JP6052852B2 - 貯湯式給湯ユニット - Google Patents

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本発明は、貯湯タンクを収容する筺体を複数の脚材で支持する貯湯式給湯ユニットに関する。
貯湯タンクを配管等と共に筺体内に収容した貯湯式給湯ユニットは、貯湯タンクに湯水を貯留した状態で重量物となって、例えば200kgを超える。そのため、貯湯式給湯ユニットは、安全性を確保するという観点から、地震や暴風によって倒れないよう、基礎に強固に固定される必要がある。
貯湯式給湯ユニットの固定方法は、筺体の下部に取り付けられた複数の脚材それぞれに、基礎に埋め込まれたアンカーボルトを挿通させ、このアンカーボルトにナットを取り付けるのが一般的である。そして、この一般的な固定方法を用いる貯湯式給湯ユニットの具体例が特許文献1、2に記載されている。
特開2011−237061号公報 特開2007−155284号公報
しかしながら、特許文献1、2の貯湯式給湯ユニットには、以下に示す改善点があった。
特許文献1、2の脚材は、基礎に当接する底部が長方形状であり、各脚材は、底部が隣り合う脚材の底部と同じ方向を向くように配置されている。従って、貯湯式給湯ユニットは、筺体に対し、平面視して、脚材の底部の短辺に沿った力が作用すると、他の方向から力が作用する場合に比べて倒れ易いという課題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、筺体に作用する力の向きに関わらず、筺体の立設状態を安定的に維持できる貯湯式給湯ユニットを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る貯湯式給湯ユニットは、貯湯タンクを収容する筺体の底面パネルに、底板部材を備えた複数の脚材が取り付けられ、該底板部材を基礎に当接した状態で、該複数の脚材をアンカーボルトに固定して、該基礎上に設置される貯湯式給湯ユニットにおいて、貫通孔A、Bが形成されて前記基礎に当接するベース板と、貫通孔C、Dが形成され前記ベース板に面接触した状態で該ベース板に載置される押え板とを備え、前記貫通孔A、Cを挿通した前記アンカーボルト及び前記貫通孔B、Dを挿通した前記アンカーボルトにそれぞれナットを螺合させることにより、該2本のアンカーボルトに前記押え板と前記ベース板が取り付けられ、前記押え板が前記ベース板を介して前記基礎に固定され、しかも、前記押え板と前記基礎の間には収容空間部が設けられ、前記複数の脚材はそれぞれ、前記底板部材が、隣り合う該脚材の底板部材と異なる方向を向いた状態で前記筺体に取り付けられ、前記複数の脚材は、一部が前記底板部材を前記収容空間部に差し込んで固定され、残りが直接、前記アンカーボルトに固定される。
本発明に係る貯湯式給湯ユニットにおいて、前記ベース板は、前記収容空間部の前記底板部材の差し込み口に、該底板部材を該収容空間部に案内するガイド構造を備えるのが好ましい。
本発明に係る貯湯式給湯ユニットは、複数の脚材がそれぞれ、底板部材を、隣り合う脚材の底板部材と異なる方向に向けた状態で筺体に取り付けられているので、脚材の転倒し易い方向が隣り合う脚材で異なる向きとなり、筺体に作用する力の向きに関わらず、筺体の立設状態を安定的に維持可能である。
本発明に係る貯湯式給湯ユニット、複数の脚材のうち一部が、押え板と基礎の間に設けられた収容空間部に底板部材を差し込んで固定され、残りが直接、アンカーボルトに固定されるので、筺体と構造物の間に人が入るスペースがない場所に対しても、貯湯式給湯ユニットを容易に基礎上に設置することができる。
本発明に係る貯湯式給湯ユニットにおいて、ベース板が、収容空間部の底板部材の差し込み口に、底板部材を収容空間部に案内するガイド構造を備える場合、特殊な部材を採用することなく底板部材を収容空間部に容易に差し込むことができる。
本発明の一実施の形態に係る貯湯式給湯ユニットの側断面図である。 同貯湯式給湯ユニットの脚材の配置を示す説明図である。 同貯湯式給湯ユニットの脚材の取り付けを示す説明図である。 同貯湯式給湯ユニットの設置位置を示す説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ、ベース板及び押え板と収容空間部に差し込まれた状態の底板部材の平面図及び側面図である。 (A)〜(C)はそれぞれ、収容空間部に差し込まれる底板部材の動作を示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る貯湯式給湯ユニット10は、貯湯タンク11と、貯湯タンク11を収容する筺体12とを備え、基礎13上に設置される。以下、詳細に説明する。
