JP6051393B2 - ポアソンノイズ除去装置、ポアソンノイズ除去方法、及びx線撮影装置 - Google Patents

ポアソンノイズ除去装置、ポアソンノイズ除去方法、及びx線撮影装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像のポアソンノイズを除去するポアソンノイズ除去装置及びポアソンノイズ除去方法並びにポアソンノイズ除去装置を備えるX線撮影装置に関する。
X線撮影で得られる画像に含まれるノイズはポアソンノイズが支配的であることが知られている。ポアソン分布は平均と分散が常に一致するため、X線撮影の際に被写体に照射されるX線量子の個数が多いほど、X線撮影で得られる画像に含まれるポアソンノイズの大きさも大きくなる。
ノイズには、信号の大きさに依存して大きさが変動するノイズと、信号の大きさに関わらず大きさが一定であるノイズとの二種類がある。ポアソンノイズは前者である。
ノイズによる絶対的な変動は分散として表現される。これに対し、ノイズの変動に対する相対的な信号強度として信号対雑音比と呼ばれる量が定義される。信号対雑音比が大きいほど、その信号に含まれるノイズの割合は小さいことを意味する。
X線撮影の際に被写体に照射されるX線量子の個数が多くなると、X線撮影で得られる画像に含まれるポアソンノイズの絶対的な大きさ(分散)は上述した通り大きくなるが、信号強度はそれ以上に大きくなるため、信号強度に対するポアソンノイズの相対的な大きさ(信号対雑音比の逆数)は小さくなることが知られている。したがって、X線撮影で得られる画像に含まれるポアソンノイズの分散(絶対的な大きさ)は、X線撮影の際に被写体に照射されるX線量子の個数が多いほど大きくなるのに対して、X線撮影で得られる画像の信号対雑音比は、X線撮影の際に被写体に照射されるX線量子の個数が少ないほど悪く(小さく)なる。
ここで、水中において横方向に並べた2本のアルミ棒をX線撮影した場合の測定画像及びその横方向へのプロファイルをそれぞれ図19(a)、図19(b)に示し、水中において横方向に並べた2本のアルミ棒をX線撮影した場合の投影画像(測定画像を対数変換した画像)及びその横方向へのプロファイルをそれぞれ図20(a)、図20(b)に示す。
アルミ棒が存在する領域について、図19(a)を見ると測定画像ではノイズが小さいように見えるが、実際は図19(b)から分かるように信号対雑音比が悪い。そのため、投影画像ではアルミ棒が存在する領域周りよりもノイズが大きくなって現れる。
特開2007−200769号公報(段落0044〜0054) 特開2008−006288号公報 特表2010−528764号公報 特表2010−527741号公報
特許文献1では、電子顕微鏡画像に最大エントロピー法を用いた画像処理を施し、ポアソンノイズの低減を図っている。しかしながら、特許文献1で提案されている画像処理は、ポアソンノイズがビームハードニング補正処理によって非線形に増幅された場合に、充分なノイズ除去が期待できるものではない。
また、特許文献2〜4で提案されているコスト関数(エネルギー関数)を用いた画像処理は、画像処理の問題をエネルギー最小化問題に帰着させている点で、後述する本発明と共通しているものの、取り扱う問題(具体的な画像処理の内容)が本発明とは異なっている。
本発明は、上記の状況に鑑み、ポアソンノイズがビームハードニング補正処理によって非線形に増幅された場合であっても画像のポアソンノイズを適切に除去することができるポアソンノイズ除去装置、ポアソンノイズ除去方法、及びX線撮影装を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明に係るポアソンノイズ除去装置においては、入力画像にポアソンノイズ除去処理を施して出力画像を生成するポアソンノイズ除去装置であって、前記ポアソンノイズ除去処理が、前記出力画像がノイズが存在しない理想画像に近づくほど、その値が小さくなるように定式化されたエネルギー関数を用い、前記エネルギー関数を最小にするまたは近似的に最小にする前記出力画像求める処理であり、前記エネルギー関数が、注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する因子を含んでいる構成(第1の構成)としている。
このような構成によると、ポアソンノイズ除去処理で用いるエネルギー関数が、注目画素における平滑化の強さを示し注目画素毎に動的に変化する因子を含んでいるので、平滑化の強さを画素毎に動的に変化させることができる。これにより、ポアソンノイズがビームハードニング補正処理によって非線形に増幅された場合であっても、画像のポアソンノイズを適切に除去することができる
さらに、前記エネルギー関数が、
又は
(ここで、
は前記出力画像であり、
は前記入力画像であり、iは前記注目画素のラベルであり、ijは前記注目画素の近傍に位置する画素のラベルであり、h(fi)が前記注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する因子である。)
である構成(第2の構成)が好ましい。
このような構成によると、互いに近傍に位置する画素同士は同じ値を持ちやすいという傾向の強さをパラメータαによって容易に調整でき、ノイズの全体的な大きさをパラメータβによって容易に調整できる。また、上記第2の構成において、前記出力画像が、確率分布
