ところが、特許文献1の燃料電池では、スタックを積層方向に押圧する荷重付加機構を構成するために、ボルト、プレート部材、ばね部材などの多数の専用部品が別途必要となる。特許文献2の燃料電池でも、スタックの積層方向に荷重を付加するために専用部品であるシムが必要となる。さらに、シムを用いる場合、そのシムを固定するためにエンドプレートに凹部を形成する必要がある。つまり、エンドプレートの形状を変更しなければならない。このため、装置コストが増大してしまうといった問題が生じる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置コストを抑えつつ、高効率で安定した発電を行うことができる燃料電池発電設備を提供することにある。
そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、発電反応により電力を発生する発電セルを複数積層してなるスタックと、前記スタックを収容する断熱容器とを有する発電主要部と、前記発電主要部以外の機器であり、前記断熱容器の外側に配置される補機類と、前記発電主要部を収容するとともに前記発電主要部の側方または下方に前記補機類を収容する筐体と、前記補機類及び前記筐体のうちの少なくとも一方の自重を利用して前記発電セルの積層方向に前記スタックを押圧するスタック押圧機構とを備えたことを特徴とする燃料電池発電設備がある。
手段1に記載の発明によると、スタック押圧機構によって、補機類や筐体の自重が利用され、発電セルの積層方向にスタックが押圧される。従って、発電セルに常に一定の荷重が加わり、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。この結果、発電主要部において高効率で安定した発電を実現することができる。また、補機類は、筐体内において断熱容器の外側であって発電主要部の側方または下方に配置されるので、発電主要部からの放熱の影響を受け難い。このため、補機類として電子部品を有する機器を用いても正常に動作させることができる。このように、本発明では燃料電池発電設備を構成する既存の機器の自重を利用してスタックを押圧することができる。従って、従来技術のようにスタックを押圧するための専用部品を別途用意する場合と比較して、装置コストを抑えつつ、高効率で耐久性の高い燃料電池発電設備を得ることができる。
補機類としては、燃料・改質系設備、空気系設備、水・蒸気系設備、及び電力変換系設備のうち少なくとも1つを構成する機器を挙げることができる。具体的には、燃料・改質系設備として、水添脱硫器、吸着脱硫器などの脱硫器、改質触媒、改質管、触媒燃焼式改質器、バーナ加熱式改質器などの改質器、一酸化炭素変成器、一酸化炭素変成触媒、一酸化炭素除去器、原燃料ガス予熱器、蒸気予熱器、改質器バーナ燃料予熱器、改質器バーナ空気予熱器、改質ガス冷却器、燃料ガス予熱器、燃料極出口ガス予熱器、原燃料ガス圧縮機、起動用循環ブロワ、スチームエゼクタ、燃料極出口ガス再循環ブロワなどがある。空気系設備としては、空気圧縮機、空気ブロワ、補助燃焼器、空気極出口ガス再循環ブロワ、換気装置などがある。水・蒸気系設備としては、排熱回収装置、水蒸気分離器、水処理装置、電池冷却水循環ポンプ、給水ポンプなどがある。電力変換系設備としては、電力変換装置、インバータなどがある。さらに、補機類として、燃料ガスに水分を加える加湿器などの装置や各種制御に用いるセンサ、設備全体を統括的に制御する制御装置などの機器を挙げることができる。
上述した補機類を利用してスタックの上面に加わる荷重が装置全体の重さの20%以上となるようにスタック押圧機構を構成してもよい。また、燃料電池発電設備が小型の場合には、装置全体の重さの50%以上の荷重がスタックに加わるようにスタック押圧機構を構成してもよい。筐体が十分重い場合には、筐体の自重のみがスタックに加わるようにスタック押圧機構を構成してもよい。
また、補機類は、発電主要部に対して所定の間隔をあけて配置される。このようにすると、発電主要部の発熱の影響を受け難くなり、補機類の性能を下げることなく、補機類の自重をスタックに確実に加えることができる。
スタック押圧機構は、スタックの下面を支える支持部材と、補機類が載置される台座と、台座を断熱容器の天板から発電主要部の下方に吊り下げる吊り下げ部材とを含んで構成され、断熱容器の天板を介してスタックの上面を押圧してもよい。このようにスタック押圧機構を構成すると、台座に載置した補機類の自重が吊り下げ部材を介して断熱容器の天板に伝わり、さらにその断熱容器の天板を介してスタックの上面に加えられる。また、スタックの下面は支持部材によって支えられているので、スタックには発電セルの積層方向に押圧力が確実に作用し、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。さらに、補機類を台座に載置して吊り下げる構造とすることで、発電主要部の下方に補機類を容易に配置させることができる。筐体内において、発電主要部の下方は、十分なスペースを確保でき、かつ高温とならないため、補機類の設置場所としては理想的な場所である。また、吊り下げ部材を介在させることで、補機類の稼動時に発生する振動がスタックに伝わり難くなり、振動による発電効率や耐久性の低下等を防止することができる。