貯湯タンク11は、図1、図2に示すように、縦に長く、平面視して円形に形成され、200〜500Lの湯を蓄えられる容量を備えている。貯湯タンク11が図示しない配管等と共に収容される筺体12は、貯湯タンク11の前後左右をそれぞれ覆う4つの側壁パネル14と貯湯タンク11の直上に配置された上面パネル15と貯湯タンク11の直下に配置された底面パネル16を有し、縦に長い直方体状に形成されている。
底面パネル16には、外周部に複数(本実施の形態では4つ)の脚材17が取り付けられ、この複数の脚材17は、基礎13に固定されて、筺体12を立設状態で支持する。本実施の形態では、4つの脚材17が、正方形の底面パネル16の4つの角部近傍にそれぞれ設けられている。
基礎13には複数(本実施の形態では6つ)のアンカーボルト18が設けられ、1つの脚材17が1つ、あるいは、2つのアンカーボルト18に固定されることによって、筺体12は基礎13に固定される。
各脚材17は、図2、図3に示すように、基礎13に当接する金属製の底板部材17aと、下部が底板部材17aに連結され、底面パネル16に下から当接する立設部材19を備えている。
本実施の形態では、図2に示すように、底板部材17aが、二等辺三角形状と長方形状を連結した五角形状である。
立設部材19は、図3に示すように、鉛直に配置した金属板の左側部(片)及び右側部(片)をそれぞれ中央部(片)に対して直角に折り曲げ、各部の上側を、折り曲げ線に沿って切断して外側へ直角に折り曲げ、3つの水平面部20、20a、20bを設けることによって形成されている。水平面部20は水平面部20bから離れて配置され、水平面部20aは水平面部20、20bにそれぞれ近接している。
立設部材19は、この3つの水平面部20、20a、20bそれぞれの上側全面を底面パネル16に当接することによって、立設部材19が底面パネル16に面接触するようにし、底面パネル16を安定的に支持している。
貯湯タンク11の下部には、図1、図3に示すように、金属板を折り曲げ平断面L字状に加工された4つの連結金具21が溶接によって取り付けられている。4つの連結金具21は、同一高さで等間隔に配置され、それぞれに2つの貫通孔22が形成されている。この2つの貫通孔22は、異なった高さ位置に配置され、垂直な関係にある2つの平板部にそれぞれ設けられている。
連結金具21には、縦長の金属板を平断面L字状に折り曲げたジョイント材23が連結されている。ジョイント材23には、連結金具21の2つの貫通孔22にそれぞれ対応する2つの貫通孔24が形成され、貫通孔22、24を挿通する図示しない螺子部材によって、ジョイント材23は、連結金具21を介して貯湯タンク11に固定される。貯湯タンク11は、このジョイント材23によって、筺体12内で立設状態が保たれている。
ジョイント材23の下部には底面パネル16の上面に当接する金属製の水平板25が溶接によって固定されている。各水平板25には、2つの貫通孔26が形成され、底面パネル16には、4つの水平板25にある合計8つの貫通孔26にそれぞれ対応する8つの図示しない貫通孔が形成されている。そして、立設部材19にも、水平面部20、20bそれぞれに1つずつ貫通孔27が形成されている。
水平板25及び立設部材19は、上下から底面パネル16を挟んだ状態で、水平板25の貫通孔26、底面パネル16の貫通孔及び立設部材19の貫通孔27を挿通する図示しない螺子部材によって連結され、ジョイント材23及び脚材17を底面パネル16に固定している。
4つの脚材17は、図2に示すように、平面視して、貯湯タンク11の外縁に沿って等間隔に配置され、各脚材17は、底板部材17aが隣り合う脚材17の底板部材17aと異なる方向を向いた状態で配置されている。
4つの脚材17をこのように配置しているのは、1つ1つの脚材17は、脚材17の立設状態を保つ安定性が、脚材17に与えられる水平方向の力の向きによって異なるためである。4つの脚材17を、隣り合う脚材17の底板部材17aが異なる方向を向いた状態で配置することによって、筺体12に作用する力の向きに関わらず、4つの脚材17が筺体12の立設状態を安定して維持可能となる。