を用いた期待値計算によって前記エネルギー関数を近似的に最小にする画像である構成(第3の構成)にしてもよい。さらに、上記第3の構成において、前記期待値計算が、前記確率分布に平均場近似を適用した計算である構成(第4の構成)にしてもよい。上記第4の構成によると、注目画素における平滑化の強さを示し注目画素毎に動的に変化する因子を含んでいるエネルギー関数の最小化問題を、確率分布を用い当該確率分布に平均場近似を適用した期待値計算によって解くことになるので、ガウス関数の公式等を利用することができ、解析的な扱いが可能となる。
また、上記目的を達成するために本発明に係るポアソンノイズ除去方法においては、入力画像にポアソンノイズ除去処理を施して出力画像を生成するポアソンノイズ除去方法であって、前記ポアソンノイズ除去処理が、前記出力画像がノイズが存在しない理想画像に近づくほど、その値が小さくなるように定式化されたエネルギー関数を用い、前記エネルギー関数を最小にするまたは近似的に最小にする前記出力画像求める処理であり、前記エネルギー関数が、注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する因子を含んでいるようにする。
また、上記目的を達成するために本発明に係るX線撮影装置においては、被写体に対してX線を照射するX線照射部と、前記被写体を透過したX線を検出するX線検出部と、前記X線検出部の検出結果に基づく画像を入力する上記いずれかの構成のポアソンノイズ除去装置とを備える構成としている。
さらに、X線撮影で得られる投影画像に対して、第1の関数y=f(x)を用いてビームハードニング補正を行うビームハードニング補正装置を備え、第1の関数が、第2の関数の逆関数であり、第2の関数が、ロジスティック曲線を表す第3の関数y=γ/[1+exp[-δ(x-ε)]]を平行移動して得られる関数であることが好ましい。
ビームハードニング補正を行われた場合、ノイズが増強されることになるので、当該構成によると、ポアソンノイズ除去装置によるポアソンノイズ除去がより一層効果的になる。
さらに、第1の関数が、
であり、
前記ポアソンノイズ除去装置が上記第2の構成のポアソンノイズ除去装置であって、
(ここで、I0(i)は、被写体が存在しないときの測定画像のラベルがiである画素の画素値である。)
を満たすことが好ましい。
当該構成によると、ビームハードニング補正によるノイズの増強に対応した因子h(fi)が設定されるので、ポアソンノイズ除去装置によるポアソンノイズ除去がより一層適切になる。
本発明によると、ポアソンノイズ除去処理で用いるエネルギー関数が、注目画素における平滑化の強さを示し注目画素毎に動的に変化する因子を含んでいるので、平滑化の強さを画素毎に動的に変化させることができる。これにより、ポアソンノイズがビームハードニング補正処理によって非線形に増幅された場合であっても、画像のポアソンノイズを適切に除去することができる
本発明の一実施形態に係るX線撮影装置の本体部の外観を示す図である。 パノラマ撮影モードの標準軌道を示す図である。 局所CT撮影モードの軌道を示す図である。 局所CT撮影モードにおいて、撮影対象部位の中心を前歯の位置に設定した場合の撮影対象部位の中心及び画像再構成範囲を示す図である。 局所CT撮影モードにおいて、撮影対象部位の中心を左顎の位置に設定した場合の撮影対象部位の中心及び画像再構成範囲を示す図である。 局所CT撮影モードにおいて、撮影対象部位の中心を左第2小臼歯の位置に設定した場合の撮影対象部位の中心及び画像再構成範囲を示す図である。 全歯CT撮影モードの軌道を示す図である。 全顎CT撮影モードの軌道を示す図である。 画像処理装置の構成を示す図である。 測定画像及び投影画像の各例を示す図である。 第3の関数の一例を示すグラフである。 第2の関数の一例を示すグラフである。 第1の関数の一例を示すグラフである。 頭部ファントムのビームハードニング補正を適用して得られた再構成画像及びその2値化画像を示す図である。 頭部ファントムの再構成画像及びその2値化画像を示す図である。 水中において横方向に並べた2本のアルミ棒をX線撮影した場合のビームハードニング補正を適用して得られた投影画像及びその横方向へのプロファイルを示す図である。 比較例のノイズ除去処理を行い、ビームハードニング補正を適用して得られる再構成画像及びそれと図14(a)の再構成画像との差分画像を示す図である。 本発明に係るポアソンノイズ除去処理を行い、ビームハードニング補正を適用して得られる再構成画像及びそれと図14(a)の再構成画像との差分画像を示す図である。 水中において横方向に並べた2本のアルミ棒をX線撮影した場合の測定画像及びその横方向へのプロファイルを示す図である。 水中において横方向に並べた2本のアルミ棒をX線撮影した場合の投影画像及びその横方向へのプロファイルを示す図である。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
まず始めに、本発明の一実施形態に係るX線撮影装置の本体部1(以下、「X線撮影装置の本体部1」と称す)の構成について図1を参照して説明する。図1はX線撮影装置1の本体部の外観を示す図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は正面図、図1(c)は側面図である。
