JP6056121B2 - インクジェット式印刷装置、および、インクジェット式印刷装置の過熱エラー検出方法 - Google Patents
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このような印字素子として圧電素子があり、圧電素子をインク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として使用し、圧電素子を微振動させることにより、インク流路内の容積を変化させてインク滴を吐出させている。
圧電素子に台形状のパルス駆動波形を印加するためのヘッド駆動回路は、一般にプッシュプル回路と呼ばれる回路構成となっており、電流増幅する駆動素子(以下トランジスタと記載)は、不飽和領域で駆動するため発熱が顕著である。通常、圧電素子を駆動するトランジスタの消費電力は、数W〜20W程度と大きいため、ノズル稼働率の高い(高印刷DUTY)での印刷を連続的に行うと、トランジスタのジャンクション温度が急上昇する。
特に、ライン走査型のインクジェット印刷装置におけるヘッドは、用紙搬送方向(副走査方向)に複数のノズル列(群)を配置したヘッドを使用しているため、ヘッド駆動回路は、ノズル列数分のトランジスタが必要となり、トランジスタの使用員数が多くなる。これら複数のトランジスタを効率良く冷却するために、単一の放熱フィンに複数のトランジスタを実装し、冷却ファンによる強制冷却を行っている。
そこで、サーミスタ等の温度検出素子をトランジスタ近傍に実装し、所定の過熱エラーのしきい値を設けて、温度検出素子の温度が所定の過熱エラーのしきい値を越えた場合は、アラーム報告や印刷の一時停止、或いは印刷速度を低下させてヘッド駆動回路のトランジスタを熱破壊から防止する技術が既に知られている。
インクは環境温度により粘度が変わるため各温度に応じた駆動波形を用意しており、ヘッド内に実装した温度検出素子からの温度情報に基づいて最適な駆動波形に順次切り替えてインクの吐出を行っている。低温下においては、インク粘度が高くなるため、より高い電圧を圧電素子に印加する。また、駆動パルス数を増加する必要があり、その結果としてトランジスタの電力損失が増加する。高温下においては、インク粘度が低下するため圧電素子への印加電圧を下げる必要があり、その結果としてトランジスタの電力損失が減少する。このように、環境温度が変化してもインク滴量が常に一定になるように、最適な駆動波形に切り替えているため、トランジスタの電力損失が変化する。
以上のように、ノズル列単位で変化する駆動条件により、ヘッド駆動回路のトランジスタの電力損失が変化するので、最大負荷となる条件の組み合わせにより、トランジスタの電力損失を決定していた。このため、トランジスタの電力損失は大きめに見積もられていた。トランジスタの過熱エラーのしきい値はトランジスタの電力損失を基に算出されるので、トランジスタの電力損失が大きくなると、トランジスタのジャンクションからトランジスタのケース間の温度差が高くなるため、その結果として過熱エラーのしきい値は低く設定されていた。
特許文献3には、集積回路内に温度センサを内蔵しているが、汎用トランジスタは温度センサが付いておらず、センサ付の駆動回路はカスタム開発品となりコストが高くなるという課題がある。
前記制御部は、前記フィン温度検出部から検出される温度と前記周囲温度検出部から検出される周囲温度Taとの差分である、検出されたフィン温度の上昇値Tc(mon)が、前記制御部によって式1を用いて求められた、演算上のフィン温度の上昇値Tc(cal)より高い場合に、前記駆動素子の過熱エラーと判断する、ことを特徴とするインクジェット式印刷装置である。
Tc(cal)=Tj(max)−[[ΣPi×αi]×R(j−f) + Ta]・・・(式1)
ここで、Σ(Pi×αi)は、インク滴量iの電力損失とインク滴量iのノズルの駆動DUTYαとを乗算し、乗算した値をすべてのインク滴量について加算した総和。
Tc(cal)=Tj(max)−[[ΣPi×αi]×R(j−f) + Ta]
