本願発明は一般式(I)
(式中、P1及びP2は各々独立して下記の式(P−1)から式(P−17)
から選ばれる基を表し、S1及びS2は各々独立して1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−COO−又は−OCO−に置き換えられても良い炭素原子数1から20のアルキレン基又は単結合を表し、X1及びX2は各々独立して−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−COO−、−CH2−OCO−、−CY1=CY2−、−C≡C−又は単結合を表し(式中、Y1及びY2は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、A1及びA2は各々独立して1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換又は、各々独立してシアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換されていても良く、これらのアルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基は各々独立して1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、Z1及びZ2は各々独立して単結合、−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−COO−、−CH2−OCO−、−CY3=CY4−又は−C≡C−を表し(式中、Y3及びY4は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、Bは下記の式(B−1)から式(B−10)
から選ばれる基を表し、m1及びm2は各々独立して0から3の整数を表すがm1及びm2が同時に0であることは無く、m1が1、2又は3の場合の−X1−(A1−Z1)m1−及びm2が1、2又は3の場合の−(Z2−A2)m2−X2−の構造内に、少なくとも1つの一般式(i)又は/及び(ii)
(式中、Y11〜Y24は各々独立して炭素原子数1から7のアルコキシ基又は水素原子表すが、存在するY11〜Y14のうち少なくとも1つは炭素原子数1から7のアルコキシ基を表し、存在するY21〜Y24のうち少なくとも1つは炭素原子数1から7のアルコキシ基を表す。)で表される構造単位を含む。)で表される化合物を提供し、併せて当該化合物を含有する重合性組成物、当該重合性組成物を重合させることにより得られる重合体及び当該重合体を用いた光学異方体を提供する。
一般式(I)において、P1及びP2は式(P−1)から式(P−17)で表される重合性基を表し、これらの重合性基はラジカル重合、ラジカル付加重合、カチオン重合及びアニオン重合により硬化する。特に重合方法として紫外線重合を行う場合には、式(P−1)、式(P−2)、式(P−3)、式(P−4)、式(P−5)、式(P−7)、式(P−11)、式(P−13)又は式(P−15)が好ましく、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)、式(P−11)又は式(P−13)がより好ましく、式(P−1)又は式(P−2)が特に好ましい。
S1及びS2は各々独立して1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−COO−又は−OCO−に置き換えられても良い炭素原子数1から20のアルキレン基又は単結合を表すが、液晶性及び他の成分との相溶性の観点から炭素原子数1から8のアルキレン基又は単結合が好ましく、炭素原子数1から8のアルキレン基が特に好ましい。
X1及びX2は各々独立して−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−COO−、−CH2−OCO−、−CY1=CY2−、−C≡C−又は単結合を表すが(式中、Y1及びY2は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、合成上の容易さから−O−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−OCO−、−CH2CH2−COO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−OCO−、−CH2−COO−又は単結合が好ましく、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合が特に好ましい。
A1及びA2は各々独立して1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換又は、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換されていても良く、これらのアルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基は1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良いが、A1及びA2のうち少なくとも一つは1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良い炭素原子数2から7のアルキル基、1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良い炭素原子数1から7のアルコキシ基又は1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良い炭素原子数2から7のアルカノイル基によって置換されている1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、合成上の容易さ及び保存安定性への影響から、A1及びA2のうち少なくとも一つが炭素原子数2から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基によって置換されている1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロヘキシレン基であり、その他のA1及びA2が各々独立して無置換又は、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換された1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,4−シクロヘキシレン基である場合が好ましく、A1及びA2のうち少なくとも一つが炭素原子数2から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基によって置換されている1,4−フェニレン基であり、その他のA1及びA2が各々独立して無置換又は、炭素原子数2から7のアルキル基又は炭素原子数1から7のアルコキシ基によって置換された1,4−フェニレン基又は無置換の1,4−シクロヘキシレン基である場合がより好ましく、少なくとも一つのA1及び少なくとも一つのA2が炭素原子数1から5のアルコキシ基によって置換されている1,4−フェニレン基である場合がさらに好ましく、少なくとも一つのA1及び少なくとも一つのA2が炭素原子数1から5のアルコキシ基によって置換されている同一の1,4−フェニレン基である場合が特に好ましい。
Z1及びZ2は各々独立して単結合、−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−COO−、−CH2−OCO−、−CY1=CY2−又は−C≡C−を表すが(式中、Y1及びY2は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、合成上の容易さ及び液晶性の観点から単結合、−COO−、−OCO−、−OCH2−、−CH2O−、−CH2CH2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−OCO−又は−CH2CH2−COO−が好ましく、−COO−、−OCO−、−OCH2−、−CH2O−、−CH2CH2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−又は−OCO−CH=CH−がより好ましく、単結合、−COO−、−OCO−、−OCH2−、−CH2O−又は−CH2CH2−がさらに好ましく、−COO−、−OCO−、−OCH2−又は−CH2O−が特に好ましい。
Bは式(B−1)から式(B−10)から選ばれる基を表すが、合成上の容易さから式(B−1)、式(B−8)、式(B−9)又は式(B−10)で表される基が好ましく、式(B−1)又は式(B−9)で表される基が特に好ましい。
さらに一般式(I)は、一般式(i)及び/又は一般式(ii)で表される構造単位を少なくとも一つ含むが、存在するY11〜Y14のうち少なくとも1つは炭素原子数1から3のアルコキシ基であることが好ましく、存在するY21〜Y24のうち少なくとも1つは炭素原子数1から3のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数が1であるメトキシ基が好ましい。一般式(i)で表される構造単位はY12がメトキシ基であることが好ましく、下記の式(i−1)及び(i−2)
で表される構造が好ましい。一般式(ii)で表される構造単位はY21がメトキシ基であることが好ましく、下記の式(ii−1)及び(ii−2)
で表される構造が好ましい。ここで、m1が1、2又は3の場合の−X1−(A1−Z1)m1−及びm2が1、2又は3の場合の−(Z2−A2)m2−X2−の構造内に、少なくとも1つの一般式(i)又は/及び(ii)で表される構造単位を含むとは、m1が2又は3である場合において、−Z1−A1−Z1−の構造内に、少なくとも1つの一般式(i)又は/及び(ii)で表される構造単位を含むこと、m1が1、2又は3である場合において、−X1−A1−Z1−の構造内に、少なくとも1つの一般式(i)又は/及び(ii)で表される構造単位を含むこと、m2が2又は3である場合において、−Z2−A2−Z2−の構造内に、少なくとも1つの一般式(i)又は/及び(ii)で表される構造単位を含むこと、m2が1、2又は3である場合において、−X2−A2−Z2−の構造内に、少なくとも1つの一般式(i)又は/及び(ii)で表される構造単位を含むことを意味し、例えば、m1が1である場合において、S1−X1−A1−Z1−Bの部分構造が下記の式(α)及び(β)
である場合には、一般式(1)で表される化合物中に当該構造が含まれることを意味する。また、一般式(1)で表される化合物中に1個又は複数個の一般式(i)又は/及び(ii)で表される構造単位が含まれていればよく、Bと直接連結する−Z1−A1−Z1−、−X1−A1−Z1−、−Z2−A2−Z2−及び/又は−X2−A2−Z2−に一般式(i)又は/及び(ii)で表される構造単位を含むことが好ましい。合成上の容易さ及び原料の入手の容易さの観点からこのうち式(i−1)及び/又は式(i−2)で表される構造単位を有する場合が好ましく、少なくとも一つの式(i−1)で表される構造単位及び少なくとも一つの式(i−2)で表される構造単位を有する場合がさらに好ましい。
m1及びm2は同時に0であることは無く各々独立して0から3の整数を表すが、保存安定性の観点からm1及びm2が同時に0であることは無く各々独立して0から2の整数を表す場合が好ましく、m1+m2が1、2、3又は4であることが好ましく、2又は3が好ましく、2が特に好ましい、合成上の容易さからm1及びm2が同時に1を表すか又はm1及びm2が同時に2を表す場合がより好ましく、m1及びm2が同時に1を表す場合が特に好ましい。
さらに合成上の容易さから一般式(I)において、P1及びP2が同一の基を表し、S1及びS2が同一の基を表し、X1及びX2が同一の基を表し、A1及びA2が同一の基を表し、Z1及びZ2が同一の基を表し、m1及びm2が同一の整数を表す場合が特に好ましい。この場合、一般式(1)で表される化合物はBを中心として対称な構造となる。
一般式(I)で表される化合物としては、下記の式(I−a)から式(I−h)で表される化合物が好ましい。
一般式(I)で表される化合物としてさらに具体的には、下記の式(I−1)から式(I−66)で表される化合物が好ましい。
本願発明の化合物は以下の製法で製造することができる。
(製法1)下記式(S−13)で表される化合物の製造
式(S−1)で表される化合物の一方のカルボキシ基を保護基(PG1)により保護する。保護基(PG1)の種類としては、反応過程において式(S−2)で表される化合物を与えるものであり、以降の工程において安定に当該カルボキシ基を保護しうるものであれば特に制限は無いが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)に挙げられている保護基が特に好ましい。
