JP6052122B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

この発明は、車体前部構造に関し、詳しくは、車室部から前方に突出しエンジンルーム左右を車両前後方向に延在するフロントサイドフレームと、当該エンジンルーム底部に位置して、前輪サスペンションのロアアーム取付け部をなす左右辺部と当該左右辺部を車幅方向に連結する前辺部とで本体部をなし、該本体部の左右にそれぞれ立設されたタワー部の上端部が上記フロントサイドフレームの下面部に締結され、上記左右辺部の後部が車室部前方底部に締結されるサブフレームとを含むような車体前部構造に関する。
一般に、前輪サスペンションを支持するためには、エンジンルームの底部にサブフレームを設ける必要があり、このようなサブフレームを備えた車体前部構造としては、特許文献1に開示された従来構造が知られている。
すなわち、車室部(ダッシュロアパネル参照)から前方に突出してエンジンルームの左右を車両前後方向に延在するフロントサイドフレームと、当該エンジンルーム底部に位置するサブフレームとを備え、該サブフレームは、前輪サスペンションのロアアーム取付け部をなす左右辺部(いわゆるサイドメンバ)と、左右辺部を車幅方向に連結する連結辺部(いわゆるクロスメンバ)とで本体部(サブフレーム本体)をなし、該本体部の左右両部にそれぞれ立設されたタワー部の上端部が上記フロントサイドフレームの下面部にボルト締結され、上記左右辺部の後部がトンネルフレーム等の車室部前方底部にボルト締結されたものである。
上記特許文献1に開示された従来構造においては、さらに、前輪サスペンションのロアアームにおける後側のロアアームピボット位置に対応して、左右辺部と車室部前方底部(キックアップ部参照)とを連結する内部中空のロアアームピボットハウジングを設け、ロアアームの後側のロアアームピボットは、上記ロアアームピボットハウジング内に収容されている。
上記特許文献1に開示された従来構造においては、パワートレインの左右部を支持するマウントについては開示されていないが、該従来構造において、サブフレームにエンジンマウントのようなマウントを取付けた場合には、該マウントを介してサブフレームにパワートレイン、特に、エンジンからの力が付加されて、サブフレームに捩り力が作用するので、サブフレームの捩れを防止する目的で、当該サブフレームに対して別途補強部材を設ける必要があった。
特開2012−11874号公報
そこで、この発明は、後側のロアアームピボット取付け部を構成するブラケット上部のフランジ部でサブフレームの補強を兼用しつつ、限られたサブフレームの前後長さ内において、マウントの脚部およびブラケットの結合スペース確保と、結合部材低減との両立を図ることができる車体前部構造の提供を目的とする。
この発明による車体前部構造は、車室部から前方に突出しエンジンルーム左右を車両前後方向に延在するフロントサイドフレームと、当該エンジンルーム底部に位置して、前輪サスペンションのロアアーム取付け部をなす左右辺部と当該左右辺部を車幅方向に連結する前辺部とで本体部をなし、該本体部の左右にそれぞれ立設されたタワー部の上端部が上記フロントサイドフレームの下面部に締結され、上記左右辺部の後部が車室部前方底部に締結されるサブフレームとを含む車体前部構造であって、上記前輪サスペンションのロアアーム取付け部は、前後のロアアームピボットに対応して前側のロアアームピボット取付け部と、後側のロアアームピボット取付け部とを含み、上記後側のロアアームピボット取付け部は、上記サブフレームの左右辺部の上部で車幅方向外向きに突出するよう設けられた庇部の下部に取付けられ、側面視逆ハット状のブラケットで構成され、該ブラケット上部で上記庇部下面に当接するフランジ部と、上記庇部の上部に配置されるパワートレインの左右部を支持するマウントの脚部が、平面視で重複すると共に、上記フランジ部と上記庇部と上記マウントの脚部とが同一のボルトで共締め固定されたものである。
上記構成によれば、上記ブラケット上部のフランジ部と、庇部と、マウントの脚部とを、同一のボルトで共締め固定したので、当該ブラケットのフランジ部でサブフレームを補強して、その剛性向上を図ることができ、マウントの脚部を介してサブフレームにパワートレインからの力が付加されても、別途補強部材を必要とすることなく、サブフレームの捩れを防止することができる。
さらに、上述の共締め構造により、限られたサブフレームの前後長さ内、特に、左右辺部の前後長さ内において、マウントの脚部およびブラケットの結合スペース確保と、共締めによる結合部材低減との両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記ブラケット上部の前側のフランジ部が、上記庇部を挟んで上記マウントの脚部と同一のボルトで共締め固定されており、上記ブラケット上部の後側のフランジ部が上記庇部を挟んで上記車室前方底部に他の同一のボルトで共締め固定されたものである。
上記構成によれば、ブラケット上部の前側のフランジ部に加えて、当該ブラケット上部の後側のフランジ部も、庇部を挟んで車室部前方底部に他の同一のボルトで共締め固定するので、共締め部分の剛性向上を図りつつ、サブフレームにおける左右辺部の限られた前後方向長さ内において、ブラケットの結合スペースをより一層確実に確保することができると共に、共締めによる結合部材のさらなる低減を図ることができる。
この発明によれば、ブラケット上部のフランジ部と、庇部と、マウントの脚部とを共締め固定したので、後側のロアアームピボット取付け部を構成する当該ブラケット上部のフランジ部でサブフレームの補強を兼ねつつ、限られたサブフレームの前後長さ内、特に、左右辺部の前後長さ内において、マウントの脚部および上記ブラケットの結合スペース確保と、結合部材低減との両立を図ることができる効果がある。
本発明の車体前部構造を示す側面図 図1の要部拡大側面図 車体前部構造を示す底面図 図1のA−A線矢視に相当する車両右側の平面図 図1のB−B線矢視に相当する車両右側の平面図 車両右側の要部拡大側面図 車体前部構造を左前方上方から見た状態で示す斜視図 車体前部構造を左前方から見た状態で示す斜視図 車体前部構造を右後方下方から見た状態で示す斜視図 車体前部構造を右前方下方から見た状態で示す斜視図 タワー部とスタビライザ支持台座の構造を示す斜視図 図1のC−C線矢視断面図 図6のG−G線矢視に沿う平面図 図1のD−D線に沿う要部拡大断面図 図1のE−E線に沿う要部拡大断面図 ガセット部材を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は正面図、(f)は背面図 車両前突時におけるサブフレームの変形状態を示す説明図