本実施の形態では、平面視して対角線上に位置する2つの脚材17が逆方向を向き、隣り合う脚材17の向きが90°異なるように配置されている。
貯湯式給湯ユニット10が設置される基礎13は、基礎コンクリート、あるいは、量産式のブロックであり、アンカーボルト18は、図1に示すように、下側が基礎13に埋め込まれ、上側が基礎13から突出している。
基礎13は、図4に示すように、平面視して、底面パネル16より大きい正方形であり、基礎13の上側に貯湯式給湯ユニット10が設置される広さを確保している。
本実施の形態において、貯湯式給湯ユニット10は、3つの側壁パネル14が建造物29によって覆われた状態となる位置Pに設置され、基礎13はこの位置Pに設けられている。
4つの側壁パネル14のうち、建造物29によって覆われない(即ち、露出した)1つの側壁パネル14を手前側の側壁パネル14、この手前側の側壁パネル14に対向して配置された側壁パネル14を奥側の側壁パネル14として、以下説明を続ける。
各脚材17は、図2〜図4に示すように、底板部材17aにアンカーボルト18が挿通可能な貫通孔30を備えている。手前側の側壁パネル14の近傍にある2つの脚材17(以下、「手前側の脚材17」とも言う)は、貫通孔30に挿通されたアンカーボルト18に、図示しないナットを螺合することによって、直接、アンカーボルト18に固定される。
一方、奥側の側壁パネル14の近傍にある2つの脚材17(以下、「奥側の脚材17」とも言う)は、筺体12を位置Pに配置した状態で筺体12と構造物29の間に作業員が入るスペースがないことから、特殊な工具を使用しない限り、貫通孔30に挿通したアンカーボルト18にナットを螺合させることはできない。このため、奥側の脚材17は、アンカーボルト18に直接、固定することなく、基礎13に固定される。
本実施の形態では、図5(A)、(B)に示すように、基礎13に当接するベース板31とベース板31を介して基礎13に固定される押え板32とが、奥側の脚材17を基礎13に固定する部材として用いられている。
ベース板31は、長さの等しい2つの細長片33、33aが垂直に連結されて一体となったL字状の金属板であり、ベース板31の両端近傍の位置にそれぞれ貫通孔34、34aが形成されている。
押え板32は正方形状の金属板であり、一辺の長さがベース板31の細長片33の長さ及び細長片33aの長さに等しく、対角線上に位置する2つの角部近傍にそれぞれ貫通孔35、35aが形成されている。貫通孔35、35aは、それぞれベース板31の貫通孔34、34aに対応した位置に配置されている。
ベース板31及び押え板32は、このように簡素な形状であるので、金型を用いることなく製造可能であり、イニシャルコストの抑制を図ることができる。
押え板32は、貫通孔35、35aがそれぞれベース板31の貫通孔34、34aの直上に位置する状態でベース板31に載置され、ベース板31全体を覆う。そして、貫通孔34、35を挿通させたアンカーボルト18と貫通孔34a、35aを挿通させたアンカーボルト18それぞれにナット36、36aを螺合することによって、ベース板31に載置された押え板32は、ベース板31と共にこの2本のアンカーボルト18に取り付けられ基礎13に固定される。
なお、ナット36と押え板32の間及びナット36aと押え板32の間には、それぞれアンカーボルト18に装着されたワッシャー37が設けられている。
押え板32は、ベース板31を介して基礎13に固定された状態で、押え板32と基礎13の間に収容空間部38を設ける。奥側の脚材17は、底板部材17aが収容空間部38に差し込まれ、平面視して、底板部材17aの隣り合う2辺がそれぞれベース板31の2辺に当接する位置(以下、「固定位置」とも言う)に配置されることによって基礎13に固定される。
また、ベース板31は、収容空間部38の底板部材17aの差し込み口に、底板部材17aを収容空間部38に案内する2つのガイド構造39を備えている。2つのガイド構造39は、ベース板31の両端部(細長片33、33aの先端部)にそれぞれ設けられ、固定位置に配置された底板部材17aに対し非接触となる位置に形成された切欠きである。本実施の形態では、ガイド構造39は直線的に形成されているが、これに限定されず、ガイド構造39は湾曲した凸状のR曲部によって形成することもできる。
作業者は、図6(A)〜(C)に示すように、底板部材17aがベース板31のガイド構造39に接触した状態で、手前側の側壁パネル14から奥側の側壁パネル14に向かって力を与えることにより、底板部材17aを固定位置に納めることができる。