式(S−2)で表される化合物を例えば縮合剤及び塩基存在下、式(S−3)で表される化合物と反応させることにより式(S−4)で表される中間体を得ることができる。縮合剤としては、反応過程において式(S−4)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドメチオジド、N−tert−ブチルーN’−エチルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド メト−p−トルエンスルホナート、N,N’−ジ−tert−ブチルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トリルカルボジイミド並びにその他のカルボジイミドが挙げられる。また、カルボジイミドの他、トリアジン系縮合剤、酸塩化物、酸無水物並びにその他の縮合剤が挙げられる。塩基としては、反応過程において式(S−4)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン又は芳香族アミン並びに当該アミン塩が利用可能であり、収率の観点から第三級アミン又は芳香族アミン並びに当該アミン塩がより好ましい。具体的には、トリメチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチルペンチルアミン、N,N−ジエチルプロピルアミン、N,N−ジプロピルエチルアミン、N,N−ジプロピルメチルアミン、N,N−ジエチルペンチルアミン、N−エチル−N−メチルペンチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジブチルメチルアミン、N,N−ジブチルエチルアミン、N,N−ジブチルプロピルアミン、N−エチル−N−メチルプロピルアミン、N,N−ジプロピルメチルアミン、N,N−ジプロピルエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、N−メチルジイソプロピルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、N−プロピルジイソプロピルアミン、N−ブチルジイソプロピルアミン、ピリジン、N−メチルピリジン、2−クロロピリジン、2−ブロモピリジン、ピペリジン、ピリミジン、キノリン、アクリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、ピコリン、ビピリジン、2,6−ルチジン、クロロクロム酸ピリジニウム、ピリジニウムパラトルエンスルホナート並びにその他の第三級アミン又は芳香族アミン並びに当該アミン塩が挙げられる。また、必要に応じて反応溶媒を使用することができる。反応溶媒としては、反応過程において式(S−4)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、好ましい反応溶媒として例えば、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、1−クロロブタン、二硫化炭素、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、o−ジクロロベンゼン、キシレン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、クロロベンゼン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸2−メトキシエチル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン、シクロヘキサノン、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、スチレン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、ピリジン、1−メチル−2−ピロリジノン、1,1,1−トリクロロエタン、トルエン、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、ヘプタン、ベンゼン、メチルイソブチルケトン、tert−ブチルメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチルブチルケトン、ジエチルケトン、ガソリン、コールタールナフサ、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリットが挙げられる。反応条件として、例えば、実験化学講座(日本化学会編、丸善株式会社発行)、Organic Syntheses(A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)、Beilstein Handbook of Organic Chemistry(Beilstein−Institut fuer Literatur der Organischen Chemie、Springer−Verlag Berlin and Heidelberg GmbH & Co.K)、Fiesers’ Reagents for Organic Synthesis(John Wiley & Sons,Inc.)等の文献若しくはSciFinder又はReaxys等のデータベースに挙げられている条件が特に好ましい。
式(S−4)で表される化合物の保護基(PG2)を脱保護する。脱保護の反応条件としては、反応過程において式(S−5)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)に挙げられている反応条件が特に好ましい。
式(S−5)で表される化合物を例えば縮合剤及び塩基存在下、式(S−6)で表される化合物と反応させることにより式(S−7)で表される中間体を得ることができる。縮合剤、塩基及び反応溶媒としては、反応過程において式(S−7)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば前記条件が利用可能である。
式(S−7)で表される化合物の保護基(PG1)を脱保護する。脱保護の反応条件としては、反応過程において式(S−8)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)に挙げられている反応条件が特に好ましい。
式(S−8)で表される化合物を例えば縮合剤及び塩基存在下、式(S−9)で表される化合物と反応させることにより式(S−10)で表される中間体を得ることができる。縮合剤、塩基及び反応溶媒としては、反応過程において式(S−10)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば前記条件が利用可能である。
式(S−10)で表される化合物の保護基(PG3)を脱保護する。脱保護の反応条件としては、反応過程において式(S−11)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)に挙げられている反応条件が特に好ましい。
式(S−11)で表される化合物を例えば縮合剤及び塩基存在下、式(S−12)で表される化合物と反応させることにより目的の式(S−13)で表される化合物を得ることができる。縮合剤、塩基及び反応溶媒としては、反応過程において式(S−13)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば前記条件が利用可能である。
(製法2)下記式(S−24)で表される化合物の製造
式(S−14)で表される化合物の一方のヒドロキシ基を保護基(PG1)により保護する。保護基(PG1)の種類としては、反応過程において式(S−15)で表される化合物を与えるものであり、以降の工程において安定に当該ヒドロキシ基を保護しうるものであれば特に制限は無いが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)に挙げられている保護基が特に好ましい。
式(S−15)で表される化合物を式(S−16)で表される化合物と脱水縮合させることにより、式(S−17)で表される中間体を得ることができる。式(S−16)で表される化合物がフェノール性ヒドロキシ基を有する場合、例えば光延反応が可能である。アゾジカルボン酸エステルとしては、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジメチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、N,N,N’,N’−テトラメチルアゾジカルボキサミド、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン、アゾジカルボン酸ビス(2,2,2−トリクロロエチル)、アゾジカルボン酸ジベンジル、アゾジカルボン酸ジtert−ブチル等が利用可能である。ホスフィンとしては、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、4−(ジメチルアミノ)フェニルジフェニルホスフィン、ベンジルジフェニルホスフィン樹脂、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、フェノキシジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリtert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリn−オクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等が利用可能である。または、シアノメチレントリブチルホスホランが利用可能である。光延反応以外にも、例えば式(S−15)で表される化合物の水酸基をメシラート又はトシラート等の脱離基へと変換した後、ウィリアムソン反応により式(S−16)で表される化合物と反応させることも可能である。式(S−16)で表される化合物がアルコール性ヒドロキシ基を有する場合、例えば式(S−15)で表される化合物又は式(S−16)で表される化合物のいずれか一方の水酸基をメシラート又はトシラート等の脱離基へと変換し、他方の水酸基をアルコキシドへと変換し、両化合物をウィリアムソン反応により反応させることにより、式(S−17)で表される中間体を得ることができる。その他の方法として、例えば、実験化学講座(日本化学会編、丸善株式会社発行)、Organic Syntheses(A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)、Beilstein Handbook of Organic Chemistry(Beilstein−Institut fuer Literatur der Organischen Chemie、Springer−Verlag Berlin and Heidelberg GmbH & Co.K)、Fiesers’ Reagents for Organic Synthesis(John Wiley & Sons,Inc.)等の文献若しくはSciFinder又はReaxys等のデータベースに挙げられている類似の反応が利用可能である。
式(S−17)で表される化合物の保護基(PG2)を脱保護する。脱保護の反応条件としては、反応過程において式(S−18)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)に挙げられている反応条件が特に好ましい。
式(S−18)で表される化合物を式(S−6)で表される化合物と脱水縮合させることにより、式(S−19)で表される中間体を得ることができる。反応方法としては例えば前記記載の条件が利用可能である。
式(S−19)で表される化合物の保護基(PG1)を脱保護する。脱保護の反応条件としては、反応過程において式(S−20)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)に挙げられている反応条件が特に好ましい。
式(S−20)で表される化合物を式(S−21)で表される化合物と脱水縮合させることにより、式(S−22)で表される中間体を得ることができる。反応方法としては例えば前記記載の条件が利用可能である。
式(S−22)で表される化合物の保護基(PG3)を脱保護する。脱保護の反応条件としては、反応過程において式(S−23)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)に挙げられている反応条件が特に好ましい。
式(S−23)で表される化合物を式(S−12)で表される化合物と脱水縮合させることにより、目的の式(S−24)で表される化合物を得ることができる。反応方法としては例えば前記記載の条件が利用可能である。
(製法3)下記式(S−28)で表される化合物の製造
