JP6052587B2 - イミダゾールジペプチド含有エキスの製造方法 - Google Patents
イミダゾールジペプチド含有エキスの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6052587B2 JP6052587B2 JP2012200140A JP2012200140A JP6052587B2 JP 6052587 B2 JP6052587 B2 JP 6052587B2 JP 2012200140 A JP2012200140 A JP 2012200140A JP 2012200140 A JP2012200140 A JP 2012200140A JP 6052587 B2 JP6052587 B2 JP 6052587B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- imidazole dipeptide
- extract
- containing extract
- present
- preparation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Fodder In General (AREA)
- Seasonings (AREA)
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
Description
項(1)
畜肉類又は魚介類の抽出物を、酸性ホスファターゼによる酵素処理により、旨味を低減させ、保存安定性に優れたものとすることを特徴とするイミダゾールジペプチド含有エキスの製造方法。
項(2)
酸性ホスファターゼによる酵素処理と並行して又は酸性ホスファターゼによる酵素処理後に、酵母又は乳酸菌のいずれかを用いて発酵処理すること又はグルコースオキシダーゼにより酵素処理することを特徴とする項(1)記載のイミダゾールジペプチド含有エキスの製造方法。
項(3)
発酵処理に用いる酵母が、サッカロマイセス属、カンジダ属、チゴサッカロマイセス属に属する菌のうち少なくとも1種である項(2)に記載の製造方法。
項(4)
発酵処理に用いる乳酸菌が、ラクトバチルス属、エンテロコッカス属に属する菌のうち少なくとも1種である項(2)に記載の製造方法。
項(5)
項(1)〜項(4)のいずれか1項に記載の製造方法により得られるイミダゾールジペプチド含有エキス。
項(6)
項(5)記載のイミダゾールジペプチド含有エキスを含む食品、飲料、化粧品、医薬部外品、医薬品又は飼料。
また、原料として用いる畜肉類又は魚介類は、未加熱のものでも、加熱処理したものでもよい。中でも、未加熱の原料を用いた場合は、原料に含有される成分がそのままの形で多く残留しているので、好ましい。
原料として用いる畜肉類又は魚介類は、そのままの形状で用いてもよく、細切処理又は粉砕処理して用いてもよい。原料として用いる畜肉類又は魚介類を細切処理又は粉砕処理する方法は、特に限定されず、食材の加工に一般に用いられる方法とすることができる。例えば、切断、粉砕、摩擦、空気圧、水圧等を利用して加工する各種の裁断機、粉砕機等が挙げられ、具体的には、カッター、スライサー、ダイサー、チョッパー、グラインダー、ミキサー、ミル等を用いることができる。
畜肉類又は魚介類の抽出温度及び抽出時間は、被抽出物の物性やその抽出方法により適宜設定されるが、抽出温度については、通常20〜150℃、好ましくは35〜130℃、より好ましくは50〜110℃であり、抽出時間については、通常1分間〜24時間、好ましくは5分間〜12時間、より好ましくは10分間〜6時間である。
また、畜肉類又は魚介類の抽出は、通常は食品加工に用いることのできる水等の溶媒抽出であり、好ましくは水、アルコール又は水−アルコール混合溶液による抽出であり、より好ましくは、水による抽出である。
さらに、畜肉類又は魚介類の抽出物は、抽出後そのまま又は固液分離して得られた液部を用いるが、好ましくは抽出後固液分離して得られた液部を用いる。また、いずれにおいてもその濃縮物を用いることができ、適宜pH調整剤等の添加物を配合することもできる。
酸性ホスファターゼによる酵素処理は、前記抽出と並行して又は前記抽出後に行う。酸性ホスファターゼによる酵素処理により、原料由来のイノシン酸等の呈味性ヌクレオチドを減少させることができ、好ましくは、イノシン酸をほとんど含有しない状態とすることができる。
さらに、酸性ホスファターゼによる酵素処理により、イミダゾールジペプチド成分の減少や褐変等の経時変化を抑制し、保存安定性を向上させることができる。
本発明により得られる保存安定性に優れたイミダゾールジペプチド含有エキスは、旨味が低減していて、イノシン酸等の呈味性ヌクレオチドが減少しており、好ましくは、イノシン酸をほとんど含有しない。
したがって、本発明により得られるイミダゾールジペプチド含有エキスは、イミダゾールジペプチドを添加するにあたり旨味を必要としない製品、例えば、食品、飲料、化粧品、医薬部外品、医薬品又は飼料等あらゆる用途に適した汎用性のある機能性素材として利用することが可能となる。
さらに、本発明において、酸性ホスファターゼによる酵素処理は、酸性ホスファターゼ産生能を有する微生物菌体を用いた酵素処理を行ってもよく、この場合、当該微生物は休止菌体であってもよい。
