JP6550742B2 - 重合性化合物及び光学異方体 - Google Patents

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本発明は重合性基を有する化合物、当該化合物を含有する重合性組成物、重合性液晶組成物及び当該重合性液晶組成物を用いた光学異方体に関する。
重合性基を有する化合物(重合性化合物)は種々の光学材料に使用される。例えば、重合性化合物を含む重合性組成物を液晶状態で配列させた後、重合させることにより、均一な配向を有する重合体を作製することが可能である。このような重合体は、ディスプレイに必要な偏光板、位相差板等に使用することができる。多くの場合、要求される光学特性、重合速度、溶解性、融点、ガラス転移温度、重合体の透明性、機械的強度、表面硬度、耐熱性及び耐光性を満たすために、2種類以上の重合性化合物を含む重合性組成物が使用される。その際、使用する重合性化合物には、他の特性に悪影響を及ぼすことなく、重合性組成物に良好な物性をもたらすことが求められる。
液晶ディスプレイの視野角を向上させるために、位相差フィルムの複屈折率の波長分散性を小さく、若しくは逆にすることが求められている。そのための材料として、逆波長分散性若しくは低波長分散性を有する重合性液晶化合物が種々開発されてきた。しかしながら、それらの重合性化合物は、重合性組成物に添加した場合に結晶の析出が起こり、保存安定性が不十分であった(特許文献3)。また、重合性組成物を基材に塗布し重合させた場合に、ムラが生じやすい問題があった(特許文献1から特許文献3)。ムラの生じたフィルムを、例えばディスプレイに使用した場合、画面の明るさにムラが生じたり、色味が不自然であったりしてしまい、ディスプレイ製品の品質を大きく低下させてしまう問題がある。そのため、このような問題を解決することができる逆波長分散性若しくは低波長分散性を有する重合性液晶化合物の開発が求められていた。
WO2012/147904A1号公報 WO2012/141245A1号公報 特開2010−031223号公報
本発明が解決しようとする課題は、重合性組成物に添加した際に結晶の析出等が起こらず高い保存安定性を有するような重合性化合物を提供し、当該重合性化合物を含有する重合性組成物を重合して得られるフィルム状の重合物を作製した際にムラが生じにくい重合性組成物を提供することである。更に、当該重合性組成物を重合させることで得られる重合体及び当該重合体を用いた光学異方体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、下記一般式(I)で表される化合物の開発に至った。すなわち、本願発明は一般式(I)
Figure 0006550742
(式中、A及びAは各々独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良く、A及び/又はAが複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、Z及びZは各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CHCH−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−OCO−NH−、−NH−COO−、−NH−CO−NH−、−NH−O−、−O−NH−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、Z及び/又はZが複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、Mは下記の式(M−1)から式(M−8)
Figure 0006550742
から選ばれる基を表すが、これらの基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良く、PはそれぞれA又はMに直接置換している重合性基を含む置換基を表し、PはA又はMに直接置換している重合性基を含む置換基を表し、Gは下記の式(G−1)又は式(G−2)
Figure 0006550742
(式中、Rは水素原子、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、Wは少なくとも1つの芳香族基を有する、炭素原子数4から30の基を表すが、当該基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良く、Wは水素原子、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、若しくは、WはWと同様の意味を表しても良く、また、W及びWは一緒になって環構造を形成しても良い。)から選ばれる基を表し、Lはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、Lが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていても良く当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、m1及びm2は各々独立して0から5の整数を表すが、m1+m2は1から5の整数を表し、n1及びn2は各々独立して0から5の整数を表すが、n1又はn2が0である場合該当する基は水素原子を表し、n1+n2は1以上の整数を表す。)で表される化合物を提供し、併せて当該化合物を含有する重合性組成物、重合性液晶組成物、当該重合性液晶組成物を重合させることにより得られる重合体及び当該重合体を用いた光学異方体を提供する。
本願発明の化合物は、重合性組成物を構成した場合に保存安定性が高く、重合性組成物の構成部材として有用である。また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を用いた光学異方体はムラが少ないことから、位相差フィルム等の光学材料の用途に有用である。
本願発明は一般式(I)で表される化合物を提供し、併せて当該化合物を含有する重合性組成物、重合性液晶組成物、当該重合性液晶組成物を重合させることにより得られる重合体及び当該重合体を用いた光学異方体を提供する。
一般式(I)においてPはそれぞれA又はMに直接置換している重合性基を含む置換基を表し、PはA又はMに直接置換している重合性基を含む置換基を表すが、それぞれ、Pが下記一般式(II)で表される基、Pが一般式(III)で表される基が好ましい。
Figure 0006550742
(式中、Q及びQは各々独立して、下記の式(Q−1)から式(Q−20)
Figure 0006550742
から選ばれる基を表すことが好ましく、これらの重合性基はラジカル重合、ラジカル付加重合、カチオン重合及びアニオン重合により重合する。特に重合方法として紫外線重合を行う場合には、式(Q−1)、式(Q−2)、式(Q−3)、式(Q−4)、式(Q−5)、式(Q−7)、式(Q−11)、式(Q−13)、式(Q−15)又は式(Q−18)が好ましく、式(Q−1)、式(Q−2)、式(Q−7)、式(Q−11)又は式(Q−13)がより好ましく、式(Q−1)、式(Q−2)又は式(Q−3)がさらに好ましく、式(Q−1)又は式(Q−2)が特に好ましい。
上記S1及びSは各々独立してスペーサー基又は単結合を表すが、S1及びSが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていても良い。また、スペーサー基としては、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−又は−C≡C−に置き換えられても良い炭素原子数1から20のアルキレン基を表すことが好ましい。S1及びSは原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から複数存在する場合は各々同一であっても異なっていても良く、各々独立して、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−COO−、−OCO−に置き換えられても良い炭素原子数1から10のアルキレン基又は単結合を表すことがより好ましく、各々独立して炭素原子数1から10のアルキレン基又は単結合を表すことがさらに好ましく、複数存在する場合は各々同一であっても異なっていても良く各々独立して炭素原子数1から8のアルキレン基を表すことが特に好ましい。
上記X1及びXは各々独立して、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、X1及びXが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていても良い(ただし、Q−(S−Xk1−及び−(X−Sk2−には−O−O−結合を含まない。)。また、原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、複数存在する場合は各々同一であっても異なっていても良く、各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−又は単結合を表すことが好ましく、各々独立して−O−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−又は単結合を表すことがより好ましく、複数存在する場合は各々同一であっても異なっていても良く、各々独立して−O−、−COO−、−OCO−又は単結合を表すことが特に好ましい。