スタック押圧機構は、スタックの下面を支える支持部材と、筐体の側面において発電主要部よりも下側に固定され、補機類が載置される台座とを含んで構成され、筐体の天板を介してスタックの上面を押圧してもよい。このようにスタック押圧機構を構成すると、台座に載置した補機類の自重が筐体の側面を介して天板に伝わり、その筐体の天板を介してスタックの上面に加えられる。さらに、筐体の自重もスタックの上面に加えることができる。また、スタックの下面は支持部材によって支えられているので、スタックには発電セルの積層方向に押圧力が確実に作用し、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。
スタック押圧機構は、スタックの下面を支える支持部材と、補機類が載置される台座と、台座を筐体の天板から発電主要部の下方に吊り下げる吊り下げ部材とを含んで構成され、筐体の天板を介してスタックの上面を押圧してもよい。このようにスタック押圧機構を構成すると、台座に載置した補機類の自重が吊り下げ部材を介して筐体の天板に伝わり、筐体の天板を介してスタックの上面に加えられる。さらに、筐体の天板の自重もスタックの上面に加えることができる。また、スタックの下面は支持部材によって支えられているので、スタックには発電セルの積層方向に押圧力が確実に作用し、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。さらに、補機類を台座に載置して吊り下げる構造とすることで、発電主要部の下方に補機類を容易に配置させることができる。また、吊り下げ部材を介在させることで、補機類の稼動時に発生する振動がスタックに伝わり難くなり、振動による発電効率や耐久性の低下等を防止することができる。
上述したようにスタック押圧機構において、台座に補機類を載置する場合、複数の機器をまとめて台座に固定することができ、機器を個別に固定する場合と比較して燃料電池発電設備の組み付け性が向上する。
スタック押圧機構における支持部材は、断熱容器内に配置され断熱容器の底面から浮かせた状態でスタックが載置される支持板と、筐体の底部から上方に延設されその上端部に支持板が固定された支柱とを備えていてもよい。このように支持部材を構成すると、スタックの下面を確実に支持することができる。またこの場合、断熱容器の自重がスタックの上面に加わるように構成することができ、スタックの上面に加わる荷重が増すため、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。
スタック押圧機構は、スタックの上面または下面を支える支持部材と、スタックにおいて支持板が支える上面または下面の反対面を押圧する押し板と、補機類及び/または筐体の自重を押し板に伝える伝達部材とを備えていてもよい。このようにスタック押圧機構を構成しても、スタックにおける発電セルの積層方向に押圧力を作用させることができ、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。
スタック押圧機構は、断熱容器を介してスタックの下面を支える支持板と、筐体の天板から下方に延設されその下端部にて支持板を支える支柱とを備えていてもよい。さらに、スタック押圧機構は、筐体の側面に固定され、断熱容器を介してスタックの下面を支える支持板を備えていてもよい。このようにスタック押圧機構を構成しても、スタックにおける発電セルの積層方向に押圧力を作用させることができ、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。
また、上記燃料電池発電設備のように、スタック押圧機構を構成する台座に補機類を載置してもよいが、台座に代えて固定板の下面等に補機類を固定してもよいし、吊り下げ部材に補機類を直接固定してもよい。
スタックの上面を押す押圧方向がスタックにおける発電セルの積層方向と一致するよう押圧方向の傾斜を防止する傾斜防止機構を備えていてもよい。この傾斜防止機構を設けることにより、スタックの上面において押圧力が偏って加わることが回避され、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。
断熱容器の底部及び台座の底部には支持部材の支柱を挿通させる貫通穴が形成され、支柱と貫通穴とを傾斜防止機構として機能させてもよい。具体的には、支柱と貫通穴との隙間を小さくすることで、支柱に対して断熱容器や台座が傾斜しなくなる。この結果、スタックの上面には、押圧力が偏って加わることが回避されるため、発電セルの積層方向に押圧力を確実に加えることができる。
また、押し板におけるスタックの上面との接触部が球面凸形状に形成され、その接触部を傾斜防止機構として機能させてもよい。この場合、断熱容器等の傾きによって押し板が傾斜したとしても、球面凸形状の接触部とスタックの上面との間には、重力方向である鉛直方向に押圧力が確実に作用する。従って、この押し板を用いることによって、スタックの上面に押圧力が偏って加わることが回避され、発電セルの積層方向に押圧力を確実に加えることができる。
筐体の天板と断熱容器の天板とが一体的に固定されており、スタック押圧機構がそれら天板を介してスタックの上面を押圧してもよい。このようにしても、発電セルの積層方向に押圧力を作用させることができる。
断熱容器を介してスタックの下面を支持する支持板と、筐体の天板から下方に延設されその下端部にて支持板を支える支柱とを備えていてもよい。このようにしても、発電主要部を確実に支えることができ、スタック押圧機構によって、補機類や筐体の自重を利用して発電セルの積層方向にスタックを押圧することができる。
