JP6055326B2 - 検体搬送システム - Google Patents

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Description

本発明は、検体搬送システムに関する。
検体搬送システムは、例えば検体ラックに収容された検体を搬送するシステムであり、検体前処理装置などから得られる検体を収容した検体ラックをその検体の分析装置などへ搬送する。検体搬送システムには、例えば複数の分析装置が接続されており、検体搬送システムは、例えば検体の搬送経路を変更するターンユニットなどを適宜制御することにより、それら複数の分析装置のうち、検体に応じて特定される分析装置に対してその検体を搬送する(特許文献1,2参照)。
一般的に、検体搬送システムなどのシステムにおいては、システム全体を制御して管理する中央制御部が設けられる。例えばコンピュータなどにより構成される中央制御部が、検体または検体ラックに応じて、検体搬送システム内の複数のターンユニットなどを制御することにより、その検体または検体ラックに応じた分析装置へそれらを搬送する。
特開2007−315835号公報 特開2000−55924号公報
上述した背景技術に鑑み、本願の発明者は、検体搬送システムに関する新たなシステム構成について研究開発を重ねてきた。特に、複数のモジュールで構成される検体搬送システムのモジュール間におけるデータ通信に注目した。
本発明は、その研究開発の過程において成されたものであり、その目的は、検体搬送システムのモジュール間におけるデータ通信の改良技術を提供することにある。
上記目的にかなう好適な検体搬送システムは、検体を搬送する検体搬送システムであって、隣接するモジュール同士を連結させた複数のモジュールで構成され、互いに連結されて検体とデータを授受する送信側モジュールと受信側モジュールを含み、前記送信側モジュールは、データ信号と準備信号の各々をオンまたはオフに切り替える手段と、前記受信側モジュールへデータ信号と準備信号を出力する手段と、を備え、送信するデータに応じてデータ信号をオンまたはオフとし、且つ、準備信号をオンとすることにより、前記受信側モジュールへデータを送信し、準備信号をオフとし、且つ、データ信号をオンとすることにより、前記受信側モジュールへデータ送信の終了を伝える、ことを特徴とする。
上記構成において、互いに連結された2つのモジュールのうち、データを送信する方が送信側モジュールであり、そのデータを受信する方が受信側モジュールである。送受されるデータは、例えば、搬送される検体に係る情報等である。なお、1つのモジュールが送信側モジュールとしての機能と受信側モジュールとしての機能を兼ね備えてもよい。
また、上記構成において、送信側モジュールは、送信するデータに応じてデータ信号をオンまたはオフとし、且つ、準備信号をオンとすることにより、受信側モジュールへデータを送信し、さらに、準備信号をオフとし、且つ、データ信号をオンとすることにより、受信側モジュールへデータ送信の終了を伝えている。つまり、データ信号と準備信号により、データを送信する際に利用されないオンオフ状態を巧みに利用してデータ送信の終了を伝えることにより、モジュール間におけるデータ通信を可能としている。
そのため、例えば、システム全体を管理する中央制御部による制御を大幅に軽減し、望ましくは中央制御部を必要とせずに、各モジュール自身の判断により、システム全体として比較的効率的な搬送処理を実現することができる。また、例えば、データ信号と準備信号を利用した比較的簡易な構成で、望ましくは、これら2つの信号に対応した2本の信号線のみにより、モジュール間におけるデータの送信が可能になる。
望ましい具体例において、前記受信側モジュールは、前記送信側モジュールから出力されるデータ信号と準備信号を入力する手段と、承認信号をオンまたはオフに切り替える手段と、前記送信側モジュールへ承認信号を出力する手段と、前記送信側モジュールから送信されたデータが正常か否かを確認する手段と、を備え、前記送信側モジュールからデータ送信の終了を伝えられると、承認信号をオンとしてから、送信されたデータが正常か否かを確認し、データが正常か否かに応じてタイミングを異ならせて承認信号をオフとすることを特徴とする。