及びAは各々独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良いが、A及び/又はAが複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良い。A及びAは原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から各々独立して無置換又は1つ以上のLによって置換されても良い1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基又はナフタレン−2,6−ジイルを表すことが好ましく、各々独立して下記の式(A−1)から式(A−11)
Figure 0006550742
から選ばれる基を表すことがより好ましく、各々独立して式(A−1)から式(A−8)から選ばれる基を表すことがさらに好ましく、各々独立して式(A−1)から式(A−4)から選ばれる基を表すことが特に好ましい。
及びZは各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CHCH−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−OCO−NH−、−NH−COO−、−NH−CO−NH−、−NH−O−、−O−NH−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、Z及び/又はZが複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良い。Z及びZは化合物の液晶性、原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、各々独立して単結合、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すことが好ましく、各々独立して−OCH−、−CHO−、−CHCH−、−COO−、−OCO−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合を表すことがより好ましく、各々独立して−CHCH−、−COO−、−OCO−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−又は単結合を表すことがさらに好ましく、各々独立して−CHCH−、−COO−、−OCO−又は単結合を表すことが特に好ましい。
Mは下記の式(M−1)から式(M−8)
Figure 0006550742
から選ばれる基を表すが、これらの基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い。Mは原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から各々独立して無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い式(M−1)又は式(M−2)若しくは無置換の式(M−3)から式(M−6)から選ばれる基を表すことが好ましく、無置換又は1つ以上のLによって置換されても良い式(M−1)又は式(M−2)から選ばれる基を表すことがより好ましく、無置換の式(M−1)又は式(M−2)から選ばれる基を表すことが特に好ましい。
Gは下記の式(G−1)又は式(G−2)
Figure 0006550742
(式中、Rは水素原子、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、Wは少なくとも1つの芳香族基を有する、炭素原子数2から30の基を表すが、当該基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良く、Wは水素原子、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、若しくは、WはWと同様の意味を表しても良く、また、W及びWは一緒になって環構造を形成しても良い。)から選ばれる基を表す。
は水素原子、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い。Rは液晶性及び合成の容易さの観点から、任意の水素原子がフッ素原子に置換されても良く、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−COO−又は−OCO−によって置換されても良い炭素原子数1から12の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことが好ましく、任意の水素原子がフッ素原子に置換されても良い炭素原子数1から12の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことがより好ましく、炭素原子数1から12の直鎖状アルキル基を表すことが特に好ましい。
は少なくとも1つの芳香族基を有する、炭素原子数4から30の基を表すが、当該基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い。Wに含まれる芳香族基は芳香族炭化水素基又は芳香族複素基であっても良く、両方を含んでいても良い。これらの芳香族基は単結合又は連結基を介して結合していても良く、縮合環を形成しても良い。また、Wは芳香族基に加えて芳香族基以外の非環式構造及び/又は環式構造を含んでいても良い。Wに含まれる芳香族基は原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−1)から式(W−19)から選ばれる基が好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、これらの基から選ばれる2つ以上の芳香族基を単結合で連結した基を形成しても良い。Qは−O−、−S−、−NR−(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)又は−CO−を表す。これらの芳香族基中の−CH=は各々独立して−N=に置き換えられても良く、−CH−は各々独立して−O−、−S−、−NR−(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)又は−CO−に置き換えられても良いが、−O−O−結合を含まない。
式(W−1)で表される基としては、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−1−1)から式(W−1−8)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良い。)
式(W−7)で表される基としては、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−7−1)から式(W−7−7)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良い。)
式(W−10)で表される基としては、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−10−1)から式(W−10−8)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)
式(W−11)で表される基としては、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−11−1)から式(W−11−13)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)
式(W−12)で表される基としては、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−12−1)から式(W−12−19)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)
式(W−13)で表される基としては、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−13−1)から式(W−13−10)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)
式(W−14)で表される基としては、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−14−1)から式(W−14−4)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)