後側のロアアームピボット取付け部を構成するブラケット上部のフランジ部でサブフレームの補強を兼用しつつ、限られたサブフレームの前後長さ内において、マウントの脚部および上記ブラケットの結合スペース確保と、結合部材低減との両立を図るという目的を、車室部から前方に突出しエンジンルーム左右を車両前後方向に延在するフロントサイドフレームと、当該エンジンルーム底部に位置して、前輪サスペンションのロアアーム取付け部をなす左右辺部と当該左右辺部を車幅方向に連結する前辺部とで本体部をなし、該本体部の左右にそれぞれ立設されたタワー部の上端部が上記フロントサイドフレームの下面部に締結され、上記左右辺部の後部が車室部前方底部に締結されるサブフレームとを含む車体前部構造において、上記前輪サスペンションのロアアーム取付け部は、前後のロアアームピボットに対応して前側のロアアームピボット取付け部と、後側のロアアームピボット取付け部とを含み、上記後側のロアアームピボット取付け部は、上記サブフレームの左右辺部の上部で車幅方向外向きに突出するよう設けられた庇部の下部に取付けられ、側面視逆ハット状のブラケットで構成され、該ブラケット上部で上記庇部下面に当接するフランジ部と、上記庇部の上部に配置されるパワートレインの左右部を支持するマウントの脚部が、平面視で重複すると共に、上記フランジ部と上記庇部と上記マウントの脚部とを同一のボルトで共締め固定するという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車体前部構造を示し、図1は車体前部構造の車両左側の構成を示す側面図、図2は図1の要部拡大側面図、図3はその底面図、図4は図1のA−A線矢視に相当する車両右側の平面図、図5は図1のB−B線矢視に相当する車両右側の平面図、図6は車両右側の要部拡大側面図であり、この実施例の車体前部構造は左右略対称に構成されている。
図1〜図6において、エンジンルーム1と車室2とを車両前後方向に仕切るダッシュロアパネル3(車室部としてのダッシュパネル)を設けている。図3に示すように、この実施例では駆動方式を前部機関後輪駆動タイプ(いわゆるFRタイプ)としており、エンジンルーム1にはエンジン4を縦置き配置(クランクシャフトまたはエキセントリックシャフトがエンジンルーム1の前後方向に向く配置)すると共に、その後部には変速機であるトランスミッション5を連結し、該トランスミッション5はフロアトンネル部下方に配設されており、上述のエンジン4とトランスミッション5とでパワートレイン(PT)を構成している。
図1に示すように、上述のダッシュロアパネル3は上下方向に延びる縦壁部3aと、この縦壁部3aの下部から前高後低状に傾斜するスラント部3b(傾斜部)と、を有し、該スラント部3bの下端後方には、車両後方に向けて略水平に延びるフロアパネル6を連設し、このフロアパネル6で車室2の底面を形成している。
上述のフロアパネル6の下面部には、その車幅方向の断面が逆ハット形状のフロアフレーム7を接合固定して、このフロアフレーム7とフロアパネル6との間には、車両前後方向に延びる閉断面を形成し、下部車体剛性の向上を図っている。
上述のフロアフレーム7は、フロアパネル6の下面部左右に一対設けられている。
また、ダッシュロアパネル3のスラント部3bの前下部には、キックアップ部フレーム8を接合固定して、このキックアップ部フレーム8とダッシュロアパネル3との間には、閉断面9(図15参照)を形成している。
上述のキックアップ部フレーム8の前側下部には、車室部前方底部としてのサブフレーム取付け台座10を接合固定している。このサブフレーム取付け台座10は、図15に示すように、取付け台座アウタ11と、取付け台座インナ12と、取付け台座ロア13との3部材(複数部材)から成り、同図に示すように、サブフレーム取付け台座10とキックアップ部フレーム8との間には、閉断面14を形成し、サブフレーム取付け剛性の向上を図るように構成している。
図15に示すように、上述の閉断面14は後述するスリーブナット38の配設空間14aを有するもので、このため、取付け台座インナ12は、その上端部12aから下端部12bにかけて、キックアップ部フレーム8の車幅方向内側面8aよりも、車幅方向の内側に膨出する膨出部12cを備えている。
さらに、図1に示すように、ダッシュロアパネル3の縦壁部3aの前部には、上側フィレット15と下側フィレット16との2部材から成るフィレット部材17を取付けている。
そして、ダッシュロアパネル3の縦壁部3aから、フィレット部材17を介して前方に一直線状に突出しエンジンルーム1左右を車両前後方向に延在するフロントサイドフレーム18を設けている。
このフロントサイドフレーム18は、フロントサイドフレームインナ18Aとフロントサイドフレームアウタ18Bとを接合固定して、車両前後方向に延びる閉断面を形成した車体強度部材であって、この実施例では、フロントサイドフレーム18の車幅方向断面が略十文字筒形状に形成されている。
また、図1〜図4に示すように、フロントサイドフレーム18、キックアップ部フレーム8、フロアフレーム7が平面視で一直線状に連続するように構成されている。
さらに、図1,図3に示すように、フロントサイドフレーム18の前後方向中間部後寄りで、かつ車幅方向外側には、前後の脚部19a,19bを介してサスペンションタワー部19が設けられている。当該サスペンションタワー部19は前輪用緩衝装置を格納するためのものであり、上記脚部19a,19bはサスペンションタワー部19と一体または一体的に形成されている。
[サブフレームの構成]
図1〜図6に示すように、エンジンルーム1の底部に位置して、前輪サスペンションを支持するサブフレーム20を設けている。