発酵処理に用いる酵母は、好ましくはサッカロマイセス属、カンジダ属、チゴサッカロマイセス属に属する菌のうち少なくとも1種であり、より好ましくはサッカロマイセス・セレビシエ、サッカロマイセス・パストリアヌス、カンジダ・ユーティリス、カンジダ・ケフィル、チゴサッカロマイセス・ロウキシイのうち少なくとも1種である。
発酵処理に用いる乳酸菌は、好ましくはラクトバチルス属、エンテロコッカス属に属する菌のうち少なくとも1種であり、より好ましくはラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・プランタラム、エンテロコッカス・フェシウムのうち少なくとも1種である。
さらに、本発明において、グルコースオキシダーゼによる酵素処理は、グルコースオキシダーゼ産生能を有する微生物菌体を用いた酵素処理を行ってもよく、この場合、当該微生物は休止菌体であってもよい。
チキン(鶏ムネ肉)1000gを水2000gに投入し、90℃で10分間加熱した後、濾過(NO.2ろ紙)し、濾液(Brix2.0°)2100gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにより減圧濃縮して、チキンエキス(Brix14.9°、固形分13.41%)265gを得た。
得られたチキンエキスについて、イミダゾールジペプチド含量及びイノシン酸含量を高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」とする)にて以下に示す測定条件で測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で19.99%(アンセリン14.35%、カルノシン5.64%)、イノシン酸含量は、固形物換算で2.76%であった。
検出器:UV検出器(紫外波長220nm)
カラム:Inertsil ODS−2(内径4.6mm、長さ250mm)
移動相:0.2Mリン酸一アンモニウム、0.1Mペンタンスルホン酸ナトリウム、4容量%アセトニトリル(リン酸にてpH2.3に調整)
流速:0.8ml/分
カラム温度:30℃
標品:L−アンセリン硝酸塩標準品及びL−カルノシン標準品(いずれも和光純薬工業株式会社製)をそれぞれ移動相に溶解して、検量線を作成した。
検体:試料を移動相で適宜希釈して分析した。
検出器:UV検出器(紫外波長260nm)
カラム:Inertsil NH2(内径4.6mm、長さ250mm)
移動相:25mMリン酸一カリウム(リン酸にてpH2.0に調整)
流速:1.0ml/分
カラム温度:40℃
標品:イノシン酸二ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)を移動相に溶解して、検量線を作成した。
検体:試料を移動相で適宜希釈して分析した。
調製1で得られたチキンエキス40gに5Nの塩酸を添加してpH5.2に調整した後、酸性ホスファターゼ製剤(スミチームPM:新日本化学工業株式会社製)0.08gを添加し、35℃で5時間酵素処理を行った。酵素処理後、5Nの水酸化ナトリウムを添加してpH6.0に調整した後、90℃で10分間加熱失活処理し、さらに50℃になるまで冷却して、0.45μmのフィルターを用いて精密濾過を行い、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス35g(Brix15.1°、固形分13.28%)を得た。
得られたイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で19.52%(アンセリン14.14%、カルノシン5.38%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
調製1で得られたチキンエキス40gに5Nの塩酸を添加してpH5.2に調整した後、酸性ホスファターゼ製剤(スミチームPM:新日本化学工業株式会社製)0.08gを添加し、さらに酵母(Saccharomyces cerevisiae NBRC555)を1×106cfu/g程度となるよう接種して35℃で5時間処理した。次に、5Nの水酸化ナトリウムを添加してpH6.0に調整した後、90℃で10分間加熱処理し、さらに50℃になるまで冷却して0.45μmのフィルターを用いて精密濾過を行い、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス35g(Brix14.8°、固形分12.98%)を得た。
得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で18.30%(アンセリン13.25%、カルノシン5.05%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
発酵処理に用いる酵母としてCandida utilis NBRC619を用いること以外は実施例2と同様の方法により、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス35g(Brix14.3°、固形分12.83%)を得た。
得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で19.29%(アンセリン13.92%、カルノシン5.37%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