式(W−15)で表される基としては、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−15−1)から式(W−15−18)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)
式(W−16)で表される基としては、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−16−1)から式(W−16−4)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)
式(W−17)で表される基としては、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−17−1)から式(W−17−6)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)
式(W−18)で表される基としては、無置換又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−18−1)から式(W−18−6)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)
式(W−19)で表される基としては、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−19−1)から式(W−19−9)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)
に含まれる芳香族基は、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い式(W−1−1)、式(W−7−1)、式(W−7−2)、式(W−7−7)、式(W−8)、式(W−10−6)、式(W−10−7)、式(W−10−8)、式(W−11−8)、式(W−11−9)、式(W−11−10)、式(W−11−11)、式(W−11−12)又は式(W−11−13)から選ばれる基を表すことがより好ましく、無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い式(W−1−1)、式(W−7−1)、式(W−7−2)、式(W−7−7)、式(W−10−6)、式(W−10−7)又は式(W−10−8)から選ばれる基を表すことが特に好ましい。
さらに、Wは下記の式(W−a−1)から式(W−a−6)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
(上記式中、rは0から5の整数を表し、sは0から4の整数を表し、tは0から3の整数を表す。)
は水素原子、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、若しくは、WはWと同様の意味を表しても良く、また、W及びWは一緒になって環構造を形成しても良い。 Wは原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、水素原子、若しくは、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い、炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことが好ましく、水素原子、若しくは、炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことがより好ましく、水素原子、若しくは、炭素原子数1から12の直鎖状アルキル基を表すことが特に好ましい。また、WがWと同様の意味を表す場合、WはWと同一であっても異なっていても良いが、好ましい基はWについての記載と同様である。また、W及びWが一緒になって環構造を形成する場合、=CWで表される環状基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い下記の式(W−c−1)から式(W−c−81)から選ばれる基を表すことがさらに好ましい。
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
(上記式中、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)また、=CWで表される環状基は原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、無置換又は1つ以上のLによって置換されても良い上記式(W−c−11)、式(W−c−12)、式(W−c−13)、式(W−c−14)、式(W−c−53)、式(W−c−54)、式(W−c−55)、式(W−c−56)、式(W−c−57)又は式(W−c−78)から選ばれる基を表すことが特に好ましい。
及びWに含まれるπ電子の総数は、波長分散特性、保存安定性、液晶性及び合成の容易さの観点から4から24であることが好ましい。
上述の置換基Lはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い。液晶性、合成の容易さの観点から、Lはフッ素原子、塩素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−から選択される基によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことが好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−COO−又は−OCO−から選択される基によって置換されても良い炭素原子数1から12の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことがより好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い炭素原子数1から12の直鎖状又は分岐状アルキル基若しくはアルコキシ基を表すことがさらに好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、炭素原子数1から8の直鎖アルキル基若しくは直鎖アルコキシ基を表すことが特に好ましい。
m1及びm2は各々独立して0から5の整数を表すが、m1+m2は1から5の整数を表す。液晶性、合成の容易さ及び保存安定性の観点から、m1及びm2は各々独立して1から4の整数を表すことが好ましく、1から3の整数を表すことがより好ましく、1又は2を表すことが特に好ましい。m1+m2は1から4の整数を表すことが好ましく、2又は3を表すことが特に好ましい。
n1及びn2は各々独立して0から5の整数を表すが、同時に1を表すことはなく、n1又はn2が0である場合該当する基は水素原子を表し、n1+n2は1以上の整数を表す。液晶性、合成の容易さ及び保存安定性の観点から、n1及びn2のいずれか一方が0又は1を表し、もう一方が1を表すことが特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物として具体的には、下記の式(I−1)から式(I−80)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
本願発明の化合物は以下の製法で製造することができる。
(製法1)下記式(S−9)で表される化合物の製造
Figure 0006550742
(式中、Q、Q、S、S、X、X、L、W、Wは各々独立して一般式(I)で定義されたものと同一のものを表し、sは0から4の整数を表し、tは0から3の整数を表す。)
式(S−1)で表される化合物を式(S−2)で表される化合物と反応させることによって、式(S−3)で表される化合物を得ることができる。反応条件としては例えば縮合剤を用いる方法若しくは式(S−2)で表される化合物を酸クロリド、混合酸無水物又はカルボン酸無水物とした後、一般式(S−12)で表される化合物と塩基存在下反応させる方法が挙げられる。縮合剤を用いる場合、縮合剤として例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩が挙げられる。塩基としては例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。
式(S−3)で表される化合物を式(S−4)で表される化合物と反応させることによって、式(S−5)で表される化合物を得ることができる。