・・・(式2)
ここで、Σ(Pi×αi)は、インク滴量iの電力損失とインク滴量iのノズルの駆動DUTYαとを乗算し、乗算した値をすべてのインク滴量について加算した総和。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット式印刷装置に設けられたインクジェット吐出駆動回路の全体構成を示すブロック図である。
なお、図1は説明を簡単にするためにノズル列を2列とした構成例である。ノズル列には複数の圧電素子が実装されている。通常、ノズル列内の圧電素子の数は、数百個程度から構成されるが、図1は記載を省略している。図1において、ヘッド1内の上段のノズル列には圧電素子10a〜10nが、下段のノズル列には20a〜20nが実装されている。アナログスイッチ11a〜11n、21a〜21nは圧電素子と対になっている。
なお、周囲温度を検出するサーミスタ2はヘッド1内に実装したが、実装位置はヘッド内に限定されるものではない。
電流増幅回路12はトランジスタ8a〜8dで構成されるプッシュプル回路であり、一組のトランジスタ8a、8bにより接続された全ての圧電素子10a〜10nを駆動するようになっている。
トランジスタ8a〜8dは図示しない放熱フィンに実装されている。また、トランジスタ8a〜8dの過熱検出用のサーミスタ3が放熱フィン(図示せず)に同様に実装されている。サーミスタ3の出力は図示しないA/Dコンバータに入力されており、A/Dコンバータの出力データをリードすることによりサーミスタの温度を検出する。サーミスタ3は既に説明したように放熱フィンに実装されているので、トランジスタが実装されている放熱フィンの温度を検出可能である。
制御部7はトランジスタの電力損失および過熱エラーのしきい値の演算、過熱エラーの判別、サーミスタ2とサーミスタ3からの温度データの読み出し等を行う。
記憶手段16はメモリ等の素子から成り、電力損失データテーブルなどを予め記憶している。
また、本実施形態では、単一のヘッドを駆動する複数のトランジスタとトランジスタの温度を検出する1個のサーミスタを単一の放熱フィンに実装した例を説明したが、放熱フィンに実装されるトランジスタ群は複数のヘッドを駆動するトランジスタ群としても良い。また、複数のサーミスタを所定の距離を隔てて実装しても良い。また、サーミスタの実装位置はジャンクションからケースまでの間の温度上昇の高い方のトランジスタ(例、PUSH側のトランジスタ)の近傍に実装すると良い。
駆動パルス波形とインク滴量の関係を図3(a)、図3(a)にて説明する。
駆動波形VCOM40は複数のパルス波形から構成されており、図3(a)は駆動周期T内にPULL1からPULL4のパルス波形で構成された例である。インクを吐出しない場合にノズル面の乾燥によるノズル詰まりを防止する方法として、ノズル面のメニスカスを微振動させてインクを攪拌する動作を行っており、これを微駆動と定義する。この微駆動はインクを吐出しないため通常のパルス波形より電圧振幅を小さくしたPULL1のパルス波形を使用する。
圧電素子に電圧を印加し、圧電素子の振動を利用してノズルからインク吐出を行うには、まず、圧電素子に徐々に電圧を印加して所定の電位(以後、中間電位と記載する)に保持する。中間電位から電荷を放電するPULLパルス波形(PULL1からPULL4)を与えることで、圧電素子はインクを吐出する方向に変形しノズルからインクの吐出を行っている。
図4は同一のノズル列内において、ノズル毎に異なったインク滴を吐出した場合の圧電素子からのPULL電流を示しており、このPULL電流は図1で説明したトランジスタ8b、8dに流れる。
このように、各PULL電流(PULL1からPULL4)はノズルNo.1からノズルNo.nに流れるパルス波形電流を合計した電流となる。
なお、図4はPULL電流について説明したが、圧電素子に電荷を充電する充電電流(以後、PUSH電流と記載する)は、各PULLパルス波形の立ち上がり時に流れ、このPUSH電流は図1に示すトランジスタ8a、8cに流れる。