X線撮影装置の本体部1は、歯科用あるいは耳鼻科用等のX線撮影装置の本体部であって、床面に載置されるベース2と、ベース2から鉛直方向に立設された下部ポール3と、鉛直方向にスライド可能に下部ポール3に接続される上部ポール4と、上部ポール4の上端部に固定されている固定アーム5と、回転可能に固定アーム5に接続される旋回アーム6と、上部ポール4の中央部に固定されており被写体(例えば歯など)を含む人体の頭部を保持する頭部保持部7とを備えている。実施形態では、固定アーム5が上部ポール4に固定されているが、例えば、X線撮影装置の本体部1を設置する部屋の壁や天井に固定アーム5が直接あるいは部屋の壁や天井との距離を調整することができる調整機構を介して取り付けられる態様であってもよい。
旋回アーム6は、被写体に対してX線を照射するX線照射部8と、被写体を透過したX線を検出するX線検出部9とを対向して配置している。本実施形態では、X線検出部9として、照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が二次元状に配置されている二次元X線検出器を用いる。
X線撮影装置の本体部1の撮影モードは特に限定されないが、例えば、パノラマ撮影モードやCT撮影モードを挙げることができる。パノラマ撮影モードでは、X線照射部8及びX線検出部9が歯列弓の形状に沿った所定の軌跡を描くように、旋回アーム6の旋回軸を旋回軸に垂直な方向(X方向、Y方向)に移動させ、旋回アーム6を旋回軸回りに旋回させながら断層撮影を行う。CT撮影モードでは、頭部の対象撮影領域(画像再構成範囲)を中心にして旋回アーム6を回転させながら、対象撮影領域(画像再構成範囲)の断層撮影を行う。
ここで、パノラマ撮影モードについて図2を参照してより詳細に説明する。図2はパノラマ撮影モードの標準(成人用)軌道を示している。パノラマ撮影モードの標準(成人用)軌道では、X線照射部8及びX線検出部9が仮想歯列弓201の形状に沿った所定の軌跡を描いてX線ビームの軌跡が包絡線状の軌跡202になるように、X線照射部8及びX線検出部9が配置されている旋回アーム6を、撮影開始位置P1から図2に示す軌道に沿って撮影終了位置P2まで移動させる。撮影開始位置P1と撮影終了位置P2との間における旋回アーム6の旋回角度は約220度である。なお、撮影終了位置P2を除く図2に示された旋回アーム6の位置は被写体の撮影領域の左半分における各撮影位置である。X線照射部8のX線焦点8Aから射出されるX線は、X線照射部8に設けられているX線絞り8Bによって絞られ、X線検出部9上でのX線ビーム幅Wが調整される。
パノラマ撮影モードは、上述した標準(成人用)軌道の他に、小児用軌道、直行軌道、顎関節撮影軌道、上顎洞撮影軌道などを有していることが好ましい。小児用軌道は、仮想歯列弓201の形状が小さくなる点が標準軌道と異なっている。直行軌道は、各撮影位置でのX線ビームが患者歯列弓203の歯と歯の間を通過するようにしている点が標準軌道と異なっている。顎関節撮影軌道(側面)は、X線照射部8及びX線検出部9が仮想歯列弓201の両端部分(顎関節撮影可能部分)の形状に沿った所定の軌跡を描くように旋回アーム6を移動させる点が標準軌道と異なっている。顎関節撮影軌道(正面)は、X線照射部8及びX線検出部9が仮想線204の形状に沿った所定の軌跡を描くように旋回アーム6を移動させる点が標準軌道と異なっている。上顎洞撮影軌道は、X線照射部8及びX線検出部9が仮想線205の形状に沿った所定の軌跡を描くように旋回アーム6を移動させる点が標準軌道と異なっている。
続いて、CT撮影モードについて図3〜図8を参照してより詳細に説明する。なお、図3〜図8において図2と同一の部分には同一の符号を付す。
局所CT撮影モードは、歯顎領域内の上下歯牙領域全体よりも狭い特定の領域を撮影対象とするCT撮影モードである。局所CT撮影モードの画像再構成範囲は例えば直径51mm高さ55mmの円柱形状の空間領域である。図3は局所CT撮影モードの軌道を示している。局所CT撮影モードでは、図3に示すように、X線検出部9の中心がX線照射部8と旋回アーム6の旋回軸中心206とを結ぶラインの延長線上にくるように旋回アーム6を旋回させながら複数の撮影位置で撮影が行われる。また、局所CT撮影モードでは、通常、図3に示すように、旋回アーム6の旋回軸中心206は定位置になっている。なお、図3には撮影位置として4箇所が図示されているが、これはあくまで例示であり撮影位置は図示された箇所に限定されるものではない。
局所CT撮影モードは、後述する全歯CT撮影モードや全顎CT撮影モードに比べてX線検出部9上でのX線ビーム幅Wが狭いため、X線検出部9のサイズが小さくても実施可能である。
なお、局所CT撮影モードでは、撮影対象部位(関心領域)の中心を何処に設定するかに応じて旋回アーム6の旋回軸中心206の位置を変えるようにしており、通常、図3に示すように、撮影対象部位(関心領域)の中心と旋回アーム6の旋回軸中心206の位置とが一致するように位置調整がなされる。局所CT撮影モードにおける撮影対象部位(関心領域)の中心は任意に設定することができる。図3に示した位置設定の他にも、例えば、図4に示すように撮影対象部位(関心領域)の中心208を仮想歯列弓201上の前歯の位置に設定することもでき、図5に示すように撮影対象部位(関心領域)の中心208を仮想歯列弓201上の左顎の位置に設定することもでき、図6に示すように撮影対象部位(関心領域)の中心208を仮想歯列弓201上の右第2小臼歯の位置に設定することもでき、その他種々の位置設定が可能である。