このサブフレーム20は、前輪サスペンション(ウイッシュボーン・タイプ・サスペンション)のロアアーム21(図4,図5参照)の取付け部22,23(詳しくは、ロアアームピボット取付け部で、以下単にピボット取付け部と略記する)をなす左右辺部としての側辺部24と、左右の各側辺部24,24を車両前方側において車幅方向に連結する前辺部25とで本体部26(いわゆるサブフレーム本体)をなし、図1,図6に示すように、本体部26の左右にそれぞれ立設されたタワー部27,27の上端部(詳しくは、後述するタワートップ部29の上端面)が、サスペンションタワー部19と対応する位置においてフロントサイドフレーム18の下面部に図示しない締結ボルト等の締結部材を用いて締結されており、左右の側辺部24の後部が車室部前方底部としてのサブフレーム取付け台座10(図15参照)に締結されている。上述の側辺部24は車両の前後方向に延びるように形成されている。上述の側辺部24は車両の前後方向に延びるように形成されている。
ここで、上述のタワー部27は、上下方向に延びる外向きコの字断面の柱部28と、この柱部28の上部に位置してフロントサイドフレーム18に沿って前後方向に柱部28から突出して延在し前輪サスペンションのアッパアーム30(図4,図5参照)の取付け部をなすタワートップ部29と、を備えている。
一方、図4,図5,図9に示すように、上述のロアアーム21は、前輪のステアリングナックルを支持する車外側端部21Aと、車幅方向内端部に位置する前後のロアアームピボット21F,21Rとを備えている。同様に、アッパアーム30も、前輪のステアリングナックルを支持する車外側端部30Aと、車幅方向内端部に位置する前後のアッパアームピボット31F,30Rとを備えている。
そして、上述のピボット取付け部22,23は前後のロアアームピボット21F,21Rに対応して前側のピボット取付け部22と、後側のピボット取付け部23とを含んでいる。
図7〜図10は、車体前部構造をそれぞれ異なる角度から見た状態で示す斜視図である。
特に、図8に示すように、サブフレーム20の側辺部24は、上側部材24Aと下側部材24Bとで内部中空に形成されており、同様に、サブフレーム20の前辺部25も、上側部材25Aと下側部材25Bとで内部中空に形成されており、平面から見て前辺部25側の内部中空部と、左右の側辺部24,24側の内部中空部とが、後方に開放したコの字状に連続するように形成されている。
そして、図9,図10に示すように、ロアアーム21の前側のピボット取付け部22と対応した位置に、サブフレーム20の側辺部24と前辺部25の分割ラインPL(分割部)を形成することで、車両前突時に当該ピボット取付け部22でのサブフレーム20の潰れを確実に発生させて、衝撃エネルギの吸収を増大するように構成している。
上述の分割ラインPLは、タワー部27の基部前後方向中間位置に対応して形成された分割部であって、該分割ラインPL(分割部)にて側辺部24と前辺部25とを前後に連結すると共に、当該分割ラインPLは側辺部24および前辺部25の各上側部材24A,25Aと各下側部材24B,25Bとの双方に形成されている。
図8に示すように、上述の分割ラインPL(分割部)において、この実施例では、前辺部25の上側部材25A後端部の上部に、側辺部24の上側部材24A前端部を上側から重合わせて接合すると共に、前辺部25の下側部材25B後端部の上部に、側辺部24の下側部材24B前端部を上側から重合わせて接合しているが、これら上下両部材の上下重合構造は、図8の構造に対して、上下逆に形成してもよい。
さらに、上記タワー部27は、図8,図9,図10に示すように、その基部の外周が、サブフレーム20の側辺部24(但し、この実施例では前辺部25の左右も含む)の上側部材24Aと下側部材24Bとの双方にわたって分割部としての分割ラインPL位置の車外側端部に切り欠かれたサブフレーム切欠部20Aに収容されて結合されている。
上述のサブフレーム切欠部20Aは、柱部28の外向きコの字断面に対応して、上側部材24A,25Aに平面から見て車外側が開放するコの字状に形成されると共に、下側部材24B,25Bに底面から見て車外側が開放するコの字状に形成されている。
なお、この実施例では図3,図8に示すように、上記分割ラインPLが、柱部28の外向きコの字断面、並びに、サブフレーム切欠部20Aの前後方向中間に位置して、車幅方向に延びるように形成されている。
上記分割ラインPLにおいては、本来ならば上下両部材24A,24B,25A,25Bのフランジの結合により強度が上がってしまうが、この車外側端部を切り欠いて、サブフレーム切欠部20Aを形成し、車両前後方向の潰れに弱い断面外向きコの字状のタワー部27の柱部28を当該サブフレーム切欠部20Aに埋め込んで収納する構造とすることで、分割ラインPLでの折れが阻害されることを回避(つまり車両前突時の折れ変形を確保)し、さらに、タワー部27が分割部において上側部材24A,25Aと下側部材24B,25Bとの双方に結合されることにより、タワー部27の静剛性向上を図ったものである。
[後側ロアアームピボット取付け部の構成]
図11はタワー部とスタビライザ支持台座の構造を示す斜視図、図12は図1のC−C線矢視断面図、図13は図6のG−G線矢視に沿う平面図、図14は図1のD−D線に沿う要部拡大断面図、図15は図1のE−E線に沿う要部拡大断面図である。
ロアアーム21は、図9に示すように、その車幅方向内側にロアアームピボット21F,21Rを備えており、前側のロアアームピボット21Fはピボット取付け部22で枢支され、後側のロアアームピボット21Rはピボット取付け部23で枢支される。
上述の後側のロアアームピボット21Rのピボット取付け部23は、図2,図3に示すように、側面視略Z字状の2つのブラケット31,32(ロアアーム後ブラケット)を用いて構成される。
この場合、サブフレーム20の側辺部24における車幅方向外側部を、図3,図9に示すように、車両前後方向に略直線状に形成すると共に、側辺部24を構成する上側部材24Aと下側部材24Bとによる前後方向に延びる閉断面33(図14,図15参照)を、パワートレイン(PT)の左右部を支持するマウント34が取付けられる位置から後端にかけて漸次車幅方向に小さくし、側辺部24のマウント34取付け位置よりも後部は、図14,図15に示すように、上側部材24Aのみにより車幅方向外側に張り出す庇部35を形成し、該庇部35の下方を開放している。該庇部35はサブフレーム20の側辺部24の上部で車幅方向外向きに突出するように設けられている。