高速ライン走査型インクジェット印刷装置における駆動パルス幅(例、PULL1)は数μs程度である。各パルス波形単位でみたトランジスタの電力損失は大きいが、トランジスタのジャンクションからケースまでの熱抵抗であるRth(j-c)は時間により変化する特性であり、時間が短い場合は熱抵抗Rth(j-c)も小さくなる。具体的な例で説明すると、1.4us時における熱抵抗Rth(j-c)は0.008℃/W程度である。仮にパルス幅が1.4usで、この時のパルス電力損失を100Wとした場合、ジャンクションからケース間の温度差は0.8℃(100W x 0.008℃/W)と非常に低くなるためパルス単位では正確なジャンクション温度が把握できない。従って、トランジスタの電力損失は上記パルス電力損失の合計を駆動周期Tで平均化した。
図5は駆動DUTY100%時のトランジスタの平均電力損失をインク滴量別と温度別にアドレスしてテーブル化した例である。ここで、駆動DUTY100%とは、例えば、ノズル列として300個のインク吐出が可能なノズルを有するとすれば、300個のノズルからインク吐出を行う事である。駆動DUTY100%時の電力損失は実測により求めるが、実測値に対して圧電素子の容量等のばらつき分として所定の補正を加えても良い。
本電力損失テーブル50は制御部7(図1)内の記憶手段16に保存しておき、トランジスタの電力損失の演算時に参照する。なお、本駆動波形別電力損失データテーブルはインク種やその他の吐出液体に応じて複数のテーブルを準備し、適宜切り替えても良い。
駆動波形VCOM40は吐出周期に準じて、時間T1、時間T2、時間T3と連続的に出力しており、圧電素子からのPULL電流はドットデータに基づいたインク滴量に準じた電流となっている。
トランジスタの過熱検出は定期的な周期でチェックしており、図6に示すTchkタイミングで過熱検出を行った場合、インク吐出が直前に行われた時間T2において算出された駆動DUTYを、電力損失を演算するパラメータとして使用する。
このように、インク吐出が直前に行われた時間T2の駆動波形における駆動DUTYを使用することにより、トランジスタの過熱検出を行うタイミングに最も近い駆動DUTYを使用することができる。なお、駆動DUTYの算出期間は時間T2に限定されるものではなく、例えば、時間T2から時間T3までの期間における駆動DUTYを利用しても良い。
複数のPULLパルス波形からなる駆動波形で生じるパルス電力損失は駆動波形VCOM40と駆動ノズル数(駆動DUTY)に依存する。更に複数のインク滴量を持つため、インク滴量毎にノズル列の電力損失を求める必要がある。インク滴量毎の電力損失は、ノズル列の全ノズルを同じ滴量で吐出した時に生じるトランジスタ電力損失(DUTY100%時の電力損失)と、インク滴量毎の駆動DUTYとを乗算することでインク滴量毎の電力損失が算出できる。
以上より、ノズル列単位のトランジスタの総電力損失は、
(DUTY100%時の大滴電力損失x DUTY) + (DUTY100%の中滴電力損失x DUTY) + (DUTY100%時の小滴電力損失x DUTY) + (DUTY100%時の微駆動電力損失x DUTY)
となる。
ΔTj-fとΔTf-aは、この2点間に与えられた電力損失と熱抵抗の積である。従って、トランジスタのジャンクション温度Tjは式2で算出できる。
Tj= ΔTj-f + ΔTf-a + Ta ・・・(式2)
ΔTf-a = Tj −(ΔTj-f + Ta)・・・(式3)
となる。
ここで、ジャンクション温度Tjは、所定値にディレーティングした120℃と設定する(例 150℃ x 0.8 = 120℃)。
このため、トランジスタの過熱エラー検出点であるフィン温度上昇値Tc(cal)を演算する式は、
フィン温度上昇値Tc(cal)= 120 -[([ΣPixαi] x〔Rth(j-c)+ Rth(c-f)〕)+ Ta ]
・・・(式4)
となる。
なお、熱抵抗Rth(j-c)はトランジスタのパッケージサイズで、熱抵抗Rth(c-f)は絶縁シート等で決まる既知の値である。