上記構成によれば、受信側モジュールにおけるデータの確認結果を承認信号により送信側モジュールへ伝えることが可能になる。つまり、データ信号と準備信号を利用して送信されたデータの確認結果を承認信号を利用して伝えることが可能になる。これにより、例えば、データ信号と準備信号と承認信号を利用した比較的簡易な構成で、望ましくは、これら3つの信号に対応した3本の信号線のみにより、モジュール間においてデータを送信してそのデータの確認結果を伝えることが可能になる。
望ましい具体例において、前記送信側モジュールは、前記受信側モジュールから出力される承認信号を入力する手段と、時間を計測する手段と、をさらに備え、承認信号がオンとなってから時間の計測を開始し、計測した時間を承認信号がオフとなってから確認し、その時間が閾値に達しているか否かに基づいて、データを再送するか否かを判定する、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記受信側モジュールは、前記送信側モジュールから送信されたデータが正常ではないことを確認すると、所定の遅延時間を経過してから、承認信号をオフとする、ことを特徴とする。
また、上記目的にかなう好適な検体搬送モジュールは、検体搬送システムを構成する検体搬送モジュールであって、データ信号と準備信号の各々をオンまたはオフに切り替える手段と、当該モジュールに接続された受信側モジュールへデータ信号と準備信号を出力する手段と、を備え、送信するデータに応じてデータ信号をオンまたはオフとし、且つ、準備信号をオンとすることにより、前記受信側モジュールへデータを送信し、準備信号をオフとし、且つ、データ信号をオンとすることにより、前記受信側モジュールへデータ送信の終了を伝える、ことを特徴とする。
望ましい具体例において、前記検体搬送モジュールは、当該モジュールに接続された送信側モジュールから出力されるデータ信号と準備信号を入力する手段と、承認信号をオンまたはオフに切り替える手段と、前記送信側モジュールへ承認信号を出力する手段と、前記送信側モジュールから送信されたデータが正常か否かを確認する手段と、を備え、前記送信側モジュールからデータ送信の終了を伝えられると、承認信号をオンとしてから、送信されたデータが正常か否かを確認し、その確認後に承認信号をオフとする、ことを特徴とする。
本発明により、検体搬送システムのモジュール間におけるデータ通信の改良技術が提供される。例えば、本発明の好適な態様によれば、データ信号と準備信号を利用した比較的簡易な構成で、モジュール間におけるデータの送信が可能になる。また、本発明の別の好適な態様によれば、データ信号と準備信号と承認信号を利用した比較的簡易な構成で、モジュール間においてデータを送信してそのデータの確認結果を伝えることが可能になる。
本発明の実施において好適な第1の検体搬送システムを示す図である。 本発明の実施において好適な第2の検体搬送システムを示す図である。 各モジュールが入出力する信号を説明するための図である。 送信側モジュールによる送信処理を示すフローチャートである。 受信側モジュールによる受信処理を示すフローチャートである。 モジュール間におけるデータ通信のタイミングチャートである。
図1は、本発明の実施において好適な第1の検体搬送システム100を示している。図1の検体搬送システム100は、複数の開栓モジュール10を備えている。検体は、例えば試験管などの容器に収められ、さらに検体を収めた1本以上の容器がラックRに保持されている。
各開栓モジュール10は、検体を収容した容器の栓を開けるモジュールである。各開栓モジュール10は、ラックRを搬送するコンベアCと開栓機構を備えており、コンベアCによりラックRを開栓ポジションPまで移動させ、開栓ポジションPにある開栓機構を作動させて、ラックRに保持された容器を開栓する。
複数の開栓モジュール10は、隣接する開栓モジュール10同士を連結させて上流側から下流側に向かう開栓モジュール列を構成している。つまり、隣接する開栓モジュール10のコンベアCが連結され、開栓モジュール列内において、破線矢印で図示する方向にラックRを搬送する。そして、例えば、検体搬送システム100の下流側に接続される分析装置などに、開栓された容器を保持したラックRが搬送される。