式(S−25)で表される化合物を、塩基存在下、塩化メタクリロイルと反応させることにより、式(S−26)で表される中間体を得ることができる。塩基としては、反応過程において式(S−26)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン又は芳香族アミン並びに当該アミン塩が利用可能であり、収率の観点から第三級アミン又は芳香族アミン並びに当該アミン塩がより好ましい。具体的には、トリメチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチルペンチルアミン、N,N−ジエチルプロピルアミン、N,N−ジプロピルエチルアミン、N,N−ジプロピルメチルアミン、N,N−ジエチルペンチルアミン、N−エチル−N−メチルペンチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジブチルメチルアミン、N,N−ジブチルエチルアミン、N,N−ジブチルプロピルアミン、N−エチル−N−メチルプロピルアミン、N,N−ジプロピルメチルアミン、N,N−ジプロピルエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、N−メチルジイソプロピルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、N−プロピルジイソプロピルアミン、N−ブチルジイソプロピルアミン、ピリジン、N−メチルピリジン、2−クロロピリジン、2−ブロモピリジン、ピペリジン、ピリミジン、キノリン、アクリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、ピコリン、ビピリジン、2,6−ルチジン、クロロクロム酸ピリジニウム、ピリジニウムパラトルエンスルホナート並びにその他の第三級アミン又は芳香族アミン並びに当該アミン塩が挙げられる。また、必要に応じて反応溶媒を使用することができる。反応溶媒としては、反応過程において式(S−26)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、好ましい反応溶媒として例えば、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、1−クロロブタン、二硫化炭素、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、o−ジクロロベンゼン、キシレン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、クロロベンゼン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸2−メトキシエチル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン、シクロヘキサノン、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、スチレン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、ピリジン、1−メチル−2−ピロリジノン、1,1,1−トリクロロエタン、トルエン、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、ヘプタン、ベンゼン、メチルイソブチルケトン、tert−ブチルメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチルブチルケトン、ジエチルケトン、ガソリン、コールタールナフサ、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリットが挙げられる。また、上記反応溶媒と水との二相系での反応も可能である。その場合、反応過程において式(S−26)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、無機アルカリ化合物として例えば、水酸化アルミニウム、アンモニア水、バリウム水和物、苛性バライト、水酸化バリウム、水酸化ビスマス、水酸化カドミウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、石灰、水酸化セリウム、水酸化クロム、水酸化コバルト、水酸化銅、第二鉄水和物、水酸化鉄、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化マンガン、水酸化ニッケル、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化タリウム、水酸化トリウム、酢酸ナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、リン酸アンモニウムナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、ギ酸カルシウム、リン酸カルシウム、酢酸タリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、ギ酸カリウム、シュウ酸カリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、硫酸アンモニウム並びにその他の無機アルカリ化合物又は無機塩類が挙げられる。二相系で反応を行う場合、必要に応じて相間移動触媒を添加することが可能である。相間移動触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、アセチルコリンクロリド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、ベンゾイルコリンクロリド、ベンジルセチルジメチルアンモニウムクロリド、N−ベンジルシンコニジウムクロリド、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、N−ベンジルキニジウムクロリド、N−ベンジルキニニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、1−ブチル−1−メチルピロリジウムクロリド、カルバミルコリンクロリド、カルニチン塩酸塩、クロロコリンクロリド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、コリンクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、(ヒドラジノカルボニルメチル)トリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウムクロリド)、ラウロイルコリンクロリド、メタコリンクロリド、メタクリロイルコリンクロリド、(2−メトキシエトキシメチル)トリエチルアンモニウムクロリド、β−メチルコリンクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、フェニルトリエチルアンモニウムクロリド、ホスホコリンクロリドカルシウム、スタキドリン塩酸塩、スクシニルコリンクロリド、テトラアミルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、トリエチルメチルアンモニウムクロリド、トリメチル[2,3−(ジオレイルオキシ)プロピル]アンモニウムクロリド、トリメチルフェニルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、トリメチル[3−(トリエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、アセチルコリンブロミド、ベンゾイルコリンブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ブロモコリンブロミド、1,1’−(ブタン−1,4−ジイル)ビス[4−アザ−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン]ジブロミド、1−ブチル−1−メチルピペリジニウムブロミド、クロリンブロミド、デカメトニウムブロミド、1,1’−(デカン−1,10−ジイル)ビス[4−アザ−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン]ジブロミド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロミド、ジメチルジミリスチルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクチルアンモニウムブロミド、ジメチルジパルミチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、(フェロセニルメチル)ドデシルジメチルアンモニウムブロミド、(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサメトニウムブロミド、ヘキシルジメチルオクチルアンモニウムブロミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、臭化メチルホマトロピン、メタコリンブロミド、ネオスチグミンブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、スコポラミンメチルブロミド、テトラアミルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラ(デシル)アンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、トリメチルプロピルアンモニウムブロミド、トリメチルステアリルアンモニウムブロミド、トリメチルビニルアンモニウムブロミド、バレタマートブロミド、アセチルコリンヨージド、アセチルチオコリンヨージド、ベンゾイルコリンヨージド、ベンゾイルチオコリンヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムヨージド、ブチリルコリンヨージド、ブチリルチオコリンヨージド、デカメトニウムヨージド、1,1−ジメチル−4−フェニルピペラジニウムヨージド、エチルトリメチルアンモニウムヨージド、エチルトリプロピルアンモニウムヨージド、(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムヨージド、(2−ヒドロキシエチル)トリエチルアンモニウムヨージド、β−メチルコリンヨージド、O−β−ナフチルオキシカルボニルコリンヨージド、テトラアミルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラヘプチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラオクチルアンモニウムヨージド、テトラプロピルアンモニウムヨージド、トリエチルフェニルアンモニウムヨージド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヨージド、トリメチルフェニルアンモニウムヨージド、トリメチル[2−[(トリメチルシリル)メチル]ベンジル]アンモニウムヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、スフィンゴミエリン、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド、過塩素酸アセチルコリン、アミルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ベンジルトリエチルアンモニウムボロヒドリド、ジクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムテトラクロロヨウ素酸塩、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド、無水ベタイン、ベタイン塩酸塩、重クロム酸ビス(テトラブチルアンモニウム)、ビス(テトラブチルアンモニウム)テトラシアノジフェノキノジメタニド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、L−カルニチン、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート、重酒石酸コリン、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメト−