以下、この処理ルーチンの中で行われる過熱検出処理の詳細について説明する。
ヘッドを駆動する駆動波形は、サーミスタ2が出力する周囲温度に応じて駆動波形保存部4(図1)から選択しているため、制御部7は、始めにサーミスタ2(図1)から周囲温度Taを取得する(ステップS1)。
次に、制御部7は、滴量別の駆動ノズル数カウント手段13(図1)から求めた駆動DUTY αをインク滴量別毎に取得する(ステップS3)。
次に、制御部7は、ステップS1で取得した周囲温度Taと、ステップS2で取得したインク滴量別の電力損失Pと、ステップS3で取得したインク滴量別の駆動DUTYα、既知のジャンクション〜フィン間の熱抵抗Rth(j-c) + Rth(c-f) を式4(図7)にて演算してフィン温度Tc(cal)を算出する(ステップS4)。
次に、制御部7は、ステップS4で演算したフィン温度の上昇値Tc(cal)とステップS5で取得した検出フィン温度の上昇値Tc(mon)とを比較する(ステップS6)。
もし、フィン温度の上昇値Tc(cal)より検出フィン温度の上昇値Tc(mon)が高い場合は、制御部7は、過熱エラーの報告、或いは印刷動作の一時中断、或いは印刷処理速度の低下等のエラー処理を行う(ステップS7、ステップS8)。
もし、フィン温度の上昇値Tc(cal)より検出フィン温度の上昇値Tc(mon)が低い場合は、本処理を終了する。
フィン温度Tc(cal)を決定するための他の実施形態として、上記ステップS1で取得する周囲温度Taと、ステップS2で取得するインク滴量別の電力損失Pと、インク滴量別の駆動DUTY αを使用せず、駆動波形別電力損失テーブル50の中から最大の電力損失を取得して、この値からフィン温度Tc(cal)を算出しても良い。要するにインク滴量や周囲温度によらず、駆動DUTYαが100%の場合における最大の電力損失を使用する。
また、少なくとも2個以上のサーミスタ3から検出した放熱フィン温度Tc(mon)とフィン温度Tc(cal)とを比較しても良い。これにより、駆動するヘッドやノズル列に偏りがあった場合でも、複数のサーミスタ3によりフィン温度が監視できるため、単一のサーミスタの場合に設けていた過熱エラーのしきい値にマージンが不要となる。
本発明の実施形態では、強制冷却によってケースとエア間の熱抵抗を絶対的に小さくすることでバラツキを抑え、更にケース温度をモニタすることでケースとエア間の熱抵抗バラツキを極力回避して、消費電力とジャンクション-ケース間熱抵抗から求めるジャンクション温度を精度良くかつ実用的な検出を提供することができる。
2 サーミスタ
3 サーミスタ
4 駆動波形保存部
5a〜5b DAC
6a〜6b 増幅器
7 制御部
8a〜8d トランジスタ
10a〜10n 圧電素子
11,21 アナログスイッチ
12 電流増幅回路
13 駆動ノズル数カウント手段
14 滴量判別部
16 記憶手段
20a〜20n 圧電素子
31 用紙
32 ヘッドアレイ
40 駆動波形VCOM
Claims (7)
- 液滴を吐出する複数のノズルを設けたインクジェット式のヘッドを有するインクジェット式印刷装置であって、
すべてのノズルを滴量i(i=1〜n;iは異なるインク滴量を区別するための番号、nは任意の整数)で吐出した場合の電力損失データPiを、滴量iおよび周囲温度Ta毎に、予め記憶している駆動波形別電力損失データテーブルと、
前記ノズル毎に液滴吐出量を指示するドットデータから、各ノズルが吐出する滴量iを判別する滴量判別部と、
前記ヘッドの全ノズル数分の前記ドットデータから成る印字データから、滴量iで駆動されるノズル数を、滴量別に各々カウントする滴量別ノズル数カウント手段と、
前記駆動素子が実装されている放熱フィンの温度を検出するフィン温度検出部と、
周囲温度Taを検出する周囲温度検出部と、
前記駆動波形別電力損失データテーブルから求める駆動素子の電力損失Piと、前記滴量別ノズル数カウント手段から求めるヘッドの全ノズル数に占める滴量iのノズル数の割合αiと、既知の最大ジャンクション温度Tj(max)と、ジャンクションから冷却フィンまでの間の熱抵抗R(j−f)と、前記周囲温度Taとから、演算上のフィン温度の上昇値Tc(cal)を求める制御部とを備え、