スタック押圧機構は、断熱容器の天板とスタックとの間に介在され、スタックの上面を押圧する押し板を備えていてもよい。また、押し板におけるスタックの上面との接触部は、発電セルの電極の上方に位置し、かつ接触部の面積が発電セルの電極面積の1.1倍以内であってもよい。従来技術では、発電セルの電極に対応した部位(発電部)が熱膨張によって膨張し、セル電極の接触抵抗が高くなる場合がある。これに対して、本発明のように、押し板の接触部を形成することで、スタックにおける発電部を確実に押圧することができるため、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。
スタックをその積層方向にボルトで締め付けて発電セルにおける電極の接触を確保する締結機構を有し、押し板は、ボルトによる締結部を避けてスタックの上面を押圧してもよい。このようにすると、押し板によって、発電セルの電極に対応した発電部を確実に押圧することができる。
本発明の燃料電池発電設備を構成する燃料電池としては、例えば、ZrO2系セラミックなどを電解質とする固体酸化物形燃料電池(SOFC)、高分子電解質膜を電解質とする固体高分子形燃料電池(PEFC)、Li−Na/K系炭酸塩を電解質とする溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、リン酸を電解質とするリン酸形燃料電池(PAFC)などの燃料電池が挙げられる。なお、燃料電池の稼動温度(即ち、イオンが電解質中を移動可能となる温度)は、燃料電池の種類ごとに異なっている。具体的に言うと、SOFCの稼動温度は700℃〜1000℃程度、PEFCの稼動温度は常温〜90℃程度、MCFCの稼動温度は650℃〜700℃程度、PAFCの稼動温度は150℃〜200℃程度である。
また、燃料電池がSOFCである場合、発電セルを構成する電解質層(固体酸化物層)の形成材料としては、例えばZrO2系セラミック、LaGaO3系セラミック、BaCeO3系セラミック、SrCeO3系セラミック、SrZrO3系セラミック、CaZrO3系セラミックなどがある。
さらに、発電セルを構成する燃料極層は、発電セルにおける負電極として機能する。ここで、燃料極層の形成材料としては、例えば、希土類元素(Sc、Yなど)により安定化されたZrO2系セラミック、及び、希土類元素(Sm、Gdなど)をドープしたCeO2系セラミック等のうち、少なくとも1つのセラミック材料と、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru、Rh、Ni、Fe等の金属材料及びそれら金属材料の合金のうちの少なくとも1つと、を混合した金属セラミック材料の混合物(サーメット)を使用することができる。
発電セルを構成する空気極層は、発電セルにおける正電極として機能する。ここで、空気極層の形成材料としては、例えば、金属材料、金属の酸化物、金属の複合酸化物などを挙げることができる。金属材料の好適例としては、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru、Rh等やそれらの合金などがある。金属の酸化物の好適例としては、例えば、La、Sr、Ce、Co、Mn、Feの酸化物(La2O3、SrO、Ce2O3、Co2O3、MnO2、FeO)などがある。金属の複合酸化物の好適例としては、例えば、La、Pr、Sm、Sr、Ba、Co、Fe、Mnを含有する複合酸化物(La1−xSrxCoO3系複合酸化物、La1−xSrxFeO3系複合酸化物、La1−xSrxCo1−yFeyO3系複合酸化物、La1−xSrxMnO3系複合酸化物、Pr1−xBaxCoO3系複合酸化物、Sm1−xSrxCoO3系複合酸化物)などがある。
[第1の実施の形態]
以下、本発明を燃料電池発電設備に具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、燃料電池発電設備1は、燃料電池を構成する発電主要部10、補機類11、発電主要部10及び補機類11を収容する筐体12等によって構成されている。本実施の形態の筐体12は、ステンレスを用いて四角ボックス状に形成されており、巾500mm程度×奥行き400mm程度×高さ900mm程度のサイズを有している。
発電主要部10は、発電セル14を複数積層してなるスタック15と、スタック15を収容する断熱容器16とを有する。なお、図示しないが、スタック15へ供給するガスを予熱するための熱交換器やスタック15を加熱するための起動用バーナなどが断熱容器16内に収納されている。
スタック15を構成する発電セル14は、略矩形板状をなしており、発電反応により電力を発生する。図2に示されるように、発電セル14は、コネクタプレート21、セパレータ22、空気極層23、電解質層24、燃料極層25などを積層することによって構成されている。より詳しくは、コネクタプレート21は、金属等の導電性材料から構成され、発電セル14の厚み方向の両側に一対配置される。各コネクタプレート21により板厚方向での発電セル14間の導通が確保される。隣り合う発電セル14の間に配置されるコネクタプレート21は、インターコネクタとなり、隣り合う発電セル14を区分する。