上述のブラケット31,32は、図2に示すように、上側に位置するフランジ部31a,32aと、該フランジ部31a,32aから下方に延びる縦壁部31b,32bと、該縦壁部31b,32bからピボット収容空間側に延びる下壁部31c,32cとを有し、図2に示すように、これら前後の両ブラケット31,32を側面視で逆ハット形状に一体的に組合わせたもので、各ブラケット31,32のフランジ部31a,32aを、下方が開放された庇部35の下面部に締結固定している。つまり、後側のピボット取付け部23は庇部35の下部に取付けられ、側面視逆ハット状のブラケット31,32で構成されたものである。
図2,図4,図5に示すように、上述のブラケット31の上部で上記庇部35の下面に当接するフランジ部31aと、上記庇部35の上部に配置されるパワートレイン(PT)の左右部を支持するマウント34(この実施例では、エンジン4の左右部を支持するエンジンマウントを図示している)の複数の脚部34a,34b,34cのうちの1つの脚部34aとが、平面視で重複している。
そして、図2,図14に示すように、前側のブラケット31上部のフランジ部31aは、同一のボルト36、ナット37等の締結部材を用いて、上記庇部35を挟んでマウント34の脚部34aと共締め固定されており、図2,図15に示すように、後側のブラケット32のフランジ部32aは、サブフレーム取付け台座10の取付け台座ロア13の閉断面14側に予め溶接固定されてなるナット部材としてのスリーブナット38に対して、下方から長尺のボルト39(他の同一のボルト)を締結することで、庇部35を挟んで取付け台座ロア13と共締め固定されている。
ここで、図2,図9,図14,図15に示すように、上述の各ブラケット31,32におけるフランジ部31a,32aの車幅方向内端には、該内端から下方に一体的に折曲げ形成された折曲げ部31d,32dを設けており、この折曲げ部31d,32dを側辺部24の上側部材24Aにおける車幅方向外面上部に当接させると共に、各ブラケット31,32における下壁部31c,32cの車幅方向内端には、該内端から車幅方向内方に延びる延長部31e,32eを一体形成し、図9,図14に示すように、該延長部31e,32eを側辺部24の下側部材24Bの下面部に当接させている。
さらに、図2,図9に示すように、各ブラケット31,32における縦壁部31b,32bの車幅方向外端には、該外端からロアアームピボット21Rの収納空間とは反対方向に折曲がる屈曲部31f,32fを一体形成している。
そして、上述の折曲げ部31d,32d、延長部31e,32e、屈曲部31f,32fにより、ブラケット31,32それ自体の剛性向上を図って、ロアアーム21の支持剛性を高めるように構成している。
なお、図2,図4,図5に示すように、マウント34は複数の脚部34a,34b,34cを有しており、他の脚部34b,34cは、同図に示すように、サブフレーム20の側辺部24に締結部材41,42を用いて締結固定されている。
上述のボルト36,39、締結部材41,42のそれぞれのボルト挿通孔36a,39a、締結部材挿通孔41a,42aを図7,図8に示す。
図14,図15に示すように、サブフレーム20の側辺部24における閉断面33と、ロアアーム21の後側のピボット取付け部23を構成するブラケット31,32とを車幅方向に並設することで、サブフレーム20の側辺部24の限られた車幅方向の幅内(つまり制限された占有スペース内)において、閉断面33によるサブフレーム剛性と、ブラケット31,32の結合スペースの確保と、の両立を図るように構成したものである。
換言すれば、側辺部24の後部に上側部材24Aのみで庇部35を形成し、この庇部35の下方を開放し、当該庇部35の下方空間に閉断面33と高さ方向で重複するようにブラケット31,32を配置することにより、サブフレーム20の側辺部24の限られた車幅方向の幅内において、閉断面33によるサブフレーム剛性と、ブラケット31,32の結合スペース確保と、の両立を図るように構成したものである。
この場合、側辺部24の閉断面33を後端にかけて漸次車幅方向に小さくしているので、閉断面の車幅方向寸法を小さくしない構造と比較して、ロアアーム21のアーム長を長く確保することができる。つまり、側辺部24の閉断面33の車幅方向寸法が後端にかけて小さくなった分、後側のロアアームピボット21Rを可及的車幅方向の内側に位置させることができ、これにより、ロアアーム21の充分なアーム長を確保することができる。
また、ロアアーム後ブラケットをサブフレーム側辺部の下部に締結固定する構造と比較して、サブフレーム20の上下方向の幅、つまり高さ低減を図ることができ、かつ、サブフレーム20の形成に必要な板部材の面積低減を図ることができると共に、ロアアームピボット21Rを、その軸芯線が車両前後方向に指向する枢軸と成すことができ、操縦安定性を確保することができる。
さらに、図2,図14に示すように、サブフレーム20の側辺部24上部で車幅方向外向きに突出するように設けた庇部35に、マウント34の脚部34aと、ブラケット31上部の前側のフランジ部31aとを、同一のボルト36で共締め固定することで、共締め部分の剛性向上を図りつつ、前後方向の長さが比較的短い側辺部24の限られた前後方向長さ内(つまり制限された前後方向の占有スペース内)において、ブラケット31の結合スペース確保と、共締めによる結合部材低減との両立を図るように構成したものである。
因に、サブフレーム20の側辺部24は、その前後方向長さが比較的短く、この比較的短い前後方向長さ内の限られた占有スペースに、各種部材を取付ける必要がある。
そこで、前側においては、図2,図14に示すように、ブラケット31のフランジ部31aが、庇部35を挟んでマウント34の脚部34aと同一のボルト36で共締め固定され、後側においては、図2,図15に示すように、ブラケット32のフランジ部32aが庇部35を挟んでボディ側の取付け台座ロア13に他の同一のボルト39で共締め固定されることで、側辺部24の限られた前後方向長さ内において、前後のブラケット31,32(ロアアーム後ブラケット)の結合スペース確保と、共締め部分の剛性向上とを、より一層確実に両立すべく構成したものである。
[タワー部の構成]
ところで、上記サブフレーム20の本体部26の左右に立設され柱部28とタワートップ部29とを有するタワー部27は、図6,図8,図10,図11に示すように構成されている。