開栓モジュール列内の各開栓モジュール10は、各開栓モジュール10に連結される他の開栓モジュール10との間において、例えば搬送する検体やラックRに関するデータを遣り取りする。なお、データの遣り取りにより、開栓モジュール列内における複数の開栓モジュール10の連結状態や、各開栓モジュール10における開栓処理の状況を確認し、下流側の開栓モジュール10に優先的に開栓処理させる制御などが実現されてもよい。
図2は、本発明の実施において好適な第2の検体搬送システム100を示している。図2の検体搬送システム100は複数のラック供給モジュール20で備えている。検体は、例えば試験管などの容器に収められ、検体を収めた1本以上の容器がラックRに保持されている。そして、1つのトレイに複数のラックRが載せられ、例えば、ユーザが各ラック供給モジュール20に複数のトレイ(1〜n)を搭載する。
各ラック供給モジュール20は、ラックRを搬送するコンベアCと、各トレイ(1〜n)からコンベアCにラックRを載せる機構を備えており、各トレイ(1〜n)に載せられたラックRをコンベアCに載せ、コンベアCによりラックRを下流側に移動させる。
複数のラック供給モジュール20は、隣接するラック供給モジュール20同士を連結させて上流側から下流側に向かうラック供給モジュール列を構成している。つまり、隣接するラック供給モジュール20のコンベアCが連結され、ラック供給モジュール列内において、破線矢印で図示する方向にラックRを搬送する。そして、例えば、検体搬送システム100の下流側に接続される分析装置などに、各トレイ(1〜n)に載せられたラックRが次々に搬送される。
各ラック供給モジュール20に複数のトレイ(1〜n)が架設され、そのラック供給モジュール20がラックを供給できる状態にある場合に、そのラック供給モジュール20はラック供給待機状態となる。そして、全てのラック供給モジュール20がラック待機状態となっている場合には、例えば下流側のラック供給モジュール20から順にラックRの供給が行われる。また、各ラック供給モジュール20内においても、例えば下流側のトレイ1から順にラックRが取り出されて搬送され、最上流のトレイnに載せられた全てのラックRが無くなるまで、ラックRの搬送が続けられる。なお、各ラック供給モジュール20内において、トレイ(1〜n)の搬送順を変更できる構成としてもよい。
ラック供給モジュール列内の各ラック供給モジュール20は、各ラック供給モジュール20に連結される他のラック供給モジュール20との間において、例えば搬送する検体やラックRに関するデータを遣り取りする。なお、データの遣り取りにより、ラック供給モジュール列内における複数のラック供給モジュール20の連結状態を確認してもよいし、各ラック供給モジュール20におけるラック供給状態を確認し、ラック供給待機状態にあるラック供給モジュール20にラックを供給させる制御などが実現されてもよい。
図1と図2に検体搬送システム100の具体例を示したが、複数の開栓モジュール10と複数のラック供給モジュール20とを組み合わせて検体搬送システム100が構成されてもよい。さらに、上流側から搬入される検体ラックを直線的に移動させて下流側へ搬出する直線モジュールや、上流側から搬入される検体ラックを回転移動させて検体ラックに応じた所望の下流側へ搬出するターンモジュールや、上流側から搬入される検体ラックを下流側の分析装置へ搬出する接続モジュールなどが組み合わされてもよい。
図3は、各モジュールが入出力する信号を説明するための図である。図3には、互いに連結される2つのモジュールが図示されている。2つの連結関係のうち、搬送経路の上流側に配置されるのが送信側モジュールであり、搬送経路の下流側に配置されるのが受信側モジュールである。なお、各モジュールの具体例は、開栓モジュール10(図1)、ラック供給モジュール20(図2)、直線モジュール、ターンモジュール、又は、接続モジュールなどである。