p−トルエンスルホナート、シクロヘキシルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、安息香酸デナトニウム[ビトレックス]、ドデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩、N−フルオロ−N’−(クロロメチル)トリエチレンジアミンビス(テトラフルオロボラート)、パルミチルスルホベタイン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、過塩素酸ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムテトラフルオロボラート、リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(トリメチルアンモニオ)エチル、N−(トリエチルアンモニオスルホニル)カルバミン酸メチル、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩、メチル硫酸ネオスチグミン、オクタデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩、プロピオニルコリンp−トルエンスルホナート、硝酸メチルスコポラミン、テトラブチルアンモニウムアセタート、テトラブチルアンモニウムアジド、テトラブチルアンモニウムビフルオリド、テトラブチルアンモニウムボロヒドリド、テトラブチルアンモニウムブロモジヨージド、テトラブチルアンモニウムジブロモアウラート、テトラブチルアンモニウムジブロモクロリド、テトラブチルアンモニウムジブロモヨージド、テトラブチルアンモニウムジクロロアウラート、テトラブチルアンモニウムジクロロブロミド、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリカート、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルスズ、テトラブチルアンモニウム三フッ化二水素、テトラブチルアンモニウムジヨードアウラート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過レニウム酸テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムホスファート、テトラブチルアンモニウムp−ニトロフェノキシド、テトラブチルアンモニウムサリチラート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボラート、テトラブチルアンモニウムチオシアナート、テトラブチルアンモニウムトリブロミド、テトラブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、テトラブチルアンモニウムトリヨージド、3−(テトラデシルジメチルアンモニオ)プロパンスルホナート、テトラエチルアンモニウムボロヒドリド、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムp−トルエンスルホナート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、テトラメチルアンモニウムアセタート、テトラメチルアンモニウムボロヒドリド、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、テトラメチルアンモニウム硫酸水素塩、過塩素酸テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホナート、テトラメチルアンモニウムスルファート、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド、テトラプロピルアンモニウムペルルテナート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボラート、トリメチルフェニルアンモニウムトリブロミド、N,N−ビス(3−D−グルコンアミドプロピル)コルアミド[BIGCHAP]、N,N−ビス(3−D−グルコンアミドプロピル)デオキシコルアミド[Deoxy−BIGCHAP]、NIKKOL BL−9EX[ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル]、オクタノイル−N−メチルグルカミド[MEGA−8]、ノナノイル−N−メチルグルカミド[MEGA−9]、デカノイル−N−メチルグルカミド[MEGA−10]、ポリオキシエチレン(8)オクチルフェニルエーテル[Triton X−114]、ポリオキシエチレン(9)オクチルフェニルエーテル[NP−40]、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル[Triton X−100]、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラート[Tween 20]、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミタート[Tween 40]、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアラート[Tween 60]、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート[Tween 80]、ポリオキシエチレンソルビタントリオレアート[Tween 85]、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレアート、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル[Brij35]、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル[Brij58]、ドデシル−β−D−マルトピラノシド、ヘプチル−β−D−チオグルコピラニシド、オクチル−β−D−チオグルコピラニシド、ノニル−β−D−チオマルトシド、IGELPAL CA−630、Digitonin、Saponin,from Soybeans、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホナート[CHAPSO]、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホナート[CHAPS]、ヘプタデカフルオロ−1−オクタンスルホン酸アンモニウム、ペンタデカフルオロオクタン酸アンモニウム、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸、ヘプタデカフルオロ−1−オクタンスルホン酸リチウム、ペンタデカフルオロオクタン酸、ヘプタデカフルオロ−1−オクタンスルホン酸カリウム、3−(ヘキサデシルジメチルアンモニオ)プロパンスルホナート、コール酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、スルホコハク酸ビス(2−エチルヘキシル)ナトリウム、ドデセン−1LAS、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム、1−ドデカンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、1−ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム、1−オクタデカンスルホン酸ナトリウム、1−ペンタデカンスルホン酸ナトリウム、1−テトラデカンスルホン酸ナトリウム、1−トリデカンスルホン酸ナトリウム、リン酸モノドデシルナトリウム、リン酸モノドデシルナトリウム(モノ、ジナトリウム混合物)、ドデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、ベンゼトニウムクロリド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、1−ドデシルピリジニウムクロリド、ヘキサデシルピリジニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、モノミリスチン、モノパルミチン、モノステアリン、ポリエチレングリコールモノステアラート、ポリエチレングリコールモノステアラート(パルミタート、ステアラート混合物)、ソルビタンモノラウラート[Span 20]、ソルビタンモノパルミタート[Span 40]、ソルビタンモノステアラート[Span 60]、ソルビタンモノオレアート[Span 80]、ソルビタンセスキオレアート[Span 83]、ソルビタントリオレアート[Span 85]、ジエチレングリコールモノドデシルエーテル、エチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノセチルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノ−4−オクチルフェニルエーテル、テトラエチルグリコールモノドデシルエーテル、トリエチレングリコールモノドデシルエーテル並びにその他の界面活性剤が利用可能である。その他の反応条件として、例えば、実験化学講座(日本化学会編、丸善株式会社発行)、Organic Syntheses(A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)、Beilstein Handbook of Organic Chemistry(Beilstein−Institut fuer Literatur der Organischen Chemie、Springer−Verlag Berlin and Heidelberg GmbH & Co.K)、Fiesers’ Reagents for Organic Synthesis(John Wiley & Sons,Inc.)等の文献若しくはSciFinder又はReaxys等のデータベースに挙げられている条件が利用可能である。
式(S−26)で表される化合物の保護基(PG1)を脱保護する。脱保護の反応条件としては、反応過程において式(S−27)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)に挙げられている反応条件が特に好ましい。
式(S−27)で表される化合物を、塩基存在下、塩化アクリロイルと反応させることにより、目的の式(S−28)で表される化合物を得ることができる。反応条件としては、反応過程において式(S−28)で表される化合物を与えるものであれば特に制限は無いが、例えば、前記記載の条件が利用可能である。
本製法は、反応性基としてメタクリル基及びアクリル基を有する化合物以外にも、2−(トリフルオロメチル)アクリル基及びプロピオール基を有する化合物にも利用可能である。
本願発明の化合物は、ネマチック液晶組成物、スメクチック液晶組成物、キラルスメクチック液晶組成物及びコレステリック液晶組成物に使用することが好ましい。本願発明の反応性化合物を用いる液晶組成物において本願発明以外の化合物を添加しても構わない。
本願発明の反応性化合物と混合して使用される他の反応性化合物としては、具体的には一般式(II)
(式中、P3及びP4は各々独立して一般式(I)におけるP1及びP2と同じ意味を表し、S3及びS4は各々独立して単結合又は炭素原子数1〜18個のアルキレン基を表すが、1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−は酸素原子、−COO−、−OCO−、−OCOO−に置き換えられても良く、X3及びX4は各々独立して、単結合、−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−OCOOCH2−、−CH2OCOO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−COO−、−CH2−OCO−、−CF2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CY5=CY6−又は−C≡C−を表し(式中、Y5及びY6は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、Z3は各々独立して、単結合、−O−、−S−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−OCOOCH2−、−CH2OCOO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−COO−、−CH2−OCO−、−CF2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CY7=CY8−又は−C≡C−を表し(式中、Y7及びY8は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、A3及びA4は各々独立して、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、A3及びA4は各々独立して無置換であるか又はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲノ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていても良く、m3は0、1、2又は3を表し、m3が2又は3を表す場合、2個あるいは3個存在するA3及び/又はZ3は同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物が好ましく、一般式(II)のP3及びP4がアクリル基又はメタクリル基である場合が特に好ましい。具体的には、一般式(III)
(式中、S5及びS6は各々独立して炭素原子数2から18のアルキレン基、X5及びX6は各々独立して−O−、−COO−、−OCO−又は単結合を表し、Z4及びZ5は各々独立して−COO−又は−OCO−を表し、A5、A6及びA7は各々独立して無置換或いはフッ素原子、塩素原子又は炭素原子数1から4のアルキル基又はアルコキシ基によって置換された1,4−フェニレン基を表す。)で表される化合物が好ましく、下記式(III−1)から式(III−8)で表される化合物が特に好ましい。