すなわち、上述の柱部28は、上記各図に示すように、前辺部28aと車内側辺部28bと後辺部28cとでロアアーム21の前側のロアアームピボット21Fを収容する外向きコの字断面を有するように形成され、柱部28の下部におけるコの字断面にて上述のロアアーム21のピボット取付け部22が形成されている。換言すれば、柱部28の下部はロアアーム前ブラケットを兼ねるものである。
また、上述の柱部28の前辺部28aの車幅方向外側と下端部とには、図6,図11に示すように、前方に延びるフランジ部28d,28eを一体に折曲げ形成すると共に、柱部28の後辺部28cの車幅方向外側と下端部とにも、同図に示すように、後方に延びるフランジ部28f,28gを一体に折曲げ形成している。
上述のタワートップ部29は、柱部28の上部に位置してフロントサイドフレーム18に沿って前後方向に柱部28から突出して延在するもので、このタワートップ部29は、図6,図8,図10,図11に示すように、車両右側の構成において側面視で逆L字状のフロント部材43と、このフロント部材43に対して略前後対称となり、側面視でL字状のリヤ部材44と、平面視で車外側が開放するコ字状のセンタ部材45と、タワートップ部29の上壁および車幅方向内側の側壁を形成する一枚物のアッパ部材46と、を備えている。
図6,図8,図10,図11においては車両右側の構成を示す関係上、フロント部材43が側面視で逆L字状となり、リヤ部材44が側面視でL字状となるが、車両左側においては図1に示すように、フロント部材43が側面視でL字状となり、リヤ部材44が側面視で逆L字状となる。
図6,図10に示すように、上述のフロント部材43は、略水平方向に延びる下壁部43aと、略上下方向に延びる前壁部43bとを側面視で逆L字状に一体形成したものであり、上述のリヤ部材44は、略水平方向に延びる 下壁部44aと、略上下方向に延びる後壁部44bとを側面視でL字状に一体形成したものであって、これらフロント部材43およびリヤ部材44は柱部28の上部に固定されている。
また、図6,図10に示すように、上述のセンタ部材45は、車幅方向内側に位置する側壁部45aと、該側壁部45aの前後両部から車幅方向外方へ突出する前壁部45bおよび後壁部45cとを、平面視でコ字状に一体形成したものであって、当該センタ部材45は上述のフロント部材43およびリヤ部材44に固定されている。
図9に示すように、前輪サスペンションのアッパアーム30(いわゆるAアーム)はその車幅方向内側にアッパアームピボット30F,30Rを備えている。
そして、図6に示すように、上述の各前壁部43b,45bで前側のアッパアームピボット30Fを枢支するピボット支持部47を構成すると共に、上述の各後壁部45c,44bで後側のアッパアームピボット30Rを枢支するピボット支持部48を構成している。
さらに、図8,図10に示すように、上述のアッパ部材46は、タワートップ部29の上端に位置する上壁部46aと、この上壁部46aの車幅方向内側から下方に延びる側壁部46bと、この側壁部46bの前後方向中間において柱部28の形状に対応して車幅方向内側に膨出した膨出部46cと、を備え、これら上壁部46a、側壁部46b、膨出部46cを一枚物パネルで構成し、上壁部46aと側壁部46bと膨出部46cとを一体形成したものである。
そして、上述のアッパ部材46を、フロント部材43、リヤ部材44、センタ部材45および柱部28にそれぞれ固定している。
上述のフロント部材43、リヤ部材44、センタ部材45およびアッパ部材46の必要最低限の部材にて、前輪サスペンションのアッパアームピボット30F,30Rの収容部(ピボット支持部47,48参照)を形成し、特に、アッパ部材46は上壁部46aと側壁部46bと膨出部46cとを一枚物パネルにて一体形成することで、部品点数および組付け工数の削減を図りつつ、精度よくアッパアーム30の支持剛性を確保すべく構成したものである。
[スタビライザの支持構造]
一方、図3,図4,図5に示すように、ねじり剛性の抵抗により片輪のみのバンプ、リバウンド時のロール角を抑制するスタビライザ50を設けている。このスタビライザ50は金属製パイプ部材にて形成されている。
また、上述のスタビライザ50は車幅方向に延びて、中央部両端部50cから車両後方に向けて屈曲形成されており、その左右両端部50aが、図示しないコントロールリンクを介してロアアーム21の車外側端部近傍上部に取付けられている。
図3に示すように、上述のスタビライザ50は、その中央部両端部50cがフロントサイドフレーム18と上下方向に対応する位置において、タワー部27に支持されているので、次に、図6〜図11を参照して、スタビライザ50の支持構造について説明する。
図6に示すように、タワー部27の上端部前方であって、後述するエクステンションメンバ60とその下側部が重複する高さ位置に、上記スタビライザ50を支持するスタビライザ支持台座51が設けられている。図6に示すように、このスタビライザ支持台座51はその上側部がエクステンションメンバ60の上方に配置されている。
図10,図11に示すように、このスタビライザ支持台座51は車幅方向外側に位置する外側台座52と、車幅方向内側に位置する内側台座53と、を溶接固定して一体化したものである。
図10,図11に示すように、外側台座52は前後方向に延びて、その前端部の上下幅が他部に対して拡大形成された側辺部52aと、この側辺部52aの前端から車幅方向内側に一体に屈曲形成された台座面部52bと、を有し、この台座面部52bが前低後高状にスラントして前方上向きに指向するように形成されている。
ここで、上述の外側台座52の側辺部52aは、図6,図10,図11に示すように、タワートップ部29のフロント部材43における前壁部43b前面と、同下壁部43aと、柱部28の前辺部28aとに溶接固定されている。
また、外側台座52の台座面部52bの上下両位置には、ボルト、ナット等の2組の組付け部材54,54を用いて、略Ω形状のスタビライザ支持部材55(いわゆるスタビライザプレート)を取付け、このスタビライザ支持部材55で、スタビライザブッシュ55B(図1,図7参照)を介して、スタビライザ50の車幅方向端部寄りの所定箇所(中央部両端部50c)を支持すべく構成している。
さらに、上述の内側台座53は、図11に示すように、その前低後高状の前端部53aが外側台座52における台座面部52bの背面に溶接固定されると共に、当該内側台座53の上端部から後端部にかけて連続形成されたフランジ部53bが、タワートップ部29のアッパ部材46における側壁部46bの車幅方向内側の面に溶接固定されている。