調製1で得られたチキンエキス35gに5Nの塩酸を添加してpH5.2に調整した後、酸性ホスファターゼ製剤(スミチームPM:新日本化学工業株式会社製)0.07gを添加し、さらに乳酸菌(Lactobacillus plantarum NBRC15891)を1×108cfu/g程度となるよう接種して35℃で3時間処理した。次に、5Nの水酸化ナトリウムを添加してpH6.0に調整した後、90℃で10分間加熱処理し、さらに50℃になるまで冷却し、0.45μmのフィルターを用いて精密濾過を行うことで、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス30g(Brix15.1°、固形分13.51%)を得た。
得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で19.87%(アンセリン14.31%、カルノシン5.56%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
発酵処理に用いる乳酸菌としてEnterococcus sp. NBRC12546を用いること以外は実施例4と同様の方法により、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス30g(Brix14.8°、固形分13.49%)を得た。
得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で19.71%(アンセリン14.22%、カルノシン5.49%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
発酵処理に用いる乳酸菌としてLactobacillus brevis NBRC3345を用いること以外は実施例4と同様の方法により、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス30g(Brix15.0°、固形分13.55%)を得た。
得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で20.16%(アンセリン14.54%、カルノシン5.62%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
調製1で得られたチキンエキス50gに5Nの塩酸を添加してpH5.2に調整した後、酸性ホスファターゼ製剤(スミチームPM:新日本化学工業株式会社製)0.10gを添加し、さらにグルコースオキシダーゼ製剤(スミチームPGO:新日本化学工業株式会社製)0.05gを添加して、50℃で3時間酵素処理を行った。酵素処理後、5Nの水酸化ナトリウムを添加してpH6.0に調整した後、90℃で10分間加熱失活処理し、さらに50℃になるまで冷却して、0.45μmのフィルターを用いて精密濾過を行い、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス45g(Brix14.2°、固形分12.58%)を得た。
得られたイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で21.31%(アンセリン14.65%、カルノシン6.66%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6及び実施例7で得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス並びに調製1のチキンエキスを、それぞれ10gずつネジ口試験管に入れて密封し、90℃の恒温槽に6時間静置した後、イミダゾールジペプチド含量を測定した。イミダゾールジペプチドの測定は、調製1のHPLCの測定条件にて測定した。また、各エキスの色度として、イミダゾールジペプチド濃度が1重量%のときの水溶液の吸光度(OD430)を、分光光度計(UV−1200:株式会社島津製作所製)を用いて、光路長1cm、波長430nmの条件で測定した。結果を表1に示す。
また、酵素処理及び発酵処理を行っていない調製1のチキンエキスに比べ、本発明により得られた実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6及び実施例7のイミダゾールジペプチド含有エキスは、90℃、6時間後のイミダゾールジペプチド含量の減少が抑制されており、調製1を基準として算出したイミダゾールジペプチドの減少抑制率がいずれも40%以上と高く、イミダゾールジペプチドの保存安定性において顕著な改善がなされていた。
さらに、90℃、6時間後の色度を比較したところ、調製1を基準として算出した色度の増加抑制率が、実施例2は69.8%、実施例3は71.3%、実施例4は81.5%、実施例5は75.5%、実施例6は83.2%、実施例7は76.2%であり、本発明により得られたイミダゾールジペプチド含有エキスは、褐変が顕著に抑制されており、エキスの保存安定性においても優れた効果が示された。
ポーク(豚モモ肉)500gを水1000gに投入し、90℃で10分加熱した後、濾過(NO.2ろ紙)し、濾液(Brix1.4°)1080gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにより減圧濃縮して、ポークエキス(Brix9.5°、固形分8.40%)160gを得た。