従って、作業者は、ベース板31及び押え板32から離れた奥側の脚材17の底板部材17aを、精密な位置合わせを行うことなく、収容空間部38に差し込んで固定位置に納めることができる。
また、底板部材17aを固定位置に納める際に、ベース板31のガイド構造39に当接する底板部材17aの角部は、R加工がなされているので、ベース板31のガイド構造39に当接した底板部材17aを固定位置に容易に納めることができる。ここで、ガイド構造39に当接する底板部材17aの角部とは、底板部材17aを固定位置に収めた状態で、ベース板31に当接する2辺が交わる位置にある角部である。
貯湯式給湯ユニット10の設置は、基礎13に2組のベース板31及び押え板32を固定した後に、筺体12を、図4に示すように、位置Pに向かって移動させ、2つの奥側の脚材17の底板部材17aをそれぞれ2つの収容空間部38に差し込み、その後、手前側の2本の脚材17をそれぞれの貫通孔30にアンカーボルト18が挿通するようにして、そのアンカーボルト18にナットを螺合することによって固定して、行われる。
底板部材17aを収容空間部38に差し込めるようにするには、収容空間部38の高さを、底板部材17aの厚みに対しわずかに高くすればよいことになるが、実際には、基礎13の上面の平面レベルや、加工時に発生する底板部材17aの反りを考慮する必要がある。更に、2つの奥側の脚材17の底板部材17aをそれぞれ2つの収容空間部38に差し込んだ状態で、筺体12を傾けて、2つの手前側の脚材17のそれぞれの貫通孔30にアンカーボルト18を挿通させる必要がある。これらから、底板部材17aの厚みをtとすると、収容空間部38が1.5t〜2tの範囲の高さとなるように設計するのが好ましい。なお、本実施の形態では、t=2〜4mmである。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、底板部材の形状は五角形状に限定されず、長方形状でもよく、底板部材が長方形状の場合、ベース板をコ字状に形成することによって、底板部材を差し込み可能な収容空間部を設けることができる。
また、ベース板及び押え板を用いてアンカーボルトに固定する脚材の数は2つに限定されず、貯湯式給湯ユニットの設置場所に応じて、例えば、1つの脚材のみがベース板及び押え板によってアンカーボルトに固定される場合もある。
10:貯湯式給湯ユニット、11:貯湯タンク、12:筺体、13:基礎、14:側壁パネル、15:上面パネル、16:底面パネル、17:脚材、17a:底板部材、18:アンカーボルト、19:立設部材、20、20a、20b:水平面部、21:連結金具、22:貫通孔、23:ジョイント材、24:貫通孔、25:水平板、26、27:貫通孔、29:建造物、30:貫通孔、31:ベース板、32:押え板、33、33a:細長片、34、34a:貫通孔、35、35a:貫通孔、36、36a:ナット、37:ワッシャー、38:収容空間部、39:ガイド構造

Claims (2)

  1. 貯湯タンクを収容する筺体の底面パネルに、底板部材を備えた複数の脚材が取り付けられ、該底板部材を基礎に当接した状態で、該複数の脚材をアンカーボルトに固定して、該基礎上に設置される貯湯式給湯ユニットにおいて、
    貫通孔A、Bが形成されて前記基礎に当接するベース板と、貫通孔C、Dが形成され前記ベース板に面接触した状態で該ベース板に載置される押え板とを備え、
    前記貫通孔A、Cを挿通した前記アンカーボルト及び前記貫通孔B、Dを挿通した前記アンカーボルトにそれぞれナットを螺合させることにより、該2本のアンカーボルトに前記押え板と前記ベース板が取り付けられ、前記押え板が前記ベース板を介して前記基礎に固定され、しかも、前記押え板と前記基礎の間には収容空間部が設けられ、
    前記複数の脚材はそれぞれ、前記底板部材が、隣り合う該脚材の底板部材と異なる方向を向いた状態で前記筺体に取り付けられ、前記複数の脚材は、一部が前記底板部材を前記収容空間部に差し込んで固定され、残りが直接、前記アンカーボルトに固定されることを特徴とする貯湯式給湯ユニット。
  2. 請求項記載の貯湯式給湯ユニットにおいて、前記ベース板は、前記収容空間部の前記底板部材の差し込み口に、該底板部材を該収容空間部に案内するガイド構造を備えることを特徴とする貯湯式給湯ユニット。
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