各モジュールは、準備信号(Ready信号)とデータ信号(Data信号)と承認信号(Ok信号)の各信号を出力する機能と各信号を入力する(受信する)機能を備えている。例えば、送信側モジュールは、図示されていないさらに上流のモジュールに対してOkOUTを出力する機能と、その上流のモジュールからReadyINとDataINを受信する機能を備えている。また、送信側モジュールは、下流の受信側モジュールに対してReadyOUTとDataOUTを出力する機能と、受信側モジュールからOkINを受信する機能を備えている。
一方、受信側モジュールは、上流の送信側モジュールに対してOkOUTを出力する機能と、その送信側モジュールからRadyINとDataINを受信する機能を備えている。また、受信側モジュールは、図示されていないさらに下流のモジュールに対してReadyOUTとDataOUTを出力する機能と、その下流のモジュールからOkINを受信する機能を備えている。
なお、図3に示すように送信側モジュールと受信側モジュールが連結された状態では、送信側モジュールから出力されるRadyOUTが受信側モジュールにおいてRadyINとして入力され、送信側モジュールから出力されるDataOUTが受信側モジュールにおいてDataINとして入力される。また、受信側モジュールから出力されるOkOUTが送信側モジュールにおいてOkINとして入力される。
そして、各モジュールは、制御部とカウンタとタイマーを備えている。カウンタは、データの送信回数や受信回数を計測(カウント)する機能を備えており、タイマーは、時間を計測する機能を備えている。制御部は、例えばマイコンなどであり、カウンタやタイマーの機能を利用して、モジュール間におけるデータ通信を制御する。そのデータ通信において、制御部は、各モジュールから出力する信号をオン(ON)またはオフ(OFF)に切り替え、各モジュールに入力される信号のオン(ON)またはオフ(OFF)を確認する。
これにより、例えば、送信側モジュールから受信側モジュールに検体や検体ラックを搬送する際に、その検体や検体ラックに関するデータが送信側モジュールから受信側モジュールに送信され、また、受信側モジュールにおけるデータの確認結果が送信側モジュールに伝えられる。
図4は、送信側モジュールによる送信処理を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、各データごとの送信処理を示しており、各データは1ビット以上で構成される。
送信処理が開始されると、送信側モジュールは、自身が備えるカウンタとタイマーをクリアする(S401)。例えばカウンタのカウント値とタイマーの計測値が共に0(ゼロ)とされる。そして、送信側モジュールは、受信側モジュールから出力されるOkOUTつまり自身に入力されるOkINを確認し(S402)、OkINがONであればOFFになるのを待つ。
OkINがOFFであれば、送信側モジュールは、送信するデータに応じてDataOUTをONまたはOFFにセットし、さらに、ReadyOUTをONとする(S403)。データは1ビットごとに送信され、送信ビットが「1」であればDataOUTがONにセットされ、送信ビットが「0」であればDataOUTがOFFにセットされる。そして、送信側モジュールは、OkINを確認し(S404)、OkINがOFFであればONになるのを待つ。
OkINがONになると、送信側モジュールは、ReadyOUTをOFFとし、且つDataOUTをOFFとする(S405)。そして、送信側モジュールは、OkINを確認し(S406)、OkINがONであればOFFになるのを待つ。
OkINがOFFになると、送信側モジュールは、カウンタの送信回数を1カウントだけ増加(インクリメント)させる(S407)。そして、送信側モジュールは、全データの送信が終了したか否かを確認する(S408)。全データの送信が終了していなければS402からS407までの処理が実行され、次の1ビットのデータが送信される。S402からS408までの処理は、全ビットの送信が終了するまで繰り返される。
全ビット(全データ)の送信が終了すると、送信側モジュールは、ReadyOUTをOFFとし、且つ、DataOUTをONとする(S409)。これにより、受信側モジュールへデータ送信の終了が伝えられる。そして、送信側モジュールは、OkINを確認し(S410)、OkINがOFFであればONになるのを待つ。
