JP6049487B2 - 機械部品、時計用ムーブメントおよび時計 - Google Patents

機械部品、時計用ムーブメントおよび時計 Download PDF

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Description

この発明は、機械部品、この機械部品を備えた時計用ムーブメントおよび時計に関するものである。
従来、カレンダ機構を備えた機械式の腕時計が知られている。カレンダ機構は、主に1日から31日までの日付が周方向に沿って印刷されたリング状の日車と、1日に1回転する日回し車と、により構成されている。日車の内周部には、内歯が設けられている。また、日回し車には、日回し車とともに回転して日車の内歯に係合する日送り爪が設けられている。日回し車が1日に1回転することにより、日車の内歯に日回し車の日送り爪が係合して日車を間欠的に作動させる。これにより、日車の日付が1日分送られて、腕時計の日付が切り替わるように構成されている。
日車を樹脂材料により射出成形する場合には、溶融した樹脂材料(以下、「溶融樹脂材料」という。)を冷却および固化する際の収縮にともなう反りの発生が問題となる。
例えば、特許文献1には、中央孔を有するリング状に形成された基部と、基部の中央孔の内周縁に周方向に等間隔をあけて配置され半径方向内方に延びる複数の歯と、基部の半径方向外方に配置され、日付を表す数字が表示されるリング板状の日付表示部と、基部の表面側において板厚方向に所定高さで突出するリング状に配置された摺動突起とを備えた樹脂製の日車が記載されている。この日車は、基部の裏面側に板厚方向に突出するリング状のボス部を備えており、ボス部にゲート跡が備えられている。
特許文献1によれば、基部の裏面側にボス部を設けることで収縮にともなう応力をバランスさせて、日付表示部における反りの発生を抑制することができるとされている。
ところで、腕時計は、時刻を表示する機能に加えて、装飾品としての機能も有しており、例えば高級感を付与するために文字板を大径化したものがある。ここで、日車は、文字板の大径化にともなって大径化する傾向にある。そして、大径化した日車を射出成形により成形する際、溶融樹脂材料が冷却および固化する際の収縮にともなう反りも大きくなる傾向にある。
これに対して、例えば射出成形における注入口(いわゆるゲート)のタイプや位置、個数等を変更したり、金型の温度を調整したりすることにより、収縮にともなう日車の反りを抑制する方法がある。
特開2010−217163号公報
しかしながら、日車のように小型かつ精密な機械部品については、注入口(いわゆるゲート)のタイプや位置、個数等の変更や、金型の温度の調整等による反りの抑制には限界がある。したがって、日車等の機械部品の射出成形において、反りを抑制するという点で更なる改善が望まれている。
そこで、本発明は、射出成形における冷却および固化時に、反りを抑制できる機械部品、この機械部品を備えた時計用ムーブメントおよびこの時計用ムーブメントを備えた時計の提供を課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の機械部品は、射出成形の注入口が位置する内円部と、軸方向から見て前記内円部と同軸上に設けられ、前記内円部を径方向の外側から囲繞する外円部と、前記内円部と前記外円部とを接続するとともに、弾性変形可能に形成された接続部と、を備えたことを特徴とする。
内円部に射出成形の注入口が位置すると、射出成形における内円部の充填圧力は、外円部の充填圧力よりも高くなる。そして、射出成形の注入口が位置する内円部の成形収縮率は、外円部の成形収縮率よりも小さくなるため、溶融樹脂材料の冷却および固化時に、内円部と外円部との成形収縮率差(すなわち収縮差)にともなう内部応力(応力)が発生し、成形された機械部品はこの内部応力を緩和する形に変形しようとするため、機械部品に反りが発生するおそれがある。これに対して、本発明によれば、内円部と外円部とを接続する接続部を備え、この接続部が弾性変形可能に形成されているので、射出成形における冷却および固化時に、内円部と外円部との収縮差にともない発生する応力を、接続部が弾性変形することにより吸収できる。したがって、射出成形における冷却および固化時に、機械部品の反りを抑制できる。