セパレータ22は、ステンレスなどの導電性材料によって矩形状に形成されており、中央部に矩形状の開口部26を有している。また、電解質層24は、例えばZrO2などのセラミック材料(酸化物)によって矩形状に形成されている。電解質層24は、セパレータ22の下面に固定されるとともに、セパレータ22の開口部26を塞ぐように配置されている。電解質層24は、酸素イオン伝導性固体電解質体として機能するようになっている。また、電解質層24の上面には、スタック15に供給された空気に接する空気極層23が貼付され、電解質層24の下面には、同じくスタック15に供給された燃料ガスに接する燃料極層25が貼付されている。即ち、空気極層23及び燃料極層25は、電解質層24の両側に配置されている。そして、空気極層23は、空気極集電体28によってコネクタプレート21に電気的に接続されている。また、燃料極層25は、燃料極集電体29によってコネクタプレート21に電気的に接続されている。
空気極層23は、セパレータ22の開口部26内に配置され、セパレータ22と接触しないようになっている。さらに、空気極層23は、金属の複合酸化物によって矩形板状に形成され、燃料極層25は、金属材料とセラミック材料との混合物(本実施形態ではサーメット)によって同じく矩形板状に形成されている。なお、本実施形態の発電セル14では、セパレータ22の下方に燃料室31が形成されるとともに、セパレータ22の上方に空気室32が形成されている。
スタック15は、縦180mm×横180mm×高さ140mmの略直方体状をなしている。本実施の形態において、スタック15を構成する発電セル14の積層数は、20枚程度となっている。また、スタック15には、発電セル14の積層方向における両端部(図1では上端部と下端部)に、エンドプレート34,35が配置されている。さらに、スタック15の周縁部には、同スタック15を厚さ方向に貫通する複数の貫通穴37が形成されている。各貫通穴37に締結ボルト38を挿通させ、スタック15の下面15bから突出するボルト38の下端部分にナット39が螺着されている。このように締結ボルト38及びナット39を用いて各エンドプレート34,35を各発電セル14の積層方向に締め付けることで、各発電セル14におけるセル電極(空気極層23や燃料極層25)と各集電体28,29との接触が確保される(図2参照)。また、スタック15の両端部に配置されるエンドプレート34,35が、スタック15から出力される電流の出力端子となっている。
スタック15には、各発電セル14の燃料室31に燃料ガスを供給する燃料供給経路(図示略)と、燃料室31から燃料ガスを排出する燃料排出経路(図示略)とが設けられている。また、スタック15には、各発電セル14の空気室32に空気を供給する空気供給経路(図示略)と、空気室32から空気を排出する空気排出経路(図示略)とが設けられている。各供給経路及び排出経路は、スタック15の側面に設けられたジョイント部(図示略)を介して断熱容器16外に連通する配管(図示略)に接続されている。なお、筐体12内には、各配管を配置するためのスペースが確保されている。また、スタック15と補機類11とを繋ぐ配管の少なくとも一部に、スタック15の上下方向の移動に対する変形が可能なフレキシブルな配管(耐熱性を有する高分子チューブなどのような配管)が用いられている。また、断熱容器16は金属製の断熱材を収める容器に断熱材が詰められているので、断熱容器16に重量がかかっても破損することは無い。
本実施の形態におけるスタック15では、断熱容器16内を稼動温度である700℃に加熱した状態で、燃料供給経路から燃料室31に燃料ガスを導入するとともに、空気供給経路から空気室32に空気を導入する。その結果、燃料ガス中の水素と空気中の酸素とが電解質層24を介して反応(発電反応)し、空気極層23を正極、燃料極層25を負極とする直流の電力が発生する。なお、本実施の形態のスタック15は、発電セル14を複数積層して直列に接続している。このため、空気極層23に電気的に接続される上側のエンドプレート34が正極となり、燃料極層25に電気的に接続される下側のエンドプレート35が負極となる。また、本実施の形態において、発電セル14の1つ当たりの起電力は1V程度であり、スタック全体(エンドプレート34,35間の電圧)では20V程度の電圧となっている。
さらに、本実施の形態の燃料電池発電設備1は、補機類11の自重を利用して発電セル14の積層方向にスタック15の上面15aを押圧するスタック押圧機構41を備えている。より詳しくは、スタック押圧機構41は、スタック15の下面15bを支える支持部材42と、補機類11を載置する台座43と、台座43を断熱容器16の天板44から発電主要部10の下方に吊り下げるチェーン45(吊り下げ部材)とを含んで構成されている。なお、吊り下げ部材としてチェーン45を用いたが、これ以外に棒材や板材などの他の部材を用いてもよい。また、補機類11としては、排出ガスを循環させるブロワ、空気を送風するブロワ、熱交換器等に水を供給するポンプ、各種パラメータ(電圧や温度など)を検出するためのセンサなどを含む。台座43は、例えばアルミニウム板からなり、各補機類11は、台座43上にビスなどの固定部材を用いて固定されている。また、支持部材42やチェーン45は、例えばステンレスを用いて形成されている。
本実施の形態において、筐体12を含む燃料電池発電設備1の総重量は100kg程度であり、台座43に載せられている補機類11の重量は50kg程度である。また、各補機類11は、稼動時における発電主要部10の放熱の影響を少なくするため、発電主要部10に対して所定の間隔(例えば5cm以上の間隔)をあけて配置されている。