全歯CT撮影モードは、上下歯牙領域全体を撮影対象とするCT撮影モードである。全歯CT撮影モードの画像再構成範囲は例えば直径97mm高さ100mmの円柱形状の空間領域である。図7は全歯CT撮影モードの軌道を示している。全歯CT撮影モードでは、図7に示すように、X線検出部9の中心がX線照射部8と旋回アーム6の旋回軸中心206とを結ぶラインの延長線上にくるように旋回アーム6を旋回させながら複数の撮影位置で撮影が行われる。また、全歯CT撮影モードでは、通常、図7に示すように、旋回アーム6の旋回軸中心206は定位置になっている。なお、図7には撮影位置として4箇所が図示されているが、これはあくまで例示であり撮影位置は図示された箇所に限定されるものではない。
全歯CT撮影モードは、上述した局所CT撮影モードに比べて撮影対象が広範囲になりX線検出部9上でのX線ビーム幅Wが広くなるため、その広いX線ビーム幅Wに見合ったX線検出部9のサイズを必要とする。
全顎CT撮影モードは、歯顎領域の全ての範囲を撮影対象とするCT撮影モードである。全顎CT撮影モードの画像再構成範囲は例えば直径161mm高さ100mmの円柱形状の空間領域である。図8は全顎CT撮影モードの軌道を示している。全顎CT撮影モードでは、図8に示すように、X線検出部9の中心がX線照射部8と旋回アーム6の旋回軸中心206とを結ぶラインの延長線上からずれるように旋回アーム6を旋回させながら複数の撮影位置で撮影が行われる。また、全顎CT撮影モードでは、通常、図8に示すように、旋回アーム6の旋回軸中心206は定位置になっている。なお、図8には撮影位置として4箇所が図示されているが、これはあくまで例示であり撮影位置は図示された箇所に限定されるものではない。
全顎CT撮影モードは、X線検出部9の中心をX線照射部8と旋回アーム6の旋回軸中心206とを結ぶラインの延長線上からずらして撮影を行っているので、上述した全歯CT撮影モードよりも画像再構成範囲207を拡大することができる。したがって、X線検出部9のサイズアップを抑えながら歯顎領域の全ての範囲を撮影対象とすることができる
なお、全顎CT撮影モードにおいて、X線検出部9をサイズアップして、X線検出部9上でのX線ビーム幅Wを図8に示す場合よりも拡大し、画像再構成範囲を例えば直径230mm高さ164mmの円柱形状の空間領域にすることで、歯顎領域の全ての範囲のみならず、頭頸部領域の全ての範囲を撮影対象とすることも可能である。
上述したパノラマ撮影モード及びCT撮影モードでは、撮影時に患者歯列弓203が想定した位置(図2、図3、図7、図8に図示した位置)に存在することで、撮影者が意図していた通りの撮影を行うことができる。患者歯列弓203の想定した位置への位置合わせを容易に実現する方法としては、例えば、光ビームを利用する方法を挙げることができる。当該光ビームとしては、例えば、頭の正中線の位置を示す正中線光ビーム、眼窩下縁と外耳道を結ぶ線の位置を示す水平線光ビーム、犬歯の位置(断層撮影の基準位置)を示す断層基準線光ビームなどがあり、これらの光ビームの出力部をX線撮影装置に設け、これらの光ビームを参考にして患者が頭の位置を微調整するとよい。
また、旋回アーム6から離れた位置に設置するセファロ用ユニット(不図示)を用い、セファロ撮影モードでの撮影が行えるようにしてもよい。セファロ用ユニットは、被写体を透過 したX線を検出して、被写体をセファロ撮影するためのセファロ用X線検出部と、頭部を固定するための頭部固定部とを備える。セファロ撮影は、歯科矯正の診断等に用いられ、頭部規格X線撮影法(セファロ撮影法)を用いて撮影する。セファロ撮影では、例えば、頭部固定部のイヤーロッドを頭部の左右の外耳孔部に挿入して固定し、旋回アーム6に設けられたX線照射部8からX線を照射して、被写体を透過したX線をセファロ用X線検出部で検出する。
本発明の一実施形態に係るX線撮影装置は、X線撮影装置の本体部1の他に、図9に示す画像処理装置10も備えている。
画像処理装置10は、ROM102やHDD107に格納されているプログラムに従って画像処理装置10全体を制御するCPU101と、固定的なプログラムやデータを記録するROM102と、作業メモリを提供するRAM103と、X線撮影装置の本体部1内に格納されX線撮影装置の本体部1の各部を制御する制御部(不図示)との間で通信を行うための通信インターフェース部104と、画像データを一時的に記憶するVRAM105と、VRAM105に記憶された画像データに基づいて画像を表示する表示部106と、前記制御部及びCPU101が協働してX線撮影動作を制御するための撮影制御プログラム、再構成画像を生成するための画像再構成処理プログラム、ポアソンノイズ除去処理を行うためのポアソンノイズ除去処理プログラム等の各種プログラム、各種プログラムを実行する際に用いられる各種パラメータの設定値、並びに、再構成画像データ等の各種データを記憶するHDD107と、キーボード、ポインティングデバイス等の入力部108とを備えている。
画像処理装置10と前記制御部との通信方法は、有線通信でもよく、無線通信でもよく、有線と無線を組み合わせた通信であってもよい。画像処理装置10としては、例えば、パーソナルコンピュータを挙げることができる。なお、画像処理装置10は、画像処理以外に、X線撮影装置の本体部1の遠隔操作、画像表示も行う。HDD107に記憶されている各プログラムは、画像処理装置10にプリインストールされていてもよく、光ディスク等の記憶媒体に格納された形態で流通されて画像処理装置10にインストールされてもよく、ネットワークを介して流通されて画像処理装置10にインストールされてもよい。
ポアソンノイズ除去処理プログラムを実行すると、画像処理装置10はポアソンノイズ除去装置として機能する。ポアソンノイズ除去処理は画像再構成処理中に割り込んで実施される。