(式中、S5は一般式(III)におけるS5と同じ意味を表し、S6は一般式(III)におけるS6と同じ意味を表す。)上記式(III−1)から式(III−8)において、S5及びS6が各々独立して炭素原子数2から8のアルキレン基である化合物がさらに好ましい。
また、一般式(IV)
(式中、S7及びS8は各々独立して炭素原子数2から18のアルキレン基、X7及びX8は各々独立して−O−、−COO−、−OCO−又は単結合を表し、Z6は−COO−又は−OCO−を表し、A8、A9及びA10は各々独立して無置換或いはフッ素原子、塩素原子又は炭素原子数1から4のアルキル基又はアルコキシ基によって置換された1,4−フェニレン基を表す。)で表される化合物が好ましく、下記式(IV−1)から式(IV−8)で表される化合物が特に好ましい。
(式中、S7は一般式(IV)におけるS7と同じ意味を表し、S8は一般式(IV)におけるS8と同じ意味を表す。)上記式(IV−1)から式(IV−8)において、耐熱性及び耐久性の観点から、式(IV−2)、式(IV−5)、式(IV−6)、式(IV−7)及び式(IV−8)で表される化合物が好ましく、式(IV−2)で表される化合物がさらに好ましく、S7及びS8が各々独立して炭素原子数2から8のアルキレン基である化合物が特に好ましい。
この他、好ましい2官能重合性化合物としては下記一般式(V−1)から式(V−5)で表される化合物が挙げられる。
(式中、S9及びS10は各々独立して炭素原子数2から18のアルキレン基を表す。)上記式(V−1)から式(V−5)において、式(V−2)、式(V−3)及び式(V−5)で表される化合物が好ましく、S9及びS10が各々独立して炭素原子数2から8のアルキレン基である化合物が特に好ましい。
本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物には、当該組成物の液晶性を大きく損なわない程度に、液晶性を示さない重合性化合物を添加することも可能である。具体的には、この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識される化合物であれば特に制限なく使用可能である。
また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物に添加する光重合開始剤の濃度は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがさらに好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド等が使用可能である。
また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加することもできる。安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添加量は、液晶組成物に対して0.005〜1質量%であることが好ましく、0.02〜0.5質量%であることがさらに好ましい。
また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物をフィルム類、光学素子類、機能性顔料類、医薬品類、化粧品類、コーティング剤類、合成樹脂類等の用途に利用する場合には、その目的に応じて金属、金属錯体、染料、顔料、色素、蛍光材料、燐光材料、界面活性剤、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物等を添加することもできる。
本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を重合することにより得られるポリマーは種々の用途に利用できる。例えば、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を、配向させずに重合することにより得られるポリマーは、光散乱板、偏光解消板、モアレ縞防止板として利用可能である。また、配向させた後に重合することにより得られるポリマーは、光学異方性を有しており有用である。このような光学異方体は、例えば、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を、布等でラビング処理した基板、有機薄膜を形成した基板又はSiO2を斜方蒸着した配向膜を有する基板に担持させるか、基板間に挟持させた後、当該重合性液晶組成物を重合することによって製造することができる。
重合性液晶組成物を基板上に担持させる際の方法としては、スピンコーティング、ダイコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、ディッピング、プリント法等を挙げることができる。またコーティングの際、重合性液晶組成物に有機溶媒を添加しても良い。有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、非プロトン性溶媒等を使用することができるが、例えば炭化水素系溶媒としてはトルエン又はヘキサンを、ハロゲン化炭化水素系溶媒としては塩化メチレンを、エーテル系溶媒としてはテトラヒドロフラン、アセトキシ−2−エトキシエタン又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、アルコール系溶媒としてはメタノール、エタノール又はイソプロパノールを、ケトン系溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチルラクトン又はN−メチルピロリジノン類を、エステル系溶媒としては酢酸エチル又はセロソルブを、非プロトン性溶媒としてはジメチルホルムアミド又はアセトニトリルを挙げることができる。これらは単独でも、組み合わせて用いても良く、その蒸気圧と重合性液晶組成物の溶解性を考慮し、適宜選択すれば良い。添加した有機溶媒を揮発させる方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥を用いることができる。重合性液晶材料の塗布性をさらに向上させるためには、基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設けることや、重合性液晶材料にレベリング剤を添加する事も有効である。基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設ける方法は、重合性液晶材料を重合することにより得られるポリマーと基板との密着性を向上させるために有効である。
上記以外の配向処理としては、液晶材料の流動配向の利用、電場又は磁場の利用を挙げることができる。これらの配向手段は単独で用いても、また組み合わせて用いても良い。さらに、ラビングに代わる配向処理方法として、光配向法を用いることもできる。基板の形状としては、平板の他に、曲面を構成部分として有していても良い。基板を構成する材料は、有機材料、無機材料を問わずに用いることができる。基板の材料となる有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、トリアセチルセルロース、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、また、無機材料としては、例えば、シリコン、ガラス、方解石等が挙げられる。
本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を重合させる際、迅速に重合が進行することが望ましいため、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射することにより重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良く、非偏光光源を用いても良い。また、液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性を有していなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、さらに活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。また、照射時の温度は、本発明の重合性液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。特に、光重合によって光学異方体を製造しようとする場合には、意図しない熱重合の誘起を避ける意味からも可能な限り室温に近い温度、即ち、典型的には25℃での温度で重合させることが好ましい。活性エネルギー線の強度は、0.1mW/cm2〜2W/cm2が好ましい。強度が0.1mW/cm2以下の場合、光重合を完了させるのに多大な時間が必要になり生産性が悪化してしまい、2W/cm2以上の場合、重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物が劣化してしまう危険がある。
重合によって得られた当該光学異方体は、初期の特性変化を軽減し、安定的な特性発現を図ることを目的として熱処理を施すこともできる。熱処理の温度は50〜250℃の範囲であることが好ましく、熱処理時間は30秒〜12時間の範囲であることが好ましい。
このような方法によって製造される当該光学異方体は、基板から剥離して単体で用いても、剥離せずに用いても良い。また、得られた光学異方体を積層しても、他の基板に貼り合わせて用いてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に記述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
(実施例1) 式(I−1)で表される化合物の製造
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−1a)で表される化合物20.0g(0.12モル)、式(I−1b)で表される化合物35.3g(0.23モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 1.42g(12ミリモル)をとり、ジクロロメタン 100mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 32.2g(0.26モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い式(I−1c)で表される化合物 30.7g(0.070モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−1c)で表される化合物30.7g(0.070モル)、メタノール 150mL、リン酸二水素ナトリウム二水和物 5.40g(0.035モル)を水 30mLに溶解させた水溶液、30%過酸化水素水 25mLを加えた。撹拌しながら亜塩素酸ナトリウム 21.4g(0.24モル)を水 50mLに溶解させた水溶液を滴下した。40℃で8時間撹拌した後、水 500mLを加えた。沈殿物を濾過した後、水洗し乾燥させることにより、式(I−1d)で表される化合物 19.7g(0.042モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−1d)で表される化合物 19.7g(0.042モル)、4−ヒドロキシブチルアクリレート 13.2g(0.092モル)、トリフェニルホスフィン 24.1g(0.092モル)を加えテトラヒドロフラン 100mLに溶解させた。氷冷しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル 17.7g(0.088モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。溶媒を留去し、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行うことにより目的の式(I−1)で表される化合物 22.7gを得た。
式(I−1)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl3)δ 1.70(m,4H),1.87(m,8H),2.32(d,7.2Hz,4H),2.66(m,2H),3.89(s,6H),4.24(t,6.1Hz,4H),4.37(t,6.1Hz,4H),5.84(dd,10.3,0.9Hz,2H),6.13(dd,17.4,10.3Hz,2H),6.42(dd,17.4,1.3Hz,2H),7.09(d,8.3Hz,2H),7.66(m,4H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 25.3,25.4,27.8,42.2,56.1,64.0,64.6,113.3,122.5,122.6,128.3,128.8,130.8,143.7,151.0,165.8,166.2,172.9ppm.