本実施の形態の支持部材42は、断熱容器16内に配置されその断熱容器16の底面から浮かせた状態でスタック15が載置される支持板47と、筐体12の底部から上方に延設されその上端部にて支持板47を支える支柱48とを備える。また、断熱容器16の底部49の中央には、貫通穴50が形成されその貫通穴50に支柱48が挿通されている。この貫通穴50と支柱48との隙間には、断熱材51が介在されており、断熱容器16内の熱が外部に放出されないように構成されている。本実施の形態において、発電主要部10の稼動温度(断熱容器16内の温度)は700℃程度であり、断熱容器16によってその熱が遮断される。このため、筐体12内では、断熱容器16外においてその側方部分で50℃程度、断熱容器16の下方では50℃以下の温度となっている。
断熱容器16の天板44とスタック15の上面15aとの間には押し板52が介在されている。押し板52の下面には、スタック15の上面15aと接触する接触部52aが突設されている。押し板52の接触部52aは、締結ボルト38及びナット39の締結機構が設けられる周縁部を避けた位置であって、スタック15における発電部53と対応する位置に設けられている。具体的には、押し板52の接触部52aは、発電セル14の電極(空気極層23)の上方に位置し、接触部52aの面積が電極面積(空気極層23の面積)の1.1倍以内となっている。
なお、本実施の形態のスタック押圧機構41では、台座43、チェーン45、及び断熱容器16の天板44が補機類11の自重を押し板52に伝える伝達部材となっている。
また、台座43の中央部分には、支持部材42の支柱48を挿通させる貫通穴55が形成されている。この貫通穴55と支柱48との隙間を小さくすることで、台座43の傾きが防止されるようになっている。また、断熱容器16の貫通穴50と支柱48との隙間を小さくすることで、断熱容器16の傾きが防止されるようになっている。これら台座43や断熱容器16の傾きを防止することで、スタック15の上面15aを押す押圧方向が鉛直方向となり、スタック15における発電セル14の積層方向と押圧方向とが一致する。つまり、本実施の形態では、断熱容器16及び台座43の貫通穴50,55と支柱48とによって、傾斜防止機構が構成され、スタック15の押圧方向の傾斜が防止されている。
次に、燃料電池発電設備1におけるスタック押圧機構41の作用について説明する。スタック押圧機構41において、台座43に載置される補機類11の自重がチェーン45を介して断熱容器16の天板44に伝達される。そして、その補機類11の自重に応じた荷重が押し板52を介してスタック15の上面15aに作用する。ここで、スタック15の下面15bは支持部材42の支持板47によって支えられているので、スタック15における各発電セル14の積層方向に押圧力が作用する。この結果、発電主要部10の稼動時において、熱によるコネクタプレート21(接続板)等の変形が抑えられるため、各発電セル14において空気極層23や燃料極層25と各集電体28,29とが確実に接触する。そして、各発電セル14での発電反応に応じた電流がエンドプレート34,35を介して出力される。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の燃料電池発電設備1において、スタック15の下面15bを支える支持部材42と、補機類11が載置される台座43と、台座43を断熱容器16の天板44から発電主要部10の下方に吊り下げるチェーン45とを含んでスタック押圧機構41が構成されている。このスタック押圧機構41を設けることで、補機類11の自重を利用して発電セル14の積層方向にスタック15を押圧することができる。従って、スタック15を構成する各発電セル14に常に一定の荷重が加わり、セル電極(空気極層23や燃料極層25)の接触抵抗を低く抑えることができる。この結果、発電主要部10において高効率で安定した発電を実現することができる。また、補機類11は、筐体12内において断熱容器16の外側であって発電主要部10の下方に配置されるので、発電主要部10の放熱の影響を受け難い。このため、補機類11として電子部品を有する機器を用いても誤動作することなく正常に動作させることができる。このように、本実施の形態では、燃料電池発電設備1を構成する既存の補機類11の自重を利用してスタック15を押圧することができる。従って、従来技術のようにスタック15を押圧するための専用部品(ばねやシムなど)を別途用意する場合と比較して、燃料電池発電設備1の装置コストを抑えることができる。さらに、燃料電池発電設備1では、高効率で耐久性が高く安定した発電を行うことができる。
(2)本実施の形態のスタック押圧機構41では、補機類11を台座43に載置してチェーン45で吊り下げる構造としているため、発電主要部10の下方に補機類11を容易に配置させることができる。筐体12内において、発電主要部10の下方は、十分なスペースを確保でき、かつ高温とならないため、補機類11の設置場所としては理想的な場所である。また、吊り下げ部材としてのチェーン45を介在させることで、補機類11の稼動時に発生する振動がスタック15に伝わり難くなり、振動による発電効率や耐久性の低下等を防止することができる。さらに、補機類11として複数の機器をまとめて台座43に固定することができるため、各機器を個別に固定する場合と比較して燃料電池発電設備1の組み付け性が向上する。