X線検出部9から出力され、画像処理装置10が受信する画像は、測定画像と呼ばれる。測定画像の各画素値は、X線検出部9の各検出素子に到達したX線量子の個数に比例した値を表しているとみなすことができる。
画像再構成処理プログラムで使用される再構成アルゴリズムは、X線量子の個数ではなく、X線の線減弱係数の線積分を用いて断面を再構成する。このため、画像再構成処理において、X線量子の個数の分布を示す測定画像を、線減弱係数の線積分の分布を示す画像(投影画像)に変換する必要がある。以下、測定画像から投影画像への変換(対数変換)について詳述する。
画素のラベルをi、被写体が存在しないときの測定画像の画素値をI0(i)、今回再構成を所望する被写体を置いたときの測定画像の画素値をI(i)、X線の経路をs、位置sにおける線減弱係数をμ(s)とすると、次の式(1)が成り立つ。この式(1)は、X線の減弱の様子を表す方程式である。
式(1)の左辺が測定画像の画素値であるのに対し、右辺の指数関数の中身は投影画像の画素値を正負反転したものである。よって、式(1)を指数関数の中身に関して解くことで、測定画像から投影画像への変換(対数変換)の変換式が求まる。よって、対数変換の変換式は次の式(2)のようになる。
ここで、測定画像の一例を図10(a)に示し、図10(a)の測定画像を対数変換して得られる投影画像を図10(b)に示す。
画像処理装置10は、測定画像または投影画像をポアソンノイズ除去装置の入力画像として扱う。当該ポアソンノイズ除去装置が入力画像に施すポアソンノイズ除去処理は、当該ポアソンノイズ除去装置の出力画像がノイズが存在しない理想画像に近づくほど、その値が小さくなるように定式化されたエネルギー関数を用い、前記エネルギー関数を近似的に最小にする前記出力画像求める処理である。そして、前記エネルギー関数は、注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する因子を含んでいることを特徴としている。
本実施形態では、前記エネルギー関数を次の式(3)としている。
ここで、
は前記出力画像であり、
は前記入力画像であり、iは前記注目画素のラベルであり、ijは前記注目画素の近傍に位置する画素のラベルであり、h(fi)が前記注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する因子である。
式(3)で表されるエネルギー関数の第1項は、互いに近傍に位置する画素同士は同じ値を持ちやすいという仮定に基づいて設計されている項であり、パラメータαは互いに近傍に位置する画素同士は同じ値を持ちやすいという傾向の強さを表すパラメータである。また、式(3)で表されるエネルギー関数の第2項は,因子h(fi)に従って平滑化の強さが変化するという仮定に基づいて設計されている項であり、パラメータβはノイズの全体的な大きさを表すパラメータである。
式(3)で表されるエネルギー関数は、因子h(fi)の値が小さいほど平滑化が強くなり、因子h(fi)の値が大きいほど平滑化が弱くなるように設計されている。因子h(fi)は注目画素毎に動的に変化する因子であるため、式(3)で表されるエネルギー関数を最小にする出力画像を求めようとすると、必然的に画像内の場所(画素)に応じて平滑化の強さが調節されることになり、画像のポアソンノイズを適切に除去することができるノイズ除去アルゴリズムが構築できる。
因子h(fi)の具体的な形としては様々なものが考えられるが、図19(b)及び図20(b)から分かるように、少なくとも次の方針[1]、[2]には従うことになる。
[1] 入力画像が測定画像である場合(測定画像を対数変換する前にポアソンノイズ除去処理を実施する場合)は、注目画素の近傍に位置する画素の画素値が小さいほど、注目画素の因子h(fi)が小さくなるようにする。
[2] 入力画像が投影画像である場合(測定画像を対数変換して投影画像を得た後にポアソンノイズ除去処理を実施する場合)は、注目画素の近傍に位置する画素の画素値が小さいほど、注目画素の因子h(fi)が大きくなるようにする。
因子h(fi)の具体例としては、下記のようなものを挙げることができる。因子h(fi)の決定方法としては、例えば、複数の因子h(fi)を試行錯誤して、その中から最も適切にポアソンノイズを除去するものを選定するようにすればよい。
入力画像が測定画像である場合、最も適切にポアソンノイズを除去すると考えられる因子h(fi)を次に示す。画像処理装置10がビームハードニング補正を行わない場合には定数aを大きな値にしてyiとxiとがほぼ同一になるようにすればよく、画像処理装置10がビームハードニング補正処理を行う場合にはビームハードニング補正の強さに応じて定数aの値を調整するとよい。
ここで、I0(i)は、被写体が存在しないときの測定画像のラベルがiである画素の画素値である。
次に、式(3)で表されるエネルギー関数を最小にする前記出力画像を近似的に求める手法について説明する。
まずは、式(3)で表されるエネルギー関数の符号を逆転させ、それを指数関数の中身に放り込み、さらにこれを規格化することで次の式(4)で表される確率分布が得られる。なお、式(3)で表されるエネルギー関数が低い値を取るほど、式(4)で表される確率分布は高い確率を示すことになる。
式(4)で表される確率分布は多変数の確率分布であり、因子h(fi)の中に確率変数が含まれるため、解析的な扱いができない。そこで、解析的な扱いを可能にするために、式(4)に対して平均場近似を適用する。平均場近似とは、注目画素以外の全ての画素の値を期待値mijに固定し、次の式(5)で与えられる近似確率分布に近似することをいう。