LRMS(EI)m/z 724
転移温度:C 143(S 135)I
(実施例2) 式(I−2)で表される化合物の製造
実施例1に記載の式(I−1a)で表される化合物を式(I−2a)で表される化合物に置き換え、実施例1と同様の方法によって式(I−2)で表される化合物を製造した。
式(I−2)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl3)δ 1.27〜1.79(m,26H),2.27(quin,7.0Hz,2H),3.83(s,6H),3.97(t,7.1Hz,4H),4.30(t,7.1Hz,4H),5.59(dd,10.0,2.1Hz,2H),6.05(dd,16.8,10.0,2H),6.27(dd,16.8,2.1Hz,2H),7.29(d,7.5Hz,2H),7.57(m,4H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 25.1,25.2,28.6,28.6,28.8,28.8,41.3,42.9,55.8,64.5,65.0,113.3,122.6,124.4,127.9,128.2,131.3,146.2,151.5,165.9,166.5,176.9ppm.
LRMS(EI)m/z 806
(実施例3) 式(I−3)で表される化合物の製造
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−3a)で表される化合物 7.0g(0.049モル)、式(I−1b)で表される化合物 14.8g(0.097モル)、トリフェニルホスフィン 29.3g(0.11モル)を加えテトラヒドロフラン 50mLに溶解させた。氷冷しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル 21.6g(0.11モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。溶媒を留去し、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行うことにより式(I−3b)で表される化合物 14.0g(0.034モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−3b)で表される化合物 14.0g(0.034モル)、メタノール 100mL、リン酸二水素ナトリウム二水和物 2.04g(0.011モル)を水 20mLに溶解させた水溶液、30%過酸化水素水 15mLを加えた。撹拌しながら亜塩素酸ナトリウム 9.22g(0.10モル)を水 30mLに溶解させた水溶液を滴下した。40℃で8時間撹拌した後、水 300mLを加えた。沈殿物を濾過した後、水洗し乾燥させることにより、式(I−3c)で表される化合物 12.8g(0.029モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−3c)で表される化合物 12.8g(0.029モル)、4−ヒドロキシブチルアクリレート 9.17g(0.064モル)、トリフェニルホスフィン 17.4g(0.066モル)を加えテトラヒドロフラン 70mLに溶解させた。氷冷しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル 12.9g(0.064モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。溶媒を留去し、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行うことにより目的の式(I−3)で表される化合物 16.1gを得た。
式(I−3)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl3)δ 1.27〜1.94(m,18H),3.83(s,6H),3.90(d,7.0Hz,4H),3.97(t,7.1Hz,4H),4.30(t,7.1Hz,4H),5.59(dd,10.0,2.1Hz,2H),6.05(dd,16.8,10.0,2H),6.27(dd,16.8,2.1Hz,2H),7.10(d,7.5Hz,2H),7.50(m,4H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 25.1,25.2,27.7,27.7,38.7,56.1,64.5,65.0,75.2,111.8,113.5,122.7,122.8,128.2,131.3,149.8,154.9,165.9,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 696
(実施例4) 式(I−12)で表される化合物の製造
温度計、撹拌装置及び冷却装置を備えた4つ口フラスコに、式(I−12a)で表される化合物20.0g(0.12モル)、無水酢酸 18.2g(0.18モル)、酢酸 100mL、濃硫酸 5gを加え、70℃で3時間加熱撹拌した。放冷した後撹拌しながら水 300mLを加え、析出した固体を濾過した。水洗した後、乾燥させることにより式(I−12b)で表される化合物24.2g(0.12モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−12b)で表される化合物24.2g(0.12モル)、式(I−12c)で表される化合物11.8g(0.059モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 1.42g(12ミリモル)をとり、ジクロロメタン 100mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 18.0g(0.14モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い式(I−12d)で表される化合物29.5g(0.051モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−12d)で表される化合物29.5g(0.051モル)を加え、トルエン60mL及びテトラヒドロフラン60mLに溶解させた。ブチルアミン 5.55g(0.076モル)を滴下し室温で17時間撹拌した。5%塩酸を加え分液処理した後食塩水で3回洗浄した。溶媒を留去しカラムクロマトグラフィーにより精製し、再結晶することにより式(I−12e)で表される化合物 24.7g(0.050モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−12e)で表される化合物 24.7g(0.050モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート 12.7g(0.11モル)、トリフェニルホスフィン 29.9g(0.11モル)を加えテトラヒドロフラン 100mLに溶解させた。氷冷しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル 22.0g(0.011モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。溶媒を留去し、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行うことにより目的の式(I−12)で表される化合物 24.1gを得た。
式(I−12)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl3)δ 1.27〜1.52(m,10H),1.74〜1.99(m,8H),3.83(s,6H),3.91(quin,7.0Hz,2H),4.42(t,7.1Hz,4H),4.52(t,7.1Hz,4H),5.59(dd,10.0,2.1Hz,2H),6.05(dd,16.8,10.0,2H),6.27(dd,16.8,2.1Hz,2H),7.10(d,7.5Hz,2H),7.51(m,4H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 28.5,31.3,41.3,56.1,64.4,66.8,70.9,111.8,113.5,122.7,122.8,128.2,131.3,149.8,154.9,165.9,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 694
(実施例5) 式(I−13)で表される化合物の製造
実施例4に記載の式(I−12e)で表される中間体の製造において、実施例4に記載の式(I−12c)で表される化合物を式(I−13a)で表される化合物に置き換える以外は同様の方法によって、式(I−13c)で表される中間体を製造した。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−13c)で表される化合物 25.0g(0.060モル)、ジイソプロピルエチルアミン 17.1g(0.13モル)を加えジクロロメタン 100mLに懸濁させた。氷冷しながら塩化アクリロイル 11.4g(0.13モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。5%塩酸で分液処理し食塩水で洗浄した後溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行うことにより目的の式(I−13)で表される化合物 27.3gを得た。
式(I−13)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl3)δ 1.74(m,4H),1.99(m,4H),3.83(s,6H),3.91(quin,7.0Hz,2H),5.50(dd,10.0,2.1Hz,2H),6.03(dd,16.8,10.0,2H),6.10(dd,16.8,2.1Hz,2H),7.29(d,7.5Hz,2H),7.59(m,4H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 27.2,55.8,70.6,113.3,122.6,124.4,127.5,127.9,134.1,142.7,151.5,164.3,165.9ppm.