(3)本実施の形態の燃料電池発電設備1では、支持部材42を構成する支持板47は断熱容器16の底面から浮かせた状態で配置されており、断熱容器16の自重も押し板52を介してスタック15の上面15aに作用するように構成されている。この場合、スタック15の上面15aに加わる荷重が増すため、セル電極の接触抵抗をより確実に低減することができる。また、従来からある補機類11や断熱容器16の自重を利用してスタック15に荷重を加えているため、筐体12内における設置スペースの増大を抑制することができ、燃料電池発電設備1をコンパクトに形成することができる。
(4)本実施の形態の燃料電池発電設備1では、断熱容器16の底部49の貫通穴50及び台座43の貫通穴55と支柱48とによって傾斜防止機構が構成されている。この傾斜防止機構により、スタック15の上面15aにおいて押圧力が偏って加わることが回避され、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。
(5)本実施の形態のスタック押圧機構41では、断熱容器16の天板44とスタック15との間に押し板52が介在され、押し板52におけるスタック15の上面15aとの接触部52aは、発電セル14の電極の上方に位置している。また、押し板52の接触部52aの面積は、発電セル15の電極面積の1.1倍以内となっている。さらに、押し板52の接触部52aは、締結ボルト38及びナット39による締結部を避けてスタック15の上面15aを押圧している。このようにすると、スタック15における発電部53を確実に押圧することができるため、セル電極の接触抵抗の悪化を回避することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図面に基づき説明する。
図3に示されるように、本実施の形態の燃料電池発電設備1Aでは、スタック押圧機構41Aの構成が上記第1の実施の形態と異なる。以下、そのスタック押圧機構41Aの構成について説明する。
本実施の形態のスタック押圧機構41Aでは、補機類11を載置する台座43が筐体12Aの側面60に固定されている。筐体12Aは、底部61が開口するとともにその底部61が地面等の設置面から浮いた状態で配置されている。また、筐体12Aの天板62と断熱容器16の天板44とが一体的に固定されており、断熱容器16の天板44とスタック15の上面15aとの間には上記第1の実施の形態と同様に押し板52が介在されている。さらに、スタック15の下面15bを支える支持部材42(支持板47及び支柱48)の構成は、第1の実施の形態と同じ構成となっている。
本実施の形態のスタック押圧機構41Aでは、補機類11の自重及び筐体12Aの自重が筐体12Aの天板62、断熱容器16の天板44及び押し板52を介してスタック15の上面15aに加えられる。この結果、スタック15において各発電セル14の積層方向に押圧力が作用し、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。なお、本実施の形態の燃料電池発電設備1Aでは、その設備1Aの運搬時における振動などの衝撃がスタック15に加わらないように、筐体12の底部61を支える台座などの保護部材(図示略)が設けられる。そして、燃料電池発電設備1Aの設置後に、その保護部材を取り外すことで、補機類11の自重及び筐体12Aの自重をスタック15の上面15aに加えるようにしている。
このように、本実施の形態の燃料電池発電設備1Aでも、既存の補機類11や筐体12Aの自重を利用してスタック15を押圧することができるため、装置コストを抑えつつ、高効率で安定した発電を行うことができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第3の実施の形態を図面に基づき説明する。
図4に示されるように、本実施の形態の燃料電池発電設備1Bでは、スタック押圧機構41Bの構成が上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なる。以下、そのスタック押圧機構41Bの構成について説明する。
本実施の形態のスタック押圧機構41Bでは、筐体12Bの側壁における上端が開口しており、筐体12Bの天板62Aがその開口から上方に離間して配置されるとともに、筐体12Bの天板62Aにチェーン45を介して台座43が吊り下げられている。そして、筐体12Bの天板62Aと断熱容器16の天板44とが一体的に固定されている。また、断熱容器16の天板44とスタック15の上面15aとの間には上記第1の実施の形態と同等に押し板52が介在されている。さらに、スタック15の下面15bを支える支持部材42(支持板47及び支柱48)の構成は、第1の実施の形態と同じ構成となっている。
本実施の形態のスタック押圧機構41Bでは、補機類11の自重及び筐体12Bの天板62Aの自重が断熱容器16の天板44及び押し板52を介してスタック15の上面15aに加えられる。この結果、スタック15において各発電セル14の積層方向に押圧力が作用し、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。なお、本実施の形態の燃料電池発電設備1Bでは、その設備1Bの運搬時における振動などの衝撃がスタック15に加わらないように、筐体12Bの天板62Aを支える保護部材(図示略)が設けられている。そして、燃料電池発電設備1Bの設置後に、その保護部材を取り外すことで、補機類11の自重及び天板62Aの自重をスタック15の上面15aに加えるようにしている。