得られたポークエキスについて、イミダゾールジペプチド含量及びイノシン酸含量を調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で13.01%(アンセリン不検出、カルノシン13.01%)、イノシン酸含量は、固形物換算で3.20%であった。
調製2で得られたポークエキス30gに5Nの塩酸を添加してpH5.2に調整した後、酸性ホスファターゼ製剤(スミチームPM:新日本化学工業株式会社製)0.06gを添加して35℃で5時間酵素処理を行った。次に、5Nの水酸化ナトリウムを添加してpH6.0に調整した後、90℃で10分間加熱失活処理し、さらに50℃になるまで冷却し、0.45μmのフィルターを用いて精密濾過を行い、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス25g(Brix10.0°、固形分8.75%)を得た。
得られたイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で11.84%(アンセリン不検出、カルノシン11.84%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
調製2で得られたポークエキス30gに5Nの塩酸を添加してpH5.2に調整した後、酸性ホスファターゼ製剤(スミチームPM:新日本化学工業株式会社製)0.06gを添加し、さらに酵母(Zygosaccharomyces rouxii NBRC487)を1×106cfu/g程度となるよう接種して35℃で5時間処理した。次に、5Nの水酸化ナトリウムを添加してpH6.0に調整した後、90℃で10分間加熱処理し、さらに50℃になるまで冷却し、0.45μmのフィルターを用いて精密濾過を行い、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス25g(Brix9.8°、固形分8.50%)を得た。
得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で11.18%(アンセリン不検出、カルノシン11.18%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
発酵処理に用いる酵母としてCandida kefyr NBRC882を用いること以外は実施例9と同様の方法により、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス25g(Brix9.7°、固形分8.63%)を得た。
得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で11.80%(アンセリン不検出、カルノシン11.80%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
発酵処理に用いる酵母としてSaccharomyces pastrianus NBRC1962を用いること以外は実施例9と同様の方法により、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス25g(Brix9.8°、固形分8.42%)を得た。
得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で10.92%(アンセリン不検出、カルノシン10.92%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
調製2で得られたポークエキス50gに5Nの塩酸を添加してpH5.2に調整した後、酸性ホスファターゼ製剤(スミチームPM:新日本化学工業株式会社製)0.10gを添加して、60℃で2時間酵素処理を行った。その後、5Nの水酸化ナトリウムを添加してpH6.0に調整した後、90℃で10分間加熱失活処理を行い、さらに、グルコースオキシダーゼ製剤(スミチームGOP:新日本化学工業株式会社製)0.05gを添加して、40℃で3時間酵素処理を行った。次に、90℃で10分間加熱失活処理し、さらに50℃になるまで冷却し、0.45μmのフィルターを用いて精密濾過を行い、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス45g(Brix10.7°、固形分9.21%)を得た。
得られたイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で14.09%(アンセリン不検出、カルノシン14.09%)であった。イノシン酸は、検出されなかった。
実施例8、実施例9、実施例10、実施例11及び実施例12で得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス並びに調製2のポークエキスを、それぞれ10gずつネジ口試験管に入れて密封し、90℃の恒温槽に7時間静置した後、イミダゾールジペプチド含量を測定した。イミダゾールジペプチドの測定は、調製1のHPLCの測定条件にて測定した。また、各エキスの色度として、イミダゾールジペプチド濃度が1重量%のときの水溶液の吸光度(OD430)を、分光光度計(UV−1200:株式会社島津製作所製)を用いて、光路長1cm、波長430nmの条件で測定した。結果を表2に示す。