式(S−6)で表される化合物を例えばヒドロキシフタルイミドやアセトヒドロキシム酸エチル等のと反応させることによって、式(S−7)で表される化合物を得ることができる。反応例として例えば金属触媒及び塩基存在下、クロスカップリングさせる方法が挙げられる。金属触媒としては例えば、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、ヨウ化銅(I)が挙げられる。また触媒使用の際、2-ジシクロへキシルホスフィノ-2′,6′-ジイソプロポキシビフェニル, 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル, 2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル, 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル, 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル, 2'-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4,6-トリメトキシビフェニル, 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′-メチルビフェニル, 2-ジフェニルホスフィノ-2′-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル, 2-ジ-tert-ブチルホスフィノ−2′-メチルビフェニル, 2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2′-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル, 2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-3,4,5,6-テトラメチル-2′,4′,6′-トリイソプロピル-1,1′-ビフェニル, 2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-2',4',6'-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル等の配位子を同時に用いる方法が挙げられる。塩基としては例えばトリエチルアミン等が挙げられる。反応条件としては例えばMetal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions(Armin de Meijere、Francois Diedrich共著、Wiley−VCH)、Palladium Reagents and Catalysts:New Perspectives for the 21st Century(Jiro Tsuji著、Wiley & Sons,Ltd.)、Cross−Coupling Reactions:A Practical Guide(Topics in Current Chemistry)(S.L.Buchwald、K.Fugami、T.Hiyama、M.Kosugi、M.Miura、N.Miyaura、A.R.Muci、M.Nomura、E.Shirakawa、K.Tamao著、Springer)等の文献に記載の方法が挙げられる。
式(S−7)で表される化合物をヒドラジン水和物と反応させることによって、式(S−8)で表される化合物を得ることができる。
式(S−8)で表される化合物を酸触媒存在下、式(S−5)で表される化合物と反応させることによって、式(S−9)で表される化合物を得ることができる。酸としては例えばp−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、10−カンファースルホン酸等が挙げられる。
(製法2)下記式(S−13)で表される化合物の製造
Figure 0006550742
(式中、Q、Q、S、S、X、X、L、W、Wは各々独立して一般式(I)で定義されたものと同一のものを表し、sは各々独立して0から4の整数を表し、tは0から3の整数を表し、halogenはハロゲン原子又はハロゲン等価体を表す。)
式(S−1)で表される化合物を式(S−10)で表される化合物と反応させることによって、式(S−11)で表される化合物を得ることができる。アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル等のアゾジカルボン酸試薬とトリフェニルホスフィン等のホスフィン試薬を用いた光延反応を用いる方法、若しくは式(S−11)で表される化合物の水酸基をハロゲン基やメタンスルホニル基やトルエンスルホニル基に誘導後、エーテル化する方法が挙げられる。
製法1と同様に、式(S−11)で表される化合物を式(S−4)で表される化合物と反応させることによって、式(S−12)で表される化合物を得ることができる
製法1と同様に、式(S−12)で表される化合物を式(S−8)で表される化合物と反応させることによって、式(S−13)で表される化合物を得ることができる。
(製法3)下記式(S−19)で表される化合物の製造
Figure 0006550742
(式中、Q、Q、S、S、X、X、L、W、Wは各々独立して一般式(I)で定義されたものと同一のものを表し、sは各々独立して0から4の整数を表し、tは0から3の整数を表し、PGは保護基を表し、halogenはハロゲン原子又はハロゲン等価体を表す。)
式(S−14)で表される化合物を式(S−15)で表される化合物と反応させることによって、式(S−17)で表される化合物を得ることができる。反応例として例えば金属触媒及び塩基存在下、クロスカップリングさせる方法が挙げられる。金属触媒としては例えば、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が挙げられる。塩基としては例えばトリエチルアミン等が挙げられる。反応条件としては例えばMetal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions(Armin de Meijere、Francois Diedrich共著、Wiley−VCH)、Palladium Reagents and Catalysts:New Perspectives for the 21st Century(Jiro Tsuji著、Wiley & Sons,Ltd.)、Cross−Coupling Reactions:A Practical Guide(Topics in Current Chemistry)(S.L.Buchwald、K.Fugami、T.Hiyama、M.Kosugi、M.Miura、N.Miyaura、A.R.Muci、M.Nomura、E.Shirakawa、K.Tamao著、Springer)等の文献に記載の方法が挙げられる。
式(S−16)で表される化合物を式(S−4)で表される化合物と反応させることによって、式(S−17)で表される化合物を得ることができる。反応条件としては例えば縮合剤を用いる方法若しくは式(S−4)で表される化合物を酸クロリド、混合酸無水物又はカルボン酸無水物とした後、一般式(S−16)で表される化合物と塩基存在下反応させる方法が挙げられる。縮合剤を用いる場合、縮合剤として例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩が挙げられる。塩基としては例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。
式(S−17)で表される化合物の保護基(PG)を脱保護する。脱保護の反応条件としては、特に制限は無いが、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS((Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)等に挙げられているものが好ましい。脱保護して得られた水酸基を、製法1や製法2に示した縮合反応やエーテル化反応により、式(S−18)で表される化合物を得ることができる。
製法1と同様に、式(S−18)で表される化合物を式(S−8)で表される化合物と反応させることによって、式(S−19)で表される化合物を得ることができる。
(製法4)下記式(S−9)で表される化合物の製造
Figure 0006550742
(式中、Q、Q、S、S、X、X、L、W、Wは各々独立して一般式(I)で定義されたものと同一のものを表し、sは0から4の整数を表し、halogenはハロゲン原子又はハロゲン等価体を表し、tは0から3の整数を表す。)
製法1と同様に、式(S−1)で表される化合物から式(S−1)で表される化合物を合成した。
式(S−5)で表される化合物を例えばヒドロキシアミン及びヒドロキシアミン等価体と反応させることによって、式(S−20)で表される化合物を得ることができる。
式(S−20)で表される化合物を式(S−6)で表される化合物若しくは、(S−21)で表される化合物と反応させることによって、式(S−9)で表される化合物を得ることができる。
(製法5)下記式(S−27)で表される化合物の製造
Figure 0006550742
(式中、Q、Q、S、S、X、X、L、W、Wは各々独立して一般式(I)で定義されたものと同一のものを表し、sは0から4の整数を表し、halogenはハロゲン原子又はハロゲン等価体を表し、tは0から3の整数を表す。)