本実施の形態の燃料電池発電設備1Bでも、既存の補機類11や天板62Aの自重を利用してスタック15を押圧することができるため、装置コストを抑えつつ、高効率で安定した発電を行うことができる。
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施の形態の燃料電池発電設備1,1A,1Bでは、スタック15の上面15aを押圧する押し板52の接触部52aが平坦面であったが、これに限定されるものではない。例えば、図5に示される押し板65のように、スタック15の上面15aとの接触部65aが球面凸形状に形成されていてもよい。このように接触部65aを形成すると、台座43において補機類11の自重に偏りが生じて断熱容器16の天板44が傾いた場合でも、押し板65の接触部65aを介してスタック15の上面15aには鉛直方向に押圧力が作用する。つまり、押し板65の接触部65aが傾斜防止機構として機能する。従って、この押し板65を用いることにより、各発電セル14の積層方向に押圧力を確実に加えることができる。
・上記各実施の形態の燃料電池発電設備1,1A,1Bでは、断熱容器16内に配置される支持板47と筐体12の底部から上方に延設された支柱48とによって支持部材42が構成され、それら支持板47及び支柱48によってスタック15の下面15bを支えるものであったが、これに限定されるものではない。例えば、図6に示される燃料電池発電設備1Cのように、筐体12の天板62から下方に延設される支柱71と、その支柱71に下端部に設けられる支持板72とによって支持部材73を構成し、その支持部材73によってスタック15の下面15bを支えてもよい。この燃料電池発電設備1Cでは、断熱容器16の底部49にスタック15が直接載置されており、その断熱容器16の底部49を介してスタック15の下面15bが支持板72に支えられている。また、スタック15の上面15aを押す押し板52は、断熱容器16の天板44から離間して配置されている。さらに、断熱容器16の天板44には貫通穴76が設けられ、その貫通穴76には押し板52に連結される連結棒77が挿通されている。連結棒77の上端は、上側支持板78に接続されている。また、上側支持板78は、補機類11を載置した台座43とチェーン45を介して接続されており、支持板72には、そのチェーン45を挿通させる貫通穴79が設けられている。そして、補機類11を載置した台座43は、チェーン45を介して支持板72の下方に吊り下げられている。
図6の燃料電池発電設備1Cでは、台座43、チェーン45、押し板52、支柱71、支持板72、連結棒77、及び上側支持板78によってスタック押圧機構41Cが構成されている。この燃料電池発電設備1Cでは、台座43に載置されている補機類11の自重がチェーン45、上側支持板78、連結棒77を介して押し板52に伝達され、押し板52によってスタック15の上面15aが押圧される。また、スタック15の下面15bは、支持板72上に断熱容器16の底部49を介して支えられている。このため、スタック15には各発電セル14の積層方向に押圧力が加わり、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。従って、図6の燃料電池発電設備1Cでも、装置コストを抑えつつ、高効率で安定した発電を行うことができる。
また、図7に示すようなスタック押圧機構41Dを採用してもよい。図7に示されるように、燃料電池発電設備1Dのスタック押圧機構41Dでは、支持部材としての支持板81が筐体12の側面60に固定されており、その支持板81上に断熱容器16の底部49を介してスタック15の下面15bが支えられている。また、上側支持板78は、補機類11を載置した台座43とチェーン45を介して接続されており、支持板81には、そのチェーン45を挿通する貫通穴82が形成されている。そして、補機類11を載置した台座43は、チェーン45を介して支持板81の下方に吊り下げられている。なお、スタック押圧機構41Dを構成する他の構成(押し板52や連結棒77等の構成)は、図6のスタック押圧機構41Cと同じである。このようにスタック押圧機構41Dを構成した場合でも、スタック15には各発電セル14の積層方向に押圧力が加わり、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。従って、図7の燃料電池発電設備1Dでも、装置コストを抑えつつ、高効率で安定した発電を行うことができる。
さらに、図8に示す燃料電池発電設備1Eのように、てこの原理を利用したスタック押圧機構41Eを採用してもよい。具体的には、図8のスタック押圧機構41Eは、スタック15の上面15aを支える支持板84と、スタック15の下面15bを押圧する押し部材85と、補機類11が載置される板状部材86と、てこの支点となる位置に設けられ、板状部材86を支える棒状支持部材87とを含んで構成されている。押し部材85は、スタック15が載置される押し板90と、その押し板90を支える支柱91と、その支柱91の下端に設けられるプレート部92とを備える。押し部材85の押し板90は、断熱容器16内においてその底面から浮かせた状態で配置されており、押し部材85の支柱91を挿通させる貫通穴94が断熱容器16の底部49に形成されている。また、板状部材86は、屈曲して形成されており、その両端部が平坦面となっている。そして、板状部材86において、力点となる一方の平坦面に補機類11が載置されており、作用点となる他方の平坦面が押し部材85のプレート部92の下面に接触した状態で配置されている。さらに、断熱容器16は、筐体12の天板62に固定されており、スタック15の上面15aは支持板84を介して断熱容器16の天板44に押し付けられた状態で固定されている。なお、スタック押圧機構41Eでは、板状部材86及び棒状支持部材87が押し板90に補機類11の自重を伝える伝達部材となる。
