JP6055449B2 - 車両下部構造 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、車両(例えば、実施形態の車両1)の乗員が搭乗するシート(例えば、実施形態のシートS)を備えた乗員室(例えば、実施形態の乗員室2)の床に設けられたフロアパネル(例えば、実施形態のフロアパネル8)と、車幅方向中央部に配置され、且つ車両前後方向に延在するフロアトンネル(例えば、実施形態のフロアトンネル20)と、車幅方向両端部に配置され、且つ車両前後方向に延在するサイドシル(例えば、実施形態のサイドシル7)と、前記フロアパネル上に接合され、且つ前記フロアトンネルと前記サイドシルとの間に亘って車幅方向に延在するフロアクロスメンバ(例えば、実施形態のフロアクロスメンバ14)と、前記フロアパネルの前方から前記フロアクロスメンバに亘って車両前後方向に延在する第一フロアフレーム(例えば、実施形態のフロントフロアフレーム13)と、を備え、前記第一フロアフレームは、上側部材(例えば、実施形態の上側部材13U)と、下側部材(例えば、実施形態の下側部材13D)と、を有し、前記フロアパネルを介して前記上側部材と、前記下側部材と、を接合することで前記第一フロアフレームが閉断面を形成し、前記上側部材と前記下側部材との合わせ目(例えば、実施形態の合わせ目44)が、前記フロアパネルの後方に進むに従って下方に傾斜し、この傾斜に従って前記フロアパネルも下方に傾斜し、前記上側部材の後端部(例えば、実施形態の後端部13Z)が前記フロアクロスメンバの上下幅に亘って接続され、前記第一フロアフレームの上下幅が車両前後方向に亘って略一定とされていることを特徴とするものである。
上記構成により、例えば、前突時に車両の前方側から大きな衝撃荷重が入力されると、その衝撃荷重は、第一フロアフレームに入力され、第一フロアフレームの長手方向に伝達され、第一フロアフレームの後端部からフロアクロスメンバへと連続的に伝達される。そして、フロアクロスメンバに伝達された衝撃荷重は、両側に配置されたフロアトンネルやサイドシルに効率良く分散される。このため、車両の前突性能が向上する。
また、例えば、フロアパネルがフロアクロスメンバの前方で下方に傾斜していることで、シートの設置位置がより下方になるため、シートの着座点が下降し得る。
また、上記構成により、前突時に第一フロアフレームに入力された衝撃荷重の伝達効率が向上すると共に、第一フロアフレームの上下幅の増大が抑えられる。
上記構成により、例えば、前突時に、第一フロアフレームに伝達された衝撃荷重が強度の高い第一稜線と第二稜線とに沿って連続的に伝達されるので、フロアクロスメンバ、フロアトンネル及びサイドシルにより効率良く分散される。
上記構成により、例えば、シート等の部品をフロアパネルに固定するためにフロアクロスメンバに傾斜面が必要とされる場合であっても、第一フロアフレームの後端部が傾斜面に被るように接続された状態で、第一稜線と第二稜線とが連結されているので、前突時に第一フロアフレームに入力された衝撃荷重が第一稜線を伝ってフロアクロスメンバに伝達され、フロアクロスメンバの両端に接続されているフロアトンネル及びサイドシルにより効率良く分散される。
上記構成により、例えば、一対の第一稜線がそれぞれフロアクロスメンバに連結されているので、前突時に第一フロアフレームに入力された衝撃荷重が第一稜線を伝ってフロアクロスメンバ、フロアトンネル及びサイドシルにより効率良く分散される。
上記構成により、例えば、前突時の衝撃荷重の大部分はフロントサイドフレームに入力された後に後方に伝達されるので、この大きな衝撃荷重がフロントサイドフレームから第一フロアフレームに連続して伝達され、さらにフロアクロスメンバ、フロアトンネル及びサイドシルにより効率良く分散される。
上記構成により、前突時に第一フロアフレームに入力された衝撃荷重がフロアクロスメンバを介して第二フロアフレームに連続的且つ直線的に効率良く伝達される。また、フロアパネル後部が第二フロアフレームによって補強されていることで、フロアパネル後部の歪みや捻じれ、及び振動が抑制される。
上記構成により、第二フレアフレームに伝達された衝撃荷重が連続的に閉断面部に伝達されるので、衝撃荷重が効率良く車幅方向に分散される。また、第二フロアフレームがフロアクロスメンバと強度の高い閉断面部とに接続されているので、フロアパネル後部の歪みや捻じれ、及び振動がより抑制される。