平均場近似を適用する前に、注目画素の画素値が注目画素の近傍に位置する画素の画素値の平均に近い値になるという仮定の下、因子h(fi)を次の式(6)のように近似する。
ここで、Jは注目画素の近傍に位置する画素の個数である。
上記の式(6)に対して平均場近似を適用すると、注目画素の近傍に位置するJ個の画素の画素値fijが全て期待値mijに固定されるため、因子h(fi)が次の式(7)に示すように単なる定数となる。
したがって、式(4)に対して平均場近似を適用すると、次の式(8)で表される1変数の確率分布となる。
平均場近似を適用した式(8)は1変数の確率分布であり、因子
は単なる定数であるため、ガウス積分の公式などが適用でき、解析的な扱いができるようになる。よって、あとは各画素の期待値を次の式(9)で表される連立方程式に従って計算すればよい。この連立方程式は反復法を用いて解くことができる。全ての画素値の期待値が収束したとき、ノイズが除去された画像(エネルギー関数を最小にする出力画像)が得られる。すなわち、画像処理装置10は、式(3)で表されるエネルギー関数を近似的に最小にする出力画像求める処理として、式(9)で表される連立方程式を反復法を用いて解く処理を実行している。なお、上述した式(3)で表されるエネルギー関数が2つのパラメータα、βを導入しているのに対し、式(9)で表される連立方程式ではそ2つのパラメータα、βを1つのパラメータAにまとめることができる。
なお、画像処理装置10は、ビームハードニング補正処理を行うためのビームハードニング補正処理プログラムをHDD107に記憶し、ビームハードニング補正装置としても機能することが好ましい。これにより、ビームハードニングによる誤差に起因するアーチファクトの出現を抑えることができる。
1回の処理で再構成画像の軟組織撮影領域も硬組織撮影領域もビームハードニング補正が可能であるようにするために、ここでは、画像処理装置10が、投影画像に対して、第1の関数y=f(x)を用いてビームハードニング補正を行うようにする。ここで、第1の関数は、第2の関数の逆関数である。また、第2の関数は、ロジスティック曲線を表す第3の関数y=γ/[1+exp[-δ(x-ε)]]を平行移動して得られる関数である。
また、本実施形態では、第3の関数の各定数γ、δ、εをγ=2a、δ=2/a、ε=0に設定している。さらに、本実施形態では、第2の関数が、原点を通る関数であって、尚且つ、第2の関数の原点での接線の傾きが1であるという条件、第2の関数の変曲点が原点であるという条件を満たす関数となるように、第3の関数をy方向に-a平行移動して得られる関数を第2の関数にしている。よって、本実施形態では、第3の関数は次の式(10)で表され、第2の関数は次の式(11)で表され、第1の関数は次の式(12)で表される。そして、式(10)で定数aの設定値を5にしたときのグラフは図11に示すようになり、式(11)で定数aの設定値を5にしたときのグラフは図12に示すようになり、式(12)で定数aの設定値を5にしたときのグラフは図13に示すようになる。図13に示すグラフのx軸はビームハードニング補正前の投影画像の画素値を示す軸であり、図13に示すグラフのy軸はビームハードニング補正後の投影画像の画素値を示す軸である。
投影画像の画素値は零または正の値であるので、本実施形態では第1の関数の原点または第1象限を用いてビームハードニング補正を行っている。上述した第1の関数を用いたビームハードニング補正によって、投影画像の画素値は大きいほど、より大きくなるように変換される。また、上述した第1の関数を用いたビームハードニング補正が軟組織撮影領域にも硬組織撮影領域にも適しているので、上述した第1の関数を用いたビームハードニング補正のみ、つまり1回の処理で再構成画像の軟組織撮影領域も硬組織撮影領域もビームハードニング補正が可能である。
ここで、X線撮影装置の被写体が頭部ファントムであり、上述したポアソンノイズ除去処理は行わず、ビームハードニング補正を適用して得られる再構成画像を図14(a)に示し、図14(a)を2値化した画像を図14(b)に示す。これに対して、上述したポアソンノイズ除去処理もビームハードニング補正も適用しないで得られる再構成画像を図15(a)に示し、図15(a)を2値化した画像を図15(b)に示す。2値化した画像である図15(b)を観察すると、前歯部と臼歯部とで画素値が異なることが分かる。本来は前歯部と臼歯部とでは画素値は同じはずであるが、ビームハードニングの影響で画素値が変動している。このことは、図15(a)にビームハードニングによる誤差に起因するアーチファクトが出現していることを示している。一方、2値化した画像である図14(b)を観察すると、前歯部と臼歯部との大部分で画素値が同じであることが分かる。このことは、図14(a)にビームハードニングによる誤差に起因するアーチファクトが殆ど出現していないことを示している。上述した図14と図15との比較結果から明らかな通り、ビームハードニング補正を適用することで、ビームハードニングによる誤差に起因するアーチファクトを低減できていることが分かる。
なお、定数aの設定値を変更することでビームハードニング補正の強さを調整することができるので、定数aの設定値が変更可能であることが好ましい。
ビームハードニング補正を適用することで、ビームハードニングによる誤差に起因するアーチファクトを低減できるものの、その反面ノイズが増強されてしまう。例えば、水中において横方向に並べた2本のアルミ棒をX線撮影した場合の上述したポアソンノイズ除去処理は行わず、ビームハードニング補正を適用して得られる投影画像及びその横方向へのプロファイルをそれぞれ図16(a)、図16(b)に示す。図16(b)と図20(b)とを比較すれば明らかな通り、ビームハードニング補正を適用することで、ノイズが増強されてしまうことが分かる。
