JP2020003476A - 小型時計カレンダー用システム - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で、信頼性があり、単純で、作動中のエネルギー損失を最小限にする小型カレンダー用システムを提供する。【解決手段】第1歯車と、第1歯車を駆動するための第1爪5bと、第1歯車を駆動するための歯31bであって、第1歯車に、引込位置と駆動位置の間に移動可能に取り付けられた歯と、カムとカムフォロワー4とを含む、デスモドロミックシステムと、を含む、小型時計カレンダー用システムであって、デスモドロミックシステムは、少なくともカムの第1位置が、歯の引込を許可するフォロワーの第1位置を定義し、少なくともカムの第2位置が、歯の引込を阻止するフォロワーの第2位置を定義するよう、配置される。【選択図】図2

Description

本発明は、小型時計カレンダー用システムに関する。本発明はまた、当該システムを含むムーブメントに関する。本発明は更に、当該システムまたは当該ムーブメントを含む時計、特に腕時計に関する。最後に本発明は、当該小型時計カレンダー用システム、当該ムーブメントまたは当該時計の作動方法に関する。
年間または万年暦用機構が、従来技術から知られている。当該機構は一般的には、カレンダーの様々な表示及びまたはプログラミンング装置に関する、様々な戻しばねまたは割出ばねが生成するトルクを克服するよう構成された、1または複数のカレンダー駆動装置を含む。
年間または万年暦のプログラミングカムは、通常、可動レバーを、特にカレンダー歯車の歯列の可動歯を、またはカレンダー駆動装置の稼働爪を、起動するために設けられる。
例として、特許文献1は、戻しばねにより付勢された、カレンダー駆動歯車を旋回させるレバーを制御するために設けられた、年間カレンダーのプログラミングカムを開示する。当該構成は、多数の部品を、特にばね及びレバーを必要とし、多くのエネルギーを消費する。更に、当該機構の作動のシーケンス処理のため、小の月の終わりにカレンダーを完全に瞬間的に日付変更させることは非常に難しかった。
特許文献2は、暦日車と同心に配置されるプログラミングカムに対して弾性的に付勢される暦日車のモバイル歯を開示する。このため可動歯は、当該歯をカムに対して付勢するために、戻しばねを含む。更に、プログラミングカムは、弾性ジャンパにより角度的に割り出される。両方のばねは、両ばねが生成する抵抗トルクを克服するために追加エネルギーを必要とする、カレンダー駆動装置により起動される。
特許文献3は、その動作原理が特許文献2の装置と類似する構造を開示する。暦日車は、内歯列が設けられた暦日ディスクの形状であり、可動歯は、中間レバーを用いてプログラミングカムにより操作される。可動歯は、暦日車に配設された線ばねにより弾性的に付勢される。当該構成は上述の欠点を有し、さらにその実施は複雑である。
欧州特許出願公開第0987609号明細書 スイス国特許出願第685585号明細書 米国特許第3716983号明細書
本発明の目的は、上述の欠点に取り組み、先行技術から知られている小型時計カレンダーのシステムを向上する、カレンダーシステムを提供することである。特に、本発明は、小型で、信頼性があり、単純で、作動中のエネルギー損失を最小限にする、小型時計カレンダー用システムを提案する。
本発明にかかるカレンダーシステムは、請求項1に定義される。
カレンダーシステムの様々な実施形態は、従属請求項2から11に定義される。
本発明にかかる小型時計ムーブメントは、請求項12に定義される。
本発明にかかる時計は、請求項13に定義される。
本発明にかかるカレンダーシステムの作動方法は、請求項14に定義される。
作動方法の実行態様は、従属請求項15に定義される。
添付の図面は、例として、カレンダーシステムを組み込んだ時計の2つの実施形態を示す。