式(S−22)で表される化合物を式(S−2)で表される化合物と反応させることによって、式(S−23)で表される化合物を得ることができる。反応条件としては例えば縮合剤を用いる方法若しくは式(S−2)で表される化合物を酸クロリド、混合酸無水物又はカルボン酸無水物とした後、一般式(S−22)で表される化合物と塩基存在下反応させる方法が挙げられる。縮合剤を用いる場合、縮合剤として例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩が挙げられる。塩基としては例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。
式(S−23)で表される化合物を式(S−4)で表される化合物と反応させることによって、式(S−24)で表される化合物を得ることができる。
式(S−25)で表される化合物を例えばヒドロキシアミン及びヒドロキシアミン等価体と反応させることによって、式(S−26)で表される化合物を得ることができる。
式(S−26)で表される化合物を式(S−24)で表される化合物と反応させることによって、式(S−27)で表される化合物を得ることができる。
製法1から製法5の各工程において記載した以外の反応条件として、例えば実験化学講座(日本化学会編、丸善株式会社発行)、Organic Syntheses(A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)、Beilstein Handbook of Organic Chemistry(Beilstein−Institut fuer Literatur der Organischen Chemie、Springer−Verlag Berlin and Heidelberg GmbH & Co.K)、Fiesers’ Reagents for Organic Synthesis(John Wiley & Sons,Inc.)等の文献に記載の条件又はSciFinder(Chemical Abstracts Service,American Chemical Society)又はReaxys(Elsevier Ltd.)等のオンライン検索サービスから提供される条件が挙げられる。
また、各工程において適宜反応溶媒を用いることができる。溶媒としては目的の化合物を与えるものであれば制限は無いが、例えばtert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルアルコール、シクロヘキサノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−オクタノール、2−メトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、メタノール、メチルシクロヘキサノール、エタノール、プロパノール、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、1−クロロブタン、二硫化炭素、アセトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、o−ジクロロベンゼン、キシレン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、クロロベンゼン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸2−メトキシエチル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン、シクロヘキサノン、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、スチレン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、ピリジン、1−メチル−2−ピロリジノン、1,1,1−トリクロロエタン、トルエン、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、ヘプタン、ベンゼン、メチルイソブチルケトン、tert−ブチルメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチルブチルケトン、ジエチルケトン、ガソリン、コールタールナフサ、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリット等が挙げられる。有機溶媒及び水の二相系で反応を行う場合、相間移動触媒を添加することも可能である。相間移動触媒としては、例えば、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラート[Tween 20]、ソルビタンモノオレアート[Span 80]等が挙げられる。
また、各工程において必要に応じて精製を行うことができる。精製方法としてはクロマトグラフィー、再結晶、蒸留、昇華、再沈殿、吸着、分液処理等が挙げられる。精製剤を用いる場合、精製剤としてシリカゲル、アルミナ、活性炭、活性白土、セライト、ゼオライト、メソポーラスシリカ、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、備長炭、木炭、グラフェン、イオン交換樹脂、酸性白土、二酸化ケイ素、珪藻土、パーライト、セルロース、有機ポリマー、多孔質ゲル等が挙げられる。
本願発明の化合物は、ネマチック液晶組成物、スメクチック液晶組成物、キラルスメクチック液晶組成物及びコレステリック液晶組成物に使用することが好ましい。本願発明の反応性化合物を用いる液晶組成物において本願発明以外の化合物を添加しても構わない。
本願発明の重合性化合物と混合して使用される他の重合性化合物としては、具体的には一般式(II−1)
Figure 0006550742
及び/又は一般式(II−2)
Figure 0006550742
(式中、P21、P22及びP23は各々独立して重合性基を表し、S21、S22及びS23は各々独立して単結合又は炭素原子数1〜20個のアルキレン基を表すが、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−に置き換えられても良く、X21、X22及びX23は各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表し、Z23及びZ24は各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表し、A23、A24、A25及びA26は各々独立して、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、A23、A24、A25及びA26は各々独立して無置換であるか又はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基に置換されていても良く、R25は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、若しくは、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖又は分岐アルキル基を表し、m23及びm24は0、1、2又は3を表すが、m23及び/又は2m4が2又は3を表す場合、2個あるいは3個存在するA23、A25、Z23及び/又はZ24は同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物が好ましく、P21、P22及びP23がアクリル基又はメタクリル基である場合が特に好ましい。一般式(II−1)で表される化合物として具体的には、一般式(II−1A)
Figure 0006550742
(式中、W及びWは各々独立して水素又はメチル基を表し、S及びSは各々独立して炭素原子数2から18のアルキレン基、X及びXは各々独立して−O−、−COO−、−OCO−又は単結合を表し、Z及びZは各々独立して−COO−又は−OCO−を表し、A、A及びAは各々独立して無置換若しくはフッ素原子、塩素原子、炭素原子数1から4の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素原子数1から4の直鎖状又は分岐状アルコキシ基によって置換されていても良い1,4−フェニレン基を表す。)で表される化合物が好ましく、下記式(II−1A−1)から式(II−1A−4)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0006550742
(式中、W及びWは各々独立して水素又はメチル基を表し、Sは一般式(II−1A)におけるSと同じ意味を表し、Sは一般式(II−1A)におけるSと同じ意味を表す。)上記式(II−1A−1)から式(II−1A−4)において、S及びSが各々独立して炭素原子数2から8のアルキレン基である化合物が特に好ましい。
この他、好ましい2官能重合性化合物としては下記一般式(II−1B−1)から式(II−1B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006550742