また、酵素処理及び発酵処理を行っていない調製2のポークエキスに比べ、本発明により得られた実施例8、実施例9、実施例10、実施例11及び実施例12のイミダゾールジペプチド含有エキスは、90℃、7時間後のイミダゾールジペプチド含量の減少が抑制されており、調製2を基準として算出した減少抑制率がいずれも58%以上と高く、イミダゾールジペプチドの保存安定性において顕著な改善がなされていた。
さらに、90℃、7時間後の色度を比較したところ、調製2を基準として算出した色度の増加抑制率が、実施例9は65.7%、実施例10は66.3%、実施例11は81.8%、実施例12は57.3%であり、本発明により得られたイミダゾールジペプチド含有エキスでは、褐変が顕著に抑制されており、エキスの保存安定性においても優れた効果が示された。
チキン(鶏ムネ肉)1000gを水2000gに投入し、90℃で30分加熱した後、濾過(NO.2ろ紙)し、濾液(Brix1.7°)2180gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにより減圧濃縮して、チキンエキス(Brix10.2°、固形分9.5%)390gを得た。
得られたチキンエキスについて、イミダゾールジペプチド含量及びイノシン酸含量を調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で18.85%(アンセリン12.74%、カルノシン6.11%)、イノシン酸含量は、固形物換算で1.91%であった。
調製3で得られたチキンエキス35gに酸性ホスファターゼ製剤(スミチームPM:新日本化学工業株式会社製)0.04gを添加し、60℃で2時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃で10分間酵素失活処理をした後、50℃になるまで冷却し、0.45μmのフィルターを用いて精密濾過を行い、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス31gを得た。
得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で18.85%(アンセリン12.74%、カルノシン6.11%)であった。イノシン酸は検出されなかった。
次いで、得られた酵素処理チキンエキスに対し、デキストリン(サンデック(登録商標)#30:三和澱粉工業株式会社製)2.1gを添加して溶解させ、フリーズドライにて乾燥させた後、乳鉢で磨砕して、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス粉末(水分8.0%)4.8gを得た。
調製3で得られたチキンエキス50gに酸性ホスファターゼ製剤(スミチームPM:新日本化学工業株式会社製)0.05gを添加し、60℃で2時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃で10分間酵素失活処理をした後、酵母(CS−2(Saccharomyces cerevisiae):セティ株式会社製)を1×105cfu/g程度となるよう接種して、35℃で3時間発酵処理を行った。発酵処理後、90℃で10分間殺菌処理をした後、50℃になるまで冷却し、0.45μmのフィルターを用いて精密濾過を行い、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス48gを得た。
得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で19.06%(アンセリン12.89%、カルノシン6.17%)であった。イノシン酸は検出されなかった。
次いで、得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス33gに対し、デキストリン(サンデック#30:三和澱粉工業株式会社製)2.4gを添加して溶解させ、フリーズドライにて乾燥させた後、乳鉢で磨砕して、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス粉末(水分8.1%)5.0gを得た。
調製3で得られたチキンエキス50gに酸性ホスファターゼ製剤(スミチームPM:新日本化学工業株式会社製)0.05gを添加し、60℃で2時間酵素処理を行った。酵素処理後、90℃で10分間酵素失活処理をした後、乳酸菌(Lactobacillus brevis NBRC12005株)を1×106cfu/g程度となるよう接種して、35℃で5時間発酵処理を行った。発酵処理後、90℃で10分間殺菌処理をした後、50℃になるまで冷却し、0.45μmのフィルターを用いて濾過を行い、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス45gを得た。
得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキスについて、調製1と同様にしてHPLCにて測定したところ、イミダゾールジペプチド含量は、固形物換算で19.07%(アンセリン12.52%、カルノシン6.55%)であった。イノシン酸は検出されなかった。