このようにビームハードニング補正を行われた場合、ノイズが増強されることになるので、本発明に係るポアソンノイズ除去がより一層効果的になる。ポアソンノイズ除去はノイズを早く除去しておく観点からビームハードニング補正の前に行うようにすれば良いが、ビームハードニング補正の後に行うことも可能である。そして、式(12)で表される関数でビームハードニング補正が行われた場合、因子h(fi)を次のように設定し、因子h(fi)中の定数aの値と式(12)で表される関数中の定数aの値とを一致させることが望ましい。
ここで、I0(i)は、被写体が存在しないときの測定画像のラベルがiである画素の画素値である。x iはfiを対数変換したものであり、y iはxiを式(12)で表される関数に代入して得られるものであり、h(fi)はy iを逆対数変換して得られるものであるため、式(12)で表される関数を用いたビームハードニング補正で増強されるノイズを適切に除去することができる。
ここで、平滑化の強さが画像の場所に依らず一定であるノイズ除去処理(比較例のノイズ除去処理)を行い、ビームハードニング補正を適用して得られる再構成画像を図17(a)に示し、図17(a)の再構成画像と、ノイズ除去処理は行わず、ビームハードニング補正を適用して得られる図14(a)の再構成画像との差分画像を図17(b)に示す。また、本発明に係るポアソンノイズ除去処理を行い、ビームハードニング補正を適用して得られる再構成画像を図18(a)に示し、図18(a)の再構成画像と、ノイズ除去処理は行わず、ビームハードニング補正を適用して得られる図14(a)の再構成画像との差分画像を図18(b)に示す。
差分画像において、歯列の輪郭が写っていれば、それだけ歯列がぼやけたことを意味し、歯列の輪郭以外で像が写っていれば、それだけノイズが除去できたことを意味している。図17(b)と図18(b)とを比較すれば明らかな通り、平滑化の強さが画像の場所に依らず一定であるノイズ除去処理(比較例のノイズ除去処理)よりも、本発明に係るポアソンノイズ除去処理の方が、歯列のエッジを保存し、かつノイズも除去できている。つまり、比較例のノイズ除去処理よりも、本発明に係るポアソンノイズ除去処理の方が、ポアソンノイズを適切に除去できている。
なお、上述した実施形態では、式(3)で表されるエネルギー関数を用いたが、他のエネルギー関数、例えば次の式で表されるエネルギー関数を用いてもよい。
1 本発明の一実施形態に係るアーム型X線撮影装置の本体部
2 ベース
3 下部ポール
4 上部ポール
5 固定アーム
6 旋回アーム
7 頭部保持部
8 X線照射部
8A X線焦点
8B X線絞り
9 X線検出部
10 画像処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 通信インターフェース部
105 VRAM
106 表示部
107 HDD
108 入力部
201 仮想歯列弓
202 包絡仮想歯列弓
203 患者歯列弓
204、205 仮想線
206 旋回アームの旋回軸中心
207 画像再構成範囲
P1 撮影開始位置
P2 撮影終了位置
W X線検出部上でのX線ビーム幅

Claims (13)

  1. 入力画像にポアソンノイズ除去処理を施して出力画像を生成するポアソンノイズ除去装置であって、
    前記ポアソンノイズ除去処理が、前記出力画像がノイズが存在しない理想画像に近づくほど、その値が小さくなるように定式化されたエネルギー関数を用い、前記エネルギー関数を最小にするまたは近似的に最小にする前記出力画像を求める処理であり、
    前記エネルギー関数が、注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する第1因子を含んでおり、
    前記第1因子が、増幅前のノイズの大きさに対応する平滑化の強さを入力とし、増幅後のノイズの大きさに対応する平滑化の強さを出力とする第2因子を含んでいることを特徴とするポアソンノイズ除去装置。
  2. 入力画像にポアソンノイズ除去処理を施して出力画像を生成するポアソンノイズ除去装置であって、
    前記ポアソンノイズ除去処理が、前記出力画像がノイズが存在しない理想画像に近づくほど、その値が小さくなるように定式化されたエネルギー関数を用い、前記エネルギー関数を近似的に最小にする前記出力画像を求める処理であり、
    前記エネルギー関数が、注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する因子を含んでおり、
    前記出力画像が、前記エネルギー関数を含んだ確率分布を用いた期待値計算によって前記エネルギー関数を近似的に最小にする画像であることを特徴とするポアソンノイズ除去装置。
  3. 前記期待値計算が、前記確率分布に平均場近似を適用した計算である請求項2に記載のポアソンノイズ除去装置。
  4. 入力画像にポアソンノイズ除去処理を施して出力画像を生成するポアソンノイズ除去装置であって、
    前記ポアソンノイズ除去処理が、前記出力画像がノイズが存在しない理想画像に近づくほど、その値が小さくなるように定式化されたエネルギー関数を用い、前記エネルギー関数を近似的に最小にする前記出力画像を求める処理であり、
    前記エネルギー関数が、

    又は