また、前記接続部は、前記軸方向から見たとき、放射状に複数設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、接続部を放射状に複数設けているので、射出成形における冷却および固化時に、内円部と外円部との収縮差にともない発生する応力を、複数の接続部により分散して吸収できる。したがって、1箇所の接続部に応力が集中するのを防止できるので、強度および耐久性に優れるとともに、精度よく成形された機械部品を得ることができる。
また、前記接続部は、前記軸方向から見たとき、前記径方向と交差するように設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、接続部を径方向と交差するように設けているので、接続部を径方向に沿って設けた場合と比較して、接続部の全長を長く確保することができ、射出成形における冷却および固化時に接続部に加わる応力を、接続部の全体にわたって分散して吸収できる。したがって、射出成形における冷却および固化時に、接続部において応力が一部に集中するのを防止しつつ機械部品の反りを効果的に抑制できるので、強度および耐久性に優れるとともに、精度よく成形された機械部品を得ることができる。
また、複数の前記接続部は、前記軸方向から見たとき、それぞれ周方向に等ピッチとなるように設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、接続部をそれぞれ周方向に等ピッチとなるように設けることで、射出成形における冷却および固化時に、内円部と外円部との収縮差にともない発生する応力を、周方向にわたってバランスよく吸収できる。したがって、射出成形における冷却および固化時に、機械部品の反りを確実に抑制できる。
また、前記接続部は、前記軸方向から見たとき、湾曲形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、接続部が湾曲形成されているので、接続部の全長をさらに長く確保することができ、射出成形における冷却および固化時に接続部に加わる応力を、長く確保された接続部の全体にわたって分散して吸収できる。したがって、射出成形における冷却および固化時に、接続部において応力を効果的に分散しつつ反りを抑制できるので、強度および耐久性に優れるとともに、精度よく成形された機械部品を得ることができる。
また、複数の前記接続部は、前記軸方向から見たとき、直線状に形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、接続部を直線状に形成することで、各接続部間の開口面積を大きく確保できる。これにより、内円部と外円部との間における樹脂材料の量を減少させて反りを抑制するとともに、内円部と外円部との収縮差にともない発生する応力を接続部により吸収できる。
また、前記機械部品は、時計用の日車であり、前記外円部の一方主面には、日付を表す数字が表示されていることを特徴としている。
本発明によれば、射出成形における冷却および固化時に反りを抑制できる時計用の日車とすることができる。また、射出成形の注入口が位置せず、かつ反りが抑制された外円部の一方主面に日付を表す数字が表示されているので、意匠性に優れた時計用の日車とすることができる。
また、本発明の時計用ムーブメントは、上述の機械部品が組み込まれたカレンダ機構を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、射出成形における冷却および固化時に反りを抑制できるとともに、意匠性に優れた機械部品(時計用の日車)が組み込まれたカレンダ機構を備えているので、外観品質に優れた高性能な時計用ムーブメントを形成できる。
また、本発明の時計は、上述の時計用ムーブメントを備えていることを特徴としている。
本発明によれば、外観品質に優れた高性能な時計を得ることができる。
内円部に射出成形の注入口が位置すると、射出成形における内円部の充填圧力は、外円部の充填圧力よりも高くなる。そして、射出成形の注入口が位置する内円部の成形収縮率は、外円部の成形収縮率よりも小さくなるため、溶融樹脂材料の冷却および固化時に、内円部と外円部との成形収縮率差(すなわち収縮差)にともなう内部応力(応力)が発生し、成形された機械部品はこの内部応力を緩和する形に変形しようとするため、機械部品に反りが発生するおそれがある。これに対して、本発明によれば、内円部と外円部とを接続する接続部を備え、この接続部が弾性変形可能に形成されているので、射出成形における冷却および固化時に、内円部と外円部との収縮差にともない発生する応力を、接続部が弾性変形することにより吸収できる。したがって、射出成形における冷却および固化時に、機械部品の反りを抑制できる。