次いで、得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス27gに対し、デキストリン(サンデック#30:三和澱粉工業株式会社製)2.0gを添加して溶解させ、フリーズドライにて乾燥させた後、乳鉢で磨砕して、本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス粉末(水分7.8%)4.5gを得た。
実施例13、実施例14及び実施例15で得られた本発明のイミダゾールジペプチド含有エキス粉末を、それぞれ3.0gずつラミネートパウチ(ラミジップ(登録商標)LZ−NY/PE:株式会社生産日本社製)に入れて密封し、50℃の恒温槽に20日間静置した後、イミダゾールジペプチド含量を測定した。イミダゾールジペプチドの測定は、調製1のHPLCの測定条件にて測定した。また、各エキス粉末の色度として、イミダゾールジペプチド濃度が0.1%のときの水溶液の吸光度(OD430)を、分光光度計(UV−1200:株式会社島津製作所製)を用いて、光路長1cm、波長430nmの条件で測定した。結果を表3に示す。
本発明により得られた実施例13、実施例14及び実施例15のイミダゾールジペプチド含有エキス粉末は、50℃、20日間後のイミダゾールジペプチド減少率が抑制されており、イミダゾールジペプチドの保存安定性において顕著な改善がなされていた。
さらに、50℃、20日後の色度を検討したところ、実施例13、実施例14及び実施例15のいずれも吸光度0.2以下であり、なかでも実施例14は0.090、実施例15は0.101であり、本発明により得られたイミダゾールジペプチド含有エキス粉末は、褐変が顕著に抑制されており、エキス粉末の保存安定性においても優れた効果が示された。
本発明により得られた実施例2及び実施例7のイミダゾールジペプチド含有エキス並びに調製1で得られたチキンエキスを、それぞれイミダゾールジペプチドが700mg/100mlとなるように水を加えて調製し、試料A、試料B、試料Cとし、旨味及び畜肉臭について、パネラー8人による官能評価試験を実施した。
評価指標及び評価結果を表4及び表5に示す。
本発明により得られた実施例2及び実施例7のイミダゾールジペプチド含有エキス並びに調製1で得られたチキンエキスを、それぞれイミダゾールジペプチドが700mg/100mlとなるように配合し、ハチミツ5%、5倍濃縮りんご果汁5%、クエン酸1.5%、香料(アップルフレーバー)0.03%を加え、水で100mlとして、試料D、試料E、試料Fを調製し、その風味及び旨味について、パネラー8人による官能評価試験を実施した。
評価指標及び評価結果を表6及び表7に示す。
次の処方で、常法により、クッキーを得た。
(成分) (重量%)
本発明品(実施例14) 5.0
クッキーミックス 77.0
バター 10.0
卵 8.0
次の処方で、常法により、アイスクリームを得た。
(成分) (重量%)
本発明品(実施例2又は実施例7) 2.0
クリーム 40.0
牛乳 39.0
卵黄 12.0
砂糖 7.0
次の処方で、常法により、乳飲料を得た。
(成分) (重量%)
本発明品(実施例4又は実施例7) 10.0
牛乳 35.0
ミックスフルーツピューレ 30.0
果糖ブドウ糖液糖 8.0
ビタミンC 0.1
水 16.9
次の処方で、常法により、クリームを得た。
(成分) (重量%)
本発明品(実施例7又は実施例9) 5.0
ステアリン酸 8.0
ステアリルアルコール 4.0
ステアリン酸ブチル 6.0
プロピレングリコール 5.0
モノステアリン酸グリセリン 2.0
水酸化カリウム 0.4
防腐剤 適 量
酸化防止剤 適 量
香料 適 量
精製水 約70.0
次の処方で、常法により、錠剤(サプリメント)を得た。
(成分) (重量%)
本発明品(実施例14) 37.0
乳糖 45.0
結晶セルロース 14.0
ヒドロキシプロピルセルロース 3.0
ステアリン酸マグネシウム 0.1
タルク 0.9
ゼラチンカプセルに、本発明品(実施例13)を0.5g充填し、カプセル剤(サプリメント)を得た。
次の処方で、常法により、飼料(ドッグフード)を得た。
(成分) (重量%)
本発明品(実施例10) 2.0
とうもろこし 40.0
小麦粉 20.0
大豆粉 15.0
肉粉 15.0
ビタミンミックス 2.0
ミネラルミックス 1.0
牛脂 5.0
Claims (6)
- 畜肉類の抽出物を、酸性ホスファターゼによる酵素処理により、イノシン酸が検出されず、保存安定性を向上させたものとすることを特徴とするイミダゾールジペプチド含有エキスの製造方法。
- 畜肉類又は魚介類の抽出物を、酸性ホスファターゼによる酵素処理と並行して又は酸性ホスファターゼによる酵素処理後に、酵母又は乳酸菌のいずれかを用いて発酵処理すること又はグルコースオキシダーゼにより酵素処理することを特徴とするイミダゾールジペプチド含有エキスの製造方法。
- 発酵処理に用いる酵母が、サッカロマイセス属、カンジダ属、チゴサッカロマイセス属に属する菌のうち少なくとも1種である請求項2に記載の製造方法。