(式中、W及びWは各々独立して水素又はメチル基を表し、S及びSは各々独立して炭素原子数2から18のアルキレン基を表す。)上記式(II−1B−1)から式(II−1B−3)において、S及びSが各々独立して炭素原子数2から8のアルキレン基である化合物が特に好ましい。
また、一般式(II−2)で表される化合物として具体的には、下記一般式(II−2−1)から式(II−2−7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006550742
(式中、Pは一般式(I)におけるPと同じ意味を表し、Sは単結合又は炭素原子数1から20個のアルキレン基を表すが、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−に置き換えられても良く、Xは単結合、−O−、−COO−、又は−OCO−を表し、Zは単結合、−COO−又は−OCO−を表し、Lはフッ素原子、塩素原子、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−COO−、−OCO−に置き換えられても良い炭素原子数1から10の直鎖状又は分岐状アルキル基を表し、sは0から4の整数を表し、Rは水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−に置き換えられても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表す。)
本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物には、当該組成物の液晶性を大きく損なわない程度に、液晶性を示さない重合性化合物を添加することも可能である。具体的には、この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識される化合物であれば特に制限なく使用可能である。具体例として例えば「光硬化技術データブック、材料編(モノマー,オリゴマー,光重合開始剤)」(市村國宏、加藤清視監修、テクノネット社)記載のものが挙げられる。
また、本願発明の化合物は光重合開始剤を使用しなくても重合させることが可能であるが、目的により光重合開始剤を添加しても構わない。その場合は光重合開始剤の濃度は、本願発明の化合物に対し0.1質量%から15質量%が好ましく、0.2質量%から10質量%がより好ましく、0.4質量%から8質量%がさらに好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられる。光重合開始剤の具体例としては2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907)、安息香酸[1−[4−(フェニルチオ)ベンゾイル]ヘプチリデン]アミノ(IRGACURE OXE 01)等が挙げられる。熱重合開始剤としては、アゾ化合物、過酸化物等が挙げられる。熱重合開始剤の具体例としては2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)等が挙げられる。また、1種類の重合開始剤を用いても良く、2種類以上の重合開始剤を併用して用いても良い。
また、本発明の液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加することもできる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン類、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添加量は、組成物に対して0.005質量%から1質量%の範囲が好ましく、0.02質量%から0.8質量%がより好ましく、0.03質量%から0.5質量%がさらに好ましい。また、1種類の安定剤を用いても良く、2種類以上の安定剤を併用して用いても良い。安定剤としては、具体的には式(III−1)から式(III−40)
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
Figure 0006550742
(式中、nは0から20の整数を表す。)で表される化合物が好ましい。
また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物をフィルム類、光学素子類、機能性顔料類、医薬品類、化粧品類、コーティング剤類、合成樹脂類等の用途に利用する場合には、その目的に応じて金属、金属錯体、染料、顔料、色素、蛍光材料、燐光材料、界面活性剤、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物等を添加することもできる。
本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を重合することにより得られるポリマーは種々の用途に利用できる。例えば、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を、配向させずに重合することにより得られるポリマーは、光散乱板、偏光解消板、モアレ縞防止板として利用可能である。また、配向させた後に重合することにより得られるポリマーは、光学異方性を有しており有用である。このような光学異方体は、例えば、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を、布等でラビング処理した基板、有機薄膜を形成した基板又はSiOを斜方蒸着した配向膜を有する基板に担持させるか、基板間に挟持させた後、当該重合性液晶組成物を重合することによって製造することができる。
重合性液晶組成物を基板上に担持させる際の方法としては、スピンコーティング、ダイコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、ディッピング、プリント法等を挙げることができる。またコーティングの際、重合性液晶組成物に有機溶媒を添加しても良い。有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、非プロトン性溶媒等を使用することができるが、例えば炭化水素系溶媒としてはトルエン又はヘキサンを、ハロゲン化炭化水素系溶媒としては塩化メチレンを、エーテル系溶媒としてはテトラヒドロフラン、アセトキシ−2−エトキシエタン又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、アルコール系溶媒としてはメタノール、エタノール又はイソプロパノールを、ケトン系溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチルラクトン又はN−メチルピロリジノン類を、エステル系溶媒としては酢酸エチル又はセロソルブを、非プロトン性溶媒としてはジメチルホルムアミド又はアセトニトリルを挙げることができる。これらは単独でも、組み合わせて用いても良く、その蒸気圧と重合性液晶組成物の溶解性を考慮し、適宜選択すれば良い。添加した有機溶媒を揮発させる方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥を用いることができる。重合性液晶材料の塗布性をさらに向上させるためには、基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設けることや、重合性液晶材料にレベリング剤を添加する事も有効である。基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設ける方法は、重合性液晶材料を重合することにより得られるポリマーと基板との密着性を向上させるために有効である。
上記以外の配向処理としては、液晶材料の流動配向の利用、電場又は磁場の利用を挙げることができる。これらの配向手段は単独で用いても、また組み合わせて用いても良い。さらに、ラビングに代わる配向処理方法として、光配向法を用いることもできる。基板の形状としては、平板の他に、曲面を構成部分として有していても良い。基板を構成する材料は、有機材料、無機材料を問わずに用いることができる。基板の材料となる有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、トリアセチルセルロース、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、また、無機材料としては、例えば、シリコン、ガラス、方解石等が挙げられる。