図1は、時計の第1実施形態を示す。 図2は、時計の第1実施形態を示す。 図3は、時計の第1実施形態を示す。 図4は、時計の第1実施形態を示す。 図5は、時計の第1実施形態を示す。 図6は、時計の第1実施形態を示す。 図7は、時計の第1実施形態を示す。 図8は、時計の第1実施形態を示す。 図9は、時計の第2実施形態を示す。 図10は、時計の第2実施形態を示す。 図11は、図4に図示する平面XI−XIにかかる、カレンダー歯車の具体例の部分断面図である。 図12は、第1実施形態で使用可能なカムの具体例の図である。 図13は、第1実施形態で使用可能なカムの具体例の図である。
時計300の第1実施形態を、図1から8を参照して以下に説明する。時計は、有利には小型時計であり、例えば腕時計である。時計は、小型時計ムーブメント200を含む。
小型時計ムーブメントは、電子式でも機械式でもよく、特に自動式のものでもよい。小型時計ムーブメントは、小型時計カレンダー用システム1を含む。カレンダーシステムは、例えば、年間式またはセミパーペチュアル式または万年暦式である。小型時計ムーブメント及びまたはカレンダーシステムは、フレームワーク99を含む。
小型時計カレンダー用システムは、
− 第1歯車3と、
− 第1歯車を駆動するための第1爪5bと、
− 第1歯車を駆動するための歯31bであって、第1歯車3上に、引込位置と駆動位置との間で可動に搭載された歯と、
− カム2とカムフォロワー4とを含む、デスモドロミックシステム2、4と
を含む。
デスモドロミックシステムは、少なくともカムの第1位置が、歯の引込を許可するフォロワーの第1位置を定義するように、また少なくともカムの第2位置が、歯の引込を阻止するフォロワーの第2位置を定義するように、配置される。このため、カムの第1カム位置から第2カム位置への変位は、フォロワーの第1フォロワー位置から第2フォロワー位置への変位をもたらすこともあり、カムの第2カム位置から第1カム位置への変位は、フォロワーの第1フォロワー位置から第2フォロワー位置への変位をもたらすこともある。
第1歯車3は、例えば、暦日車であり、特に暦日ディスクである。第1歯車は、フレームワーク上で軸A1、例えばムーブメントの中央の軸A1周りに旋回される。第1歯車は、例えば、情報が文字盤の高さで開口を通じて現れるときに、時計の装着者に示すことが意図される、暦日に関する情報を含む。
第1歯車は、有利には、31本の歯を有する歯列30を含む。当該歯列は、内歯列でもよい。当該歯列は、例えば、図11に図示する平面P1に従って配置される。当該平面P1は、例えば第1歯車の平面である、特にディスク3の平面である。
有利には、カレンダーシステムは、第1歯車をフレームワークに対する位置に割り出すために、第1歯車と協働するジャンパ8を含む。好ましくは、ジャンパ8は、特にジャンパ8の頭部または鼻8aは、第1歯車を割り出すために、歯列30と協働する。
第1歯車を駆動するための歯31bは、例えば、第1歯車上で軸A31周りに旋回する。
駆動歯31bは、例えば、図11に示す平面P2に従って配置される。当該平面P2は、例えば、平面P1に平行な平面及びまたは第1歯車に平行な平面である。
駆動歯31bは、引込可能爪31上に実施されてもよい。この場合、引込可能爪31は、例えば、第1歯車上で軸A31周りに旋回する。
軸A31は、例えば、軸A1に平行または実質的に平行である。
このため、駆動歯31b及びまたは引込可能爪31は、旋回可能で第1引込位置と第2駆動位置の間で可動である。
有利には、引込可能爪31及びまたは駆動歯31bは、図4に示すように、例えば第1歯車上に形成された少なくとも1つの溝31cと、駆動歯31bまたは引込可能爪31に取付けられた少なくとも1つのピン31c’とを含む、案内手段及びまたは当接手段が設けられてもよい。代替的に、例えば、案内手段及びまたは当接手段は、駆動歯31bまたは引込可能爪31上に形成された少なくとも1つの溝31cと、第1歯車上に取付けられた少なくとも1つのピン31c’とを含んでもよい。このため、駆動歯31b及びまたは爪31の移動は、引込位置と駆動位置との間で案内及びまたは制限されてもよい。