OkINがONになると、送信側モジュールは、タイマーによる時間の計測を開始する(S411)。そして、送信側モジュールは、OkINを確認し(S412)、OkINがONであればOFFになるのを待つ。
OkINがOFFになると、送信側モジュールは、DataOUTをOFFとし(S413)、タイマーにより計測された時間を確認する(S414)。送信側モジュールは、タイマーの時間が、閾値であるX/2秒以下であるか否かを確認し、X/2秒以下でなければ、受信側モジュールにおけるデータの確認結果に問題があると判断し、S401に戻って1ビット目からデータを再送信する。タイマーの時間がX/2秒以下であれば、受信側モジュールにおけるデータの確認結果が正常であると判断され、送信処理が終了する。
なお、複数のデータを送信する場合には、各データごとに図4のフローチャートが実行される。
図5は、受信側モジュールによる受信処理を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、図4のフローチャートにより送信される各データの受信処理を示している。
受信処理が開始されると、受信側モジュールは、自身が備えるカウンタをクリアする(S501)。例えばカウンタのカウント値が0(ゼロ)とされる。そして受信側モジュールは、送信側モジュールから出力されるReadyOUTつまり自身に入力されるReadyINを確認し(S502)、ReadyINがOFFであればONになるのを待つ。
ReadyINがONになると、受信側モジュールは、カウンタの受信回数を1カウントだけ増加(インクリメント)させ(S503)、送信側モジュールから出力されるDataOUTつまり自身に入力されるDataINを受信する(S504)。データは1ビットごとに受信され、DataINがOFFであれば受信ビットが「0」であり、DataINがONであれば受信ビットが「1」である。
そして、受信側モジュールは、OkOUTをONとしてから(S505)、ReadyINとDataINを確認し(S506)、ReadyINとDataINが共にOFFになるのを待つ。
ReadyINとDataINが共にOFFになると、受信側モジュールは、OkOUTをOFFとしてから(S507)、さらに、ReadyINとDataINを確認する(S508)。
ReadyINがOFF且つDataINがONでなければ、S502に戻り、次の1ビットのデータが送信されるのを待つ。S502からS508までの処理は、全ビットの受信が終了するまで繰り返される。
全ビットの送信が終了すると、S508において、ReadyINがOFF且つDataINがONとなり、受信側モジュールは、OkOUTをONとしてから(S509)、受信したデータが正常か否かを確認する(S510)。受信側モジュールの制御部は、例えば、受信したデータに含まれるチェックサムに基づいて、受信したデータのビット数とデータの内容に誤りが無いか否かを確認する。
受信したデータが正常ではない場合に、受信側モジュールは、遅延時間として設定されたX秒間だけ経過するのを待ってから(S511)、OkOUTをOFFにして(S512)、S501に戻って1ビット目からデータを再受信する。受信したデータが正常であれば、正常であることを確認してから直ちにOkOUTがOFFにされ(S513)、受信処理が終了する。
図5のS511における遅延時間のX秒は、図4のS414におけるタイマー時間の判定に影響を与える。そのため、遅延時間のX秒は、S414における判定を的確に行うことができる大きさに設定される。具体的には、例えば、図5のS510における受信データの正常か否かの確認に要する時間をA秒とすると、遅延時間のX秒はX>4Aに設定される。
図6は、モジュール間におけるデータ通信のタイミングチャートである。図6に示すタイミングチャートは、送信側モジュールによる図4の送信処理と、受信側モジュールによる図5の受信処理に対応している。なお、図6内における複数の横軸は、共通の時間軸である。
例えば、送信側モジュールから受信側モジュールへ搬送される検体または検体ラックに関するデータを送受信する場合には、検体または検体ラックの搬送処理が開始される時刻t1において、受信側モジュールがOkOUTをOFFとし、送信処理と受信処理が開始され、送信側モジュールがカウンタとタイマーをクリアし(図4のS401)、受信側モジュールもカウンタをクリアする(図5のS501)。