本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を重合させる際、迅速に重合が進行することが望ましいため、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射することにより重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良く、非偏光光源を用いても良い。また、液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性を有していなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、さらに活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。また、照射時の温度は、本発明の重合性液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。特に、光重合によって光学異方体を製造しようとする場合には、意図しない熱重合の誘起を避ける意味からも可能な限り室温に近い温度、即ち、典型的には25℃での温度で重合させることが好ましい。活性エネルギー線の強度は、0.1mW/cm〜2W/cmが好ましい。強度が0.1mW/cm以下の場合、光重合を完了させるのに多大な時間が必要になり生産性が悪化してしまい、2W/cm以上の場合、重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物が劣化してしまう危険がある。
重合によって得られた当該光学異方体は、初期の特性変化を軽減し、安定的な特性発現を図ることを目的として熱処理を施すこともできる。熱処理の温度は50〜250℃の範囲であることが好ましく、熱処理時間は30秒〜12時間の範囲であることが好ましい。
このような方法によって製造される当該光学異方体は、基板から剥離して単体で用いても、剥離せずに用いても良い。また、得られた光学異方体を積層しても、他の基板に貼り合わせて用いてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に記述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
(実施例1)式(I−1)で表される化合物の製造
Figure 0006550742
反応容器に式(I−1−1)で表される化合物5.00g、炭酸カリウム5.00g、アセトヒドロキシム酸エチル5.50g、ジメチルホルムアミド100mLを加えた。85℃で6時間撹拌した。ヘキサンで希釈し食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(I−1−2)で表される化合物7.11gを得た。
反応容器に式(I−1−2)で表される化合物7.00gを1,4−ジオキサン70mLに溶解している中に1N塩酸7mLを加えた。35℃で2時間撹拌した。テトラヒドロフランで希釈し水酸化ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(I−1−3)で表される化合物4.23gを得た。
反応容器に式(I−1−4)で表される化合物4.60g、式(I−1−5)で表される化合物2.70g、N,N−ジメチルアミノピリジン0.05g、ジクロロメタン30mLを加えた。ジイソプロピルカルボジイミド1.50gを滴下し室温で撹拌した。析出物を濾過した後、濾液をカラムクロマトグラフィー及び再結晶により精製を行い、式(I−1−6)で表される化合物4.73gを得た。
反応容器に式(I−1−6)で表される化合物2.00g、式(I−1−3)で表される化合物0.50g、テトラヒドロフラン10mL、エタノール10mLを攪拌している中に、濃塩酸を0.05mL加えた。撹拌した後、溶媒を留去しメタノールで分散洗浄した。カラムクロマトグラフィー及び再結晶により精製を行い、式(I−1)で表される化合物1.67gを得た。
MS(m/z):835[M+1]
(実施例2)式(I−44)で表される化合物の製造
Figure 0006550742
反応容器に式(I−44−1)で表される化合物20.00g、式(I−44−2)で表される化合物18.00g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド1.00g、炭酸カリウム20.00gをエタノール500mLを3時間加熱還流した。酢酸エチルで抽出、塩酸及び食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(I−44−3)で表される化合物21.62gを得た。
実施例1と同様の方法によって、式(I−44−3)で表される化合物と式(I−44−4)で表される化合物から式(I−44−5)で表される化合物を15.82g得た。
式(I−44−5)で表される化合物1.80gとヒドロキシアミン塩酸塩750mgをトルエン9.00mLに溶解し、加熱還流した。酢酸エチルを滴下、食塩水で洗浄した。再結晶より精製を行い、式(I−44−6)で表される化合物1.32gを得た。
式(I−44−6)で表される化合物1.00g、式(I−44−7)で表される化合物1.00g、炭酸セシウム1.90g、アリルパラジウム(II)クロリド7.10mg、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-2',4',6'-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル38.00mgをトルエン9.00mLに溶解し、65℃に加熱した。酢酸エチルを滴下、食塩水で洗浄した。再結晶より精製を行い、式(I−44)で表される化合物1.02gを得た。MS(m/z):656[M+1]
(実施例3)式(I−75)で表される化合物の製造
Figure 0006550742
反応容器に式(I−75−1)で表される化合物5.00g、炭酸カリウム10.00g、式(I−75−2)で表される化合物20.00g、ジメチルホルムアミド100mLを加えた。85℃で6時間撹拌した。ヘキサンで希釈し食塩水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(I−75−3)で表される化合物12.11gを得た。
反応容器に式(I−75−3)で表される化合物12.00gをメタノール200mLに溶解している中に、リン酸二水素ナトリウム水溶液(リン酸二水素ナトリウム二水和物12.00gを水100mL に溶解したもの)、30%過酸化水素水10mLを順次加える。続いて、亜塩素酸ナトリウム水溶液(純度80%の亜塩素酸ナトリウム15.00gを水100 mLに溶解したもの)を滴下して加える。反応液を45℃で3時間攪拌し、生成した析出物を濾過することで、式(I−75−4)で表される化合物10.22gを得た。
反応容器に式(I−75−4)で表される化合物9.20g、式(I−75−5)で表される化合物7.20g、N,N−ジメチルアミノピリジン0.10g、ジクロロメタン50mLを加えた。ジイソプロピルカルボジイミド3.00gを滴下し室温で撹拌した。析出物を濾過した後、濾液をカラムクロマトグラフィー及び再結晶により精製を行い、式(I−75−6)で表される化合物4.65gを得た。
反応容器に式(I−75−6)で表される化合物4.60g、式(I−75−7)で表される化合物2.2g、N,N−ジメチルアミノピリジン0.05g、ジクロロメタン30mLを加えた。ジイソプロピルカルボジイミド1.55gを滴下し室温で撹拌した。析出物を濾過した後、濾液をカラムクロマトグラフィー及び再結晶により精製を行い、式(I−75−8)で表される化合物5.56gを得た。
実施例1と同様の方法によって、反応容器に式(I−75−8)で表される化合物2.00g、式(I−75−9)で表される化合物0.49gから式(I−75)で表される化合物を1.97g得た。
MS(m/z):1048[M+1]
実施例1から実施例3と同様の方法、公知の方法に準拠した方法を用いて、式(I−2)から式(I−43)、式(I−45)から式(I−74)、式(I−76)から式(I−80)で表される化合物を製造した。
(実施例4〜6、比較例1〜3)
実施例1から実施例3記載の式(I−1)、式(I−44)、式(I−75)で表される化合物及び、特許文献1記載の化合物(R−1)、特許文献2記載の化合物(R−2)並びに特許文献3記載の化合物(R−3)を評価対象の化合物とした。
Figure 0006550742
保存安定性を評価するために、評価対象の化合物の安定保存濃度を測定した。安定保存濃度は、母体液晶に評価対象となる化合物を5%から25%まで5%刻みで添加した組成物を各々調製し、調製した組成物を17.5℃で10週間放置した後に、結晶の析出が起こらない当該化合物の最大添加濃度と定義する。最大添加濃度が大きい化合物は安定保存濃度が大きく、長期間の保存によっても結晶の析出が発生しないことを意味する。
安定保存濃度を測定するために、公知の下記化合物(X−1):30%、化合物(X−2):30%及び化合物(X−3):40%からなる液晶組成物を母体液晶(X)とした。評価結果を表1に示す。
Figure 0006550742
Figure 0006550742
表より、実施例4から実施例6の本願発明の式(I−1)、式(I−44)、式(I−75)で表される化合物はいずれも比較例1から比較例3の化合物(R−1)から化合物(R−3)と比較して、結晶の析出の起こらない最大添加濃度が同程度若しくは高いことから、高い保存安定性を示すことがわかる。