LRMS(EI)m/z 524
(実施例6) 式(I−21)で表される化合物の製造
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−13c)で表される化合物25.0g(0.060モル)、式(I−21a)で表される化合物27.3g(0.13モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.73g(6.0ミリモル)をとり、ジクロロメタン 100mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 16.7g(0.13モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い式(I−21)で表される化合物34.1gを得た。
式(I−13)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl3)δ 1.74(m,4H),1.99(m,4H),2.73(t,7.1Hz,4H),2.83(t,7.1Hz,4H),3.83(s,6H),3.91(quin,7.0Hz,2H),4.31(t,7.1Hz,4H),4.38(t,7.1Hz,4H),5.59(dd,10.0,2.1Hz,2H),6.05(dd,16.8,10.0,2H),6.27(dd,16.8,2.1Hz,2H),7.29(d,7.5Hz,2H),7.60(m,4H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 27.2,29.1,29.5,55.8,61.8,62.2,70.6,113.3,122.6,124.4,127.9,128.2,131.3,146.2,151.5,165.9,166.5,171.1,173.1ppm.
LRMS(EI)m/z 812
(実施例7) 式(I−23)で表される化合物の製造
温度計、撹拌装置及び冷却装置を備えた4つ口フラスコに式(I−1d)で表される化合物20.0g(0.042モル)、6−クロロヘキシルアクリレート 17.8g(0.093モル)、炭酸カリウム 17.6g(0.13モル)を加えアセトン150mLに懸濁させた。56℃で5時間加熱還流させた後、水 300mL及びジクロロメタン 300mLを加えた。分液処理した後、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行い式(I−23)で表される化合物23.1gを得た。
式(I−23)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl3)δ 1.43〜1.80(m,14H),2.27(quin,2H),3.83(s,6H),3.97(t,7.1Hz,4H),4.30(t,7.1Hz,4H),5.59(dd,10.0,2.1Hz,2H),6.05(dd,16.8,10.0,2H),6.27(dd,16.8,2.1Hz,2H),7.29(d,7.5Hz,2H),7.60(m,4H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 25.5,25.6,27.1,29.0,31.7,42.6,55.8,64.8,65.3,113.3,122.6,124.4,127.9,128.2,131.3,146.2,151.5,165.9,166.5,176.9ppm.
LRMS(EI)m/z 780
(実施例8) 式(I−27)で表される化合物の製造
実施例7において式(I−1d)で表される化合物を式(I−13c)で表される化合物に置き換えた以外は同様の方法によって、式(I−27)で表される化合物を製造した。
式(I−27)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl3)δ 1.43〜1.99(m,24H),3.83(s,6H),3.91(quin,2H),3.97(t,7.1Hz,4H),4.06(t,7.1Hz,4H),5.59(dd,10.0,2.1Hz,2H),6.05(dd,16.8,10.0,2H),6.27(dd,16.8,2.1Hz,2H),7.10(d,7.5Hz,2H),7.52(m,4H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 25.6,25.8,27.2,29.0,29.6,56.1,65.3,69.0,70.6,111.8,113.5,122.7,122.8,128.2,131.3,149.8,154.9,165.9,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 724
(参考例9) 式(I−35)で表される化合物の製造
温度計、撹拌装置及びディーンスターク装置を備えた4つ口フラスコに式(I−35a)で表される化合物20.0g(0.14モル)、4−ヒドロキシブチルアクリレート 100.0g(0.69モル)、トルエンスルホン酸一水和物1.32g(6.9ミリモル)を加えヘキサン 100mL及びジイソプロピルエーテル 100mLに溶解させた。80℃で8時間加熱還流させた。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い式(I−35b)で表される化合物22.5g(0.083モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに式(I−1a)で表される化合物10.0g(0.058モル)、式(I−1b)で表される化合物8.84g(0.058モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.71g(5.8ミリモル)をとり、ジクロロメタン 60mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 17.5g(0.14モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で4時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/酢酸エチル混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製することにより式(I−35c)で表される化合物10.7g(0.035モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに式(I−35c)で表される化合物10.7g(0.035モル)、式(I−35b)で表される化合物9.46g(0.035モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.43g(3.5ミリモル)をとり、ジクロロメタン 50mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 5.30g(0.042モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製することにより式(I−35d)で表される化合物15.6g(0.028モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−35d)で表される化合物15.6g(0.028モル)、メタノール 100mL、リン酸二水素ナトリウム二水和物 2.53g(0.014モル)を水 20mLに溶解させた水溶液、30%過酸化水素水 15mLを加えた。撹拌しながら亜塩素酸ナトリウム 7.56g(0.084モル)を水 50mLに溶解させた水溶液を滴下した。40℃で8時間撹拌した後、水 300mLを加えた。沈殿物を濾過した後、水洗し乾燥させることにより、式(I−35e)で表される化合物 11.0g(0.020モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに式(I−35e)で表される化合物 11.0g(0.020モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 3.12g(0.024モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.24g(2.0ミリモル)をとり、ジクロロメタン 55mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 3.03g(0.024モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製することにより目的の式(I−35)で表される化合物11.0gを得た。
式(I−35)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl3)δ 1.54〜2.01(m,23H),2.27(m,3H),3.83(s,3H),3.91(m,3H),4.13(t,7.1Hz,2H),4.48(t,7.1Hz,2H),4.56(t,7.1Hz,2H),5.59(dd,10.0,2.1Hz,1H),6.05(dd,16.8,10.0,1H),6.27(dd,16.8,2.1Hz,1H),6.40(d,2.1Hz,1H),6.48(d,2.1Hz,1H),7.29(d,7.5Hz,1H),7.58(m,2H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 17.9,25.1,25.2,25.8,27.1,27.1,29.1,42.6,43.0,43.3,55.8,62.1,63.3,65.0,65.2,71.5,113.3,122.6,124.4,125.2,127.9,128.2,131.3,136.0,146.2,151.5,165.9,166.5,167.2,175.5,175.8,176.9ppm.