前記制御部は、前記フィン温度検出部から検出される温度と前記周囲温度検出部から検出される周囲温度Taとの差分である、検出されたフィン温度の上昇値Tc(mon)が、前記制御部によって式1を用いて求められた、演算上のフィン温度の上昇値Tc(cal)より高い場合に、前記駆動素子の過熱エラーと判断する、ことを特徴とするインクジェット式印刷装置。
Tc(cal)=Tj(max)−[[ΣPi×αi]×R(j−f) + Ta]・・・(式1)
ここで、Σ(Pi×αi)は、インク滴量iの電力損失とインク滴量iのノズルの駆動DUTYαとを乗算し、乗算した値をすべてのインク滴量について加算した総和。 - 複数のヘッドを駆動する駆動素子群を1つの放熱フィン上に実装することを特徴とする請求項1記載のインクジェット式印刷装置。
- 単一のヘッドを駆動する駆動素子群を1つの放熱フィン上に実装することを特徴とする請求項1記載のインクジェット式印刷装置。
- 前記フィン温度検出部は、少なくとも2個以上を所定の距離を隔てて放熱フィン上に実装することを特徴とする請求項2記載のインクジェット式印刷装置。
- 液滴を吐出する複数のノズルを設けたインクジェット式のヘッドと、
すべてのノズルを滴量i(i=1〜n;iは異なるインク滴量を区別するための番号、nは任意の整数)で吐出した場合の電力損失データPiを、滴量iおよび周囲温度Ta毎に、予め記憶している駆動波形別電力損失データテーブルと、
前記ノズル毎に液滴吐出量を指示するドットデータから、各ノズルが吐出する滴量iを判別する滴量判別部と、
前記ヘッドの全ノズル数分の前記ドットデータから成る印字データから、滴量iで駆動されるノズル数を、滴量別に各々カウントする滴量別ノズル数カウント手段と、
前記駆動素子が実装されている放熱フィンの温度を検出するフィン温度検出部と、
周囲温度Taを検出する周囲温度検出部と、
制御部と、
を備えたインクジェット式印刷装置における加熱エラー検出方法であり、
前記駆動波形別電力損失データテーブルから求める駆動素子の電力損失Piと、前記滴量別ノズル数カウント手段から求めるヘッドの全ノズル数に占める滴量iのノズル数の割合αiと、既知の最大ジャンクション温度Tj(max)と、ジャンクションから冷却フィンまでの間の熱抵抗R(j−f)と、前記周囲温度Taとから、下記式2を用いて演算上のフィン温度の上昇値Tc(cal)を求めるステップと、
前記フィン温度検出部から検出される温度と前記周囲温度検出部から検出される周囲温度Taとの差分である、検出されたフィン温度の上昇値Tc(mon)を求めるステップと、
前記検出されたフィン温度の上昇値Tc(mon)が前記演算上のフィン温度の上昇値Tc(cal)より高い場合に、前記駆動素子の過熱エラーと判断するステップと、
を有することを特徴とする、加熱エラー検出方法。
Tc(cal)=Tj(max)−[[ΣPi×αi]×R(j−f) + Ta]
・・・(式2)
ここで、Σ(Pi×αi)は、インク滴量iの電力損失とインク滴量iのノズルの駆動DUTYαとを乗算し、乗算した値をすべてのインク滴量について加算した総和。 - 複数のフィン温度検出部が所定の距離を隔てて放熱フィン上に実装され、
前記制御部は、
いずれか1つのフィン温度検出部が検出する検出フィン温度が演算フィン温度より高い時に駆動素子の過熱エラーと判断するステップを有することを特徴とする請求項5記載のインクジェット式印刷装置の過熱エラー検出方法。 - 前記制御部は、
前記周囲温度Taと滴量と駆動波形別電力損失データテーブルから求める駆動素子の電力損失Piの中の最大値とノズル数の割合αi=100%から求めた1つの演算フィン温度により過熱エラーを判断するステップを有することを特徴とする請求項5記載のインクジェット式印刷装置の過熱エラー検出方法。
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