- 発酵処理に用いる乳酸菌が、ラクトバチルス属、エンテロコッカス属に属する菌のうち少なくとも1種である請求項2に記載の製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の製造方法により得られ、イミダゾールジペプチドを固形物換算で0.1〜40%含有し、イノシン酸が検出されない、イミダゾールジペプチド含有エキス。
- 請求項5記載のイミダゾールジペプチド含有エキスを含む食品、飲料、化粧品、医薬部外品、医薬品又は飼料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012200140A JP6052587B2 (ja) | 2011-10-28 | 2012-09-12 | イミダゾールジペプチド含有エキスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011237266 | 2011-10-28 | ||
JP2011237266 | 2011-10-28 | ||
JP2012200140A JP6052587B2 (ja) | 2011-10-28 | 2012-09-12 | イミダゾールジペプチド含有エキスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013106607A JP2013106607A (ja) | 2013-06-06 |
JP6052587B2 true JP6052587B2 (ja) | 2016-12-27 |
Family
ID=48704044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012200140A Expired - Fee Related JP6052587B2 (ja) | 2011-10-28 | 2012-09-12 | イミダゾールジペプチド含有エキスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6052587B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6019527B2 (ja) * | 2012-06-05 | 2016-11-02 | 池田食研株式会社 | 酵素処理魚介類エキスの製造方法 |
WO2016040619A1 (en) * | 2014-09-10 | 2016-03-17 | International Dehydrated Foods, Inc. | Process for preparing a pumpable broth composition |
CN104286887A (zh) * | 2014-09-24 | 2015-01-21 | 安徽桂王清真食品有限公司 | 一种香辣牛肉颗粒及其加工方法 |
CN104305235A (zh) * | 2014-09-24 | 2015-01-28 | 安徽桂王清真食品有限公司 | 一种香辣羊肉粒及其加工方法 |
TR201906586T4 (tr) * | 2015-01-30 | 2019-05-21 | Nestec Sa | Çeşni Moleküleri Olarak Şeker-Dipeptid Konjugatları. |
JP6884345B2 (ja) * | 2016-03-02 | 2021-06-09 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 | セレノネインの分離方法 |
JP2024040774A (ja) * | 2022-09-13 | 2024-03-26 | サントリーホールディングス株式会社 | チキンエキス含有飲料 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS545057A (en) * | 1977-06-10 | 1979-01-16 | Ajinomoto Kk | Deodorizing of fish and shellfish extract |
JPS6344866A (ja) * | 1986-08-13 | 1988-02-25 | Nichimo Co Ltd | 魚肉等の退色防止方法 |
JP3422074B2 (ja) * | 1994-05-30 | 2003-06-30 | 味の素株式会社 | ボーン系エキスの呈味改善法 |
EP1341422B1 (en) * | 2000-11-17 | 2007-01-24 | Danisco A/S | Process for prevention of Maillard reaction in foodstuffs |
EP1733631A4 (en) * | 2004-03-12 | 2008-10-08 | Ajinomoto Kk | FOOD COMPOSITION WITH ANTISTRESS EFFECT |
JP4612549B2 (ja) * | 2006-01-06 | 2011-01-12 | 焼津水産化学工業株式会社 | イミダゾールジペプチド類高含有魚介抽出物、イミダゾールジペプチド類含有飲食品、及びイミダゾールジペプチド類高含有魚介抽出物の製造方法 |
JP2008154554A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | House Foods Corp | 呈味の低減を防止した水中油系食品の製造方法 |