図1に示すように、本実施形態の車両1の車体後部には、エンジン(不図示)が搭載されている。車両1は、前記エンジンによって後輪を駆動する後輪駆動車両である。車両1の乗員が搭乗する乗員室2には、乗員が着座するためのシートSが設置されている。乗員室2の前方には、フロント側のサスペンション装置等が収容される車両前部室3が配置されている。乗員室2の後方側には、車両後部室であるエンジンルーム4が配置されている。乗員室2と車両前部室3の間は、前部側隔壁部5によって仕切られている。乗員室2とエンジンルーム4の間は、後部側隔壁部6によって仕切られている。
図1及び図2に示すように、フロアトンネル20は、下部トンネル部材20Lと、上部トンネル部材20Uと、有している。下部トンネル部材20Lは、上向きに開口するハット型断面形状を有し、車両前後方向に沿って延出している。下部トンネル部材20Lの左右の開口縁部は、車幅方向の略中央部に接合されている。上部トンネル部材20Uは、下向きに開口する略コ字状の断面形状を有し、車両前後方向に沿って延出している。上部トンネル部材20Uの左右の開口縁部は、下部トンネル部材20Lの上端側の側縁部に沿って接合されている。上部トンネル部材20Uと下部トンネル部材20Lが相互に接合されることにより、両者の間で車両前後方向に沿う略矩形状の図示しない閉断面部が形成されている。
車体のフロア部は、上記説明したフロアパネル8、フロアトンネル20、サイドシル7等で構成されている。
フロントフロアフレーム13は、略コ字状断面を形成する上側部材13Uと、下側部材13Dと、を有し、上側部材13Uと下側部材13Dがフロアパネル8を挟んで上下で接合されることで構成されている。
図5に示すように、上側部材13Uと下側部材13Dとの合わせ目44は、フロアパネル8の後方に進むに従って下方に傾斜している。このような合わせ目44の下降(傾斜)に伴い、フロアパネル8も下方に傾斜している。そして、フロアクロスメンバ14の前方で合わせ目44の下降は完了し、合わせ目44の後端44Zがフロアクロスメンバ14の前方に配置されている。下側部材13Dは後端44Z、即ちフロアクロスメンバ14の前方で消失している。
従って、上側部材13Uの後端部13Zは、フロアクロスメンバ14の上下幅に亘って接続されている。本実施形態では、フロアクロスメンバ14には、上側部材13Uが接合され、下側部材13Dは接続されていない。
フロアクロスメンバ14の上端部14Tには、車幅方向に延在する稜線32(第二稜線)が設けられている。上側部材13Uの稜線31の後端部31Zは、稜線32近傍に接続されている。また、フロアクロスメンバ14は、稜線32よりフロアパネル8の前方に配置され、且つ前方に進むに従って下方に傾斜する傾斜面34を備えている。稜線32は、傾斜面34の後方に配置されている。
上側部材13Uの後端部13Zは、少なくとも傾斜面34に接続されている。また、上側部材13Uの後端部13Zは、上面36及び稜線31A,31Bをフロアクロスメンバ14に接合している。前突時の衝撃荷重に対する車両1の耐力を高める観点から、図2に示すように、フロントフロアフレーム13の後端部にフロアクロスメンバ14の延在方向に向けて漸次拡開する接続部47が形成され、接続部47が傾斜面34及び上端部14T近傍に接合されていることが好ましい。
図6に示すように、リアフロアフレーム40は、略コ字状断面を形成する上側部材40Uを有し、上側部材40Uの左右の開口縁部がフロアパネル8上に接合されることで形成されている。上側部材40Uとフロアパネル8との接合により、図示しない閉断面が形成されている。上側部材40Uの上部には、車両前後方向に延在する稜線50が設けられている。図示例では、稜線50は、一対の稜線50A,50Bから構成されている。
図2及び図6に示すように、リアフロアフレーム40は、車幅方向においてフロントフロアフレーム13と略重なる位置に配置されている。
本実施形態に係る車両下部構造60においては、フロントフロアフレーム13は、上側部材13Uと、下側部材13Dと、を有し、フロアパネル8を介して上側部材13Uと、下側部材13Dと、を接合することでフロントフロアフレーム13が閉断面49を形成している。上側部材13Uと下側部材13Dとの合わせ目44は、フロアパネル8の後方に進むに従って下方に傾斜し、この傾斜に従ってフロアパネル8も下方に傾斜し、上側部材13Uがフロアクロスメンバ14の上下幅に亘って接続されている。