(実施例7〜9、比較例4〜6)
配向膜用ポリイミド溶液を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布し、100℃で10分乾燥した後、200℃で60分焼成することにより塗膜を得た。得られた塗膜をラビング処理した。ラビング処理は、市販のラビング装置を用いて行った。
母体液晶(X)に評価対象となる化合物を25%添加することにより調製した組成物各々に対し、光重合開始剤Irgacure907(BASF社製)を1%、4−メトキシフェノールを0.1%及びクロロホルムを80%添加し塗布液を調製した。この塗布液をラビングしたガラス基材にスピンコート法により塗布した。80℃で1分間乾燥させた後、さらに120℃で1分間乾燥した。その後、高圧水銀ランプを用いて、紫外線を40mW/cmの強度で25秒間照射することにより、評価対象のフィルムを作製した。
得られた重合体について、偏光顕微鏡観察によってムラの程度を評価した。評価対象の化合物を添加したフィルムを各10枚ずつ作製し、ムラの個数をカウントした。10枚のフィルムにおいて観察されたムラの個数を合計し、ムラの個数が0であればA、ムラが1個であればB、ムラが5個以下であればC、ムラが6個から10個であればD、ムラが11個から20個であればE、ムラが21個以上であればFとした。評価結果を表2に示す。
Figure 0006550742
表より、実施例7から実施例9の本願発明の式式(I−1)、式(I−44)、式(I−75)で表される化合物はいずれも比較例4から比較例6の化合物(R−1)から化合物(R−3)と比較して、ムラが少ないことがわかる。
以上の結果から、実施例1から実施例3記載の本願発明である式(I−1)、式(I−44)、式(I−75)で表される化合物は、重合性組成物を構成した場合に保存安定性が高く、本願発明の化合物を含有する組成物を用いた光学異方体は、ムラが少ないことがわかる。従って、本願発明の化合物は、重合性組成物の構成部材として有用である。また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を用いた光学異方体は光学フィルム等の用途に有用である。

Claims (9)

  1. 一般式(I)
    Figure 0006550742
    (式中、A及びAは各々独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良く、A及び/又はAが複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、Z及びZは各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CHCH−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−OCO−NH−、−NH−COO−、−NH−CO−NH−、−NH−O−、−O−NH−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、Z及び/又はZが複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、Mは下記の式(M−1)から式(M−8)
    Figure 0006550742
    から選ばれる基を表すが、これらの基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良く、PはそれぞれA又はMに直接置換している重合性基を含む置換基を表し、PはA又はMに直接置換している重合性基を含む置換基を表し、Gは下記の式(G−1)又は式(G−2)
    Figure 0006550742
    (式中、Rは水素原子、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、式(G−1)中のWは下記の式(W−1)から式(W−19)
    Figure 0006550742
    (式中、これらの基は任意の位置に結合手を有しており、Qは−O−、−S−、−NR−(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)又は−CO−を表す。これらの芳香族基中の−CH=は各々独立して−N=に置き換えられても良く、−CH−は各々独立して−O−、−S−、−NR−(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)又は−CO−に置き換えられても良いが、−O−O−結合を含まない。また、これらの芳香族基は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良く、これらの基から選ばれる2つ以上の芳香族基を単結合で連結した基を形成しても良い。)で表される芳香族基を表し、式(G−2)中のWは少なくとも1つの芳香族基を有する、炭素原子数4から30の基を表すが、当該基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良く、Wは水素原子、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、若しくは、WはWと同様の意味を表しても良く、また、W及びWは一緒になって環構造を形成しても良い。)から選ばれる基を表し、Lはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、Lが化合物全体中に複数存在する場合それらは同一であっても異なっていても良く、m1及びm2は各々独立して0から5の整数を表すが、m1+m2は1から5の整数を表し、n1及びn2は各々独立して0から5の整数を表すが、n1又はn2が0である場合該当する基は水素原子を表し、n1+n2は1以上の整数を表す。)で表される化合物。
  2. 一般式(I)において、Pが一般式(II)、Pが一般式(III)
    Figure 0006550742
    (式中、Q及びQは各々独立して下記の式(Q−1)から式(Q−20)
    Figure 0006550742
    から選ばれる重合性基を表し、S1及びSは各々独立してスペーサー基又は単結合を表すが、S1及び/又はSが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていても良く、X1及びXは各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、X1及び/又はXが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていても良く、k1及びk2は各々独立して0から8の整数を表す。)で表される、請求項1に記載の化合物。
  3. 一般式(I)において、W及びWに含まれるπ電子の総数が4から24である、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
  4. 一般式(I)において、式(G−2)中のWに含まれる芳香族基が下記の式(W−1)から式(W−19)
    Figure 0006550742
    (式中、これらの基は任意の位置に結合手を有していて良く、Qは−O−、−S−、−NR−(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)又は−CO−を表す。これらの芳香族基中の−CH=は各々独立して−N=に置き換えられても良く、−CH−は各々独立して−O−、−S−、−NR−(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1から8のアルキル基を表す。)又は−CO−に置き換えられても良いが、−O−O−結合を含まない。また、これらの芳香族基は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良く、これらの基から選ばれる2つ以上の芳香族基を単結合で連結した基を形成しても良い。)で表される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の化合物を含有する組成物。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の化合物を含有する液晶組成物。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の組成物を重合することにより得られる重合体。
  8. 請求項7記載の重合体を用いた光学異方体。
  9. 請求項1から請求項4いずれかに記載の化合物を用いた樹脂、樹脂添加剤、オイル、フィルター、接着剤、粘着剤、油脂、インキ、医薬品、化粧品、洗剤、建築材料、包装材、液晶材料、有機EL材料、有機半導体材料、電子材料、自動車部品、航空機部品、機械部品、農薬又は食品並びにそれらを使用した製品。
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