つまり、上述のスタビライザ支持台座51は、サブフレーム20のタワー部27におけるタワートップ部29のピボット支持部47と柱部28との間に跨って結合されており、当該スタビライザ支持台座51によりサブフレーム20の柱部28を補強し、柱部28上部の剛性向上を図るように構成したものである。
[エクステンションメンバの構成]
図6,図7,図8に示すように、サブフレーム20におけるタワー部27の高さ方向中程部位から前方に延びる左右一対のエクステンションメンバ60を設けている。図7,図8に示すように、該エクステンションメンバ60は、車幅方向の断面が下向き凹状のアッパメンバ61と、車幅方向の断面が上向き凹状のロアメンバ62とを接合固定して車両の略前後方向に延びる閉断面63を有する閉断面部材である。
詳しくは、上述のエクステンションメンバ60はその後端部60aが柱部28に溶接手段にて結合され、フロントサイドフレーム18(図1参照)の下方位置において車両前方に延びるもので、当該エクステンションメンバ60はその中心線が後端部60aから上記スタビライザ支持台座51を避けるように一旦車幅方向内側に迂回して、迂回部64を形成し、この迂回部64から再び車幅方向外側に屈曲して変位しながら前方に突出するものであり、車両の前突時には、該エクステンションメンバ60と上述のフロントサイドフレーム18とが協働して変形し、衝撃を吸収するように構成されている。
さらに詳しくは、図8,図13に示すように、エクステンションメンバ60はその後端部60aおいて長手方向の中心線CL1が、上述のタワー部27における柱部28の立設方向の中心線CL2よりも車幅方向内側に位置するように結合されており、前突荷重入力時には、タワー部27が捩れて、エクステンションメンバ60の後端部60a(つまり根元部)が折れることなく、該エクステンションメンバ60はその迂回部64(つまり、後端部60aよりも前方に位置して一旦車幅方向内側に屈曲して再び車幅方向外側に変位する部分)で、内折れ(車幅方向の内側に曲がる折れ変形)が誘発され、衝突形態によらず確実に内折れさせるように構成している。
この実施例では、図5,図7,図8,図13に示すように、エクステンションメンバ60の後端部60aの車幅方向外側には切欠部65が形成されており、この切欠部65が上述のタワー部27における柱部28のコの字断面の前辺部28aと車内側辺部28bとの双方に合致して溶接されていて、これにより、溶接線部を長くとり、当該エクステンションメンバ60の後端部60aの溶接剥離および折れをより一層確実に防止して、迂回部64を起点とするエクステンションメンバ60の内折れをさらに確実なものとしている。
さらに、図13に平面図で示すように、上述のエクステンションメンバ60の閉断面63は、後端結合部で大きく、その前方の迂回部64に向けて細り、迂回部64から再び車幅方向外側に屈曲して変位しながら前方に突出する部分では閉断面63が再び大きくなるように形成されている。
つまり、エクステンションメンバ60の閉断面63は、上述の迂回部64で最も小さくなるように形成されており、車両前突時のエクステンションメンバ60の内折れを促進するように構成している。
ここで、上述のエクステンションメンバ60は、その平面視においては、図13で示したように、上記迂回部64で閉断面63が細るものの、図1,図6に側面図で示すように、その上下方向の幅は後端から前端にかけて略同等に形成されており、また、当該エクステンションメンバ60は、図1に示すように、フロントサイドフレーム18の下方位置において後端から前端にかけて略水平に延びるように形成されている。
換言すれば、上述のエクステンションメンバ60は、図1に示すように、その前端から後端にかけて略水平に延び、エクステンションメンバ60の後部が下方に向けて湾曲しないように形成されたものである。
[フロントサイドフレームとエクステンションメンバの連結構造]
図1〜図5に示すように、上述の左右一対の各フロントサイドフレーム18,18の前端部にはセットプレート66,66をそれぞれ取付ける一方、左右一対の各エクステンションメンバ60,60の前端部相互間には、車幅方向に延びる連結プレート67を横架しており、セットプレート66の下端折曲げ部66aと、エクステンションメンバ60前端位置に対応する連結プレート67の上端折曲げ部67aとを、ボルト、ナット等の締結部材68を用いて、締結固定している。
上述のエクステンションメンバ60の前端部には、連結プレート67およびブラケット69を介して、車幅方向の断面が8角筒状のサブクラッシュカン70を取付ける一方、上述のフロントサイドフレーム18の前端部には、セットプレート66およびブラケットを介して図示しないメインクラッシュカンを取付け、図1に側面図で示すように、フロントサイドフレーム18とエクステンションメンバ60とは、車両の前突時にそれぞれの前端のメインクラッシュカン(図示せず)およびサブクラッシュカン70が潰れた後に同期して変形し始めるように、各々の前端位置が設定されている。ここで、上述の連結プレート67は車幅方向に複数に分割形成してもよい。
[タワー部内の節部材の構成]
ところで、図6,図10,図12に示すように、サブフレーム20におけるタワー部27のコの字断面の柱部28内には、合計3つの節部材71,72,73を接合固定している。
これらの各節部材71,72,73は、図6に示すように、柱部28の前辺部28aと後辺部28cとの間にわたるように設けられており、節部材71(第1節部材)は、図12に示すように、コの字断面の柱部28の開放側(車幅方向外側寄り)に設けられ、該節部材71は、上下方向に延びる縦壁部71aと、この縦壁部71aの上下両端から車幅方向内方に一体に屈曲形成された上下の屈曲部71b,71cとを有し、柱部28の口開き変形を防止すると共に、剛性向上を図るものである。
節部材72(第2節部材)は、エクステンションメンバ60の後端部60aの上下位置と対応する高さ位置において柱部28のコの字断面内28の内奥(車幅方向内側)に設けられ、該節部材72は、上下方向に延びる縦壁部72aと、この縦壁部72aの上下両端から車幅方向内方に一体に屈曲形成された上壁部72b、下壁部72cとを有し、これら上壁部72bおよび下壁部72cを柱部28の車内側辺部28bの車幅方向外側の面に溶接接合し、柱部28の車内側辺部28bと節部材72との間には、車両前後方向に延びる閉断面74を形成し、通常時における柱部28の剛性向上を図ると共に、車両前突時における前突荷重のサブフレーム20に対する伝達率向上を図るように構成している。