本発明の実施形態に係る時計の外観図である。 図1に示すムーブメントを裏側から見た平面図である。 実施形態に係る日車の斜視図である。 実施形態の変形例に係る日車の斜視図である。
以下に、この発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
以下では、まず実施形態に係る機械式の腕時計(請求項の「時計」に相当。)およびこの腕時計に組み込まれたムーブメント(請求項の「時計用ムーブメント」に相当。)について説明したあと、実施形態に係る日車(請求項の「機械部品」に相当。)について説明する。
(時計)
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側、すなわち文字板と反対の側をムーブメントの「表側」と称する。
図1は、実施形態に係る時計1の外観図である。
図1に示すように、本実施形態の時計1のコンプリートは、図示しないケース裏蓋、およびガラス2からなる時計ケース3内に、ムーブメント10と、時に関する情報を示す目盛り等を有する文字板11と、時を示す時針12、分を示す分針13および秒を示す秒針14を含む指針と、を備えている。文字板11には、日付を表す数字を明示させる日窓11aが開口している。これにより、時計1は、時刻に加え、日付を確認することが可能とされている。
(時計用ムーブメント)
図2は、図1に示すムーブメント10を裏側から見た平面図である。なお、図2においては、日窓11aを二点鎖線で図示している。
図2に示すように、ムーブメント10は、ムーブメント10の基板を構成する地板20を有している。この地板20の表側には、てんぷ、がんぎ車、アンクル等を含む図示しない脱進・調速機構と、四番車、三番車、二番車および香箱車を含む図示しない表輪列と、が少なくとも配置されている。
地板20の裏側には、分車、日の裏車(いずれも不図示)および筒車21を含む裏輪列と、日車30と、日ジャンパ23と、日回し車24と、が少なくとも配置されている。また、地板20の裏側であって日車30の裏側には、日車30、日ジャンパ23および日回し車24を押さえる日車押さえ28が取付けられている。また、日車押さえ28の裏側には、文字板11(図1参照)がガラス2(図1参照)を通じて視認可能に配置されている。
四番車、分車および筒車21は、それぞれ同軸上に配置されている。このうち分車は、香箱車の回転により、二番車および三番車の回転を介して1時間に1回転するように構成されている。そして、この分車に分針13(図1参照)が取付けられている。また、四番車は、二番車および三番車の回転を介して1分間に1回転するように構成されている。そして、この四番車に秒針14(図1参照)が取り付けられている。また、筒車21は、分車および日の裏車の回転を介して12時間に1回転するように構成されている。そして、この筒車21に時針12(図1参照)が取付けられている。
地板20の図示しない巻真案内穴には、巻真26が回転可能に組み込まれている。この巻真26は、例えば、日付の修正や、時刻表示(時および分の表示)を修正する際に用いられる時計部品である。巻真26の一端部には、時計ケース3の側方に位置するりゅうず27が取付けられている(図1参照)。
巻真26は、上記したように巻真案内穴によって回転可能に支持されているとともに、巻真26の延在方向に例えば2段階に引き出し操作可能とされている。この際、巻真26は、地板20の表側に配置された、おしどり、かんぬきやかんぬきばね等の図示しない切替装置により、延在方向の位置が決められている。
巻真26を例えば1段階引き出した状態で回転させると、つづみ車の回転によって小鉄車(いずれも不図示)が回転し、さらに日車30を回転させることができるように構成されている。これにより、日付合わせが可能とされる。また、巻真26を例えば2段階引き出した状態で回転させると、つづみ車の回転によって小鉄車が回転し、さらに日の裏車の回転を介して筒車21および分車を回転させることができるように構成されている。これにより、時刻合わせが可能とされる。
なお、巻真26を引き出さない状態で回転させた場合には、上記小鉄車は回転することがないように構成されている。