LRMS(EI)m/z 686
(参考例10) 式(I−39)で表される化合物の製造
温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に式(I−39a)で表される化合物20.0g(0.17モル)、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム 2.16g(8.6ミリモル)を加え、ジクロロメタン 100mLに懸濁させた。氷冷しながら3,4−ジヒドロ−2H−ピラン 14.5g(0.17モル)を滴下した。室温で8時間撹拌した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(I−39b)で表される化合物27.6g(0.14モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに式(I−39b)で表される化合物27.6g(0.14モル)、4−アセトキシ安息香酸25.2g(0.14モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 1.71g(0.014モル)をとり、ジクロロメタン 150mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 21.2g(0.17モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製することにより式(I−39c)で表される化合物40.6g(0.11モル)を得た。
撹拌装置を備えたフラスコに式(I−39c)で表される化合物40.6g(0.11モル)を加え、テトラヒドロフラン80mL及びメタノール80mLに溶解させた。濃塩酸0.1mLを加え室温で8時間撹拌した。酢酸エチル400mLを加え、食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(I−39d)で表される化合物27.6g(0.099モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに式(I−39d)で表される化合物27.6g(0.099モル)、式(I−12b)で表される化合物20.8g(0.099モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 1.21g(9.9ミリモル)をとり、ジクロロメタン 150mLに懸濁させた。氷冷しながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 15.0g(0.12モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。析出物を濾過により除去した後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製した後、再結晶することにより式(I−39e)で表される化合物37.3g(0.079モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−39e)で表される化合物37.3g(0.079モル)を加え、トルエン80mL及びテトラヒドロフラン80mLに溶解させた。ブチルアミン 17.3g(0.24モル)を滴下し室温で17時間撹拌した。5%塩酸を加え分液処理した後食塩水で3回洗浄した。溶媒を留去しカラムクロマトグラフィーにより精製し、再結晶することにより式(I−39f)で表される化合物 28.1g(0.073モル)を得た。
温度計、撹拌装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、式(I−39f)で表される化合物 28.1g(0.073モル)、4−ヒドロキシブチルアクリレート 23.2g(0.16モル)、トリフェニルホスフィン 44.0g(0.17モル)を加えテトラヒドロフラン 150mLに溶解させた。氷冷しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル 32.5g(0.16モル)を反応温度が15度を超えないよう滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。溶媒を留去し、ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。ジクロロメタン/ヘキサンにより再結晶を行うことにより目的の式(I−39)で表される化合物 32.6gを得た。
式(I−39)で表される化合物の物性値
1H NMR(CDCl3)δ 1.62〜1.99(m,16H),3.83(s,3H),3.91〜4.06(m,10H),5.59(dd,10.0,2.1Hz,2H),6.05(dd,16.8,10.0,2H),6.27(dd,16.8,2.1Hz,2H),6.82(dd,7.5,1.5Hz,2H),7.10(m,3H),7.51(m,2H)ppm.
13C NMR(CDCl3)δ 25.3,27.2,27.2,27.7,56.1,65.3,68.4,68.7,70.6,70.6,111.8,113.5,114.3,121.7,122.7,122.8,128.2,130.5,131.3,163.7,165.9,165.9,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 638
(実施例11〜20及び比較例1〜5)保存安定性試験
実施例1〜実施例9に記載の本願発明の式(I−1)、式(I−2)、式(I−3)、式(I−12)、式(I−13)、式(I−21)、式(I−23)、式(I−27)、式(I−35)及び式(I−39)で表される化合物並びに、特開2011−246365号公報記載の式(C−1)で表される化合物、特開2010−024438号公報記載の式(C−2)で表される化合物、特開2003−315553号公報記載の式(C−3)で表される化合物、特開2007−241011号公報記載の式(C−4)で表される化合物及び特表2005−534993号公報記載の式(C−5)で表される化合物の安定保存濃度を測定しその結果を下記表1に記載する。
ここで、安定保存濃度は、母体液晶に評価対象となる化合物を30%から70%まで10%刻みで添加した組成物を各々調製し、調製した組成物を25℃で100時間放置した後に、結晶の析出が起こらない当該化合物の最大添加濃度と定義する。最大添加濃度が大きい化合物は安定保存濃度が大きく、長期間の保存によっても結晶の析出が発生しないことを意味する。
安定保存濃度を測定するために、下記化合物(VI):30%、化合物(VII):30%及び化合物(VIII):40%からなる液晶組成物を母体液晶(X)とした。
結果を下記表にまとめた。
表1より、本願発明の実施例11から実施例20の本願発明の式(I−1)、式(I−2)、式(I−3)、式(I−12)、式(I−13)、式(I−21)、式(I−23)、式(I−27)、式(I−35)及び式(I−39)で表される化合物はいずれも比較例2から比較例5の式(C−2)から式(C−5)で表される比較化合物と比較して結晶の析出の起こらない最大添加濃度が高く、高い保存安定性を示すことがわかる。
(実施例21〜実施例30及び比較例6〜比較例10)フィルムの作製
本願発明の式(I−1)、式(I−2)、式(I−3)、式(I−12)、式(I−13)、式(I−21)、式(I−23)、式(I−27)、式(I−35)及び式(I−39)で表される化合物を下記表2の組成に従い前述の母体液晶(X)に添加して、実施例21から実施例30の重合性液晶組成物を調製した。同様に比較化合物(C−1)から比較化合物(C−5)を含む比較例6から比較例10の重合性液晶組成物を調製した。
本願実施例21から本願実施例30の重合性液晶組成物並びに比較例6から比較例10の重合性液晶組成物のそれぞれ97%に、光重合開始剤イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカル社製)を3%添加した後シクロペンタノンに溶解させ25%の溶液とした。この溶液を、ラビング処理したポリイミド付きガラスにスピンコート法で塗布し、65℃で3分乾燥した。得られた塗膜を60℃のホットプレート上に置き、紫外線を20mW/cm2の強度で60秒間照射した。得られた重合体を200℃で60分ポストベークした。ポストベーク後のフィルムの550nmにおける位相差Re(550)及び400nmにおける位相差Re(400)を各々測定し、得られたフィルムの波長依存性(波長依存性=Re(400)/Re(550)と定義する。)を算出した。また、フィルムの、温度による位相差変化の大きさを比較するために、ポストベーク前とポストベーク後の550nmにおける位相差Re(550)を各々測定し、ポストベーク前後の位相差Re(550)の保持率(位相差保持率(%)=(Re(550)(ポストベーク後))/(Re(550)(ポストベーク前))×100と定義する。)を算出した。位相差の測定には、大塚電子株式会社製RETS−100を使用した。評価結果を表3に示す。
表3より、本願発明の実施例21から実施例30の本願発明の式(I−1)、式(I−2)、式(I−3)、式(I−12)、式(I−13)、式(I−21)、式(I−23)、式(I−27)、式(I−35)及び式(I−39)で表される化合物を添加して作製したフィルムはいずれもポストベーク後における位相差保持率が高く、ポストベーク工程で加熱されても配向状態は保たれており、加熱がフィルムの位相差へ与える影響が小さいことがわかる。一方、比較例6の式(C−1)で表される比較化合物を添加して作製したフィルムは、ポストベーク後に位相差が大きく低下した。このことから本願発明の重合性化合物と比較して温度による位相差の変化が大きく本願発明の重合性化合物が優れていることがわかる。また比較例7、比較例8及び比較例10の式(C−2)、式(C−3)及び式(C−5)を添加して作製したフィルムは、ポストベーク後に位相差の低下がわずかに見られた。
また本願発明の実施例21から実施例30の本願発明の式(I−1)、式(I−2)、式(I−3)、式(I−12)、式(I−13)、式(I−21)、式(I−23)、式(I−27)、式(I−35)及び式(I−39)で表される化合物を添加して作製したフィルムはいずれも十分な波長依存特性を有することがわかった。
以上のことから、本願発明の化合物は、位相差の波長依存性が低く、高い保存安定性と、フィルムを作製した際の高い位相差保持率とを同時に満足することがわかった。従って、本願発明の化合物は反応性組成物の構成部材として有用である。また、本願発明の化合物を含有する組成物を用いた光学異方体は、光学フィルム等の用途に有用である。