小型時計カレンダー用システムは、第1歯車3を駆動するための歯車5を含む。当該駆動歯車5は、第1歯車3を、24時間毎に1ステップ、そして場合によっては小の月の終わりには複数のステップ、駆動する機能を有する。第1歯車3を駆動するための歯車5は、例えば、フレームワーク上で軸A5周りに旋回される。当該軸A5は、例えば、軸A1に、及びまたは軸A31に、平行または実質的に平行である。当該駆動は、好ましくは、瞬間的日付変更のタイプである。代替的に、駆動は引きずり式でもよい。
当該駆動を達成するために、駆動歯車は、第1歯車3を駆動するための第1爪5bを含む。当該第1駆動爪5bは、第1歯車3と、特に駆動爪31bと協働するように配置される。このために、例えば、第1駆動爪5bの全部または一部は、平面P2内に存在する。
有利には、図7に示すように、第1駆動爪5bは、弾性カレンダーレバー7と協働するカレンダーカム6と一体である。レバー7とカム6との協働は、駆動歯車5の瞬間的回転を、特に駆動歯車5の軸A5周りの一回転の瞬間的回転を可能にする。これにより、第1駆動爪5bが第1歯車3を駆動するための歯31bと協働すると、第1歯車を角度ステップで駆動することが可能になる。このような協働は、小の月の終わりに、つまり30日以下の月の終わりに、行われる。
有利には、第1歯車3の駆動を達成するために、駆動歯車は同様に、第1歯車を駆動するための第2爪5aを含む。当該第2駆動爪5aは、第1歯車3と、特に歯列30と協働するように配置される。このために、例えば、第2駆動爪5aは平面P1内に存在する。
有利には、第2駆動爪5aは、カレンダーカム6と一体である。このため、第2駆動爪5aは、24時間毎に、軸A5周りに1回転の瞬間的または準瞬間的回転を実行する。これは、第1歯車3を24時間毎に角度ステップで駆動することを可能にする。このため、暦日付の表示を24時間毎に更新することができる。
これは、単一の第2駆動爪5aの作用により、大の月の終わりに、第1歯車の角度ステップを駆動することにつながり、第1駆動爪5bと第2駆動爪5aの作用により、特に第1駆動爪5bの後に第2駆動爪5aの作用により、小の月の終わりに、第1歯車の2回の角度ステップを駆動することにつながる。
好ましくは、駆動歯31bと第1駆動爪5bは、駆動爪31bの駆動位置において、第1駆動爪5bが駆動歯31bに対して、歯を引き込み第1歯車3を駆動しようとする機械的作用Fを発揮するように、配置される及びまたは構成される。(第1駆動爪5bとは接触していないが)図2に図示される当該作用Fは、実際、第1歯車3を軸A1周りに反時計回り方向に回転させようとし、駆動歯31bを軸A31周りに時計回り方向に回転させようとする。実際、特定のデザインに表される実施形態において、作用は、軸A1に対して正放線でも軸A1に対して放射状でもなく、こうした放射状及び正放線方向に対して実質的に傾斜する。作用Fの方向は、作用Fの作用点において、軸A1に対する放射状及び正放線方向と30°から60°の間の角度を形成してもよい。作用Fの方向は、特に、作用Fの作用点において、軸A1に対する放射状及び正放線方向と45°に等しいまたは実質的に等しい角度を形成してもよい。
デスモドロミックシステムは、カムに対してフォロワーを戻すばねを利用することなく、カムの位置に基づいて、フォロワーの位置を定義可能にする。換言すれば、カムはフレームワークに対する自身の位置により、カムに対してフォロワーを戻すばねを利用することなく、フレームワークに対するフォロワーの位置を制御する。
特に図12及び13に図示するカム2は、好ましくはプログラミングカムである。例えば、カムはクラウンまたはリングの形状を有する。カムは、有利には、フレームワーク上で軸A1に平行な軸周りにまたは軸A1周りに旋回する。カムは、好ましくはカムトラック20を含む。有利には、カムトラックは溝20を含む。溝20は、閉輪郭に沿って実施されてもよい。溝は、第1側面20aまたは第1側壁及び第2側面20bまたは第2側壁を含む。溝は、第1フォロワー位置及び第1駆動歯位置31bを定義する、軸A1に対して第1半径R2とR2’に従って実現された第1部分を示してもよい。溝は、第2フォロワー位置及び第2駆動歯位置31bを定義する、軸A1に対して第2半径R1とR1’に従って実現された第2部分を示してもよい。溝は更に、第1及び第2部分の間の接続部分を含む。
第1側面20aは、第1カムプロファイルを構成する。第2側面20bは、第2カムプロファイルを構成する。
好ましくは、カム2は、第1歯車3の回転により、特に図1及び3に模式的に表された中間歯車9を用いて、回転駆動される。中間歯車は、例えば、フレームワーク上で軸A9周りに、特に軸A1に平行または実質的に平行な軸A9周りに旋回される。
このため、第1歯車3は、少なくとも1本の歯を、好ましくは2本または3本または4本または5本の歯を含む、外歯列32が設けられてもよく、カム2は、内歯列22が設けられてもよい。中間歯車9は、歯列32及び歯列22の両方と協働するように配置された歯列を含む、単純なピニオンでもよい。
代替として、中間歯車は、カム2が第1歯車3により作動されていないときにカム2の角度位置を係止するように、マルタ十字架式でもよい。このように中間歯車9は、例えば、マルタ十字架を含む第1部分と、ピニオンを含む第2部分とを示してもよい。第1及び第2部分は分離してもしなくてもよい。このように、有利には、カム2はあらゆる割出ジャンパを有しなくてもよい。実際、第1歯車の割出は、中間歯車9を用いた第1歯車3とカム2との運動学的連結のため、特に遊びを減じた運動学的連結のため、カム2の割り出しを含む。
特に溝20の第1及び第2部分の間の接続部分の高さにおける、第1及び第2カムプロファイル20a及び20bは、第1方向と第2方向のそれぞれに、フォロワー4が第1歯車3の駆動歯31bに作用可能または不可能なようにフォロワーを駆動することを可能にする。
好ましくは、カム2は、例えば図8に図示するデカル21といった、月の印の表示のための装置を有する。デカル21は、文字盤の1または複数の窓を、特に12個の窓を超えて、当月の印を提供するために、1または複数の着色マーキングを有しても良い。代替的に、カム2は、例えば、時計の文字盤に設けられた開口に現れる、英文字及びまたは数字の列を用いて、月の印を有してもよい。
フォロワー4は、溝20に収容されることが意図される、ピンまたはペグ40を含む。
好ましくは、フォロワーは、フレームワーク99上で軸A4周りに旋回されるレバー、特にプログラミングレバーである。軸A4は、例えば、軸A1に平行または実質的に平行である。
フォロワー4は、フォロワーが第2位置にあるときに駆動歯31bの引込を阻止するように、特に確動係合(positive engagement)により阻止するように、配置された側面4aを含む。駆動歯31b及びまたは爪31は、側面4aと接触により協働することが意図される表面または当接部31aを含む。
第1カムプロファイル20aは、フォロワー4が第1方向へ駆動されるように、特に軸A4周りに第1方向に、特に図5に図示するように時計回り方向に回転駆動されるように、ペグ40に作用するために設けられる。第2カムプロファイル20bは、フォロワー4が第2方向へ駆動されるように、特に軸A4周りに第2方向に、特に図6に図示するように反時計回り方向に回転駆動されるように、ペグ40に作用するために設けられる。
有利には、フォロワー4の角運動は、カム2が起動されていないときに、当接部として、特に角度的当接部として働くカムプロファイル20a及び20bにより、限定される、またはできる限り最小化される。好ましくは、フォロワー4は、第1及び第2位置の間のフォロワーの動きを制限するように、フレームワーク上に設けられた第2当接部と協働する第1当接部を更に含む。第1及び第2当接部は、例えばフレームワークに取付けられたサポートピン4b’と協働するためにフォロワーに設けられた、少なくとも1つの溝4bを含んでもよい。代替的に、第1及び第2当接部は、例えばフォロワーに取付けられたサポートピンと協働するためにフレームワークに設けられた、少なくとも1つの溝を含んでもよい。溝とピンは、更に、フレームワークに対してフォロワーを案内するための手段を構成してもよい。
フォロワー4の形状は、第1歯車3及びまたはカム2の寸法に従って、特に第1歯車の直径及びまたはカム2の直径に応じて、適合されてもよい。特に、所定のフォロワー4を用いて、月の表示の配置を、歴日の表示の配置と独立して調節することが可能である。例えば、所定の歴日ディスク3について、異なるフォロワーを用いて、異なる寸法の月の印用の表示装置を支持する異なるカム2を配置することが可能である。このため、フォロワーの形状は、所定の寸法の歴日ディスクと、月の印を表示するよう適合されたカムと協働するために定義されてもよい。フォロワーの形状はまた、月の印を表示するよう適合された所定の形状のカムと、歴日ディスクと協働するために定義されてもよい。
時計300’の第2実施形態を、図9と図10とを参照して以下に説明する。時計は有利には小型時計であり、例えば腕時計である。時計は、小型時計ムーブメント200’を含む。
小型時計ムーブメントは、電子式でも機械式でもよく、特に自動式のものでもよい。小型時計ムーブメントは、小型時計カレンダー用システム1’を含む。カレンダーシステムは、例えば、年間式またはセミパーペチュアル式または万年暦式である。小型時計ムーブメント及びまたはカレンダーシステムは、フレームワーク99’を含む。
当該第2実施形態において、第1実施形態の要素と同一または類似の機能を有する要素は、第1実施形態における当該要素の参照番号に「’」を加えることで参照される。
第2実施形態は、カム2’が歯車である点で、第1実施形態と異なる。当該歯車は、軸A1’周りに旋回される。第2実施形態にかかる装置の作動の原則は、第1実施形態の装置のものと同一である。更に、図9及び図10は、図1及び2に図示される時計の第1実施形態の構成に類似の構成にある、時計の第2実施形態を図示する。
カム2’は、中間歯車9’と噛み合いにより協働する外歯列22’を含む。
当該第2実施形態において、歯車2’は、月を示すための針または月を示すためのディスクと一体でもよい。割出ジャンパは、針またはディスクの角度位置を正確に定義するために、場合によって導入される。
第1歯車3’を駆動するための歯車5’は、図9及び図10には図示されない。
上述の実施形態と変形例において、カムは、その側面が第1及び第2カムプロファイルを構成する溝を含み、フォロワーは当該溝と協働するピンを含む。しかしながら、代替策として、カムはリブを含み、フォロワーはスロットを含んでもよく、リブはスロットに収容される。カムプロファイルは、リブの側面で構成される。
上述の実施形態と変形例において、駆動歯31bは、第1歯車上で旋回される。しかしながら、歯は、第1歯車上に異なるように可動に取付けられてもよい。例えば、駆動歯は、第1歯車上に摺動係合で取付けられてもよい。
上述の実施形態と変形例において、小の月の終わりに、第1駆動爪5bは、第1歯車を1角度ステップ前進させるために第1歯車に作用し、第2駆動爪5aはその後、更なる角度ステップ前進させるために第1歯車に作用する。しかしながら、小の月の終わりに、第2駆動爪5aは、第1歯車を1角度ステップ前進させるために最初に第1歯車に作用し、その後第1駆動歯車5bが第1歯車を更なる角度ステップ前進させるために第1歯車に作用してもよい。
上述の実施形態と変形例において、フォロワーはフレームワーク上で旋回されるレバーである。しかしながら、フォロワーは、フレームワーク上に摺動係合で取付けられたスライダーでもよい。
上述の実施形態と変形例において、第1及び第2駆動爪5a、5bは、同一の駆動歯車内で一体化される。しかしながら、第1及び第2駆動爪5a、5bは、2つの別個の駆動歯車内で一体化されてもよい。
上述の実施形態と変形例において、第1及び第2駆動爪5a、5bは、2つの平行且つ別個の平面に配置される。しかしながら、第1及び第2駆動爪5a、5bは、駆動歯と歯列30と共に、同一の平面内にあってもよい。この場合、第1駆動爪は、第1爪が歯列と干渉しないように、第2駆動爪より短くてもよい。同様に、第1駆動爪は、駆動位置にあるときに駆動歯に作用するよう、十分に長い。
上述の実施形態と変形例において、溝20は盲穴である。しかしながら、切抜きによりカムを2つのカム部分に分離してもよい。
上述の実施形態と変形例において、カムは、フォロワーの第1及び第2位置のみを決定する。このため、フォロワーの可動性は、カムにより2つの反対の方向で制限されてもよい。しかしながら、ペグ40の可動性またはフォロワーの可動性は、例えば、ムーブメントのブランクに、例えばフレームワーク99上に形成された当接部により少なくとも1方向で区切られてもよい。当接部は、例えば、その半径がR1’に等しいまたは実質的に等しい円筒壁の形状をとってもよい。代替策または追加として、当接部は、例えば、その半径がR2に等しいまたは実質的に等しい円筒壁の形状をとってもよい。更なる代替策として、当接部は、ピン4b’により構成される当接部の1つであってもよい。
時計及びまたはムーブメント及びまたはカレンダーシステムの作動方法の実施態様を、以下に説明する。
カレンダーシステムは、当初、図1及び2に図示される第1状態または第1構成にあると仮定される。当該構成は、小の月の30番目の歴日、例えば4月30日に相当する。
当該第1構成において、ペグ40は、フォロワーが駆動歯の引込を阻止する第2位置にあるときに、フォロワー4の側面4aが駆動歯31bの表面31aと接触により協働可能なように、それぞれ軸A1に中心を取る2つの半径R1、R1’の円に従って形成された2つのカムプロファイル20a、20bの間に収容される。このため、駆動歯31bは、駆動歯車5の第1駆動爪5bを用いて力Fの適用によりその頭部31bが起動されると、引込されない。このように第1駆動爪5bと駆動歯31bとの間の接触は、第1歯車3の1ステップの駆動を誘導する。駆動歯車5の第2駆動爪5a自身は、第1歯車3の補完ステップの駆動を誘導する。カレンダーはその後、5月1日を示す。
5月の間、カム2は、(図によれば)時計回り方向に軸A1周りを回転する。こうしたカムの変位の間、ピン40は溝20内で変位し、フォロワーを、駆動歯の引込を阻止する第2位置から駆動歯の引込を許可する第1位置へ変位させるために、第2カムプロファイル20bがピンに作用する。このように、カム2のフォロワー4への作用は、フォロワーを第2位置から第1位置へ通過させるように、行われる。5月30日または当該日付前に、フォロワーは、その第1位置にある。
図3及び4は、大の月の30番目の歴日に対応する第2構成にあるカレンダーシステムを図示する。更に具体的には、図3及び4は、5月30日のカレンダー機構に対応する。
当該第2構成において、ペグ40は、駆動歯が軸A5周りに回転するときに第1駆動爪5bと干渉するように、フォロワー4の側面4aが駆動歯31bの表面31aともはや接触により協働できないように、軸A1に中心を取る2つの半径R2、R2’の円に従ってそれぞれ形成された2つのカムプロファイル20a、20b間に収容される。フォロワーは、駆動歯の引込を許可する、その第1位置にある。このため、駆動歯31bが第1駆動爪5bの軌跡と干渉する位置にあると、駆動歯は、駆動歯車5の第1駆動爪5bにより適用される力Fに曝される。当該力Fの影響により、駆動歯31bは、軸A31周りに時計回り方向に回転するにつれて引込される。このため、第1駆動爪5bと駆動歯31bとの接触の可能性は、第1歯車3の駆動を引き起こさない。駆動歯車5の第2駆動爪5a自身は、第1歯車3のステップの駆動を引き起こす。これにより、カレンダーは5月31日を示す。
この日から及びまたは6月にわたり、カム2は、(図によれば)時計回りに軸A1周りに回転する。こうしたカムの変位の間、ピン40は溝20内で変位し、フォロワーを、駆動歯の引込を許可する第1位置から駆動歯の引込を阻止する第2位置へ変位させるために、第1カムプロファイル20aがピンに作用する。このように、カム2へのフォロワー4の作用は、フォロワーを第1位置から第2位置へ通過させるように、行われる。6月30日または当該日付前に、フォロワーは再度第2位置にある。
上述のように、フォロワーが第2位置にあると、カムの引込がここでは阻止されているため、第1駆動爪5bは、機械的作用Fを第1歯車の駆動のための駆動歯31bへ発揮し、フォロワーが第1位置にあると、歯の引込が抵抗なく行われる一方でジャンパ8が第1歯車の駆動に抵抗を引き起こすため、第1駆動爪5bは、第1歯車3を駆動することなく、駆動歯31bの引込のための機械的作用を駆動歯31bへ発揮する。このため、フォロワー、歯、及び第1爪は、歯の駆動位置において、第1爪が歯へ歯を引込する機械的作用を発揮するよう、または第1歯車を駆動する機械的作用を発揮するよう、配置される及びまたは構成される。当該機械的作用の結果は、フォロワーの位置により異なる。
上述の解決策は、カレンダー情報を表示するために用いられるばねの数を最小限にすることができる。カレンダー情報を表示するために用いられるエネルギーも、このため最小限にすることができる。特に、カレンダーシステムに蓄積されるエネルギーは制限される。エネルギー消費の制限は、時計の正確性に悪影響を与える能力を有するてん輪とひげぜんまいの振動体の外乱を制限することができる。
こうした解決策は、特に実施が簡単である。更に、こうした解決策は、有利には、月の印の表示の調節を、特に暦日の表示を尊重して、可能にする。これは、追加の戻しばねや割出ばねなくして独立して実施することができる。
1 小型時計用カレンダー用システム
2 カム
3 第1歯車
4 フォロワー
4a 側面
5 駆動歯車
5a 第2駆動爪
5b 第1駆動爪
9 中間歯車
20 溝
22 歯列
31b 駆動歯
32 歯列
40 ピン
200 小型時計ムーブメント
300 時計

Claims (15)

  1. 第1歯車(3)と、
    前記第1歯車を駆動するための第1爪(5b)と、
    前記第1歯車を駆動するための歯(31b)であって、前記第1歯車(3)に、引込位置と駆動位置の間に移動可能に取り付けられた歯と、
    カム(2)とカムフォロワー(4)とを含む、デスモドロミックシステム(2、4)と、
    を含む、小型時計カレンダー用システム(1)であって、
    前記デスモドロミックシステムは、少なくとも前記カムの第1位置が、前記歯の引込を許可する前記フォロワーの第1位置を定義し、少なくとも前記カムの第2位置が、前記歯の引込を阻止する前記フォロワーの第2位置を定義するよう、配置される、
    システム。
  2. 前記フォロワー、前記歯、及び前記第1爪は、前記歯の前記駆動位置において、前記第1爪が、前記歯に、前記歯を引込するまたは前記第1歯車を駆動する機械的作用を発揮するように配置される、及びまたは構成される、
    請求項1に記載の小型時計カレンダー用システム(1)。
  3. 前記歯は、前記第1歯車上で第1軸(A31)周りに旋回される、または前記歯は前記第1歯車上に摺動係合で取付けられる、
    請求項1または2に記載の小型時計カレンダー用システム(1)。
  4. 前記システムは、フレームワーク(99)を含み、及び前記フォロワーは、前記フレームワーク上で第2軸(A4)周りに旋回されるレバーであり、または前記フォロワーは、前記フレームワークに摺動係合で取付けられるスライダーである、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の小型時計カレンダー用システム(1)。
  5. 前記フォロワーは、前記フォロワーが前記第2位置にあるときに、前記歯の前記引込を阻止する、特に確動係合により阻止するように配置される側面(4a)を含む、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の小型時計カレンダー用システム(1)。
  6. 前記第1歯車は、暦日車、特に暦日ディスクである、及びまたは前記カムは、溝(20)を含むクラウンまたは歯車であり、前記フォロワーは、前記溝内に収容されるピンまたはペグ(40)を含む、及びまたは前記カムは、リブを含むクラウンまたは歯車であり、前記フォロワーは、スロットが設けられるピンまたはペグを含み、前記リブは前記スロット内に収容される、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の小型時計カレンダー用システム(1)。
  7. 前記フォロワーは、フレームワーク上に設けられた第2当接部と前記フォロワーの前記第1及び第2位置間の移動を制限するように協働する第1当接部を含み、及びまたは前記歯は、前記第1歯車上に設けられた第4当接部と前記歯の前記引込位置と前記駆動位置の間の移動を制限するように協働する第3当接部を含む、
    前記1から6のいずれか一項に記載の小型時計カレンダー用システム(1)。
  8. 前記第1歯車は、31本の歯を有する歯列(30)を含み、及びまたは前記システムは、前記第1歯車(3)を駆動するように第2爪(5a)が配置された第2駆動歯車(5)を含む、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の小型時計カレンダー用システム(1)。
  9. 前記第2駆動歯車(5)は、前記第1爪(5b)を含む、
    請求項8に記載の小型時計カレンダー用システム(1)。
  10. 前記システムは、前記カムが第1歯車の動きにより駆動されるように配置される、中間歯車(9)を含み、前記中間歯車は、前記カムの前記第1歯車への運動学的連結の要素を、特に前記カムの歯列(22)と協働する第1歯列と、前記第1歯車の歯列(32)と協働する第2歯列とを含む、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の小型時計カレンダー用システム(1)。
  11. 前記カムは、月に関する情報の表示のための要素を、特に文字及びまたは、文字盤と、特に前記文字盤の1または複数の開口と協働することが意図されるデカルを含む、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の小型時計カレンダー用システム(1)。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載のシステムを含む、小型時計ムーブメント(200)。
  13. 請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム、及びまたは請求項12に記載の小型時計ムーブメントを含む、時計(300)、特に腕時計。
  14. 前記フォロワーを前記第1位置から前記第2位置へ通過させるような、前記カム(2)の前記フォロワー(4)への作用、
    前記フォロワーを前記第2位置から前記第1位置へ通過させるような、前記カム(2)の前記フォロワー(4)への作用、
    のステップをを含む、
    請求項1から11のいずれか一項に記載のシステムまたは請求項12に記載の小型時計ムーブメントまたは請求項13に記載の時計の小型時計カレンダー用システムの作動方法。
  15. 前記フォロワーが前記第2位置にあると、前記第1爪が前記歯へ、前記第1歯車を駆動するための機械的作用を発揮し、前記フォロワーが前記第1位置にあると、前記第1爪が前記歯へ、前記第1歯車を駆動することなく前記歯を引込するための機械的作用を発揮する、
    請求項14に記載の小型時計カレンダー用システムの作動方法。
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