日車30は、地板20に対して回転自在に取付けられ、全体としてリング状をした部材である。日車30は、中心に開口部31を有しており、開口部31の内周縁36に沿って複数の内歯32が形成されている。また、日車30の両主面のうち、ムーブメント10の裏側(すなわち文字板11側、図1参照)の一方主面30aには、1日から31日までの日付を表す数字(請求項の「日文字」に相当。以下、「日文字」という。)Dが表示されている。なお、図2においては、日車30に表示される日文字Dのうち一部のみを図示している。日車30の構成については、後に詳細に説明する。
日回し車24は、日車30を1日に1回(午前0時に達した時点で)、日付1日分だけ回転させて日送りする時計部品であり、筒車21の回転に基づいて24時間で反時計回り方向に1回転するように構成されている。日回し車24には、略扇形状の開口部24aが形成されている。また、日回し車24の開口部24a内には、弾性腕部25が日回し車24の周方向に沿うように形成されている。弾性腕部25は、基端部が日回し車24の本体に接続され、先端部が自由端とされている。弾性腕部25の先端部には、日車30の内歯32に係合可能な日送り爪25aが形成されている。日回し車24が反時計回り方向に回転運動すると、日送り爪25aが日車30の内歯32と係合する。これにより、日回し車24の回転力は、弾性腕部25および日送り爪25aを介して日車30の内歯32に伝達される。そして、日回し車24は、1回転につき日車30を日付1日分だけ反時計回り方向に回転させる。
日ジャンパ23は、日車30の回転方向の位置を規正する時計部品であって、基端部が地板20の裏側に固定され、先端部が自由端とされた弾性変形可能な日ジャンパばね部(不図示)と、日ジャンパばね部の先端部に設けられた係合部23aと、を備えている。日ジャンパ23の係合部23aは、日車30の内歯32に向かって付勢されるとともに、日車30の内歯32と係合可能に形成されている。日ジャンパ23は、係合部23aが日車30の内歯32に係合することにより、日車30の回転を規正している。
後述する日車30、日回し車24および日ジャンパ23は、ムーブメント10にけるカレンダ機構29を構成する。
(日車)
続いて、日車30について詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係る日車30の斜視図である。なお、図3において、日車30は、ムーブメント10の裏側(すなわち文字板11側、いずれも図1参照)の一方主面30aが、図3の上側に面した状態で図示されている。また、図3では、日車30に表示される日文字Dのうち、一部のみ図示している。
図3に示すように、本実施形態の日車30は、例えば、ポリカーボネート等を主成分とする樹脂材料を射出成形することにより形成される機械部品であり、内円部35と、外円部40と、内円部35と外円部40とを接続する接続部45と、を備えている。なお、日車30の一方主面30aは、内円部35の一方主面35aと外円部40の一方主面40aとを含む。
ここで、日車30の中心軸は、ムーブメント10(図1参照)の中心軸および時計の時針12、分針13および秒針14(いずれも図1参照)の回転中心と一致している。以下、日車30の中心軸を中心軸Oといい、中心軸Oに沿う方向を軸方向といい、中心軸Oに直交する方向を径方向といい、中心軸O回りに周回する方向を周方向という。
内円部35は、日車30の中心軸Oと同軸上に配置されており、リング状に形成されている。内円部35には、その内周縁36(すなわち日車30の内周縁36)に沿って略等間隔に複数の内歯32が形成されている。内歯32は、1ヶ月の最大日数である31に対応して31枚設けられている。各内歯32は、径方向の外側から径方向の内側に向かって、周方向に沿う幅が漸次狭くなるように形成されている。各内歯32は、日回し車24の日送り爪25aおよび日ジャンパ23の係合部23aと係合可能に形成されている。
ところで、日車30を射出成形(インジェクション成形)する際、金型(不図示)には、キャビティに対して溶融樹脂材料を注入するための注入口(以下、「ゲート」という。)が設けられる。本実施形態において、ゲートは、日車30の一方主面30a側であって、内円部35に対応した位置に設けられる。より詳しくは、ゲートは、キャビティにおける内円部35の一方主面35a側であって、内円部35における径方向の中間部に対応した位置に、周方向に沿って等間隔(本実施形態においては90°ピッチ)に4箇所設けられる。したがって、内円部35の一方主面35aには、径方向の中間部において、周方向に沿って90°ピッチに4個のゲート跡38が形成される。
外円部40は、日車30の中心軸O(すなわち内円部35の中心軸)と同軸上に設けられており、リング状に形成されている。外円部40は、内径が内円部35の外径よりも大きくなっており、内円部35を径方向の外側から囲繞している。
外円部40の一方主面40aは、日文字Dが表示される日付表示部41となっている。また、外円部40の一方主面40aは、ゲート跡38が形成されていないため、精度よく平坦に形成される。したがって、外円部40の一方主面40aは、使用者に視認される日文字Dを表示するのに好適である。
日付表示部41に表示される日文字Dは、例えば不滅インクによる印刷や刻印等により表示される。各日文字Dは、外円部40の一方主面40a上において、径方向の中間部であって周方向に沿って等間隔に表示される。
接続部45は、軸方向から見たとき、内円部35と外円部40との間において、周方向に等間隔をあけて放射状に8本設けられている。接続部45の両端部のうち、径方向の内側に配置される一端部45aは、内円部35の外周縁37に接続されており、径方向の外側に配置される他端部45bは、一端部45aとは周方向でずれた位置において外円部40の内周縁42に接続されている。
また、本実施形態の接続部45は、径方向の外側に膨出するように弧状に形成された第一湾曲部46aと、径方向の内側に膨出するように弧状に形成された第二湾曲部46bとが滑らかに接続されることにより、所定の幅を有する略S字形状に湾曲形成されている。これにより、複数の接続部45は、軸方向から見たとき、それぞれ径方向と交差するように設けられる。そして、接続部45は、例えば射出成形における溶融樹脂材料の冷却および固化時に、内円部35と外円部40との収縮差にともなう応力が発生した場合であっても、軸方向、径方向および周方向の各方向に容易に弾性変形可能となっている。
接続部45の全長や、第一湾曲部46aおよび第二湾曲部46bの幅、厚さ、曲率半径等は、内円部35と外円部40との収縮差およびこの収縮差にともない発生する応力に対応して設定される。なお、内円部35と外円部40との収縮差は、例えば予めシミュレーション等によって求めることができる。また、第一湾曲部46aおよび第二湾曲部46bの幅、厚さおよび曲率半径は、それぞれ互いに同一となるように設定されることが望ましい。これにより、接続部45は、全体に渡ってバランスよく弾性変形できるので、内円部35と外円部40との収縮差にともない発生する応力を均等に分散して吸収できる。
(作用)
続いて、実施形態に係る日車30の作用について説明する。
まず、不図示の金型のキャビティ内に、ゲートから溶融樹脂材料を射出する。なお、日車30の外円部40の一方主面40aは日付表示部41となっており、精度よく平坦に形成する必要があるため、ゲート跡が形成されるのは好ましくない。したがって、射出成形のゲートは、日付表示部41以外の領域である内円部35に対応する位置に設けられる。
ゲートからキャビティ内に注入される溶融樹脂材料の温度は、例えば250℃程度に設定されている。また、金型の温度は、例えば100℃程度に設定されている。これにより、ゲートからキャビティ内に注入された溶融樹脂材料は、キャビティ内を流動しながら広がるとともに、金型によって冷却され、収縮して固化する。
ここで、射出成形において、ゲートが位置する内円部35の充填圧力は、ゲートが位置しない外円部40の充填圧力よりも高くなるため、内円部35の成形収縮率は、外円部40の成形収縮率よりも小さくなる。換言すれば、外円部40の収縮量は、ゲートが位置する内円部35の収縮量よりも大きくなる。一方、金型温度が高いと収縮量が大きいことが一般的に知られており、通常、成形金型においては溶融樹脂材料を注入するキャビ側(固定型側とも呼ばれる)の金型温度がコア側(移動型側)よりも高くなってしまう。したがって、外円部40には、溶融樹脂材料の冷却および固化時に、ゲートが位置する方向、すなわち径方向の内側であって一方主面30a側に向かって反らせるように応力が発生する。
これに対して、本実施形態の日車30は、内円部35と外円部40とを接続するとともに、弾性変形可能な接続部45を備えている。このため、内円部35と外円部40との収縮差にともない応力が発生しても、軸方向、径方向および周方向の各方向に接続部45が容易に弾性変形して応力を吸収する。これにより、射出成形における冷却および固化時に、日車30の反りが抑制される。
(効果)
内円部35に射出成形のゲートが位置すると、射出成形における内円部35の充填圧力は、外円部40の充填圧力よりも高くなる。そして、射出成形のゲートが位置する内円部35の成形収縮率は、外円部40の成形収縮率よりも小さくなるため、溶融樹脂材料の冷却および固化時に、内円部35と外円部40との収縮差にともなう応力が発生し、成形された日車30に反りが発生するおそれがある。これに対して、本実施形態によれば、内円部35と外円部40とを接続する接続部45を備え、この接続部45が弾性変形可能に形成されているので、射出成形における冷却および固化時に、内円部35と外円部40との収縮差にともない発生する応力を、接続部45が弾性変形することにより吸収できる。したがって、射出成形における冷却および固化時に、日車30の反りを抑制できる。
また、接続部45は、軸方向から見たとき、放射状に8本設けられているので、射出成形における冷却および固化時に、内円部35と外円部40との収縮差にともない発生する応力を、複数の接続部45により分散して吸収できる。したがって、1箇所の接続部45に応力が集中するのを防止できるので、強度および耐久性に優れるとともに、精度よく成形された日車30を得ることができる。
また、接続部45を径方向と交差するように設けているので、接続部45を径方向に沿って設けた場合と比較して、接続部45の全長を長く確保することができ、射出成形における冷却および固化時に接続部45に加わる応力を、接続部45の全体にわたって分散して吸収できる。したがって、射出成形における冷却および固化時に、接続部45において応力が一部に集中するのを防止しつつ日車30の反りを効果的に抑制できるので、強度および耐久性に優れるとともに、精度よく成形された日車30を得ることができる。
また、接続部45をそれぞれ周方向に等ピッチとなるように設けることで、射出成形における冷却および固化時に、内円部35と外円部40との収縮差にともない発生する応力を、周方向にわたってバランスよく吸収できる。したがって、射出成形における冷却および固化時に、日車30の反りを確実に抑制できる。
また、接続部45が湾曲形成されているので、接続部45の全長を長く確保することができ、射出成形における冷却および固化時に接続部45に加わる応力を、長く確保された接続部の全体にわたって分散して吸収できる。したがって、射出成形における冷却および固化時に、接続部45において応力を効果的に分散しつつ反りを抑制できるので、強度および耐久性に優れるとともに、精度よく成形された日車30を得ることができる。
また、本実施形態によれば、射出成形における冷却および固化時に反りを抑制できる日車30とすることができる。また、射出成形のゲートが位置せず、かつ反りが抑制された外円部40の一方主面40aが日付表示部41とされ、この日付表示部41に日文字Dが表示されているので、意匠性に優れた日車30とすることができる。
また、本実施形態によれば、射出成形における冷却および固化時に反りを抑制できるとともに、意匠性に優れた日車30が組み込まれたカレンダ機構29を備えているので、外観品質に優れた高性能なムーブメント10を形成できる。
また、本実施形態によれば、外観品質に優れた高性能な時計1を得ることができる。
(実施形態の変形例)
図4は、実施形態の変形例に係る日車30の説明図である。
続いて、実施形態の変形例に係る日車30について説明する。なお、以下では、実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
実施形態の日車30では、接続部45は、径方向の外側に膨出するように弧状に形成された第一湾曲部46aと、径方向の内側に膨出するように弧状に形成された第二湾曲部46bとが滑らかに接続されることにより、所定の幅を有する略S字形状に湾曲形成されていた(図3参照)。
これに対して、図4に示すように、実施形態の変形例に係る日車30では、接続部45は、軸方向から見たとき、内円部35の外周縁37における接線方向に沿うように、直線状に形成されている。また、接続部45は、軸方向から見たとき、周方向に等間隔をあけて放射状に8本設けられている。これにより、複数の接続部45は、軸方向から見たとき、それぞれ径方向と交差するように設けられる。