-
2012
- 2012-09-12 JP JP2012200140A patent/JP6052587B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013106607A (ja) | 2013-06-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6052587B2 (ja) | イミダゾールジペプチド含有エキスの製造方法 | |
Marson et al. | Spent brewer’s yeast as a source of high added value molecules: A systematic review on its characteristics, processing and potential applications | |
JP5885153B2 (ja) | ショウガ加工物の製造方法 | |
TWI386168B (zh) | 番石榴葉萃取物粉末及其製造方法 | |
EP2540307B1 (en) | Antibacterial auxiliary agent comprising kombu extract as active ingredient, antibacterial composition, and food or beverage | |
JP2001204405A (ja) | キャベツシロップの製造方法及び用途 | |
JP2010252660A (ja) | 海藻発酵組成物およびその製造方法 | |
KR20190049975A (ko) | 녹각 발효물의 제조방법 및 상기 제조방법에 의해 제조된 녹각 발효물 | |
JP5011543B2 (ja) | Gaba含有発酵物の製造方法 | |
JP2008019170A (ja) | 胃腸障害改善・予防作用を有する飲食品 | |
JP2004189718A (ja) | 柑橘類外皮を含む発酵物 | |
JP2010100663A (ja) | タマネギ発酵物を含有する酵素阻害剤 | |
WO2006115153A1 (ja) | 肌状態改善作用を有する食品組成物 | |
JP2019004756A (ja) | グルコシダーゼ阻害能を有する乳酸菌 | |
CA3103808C (en) | A non-alcoholic functional beverage with a malt base or based on non-alcoholic beer or a water-aroma base enriched with amino acids and dietary fibre as well as a method of manufacturing a non-alcoholic functional beverage with a malt base or based on non-alcoholic beer or a water-aroma base, enriched with amino acids and dietary fibre | |
JP6019527B2 (ja) | 酵素処理魚介類エキスの製造方法 | |
JP5725598B2 (ja) | 抗酸化性組成物の製造方法 | |
KR20200094700A (ko) | 복합 유산균 발효 식품 개발을 위한 복합 유산균 선발 방법 | |
JP2007045750A (ja) | 抗疲労剤 | |
EP4039107A1 (en) | Method for producing yeast extract | |
KR102347583B1 (ko) | 페닐락틱산(phenyllactic acid) 생성능이 우수한 락토바실러스 플랜타룸 WiKim18 및 이를 포함하는 조성물 | |
KR102025318B1 (ko) | 색상, 효모취 및 감칠맛이 개선된 효모 추출물의 제조방법 | |
KR20180071894A (ko) | 관능성이 우수한 김치 | |
JP4383300B2 (ja) | 酵素分解型調味料およびその製造法 | |
JP2002000228A (ja) | 麦若葉由来の素材を含む抗高血圧食品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150909 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160713 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160823 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160916 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161101 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161117 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6052587 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |