高温高湿下での密着性が低下する。ブロックイソシアネートは2種類以上を組み合わせても良いし、2種類以上のブロック剤を組合せも良い。その際は、少なくとも1種のブロックイソシアネートは本発明の規定を満足する必要がある。
本発明において、塗膜強度を向上させるために、2種類の架橋剤を混合させても良い。混合させる架橋剤としては、メラミン系、エポキシ系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等が挙げられる。塗液の経時安定性、高温高湿処理下の密着性向上効果からカルボジイミド系、オキサゾリン系が好ましい。また、架橋反応を促進させるため、触媒等を必要に応じて適宜使用される。
(添加剤)
本発明において、塗布層中に粒子を含有させることもできる。粒子は(1)シリカ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、等の無機粒子、(2)アクリルあるいはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステル系等の有機粒子が挙げられる。
前記粒子は、平均粒径が1〜500nmのものが好適である。平均粒子径は特に限定されないが、フィルムの透明性を維持する点から1〜100nmであれば好ましい。
前記粒子は、平均粒径の異なる粒子を2種類以上含有させても良い。
なお、上記の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、倍率12万倍で積層フィルムの断面を撮影し、塗布層の断面に存在する10ヶ以上の粒子の最大径を測定し、それらの平均値として求めることができる。
粒子の含有量としては、0.5質量%以上20質量%以下が好ましい。少ない場合は、十分な耐ブロッキング性を得ることができない。また、対スクラッチ性が悪化してしまう。多い場合は、塗膜強度が低下する。
塗布層には、コート時のレベリング性の向上、コート液の脱泡を目的に界面活性剤を含有させることもできる。界面活性剤は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系などいずれのものでも構わないが、シリコン系、アセチレングリコール系又はフッ素系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤は、封止材との接着性を損なわない程度の範囲、例えば、塗布液中に0.005〜0.5質量%の範囲で含有させることも好ましい。
塗布層に他の機能性を付与するために、封止材との接着性を損なわない程度の範囲で、各種の添加剤を含有させても構わない。前記添加剤としては、例えば、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、抑泡剤、消泡剤、防腐剤、帯電防止剤等が挙げられる。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を設ける方法としては、溶媒、粒子、樹脂を含有する塗布液をポリエステルフィルムに塗布、乾燥する方法が挙げられる。溶媒として、トルエン等の有機溶剤、水、あるいは水と水溶性の有機溶剤の混合系が挙げられるが、好ましくは、環境問題の点から水単独あるいは水に水溶性の有機溶剤を混合したものが好ましい。
(太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムの製造)
本発明の光学用易接着性ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)フィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
塗布層は、製膜したフィルムもしくはフィルム製造工程の任意の段階で、PETフィルムの少なくとも片面に、塗布液を塗布し、形成する。特に、ブロック剤の解離のために高い熱付加が可能なフィルム製増工程での塗布(インラインコート法)が好ましい。塗布層はPETフィルムの両面に形成させても特に問題はない。塗布液中の樹脂組成物の固形分濃度は、2〜35重量%であることが好ましく、特に好ましくは4〜15重量%である。
塗布液をPETフィルムに塗布するための方法は、公知の任意の方法を用いることができる。例えば、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法、などが挙げられる。これらの方法を単独で、あるいは組み合わせて塗工する。
インラインコート法による場合、塗布層は未延伸あるいは一軸延伸後のPETフィルムに前記塗布液を塗布、乾燥した後、少なくとも一軸方向に延伸し、次いで熱処理を行って形成させる。
本発明において、最終的に得られる塗布層の厚みは好ましくは10〜3000nm、より好ましくは10〜1000nm、さらに好ましくは10〜500nm、よりさらに好ましくは10〜400nmである。また、塗布層の乾燥後の塗布量は、好ましくは0.01〜3g/m、より好ましくは0.01〜1g/m、さらに好ましくは0.01〜0.5g/m、よりさらに好ましくは0.01〜0.4g/mである。塗布層の塗布量が0.01g/m未満であると、接着性に対する効果がほとんどなくなる。一方、塗布量が3g/mを越えると、耐ブロッキング性が低下してしまう。
基材となるフィルムは、PETフィルムを例にすると、以下のようにして得ることができる。PET樹脂を十分に真空乾燥した後、押出し機に供給し、Tダイから約280℃の溶融PET樹脂を回転冷却ロールにシート状に溶融押出しし、静電印加法により冷却固化せしめて未延伸PETシートを得る。前記未延伸PETシートは、単層構成でもよいし、共押出し法による複層構成であってもよい。また、PET樹脂中に不活性粒子を実質的に含有させないことが好ましい。
得られた未延伸PETシートを、80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍に延伸して、一軸延伸PETフィルムを得る。さらに、フィルムの端部をクリップで把持して、70〜140℃に加熱されたテンター内の熱風ゾーンに導き、幅方向に2.5〜5.0倍に延伸し、テンター内の熱処理ゾーンに導き、熱処理を行う。本発明のブロックイソシアネートが熱付加により好適にブロック剤が解離するために、熱処理の際のテンター内の最高温度および熱処理時間は160℃以上、1秒以上が好ましく、180℃以上、5秒以上がより好ましい。また、ブロック剤の揮発を好適に抑制するために、熱処理の際のテンター内の最高温度および熱処理時間は250℃以下、60秒以下が好ましく、240℃以下、50秒以下がより好ましい。なお、上記熱処理時間は延伸後におけるテンター内の熱処理ゾーンから冷却ゾーンまでの滞在時間をいう。
(太陽電池用フロントシート)
本発明の太陽電池用フロントシートは前記塗布層を有するポリエステルフィルムを構成部材とする。特に、封止材と直接的に接する最表層に用いることが好ましい。係る構成により本発明の太陽電池用バックシートは封止材との強固な密着性を奏することができ、長期にわたる過酷な環境下においても良好な密着性を奏する。そのため、太陽電池素子の防湿性保持やバリア性向上に寄与しうる。
本発明の太陽電池用フロントシートの態様としては、例えば、前記塗布層を有するポリエステルフィルム/接着剤/金属系薄膜層を有するフィルム/接着剤/ハードコート層といった構成や、前記塗布層を有するポリエステルフィルム/接着剤/ハードコート層といった構成が例示される。また本発明のポリエステルフィルムは両面に前記塗布層を有する構成であっても構わない。この場合、接着剤層を新たに設けることなく、好適に積層加工を施すことができる。本発明の塗布層は封止材以外の構成(例えば、ハードコート層など)とも良好な接着性を奏しうる。ここで金属箔又は金属系薄膜層を有するフィルムとしては、水蒸気バリア性を有するものが好適に用いることができる。
前記金属の種類としてはアルミニウム、錫、マグネシウム、銀、ステンレスなどが挙げられるが中でもアルミニウム、銀が比較的高い反射率を有し、工業的に入手しやすいため好適である。金属層は金属箔をして使用しても良いし、ポリエステルフィルム等に薄膜として積層してもよい。これら金属を薄膜として積層する方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)等を用いることができる。
ハードコート層には耐候性を向上させるために紫外線吸収剤を添加することも好ましい態様である。また、最外層に防汚層や反射防止層などを設けることは、太陽電池素子に入射する光線量を増加させ、光電変換効率を向上させる上で好ましい態様である。
また、本発明の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムは太陽電池バックシートの最内層(封止剤と接する側の層)としても好適に用いることができる。
(太陽電池モジュール)
太陽電池モジュールは、例えば、配線を配設した光起電力素子としての太陽電池素子と、太陽電池素子を挟むように介在する封止材と、本発明の太陽電池フロントシートやバックシートを用いて構成される。封止剤としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体やポリビニルブチラール樹脂などのオレフィン樹脂が好適に用いられる。特に、本発明の塗布層は上記のような柔軟性を有しているためエチレン・酢酸ビニル共重合体やポリビニルブチラール樹脂といった封止材と良好な接着性を奏することができる。
封止材としては、ラミネート工程による加熱圧着後に別ラインに設けたオーブンでのキュア工程により硬化反応をさせるスタンダードキュアタイプと、ラミネート工程でのラミネーター内部で硬化反応をさせるファストキュアタイプとに分類されるが、いずれも適用しうる。特に、本発明の塗布層はこれらいずれのタイプにおいても好適な密着性を奏するこができ、高い汎用性を有する。
封止材の主成分としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体やポリビニルブチラール樹脂などのオレフィン樹脂が用いられる。なお、ここで、「主成分」とは、封止剤のうち50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有することを意味する。例えば、架橋反応を進行させるための架橋剤や反応開始材などが添加される。例えば、熱架橋を行う場合は、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロキシパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどの有機過酸化物が用いられる。また、光硬化を行う場合には、ベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチルやベンゾインエーテルなどの光増感剤が用いられる。さらに、ガラス基板との接着を考慮してシランカップリング剤も配合しても良い。接着性及び硬化を促進する目的でを配合されている場合もあり、エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アクリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有化合物が用いられる。
次に、実施例、参考例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は当然以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
(1)固有粘度
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
(2)ガラス転移点温度
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)を使用して、DSC曲線からガラス転移開始温度を求めた。
(3)赤外分光法による吸光度測定
得られた太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムについて塗布層を削り取り、約1mgの試料を採取した。採取した試料に圧力をかけ、厚み約1μmのフィルム状に成型した塗布層試料片(大きさ:約50μm×約50μm)を作成した。さらに、ブランク試料として基材フィルムと同質のPET樹脂についても前記手順と同様にして試料片(ブランク試料片)を作成した。
作成した試料片をKBr板上に載せ、下記条件の顕微透過法により赤外吸収スペクトルを測定した。塗布層の赤外分光スペクトルは、塗布層試料片から得た赤外分光スペクトルとブランク試料片のスペクトルとの差スペクトルとして求めた。
脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)は1460±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とし、ウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)は1530±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とした。なお、ベースラインはそれぞれの極大吸収のピークの両側の裾を結ぶ線とした。得られた吸光度から下記式により吸光度比率を求めた。
(吸光度比率)=A1460/A1530
(測定条件)
装置:FT−IR分析装置SPECTRA TECH社製 IRμs/SIRM
検出器:MCT
分解能:4cm−1
積算回数:128回
(4)接着性
得られた太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを100mm幅×100mm長、EVAシートを70mm幅×90mm長に切り出したもの用意し、フィルム(塗布層面)/下記記載のEVA/(塗布層面)フィルムの構成で重ね、真空ラミネーターで下記記載の接着条件で加熱圧着し、サンプルを作成した。作成したサンプルを20mm幅×100mm長に切り出した後、SUS板に貼りつけ、下記記載の条件で引張り試験機でフィルム層とEVA層の剥離強度を測定した。剥離強度は極大点を越えた後に安定して剥離している部分の平均値として求めた。下記の基準でランク分けした。
◎:100N/20mm以上、または、フィルムの材破
○:75N/20mm以上、100N/20mm未満
△:50N/20mm以上、75N/20mm未満
×:50N/20mm未満
(サンプル作成条件)
装置:真空ラミネーター エヌ・ピー・シー社製 LM−30×30型
加圧:1気圧
EVA:
A.スタンダードキュアタイプ
I.サンビック製 Urtla Pearl PV(0.4μm)
ラミネート工程:100℃(真空5分、真空加圧5分)
キュア工程:熱処理150℃(常圧45分)
II.三井ファブロ製 ソーラーエバ SC4(0.4μm)
ラミネート工程:130℃(真空5分、真空加圧5分)
キュア工程:150℃(常圧45分)
B.ファストキュアタイプ
I.サンビック製 Urtla Pearl PV(0.45μm)
ラミネート工程:135℃(真空5分、真空加圧15分)
II.三井ファブロ製 ソーラーエバ RC02B(0.45μm)
ラミネート工程:150℃(真空5分、真空加圧15分)
(測定条件)
装置:テンシロン 東洋BALDWIN社製 RTM−100
剥離速度:200mm/分
剥離角度:180度
(5)耐湿熱性
得られた太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを、高温高湿槽中で85℃、85%RHの環境下1000時間放置した。次いで、太陽電池用ポリエステルフィルムを取りだし、室温常湿で24時間放置した。その後、は、前記(4)と同様の方法で剥離強度を測定し、下記の基準でランク分けをした。
◎:100N/20mm以上、または、フィルムの材破
○:75N/20mm以上、100N/20mm未満
△:50N/20mm以上、75N/20mm未満
×:50N/20mm未満
(6)ヘイズ
得られた太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムのヘイズはJIS K 7136に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
(脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂A−1の重合)
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸12.85質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール153.41質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−1)を調製した。得られたポリウレタン樹脂(A−1)のガラス転移点温度は−30℃であった。
(脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂A−2の重合)
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート29.14質量部、ジメチロールブタン酸7.57質量部、数平均分子量3000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール173.29質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン5.17質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−2)を調製した。
(脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂A−3の重合)
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸11.12質量部、ヘキサンジオール1.97質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール143.40質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−3)を調製した。
(脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂A−5の重合)
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量1000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−5)を得た。
(脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂A−6の重合)
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量5000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−6)を得た。
(ポリエステルポリオールを構成成分とするウレタン樹脂の重合A−7)
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量2000のポリエステルジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−7)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−1の重合)
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)52.21質量部にポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 1000)20.72質量部を滴下し、素雰囲気下、70℃で5時間保持した。その後、3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)27.08質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認後、ジプロピレングリコールジメチルエーテル25質量部、水125質量部を加え、30℃で高速攪拌し、固形分40質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−2の重合)
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネート24A−100)52.54質量部にポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 1000)19.78質量部素雰囲気下、70℃で5時間保持した。その後、3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)27.67質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認後、ジプロピレングリコールジメチルエーテル25質量部、水125質量部を加え、30℃で高速攪拌し、固形分40質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−2)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−3の重合)
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)66.04質量部、N−メチルピロリドン17.50質量部に3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)25.19質量部を滴下し、素雰囲気下、70℃で1時間保持した。その後、ジメチロールプロパン酸5.27質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認後、N,N−ジメチルエタノールアミン5.59質量部、水132.5質量部を加え、固形分40質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−3)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−4の重合)
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)の3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)をマロン酸ジエチル(解離温度:120℃、沸点199℃)に変更した以外は、同様の方法で固形分40%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−4)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−5の重合)
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)の3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)をメチルエチルケトオキシム(解離温度:140℃、沸点:152℃)に変更した以外は、同様の方法で固形分40%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−5)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−6の重合)
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−3)の3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)をメチルエチルケトオキシム(解離温度:140℃、沸点:152℃)に変更した以外は、同様の方法で固形分40%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−6)を得た。
参考例1
(1)塗布液の調整
下記の塗剤を混合し、塗布液を作成した。
水 55.62質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 11.29質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 2.26質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
(2)太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムの製造
基材フィルム中間層用原料として実施的に粒子を含有しない固有粘度0.69g/dlのPET樹脂ペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層用)に、平均粒子径2.5μm(電顕法)の多孔質シリカを濃度0.06質量%になるように配合した固有粘度0.69g/dlのPET樹脂を押出機1(外層用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2つのポリマーを3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、A層、B層、C層の厚さの比は1.5:7:1.5となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
この未延伸PETシートを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して、一軸延伸PETフィルムを得た。
次いで、室温で5時間以上静置した前記塗布液をロールコート法でPETフィルムの片面に塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。なお、最終(二軸延伸後)の乾燥後の塗布量が0.15g/m(乾燥後の塗布層厚み150nm)になるように調整した。引続いてテンターで、120℃で幅方向に4.0倍に延伸し、フィルムの幅方向の長さを固定した状態で、230℃で0.5秒間加熱し、さらに100℃で10秒間3%の幅方向の弛緩処理を行ない、100μmの太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
比較例1
ブロックポリイソシアネート水分散液をブロックポリイソシアネート水分散液(B−5)に変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
比較例2
ブロックポリイソシアネート水分散液をブロックポリイソシアネート水分散液(B−6)に変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
比較例3
ブロックポリイソシアネート水分散液をヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート水分散液(旭化成ケミカルズ製WT30−100)に変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
参考例2
塗布液を下記に変更したこと以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
水 58.02質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 9.47質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 1.89質量%
粒子 0.59質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.03質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
参考例3
塗布液を下記に変更したこと以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
水 54.75質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 12.99質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 1.52質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.03質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
実施例4
塗布液を下記に変更したこと以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
水 57.35質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 8.12質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 3.79質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.03質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
実施例5
塗布液を下記に変更したこと以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
水 59.95質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 3.25質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 6.06質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.03質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
実施例6
塗布液を下記に変更したこと以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
水 60.82質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 1.62質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 6.82質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.03質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
参考例7
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−2)に変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
参考例8
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−3)に変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
参考例9
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−5)に変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
参考例10
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−6)に変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用リエステルフィルムを得た。
参考例11
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−7)に変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
参考例12
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)をブロックポリイソシアネート水分散液(B−2)に変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
参考例13
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)をブロックポリイソシアネート水分散液(B−3)に変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
参考例14
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)をブロックポリイソシアネート水分散液(B−4)に変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
参考例15
外層用のPET樹脂として実施的に粒子を含有しない固有粘度0.69g/dlのPET樹脂ペレットを用いた以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
参考例16
太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムの基材厚みを50μmに変更した以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
参考例17
太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムの基材厚みを350μmに変更した以外は参考例15と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
参考例18
塗布液を下記に変更したこと以外は参考例16と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
水 62.82質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 5.67質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 1.13質量%
粒子 0.35質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.03質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
参考例19
塗布液を下記に変更したこと以外は参考例1と同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。
水 45.99質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 18.99質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 3.80質量%
粒子 1.19質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.03質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
参考例20
(3)太陽電池用フロントシートの製造
参考例1においてフィルムの両面に塗布層を形成した以外は同様にして太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを得た。得られた太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムの片面に紫外線硬化性アクリレートを塗布・硬化しハードコート層(5μm)を形成することで、太陽電池用フロントシートを得た。
本発明の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムは透明性および接着性に優れるため、太陽電池用フロントシートの基材フィルムとして好適である。

Claims (4)

  1. 少なくとも片面に塗布層を有するポリエステルフィルムであって、
    前記塗布層が、ウレタン樹脂とブロックイソシアネートを主成分とし、
    前記ウレタン樹脂のガラス転移温度が0℃未満であり、
    前記塗布層中のウレタン樹脂とブロックイソシアネートの質量比(ウレタン樹脂/ブロックイソシアネート)が1/9〜8/2であり、
    前記ブロックイソシアネートの解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上である、太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
  2. 前記ウレタン樹脂が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂である、請求項1に記載の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
  3. 前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近のピークの吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近のピークの吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.50〜1.55である、請求項2に記載の太陽電池用易接着性ポリエステルフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載する太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムを積層した太陽電池用フロントシート。
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