受信側モジュールがOkOUTをOFFとしており(時刻t1)、送信側モジュールにおけるOkINがOFFとなっているため(図4のS402)、時刻t2において、送信側モジュールは、送信するデータに応じてDataOUTをONまたはOFFにセットし(図4のS403)、さらに、時刻t3においてReadyOUTをONとする(図4のS403)。なお、DataOUTのセットとReadyOUTのONは同時(t2=t3)でもよい。
送信側モジュールがReadyOUTをONとしたため(時刻t3)、受信側モジュールにおけるReadyINがONとなり(図5のS502)、時刻t4において、受信側モジュールは、カウンタの受信回数を1カウントだけ増加させ(図5のS503)、送信側モジュールから出力されるDataOUTつまり自身に入力されるDataINを受信する(図5のS504)。そして、時刻t5において、受信側モジュールは、OkOUTをONとする(図5のS505)。
受信側モジュールがOkOUTをONとしたため(時刻t5)、送信側モジュールにおけるOkINがONとなり(図4のS404)、時刻t6において、送信側モジュールはReadyOUTをOFFとし、且つ、DataOUTをOFFとする(図4のS405)。これにより、受信側モジュールにおいて、ReadyINがOFF、且つ、DataINがOFFとなり(図5のS506)、時刻t7において、受信側モジュールは、OkOUTをOFFとする(図5のS507)。
受信側モジュールがOkOUTをOFFとしたため(時刻t7)、送信側モジュールにおけるOkINがOFFとなり(図4のS406)、時刻t8において、送信側モジュールは、カウンタの送信回数を1カウントだけ増加させ(図4のS407)、全データの送信が終了したか否かを確認する(図4のS408)。全データの送信が終了していなければ、全ビットの送信が終了するまで、1ビットずつデータの送受信が繰り返される。
全ビット(全データ)の送信が終了すると、時刻t9において、送信側モジュールは、ReadyOUTをOFFとし、且つDataOUTをONとする(図4のS409)。これにより、受信側モジュールにおいて、ReadyINがOFF且つDataINがONとなり(図5のS508)、時刻t10において、受信側モジュールは、OkOUTをONとしてから(図5のS509)、受信したデータが正常か否かを確認する(図5のS510)。
受信側モジュールがOkOUTをONとしたため(時刻t10)、送信側モジュールにおけるOkINがONとなり(図4のS410)、時刻t11において、送信側モジュールは、タイマーによる時間の計測を開始する(図4のS411)。
受信側モジュールは、受信したデータが正常でなければ、遅延時間として設定されたX秒間だけ経過するのを待ってから(図5のS511)OkOUTをOFFとし(図5のS512)、受信したデータが正常であれば、直ちにOkOUTをOFFとする(図5のS513)。つまり、OkOUTがOFFとされる時刻t12は、受信したデータが正常か否かに応じて前後する。
そして、時刻t12において、OkOUTがOFFとされると、送信側モジュールにおけるOkINがOFFとなり(図4のS412)、時刻t13において、送信側モジュールは、DataOUTをOFFとし(図4のS413)、タイマーにより計測された時間(例えば時刻t11から時刻t12まで)を確認する(図4のS414)。
送信側モジュールは、タイマーにより計測された時間が、閾値(例えばX/2秒)以下であるか否かを確認する。タイマーの時間が閾値以下でなければ、受信側モジュールにおけるデータの確認結果に問題があると判断し、時刻t1の状態に戻って、1ビット目からデータの再送信と再受信が行われる。タイマーの時間が閾値以下であれば、受信側モジュールにおけるデータの確認結果が正常であると判断され、データの送受信が終了する。
なお、複数のデータを送信する場合には、各データごとに図6の時刻t1から送受信が実行される。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