また、図6に示すように、上述の縦壁部72aはその前端部の上下幅に対して後端部の上下幅が広く形成されると共に、下壁部72cは前高後低状に傾斜するように形成されており、前突時に、エクステンションメンバ60からの入力荷重を後方に伝達すべく構成している。
節部材73(第3節部材)は、コの字断面の柱部28内の底部において前述の分割ラインPLと対応するように設けられており、この節部材73は、その前後方向中間部で、かつ車幅方向外側に開放する切欠き部(脆弱部)としてのV溝73aを有する所謂V字節である。ここで、節部材73に形成したV溝73aに代えて、U溝や凹溝などの他の切欠き部を採用してもよい。
上述の節部材73を設けることで、通常時(非前突時)におけるタワー部27下部の剛性を確保しつつ、前突時には節部材73の切欠き部としてのV溝73aにより、当該節部材73の変形を促進し、前突時におけるサブフレーム20の確実な潰れを確保すべく構成したものである。
上述の節部材73は分割部としての分割ラインPLと対応する位置に設けられており、切欠き部であるV溝73aを有する節部材73と、分割ラインPLを備えたサブフレーム20の本体部26との協働により、前突時における該サブフレーム20の潰れの促進を図るように構成している。
[前突荷重伝達構造]
さらに、図5,図6,図13に示すように、タワー部27における柱部28の後辺部28cと、分割ラインPL直後のサブフレーム20における側辺部24の上側部材24Aとの間を斜交いに連結するガセット部材75を設け、このガセット部材75の前部上側を図6に示すように節部材72と上下方向でオーバラップさせると共に、ガセット部材75の前部上側を図5,図13に示すように、エクステンションメンバ60の後端部60aと車幅方向でオーバラップさせている。
そして、図6に示すように、エクステンションメンバ60の後部と、柱部28内の節部材72と、タワー部27基部背面のガセット部材75とが、後ろ斜め下方向に列状に連続して配置されており、前突荷重をサブフレーム20(詳しくは、分割ラインPL直後の側辺部24)に伝達し、荷重分散を図るように構成している。
上述の各要素60,28,72,75の後ろ斜め下方向に向く列状連続配置構成に加えて、ガセット部材75と節部材72とのオーバラップ構造、並びに、ガセット部材75とエクステンションメンバ60とのオーバラップ構造により、前突荷重をサブフレーム20(詳しくは、側辺部24)に対してより一層確実に伝達すべく構成したものである。
図16はガセット部材75を単品で示す図であって、図16の(a)はガセット部材75の斜視図、図16の(b)はガセット部材75の側面部、図16の(c)はガセット部材75の平面図、図16の(d)はガセット部材75の底面図、図16の(e)はガセット部材75の正面図、図16の(f)はガセット部材75の背面図である。
この実施例では、上述のガセット部材75は、板材を折曲げ加工した3面部以上の面部を備えた多面構造体の一例として、4面構造体により構成している。
図16に示すように、当該ガセット部材75は、車幅方向内側に位置する略三角形状の内側壁76と、この内側壁76に稜線aを介して連設された略三角形状の後壁77と、この後壁77に稜線bを介して連設され、車幅方向外側に位置する逆台形状の外側壁78と、この外側壁78に稜線cを介して垂設された略三角形状の縦壁79と、を一体形成してなる4面構造体である。
そして、図6,図7,図8,図13に示すように、後壁77の上端部77aおよび外側壁78の上端部78aを、タワー部27におけるコの字断面の柱部28の後辺部28cに溶接固定し、内側壁76の下部76bと、後壁77の下部77bと、縦壁79の後部79bとを、サブフレーム20における側辺部24の上側部材24Aに溶接固定したものであり、これにより柱部28の後辺部28cとサブフレーム20の側辺部24との間に当該ガセット部材75を斜交い状に設けたものである。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
フロントサイドフレーム18とエクステンションメンバ60とは、車両の前突時にそれぞれの前端のメインクラッシュカン(図示せず)およびサブクラッシュカン70が潰れた後に同期して変形を開始し、フロントサイドフレーム18とエクステンションメンバ60とが協働して変形し衝撃を吸収する。上述のフロントサイドフレーム18とエクステンションメンバ60との併用により、前突荷重耐力の向上を図る。
この場合、エクステンションメンバ60の後端部60aの長手方向の中心線CL1が、図13に示すように、タワー部27の立設方向の中心線CL2よりも車幅方向内側に位置するように結合されると共に、エクステンションメンバ60の後端部60aの切欠部65が、タワー部27における柱部28の前辺部28aと車内側辺部28bとの双方に合致して溶接されているので、前突荷重の入力時においてはタワー部27が捩れ、エクステンションメンバ60の後端部60aが折れたり、溶接部が剥離したりすることなく、該エクステンションメンバ60はその迂回部64で内折れが誘発され、衝突形態によらず確実に内折れ変形して、衝撃を吸収する。
またサブフレーム20の側辺部24と前辺部25との分割ラインPLを、図6,図13に示すように、ロアアーム21のピボット取付け部22の位置と合致させることで、前突時には、図17に実線で示すノーマルな状態から同図に仮想線で示すように、分割ラインPLが上方に変位すべくサブフレーム20を確実に潰して、衝撃を吸収することができる。