    (ここで、
    は前記出力画像であり、
    は前記入力画像であり、iは注目画素のラベルであり、ijは前記注目画素の近傍に位置する画素のラベルであり、h(f i )が前記注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する因子である。)
    であることを特徴とするポアソンノイズ除去装置。
  5. 前記出力画像が、確率分布

    を用いた期待値計算によって前記エネルギー関数を近似的に最小にする画像である請求項4に記載のポアソンノイズ除去装置。
  6. 前記期待値計算が、前記確率分布に平均場近似を適用した計算である請求項5に記載のポアソンノイズ除去装置。
  7. 入力画像にポアソンノイズ除去処理を施して出力画像を生成するポアソンノイズ除去方法であって、
    前記ポアソンノイズ除去処理が、前記出力画像がノイズが存在しない理想画像に近づくほど、その値が小さくなるように定式化されたエネルギー関数を用い、前記エネルギー関数を最小にするまたは近似的に最小にする前記出力画像を求める処理であり、
    前記エネルギー関数が、注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する第1因子を含んでおり、
    前記第1因子が、増幅前のノイズの大きさに対応する平滑化の強さを入力とし、増幅後のノイズの大きさに対応する平滑化の強さを出力とする第2因子を含んでいることを特徴とするポアソンノイズ除去方法。
  8. 入力画像にポアソンノイズ除去処理を施して出力画像を生成するポアソンノイズ除去方法であって、
    前記ポアソンノイズ除去処理が、前記出力画像がノイズが存在しない理想画像に近づくほど、その値が小さくなるように定式化されたエネルギー関数を用い、前記エネルギー関数を近似的に最小にする前記出力画像を求める処理であり、
    前記エネルギー関数が、注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する因子を含んでおり、
    前記出力画像が、前記エネルギー関数を含んだ確率分布を用いた期待値計算によって前記エネルギー関数を近似的に最小にする画像であることを特徴とするポアソンノイズ除去方法。
  9. 入力画像にポアソンノイズ除去処理を施して出力画像を生成するポアソンノイズ除去方法であって、
    前記ポアソンノイズ除去処理が、前記出力画像がノイズが存在しない理想画像に近づくほど、その値が小さくなるように定式化されたエネルギー関数を用い、前記エネルギー関数を最小にするまたは近似的に最小にする前記出力画像を求める処理であり、
    前記エネルギー関数が、

    又は

    (ここで、
    は前記出力画像であり、
    は前記入力画像であり、iは注目画素のラベルであり、ijは前記注目画素の近傍に位置する画素のラベルであり、h(f i )が前記注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する因子である。)
    であることを特徴とするポアソンノイズ除去方法。
  10. 被写体に対してX線を照射するX線照射部と、
    前記被写体を透過したX線を検出するX線検出部と、
    前記X線検出部の検出結果に基づく画像を入力する請求項1〜6のいずれか一項に記載のポアソンノイズ除去装置とを備えることを特徴とするX線撮影装置。
  11. X線撮影で得られる投影画像に対して、第1の関数y=f(x)を用いてビームハードニング補正を行うビームハードニング補正装置を備え、
    第1の関数が、第2の関数の逆関数であり、
    第2の関数が、ロジスティック曲線を表す第3の関数y=γ/[1+exp{-δ(x-ε)}]を平行移動して得られる関数である請求項10に記載のX線撮影装置。
  12. 被写体に対してX線を照射するX線照射部と、
    前記被写体を透過したX線を検出するX線検出部と、
    前記X線検出部の検出結果に基づく画像を入力するポアソンノイズ除去装置と、
    X線撮影で得られる投影画像に対して、第1の関数y=f(x)を用いてビームハードニング補正を行うビームハードニング補正装置とを備えるX線撮影装置であって、
    前記ポアソンノイズ除去装置は、前記X線検出部の検出結果に基づく画像にポアソンノイズ除去処理を施して出力画像を生成する装置であり、
    前記ポアソンノイズ除去処理が、前記出力画像がノイズが存在しない理想画像に近づくほど、その値が小さくなるように定式化されたエネルギー関数を用い、前記エネルギー関数を最小にするまたは近似的に最小にする前記出力画像を求める処理であり、
    前記エネルギー関数が、注目画素における平滑化の強さを示し前記注目画素毎に動的に変化する因子を含んでいる関数であり、
    第1の関数が、第2の関数の逆関数であり、
    第2の関数が、ロジスティック曲線を表す第3の関数y=γ/[1+exp{-δ(x-ε)}]を平行移動して得られる関数であることを特徴とするX線撮影装置。
  13. 第1の関数が、

    であり、
    前記ポアソンノイズ除去装置が請求項4に記載のポアソンノイズ除去装置であって、

    (ここで、I 0 (i)は、被写体が存在しないときの測定画像のラベルがiである画素の画素値である。)
    を満たす請求項11に記載のX線撮影装置。
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