上記により、例えば、車両1の前方側から大きな衝撃荷重が入力されると、その衝撃荷重がフロントフロアフレーム13に入力され、フロントフロアフレーム13の長手方向に伝達され、フロントフロアフレーム13の後端部からフロアクロスメンバ14へと連続的に伝達される。そして、フロアクロスメンバ14に伝達された衝撃荷重は、両側に配置されたフロアトンネル20やサイドシル7に効率良く分散される。その結果、車両1の前突性能を向上させることができる。また、例えば、フロアパネル8がフロアクロスメンバ14の前方で下方に傾斜していることで、シートSの設置位置をより下方にし、シートSの着座点を下げることができる。従って、車両1の高さを抑え、車両1に加わる空気抵抗を低減することができる。
2…乗員室
7…サイドシル
8…フロアパネル
8Z,10Z,31Z,40Z…フロアパネル
10…フロントサイドフレーム
10Z,13Z,31Z…後端部
13…フロントフロアフレーム(第一フロアフレーム)
13D…下側部材
13U…上側部材
13F…前端部
14…フロアクロスメンバ
14T,31T…上端部
20…フロアトンネル
31,31A,31B…稜線(第一稜線)
32…稜線(第二稜線)
34…傾斜面
36…上面
40…リアフロアフレーム(第二フロアフレーム)
44…合わせ目
49…閉断面
58…閉断面部
60…車両下部構造
S…シート
Claims (7)
- 車両の乗員が搭乗するシートを備えた乗員室の床に設けられたフロアパネルと、車幅方向中央部に配置され、且つ車両前後方向に延在するフロアトンネルと、車幅方向両端部に配置され、且つ車両前後方向に延在するサイドシルと、前記フロアパネル上に接合され、且つ前記フロアトンネルと前記サイドシルとの間に亘って車幅方向に延在するフロアクロスメンバと、前記フロアパネルの前方から前記フロアクロスメンバに亘って車両前後方向に延在する第一フロアフレームと、を備え、
前記第一フロアフレームは、上側部材と、下側部材と、を有し、
前記フロアパネルを介して前記上側部材と、前記下側部材と、を接合することで前記第一フロアフレームが閉断面を形成し、
前記上側部材と前記下側部材との合わせ目が、前記フロアパネルの後方に進むに従って下方に傾斜し、この傾斜に従って前記フロアパネルも下方に傾斜し、前記上側部材の後端部が前記フロアクロスメンバの上下幅に亘って接続され、
前記第一フロアフレームの上下幅は、車両前後方向に亘って略一定とされていることを特徴とする車両下部構造。 - 前記上側部材の上端部に、車両前後方向に延在する第一稜線が設けられ、
前記フロアクロスメンバの上端部に、車幅方向に延在する第二稜線が設けられ、
前記第一稜線の後端部が、前記第二稜線近傍に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の車両下部構造。 - 前記フロアクロスメンバは、前記第二稜線より前記フロアパネルの前方に配置されて前方に進むに従って下方に傾斜する傾斜面を備え、
前記上側部材の後端部は、少なくとも前記傾斜面に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の車両下部構造。 - 前記上側部材の上端部は、上面と、該上面の両端部に形成される一対の前記第一稜線と、を有し、
前記上側部材の後端部は、前記上面及び一対の前記第一稜線を前記フロアクロスメンバに接合することを特徴とする請求項2に記載の車両下部構造。 - 前記車両の車体前部左右にフロントサイドフレームが設けられ、
前記フロントサイドフレームの後端部は、前記第一フロアフレームの前端部に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一項に記載の車両下部構造。 - 前記フロアパネルに接合されると共に、前記フロアクロスメンバから車両後方に向けて延在する第二フロアフレームを備え、
前記第二フロアフレームは車幅方向において前記第一フロアフレームと重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のうち何れか一項に記載の車両下部構造。 - 前記フロアパネルの後端部に、車幅方向に延在する閉断面部が形成され、
前記第二フロアフレームの後端部は前記閉断面部近傍に接合されていることを特徴とする請求項6に記載の車両下部構造。
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