このように、上記実施例の車体前部構造は、車室部(ダッシュロアパネル3参照)から前方に突出しエンジンルーム1左右を車両前後方向に延在するフロントサイドフレーム18と、当該エンジンルーム1底部に位置して、前輪サスペンションのロアアーム取付け部(ピボット取付け部22,23参照)をなす左右辺部(側辺部24参照)と当該左右辺部(側辺部24)を車幅方向に連結する前辺部25とで本体部26をなし、該本体部26の左右にそれぞれ立設されたタワー部27の上端部が上記フロントサイドフレーム18の下面部に締結され、上記左右辺部(側辺部24)の後部が車室部前方底部(サブフレーム取付け台座10参照)に締結されるサブフレーム20とを含む車体前部構造であって、上記前輪サスペンションのロアアーム取付け部(ピボット取付け部22,23)は、前後のロアアームピボット21F,21Rに対応して前側のピボット取付け部22と、後側のピボット取付け部23とを含み、上記後側のピボット取付け部23は、上記サブフレーム20の左右辺部(側辺部24)の上部で車幅方向外向きに突出するよう設けられた庇部35の下部に取付けられ、側面視逆ハット状のブラケット31,32で構成され、該ブラケット31,32上部で上記庇部35下面に当接するフランジ部31aと、上記庇部35の上部に配置されるパワートレイン(PT)の左右部を支持するマウント34の脚部34aが、平面視で重複すると共に、上記フランジ部31aと上記庇部35と上記マウント34の脚部34aとが同一のボルト36で共締め固定されたものである(図1〜図3,図14参照)。
この構成によれば、上記ブラケット31,32上部のフランジ部31aと、庇部35と、マウント34の脚部34aとを、同一のボルト36で共締め固定したので、当該ブラケット31,32のフランジ部31aでサブフレーム20を補強して、その剛性向上を図ることができ、マウント34の脚部34aを介してサブフレーム20にパワートレイン(PT)からの力が付加されても、別途補強部材を必要とすることなく、サブフレーム20の捩れを防止することができる。
さらに、上述の共締め構造により、限られたサブフレーム20の前後長さ内、特に、側辺部24の前後長さ内において、マウント34の脚部34aおよびブラケット31,32の結合スペース確保と、共締めによる結合部材低減との両立を図ることができる。
この発明の一実施形態においては、上記ブラケット31,32上部の前側のフランジ部31aが、上記庇部35を挟んで上記マウント34の脚部34aと同一のボルト36で共締め固定されており、上記ブラケット31,32上部の後側のフランジ部32aが上記庇部35を挟んで上記車室前方底部(サブフレーム取付け台座10参照)に他の同一のボルト39で共締め固定されたものである(図2,図14,図15参照)。
この構成によれば、ブラケット31,32上部の前側のフランジ部31aに加えて、当該ブラケット31,32上部の後側のフランジ部32aも、庇部35を挟んで車室部前方底部(サブフレーム取付け台座10)に他の同一のボルト39で共締め固定するので、共締め部分の剛性向上を図りつつ、サブフレーム20における左右辺部(側辺部24)の限られた前後方向長さ内において、ブラケット31,32の結合スペースをより一層確実に確保することができると共に、共締めによる結合部材のさらなる低減を図ることができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の車室部は、実施例のダッシュロアパネル3に対応し、
以下同様に、
車室部前方底部は、サブフレーム取付け台座10に対応し、
ロアアーム取付け部、ロアアームピボット取付け部は、ピボット取付け部22,23に対応し、
左右辺部は、側辺部24に対応し、
同一のボルトは、ボルト36に対応し、
他の同一のボルトは、ボルト39に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては、ロアアーム後ブラケットとしてのブラケット31,32を2部材で形成したが、これは1部材で側面視逆ハット状に形成されたブラケットであってもよい。
以上説明したように、本発明は、車室部から前方に突出しエンジンルーム左右を車両前後方向に延在するフロントサイドフレームと、当該エンジンルーム底部に位置して、前輪サスペンションのロアアーム取付け部をなす左右辺部と当該左右辺部を車幅方向に連結する前辺部とで本体部をなし、該本体部の左右にそれぞれ立設されたタワー部の上端部が上記フロントサイドフレームの下面部に締結され、上記左右辺部の後部が車室部前方底部に締結されるサブフレームとを含む車体前部構造について有用である。
PT…パワートレイン
1…エンジンルーム
3…ダッシュロアパネル(車室部)
10…サブフレーム取付け台座(車室部前方底部)
18…フロントサイドフレーム
20…サブフレーム
21F,21R…ロアアームピボット
22,23…ピボット取付け部(ロアアーム取付け部、ロアアームピボット取付け部)
24…側辺部(左右辺部)
25…前辺部
26…本体部
27…タワー部
31,32…ブラケット
31a,32a…フランジ部
34…マウント
34a…脚部
35…庇部
36…ボルト(同一のボルト)
39…ボルト(他の同一のボルト)

Claims (2)

  1. 車室部から前方に突出しエンジンルーム左右を車両前後方向に延在するフロントサイドフレームと、
    当該エンジンルーム底部に位置して、前輪サスペンションのロアアーム取付け部をなす左右辺部と当該左右辺部を車幅方向に連結する前辺部とで本体部をなし、該本体部の左右にそれぞれ立設されたタワー部の上端部が上記フロントサイドフレームの下面部に締結され、上記左右辺部の後部が車室部前方底部に締結されるサブフレームとを含む車体前部構造であって、
    上記前輪サスペンションのロアアーム取付け部は、前後のロアアームピボットに対応して前側のロアアームピボット取付け部と、後側のロアアームピボット取付け部とを含み、
    上記後側のロアアームピボット取付け部は、上記サブフレームの左右辺部の上部で車幅方向外向きに突出するよう設けられた庇部の下部に取付けられ、側面視逆ハット状のブラケットで構成され、
    該ブラケット上部で上記庇部下面に当接するフランジ部と、上記庇部の上部に配置されるパワートレインの左右部を支持するマウントの脚部が、平面視で重複すると共に、
    上記フランジ部と上記庇部と上記マウントの脚部とが同一のボルトで共締め固定された
    車体前部構造。
  2. 上記ブラケット上部の前側のフランジ部が、上記庇部を挟んで上記マウントの脚部と同一のボルトで共締め固定されており、
    上記ブラケット上部の後側のフランジ部が上記庇部を挟んで上記車室前方底部に他の同一のボルトで共締め固定された
    請求項1記載の車体前部構造。
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