図8のようにスタック押圧機構41Eを構成した場合、補機類11の自重は、板状部材86の端部にて下向きに加わり、板状部材86と棒状支持部材87とによって上向きの力に変換されて押し部材85のプレート部92に加わる。さらに、その補機類11の自重に応じた押圧力が押し部材85の支柱91及び押し板90を介してスタック15の下面15bに作用する。このとき、スタック15の上面15aは支持板84に押し付けられる。この結果、スタック15において各発電セル14の積層方向に押圧力が加わり、セル電極の接触抵抗を低く抑えることができる。従って、図8の燃料電池発電設備1Eでも、装置コストを抑えつつ、高効率で安定した発電を行うことができる。
・上記第2実施の形態の燃料電池発電設備1Aでは、補機類11及び筐体12の自重を利用してスタック15を押圧するように構成していたが、これに限定されるものではない。燃料電池発電設備1Aで用いられる筐体12は、重さが20kg程度ある。このように、筐体12が十分な重量を有する場合には、補機類11の自重を利用せず、筐体12のみの自重を利用してスタック15を押圧するように構成してもよい。
・上記第1〜第3の実施の形態の燃料電池発電設備1,1A,1Bにおいて、支持部材42を構成する支柱48は、支持板47の中央を支えるものであったが、複数本の支柱48で支持板47の縁部を支えるように支持部材42を構成してもよい。
・上記各実施の形態では、発電設備1,1A,1Bの組み付け性を高めるために1つの台座43を用いてスタック押圧機構41,41A、41Bを構成していたが、複数の台座43を用いてもよい。このようにすると、補機類11の形状や重さに適した台座43を用いることができる。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)手段1において、前記スタック押圧機構は、前記スタックの上面または下面を支える支持部材と、前記スタックにおいて前記支持部材が支える上面または下面の反対面を押圧する押し板と、前記補機類及び前記筐体のうちの少なくとも一方の自重を前記押し板に伝える伝達部材とを備えることを特徴とする燃料電池発電設備。
(2)手段1において、前記スタックの上面を押す押圧方向が前記スタックにおける前記発電セルの積層方向と一致するよう前記押圧方向の傾斜を防止する傾斜防止機構を備え、前記スタック押圧機構は、前記スタックの下面を支える支持部材と、前記補機類が載置される台座と、前記台座を前記断熱容器の天板から前記発電主要部の下方に吊り下げる吊り下げ部材とを含んで構成され、前記断熱容器の底部及び前記台座の底部には前記支持部材の支柱を挿通させる貫通穴が形成され、前記支柱と前記貫通穴とが前記傾斜防止機構として機能することを特徴とする燃料電池発電設備。
(3)手段1において、前記スタックの上面を押す押圧方向が前記スタックにおける前記発電セルの積層方向と一致するよう前記押圧方向の傾斜を防止する傾斜防止機構を備え、前記スタック押圧機構は、前記断熱容器の天板と前記スタックとの間に介在され、前記スタックの上面を押圧する押し板を備え、前記押し板における前記スタックの上面との接触部が球面凸形状に形成され、その接触部が前記傾斜防止機構として機能することを特徴とする燃料電池発電設備。
(4)手段1において、前記筐体の天板と前記断熱容器の天板とが一体的に固定されており、前記スタック押圧機構は、それら天板を介して前記スタックの上面を押圧することを特徴とする燃料電池発電設備。
(5)手段1において、前記スタック押圧機構は、前記断熱容器を介して前記スタックの下面を支える支持板と、前記筐体の天板から下方に延設されその下端部にて前記支持板を支える支柱とを備えることを特徴とする燃料電池発電設備。
(6)手段1において、前記スタック押圧機構は、前記筐体の側面に固定され、前記断熱容器を介して前記スタックの下面を支える支持板を備えることを特徴とする燃料電池発電設備。
(7)手段1において、前記スタックをその積層方向にボルトで締め付けて前記発電セルにおける電極の接触を確保する締結機構を有し、前記スタック押圧機構は、前記断熱容器の天板と前記スタックとの間に介在され、前記スタックの上面を押圧する押し板を備え、前記押し板は、前記ボルトによる締結部を避けて前記スタックの上面を押圧することを特徴とする燃料電池発電設備。
(8)手段1において、前記スタックの上面に加わる荷重は、装置全体の重さの20%以上であることを特徴とする燃料電池発電設備。
(9)手段1において、前記補機類は、前記発電主要部に対して所定の間隔をあけて配置されていることを特徴とする燃料電池発電設備。
(10)手段1において、前記補機類は、燃料・改質系設備、空気系設備、水・蒸気系設備、及び電力変換系設備のうちの少なくとも1つを構成する機器であることを特徴とする燃料電池発電設備。
(11)手段1において、前記補機類は、電子部品を有して構成される機器であることを特徴とする燃料電池発電設備。
(12)手段1において、前記補機類は、ポンプ、ブロワ及びセンサのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする燃料電池発電設備。