例えば、上述した実施形態においては、準備信号(Ready信号)とデータ信号(Data信号)と承認信号(Ok信号)の3本の信号によるデータ通信を説明したが、データ信号を複数本として複数ビットのデータを並列的に送受信する変形態様や、準備信号と承認信号の少なくとも一方を2本にして実質的に1本の場合と同じ機能を実現する変形態様なども、本発明に包含される。
10 開栓モジュール、20 ラック供給モジュール、100 検体搬送システム。

Claims (6)

  1. 検体を搬送する検体搬送システムであって、
    隣接するモジュール同士を連結させた複数のモジュールで構成され、互いに連結されて検体とデータを授受する送信側モジュールと受信側モジュールを含み、
    前記送信側モジュールは、
    データ信号と準備信号の各々をオンまたはオフに切り替える手段と、
    前記受信側モジュールへデータ信号と準備信号を出力する手段と、
    を備え、
    送信するデータに応じてデータ信号をオンまたはオフとし、且つ、準備信号をオンとすることにより、前記受信側モジュールへデータを送信し、
    準備信号をオフとし、且つ、データ信号をオンとすることにより、前記受信側モジュールへデータ送信の終了を伝える、
    ことを特徴とする検体搬送システム。
  2. 請求項1に記載の検体搬送システムにおいて、
    前記受信側モジュールは、
    前記送信側モジュールから出力されるデータ信号と準備信号を入力する手段と、
    承認信号をオンまたはオフに切り替える手段と、
    前記送信側モジュールへ承認信号を出力する手段と、
    前記送信側モジュールから送信されたデータが正常か否かを確認する手段と、
    を備え、
    前記送信側モジュールからデータ送信の終了を伝えられると、承認信号をオンとしてから、送信されたデータが正常か否かを確認し、データが正常か否かに応じてタイミングを異ならせて承認信号をオフとする、
    ことを特徴とする検体搬送システム。
  3. 請求項2に記載の検体搬送システムにおいて、
    前記送信側モジュールは、
    前記受信側モジュールから出力される承認信号を入力する手段と、
    時間を計測する手段と、
    をさらに備え、
    承認信号がオンとなってから時間の計測を開始し、計測した時間を承認信号がオフとなってから確認し、その時間が閾値に達しているか否かに基づいて、データを再送するか否かを判定する、
    ことを特徴とする検体搬送システム。
  4. 請求項3に記載の検体搬送システムにおいて、
    前記受信側モジュールは、
    前記送信側モジュールから送信されたデータが正常ではないことを確認すると、所定の遅延時間を経過してから、承認信号をオフとする、
    ことを特徴とする検体搬送システム。
  5. 検体搬送システムを構成する検体搬送モジュールであって、
    データ信号と準備信号の各々をオンまたはオフに切り替える手段と、
    当該モジュールに接続された受信側モジュールへデータ信号と準備信号を出力する手段と、
    を備え、
    送信するデータに応じてデータ信号をオンまたはオフとし、且つ、準備信号をオンとすることにより、前記受信側モジュールへデータを送信し、
    準備信号をオフとし、且つ、データ信号をオンとすることにより、前記受信側モジュールへデータ送信の終了を伝える、
    ことを特徴とする検体搬送モジュール。
  6. 請求項5に記載の検体搬送モジュールにおいて、
    当該モジュールに接続された送信側モジュールから出力されるデータ信号と準備信号を入力する手段と、
    承認信号をオンまたはオフに切り替える手段と、
    前記送信側モジュールへ承認信号を出力する手段と、
    前記送信側モジュールから送信されたデータが正常か否かを確認する手段と、
    を備え、
    前記送信側モジュールからデータ送信の終了を伝えられると、承認信号をオンとしてから、送信されたデータが正常か否かを確認し、その確認後に承認信号をオフとする、
    ことを特徴とする検体搬送モジュール。
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