実施形態の変形例によれば、接続部45を直線状に形成することで、各接続部45間の開口面積を大きく確保できる。これにより、内円部35と外円部40との間における樹脂材料の量を減少させて反りを抑制するとともに、内円部35と外円部40との収縮差にともない発生する応力を接続部45により吸収できる。
なお、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
実施形態および実施形態の変形例では、時計1用の日車30に本発明を適用した場合について説明をしたが、本発明の適用は、日車30に限定されることはなく、射出成形により形成される円盤状の機械部品であれば適用できる。
接続部45の形状や本数等は、実施形態および実施形態の変形例に限定されない。すなわち、接続部45は、内円部35と外円部40とを接続するとともに、弾性変形可能に形成されてさえいればよい。したがって、接続部45は、例えば内円部35と外円部40との間において全周にわたって薄肉とすることにより、内円部35と外円部40とを全周にわたって接続するとともに、弾性変形可能に形成されていてもよい。
また、実施形態の接続部45は、第一湾曲部46aと第二湾曲部46bとにより略S字形状に湾曲形成されていたが、第一湾曲部46aと第二湾曲部46bとを連続的に複数備えて略波形状に湾曲形成されていてもよい。
実施形態および実施形態の変形例では、軸方向から見たとき、接続部45が径方向と交差するように設けられていた。これに対して、接続部45は、径方向に沿うように設けられていてもよい。ただし、接続部45を径方向と交差するように設けることにより、接続部45の全長を長く確保することができ、射出成形における冷却および固化時に接続部45に加わる応力を、接続部45の全体にわたって効果的に分散して吸収できる点で、実施形態および実施形態の変形例に優位性がある。
また、実施形態および実施形態の変形例では、接続部45は、樹脂材料により内円部35および外円部40と一体成形されて設けられていた。これに対して、接続部45は、例えば、内円部35および外円部40に対して別部材として形成され、内円部35および外円部40に接合等されていてもよい。また、接続部45は、例えば金属材料により別部材として形成され、内円部35および外円部40に対してインサート成形されていてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1・・・時計 10・・・ムーブメント(時計用ムーブメント) 29・・・カレンダ機構 30・・・日車(機械部品) 35・・・内円部 40・・・外円部 45・・・接続部 D・・・日文字(日付を表す数字)

Claims (6)

  1. 射出成形の注入口が位置する内円部と、
    軸方向から見て前記内円部と同軸上に設けられ、前記内円部を径方向の外側から囲繞する外円部と、
    前記内円部と前記外円部とを接続するとともに、弾性変形可能に形成された接続部と、
    を備えた射出成形により形成され
    前記接続部は、径方向の外側に膨出するように弧状に形成された第一湾曲部と、径方向の内側に膨出するように弧状に形成された第二湾曲部とが滑らかに接続されることにより、所定の幅を有する略S字形状に湾曲形成されることを特徴とする円盤状の機械部品。
  2. 前記接続部は、前記軸方向から見たとき、放射状に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の機械部品。
  3. 複数の前記接続部は、前記軸方向から見たとき、それぞれ周方向に等ピッチとなるように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の機械部品。
  4. 前記機械部品は、時計用の日車であり、
    前記外円部の一方主面には、日付を表す数字が表示されていることを特徴とする請求項1に記載の機械部品。
  5. 請求項に記載の機械部品が組み込まれたカレンダ機構を備えていることを特徴とする時計用ムーブメント。
  6. 請求項に記載の時計用ムーブメントを備えていることを特徴とする時計。
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